平成23年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


県議会の活動

平成23年2月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
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議事日程 第3号
 平成23年2月23日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第17号から議案第32号まで、議案第40号、議案第44号及び議案第58号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第2 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第45号から議案第57号まで及び議案第59号から議案第69号まで(質疑)
 第3 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第17号から議案第32号まで、議案第40号、議案第44号及び議案第58号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第2 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第45号から議案第57号まで及び議案第59号から議案第69号まで(質疑)
 第3 一般質問
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出席議員(44人)
 1番 泉 正徳
 2番 山本茂博
 3番 前芝雅嗣
 4番 浅井修一郎
 5番 吉井和視
 6番 向井嘉久藏
 7番 門 三佐博
 8番 町田 亘
 9番 森 礼子
 10番 平木哲朗
 11番 花田健吉
 12番 須川倍行
 13番 大沢広太郎
 14番 谷 洋一
 15番 平越孝哉
 17番 岸本 健
 18番 川口文章
 19番 尾崎太郎
 20番 藤山将材
 21番 新島 雄
 22番 山下直也
 23番 井出益弘
 24番 宇治田栄蔵
 25番 多田純一
 26番 中 拓哉
 27番 服部 一
 28番 角田秀樹
 29番 山田正彦
 30番 坂本 登
 31番 尾崎要二
 32番 中村裕一
 33番 片桐章浩
 34番 原 日出夫
 35番 浦口高典
 36番 長坂隆司
 38番 小川 武
 39番 冨安民浩
 40番 奥村規子
 41番 山下大輔
 42番 松坂英樹
 43番 藤井健太郎
 44番 雑賀光夫
 45番 野見山 海
 46番 松本貞次
欠席議員(なし)
〔備考〕
 16番 欠員
37番 欠員
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説明のため出席した者
 知事 仁坂吉伸
 副知事 下 宏
 知事室長 曽根義廣
 国体推進監 中村正次
 危機管理監 前硲健作
 総務部長 宮地俊明
 企画部長 柏原康文
 環境生活部長 保田栄一
 福祉保健部長 西上邦雄
 商工観光労働部長 岡本賢司
 農林水産部長 阪中栄一
 県土整備部長 原 広之
 会計管理者 神田泰仁
 教育委員会委員長 宮永健史
 教育長 山口裕市
 公安委員会委員 片山博臣
 警察本部長 山岸直人
 人事委員会委員長 守屋駿二
 代表監査委員 楠本 隆
 選挙管理委員会委員長 諸木良介
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長 森田実美
 次長 佐本 明
 議事課長 堀 達也
 議事課副課長 吉田政弘
 議事課課長補佐兼班長 田中健司
 議事課主任 中尾祐一
 議事課主査 保田良春
 議事課主査 中村安隆
 議事課主事 的場健司
 総務課長 上坊 晃
 調査課長 中井祥之
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 午前10時1分開議
○議長(谷 洋一君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第34号から議案第37号まで、議案第50号、議案第51号及び議案第54号は、職員に関する条例議案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 この際、暫時休憩いたします。
 午前10時2分休憩
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 午前11時1分再開
○議長(谷 洋一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第1、補正予算等議案、議案第17号から議案第32号まで、議案第40号、議案第44号及び議案第58号を一括して議題とし、順次、常任委員会委員長の報告を求めます。
 建設委員会委員長泉 正徳君。
 〔泉 正徳君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(泉 正徳君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案5件であります。
 委員会は、2月16日、第5委員会室において開催し、県土整備部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第58号は賛成多数をもって、議案第17号、議案第24号、議案第25号及び議案第28号については全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託案件等に係る各委員の質疑項目を申し上げますと、きめ細かな交付金を活用した河川修繕事業について、県営港湾施設管理特別会計における港湾施設用地使用料の減額補正について、高病原性鳥インフルエンザ対策における消毒方法についてただされました。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 文教委員会委員長花田健吉君。
 〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(花田健吉君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案2件であります。
 委員会は、2月16日、第6委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号及び議案第21号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託案件に係る委員の質疑項目を申し上げますと、退職予定見込み者数についてただされました。
 以上をもちまして、文教委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 総務委員会委員長川口文章君。
 〔川口文章君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(川口文章君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案6件であります。
 委員会は、2月16日、第1委員会室において開催し、会計局、人事委員会事務局、監査委員事務局、選挙管理委員会、県議会事務局、知事室、企画部、総務部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、議案第22号、議案第26号から議案第29号までは全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託案件等に係る各委員の質疑項目を申し上げますと、会計局関係では、任意保険に加入している公用車の台数について、知事室関係では、高病原性鳥インフルエンザ発生時の対応体制について、和歌山県スポーツ振興基金について、企画部関係では、情報交流センターBig・Uの映像機器更新について、人口減少地域等交通活性化・再生支援事業について、わがまち元気プロジェクトの目標設定について、総務部関係では、高病原性鳥インフルエンザ対策についてただされました。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 福祉環境委員会委員長片桐章浩君。
 〔片桐章浩君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会委員長(片桐章浩君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案4件であります。
 委員会は、2月16日、第2委員会室において開催し、環境生活部、福祉保健部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決し、議案第20号、議案第30号及び議案第40号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託案件に係る各委員の主な質疑項目を申し上げますと、環境生活部関係では、鳥インフルエンザ発生に係る支援について、福祉保健部関係では、老人福祉施設整備に関する繰り越しについて、子育て支援特別対策について、重度心身障害児(者)医療費支給についてただされました。
 以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 経済警察委員会委員長前芝雅嗣君。
 〔前芝雅嗣君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(前芝雅嗣君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案5件であります。
