平成22年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(全文)


県議会の活動

平成22年9月
和歌山県議会定例会会議録
第2号
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議事日程 第2号
 平成22年9月15日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第122号(質疑)
 第2 議案の付託
 第3 議案第102号から議案第121号まで
(質疑)
 第4 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第122号(質疑)
 第2 議案の付託
 第3 議案第102号から議案第121号まで
(質疑)
 第4 一般質問
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出席議員(42人)
 1番 泉 正徳
 2番 山本茂博
 3番 前芝雅嗣
 4番 浅井修一郎
 5番 吉井和視
 6番 向井嘉久藏
 7番 門 三佐博
 8番 町田 亘
 9番 服部 一
 10番 平木哲朗
 11番 花田健吉
 12番 須川倍行
 13番 大沢広太郎
 14番 谷 洋一
 15番 平越孝哉
 17番 岸本 健
 18番 川口文章
 19番 尾崎太郎
 20番 藤山将材
 21番 新島 雄
 22番 山下直也
 23番 井出益弘
 24番 宇治田栄蔵
 25番 多田純一
 26番 中 拓哉
 27番 角田秀樹
 29番 山田正彦
 30番 坂本 登
 31番 尾崎要二
 32番 中村裕一
 33番 片桐章浩
 34番 原 日出夫
 36番 長坂隆司
 38番 小川 武
 39番 冨安民浩
 40番 奥村規子
 41番 山下大輔
 42番 松坂英樹
 43番 藤井健太郎
 44番 雑賀光夫
 45番 野見山 海
 46番 松本貞次
欠席議員(なし)
〔備考〕
 16番 欠員
 28番 欠員
 35番 欠員
 37番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       曽根義廣
 国体推進監      中村正次
 危機管理監      前硲健作
 総務部長       宮地俊明
 企画部長       柏原康文
 環境生活部長     保田栄一
 福祉保健部長     西上邦雄
 商工観光労働部長   岡本賢司
 農林水産部長     阪中栄一
 県土整備部長     茅野牧夫
 会計管理者      神田泰仁
 教育委員会委員    須崎恵美
 教育長        山口裕市
 公安委員会委員長   大岡淳人
 警察本部長      山岸直人
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     楠本 隆
 選挙管理委員会委員長 諸木良介
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       森田実美
 次長         佐本 明
 議事課長       堀 達也
 議事課副課長     吉田政弘
 議事課課長補佐兼班長 田中健司
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      中村安隆
 議事課主事      的塲健司
 総務課長       上坊 晃
 調査課長       中井祥之
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  午前10時0分開議
○議長(谷 洋一君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第122号を議題とし、議案に対する質疑を行います。
 本案について質疑はありませんか。
  (「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(谷 洋一君) 質疑なしと認めます。
 次に日程第2、議案の付託について申し上げます。
 議案第122号は、総務委員会に付託いたします。
 次に日程第3、議案第102号から議案第121号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第4、一般質問を行います。
