平成23年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(長坂隆司議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

平成23年2月28日(月曜日)

 午前10時1分開議
○議長(谷 洋一君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第45号から議案第57号まで及び議案第59号から議案第69号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 36番長坂隆司君。
 〔長坂隆司君、登壇〕(拍手)
○長坂隆司君 皆さん、おはようございます。任期最後の議会で一般質問をさせていただく機会をちょうだいしまして、本当にありがとうございます。以下、通告に従いまして4点、一般質問をさせていただきます。
 1番目、新年度を迎えるに当たって。
 1つ目に、仁坂知事は昨年11月の知事選を戦われて圧倒的な勝利をおさめられました。その節はおめでとうございました。しかしながら、今回の選挙は、仁坂知事にとっても、準備期間もありましたし、対立候補の当初の積極的な活動もあって、決して楽な戦いではなかったのではないかと思います。知事は精力的に県内をくまなく回って、全国的な不況の中で県下の状況、県民の声をいろいろ聞かれたと思います。改めて2回目の選挙を戦われた感想をお伺いいたします。
 2点目に、平成23年度新政策の基本的な考え方として、「未来を拓く『希望』の政策」と「命とくらしの現在を守る『安心』の政策」の2本を柱に、前年比82億円増と積極予算を編成されました。人口減少に歯どめをかけて、県内企業が競争力をアップして雇用をふやしていただく、そして企業誘致、特に雇用が見込める製造業の誘致に積極的に打ち込んでいただきたいと思います。
 それと、和歌山県は、観光地にしろ、食材にしろ、他府県に負けない地域資源をいっぱい有しています。しかし、以前から宣伝下手が指摘されており、地域ブランドを全国にアピールし切れていないと思います。商品パッケージを変えてみるとか、主婦の口コミをもっと利用するとか、身近で地道な努力も必要でしょう。また、県内には多くの建設業者があります。技術力をつけていただく自助努力も必要でしょうが、その努力が報われる、県内の入札にも幅広く参加し落札できる、さらに公正、平等な入札制度改革に取り組んでいただきたいと思います。
 イノシシ、シカなど被害がとどまることを知らない現況の中、有害鳥獣対策で支援を大幅強化いただいたことは評価したいと思います。まさに日を決めて地域で集中的に捕獲する対策を打ち出していただきました。
 昨今のゲリラ豪雨に対応した河川の排水、浸水対策へも本格的に着手いただきます。また、2巡目国体を呼び水に、県内道路ネットワーク整備についてもさらに国の理解と支援を引き出していただきたいと思います。
 以上は私の感想でありますが、知事は昨年11月の知事選挙を踏まえて、新年度予算にどのようにそれが反映されたのか、お伺いいたします。
 3点目に、関西広域連合も昨年12月1日に設立されましたが、平成23年2月定例会も行われたと聞きます。今後、知事はこの関西広域連合にどうかかわり、実効性を持った県の施策推進にいかにつなげていかれるのか、知事、お聞かせいただきます。
 2点目に、がん治療対策についてであります。
 1つ目、科学的根拠に基づいた観点で現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療のことを標準治療と言われます。ある一定の基準にのっとった治療のことであり、医師個人の勘や経験に頼ったあやふやな医療ではなく、効果や副作用などを調べる臨床試験で評価され、たくさんの臨床実績が必要であり、そのときの最も成績のよい治療方法であります。だれもがどこでも同じように最良の治療が受けられることを目指した考え方であります。
 ところで、県下でがん治療をしている病院には、標準治療は行き渡っているのでしょうか。すなわち、どこの病院でも同じような治療が受けられる体制になっているのでしょうか。福祉保健部長にお伺いいたします。
 2点目に、新たな薬物が開発されてから治療薬として実際に患者の診療に使用できるようになるまでの時間差、あるいは海外での新薬を国内承認できるまでの時間差のことをドラッグラグと呼ばれますが、日本の新薬承認には特に長い時間がかかることがよく指摘されています。保険適用の問題もあります。また、承認されてもそれを使える医師がいなければ患者に届きません。腫瘍内科医等化学療法ができる医師がいないと、承認薬でもすべての病院で使えるわけではありません。