 委員会は、2月16日、第3委員会室において開催し、商工観光労働部・労働委員会、公安委員会の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、議案第19号、議案第23号、議案第31号、議案第32号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託案件等に係る各委員の主な質疑項目を申し上げますと、商工観光労働部・労働委員会関係では、競輪場における券売の方法について、鳥インフルエンザ発生の影響について、公安委員会関係では、鳥インフルエンザ発生の対応について、御坊警察署庁舎新築予算設計委託料の減額理由についてただされました。
 以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 農林水産委員会委員長藤山将材君。
 〔藤山将材君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(藤山将材君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案4件であります。
 委員会は、2月16日、第4委員会室において開催し、農林水産部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、議案第18号、議案第44号及び議案第58号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託案件等に係る各委員の主な質疑項目を申し上げますと、中山間地域等直接支払事業の国からの交付方式変更による影響について、紀の川用水土地改良区の経営状況と貸し付け・償還計画について、高病原性鳥インフルエンザの防疫措置について、鶏の殺処分の方法について、高病原性鳥インフルエンザの感染ルートと危険性について、高病原性鳥インフルエンザの早期予防対策と養鶏業者への指導について、小規模飼養農家や愛玩鳥の防疫対策について、殺処分の対象となる養鶏業者への補償と処理経費について、無償配布する消石灰の資金について、消石灰散布の有効性についてただされました。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 以上で、常任委員会委員長の報告が終わりました。
 これより委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑はありませんか。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 質疑なしと認めます。
 次に、討論に入ります。
 奥村規子君から反対討論の通告がありますので、許可いたします。
 40番奥村規子君。
 〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 日本共産党県議団を代表いたしまして、議案第17号、第23号、第58号の3つの議案に反対する立場で討論させていただきます。
 議案第17号平成22年度和歌山県一般会計補正予算についてです。歳入歳出予算の総額から歳入・歳出それぞれ32億4719万7000円を減額するものです。
 依然として続く厳しい経済状況、雇用状況にあって、県民の希望と安心にこたえていかなければなりません。地方交付税が106億円の増額補正となっております。県民からは、経済対策、暮らしを支える事業、福祉充実などで切実な要求が出されていますが、これまで財政が厳しいことを理由に事業化されてこなかった事業などが多く、この交付税の有効な活用が望まれるところだと考えます。
 しかし、それが各基金に計117億円積み立てられ、有効に活用されませんでした。ふるさと雇用再生特別基金活用、緊急雇用創出事業臨時特例基金活用で10億7089万3000円、予算額の2割もの減額となっています。深刻な雇用状況のもとで県としての取り組みが求められる事業でありながら、全国から見ても雇用創出人数が低いレベルにとどまっており、不十分な活用だったと言わなければなりません。
 福祉関係についても、県民の命や暮らしを守る立場から、離職によって住居を失っている、また、おそれのある人への住宅手当緊急特別措置事業は4億6704万6000円の減額となっています。現在の状況などから見れば、広報が不十分だったと考えられます。
 子育て支援特別対策事業は、子育て支援対策臨時特例基金を活用し、保育所の整備など進めるもので、3億1431万円の減額です。保育所の耐震化率は、2010年4月時点で68.2%で、小中学校に比べてもおくれており、乳幼児の施設であることを考えれば、地震に備え早急に進めなければなりません。実際に耐震化を進ませるために、具体的な対策とあわせて予算の執行が求められるところです。
 議案第23号は公営ギャンブルに反対の立場から、議案第58号は建設事業施行に伴う市町村負担金を求める議案であり、市町村負担金は基本的に廃止すべきと考え、反対です。
 以上、終わります。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 以上で、討論を終結いたします。
 これより採決に入ります。
 まず、議案第17号、議案第23号及び議案第58号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(谷 洋一君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、議案第18号から議案第22号まで、議案第24号から議案第32号まで、議案第40号及び議案第44号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(谷 洋一君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 この際、暫時休憩いたします。
 午前11時17分休憩
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 午後1時1分再開
○議長(谷 洋一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第2、議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第45号から議案第57号まで及び議案第59号から議案第69号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第3、一般質問を行います。
 19番尾崎太郎君。
 〔尾崎太郎君、登壇〕(拍手)
○尾崎太郎君 議長の許可を得ました。
 先輩・同僚議員の御配慮で、当初議会の一般質問の初日、トップバッターで質問に立つ機会をお与えいただけましたことに感謝申し上げ、一般質問をしたいと思いますが、22日、ニュージーランドで発生したマグニチュード6.3の大地震では、大勢の方が被災されました。邦人も、学生を初め連絡がとれない方がかなりいるとの報道です。安否が気遣われるところですが、我々といたしましても、何かお役に立てることがあれば少しでもお手伝いをしていきたいと存じます。
 さて、昨年の9月7日、中国漁船が尖閣諸島近海を領海侵犯いたしました。海上保安庁の巡視船は、立入検査を行うべく停船を命じましたが、これを無視した中国漁船は、あろうことか巡視船に体当たりを繰り返すという暴挙に出ました。海上保安庁は公務執行妨害で船長を逮捕し、石垣島で取り調べをするとともに船員からも事情聴取を行い、9日、船長を那覇地方検察庁に送検しました。
 中国政府は、全く根拠もなく尖閣諸島は中国固有の領土などとうそぶき、無礼にも12日の深夜、丹羽宇一郎中国大使を呼びつけ、我が国の対応に抗議しました。丹羽大使は、国内法に基づき粛々と対応するという日本の立場は変わらないと応じたそうであります。
 ところが、政府は13日、船長を除く船員を中国へ帰国させてしまいました。仙谷官房長官は会見で、「漁船の違法操業との関係でガス田協議を中止すると言われても困る。私の予測では、14人と船がお帰りになれば違った状況が開かれてくるのではないか」と述べました。お帰りになればとは、あいた口がふさがりませんが、この時点では、船長に関しては、19日、勾留延長を決定し、司法手続を進める方針でありました。
 すると、同日、中国外務省の王光亜次官が丹羽中国大使に電話で、「日本が船長を即時無条件で釈放しないなら、強い報復措置をとる。その結果はすべて日本側が負う」と警告し、矢継ぎ早に日本との閣僚級の往来を停止、石炭関係会議の延期、日本への中国人観光団の規模縮小等を決定、さらには、21日に予定されていた大学生の上海万博招致を中止、あげくの果てにはフジタの4人の社員を許可なく軍事管理区域を撮影したとして拘束、レアアースの我が国への輸出を事実上停止するなど、まるでならず者のような恫喝を仕掛けてきました。
 さらに、9月20日付の「毎日新聞」は、北京外交筋の話として、中国がオバマ政権に、尖閣諸島への日米安保条約の適用に直接言及しないようにたびたび働きかけていたということを伝えています。21日、温家宝首相が、船長を釈放しなければさらなる対抗措置をとる用意があるとすごむと、国連総会への出席のため菅総理や前原外相が不在となっていた24日、那覇地検は、この時点では勾留期限はまだ5日残っていましたが、突然、日中関係への考慮から船長の釈放を決めてしまいました。
 仙谷官房長官は、捜査に当たっている那覇検察庁の独自の判断によって決定し、政府はこれを了としたなどとして、あたかも起訴便宜主義による判断であるかのように装いましたが、賢明な国民は、それが内閣の政治判断であったことを見抜いていました。中国の恫喝に腰が抜けたのでしょうが、責任を検察になすりつけるひきょうさには辟易させられます。
 とどめは28日、中国の調査船、漁業監視船が多数尖閣近海やガス田開発地域周辺に集結している事態に、「周辺にいらっしゃることは確認している」などと発言していましたが、こびへつらいもここまで来れば立派ですと皮肉の1つも言いたくなるではないですか。
 平成16年3月24日、中国人活動家7人が魚釣島に不法上陸する事件がありました。時の小泉内閣は彼らを強制送還しましたが、少なくともそれが政治判断であったことを小泉首相は認めていました。小泉首相自身が記者会見で、「法に基づいて適切に処理することでやってきたが、日中関係に悪影響を与えないよう大局的に判断しなければいけない。そういう基本方針に沿って関係当局に指示した」と語っています。私は、小泉首相の判断が正しかったとは思いませんが、責任は我にありとする態度は、菅・仙谷コンビよりはよほどましではあります。