 6番向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 おはようございます。きょうから一般質問が始まりました。まず1番バッター、私いつも4番打っとるんですけども、1番ということでございますんで、きょうはさせていただきます。(「だれが5番や」と呼ぶ者あり)すんません、ノーヒットでございました。
 6月に質問さしていただいた時期というのは、私、橋本から車で来ますとちょうど田植えの時期でございました。早苗が田一面に広がって田園風景があったんですが、今刈り取りの最中でございます。稲というのは1000時間の日照時間がないと実らないそうでございまして、私とこ米屋でございますので、その辺のとこまではよくわかっとるんですが、実は米、ことし非常に安いです。1万円ちょっと、60キロ。1反で大体8俵ほどができるわけですが、そうすると8万円強が農家の──収入じゃないんです──手元へ入りますが、それから経費いろいろ引かれますと、なくなります。そういう厳しいことしの秋ですね。
 農家へ戸別補償、所得補償ということで、民主党、いろいろお金を出しておりますが、そのおかげでお米が下がってきとるんです。和歌山県の農家が販売するお米の値段、非常に下がっております。去年より3000円下がっています。そういうようなことで、この3000円下がった補償をどこがしたんのやろなと、私はそういう意味で、本当に農家には「私とこ買い取る値段1万円よ」と、そんなことよう言わんから、去年と同じ値で買わせてもらえと家内に言うとるんです。戸別補償しとるんです。
 そういうことでございますが、余計なとこにいったらいきませんので、質問をさしていただきます。知事就任4年間を振り返ってということで、知事にお伺いしたいと思います。
 不祥事による知事の逮捕といった、本県にとっては前代未聞の事件が起こったわけでございまして、前知事が辞任したわけでございます。ちょうどそのとき、私あいにくというんですか運よくというんですか、議長だったんです。福島、宮崎、和歌山と3県の知事が連続して逮捕されるという異常事が起こりました。知事が逮捕されたと、議長をしておった関係で今も鮮明に覚えてございます。ちょうど4年前の出来事であります。
 その年──平成18年でありますが──たしか11月23日、日にちを記憶してるのは、私が決起大会を計画しておったときでありました。知事は──知事というよりもそのときは知事候補にちょうど決まったときでありまして──私の決起大会で知事候補としての第一声を発していただきました。そのときに初めて、仁坂知事とお会いさせていただいたわけでございます。覚えておられるでしょうか。12月にはめでたく当選を果たしたのでありますが、不祥事の後の知事として、県政の透明性を打ち出すために全力で頑張って腐心されている姿を目にいたしました。
 いろいろとあった4年間を振り返り、知事の思いの中で実現できたこと、できなかった等々に思いをはせ、これからの4年間を考えることも重要かと思います。そこで、4年間を振り返って知事にお話をお伺いしたいのであります。
 続いて、次期知事選に掲げる決意についてお伺いしたいと思います。
 本年2月の定例議会におきまして、吉井議員の質問に対しまして、次期知事選に立候補することを力強く表明しました。ここに来て民主党から藤本眞利子前県議が立候補を表明し、対抗馬も決まり、知事選は急に騒がしくなってきました。
 我が自由民主党県議団は、全員の総意でもってあなたを推薦することとするということをいち早く決定いたしました。選挙は水ものとよく言われますが、よくよく心を引き締められまして戦うことが肝要かと思います。陣営に油断はないのか。この戦いは和歌山市が主戦場となることは明白であります。当選の暁にはこのようなことも心にとめておいてほしいという思いで、あなたの熱い熱い支持者の1人として申し上げておきたいと思います。
 和歌山県の発展を願うのはもちろんのことでありますが、県知事と議会とは、県政の両輪と言われております。ここに県職員の1輪を加え、県政を3輪で行うことを提案したいと思います。県職員数は約3800人を超えて、英知と強力な動力となり得る大集団であります。仄聞いたしますに、知事はこの集団をうまく使い切れていないのではないか、こういうことも聞かれますので、「褒めて使えば皆駿馬」、こういう言葉がございます。今後の4年間はニュー仁坂に期待いたします。知事再選の暁にはニュー仁坂として何を実行するかを、何を目指すかを質問したいと思います。
 次に、関西広域連合についてでございます。
