平成23年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(中 拓哉議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

平成23年2月23日(水曜日)

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 26番中 拓哉君。
 〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)
○中 拓哉君 皆さん、こんにちは。公明党県議団、なかなか頑張る中拓哉です。13回目の登壇でございます。
 4年前の県議選でこの議場に送ってくださった県民の負託におこたえせねばの一心で、毎議会において、有権者から託された議員としての権限である質問権を行使してまいりました。県民に奉仕する県政にすべく、一方でも県勢発展に資するべく、知事を初め当局の答弁を求めてまいりました。
 知事が折々に発言する正義という言葉にも共感を覚え、木村前知事の事件、公益通報制度、旧美里町の裏金の問題、あるいは中津村森林組合の問題、談合防止の公共調達制度、和医大の不正経理、また国政に関しましては、道路特定財源、直轄工事負担金、道州制、後期高齢者医療制度、高校授業料無償化、さらに県民生活に根差した肝炎検査の無料化、定額給付金、新型インフルエンザパンデミック対策、あるいは自殺対策、ネットパトロール、ふるさと応援寄附、災害対策、国体関連のプールや柔道の畳、加えて、県の事務の基本とも言うべき予算の組み方や監察査察、公有財産の管理、各種団体会計の明瞭化、あわせて、夢のある将来像として和歌山城郭の周辺整備やJR和歌山線にSLを導入などなど、95項目に上る課題について取り上げてまいりました。
 職員住宅特別会計の埋蔵金2億円の活用や県工事負担金の原則廃止、繰越明許の適正化など、健全財政に貢献できましたし、余り議会で取り上げることのない選挙事務の適正化にも寄与してきたものと自負しております。
 引き続き、大事なことは県民が決める住民投票制度、行政の隠し事は許さない公益通報の充実、もったいないを大切にするさらなる健全財政の構築に取り組んでまいります。
 ここに来て、最近の地方政治の課題として、とみに地方議会のあり方が注目を集め始めました。関西広域連合の発足と軌を一にして、地方政府基本法や議会基本条例、二元代表制のあり方をめぐっては、議会内閣制や純粋二元代表制が話題を集めております。政府においても、地方自治法の抜本改正に向けて長と議会、監査制度と財務会計制度の見直しが検討され、東京都では既に単年度主義・現金主義とは別に複式簿記・発生主義の公会計の導入で成果を上げております。
 こうした落ちついた議論とは別に、橋下大阪府知事の大阪都構想、大阪維新の会、河村名古屋市長や大村愛知県知事らの中京都構想、名古屋市議会の解散住民投票可決に伴う名古屋市議選での減税日本といったローカル政党の台頭などは、耳目を集めております。
 一方、地方自治法を無視し続けながら市長を務めた竹原阿久根市長は、リコールによる出直し選挙で僅差で敗退しました。来るべき4月の統一地方選挙でも、議会のあり方や首長の政治理念が問われること必定であります。
 我が公明党も、「支え合う社会へ。~地域を伸ばす。日本を変える~」と題する重点政策を掲げ、住民に信を問うとして、この重点政策の冒頭には議会改革を示し、定数の削減、報酬の適正化、通年議会、住民参加型議会とともに、議会招集権を首長と議長に与えるほか、議会事務局の法務・調査スタッフ等の充実をうたっております。
 現行自治法では、議会の招集権は101条で首長に専属の権限として付与され、その2項に、議会運営委員会の議決を経て付議すべき事件を示せば首長に臨時会の招集を請求でき、3項では、4分の1以上の議員で同じく招集を請求できると規定しております。しかし、請求はできても、招集するのはあくまでも首長であり、阿久根市長の例が示すごとく無視されてしまえばそれまでです。これは、どうやら地方自治法の147条に規定する長の統括代表権が根拠のようです。
 そこで、仁坂知事にお尋ねします。
 現行の二元代表制の中で、長の提案が否決されるから配下の議員をふやして過半数を獲得するのだと、ローカル政党をつくって思いを遂げようとする橋下・河村両氏の手法への見解をお示しください。たしか今月の、今配られております「県民の友」3月号、知事のメッセージ「政治主導」というコラムには、これらお二方のことを念頭にした発言のようにも見受けられますので、お尋ねします。
 また、ケアレスミスかもしれませんが、あなたの専権である議会招集権を行使するに際し、招集というのを「招集」とせず、天皇陛下の国事行為としての詔書の形式で示される「召集」との表現で2月7日号外の県報で告示したのはなぜでしょうか。財第238号で割り印を押し、知事の印まで押された通知に添付された、県報号外告示第156号財政課取り扱いの書面を目にして私は驚きました。これです。毎議会くれるやつですけどね。(資料を示す)不思議なことに、この県報で、目次のほうでは正しい「招集」なのに、告示ではてへんを省き、「召集」に変換されているではありませんか。何か深い意図があるのかなといぶかしく感じましたので、丁寧にお答えください。