 自由民主党県議団は、向井会長の発案で、昨年の9月21日、軍事ジャーナリストの井上和彦氏を招いて勉強会を行いました。
 私は、「くだんの中国漁船は軍関係者であった可能性が高いのではないですか」と質問したのですが、漁船は通常、船団を組んで行動するもので単独行動は異例であること、軍艦ではない船は防水区画がなく、そのような船を体当たりさせるのはよほど訓練された胆力が要ると推察されることなどから、その疑いは極めて濃厚であるとのことでした。今回の事件は、中国の偽装漁船による我が国領海の情報収集であった可能性が高く、もしそうであるならば、それは軍事行動であると言っても過言ではない事態なのでありますから、我が国政府は、安全保障の観点からも船長を厳しく追及すべきでありました。
 そもそも尖閣諸島が我が国の領土であることは、全く疑う余地のないことであります。かつては、248人もの日本人が生活をしていたのです。中国も、尖閣諸島を日本の領土だと認識していた証拠は幾らでもあります。
 大正8年(1919年)、福建省から出港した漁船が遭難し、魚釣島に漂着。島民は献身的に救助に当たりました。中華民国総領事は、島民に感謝状を贈っていますが、その中には「日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島」という記述があります。
 サンフランシスコ平和条約においても、尖閣諸島は、同条第2条に基づき我が国が放棄した領土のうちには含まれてはおらず、第3条に基づき南西諸島の一部としてアメリカ合衆国の施政下に置かれ、1971年6月17日署名の琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定により、我が国に施政権が返還された地域の中に含まれています。この件に関して、中国は何ら異議を唱えてはおりません。
 また、昭和35年(1960年)に中国で出版された世界地図帳でも、尖閣諸島は日本領であると記載されています。
 中国が領海法に尖閣諸島を中国領と書き込んだのは92年のことですが、1969年に国連アジア極東経済委員会が、尖閣諸島周辺の海底に石油、天然ガスが大量に存在する可能性を指摘したことがその背景にあります。中国らしいといえば中国らしいですが、このような行動原理を持つ大国が隣に存在することに、我々はもっと用心深くならなければなりません。その意味では、今回の事件は、逆説的ではありますが、図らずもかの国の本性が露呈し、我が国の国民が覚せいしたことにおいて意義があったと言えましょう。
 例えば、「友愛」などと歯の浮くようなことを言って、中国人に地方参政権を付与することなど、全く正気のさたではないということがはっきりとし、かかる亡国の法案が成立する可能性は遠のいたのではないでしょうか。昨年末の内閣府の外交に関する意識調査では、実に9割もの国民が嫌中感情を抱いているとの結果が出ています。
 賢明な国民は覚せいしましたが、国政を担う政治家はどうでしょうか。ハニートラップやマネートラップにからめ捕られたのではないかと疑いたくなるような、露骨な媚中派がしょうけつをきわめています。中国に対して奇妙な贖罪意識を持っているのが彼らの特徴ですが、民主党のみならず、残念ながら我が党にも少なからず存在をしています。この贖罪意識こそ我が国に対する中国の切り札なのですから、中国は永遠に日本が贖罪意識を持ち続けるよう、あらゆる努力を惜しまないでしょう。
 中国全土に反日記念館をつくり、我が国の歴史教科書にくちばしを入れ、靖国神社の参拝に難癖をつけ、あり得ない規模の虐殺が南京であったとわめき、反日プロパガンダ映画を撮る。すべては清く正しい中国を日本帝国主義が侵略したとする荒唐無稽な物語を信じ込ませ、無用の贖罪意識を日本国民に持たせ続けさせるためだと言えます。そして、その戦略は、今日まで多大の戦果を中国にもたらしてきました。
 満州事変やシナ事変の実相について今回は詳しくは論じませんが、当時の大陸は、馬賊がばっこし、軍閥が割拠し、政府が乱立する、とても人々が安心して暮らせるような地域ではなく、一種の内乱状態にあったと言っても過言ではありません。
 日中戦争などという、あたかも統一された中国と日本との戦争のように思われますが、それがシナ事変をわかりにくくしていると言えます。ごく簡単に言えば、大陸での我が国の軍事行動は、在留邦人の保護のためであったと言えるのです。
 少なくともさきの大戦は、昭和26年(1951年)のサンフランシスコ平和条約の締結をもって、俗っぽい言葉で言えば手打ちが済んでいるのであり、その1年後の昭和27年には日華平和条約が締結され、中国とも手打ちを終えているのです。戦争には双方ともに言い分があるでしょうし、子供向けのテレビ番組ではあるまいし、正義が勝つとは限りません。残念ながら我が国は、武運つたなく戦いに敗れた。敗戦国ゆえ辱めも甘んじて受けざるを得ないでしょう。
 しかし、平和条約締結後は、お互いに過去のことは水に流すというのが文明国の態度であります。あるいは、過去を水に流すためにこそ平和条約は締結されるのです。おまけに、昭和47年(1972年)、日中国交正常化が行われ、お互いに過去は蒸し返すことはないという条項をわざわざ確認しています。
 にもかかわらず、手打ちの後であっても、相手が弱みを見せればつけ込んでやろうとする中国の行動様式は、そのようなことを潔しとはせず、恥と感ずる我々のそれとは全く異質のものであり、譲歩が相手の寛容を呼ぶなどとは中国相手にゆめ思ってはなりません。
 村山談話に菅談話、まことにもって百害あって一利なし。一日も早くこのようなものを破棄し、以後、謝罪など一切国政を担う政治家は口にすべきではありません。それが平和条約の締結に努力した先人に対する最低限の礼儀であり、国益を守る道であります。
 その上で、あえて改めて申し上げますが、侵略の定義にもよりますが、さきの大戦での我が国の戦いは、他国の領土や財産、労働力を搾取するために、軍事的な侵攻をなすという意味での侵略戦争では断固ありません。
 私は、新しい歴史教科書をつくる会の和歌山支部長をお引き受けしておりますが、当会顧問の自由社社長・加瀬英明氏が機関紙「史」の1月号で明らかにしたところによりますと、一昨年の9月、オバマ大統領が今上陛下に拝謁した際、非常に深いおじぎをしましたが、その理由は、黒人の自分が大統領になれたのは日本がさきの大戦を戦ったおかげであると大統領が思っていたからだそうで、情報源は、加瀬氏と親しい米国国務省の幹部であるとのことであります。
 大戦前の白人の人種差別意識たるや、今日の我々の想像を絶するものでありました。1919年、パリ講和会議において、我が国の牧野伸顕全権は、国際連盟の結成に当たり、その規約に人種差別撤廃条項を盛り込むよう提案をいたしました。これは、「人種あるいは国籍如何により法律上あるいは事実上何らの差別を設けざることを約す」とするものでしたが、出席者16名中11名の賛成多数を得たにもかかわらず、議長国アメリカが突如全会一致を主張し、多数決を無視して採択には至りませんでした。我が国の提案は、採択されやすいようにと、理想主義に過ぎることのないよう各国の事情もしんしゃくし、人種差別の即時撤廃を要求したものではなかったにもかかわらずであります。
 当時、世界を牛耳っていた白人たちにとって人種差別は常識であり、これをやめるつもりなど、さらさらなかったのです。アメリカでは、1922年、最高裁判所が日本人を帰化不能外国人と判断。24年には排日移民法が成立しています。
 先帝陛下は、さきの大戦の遠因を次のように仰せになっておられます。「この原因を尋ねれば、遠く第一次世界大戦後の平和条約の内容に伏在している。日本の主張した人種平等案は列国の容認するところとならず、黄白の差別感は依然残存し、加州移民拒否のごときは日本国民を憤慨させるに十分なものである。また、青島還付を強いられたこと、またしかりである。かかる国民的憤慨を背景として、一度軍が立ち上がったとき、これを抑えることは容易なわざではない」。
 排日移民法が成立すると、我が国の反米世論は沸騰し、割腹して抗議する人まで出て、両国国技館での集会には3万人が集まったと言います。
 アメリカでは、長らく黒人と白人が性的関係を結ぶことは、多くの州で犯罪でした。信じられないことに、1967年になってようやく最後の3つの州がこの法律を廃止したのです。1967年といえば昭和42年ですから、私が生まれた年には、まだアメリカでは黒人は白人とは結婚できないような差別がまかり通っていたのです。さきの大戦が、世界征服をたくらむ日本とデモクラシーを守るアメリカとの戦いなどとは笑止千万。仮面ライダーとショッカーではあるまいし、そんな勧善懲悪の物語でないことは、今や明白ではないですか。
 日本は戦いには敗れた。しかし、白人たちと互角に渡り合ったその姿は、白人たちには絶対にかなわないと思い込んでいた有色人種をして、独立のために立ち上がらしめたのです。アジア、アフリカの民は奮い立ったのです。決してイギリス、アメリカ等の欧米列強がみずから植民地支配をやめたわけではありません。さきの大戦は、反省の多い戦いではありました。しかし、なお、日本の戦いが全世界の有色人種に勇気と希望を与えたことも、また事実なのです。
 無用の贖罪意識により中国や韓国に対して国策を、特に領土という国家の根幹にかかわる問題において誤ることは絶対に許されません。竹島しかり。尖閣諸島しかり。ロシアなど、我が国の弱腰を見て北方領土への野心をむき出しにしてきましたが、国際社会というものは、そもそもそのようなものなのです。
 尖閣諸島は、大正島は国有地ですが、ほかは埼玉県在住の方の所有だそうです。平成14年からは国が賃借していますが、もし中国が法外な値段でこれを買うと言い、所有者が売ってしまえば──売るなら中国は金には糸目はつけないでしょうが──一体どうなってしまうのかとの疑問を持たれた方も多いのではないでしょうか。
 「日本列島は日本人だけのものではない」と言った宇宙人がいましたが、我が国の極めて強い土地所有権からすれば、国土が買収されてしまったら、それこそ日本列島はだれのものなのでありましょうか。
 大正15年(1925年)に施行された外国人土地法は、外国人または外国法人の日本国内における土地、国防上必要な地区に関する権利についての制限を課すものですが、制限区域の基準や要件などが政令で定められていないため、全く機能していません。
