平成22年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(山田正彦議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後1時0分再開
○副議長(山下直也君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 29番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○山田正彦君 皆さんも、一般質問後半になり、しかもお昼御飯をいただき、大変なことだろうと、私、身をもって感じております。目の覚める議論も聞けず夢うつつというようなことにならないように、私なりに精いっぱい意見を申し述べたいと思います。
 それでは、議長からお許しをいただきましたので、3つばかりに絞ってそれぞれの御所見を承りたいなと、そう思います。
 公共工事の発注のあり方についてであります。
 これは、たまたまきのう、同僚議員の坂本議員からも質問がありました。私も、私なりの立場、私なりの解釈でもう一度原点に返って質問させていただきたい、そう思います。
 前任知事に絡む官製談合事件以来、仁坂県政において和歌山県公共調達検討委員会を立ち上げられて、その提言をもとに新公共調達制度が実施され、現在に至っております。実施に当たっては、幅広く業界団体からも御意見を聞かれたことでありましょうし、また実施後も、我々、自民党県議団公共調達検討委員会としてさまざまな不合理な点、改善すべき点も数多く技術調査課に対し指摘する中で、条件つき一般競争入札方式で実施されております。
 しかしながら、現在もなお各地域の建設業者からいろいろな御不満を聞かされているのが現状であります。きのうもごらんのとおりであります。今後、政府においても、なおさら厳しい財政運営の中、公共事業のさらなる圧縮が見込まれることから、建設業者として成り立っていくのかなと大変憂慮しているところであります。
 そこで、いま一度公共事業の発注のあり方について、私なりに原点に戻って質問をさせていただきますので、誠意を持って御答弁をいただきたい、そう思います。
 まず、工事予定価格と最低制限価格について、県土整備部長にお伺いいたします。
 そもそも工事予定価格とは何ですか。どんな積算資料で積算していますか。結果、答えとして算出された積算額に県として当然責任が持てますか。仮に建設業者が工事予定価格の100%で落札された場合、県としては異議がありませんか。
 また、制限価格とは何なんでしょうか。最低制限価格を設定する根拠はどこにありますか。その最低制限価格で落札した場合、建設業者として、従業員やその家族の福利厚生費を含め、企業として健全経営されるものと自信を持って断言できますか。
 次に、総合評価方式について、これもお伺いいたします。これも坂本議員も質問されました。
 公共調達制度の中で総合評価方式を積極的に導入されていますが、応札業者がすべて平等なスタートラインに立てていますか。地域貢献点に関してもいろいろな問題もあるし、あるいは、それは当然地域的には区別されてもおりますが、工事受注実績の有無──あるなし──配置予定技術者の能力評価──これは、工事受注がない場合は技術者の評価はできません。ないものはできないですから──そういう差別が出ています。現行制度が明らかに受注実績のある業者に有利に働く仕組みになっていると思われますが、県として今後どのように考えていくおつもりでありますか。
 また、最低入札業者でありながら総合評価点のせいで、その上の高額入札業者が落札している場合がよくあります。業者間にこの制度に対する大変な不信感が漂っております。このような状況を踏まえ、総合評価方式の導入については、きのうもその話が出ましたが、5000万ぐらいまで一遍引き上げてその様子を見るべきではないかなと思うんですが、いかがですか。
 次に、工事量の減少する中、受注機会の確保、雇用の拡大について県土整備部長に改めてお伺いいたします。
 工事入札業者の地域要件を可能な限り細分化することが受注機会の確保につながると思いますが、いかがですか。
