平成22年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(奥村規子議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前10時1分開議
○議長(谷 洋一君) これより本日の会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 40番奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 議長のお許しを得ましたので、一般質問に入らせていただきます。
 今回の質問のキーワードは夫婦と子供です。
 まず最初の1点目は、よりよい国民健康保険制度に向けてについてお尋ねしたいと思います。
 この問題を取り上げたのは、1人の30代の男性の方の電話相談からです。県議団の控室に緊張した声で、「地方税回収機構から差し押さえの通知が来て、どうすればよいかわからない。2人目の子供が生まれたばかりで」と、不安いっぱいの声でした。早速お会いして事情をお聞きしました。
 美容師の資格を取り、頑張ってやっと独立してお店を持つことができ、人も雇えるぐらいになりました。ところが、景気の低迷に加えて道路拡張工事などもあり客足が減ってきて、今では1人で何とか続けているということです。テナント料の支払いも大変です。車も処分しました。妻とは離婚し、店の奥のソファーで寝泊りをしている状況です。市の担当者の方に、「何度も通知をもらったけど、どうやったら払えるか、なかなか先が見えてこないんです。払いたくても払えないんです」と訴えておられました。私に「こんな僕は悪質なんですか」と聞かれ、答えることができませんでした。
 そういうことから、次の4つについてお尋ねしたいと思います。
 1つ目は、国保料、国保税の問題です。各自治体では税となっているところが多いと思いますが、この場では「国保料」ということで統一させていただきます。御了承ください。
 国民健康保険は自営業、無職の人たちが入る健康保険で、県民の3割以上の世帯が加入しています。保険料は、所得、世帯人数、療養給付費などにより決まる制度ですが、かつては国保会計の50%を超えていた国庫負担金が今は25%にまで減らされてきたことで、この保険料が極めて重くなっています。保険料滞納が続くと保険証が取り上げられ、資格証明書が発行されます。2009年は全国的に約31万世帯に資格証明書が発行されました。
 国民健康保険法の第1条では、「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。」と定められています。しかし、今、国民の命と健康を守るための制度が形骸化してきているのではないかと私は危機感を持っています。
 ある和歌山市内の小児科の医師は、親が短期の保険証を持って受診するケースが多くなっていると言われます。2年前は毎月10%程度、去年の新型インフルエンザの時期には30%、ことしは毎月20%ほどというようなことです。保険料を納められず、売薬で済ましている人もあります。全国的には、保険証を持てず手おくれになり死亡した事例も報告されています。
 ここで、皆さん、資料をごらんください。資料1は県内の平成20年から22年度の国民健康保険料の一覧表です。所得200万円、40歳代夫婦、未成年の子供2人の4人世帯で計算した場合、和歌山市の保険料は43万6810円になっています。これは、保険料方式の違う神戸市を除いて、近畿の県庁、府庁所在地の自治体の中で一番高くなっています。
 次に、資料2を見てください。「和歌山県における国民健康保険の保険料、加入世帯の平均所得」の一覧表の下の段を見てください。「県平均の推移」というところです。平均所得が減っているのに保険料が上がっています。
 そこで、知事にお尋ねします。
 余りにも医療保険のセーフティーネットと言われている国保料が高過ぎるのではないでしょうか。知事のお考えをお聞かせください。
 2つ目は、国保加入者の皆さんが安心して医療を受けられるようにすることについてです。
 現在、資格証交付世帯は、平成22年7月1日時点で4837世帯になっています。資料3をごらんください。和歌山県は、全世帯に占める資格証交付世帯の割合が全国8番目です。国保料を払いたくても払えないということを、先ほどの冒頭で紹介した方を初め皆さんからよく聞きます。私は、保険証を取り上げるような非道なやり方、人権無視の取り立てを直ちにやめるべきだと思います。懲罰的なやり方は、滞納対策にふさわしくない冷たいやり方ではないでしょうか。
 病院の窓口で、皆さん、一度考えてみてください。資格証を差し出すときに、「私は保険料を払えていない者です。でもこの子をぜひ診てもらいたいのです。診てもらえませんか」と言ってそれを差し出す気持ちを考えてください。