 平成20年、自民党の小委員会において、藤井孝男議員は、外国資本が山林を買い占める動きはないか、地下水は土地所有者の権利になってしまう、森林売買や地下水の権利に法規制がないのは盲点だなどと問題点を指摘しました。また、平成21年に民主党の岩國哲人議員が再質問主意書で、外資の水源林を含む水源事業の買収活動について、政府が把握しているのかとただしています。大畠国交大臣は、先月21日の定例記者会見で、中国関係者などの外国資本による日本の土地取得が進んでいる問題について、まず実態を把握したいと話し、国交省として実態調査に乗り出す方針を明らかにしました。
 我が国は、残念ながら先進国で唯一地籍が未確定な国であり、国土の約半分しか確定しておりません。殊に森林は、いわゆる縄延びや所有者の登記漏れ、相続における名義変更漏れ等があり、正確な面積も所有者も把握することは困難でしょう。我が党でも、安全保障と土地法制を研究する議員の会が、国防上必要な土地の取得に一定の制限をかける議員立法を今国会へ提出することを目指しています。
 県土の8割弱を森林が占める本県ですが、中国人ミッションが森林を買うべく紀伊半島を訪れたとの話も耳にします。林業が不況のどん底にあえいでいる今、なぜとの疑問も出そうですが、だからこそ、それこそ二束三文で山林は買えてしまいます。
 森林は、CO2の吸収源取引の対象となることも将来十分に考えられるでしょうし、昨年、常任委員会で山梨県の生物多様性センターを視察した際に、バイオダイバーシティー、生物多様性なる概念を勉強しましたが、これなどもCO2の排出権取引のように市場化されていく可能性があります。本県の森林は、今や、外材よりも安い木材部分、豊かな生物多様性、さらには水資源としても魅力的な投資対象となっている可能性があります。
 外国からの投資は、敵視すべきではもちろんなく、場合によってはその導入を積極的に図るべきものですが、我が国の土地所有権は最終処分権まで含む、諸外国に比べ例外的に強いものであり、野方図な買収の放任は将来重大な問題に発展する可能性が高いと言わざるを得ません。
 ちなみに、アジアにおいては、外国人の土地所有を全面的に解禁しているのは我が国だけであり、アメリカでは法律で、対米外国投資委員会が安全保障上問題があると判断すれば大統領にその取引を阻止する権限があると定めています。
 都市計画区域外では、国土法により1ヘクタール以上の土地取引については、事後届け出が必要でありますが、この届け出は都道府県の事務であります。県土の保全を図る上で、現行法だけで十分であるのかどうか、検討を要すると考えます。
 さて、昨年の知事選挙では、我々は仁坂知事を推薦し、公明党の皆様とも御協力し、ともに選挙戦を戦いました。選挙の洗礼を受けて政治家は成長するものであり、仁坂知事も一皮も二皮もむけたのではないでしょうか。1期目より格段に笑顔がよくなったように思います。
 私も、4月の統一地方選挙に向けて準備を進めていますが、笑顔が苦手でありまして、日々反省をしているところであります。戻ってきましたら、知事を見習い、余り怒ることなく活動してまいりたいと思っております。
 レイモンド・チャンドラーの小説の主人公フィリップ・マーロウの有名なせりふに、「男はタフでなければならない。しかし、優しくなければ生きる資格がない」というのがありますが、選挙戦を通じ、仁坂知事のタフネスぶりには本当に驚かされました。
 たとえどのような不測の事態が出来しても、知事たるもの、県民のために必要とあらば不眠不休で最善を尽くさねばなりません。まさに知事はタフでなければなりません。
 残念なことですが、今月15日、本県において鳥インフルエンザの発生が確認されました。本会議の初日、知事は防災服で臨まれましたが、鳥インフルエンザの蔓延防止には初動が極めて大切であります。
 自由民主党和歌山県連では、高病原性鳥インフルエンザ強化本部を立ち上げ、当局に対策を申し入れましたが、その後の報告によりますと、極めて迅速に対応されたようです。知事のタフネスは、このような危機管理に遺憾なく発揮されたでしょうが、職員の皆様の御苦労も大変なものであったと拝察します。御努力のおかげで、20日には殺処分した12万羽や卵40トンを埋める作業も終え、消毒も済ませてくれました。
 しかし、引き続き警戒は怠れないでしょうし、再発防止策も講じていかなければなりません。また、被害に遭われた養鶏場への配慮も必要でしょうが、これまでの関係各位の懸命な働きに感謝を申し上げます。
 また、知事は、選挙戦を通じ、「和歌山を元気に あたたかい改革」をスローガンに掲げておりました。温かさとは、すなわち優しさのことであると思います。優しくなければ知事たる資格がない。行政における優しさとはいかにあるべきなのでしょうか。
 先月21日に政府が発表した月例経済報告では、景気の基調判断を7カ月ぶりに上方修正しました。しかし、足踏み状態という表現は維持されており、景気の先行きには不透明なものがあります。
 一方で、県内の動向を見ますと、11月の鉱工業生産指数は、2カ月連続で前月を下回っており、昨年1年間の企業倒産の件数は4年ぶりに減少には転じたものの、負債総額は4割も増加するなど、依然として厳しい状況にあると言えます。こうした景気・雇用情勢のもと、知事は2期目のスタートとなる予算の編成に取り組まれたところであります。
 今定例会には、前年比1.5%増となる5427億円の一般会計当初予算案が提案されています。持続可能な財政構造の確立と景気動向を見据えた積極的な予算措置という大変難しい連立方程式を解かなければならない予算編成であったと推察いたします。
 当予算案の策定に当たっては、県庁内での活発な議論はもちろんのこと、行政報告会で県内各地を回ってこられた際に、県民から寄せられた声、市町村懇談会での意見等を十分に参考にされたでしょうが、我が党との政策協定も踏まえてくれているものと考えております。
 しかし、何より「あたたかい改革」を掲げて選挙戦に臨んだわけでありますから、この予算案には知事の温かい思いが込められていなければなりません。
 1期目の仁坂県政には、あのような不祥事の後でしたので、何よりも公正、公平な入札制度の確立、決して不正を許さない厳しさが求められました。知事、担当各課、そして我々議会も随分と議論を重ね、一定の成果を得たものと考えております。
 2期目の仁坂県政は、県民に「あたたかい改革」を約束しました。温かい、優しい改革とはいかなるものであるのか、県民は期待をしていることと存じます。
 そこで、知事にお尋ねをいたします。
 第1点、知事の考える「あたたかい改革」とはいかなるものであるのか。
 第2点、それを実現させるための施策は本予算案の中で具体的にどのような形で盛り込まれているのか。
 第3点、持続可能な財政構造の確立に向けてはどのように取り組んでいるのか。
 第4点、本県の豊かな森林資源の可能性についてどのように考えるか。
 第5点、外国人による森林資源の買収について、実態を把握すべきだと考えるのか。
 第6点、外国人による森林資源の買収について、何らかの規制は必要であると考えるのか。
 第7点、高病原性鳥インフルエンザの発生から今日に至るまでの本県の対応について教えていただきたい。
 第8点、また、再発防止に向けてどのような取り組みをするのか。また、被害に遭われた養鶏場にはどのような配慮を考えているのか。
 以上をお尋ねして質問といたします。(拍手)
○議長(谷 洋一君) ただいまの尾崎太郎君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、23年度当初予算関連ということで、「あたたかい改革」とはいかなるものかということについて申し上げたいと思います。
 行財政改革を進めながら限られた予算の中で、つらい思いをしている人、地域に配慮しながら福祉や教育、あるいは過疎対策などを後退させることなく、さらに伸ばしていくという取り組みを私は「あたたかい改革」と位置づけております。
 次に、平成23年度当初予算への主な反映状況といたしましては、子供の命を守るためのヒブワクチン等の接種支援や児童虐待への対応強化、浸水被害を軽減するための中小河川の浸水対策予算の大幅拡充、過疎集落の再生に引き続き取り組むなど、現下の厳しい経済状況の中で特段の配慮をしたところであります。
 今後も、持続可能な財政構造の確立に努めながらも、このような「あたたかい改革」にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 続きまして、森林資源の関係でございます。
 まず、和歌山県の森林資源の可能性ということでありますけれども、現在、木材生産のみならず、水資源の涵養や土砂崩壊防止機能のほか、CO2などの温室効果ガスの吸収源として、また生物多様性の保全といった点からも森林への期待が高まっております。
 本県の森林は戦後植林された人工林を中心に資源として充実しつつあり、森林資源を積極的に利用し、産業として自立した林業を確立さしていくことが山村地域の活性化と森林の多面的機能の発揮につながるものと考えております。
 このため、紀州材生産販売プランを一層推進し、低コスト林業による紀州材のさらなる増産と需要拡大を図っていく必要があると考えております。
 一方、地域の森林整備を進めていく上で森林の所有者を把握することが重要であります。売買による所有者の移動状況については、関係部局間の連携を強化させて、特に最近、その把握に努めていきたい、そのように考えております。
 また、森林資源を持続的かつ健全なものとするためには、適正な伐採を推進することが重要であります。このため、巷間言われているような外国人による無秩序な伐採を抑止するような、そのためのルールの強化についても現在検討しているところであります。
 いずれにいたしましても、森林所有者に適正な森林管理の実施を求めることは重要でありまして、本県森林の実態把握と適正な管理の推進、またその強化に努めてまいりたいと思っております。
 次に、高病原性鳥インフルエンザの関係でございますが、まず、去る2月15日、紀の川市の養鶏場で発生いたしました高病原性鳥インフルエンザについては、同日午後7時に陽性が確認された後、直ちに対策本部を開催、飼養されている12万羽すべての殺処分と移動制限区域の設定、消毒ポイントの設置など、蔓延防止に向けた対策を決定いたしました。