 和歌山県においても医大学長が検討されている中で、腫瘍内科講座についても言及されているようですが、化学療法ができる専門医の育成、充実が急がれると思いますが、福祉保健部長に県の施策をお伺いいたします。
 3点目に、患者サロンも、病院の協力もあって、那賀病院を初めとして和歌山県立医科大学、橋本市民、和歌山労災とできてきました。家族へのサポートも大切だという観点から、家族が話し合う家族の集いも始まっていると聞いています。各がん拠点病院にあるがん相談支援センターとの連携もあわせて、患者、家族に対するサポート、援助体制を充実いただければと思いますが、福祉保健部長いかがでしょうか。
 3点目に、食品加工研究についてであります。
 1つ目、国の6次産業化推進のもと、本県も全国有数の生産量と質を誇る果樹を有しており、販売、流通にも力を注いでいただいておりますが、やはり加工の部分が弱いと思います。本県としては、食品加工産業をどうしていくかというマスタープランが望まれます。生果だけでは、幾ら味がよくても伸び悩んでしまいます。実際、果実の消費は長期的に低落傾向にあります。特に60歳以上に比べて若者、壮年層の消費量は約半分と劣っています。消費者のニーズにも的確にこたえていく必要があります。県の6次産業化への取り組みと考え方について知事にお伺いいたします。
 2点目に、今まで私も秋田、新潟、宮崎、熊本各県と北海道といった農業道県の食品加工研究所等、研究機関の視察をともにしてきましたが、いずれのところも昭和末期か平成初期の時期に、生食だけではいずれ行き詰まるとの危機感から、食品加工の研究開発機関を打ち立てて成果を上げてきています。
 幾つかの企業が食品加工研究センターにあるインキュベーションルームを利用して検討を重ねていたり、同じセンターの大きな加工実習室で真っ白い湯気を部屋じゅうに蔓延させながら商品づくりに真剣に打ち込んでいる姿も幾つか拝見しました。本県も、工業技術センターに食品開発室、そして8人のスタッフを擁する食品産業部をつくっていただきました。でも、今後、本県の持つ食材をもっと伸ばしていくには、具体的に世界戦略、国内戦略を打ち出していく必要があります。
 例えば、せっかく文部科学省の都市エリア産学官連携促進事業等で梅のポリフェノールの機能性も実証されてきたのであれば、その臨床結果のもとに商品化して全国へ、そして世界へ売っていかなければなりません。そのためには、今の手狭なところで分析中心の組織では、せっかくの研究も大きな飛躍が望めないでしょう。工業技術センター食品産業部を加工技術が指導できるレベルに押し上げていかなければなりません。将来的には、仮称ではありますが、和歌山県食品科学センターなるものをつくっていく必要があります。
 ですから、まずその端緒につくべく、産学官民を構成メンバーとして、和歌山県の食品加工を強化するための組織、機能を検討する場を立ち上げていただいて、将来戦略、人材面、設備面、協力ネットワーク体制等を議論して、本県の宝と言うべき食材の加工、活用について推し進めていただきたいと思いますが、知事いかがでしょうか。
 4点目に、和歌山県の教育についてであります。
 1つ目に、生徒指導について。
 昨今、県下の中学校でいじめの横行、特に集団でのいじめの話をよく聞かされます。ある中学校では、女子生徒のいじめのグループというのがあって、その1人がそのグループの中に入っていない、いわばいじめられている側の子を誘い込んで、逆にいじめる側のグループに入れていじめをさせると、そういったことがあるとのことです。本来好きなことに打ち込めるはずのクラブ活動にも影響が及んできます。
 担任がいじめの存在を見て見ぬふりをしていたり、学校として校内での登校指導もおろそかにしているような状況があると聞きました。県教育委員会として、小中学校の生徒指導の現状をどのように把握しておられるのか、教育長の見解を伺います。
 2点目に、教員の対応について。
 確かに、モンスターペアレンツと呼ばれる自分の子供だけよければいいような、自分の家庭における教育のことを棚に上げて学校を責め立てる一方の保護者も少なくないようですが、小学校、中学校というのは義務教育であります。子供たちには、中学校においては自立心を養っていくことも大事でしょうが、全体の中の1人であることを受けとめ、そして人の気持ちにも配慮できる人間に成長していっていただきたいものであります。まして、選ばれた教師というのは聖職者であります。教師は、生徒に対して、自分の思いどおりになるものではない、子供が何でも自由に選べるものではないということを毅然と、はっきりと自信を持って指導していただきたいと思いますが、教育長いかがでしょうか。