 また、発注ロットの分離分割を県の方針として強力に推進することも受注機会の確保、雇用の確保につながると思いますが、その御意思はありますか。例えば、多少専門的になって申しわけないんですが、ボックスカルバートなんかをたくさん使用する現場があるとします。それをほんの少し前の工法に戻してあげると、現場を御存じの方はよくわかると思うんですが、捨てコンを打って、それから鉄筋を組み、型枠を入れてコンクリートを現場打ちするということになれば、たくさんの職人、作業員が必要になり、雇用の拡大にもなります。
 私自身想像もできなかった事案も現実にありました。この議会でもありましたが、平成20年度にあった国道168号線、仮称・切畑2号トンネル道路改築工事でトンネルが3分割して発注されたんですね。一括発注したかったけれどもできなかったという理由は別にあるとお伺いはしてますが、逆説的に考えますと、トンネル工事はもう大変なもんやということで、技術的にも大手業者でなければできない、そういうふうに私自身も思ってましたが、トンネルを掘削するのと、それから、トンネルの内側をコンクリートで巻く覆工工事というのがありますが、それも別に発注されましたし、それから路盤であるコンクリート舗装工事も分割されて、結局、県内業者でできるということになりました。施工担当課としては、もちろん事務量もふえるし、大変だったろうとは思いますが、やればできる。できたんです。これはほんの1つの事案なんですが、珍しい事案なんですが、いずれにせよ、今の公共工事の入札制度なり発注方法の工夫を考えない限り、地方の業者は成り立ち得ません。
 近年の異常気象などによって大小さまざまな災害が発生しております。地方においても災害時の対応等の主力部隊となっていただけるのは、地方の建設業者であります。冒頭に申し上げましたように、官製談合のあおりを受けて、ただひたすら地方の環境整備のため先頭に立っていただき、ひたむきにまじめに営まれてきた地方の中小企業の皆さんこそ、いい迷惑です。今後もこの制度の運用について、その都度、県議会として指摘したいと思いますが、どう感じられますか。御回答、よろしくお願いします。
 2つ目に入ります。京奈和自動車道と仮称・紀の川関空連絡道路についてであります。お手元に関空連絡道の資料が届いていると思うんで、ごらんいただきたいと思います。
 この京奈和自動車道というそもそもの成り立ちは、昭和62年6月、国土庁が発表された四全総、つまり第四次全国総合開発計画の中で、多極分散型の国土を形成するため、交流ネットワークの構想を推進する必要があるとして、高速交通サービスの全国的な普及、主要拠点間の連絡強化を目標として、およそ1万4000キロメートルで形成されるとされる中で計画された道路であります。以来、関係各位の大変な御努力によりまして、今日までにはその京奈和自動車道の橋本道路は既に供用が開始されております。また、紀北東道路につきましても、平成24年度の供用を目指していると、頑張っていただいていると、そうお伺いしております。また、紀北西道路も、平成27年に本県で44年ぶりに開催される紀の国わかやま国体までに全線が供用できるように国に対して強力に働きかけをしていただいていると思いますけれども、政権交代もあり、大変厳しい状況であろうと思います。
 そこで、県土整備部長にお尋ねいたします。
 京奈和自動車道路の取り組みと今後の見通しをお聞かせください。
 また、京奈和自動車道路は、関西大環状道路として位置づけられて、全線供用されれば紀の川流域はもとより和歌山県北部一帯の経済波及効果は絶大なるものがあると思います。和歌山県浮揚の起爆剤になると確信しております。現状の計画どおりでいきますと、この資料2にもありますが、東向いて行きますと、大和郡山ジャンクションで西名阪自動車道と連絡されます。また、西向き、和歌山向きに見ますと、阪和自動車道路の和歌山ジャンクションで連絡されることになります。つまり、その間、約76キロあります。所要時間にして、安全運転すれば1時間20分ぐらいかかるかもしれません。つまり、その間は他の高速道路への接続がありません。
 このため、京奈和自動車道路、仮称・打田インターチェンジから阪和自動車道と関西空港自動車道路の交わる上之郷インターチェンジへ至る仮称・紀の川関空連絡道路ができれば──それがこの資料1です──その間の距離は約9キロメートル、所要時間にして約7分で高速道路と接続されることになります。このことにより、関西国際空港はもとより、阪和自動車道、阪神高速4号湾岸線への最短ルートとなり、関西都市圏がさらに大きく拡大し、関西経済の活性化、通勤圏の拡大、企業誘致における物流条件の向上、また高野・熊野世界遺産の最短ルートとしても機能することとなり、海外、国内からの観光客の誘致や産業、経済、文化の進展、また府県間の融和交流の促進等、大阪府、和歌山県のみならず関西の発展に及ぼす効果ははかり知れず、本連絡道路が完成した暁には和歌山県が世界の発信拠点となることを確信しております。私も、この質問の原稿を書きながら、熱い思いがこみ上げてきました。