 これに基づき、県庁職員、紀の川市職員、関係団体、あるいは応援の自衛隊等の昼夜を分かたぬ努力、作業によりまして、18日午前4時にはすべての殺処分を終了。20日夜半には、処分鶏等の埋却、鶏舎の消毒、清掃等、すべての防疫措置を完了することができました。
 防疫作業に当たりましては、延べ2600名の人員を要したところでありますが、先述のように、県職員に加え、自衛隊や地元紀の川市、農政事務所等国の関係機関、農業協同組合、建設業協会などの皆さんに大変な御尽力をいただきました。昼夜を置かず大変過酷な作業に従事していただきまして、そういう方々にこの場をおかりして深く感謝を申し上げたいと思います。
 今後の防止対策といたしましては、飼養衛生管理指導の一層の徹底を図るとともに、定期的な消毒の実施等、農家の衛生意識の向上にも努め、防疫面での施設強化など、さまざまな観点からの検討も進めてまいります。
 次に、関係農家に対する支援でございますが、現行制度では、発生農家に対して、殺処分された鶏の評価額の8割は国から補償されます。現在、国では、家畜伝染病予防法を改正し、全額補償するよう検討されているというふうに聞いておりますが、国が全額補償できない場合には、県が残りを補てんしてまいりたいと考えております。
 また、移動制限区域内の家禽農家に対しましても、売り上げ減少額や飼料費等の増加額について補てんしてまいりたいと考えております。
 さらに、金融支援につきましては、相談窓口を設けるとともに、現在、融資機関と調整を進めておりまして、今後、必要に応じ、農家に対し訪問を行うなど、きめ細かな対応に努めてまいりたいと考えております。
 なお、本県の鶏肉、鶏卵の安全を呼びかけ、風評被害を防止する対策の一環といたしまして、先ほど多くの議員の皆様方と一緒に卵かけ御飯や空揚げなどを食べさせていただきまして、大いにアピールをしたところでございます。
○議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 以上で、尾崎太郎君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 26番中 拓哉君。
 〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)
○中 拓哉君 皆さん、こんにちは。公明党県議団、なかなか頑張る中拓哉です。13回目の登壇でございます。
 4年前の県議選でこの議場に送ってくださった県民の負託におこたえせねばの一心で、毎議会において、有権者から託された議員としての権限である質問権を行使してまいりました。県民に奉仕する県政にすべく、一方でも県勢発展に資するべく、知事を初め当局の答弁を求めてまいりました。
 知事が折々に発言する正義という言葉にも共感を覚え、木村前知事の事件、公益通報制度、旧美里町の裏金の問題、あるいは中津村森林組合の問題、談合防止の公共調達制度、和医大の不正経理、また国政に関しましては、道路特定財源、直轄工事負担金、道州制、後期高齢者医療制度、高校授業料無償化、さらに県民生活に根差した肝炎検査の無料化、定額給付金、新型インフルエンザパンデミック対策、あるいは自殺対策、ネットパトロール、ふるさと応援寄附、災害対策、国体関連のプールや柔道の畳、加えて、県の事務の基本とも言うべき予算の組み方や監察査察、公有財産の管理、各種団体会計の明瞭化、あわせて、夢のある将来像として和歌山城郭の周辺整備やJR和歌山線にSLを導入などなど、95項目に上る課題について取り上げてまいりました。
 職員住宅特別会計の埋蔵金2億円の活用や県工事負担金の原則廃止、繰越明許の適正化など、健全財政に貢献できましたし、余り議会で取り上げることのない選挙事務の適正化にも寄与してきたものと自負しております。
 引き続き、大事なことは県民が決める住民投票制度、行政の隠し事は許さない公益通報の充実、もったいないを大切にするさらなる健全財政の構築に取り組んでまいります。
 ここに来て、最近の地方政治の課題として、とみに地方議会のあり方が注目を集め始めました。関西広域連合の発足と軌を一にして、地方政府基本法や議会基本条例、二元代表制のあり方をめぐっては、議会内閣制や純粋二元代表制が話題を集めております。政府においても、地方自治法の抜本改正に向けて長と議会、監査制度と財務会計制度の見直しが検討され、東京都では既に単年度主義・現金主義とは別に複式簿記・発生主義の公会計の導入で成果を上げております。
 こうした落ちついた議論とは別に、橋下大阪府知事の大阪都構想、大阪維新の会、河村名古屋市長や大村愛知県知事らの中京都構想、名古屋市議会の解散住民投票可決に伴う名古屋市議選での減税日本といったローカル政党の台頭などは、耳目を集めております。
 一方、地方自治法を無視し続けながら市長を務めた竹原阿久根市長は、リコールによる出直し選挙で僅差で敗退しました。来るべき4月の統一地方選挙でも、議会のあり方や首長の政治理念が問われること必定であります。
 我が公明党も、「支え合う社会へ。~地域を伸ばす。日本を変える~」と題する重点政策を掲げ、住民に信を問うとして、この重点政策の冒頭には議会改革を示し、定数の削減、報酬の適正化、通年議会、住民参加型議会とともに、議会招集権を首長と議長に与えるほか、議会事務局の法務・調査スタッフ等の充実をうたっております。
 現行自治法では、議会の招集権は101条で首長に専属の権限として付与され、その2項に、議会運営委員会の議決を経て付議すべき事件を示せば首長に臨時会の招集を請求でき、3項では、4分の1以上の議員で同じく招集を請求できると規定しております。しかし、請求はできても、招集するのはあくまでも首長であり、阿久根市長の例が示すごとく無視されてしまえばそれまでです。これは、どうやら地方自治法の147条に規定する長の統括代表権が根拠のようです。
 そこで、仁坂知事にお尋ねします。
 現行の二元代表制の中で、長の提案が否決されるから配下の議員をふやして過半数を獲得するのだと、ローカル政党をつくって思いを遂げようとする橋下・河村両氏の手法への見解をお示しください。たしか今月の、今配られております「県民の友」3月号、知事のメッセージ「政治主導」というコラムには、これらお二方のことを念頭にした発言のようにも見受けられますので、お尋ねします。
 また、ケアレスミスかもしれませんが、あなたの専権である議会招集権を行使するに際し、招集というのを「招集」とせず、天皇陛下の国事行為としての詔書の形式で示される「召集」との表現で2月7日号外の県報で告示したのはなぜでしょうか。財第238号で割り印を押し、知事の印まで押された通知に添付された、県報号外告示第156号財政課取り扱いの書面を目にして私は驚きました。これです。毎議会くれるやつですけどね。(資料を示す)不思議なことに、この県報で、目次のほうでは正しい「招集」なのに、告示ではてへんを省き、「召集」に変換されているではありませんか。何か深い意図があるのかなといぶかしく感じましたので、丁寧にお答えください。
 念のため、これらの通知は議事課からのものでございました。封筒は財政課から送ってくれたわけではありません。
 次に、仁坂県政2期目の最初の予算についてお尋ねします。
 おくればせながら、仁坂県政、昨年霜月28日、県下広く輿望を集め、知事に再選されましたこと、一票を投じた者としてうれしく思います。また、応援の弁士としてともに戦えたことも誇らしく思います。おくればせながらですけど、おめでとうございました。
 トインビー博士の「さあ仕事だ」よろしく、また一緒に仕事だと投票日翌日から議会を招集され、公約実現に取り組まれる雄姿に尊敬申し上げます。選挙公約でもある「和歌山を元気に あたたかい改革」として、4つの実行に取り組まれんとする姿勢の伺えるこの23年度当初予算かと存じます。
 旧臘16日、公明党県議団が予算要望した60項目にも、私たちが要望した項目にも随分配慮され、新規事業だけでも95億ほどの予算措置がされた点など、評価したいと思います。その上で、23年度予算の特徴的なところをお示しください。
 また、これは尾崎先輩も先ほど聞いてられましたんで多少重なるとこはありますけど、お答えいただきたいと思います。
 また、私からは、希望の政策、成長を支える基盤づくりと、知事の提案理由の説明にございました。この点の道路整備について、国の直轄道路、なかんずく近畿自動車道紀勢線田辺─すさみ間、京奈和自動車道全線、第2阪和国道についてお聞きします。
 県議会も、今日まで議連を初め精力的に取り組んでまいりました。道路特定財源の維持や民主政権の道路整備の後退の動きには、知事初め当局とも協心戮力、相携えて頑張ってまいりました。知事も、選挙時の11月17日付「朝日新聞」和歌山版のアンケートで国体までの完成と答え、今議会の提案理由の説明におきましても国体開催までの供用にとお述べです。また、先ほども紹介しました3月号の「県民の友」でも、道路整備特集を編んで「和歌山の伸びるチャンスをふやす道路整備」と題して県民にお示しでございます。
 先ごろ公表された国土交通省から通知のあった直轄事業の事業計画、和歌山県関連分についてでは、これら直轄事業がいずれも平成27年暫定2車線供用予定と示されたことは大きな成果かと存じます。今後の予算確保と事業執行に関するお取り組みをお示しください。
 次に、これも先ほどの尾崎議員とも重複してまいりますが、高病原性鳥インフルエンザ対策についてお伺いします。
 平成20年3月の予算特別委員会、あるいは21年3月の本会議、同6月の本会議、21年9月の本会議と、幾度か新型インフルエンザパンデミック対策について私も取り上げてまいりました。また、2月16日のお昼には、県議団として的確なる防疫体制の申し入れも知事に行いました。2月15日午前の発生以来、その日の深夜から県職員の動員や自衛隊の派遣、さらには16日早朝の知事みずからの視察など、実に的確かつ迅速な対応のかいこれあり、順調に作業が推移したやに拝察いたします。私の知るところ、風評の流布もなく、県民も平静に今回の事態を受け取っていると思われます。
 先ほど知事も紹介ありましたが、このお昼には好物の卵かけ御飯とかしわの空揚げもおいしくいただきました。特定家畜伝染病防疫指針を初め対応マニュアルの備えとともに、今こそ県庁職員の公務員魂の見せどころとの気概で職務に精励されましたたまものと存じ、県民の1人としても県職員の方々に満腔の謝意をささげたいと思います。