 関西広域連合の設置については、今議会に関連議案が提案されていますが、本格的に議論が進められたのは平成19年7月に関西広域機構が設置され、その中に分権改革推進本部が発足してからと聞いております。今議会の提案まで3年の歳月が費やされたわけであります。我が和歌山県議会に提案が諮られるのは、参加予定府県中トップと聞いております。したがって、慎重かつ前向きな議論がなされるべきと考えております。
 本議会でも、平成20年6月議会を皮切りに、ほとんどの定例会で質問がありました。これは東南海・南海地震の災害に対する備えや観光など産業の振興を通じ、低迷する関西の起爆剤になり得るのではないか、なかなか進まない地方分権を進める上でも有効な手段となるのではといった期待と、また、本県が参加する意義と、参加することで大きな府県に引っ張られ埋没してしまうのではないかと心配する向きもあり、議員の中では関心の高い事案であります。
 設立当初の関西広域連合の事務としては、広域防災、広域観光・文化振興、広域産業振興、広域医療連携、広域環境保全、資格試験・免許等、広域職員研修等々6項目でありますが、奈良県、三重県の参加がないのはいささか気にかかるところであります。
 本議会でも、総務委員会を初め、平成20年9月からは行政改革・基本計画等に関する特別委員会で集中的に議論を行い、知事の出席もいただいて6回もの委員会の開催があったところであります。第6回分権改革推進本部が平成22年8月27日開催され、規約案、設立案は本案で決定するとの合意に基づいての提案であります。
 そこで、関連議案が提案された注目の定例会であることから、これまでの議論を総括して質問いたします。
 1つ、和歌山県が参加する意義とメリットについてであります。現下の厳しい経済・雇用情勢にあって、本県人口が100万人を割り込むと推計される中で、どのように考えるか。
 2つ、本県の個性や特性が埋没しない手だてはあるのか。本県のような人口規模の小さい県が関西広域連合に参加することにより、大阪府や兵庫県のような大きな府県の意見に引っ張られ、本県の意見が無視され、その結果として本県の個性や特性が埋没してしまうのではと危惧されるのであります。具体的な手だてを講じられておるのか、お伺いします。
 3つ、関西広域連合と道州制の関係についてであります。道州制については、経済団体や政党などの団体で議論されているところですが、政府レベルで議論は一向に進んでおらず、道州制の具体的な中身がわからないことや、橋下大阪府知事が「関西州を目指す」などと発言し、関西広域連合が道州制にリンクするのではと不安の要因にもなっているやにも思うのであります。関西広域連合が道州制につながるものかを伺いたいのであります。
 奈良県や三重県の不参加と今後の連携についてでございます。関西広域連合が関西の浮上を目指すものであるならば、関西のすべての府県や政令市の参加が不可欠と思われますが、設立当初から参加を予定している府県は滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、徳島県、鳥取県の7府県で、奈良、三重両県の参加が見送られております。特に、奈良、三重の両県は、本県とはこれまでに深いかかわりを持ってきました。不参加を決めている両県に対し、今後参加を促していくのかを伺います。
 5番目として、県民への周知であります。関西広域連合について、機会をとらまえて話しておりますが、反応はもうひとつであります。県民に対し、関西広域連合が取り組もうとしている6項目を、関西広域連合そのものも積極的な県民への周知を図る必要があると思うのでありますが、いかがでしょうか。
 続いて、県立学校について教育長にお伺いします。
 少子化の波は予想を超えて、あらゆるところへ影響を与えております。教育の場はもろにその影響を受け、小中学校では1クラス、理想とされておりました30人、この30人を割り込むところもふえてきております。また、高校では生徒数の激減に伴いクラス減を図り対応してきておりますが、このような小手先の対処では対応し切れない状況になってきており、学校再編が検討されていると聞いております。中間的な状況でも結構でございますから、私に説明をするというよりも県民に説明をする、そういう思いで教育長は答弁をいただきたいと思います。