 以上4点、第1問目を終わらしていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(谷 洋一君) ただいまの長坂隆司君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、知事選の感想でございます。
 私は、選挙戦を通じ県内各地をくまなく回らせていただきましたが、多くの県民の皆様方から励ましのお言葉をかけていただくと同時に、景気や雇用といった県民生活に深くかかわる切実な声を数多くいただきました。県民の皆様が厳しい景気低迷の中で歯を食いしばって頑張っている姿を実感し、和歌山を元気にするため、さらに頑張っていかなければならないと強く感じたところであります。
 選挙は、多くの皆様に助けていただいたので当選を果たすことができましたが、今後は県政でこれをお返しするということが大事なことであります。そこで、その気持ちを込めて、県庁前で登庁の第一声で、主として県庁の職員に「みんなでまた仕事だ」というふうに申し上げたわけでございますが、私のその辺の気持ちをあらわした言葉でございます。
 平成23年度当初予算におきましては、このような県民からいただいた意見に可能な限りお答えできるように留意したところでございます。具体的には、地域経済の再生や雇用の創出といった御意見が多かったということから、働く場の確保がやはり重要であると考えまして、頑張る地場産業への一貫した支援や企業誘致、果樹産地の再生、低コスト林業の推進等の農林水産業の振興など、県内産業の活力強化を進めることといたしました。また、特に中山間地域を訪問した際には鳥獣被害の深刻さを目の当たりにいたしましたので、鳥獣害対策予算を倍増いたしまして、対策に万全を期すこととした次第です。
 さらに、早期のインフラ整備を望む声も大変多うございました。道路整備を初めとする公共事業の予算にも配慮したところでありまして、特に各生活圏の背骨に当たる川筋ネットワーク整備に集中的に取り組むなど、県内の道路ネットワーク整備に引き続き注力することにしております。
 加えて、暮らしの安心・安全を望む声も高いことから、子供の命を守るヒブワクチン等の接種支援や、地域の拠点病院の整備を初めとする安心医療の充実、災害から県民の生命・財産を守る中小河川の浸水対策など、生活に密着した施策の拡充に努めたところでございます。
 次に、関西広域連合と県の政策推進についてでございます。
 関西広域連合では、独自の組織として府県知事で構成する広域連合委員会を設置し、合議による運営を行うこととしております。委員会においては、重要事項や今後の方針を全会一致で決定していくことになりますので、私も委員として、本県の意見や提案をしっかり言っていくとともに、副広域連合長としての調整役も果たしていきたいと考えております。
 また、委員会で大筋が決まると、各府県知事が、担当する分野ごとの執行責任を担い、事業の立案から実施までを行います。担当府県以外の府県では、事業担当の幹部が広域連合の参与として兼務しておりまして、事業の立案段階から各府県の意見の反映や、広域連合の事業と府県事業のマッチングの実施などを行うこととなっております。
 平成23年度から関西広域連合が本格的に活動していきますので、このような仕組みを十分活用して、広域連合が行う観光や防災などの分野における事業等が本県の施策や事業との連携のとれたものとなるようにしていきたいと考えております。
 次に、食品加工の問題でございます。
 6次産業化への取り組み、考え方についてでありますけれども、農林水産業を核とする6次産業の推進は、農林水産業の振興のみならず、新たな産業の育成や雇用機会の拡大を通じて地域活性化に大きく寄与するものと考えております。本県は、多種多様な農林水産物の生産に加えて、梅干しに代表される食品加工を行う特色ある地場産業があることや観光資源が豊富なことなどから、6次産業化に向けた高い潜在性、ポテンシャルを持っていると思います。
 議員お話しの食品加工の推進は、6次産業化推進のポイントになるものでありまして、食の外部化の進展に伴って需要の拡大が期待できる分野でもありますが、県内の加工の実態を見ますと、果樹を初めとする農林水産物が数多くあるのに対し、それらを加工する取り組みがこれまで弱く、我々の働きかけなどもありまして、ようやく県民の中にその機運が盛り上がってまいりました。そういうとこだと思います。これをもっと伸ばしていく必要があると感じております。
 このため、各地の盛り上がりを生産・販売面で助けることはもちろん、大手食品・飲料メーカーとの協働による商品開発を初め、食品産業と農林漁業者との連携により商品開発を進める農商工連携、また、農林漁業者みずからが生産、加工、流通、販売に一体的に取り組む新農林水産業戦略プロジェクトなどを進めています。