 そんな地元の熱い思いが本県選出の国会議員の皆様方のお力添えをいただいたおかげで、国土交通省を動かすことができました。平成20年度より京奈和自動車道路関連の道路網調査費の予算がつき、なお現在も進行中であります。
 そんな中、平成21年2月28日にはお隣の泉佐野市と紀の川市の両町長が発起人となり、紀の川関空連絡道路促進(「市長、市長」と呼ぶ者あり)ごめんなさい。両市長が関係者となり、今申し上げた紀の川関空連絡道路促進協議会を立ち上げられました。そして、去る9月10日、両市長、私をも含めた関係者一同で知事に要望書を提出し、熱い思いをお聞きいただいたところであります。
 和歌山県として周辺市町村への働きかけを初め、この要望書に記載された事項を十分御理解いただき、一日も早い国直轄事業として本事業実現のため強力なリーダーシップを発揮していただきたく、本会議の場で改めて知事の本道路の必要性の認識と整備に向けた意気込みをお伺いいたします。
 それでは、3番目の議題に入ります。県行政報告会についてお伺いいたします。
 仁坂知事につきましては、就任以来、昼夜を問わず和歌山県勢浮揚のために頑張っていただいてます。これは多くの県民の知るところでありますが、さらに知事御自身の熱い思いを1人でも多くの県民の皆様方に伝えたいとの思いで、歴代知事にはなかった県行政報告会を企画されて、1年余りをかけ、県内を一巡されたとお聞きしております。
 そこで、1巡目を終わられた報告会について、開催回数やあるいは参加者数など、あわせて知事御自身の総括をお伺いいたします。
 県内を一巡され、知事御自身、多分満足されたことだろうと思いますが、お伺いしますと、既に2巡目の報告会を計画され、8月上旬から一部スタートされたとお聞きしております。私自身も多くの県民、紀の川市民の方々ともよく話し合う機会が多い中で、少し辛口になりますが、知事御自身の思いと県民の思いとの間に多少ギャップがあるのではないか、そういうふうに思います。
 知事の行政に対する取り組みについては、全般的には異論はなさそうでありますが、何か物足りなさを感じている。それは何か。何なのか。私なりに感じることは、県民の皆様は、行政のトップリーダーであると同時に、庶民の中に飛び込んできたおやじ的な存在、親しみを持って接することのできる、気安く声をかけられる知事であってほしいと、そう強く思っていると思います。
 これは原稿にはないんですが、きのうたまたま新聞の折り込みにありました。他候補の話、「和歌山の母になる」と。私はぜひ、和歌山の父になってほしい、おやじになってほしい、そう思います。
 そこで、2巡目報告会を実施するに当たり、1巡目のような事務的な方法ではなく、季節柄、時節柄、秋の運動会やら、あるいは至るところで行われる秋祭りが、県内各所で催されます。庶民的な祭りがメジロ押しであります。公務多忙であることは十分理解いたしますが、各催し物に御招待され、ただ開会あいさつだけでその場を立ち去るというようなことではなくって、最大限その場にとどまり、県民、庶民の中へ飛び込んでいっていただいて、1人でも多くの皆さんとぬくもりのある触れ合いをしていただきたい。ぜひすべきであると私は強く思います。
 重ねて申し上げますが、知事の行政手腕に不安を抱く県民は多分いないと思います。その上、さらに人間としてのぬくもり、熱い思いが伝われば何の恐れもなく、どんな障害があろうとも正道を歩まれていけるものと私はかたく確信いたします。知事の熱い思いの御見解をお伺いし、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(山下直也君) ただいまの山田正彦君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) (「熱い思いを」と呼ぶ者あり)はい。
 まず、京奈和自動車道紀の川関空連絡道路につきましてでございます。
 関西国際空港と紀北地域や奈良、京都との連携を強化し、和歌山県だけじゃなくて関西全体の発展につなげるということは、本県の大きな政策目標の1つであります。その意味からもこの構想は大変有意義なものであるというふうに考えております。