 念のため、これらの通知は議事課からのものでございました。封筒は財政課から送ってくれたわけではありません。
 次に、仁坂県政2期目の最初の予算についてお尋ねします。
 おくればせながら、仁坂県政、昨年霜月28日、県下広く輿望を集め、知事に再選されましたこと、一票を投じた者としてうれしく思います。また、応援の弁士としてともに戦えたことも誇らしく思います。おくればせながらですけど、おめでとうございました。
 トインビー博士の「さあ仕事だ」よろしく、また一緒に仕事だと投票日翌日から議会を招集され、公約実現に取り組まれる雄姿に尊敬申し上げます。選挙公約でもある「和歌山を元気に あたたかい改革」として、4つの実行に取り組まれんとする姿勢の伺えるこの23年度当初予算かと存じます。
 旧臘16日、公明党県議団が予算要望した60項目にも、私たちが要望した項目にも随分配慮され、新規事業だけでも95億ほどの予算措置がされた点など、評価したいと思います。その上で、23年度予算の特徴的なところをお示しください。
 また、これは尾崎先輩も先ほど聞いてられましたんで多少重なるとこはありますけど、お答えいただきたいと思います。
 また、私からは、希望の政策、成長を支える基盤づくりと、知事の提案理由の説明にございました。この点の道路整備について、国の直轄道路、なかんずく近畿自動車道紀勢線田辺─すさみ間、京奈和自動車道全線、第2阪和国道についてお聞きします。
 県議会も、今日まで議連を初め精力的に取り組んでまいりました。道路特定財源の維持や民主政権の道路整備の後退の動きには、知事初め当局とも協心戮力、相携えて頑張ってまいりました。知事も、選挙時の11月17日付「朝日新聞」和歌山版のアンケートで国体までの完成と答え、今議会の提案理由の説明におきましても国体開催までの供用にとお述べです。また、先ほども紹介しました3月号の「県民の友」でも、道路整備特集を編んで「和歌山の伸びるチャンスをふやす道路整備」と題して県民にお示しでございます。
 先ごろ公表された国土交通省から通知のあった直轄事業の事業計画、和歌山県関連分についてでは、これら直轄事業がいずれも平成27年暫定2車線供用予定と示されたことは大きな成果かと存じます。今後の予算確保と事業執行に関するお取り組みをお示しください。
 次に、これも先ほどの尾崎議員とも重複してまいりますが、高病原性鳥インフルエンザ対策についてお伺いします。
 平成20年3月の予算特別委員会、あるいは21年3月の本会議、同6月の本会議、21年9月の本会議と、幾度か新型インフルエンザパンデミック対策について私も取り上げてまいりました。また、2月16日のお昼には、県議団として的確なる防疫体制の申し入れも知事に行いました。2月15日午前の発生以来、その日の深夜から県職員の動員や自衛隊の派遣、さらには16日早朝の知事みずからの視察など、実に的確かつ迅速な対応のかいこれあり、順調に作業が推移したやに拝察いたします。私の知るところ、風評の流布もなく、県民も平静に今回の事態を受け取っていると思われます。
 先ほど知事も紹介ありましたが、このお昼には好物の卵かけ御飯とかしわの空揚げもおいしくいただきました。特定家畜伝染病防疫指針を初め対応マニュアルの備えとともに、今こそ県庁職員の公務員魂の見せどころとの気概で職務に精励されましたたまものと存じ、県民の1人としても県職員の方々に満腔の謝意をささげたいと思います。
 その上で、事態は進行中かと存じますが、私なりには、マニュアルを勉強する中で、消毒作業場所の選定条件の表現に首をかしげたくなるような点もございましたことを指摘しておきます。今の時点での評価と改善点があればお示しください。
 次に、議案第55号暴力団排除条例についてお伺いします。
 22年6月議会で質問した折、ちょうど相撲界の野球賭博に暴力団の陰ありとのことで、砂かぶりの特等席の融通が当時問題視されておりました。今はまた、八百長問題で春場所が中止され、相撲ファンの1人として残念に思います。昨年11月の暴力団追放県民・市民大会に出席しまして、NHKの相撲の解説者であります杉山邦博氏の感動的な角界の歴史と伝統のお話、また、「我いまだ木鶏足り得ず」とする双葉山の逸話を拝聴しただけに、相撲協会の健全化を願ってやみません。
 6月議会でも述べましたが、暴対法や組織犯罪処罰法の適用、あるいは黙示的な意思疎通をもって共謀とする司法判断も確立されつつある中で、和歌山県警におかれましても摘発強化に取り組まれていることと存じます。かねてより、やくざの威をかりて利用するほうも同罪ではないかと思っておりました。
 そこで、お尋ねします。そもそも本県県内の暴力団の勢力の現状についてお教えください。