 1つとして、どのような規模で現在議論されているのか。2つ目といたしまして、いつから実施しようと考えているのか、再編時期についてお伺いしまして、私の一般質問といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(谷 洋一君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 3年余り前、知事に選んでいただいた私は、不祥事によって傷ついたふるさと和歌山の名誉を挽回し、いま一度元気なふるさと和歌山を実現しようとする一心で働いてまいりました。
 当選に際しては、向井議員を初め多くの方々から、本当に寝食を忘れた御支援をいただきました。1日もそのことについて忘れたことはございません。そして、常に志を忘れることなく、また御支援いただいた方々の思いを忘れることなく、議員、職員と力を合わせて、全身全霊をかけて和歌山県のために働き続けてまいりました。
 県民のために仕事をしなきゃいけないということでございますので、職員とも事業の中身については厳しく議論をしておりますけれども、同時に御指摘のように、職員をうまくいってるときは褒めるということも大変大事でありまして、私もそういうふうに実行しておりますが、特に最近、そういうような働きを示してくれる職員がどんどんふえてきたということについては、私は大変喜んでおります。
 また同時に、県の行政については、いつも最終責任は知事が負わなければいけない。一部は職員のせいだとかなんか言うとると、それは皆の信頼はかち得ないというふうに思っておりまして、そのような心構えで職員とも接しております。
 その結果、2つのことを私どもは頑張ってやってまいりました。当選のときに、県民の期待を大きく分けると、もう二度とあんな不祥事を起こしてもらいたくないということであったかと思いますし、もう1つは県の勢いという意味での県勢ですね、これを再浮揚さしてもらいたいということではなかったかと思います。
 第1の点については、もはやいろんな制度改革により、県民の皆様やあるいは全国の方々が和歌山県政への信頼というものを持っていただけるようになったんではないかと思います。
 県勢浮揚の実現については、現下の不況の中、200に迫らんとする改革を行いまして、頑張ってまいりました。その結果、有効求人倍率は──和歌山県もなかなかつらいんですけれども──相対的には近畿の最下位からトップになりました。企業誘致では、最近これまでの4年間でそれ以前の20年間の実績に匹敵するような件数を実現することができました。また人口流出、これはずっと5000人ずつ続いておりましたけれども、いろんな施策によって最々近では2000人ぐらいというところまでもってきております。ただ、従来からずっと続いている人口流出によって、まだ人口減少そのもの、自然減も含めて人口減少を食いとめるというところまではまだいっておりません。
 私はこれまで、県民の皆様が豊かなあしたを期待できるように、トップセールスによる県産品のPRとか、あるいは農業の販売戦略の中身の議論とか、あるいは新農林水産業戦略プロジェクト等による生産から販売、技術開発に至る支援を通じて、地域の生産者の皆さんのやる気を刺激したり、わがまち元気プロジェクトや過疎集落再生・活性化支援事業などの地域活性化策に心血を注いでまいりました。
 また、安心・安全という点については、県民の皆様の心の支えであります。同時に、財政がぐちゃぐちゃになりますと、県民の皆さんの不安感もまた高まります。財政再建もしなきゃいけないけれども、それをしながら安心・安全のレベルを落とさない、これが私の目標でありましたけれども、幸いこの2つを同時達成することができていると思います。
 さらに、全国トップレベルの紀州3人っこ政策とか、あるいは不妊対策とかの子育て支援策や、あるいは教育の充実、県民の安全・安心のための高齢者の見守り体制の構築や孤立集落の通信手段の確保、あるいは医師確保のための県立医大の定員増加による地域医療の崩壊を食いとめるような政策、そういうものを幅広く進めてまいりました。
 県民に生きるチャンスを与える基盤整備、インフラ整備につきましても、就任当初に提唱しましたX軸ネットワークがようやく完成したところでございます。高速道路もそれなりに着々と進捗しておりますし、あるいは私が就任してからお願いをして一挙に箇所づけといいますか、事業化が進みました第2阪和とか有田─海南の42号バイパスとか、和歌山北インターとか、あるいは和大新駅とか、皆そうでございます。そういうものに積極的に取り組み、同時に先ほど申し上げました新行財政改革推進プランを策定し、こういう政策と財政再建を同時に実現してきたわけであります。