 この紀の川関空連絡道路につきましては、私どももお願いをし、各国会議員の先生方とか県議の方々とか地元市町村とかが熱心にお願いをした結果、平成20年度から国土交通省において、京奈和自動車道整備に関連する道路の道路網の調査の一環として、整備の必要性を含めた調査検討が進められているところです。
 この道路は、山田議員御指摘のように、ただの地方道ではありませんで、まさに高速道路網の一環というふうに位置づけられるというふうに思います。私もそういう意味で大いに期待をしている、そういうところでございます。
 ところが、政権交代によりまして、国においては公共事業費を20%カットする、特に今年度の道路関係事業予算は約2割削減されて新規事業は認めないという方針が発表されるなど、この実現、将来における実現も含めて、少し暗雲が漂ってるという事態であります。そういう意味では極めて厳しい状況になっているというのが事実であります。
 とはいえ、県としては、大阪府と連携の上、引き続き国の調査に協力し、具体化を推進するとともに、この構想の実現に向け、紀の川市とか泉佐野市を中心とする地元の皆様方とともに必要性とか意義について粘り強く、広く訴えて実現を図っていきたい、そんなふうに思っております。
 次に、行政報告会でありますが、質問によりますと1巡目の総括と2巡目に対する思いという通告がありましたので、一応それを申し上げてから、先ほどの御発言に対しても私の考え方を申し上げたいと思います。
 私は、県民の皆様の御意見を聞くことがすべての出発点であるという思いを前回の選挙のときから広く発言してまいりました。その思いでこれまでもずっと行動してまいりました。県の行政報告会は、その思いを実行するために業界別の懇談会や各種団体の皆様との意見交換会など、たくさんやっておりますけれども、それとは異なって、何でもありの県行政全般にわたる報告をしたり、何でも御意見をお聞きするということを目指して、地域別にやろうということで始めた取り組みでございます。
 昨年7月に紀の川市において第1回目を開催さしていただいた後、本年8月末までの間に県内各地で計39回にわたり開催いたしまして、全市町村、全地区を一巡したところでございます。この間、延べ8000人を超える皆様に御参加いただき、さらには、私がしゃべるだけじゃなくて、170人近い方々から──これは延べですが──260件以上の県行政に対する御意見をいただきました。言いっ放し、聞きっ放しではいけませんので、意見は、その後必ず部内で行っております反省会で検討いたしまして、対応は決めて、それを発言者あるいはお世話になった市町村にお返しをするということにしております。
 一巡を終えての所感ですけれども、私からの報告を聞いていただくことも有意義だと思いますが、それとともに、このように参加された皆様方からいただいた意見により、急いでやらなきゃいけないような施策とか、今までちょっと油断していたような施策とか、そういうものを私自身あるいは県の職員が肌で感じ、また大いに勉強になったと本当に実感しております。
 一例を挙げますと、中小河川の水害対策につきましては、その深刻さを今よりももっと少し軽く見ていたかな、そういうふうに今は思っておりますが、参加された皆様方にお伺いするうちに、これではいかんということで、少しずつ事業費が減ってきた、数年間にわたりずっと減ってきた中で、22年度にはこれはかなり大幅なアップをするというような予算措置を行わしていただいた経緯もございます。
 ちょっと付言すれば、ところが政府においては、無慈悲にもこれに関する助成金を20%カットされてしまいました。その結果、一部使えなくなってしまいましたので、これではいかんということで、この議会に補助金つきの予算から県単独事業の予算にして、ぜひ使わしていただこうと思って皆様方に予算をお諮りしてるということでございます。
 2巡目に対する思いにつきましては、この県行政報告会において参加された皆様方とお話しさせていただいたことで、この取り組みは県民と私をつなぐ場であると確信した次第でございます。1巡目の行政報告会でも申し上げておりましたけども、これは決して一過性じゃなくて、大体このペースでいうと1年に1回ぐらいできるはずだからぜひやりますというふうに申し上げておりました。そういうことについて楽しみにしているというのが私の気持ちでございます。現に、去る8月上旬から一部市町村から2巡目の取り組みを始めさしていただきました。
