平成23年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(岸本 健議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

平成23年2月24日(木曜日)

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 17番岸本 健君。
 〔岸本 健君、登壇〕(拍手)
○岸本 健君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 2月15日、地元紀の川市で高病原性鳥インフルエンザに感染した鶏が発見されました。午前9時過ぎ、紀北家畜保健衛生所に連絡が入り、養鶏所にて衛生所の職員によるインフルエンザの簡易検査を行い、死んだ鶏の5羽中4羽、生きている鶏の5羽中1羽に陽性反応が出ました。
 和歌山県と紀の川市は対策本部を設置し、その後、遺伝子検査で10羽中10羽に高病原性鳥インフルエンザを示すH5亜型が確認されたことにより、12万羽の殺処分と半径10キロ圏内の移動禁止措置が決定されました。
 16日午前零時10分、殺処分開始。18日午前4時10分には、発生農場の鶏約12万羽の殺処分が完了しました。20日には、殺処分した鶏12万羽、卵約40トン、飼料110トン、ふんなどの埋却作業、発生養鶏場の消毒を完了し、すべての防疫措置が完了しました。予想以上に早い対応であったと感じております。
 殺処分開始からすべての防疫措置完了まで、本庁、那賀、伊都、海草、有田、日高の各振興局、また信太山駐屯地から自衛隊員、国の出先機関、紀の川市、JA、建設業界、延べ約2600名が24時間体制で動員されました。過酷な作業であったとも思いますし、動物を殺さなくてはならないというつらい気持ちにもなったことだと思います。
 作業前の健康診断が行われている貴志川体育館や埋設場所の手前にあるグラウンドにも向かいました。特に、作業を終えられた職員さんは疲れ果てておりましたし、那賀振興局にも休日出勤で現場の対応に追われておりましたが、素早い対応で取り組まれていました。作業中、石灰を吸い込んだり、疲労と睡眠不足等で体調を崩し、病院に行かれた方もおられたとのことでありました。
 短期間で防疫措置完了については、職員さんたちの活躍はもちろんでありますが、地元紀の川市が12万羽という大量の埋設場所の確保、決定が早かったことや、那賀振興局の殺処分に必要な資材の確保、そして、これらに対する協力が得られたことも大きいと感じています。二度とこのようなことが起きてはいけないのですが、危機管理上、県内の養鶏場付近で、できるだけ近くに埋設可能な場所や大型車が通行できる進入路等を確認しておかなければならないのではないでしょうか。
 また、現場の緊迫した状態の中、冷え切った体で養鶏場での作業に当たっている職員の皆さんたちのために、紀の川市赤十字奉仕団のメンバーの心温まる炊き出しをしていただきました。感染拡大防止のために、寒さや雨などの厳しい状況の中で昼夜を問わず作業にかかわられた方々、また関係の方々の御尽力に、心から感謝を申し上げます。
 和歌山県は、毎年県内の養鶏農家を対象に施設などを一斉点検を行っております。この養鶏場においても県職員の立入検査を何度も受け、防疫体制を整えておられ、問題はないということでありましたが、16日の農林水産省疫学調査チームが実施した現地調査の結果が発表され、鶏舎の金網の網目は4センチで、金網の外側には遮光カーテンがかかっていたが、カーテンに破れた部分もあった、また、壁の下にはすき間があるなど、小鳥やネズミなどの小動物の侵入は可能と考えるとの指摘がありました。現実として、周辺にはネズミの穴が発見されており、定期的に駆除する対策をしっかりとしていたとも言われております。
 農林水産省動物衛生課の担当者によると、「不備はあるが、経営者としてできる対策はとられていた」。また、京都産業大学の大槻公一鳥インフルエンザ研究センター長は、「初めての発生で、指導する行政も指導を受ける経営者も徹底度が低かったかもしれない。一般の鶏舎は窓がなく、密閉性の高いウィンドレス鶏舎に比べると感染リスクが高いということを行政も経営者も常に意識をしてもらいたい。たとえ網目の大きさが2センチでも、ウイルスを運ぶ可能性があるハエは容易に鶏舎に侵入できる。ネズミも完全に駆除することは不可能。2センチの網目だから大丈夫というわけではなく、多方面に目を向け、より完全な状態に近づける努力が必要だ」とコメントされています。