 ただ、皆様御存じのように、和歌山県の県民の生活、これがもう何の心配もないようによくなっているか、全国の不況の中で全く違う姿を示しているか、そういうことではまだまだありません。施策の効果はようやく芽生えてきたところであって、私の気持ちとしては道半ば、志も半ばだというふうに思います。出口のなかなか見えない厳しい経済・雇用情勢の対策や、あるいは政権交代で影響を受けました高速道路等公共インフラの整備の遅延、東南海・南海地震への備え、少子高齢化対策あるいは近づいてくる全国植樹祭や5年後の国体への対応など、今後の課題も山積しております。
 いま一度、私に県政をお預けいただけるならば、すべての産業で全国一の振興策を講じて働く場をふやし続け、医療、福祉、防災など県民の安全を死守し、向上させ、教育・文化、スポーツ、環境などの面で活力と品格のある和歌山を実現し、県民に生きるチャンスを与えるインフラの整備・充実に粉骨砕身で取り組み、議会や県民の皆様と力を合わせて、また県職員とも一丸となってふるさと和歌山をさらに元気にしていきたいと考えている次第であります。
 改革を続けなきゃいけませんが、その改革の視点においては、貧しい方々、弱い人々、そしておくれた地域、そういうところを念頭に置いて温かい改革を続けなきゃいかん、そういうふうに考えております。
 次に、関西広域連合について諸般の観点から御質問がございました。
 本県としては、県の区域を越えて取り組む必要のある一部の課題については、関西が一丸となって取り組む体制をつくることが、本県の発展にも不可欠であるところの元気な関西圏づくりにつながる、また、当初から参加することで本県の意見、県民の意見をこの広域連合の運営に反映することが可能となる、そういうことから設立当初からの関西広域連合への参加を目指してまいりました。関西広域連合は、関西における広域的な行政課題に取り組むこと、行政の効率化を図ること、国の出先機関の受け皿となること、この3つを目指すものであります。
 設立当初の事務での具体的なメリットとしては、東南海・南海地震に備えた本県の防災対策の強化・充実、すなわち近畿全体でそういう大地震が起こったときにどういう応援関係を結んでいくかというようなことをきちんと決めるということでありますが、そのほか観光プロモーション、これも和歌山県だけではなくて京都やあるいは神戸や、そういうところと一緒に観光客を全世界から誘致して、それぞれのところにも来てもらうというようなことをやっていくような、そういう誘客。あるいは、これはまだ少しでございますけれども、資格試験の事務を合同で実施することによって行政の効率化を図る、経費の削減を図る、そういうふうなことが挙げることができると思っております。
 ただ、議員御指摘のように、大きな府県、人口の大きな府県に引っ張られて本県の意見が埋没してしまわないか、そういう懸念があるということはよく存じております。この懸念については、特に県議会における特別委員会の議論で、私自身も大変、改めて意識させられたところであります。
 そこで、この懸念を払拭するために、かねてから私は知恵を出しまして、草案を提案いたしまして、それで全体で認めてもらうようにしたんですが、広域連合委員会、これは参加各府県の知事で構成する委員会ですが、これの地位を広域連合の中で高め、それでその広域連合委員会の意思決定において重要事項は全会一致として、それからどうしても全会一致でできない事業実施については当該府県、賛成でない賛成府県は参加をしないし、分担金を払わなくても済む、引きずられることはないというようなシステムをつくらせていただきました。こういうことについては、申し上げましたように関係府県知事間で合意がなされ、一部規約にも適当に──適当にというのは、ふさわしいレベルで──ちゃんと書かれております。そういう意味では、今議会に関連議案を上程しても大丈夫だというふうに私どもは判断をして、皆様の御審判によりたいと考えているところであります。
 次に、道州制との関係については、広域連合は府県の存続が当然前提でありまして、道州制は府県の廃止を伴うものでございます。広域連合が直接、道州制に結びつくものではありません。このことに関しては、当然のことでありますが、8月27日の関西広域機構分権改革推進本部会議、これは各府県の知事等が構成メンバーになっておりますが、ここに出席した関西州を提唱する橋下大阪府知事も明言をしております。