 1巡目では、これまでの3年間ぐらいの県行政に関する重点施策やトピックスに関して御報告さしていただくこと、あるいは参加していただいた皆さんと意見交換さしていただくことに主眼を置いて取り組んでまいりましたが、2巡目におきましては、今度は新しく追加したところとか、そういうところを中心にして皆さんとまた議論をしていくというようなことをやっている次第でございます。
 このことが参加された皆様方からより多くの貴重な御意見をいただくことにつながることを期待しておりまして、今後、2巡目はもちろん、私が県知事でいる限り、大体毎年1回ぐらいは可能だと思いますので、3巡目、4巡目、どんどんやっていきたい、こんなふうに思っております。
 この行政報告会だけじゃなくて、各種団体とか、それからそれぞれのグループとか、そういう方々とぜひ直接身を置いて私自身も話し合いをしたい、あるいは交わりたいと思っております。
 先ほど山田議員から、庶民の中に飛び込んできたおやじの色彩がちと薄いというお話がありまして、私も実は、自分自身でも残念ながら物足りなく思っております。なぜならば、私自身はそういうのは実は大好きなんでございまして、例えば開会式だけちょいと出て、あいさつだけして人の意見も聞かないで帰るというのは、よっぽどのことがない限り、ほとんどやったことはありません。ちゃんと人の御意見も聞き、幾つか重なってるときは、せめて例えば懇親会でいえば乾杯までいさせてもらうとか、そういうこともやっておりますし、実はずっと最後までいるのが楽しいわけであります。
 しかし、公務をやっておりますと、余りにもたくさんのいろんな機会があってなかなか首が回らんという状態でございます。しかし、気持ちとしては、和歌山の父と言うとまたちょっとかた苦しくなりますんで、母もかた苦しいような気がしますから、したがって、おいやんとか、おっちゃんとか、兄やんとか、そういう気持ちで皆さんと仲よくしたいと、それが私の望みでございます。できるだけ努力をしていきたいと考えております。
○副議長(山下直也君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 工事予定価格と最低制限価格の根拠についてのお尋ねですけれども、工事の予定価格は、標準的な工法で標準的な単価により積算した価格であります。その積算は、実態調査をもとに定めている積算基準や市場調査による資材単価などをもとにしております。
 具体的に算出する方法は、直接工事に必要な人件費、機械経費及び資材費と間接的な安全対策などの経費、及び企業の継続的な運営に必要な経費を足し合わせております。したがって、このように積算される予定価の100%で落札されたとしても、適正な競争の結果であれば何ら問題はないと考えております。
 次に、最低制限価格は、公共工事で低価格による受注が行われた場合、工事品質の低下、下請業者へのしわ寄せなどの弊害が懸念されることから、工事施工上、最低限必要とされる価格を計算して設定しており、これを下回った場合は自動的に失格となる価格でございます。
 また、最低制限価格の算出方法は、予定価格の各経費ごとに工事実績を反映した最低限必要と考えられる額を算定し、足し合わせております。
 次に、総合評価方式の運用についてでございます。
 平成20年6月から条件つき一般競争入札を全面導入いたしました。導入に当たりまして、過度な低価格競争や工事の品質の低下が懸念されたことから、価格と品質の両面から評価する総合評価方式を一部導入いたしました。
 なお、総合評価方式は、全発注件数の約5分の1に当たる中規模以上の予定価3000万以上の工事に導入しているところでございます。
 品質、特に技術力を評価するための標準的な方法といたしましては、個々の工事に対して具体的な技術提案を求めて審査し、評価するということが考えられるのですが、中規模の工事にこの技術提案を求めるのは業者に対しての負担が大きいために、簡易な方法として、具体の技術提案を求めるかわりに過去の実績や地域貢献などにより評価しているものでございます。この総合評価方式につきましては、過度な低価格競争に対して一定の効果があるものと考えております。
 しかしながら、受注業者の固定化、新規参入の道が開かれないなどの課題があるとの御意見も聞いております。
 今後とも、県議会や県民、事業者などの御意見を引き続いて幅広くお伺いし、さまざまな角度から検討を進め、よりよい制度となるよう取り組んでまいりたいと思います。