 これまでにショウガのジンジャーエールや有田みかんのポン酢などのヒット商品が生まれておりますけれども、今後こうした食品加工を含めた6次産業化をより一層強力に推進し、産業振興につなげてまいりたいと考えております。
 次に、これを支援する機関でございますが、これは2つ大きく分けられると思います。1つは、これまでも県内企業に対しまして、工業技術センターが食品の機能性の研究や技術相談等で支援を行っているところでございます。和歌山県の産業技術基本計画でもアグリバイオインダストリーは重点的に振興すべき4つの分野だというふうに言われておりまして、産業化も十分視野に入れた活動を今後強力に展開していかなきゃいかんというふうに思っております。
 一方、農業生産者みずからが取り組んでいる食品加工につきましては、例えば紀の川市の、私もちょっと見学いたしましたが、桃りゃんせ夢工房なんていうのがありまして、桃ジャムを初め多くの加工品をつくって観光客を呼んだりして人気を博しているというような例が、近年あちこちにいっぱい出てまいりました。こういった活動をより一層支援し、県内の農林水産物に係る加工食品のレベルアップを図るということは大変重要であると考えております。
 今後、こういうものを販売で助けていく、あるいは生産の助成等々で助けていくということとともに、県に幾つかございます農林水産関係の研究機関に、栽培の部分だけじゃなくて食品加工を指導できるような機能を付加していったらどうかなどというような問題意識で今後も検討してまいりたいと考えております。
○議長(谷 洋一君) 福祉保健部長西上邦雄君。
 〔西上邦雄君、登壇〕
○福祉保健部長(西上邦雄君) がん治療対策について、一括してお答えを申し上げます。
 現在、県内に6カ所ございますがん診療連携拠点病院におきましては、手術療法、化学療法及び放射線療法を組み合わせた集学的治療と緩和ケアが実施されるとともに、各学会の診療ガイドラインに準ずる標準的治療を提供しております。
 また、標準的治療等の提供が可能な診療体制を拡充するため、和歌山県がん診療連携推進病院の制度を創設いたしまして、がん拠点病院のない2次保健医療圏を中心に整備を図っているところでございます。
 次に、専門医の育成・充実ですが、県立医科大学を初めとしますがん拠点病院では、がん治療に携わる医師による専門的知識の習得と専門医の確保に努めております。また、がん拠点病院を初め、2次保健医療圏の中核病院などで構成する県がん診療連携協議会に昨年6月、新たに化学療法部会を設け、県内どこでも質の高い化学療法が受けられるよう取り組みを進めているところであります。
 次に、患者、家族に対する援助体制の充実につきまして、県としましては、患者、家族それぞれの身になって相談に応じ、適切な助言等を行えるよう、それぞれのがん拠点病院に設けています相談支援センターが果たす役割の一層の充実に向けまして、引き続き支援を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) 教育長山口裕市君。
 〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 和歌山県の教育についてお答えいたします。
 いじめは、児童生徒の心身の健全な発達に重大な影響を及ぼす深刻な問題でございます。本県の小中学校におけるいじめの認知件数は、全国的に見て非常に少ない現状にございますが、その中でも集団で1人の児童生徒をいじめる悪質な事例や、携帯電話やパソコンを使用したネット上のいじめなどの見えにくい事例も報告されております。
 そこで現在、すべての公立学校におきまして実態把握のためのアンケートを実施し、いじめの早期発見と解決に努めているところでございます。また、いじめは絶対に許されないという意識を児童生徒にも教員にも徹底させるとともに、1人1人が尊重される集団づくりを行い、組織的に問題解決に取り組んでおります。
 今後、教育委員会といたしましては、児童生徒が発する小さなサインを見逃すことのないよう、さまざまな機会を通じて各学校に指導してまいります。
 次に、教員の対応についてでありますが、教育委員会といたしましては、教員に対し、日ごろから児童生徒の実態把握に努め、児童生徒に寄り添い、粘り強く熱意を持って対応するとともに、いじめや暴力行為には毅然とした態度で臨み、規範意識を初め、豊かな社会性を育てるよう引き続き指導してまいります。
 保護者への対応につきましても、誠意を持って対応する一方で、児童生徒のことを一番に考え、1人1人が社会的な力を身につけていけるよう、冷静に粘り強く対応することを指導してまいります。
○議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 再質問を許します。
 36番長坂隆司君。
○長坂隆司君 御答弁いただきました。