 その上で、事態は進行中かと存じますが、私なりには、マニュアルを勉強する中で、消毒作業場所の選定条件の表現に首をかしげたくなるような点もございましたことを指摘しておきます。今の時点での評価と改善点があればお示しください。
 次に、議案第55号暴力団排除条例についてお伺いします。
 22年6月議会で質問した折、ちょうど相撲界の野球賭博に暴力団の陰ありとのことで、砂かぶりの特等席の融通が当時問題視されておりました。今はまた、八百長問題で春場所が中止され、相撲ファンの1人として残念に思います。昨年11月の暴力団追放県民・市民大会に出席しまして、NHKの相撲の解説者であります杉山邦博氏の感動的な角界の歴史と伝統のお話、また、「我いまだ木鶏足り得ず」とする双葉山の逸話を拝聴しただけに、相撲協会の健全化を願ってやみません。
 6月議会でも述べましたが、暴対法や組織犯罪処罰法の適用、あるいは黙示的な意思疎通をもって共謀とする司法判断も確立されつつある中で、和歌山県警におかれましても摘発強化に取り組まれていることと存じます。かねてより、やくざの威をかりて利用するほうも同罪ではないかと思っておりました。
 そこで、お尋ねします。そもそも本県県内の暴力団の勢力の現状についてお教えください。
 また、今議会に上程された暴力団排除条例を読んでおりますと、他府県の条例では「青少年」となっているところが、本県では「少年」という概念を使っております。健全な育成を図るための措置を「少年」とした理由をお示しください。
 また、パブリックコメントを行ったかと思いますので、どのような意見が寄せられたのかお示しください。
 さらに、この条例により期待される効果はどのようなものがございますか。
 加えて、条例中には、暴力団員に利益を供与した場合など一定の禁止事項に違反したことに対しては調査、勧告、公表できる旨規定しておりますが、その効果のほどについて見解をお示しください。
 次に、新しい福祉についてお伺いします。
 私が、創価大学を卒業し、社会人となったのは昭和54年の春でした。坂井弘一代議士の秘書としてのスタートでした。その当時、公務員の定年は55歳だったように記憶します。その後、60歳定年制を求めることが公約になり、年金支給年齢も65歳に引き上げられてきました。やがて介護保険制度がスタートし、後期高齢者医療制度も完備されました。日本社会の少子高齢化とともに、よわいを重ねてきたような気がいたします。気がつけば、この私も54歳になってしまいました。平成11年に市議に立候補し、2期務めた後、4年前に県議にならしてもらいました。この春の選挙では、選挙としては4度目となります。
 最近しきりに感じますことは、ひとり暮らしのお年寄りの多いことです。御家庭に伺えば、玄関でインターホンを押してから扉が開くまでの時間がとても長くなってきたように感じます。「上がってよ」と、座敷にお邪魔さしてもらっても、こたつに入り、ストーブを身近に置き、テレビを友にされているお姿です。恐らくや、一日じゅうだれとも言葉を交わすこともなく過ごしていらっしゃるのではないかと気になります。私の訪問を殊のほか喜んでくださいます。お元気な方はいいのですが、ほとんどの方は持病を持ち、足腰の弱っていることが容易に推測されます。
 公明党は、孤立させない、支え合う地域社会をと、地域包括支援センターの機能強化や市民後見人の育成、あるいは外出、買い物などの生活支援策もまとめております。本県におきましても、地域見守り協力員の制度を実施していますし、介護基盤整備の基金も用意されました。第一義的には市町村の事務かと存じますが、無縁社会や孤立死、孤独死の報道を見るにつけ胸が痛みます。高齢者には限りませんが、ひとり暮らしの方々への支援策をお示しください。
 また一方、元気なお年寄りからは、「介護保険の世話にならずに、自分で気をつけながら工夫した生活を送っている。しかし、その一方で介護保険の保険料は納めるばっかりだ。周りには、さほどでもないのに、家事援助や住宅改修など、介護保険を利用している人がいる。どうも釈然としない。保険ならば、使わない人には保険料を下げていくべきではないか。あるいは、使わない期間の長かった方がいざ使い始めるとなったときに、利用料の本人負担は──法律上は1割でございますが──1割と言わず、長年使わなかったんだから5分からスタートするなど、何からのメリット制を導入すべきではないか」などといったお声を寄せる方が多いのも事実です。
 自動車保険の例を引くまでもなく、保険なのですから至極当然の話かと思います。介護保険の保険者は市町村ですが、県の立場で、こういった未利用者に対するメリット制や介護予防にいそしめるインセンティブをお考えになりませんか。お示しください。
 次に、認知行動療法の普及についてお伺いします。
 さきの12月議会で同僚多田議員も質問したとおり、うつ病対策に目覚ましい効果を上げている認知行動療法を活用したうつ病デイケアが沖縄県立総合精神保健福祉センターで取り組まれておりますが、本県でも導入すべきと改めて訴えます。
 昨年4月から、医師が行う認知行動療法が保険適用されました。医師だけでなく、看護師、精神保健福祉士、臨床心理士などのチーム医療の保険適用も、今、国会で議論されております。私も、福祉環境委員会でお聞きしましたが、県としまして、こういった精神療法の普及についてどのようにお考えか、改めてお示しください。
 また、この2月4日に、西博義代議士ほか衆参両院の公明党の議員4名が和歌山大学が取り組みを始めましたキャンパス・デイケアを視察するとのお話を聞きつけ、私も伺ってまいりました。和歌山大学の保健管理センターの宮西照夫所長のお話を伺い、とても感銘を受けました。先ごろNHKの番組でも取り上げられたとのことでしたので、ごらんになった方もいらっしゃると思います。
 宮西先生が開発したひきこもり回復支援プログラムがとても有効で、かいつまんで紹介すると、従来の精神科医や臨床心理士のように、座して診療に来る患者を待っているのでなく、アウトリーチ、現場へ出かけ、訪問して診察し、明確な病気ならば専門の治療を受け、病気ではない心の問題ならば、宮西先生たちがつくったアミーゴという支援チームが対応すべきだとのお話でした。宮西先生は、和大生のみに対象を絞るのではなく、ぜひとも地域に広げていきたいともおっしゃっていました。
 このひきこもりの問題は、当人のつらさもさることながら、御家族も大変な苦労をしてらっしゃいますので、こういった御家族への支援も大事だとのお話でございました。宮西先生からは、家族の会も結成したいし、また、引きこもる期間が長いほど問題は深刻になるので、介入時期の見きわめが重要とのことでございました。今、県が実施するひきこもり支援策に、この宮西先生が開発した回復プログラムを取り入れていくお考えはございませんか。お伺いします。
 次に、和歌山県立医科大学の不適正経理問題の処理状況についてお伺いします。
 昨年の2月議会で、5年以下の懲役刑まで設けている補助金適正化法違反の重大性にかんがみ、地方独立行政法人法第89条の違法行為の是正措置を命ずべしとする私の質問に対し、あなたは、和医大が反省しているので要式行為はとらないとの答弁でした。しかし、その後の動きが残念ながら県民には見えてきません。
 情報公開にも取り組むとのことでしたが、ホームページを見ても、再発防止の具体策として不正行為の再発防止等に関する規定を設けたり、不正取引に関与した業者を取引停止といったような、そういった規定を制定したり、内部監査の監査室も設置されたことは評価しますが、肝心の不適正な支出をした研究者が処分を受けるだけにとどまらず、間違った使い方をしたお金は公金なのですから、きちんと返却してもらわないと県民の信頼は回復しません。幾ら立派な研究成果があったとしても、きちんとした使い方で、きちんとした研究成果を上げている先生からすれば、こういったことは納得できないのではないでしょうか。
 最近、報道で知りました阪大事件、大阪大学の教授の事件でございますが、この場合、大阪大学がこの教授を詐欺で告訴すると報じています。この阪大の教授もいろいろ弁明はしておりますが、大学がやはり調べて明らかにしているじゃありませんか。きちんと対処しないと同じような目で見られてしまうのではと心配します。
 また、理事長である学長が率先して返還しないと、ほかの先生方へのガバナンスといいましょうか、経営手腕が効果を発揮しないんじゃないでしょうか。また、仄聞するに、もう既にこの3月で退職する先生もあるやにお聞きします。退職金を受け取りながら返還はぼちぼちでは、県民の評価が果たして得られるでしょうか。地方独立行政法人としての監査も通りますかね、心配いたします。加算金、延滞金もかさむばかりです。
 傷ついた信頼を本気で回復するには、記者会見の都度、進捗状況を発表するなり、あるいはホームページで公開するなり、すべはあるはずです。23年度からこういった一連の補助金の使い方としても、国のほうも見直しをされ、増額されております。こういった増額された補助金は、そのときに運用も改善されておりますので、どんどん和医大の研究に、獲得に動いてもらいたいと思いますし、ますます頑張っていただきたい。その上で成果を上げてほしいと。そのためにも、一日も早くこの問題に決着をつけるべきではないですか。現下の措置状況をお教えください。
 次に、企業誘致と雇用についてお尋ねします。
 さきの知事選での公約に、働く場をもっとふやします、中小企業、農林水産業、観光業、企業誘致など、すべての分野で日本一の振興策とありました。その言やよし。確かに1期4年の知事のトップセールスぶりには頭が下がります。あの東国原氏にまさるとも劣らぬ活躍ぶりでございました。
 私のせがれも、ようやくのことに県内企業に就職が内定しました。それも、県が和歌山県出身の卒業生に送ってくださった資料を手元に見たから、その会社に面接に行くことができた。県のそういった資料提供のおかげだと感謝しております。
 実際のところ、仁坂県政で選挙時に80数社の誘致をなさったという成果でございましたけども、実際のところ何人の正社員の方が雇用されたのでしょうか。また、今後の取り組みについてもお聞かせください。
 最後に、昨年秋の決算特別委員会で出してもらった資料で気づいたのですが、行革で公務員の人員の削減が迫られる、だから人は減らされる、しかし仕事は減らない、だから業務委託で県の仕事をやってもらっているんだという課長の答弁がございました。現にその部署では、派遣会社の社員に県庁内の建物でお仕事をしてもらっているとのことでございます。