 また、しかも診てもらうためには窓口で治療費を一たん10割、全額支払わなければなりません。本人にとってはどれだけの治療費が要るのか全くわかりません。医療現場では、よく患者さんが「先生、きょうはこれだけしか払えないので」とお金を見せながら話している光景を見ました。まだこのように先生に率直にお話しされる方はよいと思います。また、「治療は最小限にしてください」と言っている患者さんもいました。気軽にこのようなことを話せる関係でなければ、大変な思いをして受診をされていると思います。大抵はそのようなことは言えないのではないでしょうか。
 医師の側にとっては、もう少し早く来てくれたらなというようなことも往々にあります。病院にかかりやすいということは、病気の予防、重症化の予防につながり、県民の幸せにつながるものです。これは生存権にかかわる問題です。国民の生存権を守る義務を国に課した憲法25条を踏みにじるものではないかと思います。ぜひ、資格証の発行を中止して保険証を発行するようにしてください。あわせて、低所得者の窓口負担の減免制度を県として検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。福祉保健部長にお尋ねいたします。
 3つ目は、広域化で国保制度がよくなるかということです。
 国は、財政基盤を強くするために都道府県単位の広域化を進めるとしています。現在、市町村国保には、保険料の高騰を抑えるため自治体の一般財源が繰り入れられています。しかし、本年5月に国保法改定が国会で可決成立し、厚生労働省は「広域化等支援方針の策定について」という通達を出しました。そこには、「一般会計繰入による赤字の補てん分については、保険料の引上げ、収納率の向上、医療費適正化策の推進等により、できる限り早期に解消するよう努めること」と明記されています。本来、国の財政負担を大きく後退させたことが市町村国保の運営を厳しくしているのに、保険料負担を少しでも抑えるために市町村が繰り入れしているのを解消するよう努めることとはどういうことでしょう。国の財政責任を一層後退させるものになっていきませんか。広域化しても市町村の運営の厳しさが解消されるとは考えられませんが、いかがでしょうか。福祉保健部長、お考えをお聞かせください。
 4つ目は、後期高齢者医療制度にかわる新しい医療制度についての中間取りまとめ案についての感想を知事にお伺いしたいと思います。
 私は「後期高齢者」という言い方はよくないという立場ですが、行政用語として便宜上使わせていただくことを申し添えておきます。
 厚生労働省高齢者医療制度改革会議に中間取りまとめ案が提出されたと聞いています。中間取りまとめ案は、75歳以上の高齢者のうち会社員やその扶養家族の高齢者は被用者保険に加入させ、それ以外の大半の高齢者は国保に加入させるとしています。国保に戻った後期高齢者は、保険財政を現役世代と別立てにされ、高齢者の保険給付費の1割相当が保険料として課せられる仕組みと理解していますが、それでは後期高齢者医療制度と同じではありませんか。いかがでしょうか。これは知事にお尋ねしたいと思います。
 次に、2点目の子供の虐待問題について福祉保健部長にお尋ねいたします。
 1つは、虐待の起こる背景、原因についてです。
 我が国では子供虐待を個人の問題、家庭の責任としてとらえられてきましたが、2000年の児童虐待防止法制定以後、社会的認知とともに、県市町村の子供を守る地域ネットワークの構築やこんにちは赤ちゃん事業といった早期発見、早期対応の連携システムなど、法制度の整備が進んできました。しかし、マスコミの報道などで御存じのように、全国的に児童虐待による子供の死亡や重症に至るケースが後を絶たず、関係機関の献身的な援助も困難なことが多いと思います。虐待の背景、原因をどのようにとらえているのか、お聞かせください。
 2つ目は、児童虐待防止法制定後の状況と対応についてお尋ねします。
 民事介入の手続を制度化した初めての法律が児童虐待防止法です。当人の申請をかかわりの前提としないで、周りからの発見と通告をきっかけとし、相手にニーズがなくても行政が積極的に介入していく仕組みがしかれました。
 以前、私のところにも、子供を返してもらえないと言っていると知人から相談がありましたが、そこでは、対象者は援助を受けようとするニーズを持たないばかりか、かかわりを拒否する傾向があります。大変難しい問題だと感じました。この制度の最も大きな矛盾は、介入と援助を同じ機関が行わなければならないところに問題があるように思います。社会的介入の受け入れや緊急介入の状況、夜間・休日などへの対応、警察との連携、職員の体制などお聞かせください。