 まず、がん治療対策についてでありますが、標準治療はもちろん大切ですが、数字上のマニュアル治療になってはいけないと思います。患者に合ったがんの治療を進めていくためにも、標準治療について患者自身も知ることは大事でしょう。県としてそんな啓発もしていただけたらと思います。
 医療格差を是正する意味でも、化学療法ができる腫瘍内科医ががん拠点病院で充足していることは必要だと思いますので、専門医の育成、充実、これもどうかよろしくお願いいたします。
 がん相談支援センターですが、患者自身その存在を知らないことも少なくないようですし、患者が求めている情報を的確に提供できるような使い勝手のいい、がん拠点病院の相談支援センターの充実に県としても目を向けていただければと思います。
 学校のいじめの問題ですが、どうも最近はいじめの集団化、陰湿化、こういう傾向が強いようであります。答弁いただいた中の児童生徒の発する小さいサインを特に担任の先生は見逃さないよう細心の注意をいただく。そして先生として生徒から尊敬される、かつ恐れられる、そんな先生になっていただきたいと思います。
 食品加工研究でありますが、食品の機能性研究や健康でおいしい食品の開発は全国的に熱心に取り組まれております。九州では九州地域バイオクラスター推進協議会というのがありまして、九州の機能性食品や健康食品の研究開発、量産化拠点の形成に向けての活動の一環で、開発を支援した機能性食品にロゴマークを制定して認定する制度をことし早々始めています。全国で独立した食品加工研究所を設置しているのは、北海道、青森、秋田、新潟、富山、愛知、愛媛、広島、香川、福岡、宮崎各県、計12道県であります。それぞれに有数の農水産資源を持っています。
 本県の長期総合計画においても、加工を核としたアグリビジネスの構築として、特定保健用食品の認定も視野に入れた機能性食品等の研究開発に取り組むとうたわれています。そのためには、企業の持つシーズを商品化するための加工研究開発を専門的に行う拠点はどうしても必要ではないかと思うわけであります。それに農商工の連携体制は欠かせません。大学の専門研究者にも入っていただいて、例えば和歌山県食品科学センターといった中核になる組織の中で、県の目指す売れる機能性食品づくりに一刻も早く取りかかるべきであります。
 時あたかも、和歌山県北山村の特産物ジャバラの抗アレルギー性、あっさりとしたおいしさに着目した愛媛県が宇和島産のジャバラ、このサプリやジュースを大々的に販売展開しております。ぼやぼやしておれないわけであります。
 そこで、1問再質問させていただきます。食品加工戦略のためのヘッドクオーター制についても、今まで農林水産政策局長をヘッドクオーターとして農林と商工を統括する形で議論してきていただいたことと思いますが、2つの部の間にあって、どうしても遠慮もあったのではないかと思います。和歌山県の将来に向けた食品加工戦略をさらに強力な実効力あるものにしていく、そんな議論を推し進めるためには、トップダウンで知事もしくは副知事にヘッドクオーターになっていただくことが必要ではないでしょうか。知事にお答えいただきます。
○議長(谷 洋一君) 再質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ヘッドクオーター制度につきましては、組織横断的な重要課題に対しまして、縦割りになったらいかんということで迅速かつ的確に対応するために設置しているわけでございます。もとより、知事とか副知事は全部ヘッドクオーターなんでありまして、すべての問題について指令を発してリードしていかないといけません。しかし、そこまで上がってこないと縦割り行政の弊害がなくせないということになると、ちょっとこれは身が持たないというか、困りものなものですから、したがって、職員レベルでもそれは心がけてきちんとやるべしだということで、そういうミッションを与えているということなんでございます。
 食品加工のヘッドクオーターを知事、副知事にということでありますが、和歌山県の食品加工戦略というのはもう大事なものでございますので、当然私が先頭に立ちまして、すべての関係職員をよく指導して検討していく、そういうことにしたいと思います。
○議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。
 〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 再々質問を許します。
 〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 以上で、長坂隆司君の質問が終了いたしました。

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