 また、今議会に上程された暴力団排除条例を読んでおりますと、他府県の条例では「青少年」となっているところが、本県では「少年」という概念を使っております。健全な育成を図るための措置を「少年」とした理由をお示しください。
 また、パブリックコメントを行ったかと思いますので、どのような意見が寄せられたのかお示しください。
 さらに、この条例により期待される効果はどのようなものがございますか。
 加えて、条例中には、暴力団員に利益を供与した場合など一定の禁止事項に違反したことに対しては調査、勧告、公表できる旨規定しておりますが、その効果のほどについて見解をお示しください。
 次に、新しい福祉についてお伺いします。
 私が、創価大学を卒業し、社会人となったのは昭和54年の春でした。坂井弘一代議士の秘書としてのスタートでした。その当時、公務員の定年は55歳だったように記憶します。その後、60歳定年制を求めることが公約になり、年金支給年齢も65歳に引き上げられてきました。やがて介護保険制度がスタートし、後期高齢者医療制度も完備されました。日本社会の少子高齢化とともに、よわいを重ねてきたような気がいたします。気がつけば、この私も54歳になってしまいました。平成11年に市議に立候補し、2期務めた後、4年前に県議にならしてもらいました。この春の選挙では、選挙としては4度目となります。
 最近しきりに感じますことは、ひとり暮らしのお年寄りの多いことです。御家庭に伺えば、玄関でインターホンを押してから扉が開くまでの時間がとても長くなってきたように感じます。「上がってよ」と、座敷にお邪魔さしてもらっても、こたつに入り、ストーブを身近に置き、テレビを友にされているお姿です。恐らくや、一日じゅうだれとも言葉を交わすこともなく過ごしていらっしゃるのではないかと気になります。私の訪問を殊のほか喜んでくださいます。お元気な方はいいのですが、ほとんどの方は持病を持ち、足腰の弱っていることが容易に推測されます。
 公明党は、孤立させない、支え合う地域社会をと、地域包括支援センターの機能強化や市民後見人の育成、あるいは外出、買い物などの生活支援策もまとめております。本県におきましても、地域見守り協力員の制度を実施していますし、介護基盤整備の基金も用意されました。第一義的には市町村の事務かと存じますが、無縁社会や孤立死、孤独死の報道を見るにつけ胸が痛みます。高齢者には限りませんが、ひとり暮らしの方々への支援策をお示しください。
 また一方、元気なお年寄りからは、「介護保険の世話にならずに、自分で気をつけながら工夫した生活を送っている。しかし、その一方で介護保険の保険料は納めるばっかりだ。周りには、さほどでもないのに、家事援助や住宅改修など、介護保険を利用している人がいる。どうも釈然としない。保険ならば、使わない人には保険料を下げていくべきではないか。あるいは、使わない期間の長かった方がいざ使い始めるとなったときに、利用料の本人負担は──法律上は1割でございますが──1割と言わず、長年使わなかったんだから5分からスタートするなど、何からのメリット制を導入すべきではないか」などといったお声を寄せる方が多いのも事実です。
 自動車保険の例を引くまでもなく、保険なのですから至極当然の話かと思います。介護保険の保険者は市町村ですが、県の立場で、こういった未利用者に対するメリット制や介護予防にいそしめるインセンティブをお考えになりませんか。お示しください。
 次に、認知行動療法の普及についてお伺いします。
 さきの12月議会で同僚多田議員も質問したとおり、うつ病対策に目覚ましい効果を上げている認知行動療法を活用したうつ病デイケアが沖縄県立総合精神保健福祉センターで取り組まれておりますが、本県でも導入すべきと改めて訴えます。
 昨年4月から、医師が行う認知行動療法が保険適用されました。医師だけでなく、看護師、精神保健福祉士、臨床心理士などのチーム医療の保険適用も、今、国会で議論されております。私も、福祉環境委員会でお聞きしましたが、県としまして、こういった精神療法の普及についてどのようにお考えか、改めてお示しください。
 また、この2月4日に、西博義代議士ほか衆参両院の公明党の議員4名が和歌山大学が取り組みを始めましたキャンパス・デイケアを視察するとのお話を聞きつけ、私も伺ってまいりました。和歌山大学の保健管理センターの宮西照夫所長のお話を伺い、とても感銘を受けました。先ごろNHKの番組でも取り上げられたとのことでしたので、ごらんになった方もいらっしゃると思います。
 宮西先生が開発したひきこもり回復支援プログラムがとても有効で、かいつまんで紹介すると、従来の精神科医や臨床心理士のように、座して診療に来る患者を待っているのでなく、アウトリーチ、現場へ出かけ、訪問して診察し、明確な病気ならば専門の治療を受け、病気ではない心の問題ならば、宮西先生たちがつくったアミーゴという支援チームが対応すべきだとのお話でした。宮西先生は、和大生のみに対象を絞るのではなく、ぜひとも地域に広げていきたいともおっしゃっていました。