 今後、養鶏農家は当然のことながら、和歌山県はさらに厳しい目で検査、指導を行っていただきたいと要望いたします。
 このような状態の発生でありますので、県内の養鶏農家や、特に半径10キロ以内の和歌山市2カ所、紀美野町6カ所、有田川町2カ所、紀の川市1カ所の養鶏所が万全の体制をとっていたとしても、養鶏農家の方々の不安は消せないと思います。
 感染経路の解明、蔓延防止は当然、当該の養鶏場はもちろん、移動制限区域内の養鶏業者も15日午後からは卵や鶏肉を出荷できない状態であると思いますし、19日午前11時より鶏や卵の移動制限区域を半径5キロ圏内に半減させ、5キロから10キロを搬出制限区域に変更し、臨床検査などの条件を満たせば卵の出荷が可能となりましたが、鶏肉の出荷は行えない状況でありますし、半径5キロ以内の養鶏農家2軒については移動制限が行われています。
 移動制限が解除になった後についても、本当にもとどおりになるのか心配であります。終息宣言までは、法律上、21日間新たな発生がなければ最短で3月14日午前零時であると。この間の消費の落ち込みにより、流通業界の売り上げ減少など地域経済に深刻な打撃を与え、住民生活にも影響を及ぼす可能性も考えられます。発生農家や移動制限を受けた農家、関連の業者に対する対応をしっかりしていただきたいとお願いいたします。
 そして、何よりも懸念するのは風評被害であります。和歌山以前に鳥インフルエンザが発生した地域で、観光旅館の予約がキャンセルになったという話も伺いました。
 昨日、全議員が所属している和歌山県議会スポーツ振興議員連盟総会の昼食時にて、知事も同席のもと、和歌山県産鶏の卵かけ御飯と空揚げをいただきました。先輩議員の中には、4杯も食べられた方もおられます。日々の活動に疲れた体に力がわいてきたことだと思います。
 県産の卵や鶏が安心・安全であることを県民の皆様に御理解いただき、感染した鶏に濃厚に接触しない限り人には感染しないし、鶏の卵や肉を食べることにより鳥インフルエンザが人に感染することはないということは世界的にも報告がないのですから、風評被害等の防止のために、消費者はもちろん、流通業者等に対しても正しい情報の提供に努めていただきたいと思います。
 県は、引き続き、感染源や感染経路等の究明、養鶏農家の衛生管理の徹底を指導し、発生予防に努めていただきたいと思います。養鶏農家に対する補償について、また危機管理について、特に発生前の事前対応について、県の今後の対応について知事にお伺いいたします。
 次に、農林水産業の振興策についてお尋ねいたします。
 近年、高齢化や後継者不足、自然災害、価格の低迷等、第1次産業を取り巻く環境は悪循環で回っているように感じます。
 和歌山県においては、トップセールスなどの販路開拓や食品開発、品種改良、技術改良と日々努力をしていただいていることは実感しているのですが、新たな技術を活用する必要があるのではないでしょうか。
 数年前から藤山議員も質問されています電磁冷凍という冷凍技術についてであります。
 従来の保存方法では、食品が周辺から冷やされ、外側から徐々に氷に変わり、氷が結晶化することで体積が膨張し、食品の細胞膜が破れ、解凍時には、壊れた細胞膜から細胞内の栄養や水分が流れ出し、食味が悪化します。しかし、電磁冷凍という技術は、食品を冷却しながら磁力エネルギーで細胞中の水分子を振動させます。この振動で、ゼロ度を下回っても氷の結晶にはならず、食品の中心部まで約マイナス40度冷やされた段階で小さな衝撃を与え、一瞬で全体を凍結させます。食品中の水分子は極小な氷の粒となり、結晶化しないで細胞膜が破壊されず、解凍時の食味の悪化がないということと長期保存がきくとのことです。
 農産物はもちろん、野菜や鮮魚、肉、揚げ物、洋菓子、和菓子、加工品である弁当、おすしに至るまで、解凍しても凍らせる前の状態になります。新鮮なままとりたて、つくりたての状態であります。