 適正な受注機会の確保策についてですが、まず、建設業は地域の雇用を支える重要な産業であり、社会資本整備だけではなく、災害復旧の対応など安全な地域づくりのため非常に重要な役割を果たしていると認識しております。
 地域要件としましては、厳しい予算状況のもと工事件数が限られておりますので、事業者の受注機会の確保を図ることが必要であり、地域ごとの業者数を勘案して競争性、公平性を保つために建設部を最低限の単位としているところであり、御理解いただきたいと思います。
 また、発注ロットにつきましては、県内事業者の受注機会を確保するために、現在、できるだけ分離・分割に努めているところでございます。さらに、県内業者で施工可能な工事は、一部特殊な工事を除きまして、可能な限り県内事業者に発注することを原則としております。
 なお、今年度から設計の基本に立ち返りまして、県内事業者で施工可能なシンプルな構造の設計にも取り組んでおるところでございます。今後とも、県内事業者の受注機会に配慮した設計や発注ロットに努めてまいりたいと思っております。
 入札制度につきましては、今後も県議会、県民、建設業者の意見を真摯にお伺いし、必要に応じ見直しを行うなど、よりよい制度となるよう取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、京奈和自動車道の取り組みについてでございます。
 高野口インターチェンジから打田インターチェンジまではほぼ全線で工事が推進され、用地取得につきましても、一部残る区間で土地収用制度の活用に向け準備中であります。国においては、高野口インターからかつらぎインターチェンジまでの間を平成23年度に供用するように進められております。さらに、県では、引き続きかつらぎインターチェンジから打田インターチェンジまでの間について平成24年度の供用を強く要望しているところであります。
 また、打田インターチェンジから和歌山ジャンクションまでにつきましても、用地取得が進められておりまして、紀の川市において昨年工事着手されるなど、事業が推進されているところでございます。
 しかしながら、平成27年国体に全線を供用するためには約1000億円相当の事業がまだ残っており、単純に割り算をしても、毎年200億円以上の予算が必要と考えられます。一方、今年度の予算は145億円と、目標に向けた整備が非常に厳しい予算となっております。このため、引き続き国に対しまして、必要十分な予算の確保を強く働きかけているところでございます。
 以上です。
○副議長(山下直也君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(山下直也君) 再質問を許します。
 29番山田正彦君。
○山田正彦君 答弁ありがとうございました。
 公共工事の件なんですが、私もこの質問するに当たり、「談合」ということを久しぶりに辞典で引きました。何人かが寄って話し合う、相談して決めることを談合というんやけど、いっときのはやり言葉、これはマスコミの造語じゃないかなと思うんですが、その後に「談合行為」って、こう書いてる事例もあります。でも、それはいにしえの昔の話、ずうっと過去の話にあったかもしれませんが、今、とにかく仕事がないし、あるいはお互い業者と切磋琢磨してますから。ただし、建設的なお互いの業者間としての話し合いするのは当然なことであろうと思います。それがたまたま100%でとっても認めるとおっしゃってる。
 予算というのは、それは吟味しないといけない。これは当然のことなんです。でも、天下晴れて県なり公的な皆さんが決めた、例えばこの工事は1000万だって決めたら、どこはばかることなく、それでええと思う。それが逆に今盛んに言われる85%とか90%でとるほうがある意味では不自然ではないかなと思うぐらい今思ってるんです。しかも、予定価格以上で仮に談合というんか、建設的な話し合いしたところで、予定価格以上の落札はあり得ないことなんですからね。そういうことで、余り世間のそういうところに流される必要は全くないんではないかな、そう思います。
 それと、部長のお話にありました総合評価方式、きのうも坂本議員もいろいろ提案もされたし、問題点もされました。例えば特別簡易型3000万以上5000万未満の仕事にしても、加算点が6点ある。そのうちで、過去の実績分、あるいは技術者の資格の問題、それから各種行われる教育研修の講習を受けたか受けないかということで3点の開きがあります。