 このひきこもりの問題は、当人のつらさもさることながら、御家族も大変な苦労をしてらっしゃいますので、こういった御家族への支援も大事だとのお話でございました。宮西先生からは、家族の会も結成したいし、また、引きこもる期間が長いほど問題は深刻になるので、介入時期の見きわめが重要とのことでございました。今、県が実施するひきこもり支援策に、この宮西先生が開発した回復プログラムを取り入れていくお考えはございませんか。お伺いします。
 次に、和歌山県立医科大学の不適正経理問題の処理状況についてお伺いします。
 昨年の2月議会で、5年以下の懲役刑まで設けている補助金適正化法違反の重大性にかんがみ、地方独立行政法人法第89条の違法行為の是正措置を命ずべしとする私の質問に対し、あなたは、和医大が反省しているので要式行為はとらないとの答弁でした。しかし、その後の動きが残念ながら県民には見えてきません。
 情報公開にも取り組むとのことでしたが、ホームページを見ても、再発防止の具体策として不正行為の再発防止等に関する規定を設けたり、不正取引に関与した業者を取引停止といったような、そういった規定を制定したり、内部監査の監査室も設置されたことは評価しますが、肝心の不適正な支出をした研究者が処分を受けるだけにとどまらず、間違った使い方をしたお金は公金なのですから、きちんと返却してもらわないと県民の信頼は回復しません。幾ら立派な研究成果があったとしても、きちんとした使い方で、きちんとした研究成果を上げている先生からすれば、こういったことは納得できないのではないでしょうか。
 最近、報道で知りました阪大事件、大阪大学の教授の事件でございますが、この場合、大阪大学がこの教授を詐欺で告訴すると報じています。この阪大の教授もいろいろ弁明はしておりますが、大学がやはり調べて明らかにしているじゃありませんか。きちんと対処しないと同じような目で見られてしまうのではと心配します。
 また、理事長である学長が率先して返還しないと、ほかの先生方へのガバナンスといいましょうか、経営手腕が効果を発揮しないんじゃないでしょうか。また、仄聞するに、もう既にこの3月で退職する先生もあるやにお聞きします。退職金を受け取りながら返還はぼちぼちでは、県民の評価が果たして得られるでしょうか。地方独立行政法人としての監査も通りますかね、心配いたします。加算金、延滞金もかさむばかりです。
 傷ついた信頼を本気で回復するには、記者会見の都度、進捗状況を発表するなり、あるいはホームページで公開するなり、すべはあるはずです。23年度からこういった一連の補助金の使い方としても、国のほうも見直しをされ、増額されております。こういった増額された補助金は、そのときに運用も改善されておりますので、どんどん和医大の研究に、獲得に動いてもらいたいと思いますし、ますます頑張っていただきたい。その上で成果を上げてほしいと。そのためにも、一日も早くこの問題に決着をつけるべきではないですか。現下の措置状況をお教えください。
 次に、企業誘致と雇用についてお尋ねします。
 さきの知事選での公約に、働く場をもっとふやします、中小企業、農林水産業、観光業、企業誘致など、すべての分野で日本一の振興策とありました。その言やよし。確かに1期4年の知事のトップセールスぶりには頭が下がります。あの東国原氏にまさるとも劣らぬ活躍ぶりでございました。
 私のせがれも、ようやくのことに県内企業に就職が内定しました。それも、県が和歌山県出身の卒業生に送ってくださった資料を手元に見たから、その会社に面接に行くことができた。県のそういった資料提供のおかげだと感謝しております。
 実際のところ、仁坂県政で選挙時に80数社の誘致をなさったという成果でございましたけども、実際のところ何人の正社員の方が雇用されたのでしょうか。また、今後の取り組みについてもお聞かせください。
 最後に、昨年秋の決算特別委員会で出してもらった資料で気づいたのですが、行革で公務員の人員の削減が迫られる、だから人は減らされる、しかし仕事は減らない、だから業務委託で県の仕事をやってもらっているんだという課長の答弁がございました。現にその部署では、派遣会社の社員に県庁内の建物でお仕事をしてもらっているとのことでございます。
 かねてからの私の疑問がわき起こってまいりまして、そもそも公務所である県庁に公務員でない職員が仕事をするとして、どこまでが公務員のすべき仕事なのか、どこからが委託やアルバイトやそういった公務員以外の方にお任せできるのか。通常、勉強した限りでは、公権力の行使に該当する職務ということでしょうけども、その職責はどこからなのか。きちんとした線を引かないと、この先、心配ですんで疑問は尽きません。混乱するばかりであります。
 そこで、お尋ねします。
 現在就労している派遣職員、委託、非常勤、アルバイト等の基準は何なのですか、お示しください。