 かねてからの私の疑問がわき起こってまいりまして、そもそも公務所である県庁に公務員でない職員が仕事をするとして、どこまでが公務員のすべき仕事なのか、どこからが委託やアルバイトやそういった公務員以外の方にお任せできるのか。通常、勉強した限りでは、公権力の行使に該当する職務ということでしょうけども、その職責はどこからなのか。きちんとした線を引かないと、この先、心配ですんで疑問は尽きません。混乱するばかりであります。
 そこで、お尋ねします。
 現在就労している派遣職員、委託、非常勤、アルバイト等の基準は何なのですか、お示しください。
 そもそも地方自治法では、こういった公務所で公務員でない人が働くということは想定されていないのではないでしょうか。現に、今回の高病原性鳥インフルエンザ対策で、出動してくれ、出動しろと命令できるのは、相手が公務員だからではないでしょうか。こういった一斉に取り組まなければならない防疫業務も、公務員の仕事だからこそ、獣医師の職員さんだけでもなく、あるいは畜産課の職員さんだけでもなく、あるいは危機管理の職員さんだけでもなく、すべて県庁、オール県庁の職員が動員できるような仕組みになっていると思います。
 以上、この4年間の質問の総括も兼ねた何点かのお尋ねを第1問とします。答弁のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) ただいまの中拓哉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 御質問のうち、私に答えるべしという御指摘がありました点につきまして、通告順にお答えさせていただきます。
 まず第1に、議会の招集に関しまして誤字がありました点でございます。
 2月7日付の2月定例会議招集告示に誤字がありましたので、2月15日付の県報において訂正を行いました。本件は、完全に単純なミスでありまして、まことに申しわけないと思っております。今後、このようなミスが生じないように徹底を図ってまいります。
 次に、県政2期目としての平成23年度予算についてでございます。
 本件につきましては、人件費の抑制や事務事業の見直しなどにより収支不足額を16億円に圧縮するなど、行財政改革を通じた持続可能な財政構造の確立と新政策の推進に向けた積極的な予算措置という2つ目の目標が達成できたと考えております。
 具体的な政策を挙げますと、県内産業の活力を強化するため、頑張る地場産業への一貫した支援や有害鳥獣対策を大幅に強化するほか、来年度より各生活圏の背骨に当たる川筋ネットワークの道路の重点整備などに取り組んでまいります。
 また、子供の命を守るヒブワクチン等の接種支援や医療と介護の連携強化、中小河川の浸水対策予算を大幅に拡充するほか、過疎集落の再生・活性化にも引き続き一層取り組んでまいります。
 次に、道路の関係でございます。
 直轄道路事業に係る今後の取り組みについてでありますが、国土交通省の事業計画に、近畿自動車道紀勢線、京奈和自動車道、第2阪和国道の供用予定が平成27年度と示されたことは、これまでの働きかけてきた成果であると受けとめております。
 一方で、近畿自動車道紀勢線や京奈和自動車道を含む直轄道路予算は、平成22年度では対前年度比で約1割削減されていた上に、平成23年度では対前年度比が、まだ枠ですけれども、0.68から1.03と示されるなど、道路整備のおくれた本県にとって非常に厳しい状況となっております。
 県といたしましては、終期明示は評価しつつも、これが本当に実行されるように、今後とも直轄道路事業の計画どおりの実施に必要な予算確保を国に働きかけるとともに、県事業についても、各種交付金をうまく活用して県内道路ネットワークの早期整備に取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、二元代表制と橋下・河村両氏の政治姿勢の見解ということでありますが、地方自治体の首長も議員も、地域を豊かにすること、地域住民を幸せにすることを有権者から託されているのでありますから、その目指すところに相違があるはずがありません。首長は、その目的を達成するために最善と考えた施策を議会に提案するわけでありますが、当該提案が費用対効果などを含めて最善のものかどうか、議会がチェックすることでよりよいものにしていこうというのが二元代表制の意義だと考えております。
 こういった観点から、私は就任以来、県議会議員の皆様と十分に意思疎通を図りながら、車の両輪としてともに県政を進めてまいりました。仮に私の考え方と議員の皆様の考え方が対立した場合であっても、県民の皆様を幸せにするという双方の目的が一致しているわけでありますから、したがって、十分に議論を尽くして合意を得ていくということが可能であり、それが大切であるというふうに私は考えております。
 なお、政治主導は──「政治主導」という、「県民の友」でございますが、これは御指摘の方々のことを念頭に置いたものではありませんで、どちらかというと、政治主導という点を余りにも強調され、やや現在対処に苦しんでおられる国の状況を念頭に置いたものでございます。
 次に、高病原性鳥インフルエンザ対策についてでございます。
 去る2月15日、紀の川市において発生いたしました高病原性鳥インフルエンザにつきましては、発生農場の12万羽すべての殺処分、移動制限区域の設定や消毒ポイントの設置など、迅速な防疫措置を講じました。この間、県の職員に加え、自衛隊、地元紀の川市、国の関係機関、農業協同組合、建設業協会など、延べ2600名を動員して昼夜を置かず作業を行い、発生から5日後に処分鶏や飼料等の埋却、鶏舎の清掃、消毒等、発生農場での処理をすべて終了できたことについては評価をいただいているものと考えています。
 なお、今回の一連の対応については、緊急を要する中で基本的にはうまく対応できたものと考えておりますが、本部機能の一元化とか、あるいは動員者のローテーションのあり方とか、資材調達のスピードアップなど、細かい点では反省点もありますので、今後、これを検証して改善につなげてまいりたいと考えております。
○議長(谷 洋一君) 福祉保健部長西上邦雄君。
 〔西上邦雄君、登壇〕
○福祉保健部長(西上邦雄君) 高齢者のひとり暮らし対策についてでございますが、現在、市町村におきましては、民生委員や市町村社会福祉協議会などによる訪問活動のほか、緊急通報装置の設置や配食サービスと合わせた安否確認など、多種多様な見守りサービスが提供されていますが、県では、これらの活動やサービスの充実、支援に取り組んでまいりました。
 また、平成21年度には和歌山県地域福祉推進計画を改定し、地域における新しい支え合いネットワークの構築を盛り込むとともに、住民や民生委員等と連携・協力し、高齢者等へのさりげない見守り活動をボランティアとして行う地域見守り協力員制度を実施しているところであり、協力員の方が訪問活動の際に自宅で倒れている方を発見し、救急車を呼んだ事例や、早朝、徘回している高齢者に気づき、民生委員と協力して保護した事例などもお聞きしているところでございます。
 今後も、このような地域で支え合い、助け合う仕組みの構築を促進するため、国の基金を活用いたしまして、高齢者が集える場づくりなどを通じて、地域でのつながりやきずなの輪を一層拡大し、市町村とともに、より身近な地域でひとり暮らしの高齢者を見守る体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、認知行動療法の普及についてですが、議員御説明のとおり、現在の保険適用は医師が行う認知行動療法に限られている現状であります。国会でも、チーム医療等への保険適用の拡大について議論がなされているところであります。このような現状の中、県としては、平成22年12月議会でお答えいたしましたとおり、医師や医療従事者を対象とする認知行動療法に関する研修会の開催などによりまして、その普及を進めてまいりたいと考えております。
 また、その際、御提案のございました沖縄県の取り組みを把握するため、本年1月31日、2月1日の2日にわたりまして職員を派遣いたしまして、沖縄県立総合精神保健福祉センター主催の研修に参加するとともに、当該センター所長から取り組み内容につきまして説明を受けてきております。県としましては、この研修で把握いたしました取り組み内容を基本として、平成22年12月議会でお答えをしたとおり、先駆的な取り組みの導入について、県立医科大学附属病院、また県精神保健福祉センター、さらには県立こころの医療センターとも連携しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、ひきこもりへの支援についてですが、本県では平成16年度から、民間支援団体が運営いたします施設をひきこもり者社会参加支援センターとして指定をいたしまして、居場所の提供や家庭訪問による当事者や家族の支援、就労・就学支援等を通じまして、ひきこもり者の社会参加促進に取り組んでおります。
 現在、和歌山市、紀の川市、田辺市に所在する3施設を指定しておりますが、紀の川市の施設では、御質問にございました和歌山大学保健管理センターの宮西所長に嘱託医として支援をいただいておりますので、今後、宮西所長から和歌山大学の回復支援プログラムにつきまして御教示をいただき、当該施設とも協議しながら、県としてどのように取り入れていけるか検討してまいりたいと考えております。
 次に、介護保険未利用者へのメリット制についてですが、議員御提案の介護保険を使っていない元気高齢者に対して介護保険料を軽減するというようなメリットを与えるということは、現行の介護保険制度内で実施することは非常に難しいと思われます。
 しかし、介護給付費の増大により介護保険料が上昇しつつある中で、介護保険を使っていない元気高齢者に対する何らかのインセンティブも必要ではないかという意見もたびたびお聞きするところでありまして、高齢者が元気で頑張っていこうという気持ちを持っていただけるものかどうか、また、保険料や公費を財源として実施するのにふさわしいものであるかどうかといった観点を踏まえまして、その方策を幅広く検討してまいりたいと考えております。