 例えば、島根県隠岐諸島にある海土町は、境港から沖合い60キロメートルに位置し、舟で3時間、人口2500人ほどの小さな島であります。主要産業は漁業でありますが、離島ゆえに魚が市場に届くまでに鮮度が落ち、価格が下がる。漁業が先細りし、若者は職を求めて島を離れ、過疎化、高齢化が進む中、町の負債も100億円を超える危機的な状況でありました。
 しかし、この技術を導入した凍結センターを整備し、地元特産であるシロイカ、イワガキなど50品目以上の製品を販売。離島のハンディを克服。海産物のブランド化に成功。1年じゅう出荷できるメリットもあり、東京などの大都市圏の飲食店、中国などの海外にも出荷しています。当初の計算より1年早く黒字になり、さらなる増収を見込んでいるようです。
 地元でとれたものを地元で加工する。新しい技術を使うことで島の価値が上がる。これらのことにより、島では新たな雇用が生まれ、Iターン、Uターン、また島に残る若者がふえ、この6年間で250人以上の若者が島に移住しています。若者の増加が島の活性化につながり、さまざまな島の振興策に取り組んでいます。
 多額の経費がかかり、大漁時には値崩れを起こすなどの漁師の生活は安定しませんでしたが、ある時期の漁師の収入が50万円くらいだったものが、電磁冷凍導入後、200万を超える方もおられるようであります。
 和歌山県でも、マグロやカツオなどの水産物はもちろん、全国でも通用する果樹に活用してはどうだろうかと考え、開発者の大和田さんにお話を伺いました。柿、ミカンについては、少し皮がやわらかくなるが、中身は新鮮なままで、干し柿や桃をカットしたものは、解凍後も凍らせる前の状態になり、どれも新鮮なままであるとのことでありました。生果に限らず、2級品など加工やジュースに回るものにも活用できると思います。
 電磁冷凍などの技術を活用することによって、生産地域で加工し、雇用を拡大し、自分たちのブランド化を進め、旬の時期に限らず付加価値をつけ、国内に限らず世界に販路を拡大できるのではないでしょうか。生産者の所得の安定、後継者不足の解消などの効果も期待できると思います。
 おととし、紀の川市がリーダーシップをとり、JA、各農業団体、農業従事者、議会関係者等を集め、電磁冷凍についての鮮度や技術の講習を行っております。また、県内では、平成18年度に有田川町の授産施設において導入され、自家農場でとれる野菜、果実類を電磁冷凍して近くの直売所で販売しているとのことであります。
 また、地元の漁港と連携して、特産の生シラスを電磁凍結し、解凍後も生と変わらない風味があるということです。実際、シラスを食べた方にお話を伺ったところ、新鮮で、冷凍していたものとは思わなかったと言われておりました。
 新たな技術を取り入れることにより、さらなる農林水産業の発展につながるのではないかと考えますが、農林水産部長のお考えをお伺いいたします。
 次、最後の質問です。
 去る2月5日、紀の国わかやま国体のソフトボール競技、成年男女・少年男子の会場となる紀の川市貴志川スポーツ公園野球場にて、紀の川市模擬国体成年女子ソフトボール大会が開催されました。
 北京オリンピック金メダリストの上野由岐子投手と峰幸代捕手らが所属するルネサスエレクトロニクス高崎女子ソフトボールチームにお越しいただき、トップレベルの練習見学、一流ピッチャーのボール体験、紀の川市内の大人から小学生まで宇津木妙子シニアアドバイザーのノックなどの体験、また仁坂知事も上野投手のボールを体験されました。残念ながら、バットは振ってはいけないとのことでありましたので、ホームランを見ることはできませんでした。
 また、国体の決勝戦をイメージして和歌山県選抜チームとの試合が行われ、約2000人の観客が訪れ、オリンピックで活躍した一流選手らのプレーに感動しました。
 会場には、紀の川市観光協会がラーメン、うどんなどの販売、おもてなしコーナーとしてぜんざいを約1000人分無料配布されていました。