 そもそも地方自治法では、こういった公務所で公務員でない人が働くということは想定されていないのではないでしょうか。現に、今回の高病原性鳥インフルエンザ対策で、出動してくれ、出動しろと命令できるのは、相手が公務員だからではないでしょうか。こういった一斉に取り組まなければならない防疫業務も、公務員の仕事だからこそ、獣医師の職員さんだけでもなく、あるいは畜産課の職員さんだけでもなく、あるいは危機管理の職員さんだけでもなく、すべて県庁、オール県庁の職員が動員できるような仕組みになっていると思います。
 以上、この4年間の質問の総括も兼ねた何点かのお尋ねを第1問とします。答弁のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) ただいまの中拓哉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 御質問のうち、私に答えるべしという御指摘がありました点につきまして、通告順にお答えさせていただきます。
 まず第1に、議会の招集に関しまして誤字がありました点でございます。
 2月7日付の2月定例会議招集告示に誤字がありましたので、2月15日付の県報において訂正を行いました。本件は、完全に単純なミスでありまして、まことに申しわけないと思っております。今後、このようなミスが生じないように徹底を図ってまいります。
 次に、県政2期目としての平成23年度予算についてでございます。
 本件につきましては、人件費の抑制や事務事業の見直しなどにより収支不足額を16億円に圧縮するなど、行財政改革を通じた持続可能な財政構造の確立と新政策の推進に向けた積極的な予算措置という2つ目の目標が達成できたと考えております。
 具体的な政策を挙げますと、県内産業の活力を強化するため、頑張る地場産業への一貫した支援や有害鳥獣対策を大幅に強化するほか、来年度より各生活圏の背骨に当たる川筋ネットワークの道路の重点整備などに取り組んでまいります。
 また、子供の命を守るヒブワクチン等の接種支援や医療と介護の連携強化、中小河川の浸水対策予算を大幅に拡充するほか、過疎集落の再生・活性化にも引き続き一層取り組んでまいります。
 次に、道路の関係でございます。
 直轄道路事業に係る今後の取り組みについてでありますが、国土交通省の事業計画に、近畿自動車道紀勢線、京奈和自動車道、第2阪和国道の供用予定が平成27年度と示されたことは、これまでの働きかけてきた成果であると受けとめております。
 一方で、近畿自動車道紀勢線や京奈和自動車道を含む直轄道路予算は、平成22年度では対前年度比で約1割削減されていた上に、平成23年度では対前年度比が、まだ枠ですけれども、0.68から1.03と示されるなど、道路整備のおくれた本県にとって非常に厳しい状況となっております。
 県といたしましては、終期明示は評価しつつも、これが本当に実行されるように、今後とも直轄道路事業の計画どおりの実施に必要な予算確保を国に働きかけるとともに、県事業についても、各種交付金をうまく活用して県内道路ネットワークの早期整備に取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、二元代表制と橋下・河村両氏の政治姿勢の見解ということでありますが、地方自治体の首長も議員も、地域を豊かにすること、地域住民を幸せにすることを有権者から託されているのでありますから、その目指すところに相違があるはずがありません。首長は、その目的を達成するために最善と考えた施策を議会に提案するわけでありますが、当該提案が費用対効果などを含めて最善のものかどうか、議会がチェックすることでよりよいものにしていこうというのが二元代表制の意義だと考えております。
 こういった観点から、私は就任以来、県議会議員の皆様と十分に意思疎通を図りながら、車の両輪としてともに県政を進めてまいりました。仮に私の考え方と議員の皆様の考え方が対立した場合であっても、県民の皆様を幸せにするという双方の目的が一致しているわけでありますから、したがって、十分に議論を尽くして合意を得ていくということが可能であり、それが大切であるというふうに私は考えております。
 なお、政治主導は──「政治主導」という、「県民の友」でございますが、これは御指摘の方々のことを念頭に置いたものではありませんで、どちらかというと、政治主導という点を余りにも強調され、やや現在対処に苦しんでおられる国の状況を念頭に置いたものでございます。
 次に、高病原性鳥インフルエンザ対策についてでございます。
 去る2月15日、紀の川市において発生いたしました高病原性鳥インフルエンザにつきましては、発生農場の12万羽すべての殺処分、移動制限区域の設定や消毒ポイントの設置など、迅速な防疫措置を講じました。この間、県の職員に加え、自衛隊、地元紀の川市、国の関係機関、農業協同組合、建設業協会など、延べ2600名を動員して昼夜を置かず作業を行い、発生から5日後に処分鶏や飼料等の埋却、鶏舎の清掃、消毒等、発生農場での処理をすべて終了できたことについては評価をいただいているものと考えています。