 ハード面では、紀南児童相談所の立地条件や建物の問題です。視察にも行かせていただきましたが、壁面には多くの亀裂が何カ所にも入っている状態です。また、線路際に隣接しているため、電車の通過時の音と響きで、判定中など、落ちつかない状況が感じ取れます。いかがでしょうか、お尋ねいたします。
 3つ目は、家族再生への援助についてお尋ねします。
 現在、児童相談所と市町村の二元体制による援助が行われています。困難度の高いケース、保護を必要とするケース、行政権限を発動しなければならないケースなどは児童相談所が対応し、比較的軽い在宅での援助が適当と判断されるケースについては、市町村が地域のネットワークを活用して援助するという仕組みです。県下で、児童相談所は2カ所、分室を含めると3カ所です。身近なところで温かく支援するとなれば市町村の役割が大きくなってきますが、体制はどうなっていますか。
 以上、福祉保健部長にお尋ねいたします。
 3点目は、熊野枯木灘海岸県立自然公園の活用と整備についてです。環境生活部長にお尋ねいたします。
 和歌山県立自然公園の抜本的見直し事業によって、県立自然公園は10カ所から13カ所に指定がふえました。指定の解除や新しく指定されたところもあります。県はゼロベースから抜本的に見直しをするということで見直しをされました。全国的には一部見直しをされているようですが、当県のように県全域を対象とした見直しは全国でも例がないと聞いています。県は、新たな時代にふさわしい自然保護と適正な利用の両立を図り、ふるさと和歌山の魅力向上につなげていくとしています。
 最近、南紀のほうに行く機会がありました。そこで、地元議員さんと熊野枯木灘海岸県立自然公園内の江須崎天然林や童謡公園に行きました。園内のほとんどは草木が伸び、すばらしい景観が見えませんでした。展望台にも行きましたが、360度草の壁になっていました。せっかくの青々とした黒潮の流れ、広々とした海を見ることができなく、大変残念でした。観光資源としても貴重なところだと考えますが、今後の整備活用についてお聞きします。
 また、さらに残念なことに、夫婦波が見える展望台は岸壁が崩れたためロープが張られ近寄れなくなっていて、すばらしい景観を眺望することができませんでした。この夏も県外からもたくさんレジャーや観光に訪れ、ドライブの途中立ち寄られた方もいらっしゃったと思います。多くの方に残念な思いをさせたのではないでしょうか。童謡公園もあり、子供たちも来ます。また来たいと思えるような場所にしていただきたいと思います。すぐ立ち寄れ、和歌山の自然のすばらしさを感じ取ってもらえる絶好の場所でもあります。県民の財産の観光資源としても整備が急がれると思いますが、いかがですか。環境生活部長にお尋ねいたします。
 最後に、4点目のスポーツ施設の新設、改修による県民への影響についての対応を県土整備部長にお尋ねいたします。
 44年ぶりに和歌山県で開催される2015年の第70回国民体育大会が正式に内定され、本格的に開催準備が進められています。国体を契機に、体育館、競技場、プールなどの施設が新築または改修されます。特にプールは屋外から屋内型になるため、通年使用が可能となります。障害の有無にかかわらず、子供からお年寄りまで楽しめるスポーツの機会がさらに広がり、完成が待ち遠しいところです。
 期待も大変大きいことですが、同じ場所に建てかえるということですから、建設中は利用できなくなります。年間約2万8000人の方が利用されていると聞きますが、特にプールについての県民への影響についてどのように考え、そして対応するのかお尋ねして、1回目の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(谷 洋一君) ただいまの奥村規子君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) よりよい国民健康保険制度に向けての2点について、お答え申し上げます。
 まず、国保料の問題でございます。
 和歌山県民にこれは限らないかもしれませんけれども、日本国民は今、所得がなかなかつらくて、いろんな負担があって、その負担の中でいろいろなものを払わなきゃいけない。これはなかなかつらいというところに来ているというふうに思います。国保料の問題も同じだと思います。
 国民健康保険は、特に国民皆保険の根幹となる制度でございます。しかしながら、制度の設計がそうなっているというところもありますが、財政基盤が脆弱であるという構造的な問題を抱えて、厳しい財政状況のもとに各市町村が保険料の増加抑制に努めながらも、それぞれの中身を決定しているということになっていると認識しております。