 翌日2月6日には、当地方で開催されるハンドボール競技を盛り上げようということで、紀の川市打田体育館において、那賀地方青年団体連絡会の主催で、日本ハンドボールリーグ5連勝中でナショナル選手が在籍する日本を代表する大同特殊鋼フェニックスによるハンドボール講習会が行われました。紀の川市、岩出市立中学校ハンドボール部の生徒が147名参加しました。両日ともに、国体に向けて、また県民のスポーツに対する機運を高めるためにすばらしい取り組みであったと関心させられました。
 平成27年紀の国わかやま国体に向けて、県はもちろん、各市町村、地域の各団体が取り組みを始めています。私自身は昭和45年生まれでありますので、46年に行われた第26回国民体育大会については、思い出の黒潮国体パネル展を見るくらいでありますので、大変楽しみにしています。
 平成21年文教委員会委員長として、新潟国体の開会式や各競技を視察させていただきました。会場のすばらしさやスタッフのおもてなしの心などに驚くばかりでありました。中でも関心を持っていたのは、道路網の整備でありました。特にインフラ整備がおくれている和歌山県では、どうなるのだろうかと考えてしまいます。
 知事は、就任以来、和歌山県内の高速道路の整備促進、幹線道路の整備に全力で取り組まれてきました。近年、京奈和自動車道について200億前後の予算が、残念ながら政権交代後145億円と、愕然とする結果であります。
 以前からよく県民の皆様から言われるのですが、「京奈和自動車道は、自分たちが生きているうちにできるんか」と、そんなことを言われます。「平成27年の国体までに完成するように頑張ってるんよ」と言いますと、必ずと言っていいほど激励を受けます。
 京奈和自動車道は、京都、奈良、和歌山を結ぶ延長120キロの高規格幹線道路であり、国土幹線自動車道などと連携し、都市圏外周部の環状交通体系を形成するとともに、京都、奈良、和歌山の拠点都市間の時間短縮を図り連携を強化することで一体的な近畿圏の形成に寄与することになり、また関西国際空港や重要港湾等へのアクセス性の向上により物流の効率化や広域的な大阪湾ベイエリア開発整備につながります。
 県内においても、国道24号や県道粉河加太線などの一般道路の交通混雑の緩和、交通事故の減少、沿道環境の改善が考えられますし、地域間の所要時間の短縮や大阪都市部などの渋滞地域を通過せずに名神高速や名阪道路などに続き、農産物等の輸送の時間短縮も考えられます。3次救急医療をより早く受けられるようにもなりますし、観光拠点を相互に連絡し、広域的な観光ネットワークをも形成できます。安全で快適な交通環境、利便性の向上、地域に新たな活力を生み出す京奈和自動車道は、地域の念願であります。
 こうした中で来年度の直轄事業の事業計画が示されたと聞いていますが、京奈和自動車道紀北東道路、紀北西道路についての現在の状況と今後の展望についてお伺いいたします。
 2月定例会初日の知事説明で、希望の政策の中に、高速道路を補完する県内の幹線道路として重点的に整備を進めてきたX軸ネットワークにつきましては平成23年度に完成いたしますので、引き続き各生活圏の背骨に当たる主要河川沿いの道路を川筋ネットワークとし、優先整備し、県内の道路ネットワークのさらなる強化を図ると言われております。
 県道和歌山橋本線は、和歌山市堀止地内の国道42号との交差点から橋本市向副地内の国道370号の橋本橋に至る49キロの主要地方道であり、紀の川左岸沿いの和歌山市、紀の川市、かつらぎ町、九度山町、橋本市を通過し、各市町の経済及び文化の発展に重要な役割を果たしています。また、大規模地震時には、円滑かつ迅速な復旧救援活動に使用する緊急輸送道路にも指定されています。紀の川筋にはなくてはならない主要幹線道路であります。
 現在、伊都郡かつらぎ町渋田地内で、2車線改良と紀の川市北涌地内で歩道整備が行われており、遠方工区のみが未着工区間であります。特に遠方工区でありますが、平成8年、県からルート提示があり、その後、地元によるルート変更要請、そして、さらに県とルートについて協議を繰り返し、平成13年度に事業着手しますが、さらに平成22年までルートについて協議が繰り返されました。地元はもちろん、県当局は大変な労力であったと感じています。
 平成22年10月、地元区長及び道路委員長から、地域の総意として堤防沿いルートでの整備要望が提出されました。