 なお、今回の一連の対応については、緊急を要する中で基本的にはうまく対応できたものと考えておりますが、本部機能の一元化とか、あるいは動員者のローテーションのあり方とか、資材調達のスピードアップなど、細かい点では反省点もありますので、今後、これを検証して改善につなげてまいりたいと考えております。
○議長(谷 洋一君) 福祉保健部長西上邦雄君。
 〔西上邦雄君、登壇〕
○福祉保健部長(西上邦雄君) 高齢者のひとり暮らし対策についてでございますが、現在、市町村におきましては、民生委員や市町村社会福祉協議会などによる訪問活動のほか、緊急通報装置の設置や配食サービスと合わせた安否確認など、多種多様な見守りサービスが提供されていますが、県では、これらの活動やサービスの充実、支援に取り組んでまいりました。
 また、平成21年度には和歌山県地域福祉推進計画を改定し、地域における新しい支え合いネットワークの構築を盛り込むとともに、住民や民生委員等と連携・協力し、高齢者等へのさりげない見守り活動をボランティアとして行う地域見守り協力員制度を実施しているところであり、協力員の方が訪問活動の際に自宅で倒れている方を発見し、救急車を呼んだ事例や、早朝、徘回している高齢者に気づき、民生委員と協力して保護した事例などもお聞きしているところでございます。
 今後も、このような地域で支え合い、助け合う仕組みの構築を促進するため、国の基金を活用いたしまして、高齢者が集える場づくりなどを通じて、地域でのつながりやきずなの輪を一層拡大し、市町村とともに、より身近な地域でひとり暮らしの高齢者を見守る体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、認知行動療法の普及についてですが、議員御説明のとおり、現在の保険適用は医師が行う認知行動療法に限られている現状であります。国会でも、チーム医療等への保険適用の拡大について議論がなされているところであります。このような現状の中、県としては、平成22年12月議会でお答えいたしましたとおり、医師や医療従事者を対象とする認知行動療法に関する研修会の開催などによりまして、その普及を進めてまいりたいと考えております。
 また、その際、御提案のございました沖縄県の取り組みを把握するため、本年1月31日、2月1日の2日にわたりまして職員を派遣いたしまして、沖縄県立総合精神保健福祉センター主催の研修に参加するとともに、当該センター所長から取り組み内容につきまして説明を受けてきております。県としましては、この研修で把握いたしました取り組み内容を基本として、平成22年12月議会でお答えをしたとおり、先駆的な取り組みの導入について、県立医科大学附属病院、また県精神保健福祉センター、さらには県立こころの医療センターとも連携しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、ひきこもりへの支援についてですが、本県では平成16年度から、民間支援団体が運営いたします施設をひきこもり者社会参加支援センターとして指定をいたしまして、居場所の提供や家庭訪問による当事者や家族の支援、就労・就学支援等を通じまして、ひきこもり者の社会参加促進に取り組んでおります。
 現在、和歌山市、紀の川市、田辺市に所在する3施設を指定しておりますが、紀の川市の施設では、御質問にございました和歌山大学保健管理センターの宮西所長に嘱託医として支援をいただいておりますので、今後、宮西所長から和歌山大学の回復支援プログラムにつきまして御教示をいただき、当該施設とも協議しながら、県としてどのように取り入れていけるか検討してまいりたいと考えております。
 次に、介護保険未利用者へのメリット制についてですが、議員御提案の介護保険を使っていない元気高齢者に対して介護保険料を軽減するというようなメリットを与えるということは、現行の介護保険制度内で実施することは非常に難しいと思われます。
 しかし、介護給付費の増大により介護保険料が上昇しつつある中で、介護保険を使っていない元気高齢者に対する何らかのインセンティブも必要ではないかという意見もたびたびお聞きするところでありまして、高齢者が元気で頑張っていこうという気持ちを持っていただけるものかどうか、また、保険料や公費を財源として実施するのにふさわしいものであるかどうかといった観点を踏まえまして、その方策を幅広く検討してまいりたいと考えております。
 最後に、県立医科大学における不適正経理問題のその後の措置状況についてですが、昨年の12月末をもって国との協議が完了いたしました。まだ返還通知書が到着していないものがありますが、不適正支出額は約1億3000万円、加算金を含めますと最終返還額合計は約1億7000万となる見込みであります。