 県でも、平成22年度、市町村を財政的に支援するために、22年度の予算で言いますと保険料軽減措置を含めて約91億円の予算措置を行っています。国民にひとしく医療を受ける権利を保障するということは国の責務の根幹でありまして、国に対しては財政責任を明確にした上で国民健康保険の財政的基盤強化策の一層の充実を図るよう要望してまいります。そうでなければ、市町村や県が出してあげると言ったら次は増税が待っているということになると、それは何のために人々を助けているのかということがわからないということではないかと思います。
 次に、第2に新たな高齢者医療制度に係る中間取りまとめ案についてでございますけれども、高齢者も現役世代と同じ制度に加入するということが決まるというか指摘されましたが、その中で国がどのような財政責任を果たしていくのかというような重要な項目は引き続き語られておりませんで、検討課題とされております。
 県といたしましては、この制度改革が地方公共団体の財政運営にマイナスの影響を及ぼすことがないように、かつ持続可能な制度になるように、他府県と連携もとりながら国に働きかけてまいりたいと考えております。
○議長(谷 洋一君) 福祉保健部長西上邦雄君。
  〔西上邦雄君、登壇〕
○福祉保健部長(西上邦雄君) よりよい国民健康保険制度に向けての2点について、一括してお答えを申し上げます。
 国民健康保険は被保険者全体の相互扶助で成り立っている制度でございまして、保険料の収納確保は、制度を維持していく上で、また被保険者間の負担の公平を図る観点からも重要な課題となっております。
 資格証明書は、保険料の収納対策の1つとして、滞納者との相談機会を確保するため、保険料を納付するのに相当な収入等があり特別な事情がないにもかかわらず保険料の滞納が1年以上という場合に、被保険者証にかえて交付するものであります。その運用に当たりましては、機械的、画一的に行うことなく、滞納者の収入や生活状況等を把握し、必要に応じて保険料の分割納付や減免を行うなど、きめ細かな納付相談を行った上で交付するように市町村を指導しております。
 また、低所得者窓口負担の減免制度についてですが、国民健康保険法第44条に規定されておりまして、このたび厚生労働省から、ことしの9月13日付の通知によりまして一部負担金の減免に係る運用基準が示されたところであります。また、減免に必要な財政支援につきましても国の特別調整交付金で交付される見込みとなっております。
 県といたしましては、このたびの厚生労働省通知に基づき、一部負担金の減免制度が適切に運用されるよう市町村を指導してまいりたいと考えています。
 次に、国保制度の広域化についてですが、市町村単位の財政運営では財政が不安定となりやすいこと、また被保険者の年齢構成や所得分布の差異が大きいこと、1人当たり医療費の差異が大きいことなど、市町村間の格差があります。また、被保険者側から見れば、保険給付は全国共通であるものの保険料は市町村ごとに大きく異なる現状にあります。
 このような現状を改善するため、保険財政の安定化や保険料の平準化の観点から、市町村国保の運営に関し都道府県単位による広域化を推進することが必要と考えております。県といたしましては、現在、市町村の意見を聞きながら、市町村国保の財政運営や事業運営の広域化等を推進するために和歌山県国民健康保険広域化等支援方針の策定に取り組んでいるところです。
 しかしながら、市町村国保の構造的な問題は、単に広域化すれば解決するというものではなく、国に対して国保財政の基盤強化策の一層の充実を引き続き要望してまいります。
 続きまして、子供の虐待問題について、虐待の起こる背景、原因についてでございますが、児童虐待にはさまざまな原因が考えられますが、1つには人と人のつながりが希薄になってきており、親が孤立する中、育児不安などのストレスがたまり、そこに夫婦の不和や経済的問題、また仕事のトラブルなど、さまざまな要因が複雑に絡まって発生しているものと考えられます。また、子供のころに虐待を受けた親の中には、自分の子を虐待してしまうといういわゆる虐待の世代間連鎖と言われるものも見受けられるという指摘もございます。
 次に、児童虐待防止法施行後の状況と対応でございますが、平成12年に児童虐待の防止等に関する法律が施行され、通告義務や警察への援助要請等が規定されたことにより、児童虐待に対する取り組み体制は格段に強化されたものと考えております。このため、児童相談所では、警察との間で定期的な会議を持つなど情報共有を図り、ふだんから連携に努めております。
 また、社会的介入の受け入れの状況につきましては、本県では介入を拒まれる例が少なく、一部を除きましてそのほとんどは児童相談所の職員で対応できております。
 夜間、休日の対応については、児童虐待には早期対応が求められることから、児童相談所の担当職員が専用の携帯電話を持ちまして夜間、休日を問わず24時間対応しております。