 最後に、県立医科大学における不適正経理問題のその後の措置状況についてですが、昨年の12月末をもって国との協議が完了いたしました。まだ返還通知書が到着していないものがありますが、不適正支出額は約1億3000万円、加算金を含めますと最終返還額合計は約1億7000万となる見込みであります。
 国等への返還については、返還通知書が到着次第、順次返還を行っているところであり、現時点において約1億7000万円のうち、国等への返還済み額は2月22日現在で1億1152万968円でありまして、未返還額の約6000万につきましても本年度中に返還する見込みと聞いております。
 国等への返還金については、大学が立てかえて返還しておりますが、該当する研究者から大学への返済を約束する念書を徴した上で研究者個人に求償することとしておりまして、今後、支払い方法等の詳細について貸付契約を交わすこととしております。
 なお、御質問にもございましたように、板倉理事長御自身の分は、本年度中に一括して大学へ返還される予定と聞いております。
 いずれにいたしましても、県民の信頼を回復するため、県立医科大学においては、監査室や物品検収所の設置、研究費の取り扱いに関する説明会の実施など、公的研究費の不適切な経理処理の再発防止に取り組んでいるところでありまして、県としましても県立医科大学の取り組みの進捗状況を把握し、必要に応じて適切に指導、助言をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) 商工観光労働部長岡本賢司君。
 〔岡本賢司君、登壇〕
○商工観光労働部長(岡本賢司君) 企業誘致と雇用についてお答えいたします。
 企業誘致につきましては、知事のトップセールスを初めとする延べ4000社を超える企業訪問を続けてまいりました結果、今年度は昨年度を上回るペースで進出が決まっております。仁坂知事就任以来、85件の立地が決定し、うち68件が操業を始めておりまして、直接的な雇用といたしましては、約1270名の雇用が生まれることとなっており、このうち県の奨励金制度の対象となった企業では、現在正社員として367名が既に雇用されるなど、人口流出の歯どめに貢献されているところです。さらに、立地企業による資材調達や物流の利用など、地域経済においてさまざまな波及効果も生じており、間接的な雇用効果も生じているものと考えております。
 今後、新たな用地造成に対する支援など、企業ニーズに合った企業用地の早期確保に努めるとともに、情報収集力の強化や関係機関との連携強化を図ることにより、正社員の雇用に直結する企業の誘致に邁進してまいります。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) 総務部長宮地俊明君。
 〔宮地俊明君、登壇〕
○総務部長(宮地俊明君) 県庁における外部委託等に関する御質問にお答えいたします。
 本県では、行財政改革を進める中、業務の効果的、効率的な実施の観点から、民間のノウハウを活用すべき業務や一時的な業務などにつきまして外部委託等を行っているところであります。その際の基準につきましては、政策的判断や公権力の行使を伴わない業務等を基本とし、法令上、許容される範囲内で効果的に行政サービスを提供できるよう、個別に業務内容を精査の上、判断しているところであります。
 今後も、県の職員が直接担うべき役割を十分検討の上、効果的、効率的な業務執行体制の実現に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) 警察本部長山岸直人君。
 〔山岸直人君、登壇〕
○警察本部長(山岸直人君) 最初に、県下の暴力団の勢力等について申し上げます。
 本年1月末現在の県下の暴力団勢力につきましては、19団体、約330名の構成員を把握しており、すべての団体が6代目山口組傘下となっております。
 次に、保護対象を青少年ではなく少年とした点についてでありますが、議員御指摘のとおり、他府県において制定されている同様の条例のほとんどが青少年を保護対象としていることは承知しているところであります。今回の条例案では、少年の健全な育成を図るため、対象を18歳未満の青少年ではなく、20歳未満の少年とし、また、保護対象となる文教施設に大学を含めるなど、対象をより広範囲としたものであります。
 次に、パブリックコメントの結果についてでありますが、昨年末、条例案について県民の皆様から御意見を募集しましたところ、2名の方から4件の御意見が寄せられました。その内容は、今回の条例の内容及び制定に強く賛同する、今までこのような条例が制定されていなかったこと自体不思議な感じであるなど、いずれも賛成意見でありました。
 本条例に対する期待とその効果についてでありますが、これまでの暴力団対策は、警察対暴力団という構図で推進されてきたところでありますが、本条例の制定により、今後は社会対暴力団という構図に移行することとなります。これによりまして、社会全体で暴力団を孤立させる体制が一層整備されることとなり、暴力団の活動をこれまで以上に封じ込め、暴力団の弱体化、壊滅につなげることができると考えております。
 次に、一定の禁止事項違反に対する調査、勧告、公表の効果につきましては、違反事業者が暴力団に協力的な存在であることを県民に公表することにより相当の効果が期待できるものと考えております。
○議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。
 〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 再質問を許します。
 26番中 拓哉君。
○中 拓哉君 御丁寧な答弁、ありがとうございました。
 要望ということになろうかと思いますが、もう素直に知事から謝っていただきましたんで、結構でございます。間違いというのは当然あることでございます。ただ、県報を各課が載せるときに、やっぱりそこで指導する機関のとこだったもんですから、今後の注意ということでお話ししました。
 それで、自分に関することで当たってみて初めてわかったんですけど、正誤表で訂正なんですね、誤りと正しいと。たった1行というか、えらいそっけないなあ。恐らくこれでしか直しようがないんでしょうけども、例えば、県報に載った何か権利義務が発生する個人名が間違われてたときであったとしても、同じようなことで終わってるんやろなということを思いました。
 そのときに、別にそういうルールをつくれというわけじゃありませんけど、やっぱりそうやって県民の方に不快な思いが──何かの拍子で、人のすることですから間違いありますから、間違ったときに、やはり一筆、別のお手紙で、こうこうでしたと出すのも、やっぱり大事にしてる姿かなあ。そんなことを御検討いただければな、かように思います。
 また、鳥インフルエンザ。
 私、市会議員のときに、二元代表制とも関連しますけど、旅田さんが非常に個性豊かな方で人気もありました。その背景は、やはりし尿処理のときに──知事はその当時、東京やったかわかりませんけど──旅田市長みずからバキュームのホースを持って、清掃が市の事務やから、清掃業者がストするんであれば自分らでするぞと言うてやりました。市の職員も、よもやそういう仕事に携わると思うてなかったけども、経験した職員からすると、一致団結して何か仕事をさしてもうた、市民のためにさせてもうたという張り合いがあったと、こういうお話を聞いたときに非常にうれしく思いました。
 今回も鳥インフルエンザの、行った方に聞くと、やはり足捕まえて、ゲージにひっかかってばたばたさせるのを──あるいは、ぬくもりがあるんですってね。私は、経験してないのであれだけど、ぬくもりがあって、どっちかといったらつらいお仕事やったと思います。
 しかし、それも行ったことが、先ほど申し上げたように県の職員としての1つの役割を果たせたというお気持ちで解決していくんやろと思いますけども、ここもまた制度を求めるのはどうかということになるかわかりませんが、やはり危険な思い、不快な思いをしたときは、手当の中でもそういう手当が一応条例上でもありますからね──今回の場合が当てはまるかどうかといったら非常に難しいようでございますけども──そこまでいかなくても何らかの形でたたえる仕組みなんかもやってあげてほしいな。これは要望かと思います。
 また、さっきの旅田さんの例に戻りますけど、二元代表制のことになりますけども、それほど人気のあった旅田さんが、私らが市会議員の当時のときに、また一たん失脚して復活してきました。やっぱり人気ありました。花いっぱいやるんだ、あるいは和歌浦の観光をやるんだ、あるいは和歌山創造大学だということで、ことごとく議会と対立してきました。そのたびに私も調べて、石泉閣の問題も、それこそ写真まで撮って議場でやらしてもらいましたけども、最後、旅田さんがやっぱり大学のことに執念燃やして、その条例が通らなかったんですね。恐らく阿久根市長やら河村さんの事態やと思いますわ。
 そのときに旅田さんは、やめて、再選挙に出て落ちたと。これが1つの民主主義の解決やと思いますけども、それでなお河村さんなんかの場合は、議会の解散の署名まで集めて、制度ですから、それはそれでなさったらいいんですけども、いたずらに対立をあおってるという一面の二元代表制の矛盾もここに出てきておりますし、また、河村市長の市民に対する発言も、税金で食わしてやってる市民がしんどい目してるのに、食わしてもうてる議員は何だと、こういうフレーズが非常に市民受けすることも間違いございませんし、私らも自戒していかなあかんわけですけども、そういった二元代表制の仕組みの中で、知事と私ども議会はそれなりの役割があるわけですから、引き続き、もうちょうちょうはっしとやっていく中で鍛えられていくんじゃないかな。
 折にこういう質問するときに、いろんな相談というか、ございますけども、それはそれで悪いわけじゃありませんけども、もっと真剣勝負でやっていくような自戒も込めまして、お願いしておきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で中拓哉君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
 午後2時32分散会

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