 国等への返還については、返還通知書が到着次第、順次返還を行っているところであり、現時点において約1億7000万円のうち、国等への返還済み額は2月22日現在で1億1152万968円でありまして、未返還額の約6000万につきましても本年度中に返還する見込みと聞いております。
 国等への返還金については、大学が立てかえて返還しておりますが、該当する研究者から大学への返済を約束する念書を徴した上で研究者個人に求償することとしておりまして、今後、支払い方法等の詳細について貸付契約を交わすこととしております。
 なお、御質問にもございましたように、板倉理事長御自身の分は、本年度中に一括して大学へ返還される予定と聞いております。
 いずれにいたしましても、県民の信頼を回復するため、県立医科大学においては、監査室や物品検収所の設置、研究費の取り扱いに関する説明会の実施など、公的研究費の不適切な経理処理の再発防止に取り組んでいるところでありまして、県としましても県立医科大学の取り組みの進捗状況を把握し、必要に応じて適切に指導、助言をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) 商工観光労働部長岡本賢司君。
 〔岡本賢司君、登壇〕
○商工観光労働部長(岡本賢司君) 企業誘致と雇用についてお答えいたします。
 企業誘致につきましては、知事のトップセールスを初めとする延べ4000社を超える企業訪問を続けてまいりました結果、今年度は昨年度を上回るペースで進出が決まっております。仁坂知事就任以来、85件の立地が決定し、うち68件が操業を始めておりまして、直接的な雇用といたしましては、約1270名の雇用が生まれることとなっており、このうち県の奨励金制度の対象となった企業では、現在正社員として367名が既に雇用されるなど、人口流出の歯どめに貢献されているところです。さらに、立地企業による資材調達や物流の利用など、地域経済においてさまざまな波及効果も生じており、間接的な雇用効果も生じているものと考えております。
 今後、新たな用地造成に対する支援など、企業ニーズに合った企業用地の早期確保に努めるとともに、情報収集力の強化や関係機関との連携強化を図ることにより、正社員の雇用に直結する企業の誘致に邁進してまいります。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) 総務部長宮地俊明君。
 〔宮地俊明君、登壇〕
○総務部長(宮地俊明君) 県庁における外部委託等に関する御質問にお答えいたします。
 本県では、行財政改革を進める中、業務の効果的、効率的な実施の観点から、民間のノウハウを活用すべき業務や一時的な業務などにつきまして外部委託等を行っているところであります。その際の基準につきましては、政策的判断や公権力の行使を伴わない業務等を基本とし、法令上、許容される範囲内で効果的に行政サービスを提供できるよう、個別に業務内容を精査の上、判断しているところであります。
 今後も、県の職員が直接担うべき役割を十分検討の上、効果的、効率的な業務執行体制の実現に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) 警察本部長山岸直人君。
 〔山岸直人君、登壇〕
○警察本部長(山岸直人君) 最初に、県下の暴力団の勢力等について申し上げます。
 本年1月末現在の県下の暴力団勢力につきましては、19団体、約330名の構成員を把握しており、すべての団体が6代目山口組傘下となっております。
 次に、保護対象を青少年ではなく少年とした点についてでありますが、議員御指摘のとおり、他府県において制定されている同様の条例のほとんどが青少年を保護対象としていることは承知しているところであります。今回の条例案では、少年の健全な育成を図るため、対象を18歳未満の青少年ではなく、20歳未満の少年とし、また、保護対象となる文教施設に大学を含めるなど、対象をより広範囲としたものであります。
 次に、パブリックコメントの結果についてでありますが、昨年末、条例案について県民の皆様から御意見を募集しましたところ、2名の方から4件の御意見が寄せられました。その内容は、今回の条例の内容及び制定に強く賛同する、今までこのような条例が制定されていなかったこと自体不思議な感じであるなど、いずれも賛成意見でありました。
 本条例に対する期待とその効果についてでありますが、これまでの暴力団対策は、警察対暴力団という構図で推進されてきたところでありますが、本条例の制定により、今後は社会対暴力団という構図に移行することとなります。これによりまして、社会全体で暴力団を孤立させる体制が一層整備されることとなり、暴力団の活動をこれまで以上に封じ込め、暴力団の弱体化、壊滅につなげることができると考えております。
 次に、一定の禁止事項違反に対する調査、勧告、公表の効果につきましては、違反事業者が暴力団に協力的な存在であることを県民に公表することにより相当の効果が期待できるものと考えております。