 児童虐待相談件数につきましては、年々増加の件数にありますが、児童相談所で虐待に対応する児童福祉司の配置基準については児童福祉法施行令第2条に規定されており、本県の現況としては必要な人員が配置されているものと考えております。
 なお、議員御指摘の紀南児童相談所については、立地条件や耐震性等の問題があることは認識しておりまして、現在その対応を検討しているところであります。
 次に、家族再生への援助についてでございますが、児童虐待にかかわる在宅支援や指導については児童相談所においても市町村においても行っておりますが、虐待の状況から優先度が高いと思われる案件については特に児童相談所が専門的に対応することとしております。しかし、在宅支援に関して児童相談所と市町村の役割が完全に分かれているものではなく、児童相談所からは専門スタッフの派遣や指導助言などを行いまして、市町村からは在宅支援家庭の状況を随時提供していただくなど、相互に連携して取り組んでおります。
 今後とも、市町村と連携いたしまして児童虐待の防止に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) 環境生活部長保田栄一君。
  〔保田栄一君、登壇〕
○環境生活部長(保田栄一君) 熊野枯木灘海岸県立自然公園の活用と整備についてお答えを申し上げます。
 県立自然公園につきましては、平成18年度から抜本的見直しを始め、ことしの3月、古座川県立自然公園の指定をもって完了したところであります。
 議員御指摘のありました熊野枯木灘海岸県立自然公園の江須崎周辺につきましては、来年3月末でエビとカニの水族館が閉館になることもあり、現在、すさみ町と今後の園地の整備活用方法について協議を進めているところでございます。
 また、夫婦波の展望台につきましては、土台部分に崩落が発生しており、現在、危険箇所に立ち入りできないようロープが張られております。展望台の敷地が民地であり個人所有のレストランと一体化しているため、県が直接修復するのは難しいと考えておりますが、夫婦波は非常にすばらしい景勝地でありますので、どのようなことが可能なのか、今後すさみ町や関係部局と検討してまいります。
 以上です。
○議長(谷 洋一君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 秋葉山公園県民水泳場の建てかえにつきましては、通常の工程では3年閉鎖となるところを利用者への影響が極力少なくなるように工程などを工夫して閉鎖期間を2年として、現在、実施設計を行っているところでございます。完成後は、通年の利用が可能となる25メートル、50メートルの屋内プールと自然を感じられる屋外プールとして、県民のスポーツ振興や健康増進などに一層御活用いただくことができる施設となります。工事期間中は大変御不便をおかけすることになりますが、御理解をよろしくお願いいたします。
 今後、実施設計が終了し、工事期間が確定した後、適切な時期に適切な方法で閉鎖期間を周知するとともに、県内の公営の代替施設についても周知を図ることにより、利用される方々に混乱の生じることのないよう努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 再質問を許します。
 40番奥村規子君。
○奥村規子君 答弁をいただきました。
 知事に再度、国保料の問題でお尋ねをしたいと思うんですけども、まず、資料に示させていただいた国民健康保険料、資料1です。それで、所得200万円でこれだけの国保料を支払わなければいけない。これではとても、子供を育て人間らしい暮らし、そういう点では大変難しいんじゃないかと思うんですが、その点についてどのようにお考えか、お尋ねします。
 2つ目は、先ほどの答弁の中で国保制度自体がやはり制度設計の問題、また財政基盤が非常に脆弱でということでおっしゃられた点なんですが、制度設計の何が問題だと言われているのか。財政基盤が弱い、その原因は何だということでおっしゃられてるのか。
 この3点について再度お尋ねしたいと思います。
○議長(谷 洋一君) 再質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 再質問の通告がなかったのでちょっと用意をしておりませんが、今申し上げますと、1番目の問題については、一番初めに申し上げましたように、所得も低い中でいろんな負担がたくさんある。これではなかなかつらいというふうに思っております。保険料だけじゃなくて税金とか、そういうものもいろいろあります。保険料だけとってそれだけ言うのはどうかというところもありますが、いずれにしても負担が大きいというのはなかなか大変というようなことではないかと思います。