 現在、県道和歌山橋本線遠方地区は乗用車同士の対向も難しく、朝夕は渋滞、特に特産物であるミカン、桃、柿の出荷時期には、選果場に出入りする大型トレーラーや軽トラックで大渋滞が発生しています。民家の壁や塀に車をこすったり、溝に脱輪、ひどいときはトラックが民家の電気線を切り、停電が起きたこともあります。休日に付近を歩きますと、ドアミラーがよく落ちていることもあります。
 小学生の下校時には、交通量が多いため、県道の側溝の中を歩いたり、橋の欄干にしがみつきながらカニのように歩いて渡っている姿も目にしたことがあります。自宅から車を出すのも、車で自宅に帰るのも大変な状況であります。子供が自転車で車と接触した事故もあり、親は子供が帰宅するまで心配でしようがないと、そんな状況であります。
 県道和歌山橋本線の交通量について、かつらぎ町西渋田付近で約9000台が、紀の川市竹房橋付近では約4000台と減少し、そのうちの大半が遠方地内を避けて通行しているようにも推測されますし、かなりの台数があの狭い道を通行しています。
 知事の言われる川筋ネットワークとして優先整備、県内の道路ネットワークのさらなる強化のためにも、地域の安心・安全のためにも県道和歌山橋本線遠方工区は迅速に整備されることを念願するものでございます。県道和歌山橋本線遠方工区の今後の取り組みについて、県土整備部長にお伺いいたします。
 以上をお尋ねしまして、私の質問を終わります。御清聴、ありがとうございました。(拍手)
○副議長(山下直也君) ただいまの岸本健君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、高病原性鳥インフルエンザについてでございます。
 関係農家に対する支援でございますが、当該農家につきましては、家畜伝染病予防法に基づく手当金として、殺処分の対象となった鶏については、鶏の評価額の8割が国から補償されます。
 現在、国では、家畜伝染病予防法を改正し、全額を補償するよう検討されているところでありますが、国の政局混迷の折から国が全額補償できない場合には、仮にそういうことがありましたら、県が残りを補てんしてまいりたいと考えております。
 また、移動制限区域内の家禽農家における売り上げ減少額や飼料費等の増加額に対しても補てんしてまいりたいと考えており、金融支援につきましても相談窓口を設置するなど対応を行っているところでございます。
 また、事前対応につきましては、これまでも必要資材の備蓄や動員体制の整備、また発生時を想定した防疫演習を行い、危機管理体制の構築に努めてきたところでありますが、このたびの対策に係る課題を検証いたしまして、幾つか細かい点で改善すべきところがあったと思いますので、こういう点についてもきちんとし、また埋却候補地を市町村と具体的に協議しておくということなど、危機管理の強化に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(山下直也君) 農林水産部長阪中栄一君。
 〔阪中栄一君、登壇〕
○農林水産部長(阪中栄一君) 電磁冷凍など冷凍技術の活用についてでございますが、電磁冷凍は、細胞を壊さないで凍結することにより、食品の鮮度や風味を損なわず長期保存ができる新しい冷凍技術というふうに言われてございます。
 議員お話しの島根県海土町の事例のほか、県内では有田川町の授産施設にこの冷凍装置が導入されておりまして、平成23年度では、本施設を活用した冷凍シラスの売り出しに県も支援することとなっております。
 県といたしましては、6次産業化の取り組みにより収益性の高い農林水産業を実現していくことが大変重要と考えておりまして、こうした冷凍技術の導入は、地域資源を活用した新たな商品開発、また高付加価値化による生産者の安定収入の確保などの点で効果が期待されるものであると思っております。
 設備の導入コスト、活用法に応じた冷凍技術の確立や販売先の確保等、多くの課題もございますが、今後、意欲のありますJAあるいは漁協に対しまして情報の提供を行うとともに、国の補助事業の活用など、必要な支援を行ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(山下直也君) 県土整備部長原 広之君。