 もう1つの3点は、これは営業所在地の本店が、例えば紀の川市で出た仕事に対して紀の川市であれば加点しますよ、他所から来たら加点しませんよと。これはある意味では差別じゃなくて区別なんですが、もう1つ気になるのは、業界団体へ入ってる人で、業界の中の一部の団体に入ってる業者に加盟してるがために加点がある。これは具体的に言いたいんやけど、いろいろ問題あったらなんなんで、多分建設業界でも何々研究会とか、あるいは電気工事業界でもあります。管工事業界でもあります。
 ただ、そういう一部に所属をしてるために1点加算するというのは、これは業界全体を公平に見た目ではない。これは、私、断言できます。そういう団体に入ってるおかげでというんか、1点加点。1点加点するということは受注金額で約1%違うということをきのうも発表されたし、私も勉強したら大体そういうことなんですね。だから、その1点が非常に大きいわけ。
 こういう本当に業者が不信を抱くようなことは、全部やめよとは言わんけど、せめて5000万ぐらいまでの一般に出回ってる工事では、やっぱり今回早急に考え直すように検討してもらったほうがいいんではないかなと思います。
 それと、発注ロットについてきのうくしくも知事が──きのうだったですか──コンサルタントに今すべて任してるわけですね。調査、研究、設計まで。私も、コンサルタント大嫌いなんです。あんな頼りないものはないというぐらい。というのは、名前は大きいですけど、全部その下で専門業者がお手伝いするわけですよ。
 だから、これは冗談にもならないんですけど、昔、西口知事のときに申し上げましたが、ビッグ愛の外部に植わってる木、あれ、知事、どこの木だと思います。和歌山の木じゃないんですよ。植木の町・桃山があるんです。九州かどっかの木らしいんです。それ何でな。コンサルタントに頼んだからです。というのは、コンサルタントというのは地元の状況を知らない。だから、都合のええ下請さん──技術協力していただくんでしょう──そういう業者の意向に沿いがちなんです。これを、ちゃんとした指示をするのが県の技術者であるわけ。やっぱり厳しくそういうふうに技術指導する。
 それともう1つ、県として知事なり県土整備部長の、地元でできることはやりなさいという強い指導がなかったら、コンサルに任したらそれで終わりというのが現実なんで、もっとやっぱり研究して、本当に地元の業者の身になって和歌山県として、県民でもある業者さんのために本当に真剣に考えてあげていただきたい。これは強く要望しておきます。まだまだこれから今後とも、我々県議団の公共調達の検討委員会がありますから、その席でもまたお話をさしていただきたいと思います。
 それと最後に、これは要望でも何でもありません。知事にエールを送りたい、そう思います。
 知事は行政マンのプロであるということは当然でありますし、何回も申し上げたように、すぐれた技量をお持ちであることは私も認めます。それと同時に、県民から選ばれた政治家であるんですね、政治家で。我々も一応地方から選ばれた政治家として頑張らしていただいてますが、和歌山県をリードする行政のトップリーダーとあわせて政治家である。政治家の宿命として、当然県民の前にその人間性も含めたすべてをさらけ出して、県民に評価をされるわけなんです。そういう意味で、私も厳しいことは申し上げましたが、まだその点で多少努力をお願いしないといけないところがあろうかと思うんです。
 この議会が済みますと、とうとう、とうとう正念場になります。これは、1人や2人あるいは少人数ではどうにも、広い和歌山県のことですから、なりません。1人でも多くの応援者、同志を結集して、ぜひ来るべき一戦に頑張っていただきたい。私もその応援者の1人にぜひ加えていただきたい。
 それと、選挙に対しての格言みたいなもんがあります。努力以上の結果は絶対にない。努力以上の結果は、フロックはない。選挙にはフロックはないということなんです。だから、努力をしていただければ必ず結果が出ます。どうか、頑張ってください。エールを送って終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(山下直也君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で山田正彦君の質問が終了いたしました。

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