 それから2番目については、実はその制度設計を、例えば私ができるほどの実力はありません。なぜならば、国全体の財政とか、それがどういうふうになっているのかという、それから、それの制度によってどのぐらいのコストがかかるか、そういうことについての情報がありませんので、自分からは全部ああだこうだと言うわけにいきませんが、少なくとも、先ほどの答弁で申し上げましたように、今の指摘というか建議といいますか、あれについてはそういうことは何も語られていない、それじゃ困るなということを申し上げた次第でございます。
 済みません、3番目は。(「3番目は、財政基盤が弱いと言われた、その」と呼ぶ者あり)これはそれぞれの市町村によって違うかもしれませんが、全体的には、特に地方圏については今までの地方にどれだけの財源を与えるか、税源の配分をどうするか、そういう地方自治全体の問題として、少なくとも今の現状は地方にとって、特に地方圏にいる地方にとって市町村、県を問わず大変過酷な状況にあるということであるというふうに考えます。
○議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 再々質問を許します。
 40番奥村規子君。
○奥村規子君 これは私の意見ということで。
 このきょう示させていただいた中で、家が借家の場合は住まいの住居費も要りますし、大変な暮らしになってくるわけで、そういったところをぜひ見ていただいて、子育て支援、いろんな施策の中でも今後考えていかないといけないことだなと思っていますので、国民健康保険、安心して医療にかかれる、常々知事も「だれもが安心して住めるように」とおっしゃっているその制度が今大変な状況にある。その原因が、やはり制度設計の問題で、市町村やそういったところというのは必死になって、やっぱり保険料引き上げを苦しい中でもやらざるを得ないとかいろんなことがあったり、いろいろその市町村ごとにあると思うんですけども、財政基盤が弱いということで、知事も国にやはりもっとその財政、保険料を含めて今まで国民健康保険料の国庫負担を引き下げてきたその問題について指摘して、今後、運営がそれぞれの県民1人1人に保険料負担がふえないように、また引き下げていくというその方向でぜひ国へ働きかけをしていっていただきたいなと思います。
 その点で、ぜひ道路特定財源のときのような県民の代表になって国にしっかりと表明しながらアクションもやっぱり大きく訴えていくということで、ぜひやってほしいなというふうに思います。
 それと、済みません、あと福祉保健部長に、これも要望なんですけど、虐待は防止する、また早期発見というのが本当に大事やと思うんです。児童相談所は和歌山県内に2カ所しかない。割と広域ですよね。そういう中で、そのためには市町村で連携しながらという、それでそういう調整機関も協議機関もあると聞いてるんですけど、やっぱり現状を見てみると、それを配置しているというところもありますが、まだ配置できていないところもあります。
 ある町の議員さんからも、設置するための専門的な人材とか、またその人材を配置するための財源とか、それをやはりバックアップしてもらえるような、国に対して、また県にもそういうような意見があるので、今後この点についてはやはりもっともっと身近なところで相談でき、対応してやっていけるようなことにしないと、本当にそういう虐待問題に速やかに対応していけないんじゃないかというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 最後に広域化の問題なんですけど、先ほど広域化の問題で、これは各自治体でやはり財政運営が大変だったりいろいろするということは言われていましたが、それを解決するために広域化をしても、大変なところで解決しても広域化しても、それは実際的な解決にならないと私は思うんですね。
 そういう点で、この広域化問題には各市町村からはいろいろ希望が出て、広域化して保険料を県内こうしてほしいというようなことが上がってるとも聞いてますが、実際、今、大変だからそういうふうに上がってきてるんであって、将来そういった問題、根本的な、先ほど知事も言われた制度設計とか財政基盤をきちっとした中で広域化を考えていく、そういった立場でぜひ取り組んでいただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いして再々質問を終わらせていただきます。
○議長(谷 洋一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で奥村規子君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時58分休憩
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