 〔原 広之君、登壇〕
○県土整備部長(原 広之君) 京奈和自動車道の整備についてでございます。
 高野口インターチェンジから仮称・打田インターチェンジまでの紀北東道路では、ほぼ全線で工事が推進され、用地取得につきましても、一部残る区間で土地収用制度の活用に向け、手続中でございます。
 さらに、仮称・打田インターチェンジから和歌山ジャンクションまでの紀北西道路につきましては、用地取得が進められており、紀の川市内において本線工事が推進されているところでございます。
 こうした中で、国から示された平成23年度国予算に係る直轄事業の事業計画におきまして、紀北東道路につきましては平成25年度供用予定、また紀北西道路につきましては平成27年度供用予定とされているところでございます。
 一方で、国予算につきましては、今年度の145億円に対し来年度は104億円から134億円と示され、非常に厳しい状況でございます。このため、県といたしましては、平成27年国体までに全線供用されるよう、国に対し必要な予算の確保を強く働きかけてまいります。
 次に、県道和歌山橋本線の整備についてでございます。
 県では、平成23年度から、X軸ネットワークに続く新たな施策として、各生活圏の背骨に当たる主要河川沿いの道路を川筋ネットワークとして重点的に整備を進めてまいりたいと考えております。
 本路線は、この川筋ネットワークに位置づけられる紀の川沿いの主要幹線道路でございます。しかしながら、紀の川市遠方地区におきましては、未改良のため幅員が狭小で、通行に支障を来している状況にございます。議員御指摘のとおり、ルートの問題で地元調整に長期間要しておりましたが、昨年10月、堤防沿いルートの計画が地元了解されたところでございます。今後、地元関係者と具体的な協議を進め、早期完成に努めてまいります。
 以上でございます。
○副議長(山下直也君) 答弁漏れはありませんか。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(山下直也君) 再質問を許します。
 17番岸本 健君。
○岸本 健君 要望です。
 とにかく鳥インフルエンザについては、農家への補償をお願いしたいと。これはもう、第1次産業は自然との闘いであります。農家が決して好きでこんなことになったんではないんで、その辺も含めて、もう御理解はいただいておると思うので、よろしくお願いをしたいと思います。
 あと、場所ですが、今回すごく対応が早かった。というのは、もちろん職員さんがすごく一生懸命やってくれたというのもあったんだけども、それ以前に埋める場所を決めるのが早かった。資材も届くのが早かった。これが、場所を決定するまでに2日も3日もかかってたら、それはずっと後へずるわけです。ですから、本当にそういう意味ではくれぐれもほかの、今後、二度と起きてはいけないんだけども、その辺は考えて対応をしていただきたいと思います。
 あと、発生直後、いろんな形で情報をいろいろ御連絡をいただきました。本当にありがたかったです。ただ、時折、新聞で見るほうが早いときもありました。朝から県庁へ来て、「これ、ほんまですか」って聞くこともありました。ですから、大変忙しい中、本部のほうも混乱してると思いますけども、できるだけ多くの情報を提供していただきたいとお願いをいたします。
 それから、遠方の道についてでありますけども、一度夕方、本当に道のところに立っていただきたいと。家の敷地から道路の白線をまたぐ、左右の車を確認するときに、顔をこう振るだけで、車が来たら当たりそうな気持ちになります。本当に危険です。あの道を移してもらうことによって、あの地域は安心して生活ができる。これはもう地域の切実な要望でありますので、以上要望して終わります。
○副議長(山下直也君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で岸本健君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
 午後2時15分散会

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