○議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。
 〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 再質問を許します。
 26番中 拓哉君。
○中 拓哉君 御丁寧な答弁、ありがとうございました。
 要望ということになろうかと思いますが、もう素直に知事から謝っていただきましたんで、結構でございます。間違いというのは当然あることでございます。ただ、県報を各課が載せるときに、やっぱりそこで指導する機関のとこだったもんですから、今後の注意ということでお話ししました。
 それで、自分に関することで当たってみて初めてわかったんですけど、正誤表で訂正なんですね、誤りと正しいと。たった1行というか、えらいそっけないなあ。恐らくこれでしか直しようがないんでしょうけども、例えば、県報に載った何か権利義務が発生する個人名が間違われてたときであったとしても、同じようなことで終わってるんやろなということを思いました。
 そのときに、別にそういうルールをつくれというわけじゃありませんけど、やっぱりそうやって県民の方に不快な思いが──何かの拍子で、人のすることですから間違いありますから、間違ったときに、やはり一筆、別のお手紙で、こうこうでしたと出すのも、やっぱり大事にしてる姿かなあ。そんなことを御検討いただければな、かように思います。
 また、鳥インフルエンザ。
 私、市会議員のときに、二元代表制とも関連しますけど、旅田さんが非常に個性豊かな方で人気もありました。その背景は、やはりし尿処理のときに──知事はその当時、東京やったかわかりませんけど──旅田市長みずからバキュームのホースを持って、清掃が市の事務やから、清掃業者がストするんであれば自分らでするぞと言うてやりました。市の職員も、よもやそういう仕事に携わると思うてなかったけども、経験した職員からすると、一致団結して何か仕事をさしてもうた、市民のためにさせてもうたという張り合いがあったと、こういうお話を聞いたときに非常にうれしく思いました。
 今回も鳥インフルエンザの、行った方に聞くと、やはり足捕まえて、ゲージにひっかかってばたばたさせるのを──あるいは、ぬくもりがあるんですってね。私は、経験してないのであれだけど、ぬくもりがあって、どっちかといったらつらいお仕事やったと思います。
 しかし、それも行ったことが、先ほど申し上げたように県の職員としての1つの役割を果たせたというお気持ちで解決していくんやろと思いますけども、ここもまた制度を求めるのはどうかということになるかわかりませんが、やはり危険な思い、不快な思いをしたときは、手当の中でもそういう手当が一応条例上でもありますからね──今回の場合が当てはまるかどうかといったら非常に難しいようでございますけども──そこまでいかなくても何らかの形でたたえる仕組みなんかもやってあげてほしいな。これは要望かと思います。
 また、さっきの旅田さんの例に戻りますけど、二元代表制のことになりますけども、それほど人気のあった旅田さんが、私らが市会議員の当時のときに、また一たん失脚して復活してきました。やっぱり人気ありました。花いっぱいやるんだ、あるいは和歌浦の観光をやるんだ、あるいは和歌山創造大学だということで、ことごとく議会と対立してきました。そのたびに私も調べて、石泉閣の問題も、それこそ写真まで撮って議場でやらしてもらいましたけども、最後、旅田さんがやっぱり大学のことに執念燃やして、その条例が通らなかったんですね。恐らく阿久根市長やら河村さんの事態やと思いますわ。
 そのときに旅田さんは、やめて、再選挙に出て落ちたと。これが1つの民主主義の解決やと思いますけども、それでなお河村さんなんかの場合は、議会の解散の署名まで集めて、制度ですから、それはそれでなさったらいいんですけども、いたずらに対立をあおってるという一面の二元代表制の矛盾もここに出てきておりますし、また、河村市長の市民に対する発言も、税金で食わしてやってる市民がしんどい目してるのに、食わしてもうてる議員は何だと、こういうフレーズが非常に市民受けすることも間違いございませんし、私らも自戒していかなあかんわけですけども、そういった二元代表制の仕組みの中で、知事と私ども議会はそれなりの役割があるわけですから、引き続き、もうちょうちょうはっしとやっていく中で鍛えられていくんじゃないかな。
 折にこういう質問するときに、いろんな相談というか、ございますけども、それはそれで悪いわけじゃありませんけども、もっと真剣勝負でやっていくような自戒も込めまして、お願いしておきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で中拓哉君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
 午後2時32分散会

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