 不参加団体、この奈良県とか三重県とか、そういうのが当初は不参加団体になるというふうに明言しておりますが、この不参加団体については、同じ8月の会議で、設立当初は参加を見送るけれども、今後の事務の拡充や動向によって参加を検討していくつもりであるというふうに明言をしておりました。そこで、まずは関西広域連合を立ち上げ、広域的な課題や効率化に真摯に取り組むことによってメリットを見せていく、あるいはメリットを実現していく、そういうことでほかの県の参加も促していきたいと考えております。
 また、関西広域連合の設立によりまして、本県と関西広域連合不参加県とで広域連携事業、これができなくなるわけではありません。3県については、協力関係は強いものを持っておりますので、こちらもまた同時に頑張っていきたいと考えておりますし、先ほど申し上げましたそういう危険といいますか、人口の少ない県にとってのマイナスというのはもうほとんどないのだから、だから参加をしてもらったらいいんじゃないかというふうに、私も奈良県知事や三重県知事には申し上げております。
 この両知事とは、紀伊半島知事会議などを通じて、具体的には世界遺産の保全・活用、防災対策、道路網の整備など、さまざまな課題や振興策に連携して取り組んでいるところでございまして、これもまた頑張っていきたいと思います。
 最後に、県民の周知につきましては、これまで「県民の友」やホームページ、広報番組などの広報媒体を利用いたしまして、また全国知事会のプレイベントとして開催したシンポジウムとか、あるいは各地で行わさせていただいております行政報告会で、必ず私から直接県民の方に説明を行ってまいりました。さらに、市町村長や各議長さんと意見交換を行うなど、市町村関係者の方々にも御理解と御協力をいただくよう努力してまいりました。そのかいあって、関西広域連合に対する県民の認知や理解が広まってきたというふうに思いますし、シンポジウムのアンケートとか、あるいは県のホームページでの意見募集、これにおいても特に反対の意見は添えられてなかったというふうに理解しております。
 今議会で関連議案をお認めいただきまして、関西広域連合を設立し運営していくに際してその成果をお示しし、事務の拡充により大きく育てていき、関西広域連合の存在感や意義を、具体的な和歌山県民に対するメリットを関西の中で増大さしていくことによりまして、関西広域連合に対する理解もさらに一層深まっていくものと考えております。
 なお、関西広域連合の運営に当たりましては、必要最小限の経費で目的を達成していけるように努めてまいりたいと考えております。関西広域連合が行う事務事業の検討、企画立案実施の際には、関西全体のことを見据えつつ本県のメリットにもなるような、そういう広域連合の活用・運営に積極的に努めてもいきたいと考えております。
○議長(谷 洋一君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 県立学校についてお答えいたします。
 議員御指摘のように、少子化の進行によりまして生徒数が急激に減少し、本県における公立中学校の3年生の生徒数は、昭和63年の1万7738人をピークといたしまして、今年度は9257人とピーク時の約52%となっております。さらに、現在の小学1年生が中学3年となる平成30年には8500人程度になると予測しております。
 こうした状況に対応するため、将来を見据え、全県的・総合的な視野に立った高等学校づくりを目指しまして、平成17年5月に県立高等学校再編整備計画を策定しております。この中で、生徒や教職員が生き生きと学び、地域とともに歩む柔軟で開かれたシステムを持つ学校づくりに努めるとしており、また高等学校の適正規模については、現行の40人学級で1学年4ないし8学級を基本としております。既に実施した再編整備第1期実施プログラムに続きまして、この3月に再編整備第2期(前期)実施プログラムを策定いたしました。平成23年、24年の再編整備について発表させていただいたところでございます。
 現在、次の実施プログラムの策定に向けまして検討を重ねているところであり、橋本市を含む伊都地方につきましても、著しい生徒減に対応した再編整備について緊急に取り組まなければならないととらえております。
 既に学校や地域関係者との協議を進めておりまして、高校受験の動向など、学校、地域の実情や今後の職業教育のあり方等を踏まえながら、各方面からいただいた御意見等とあわせ、第2期(後期)実施プログラムの中で総合的に検討してまいります。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 再質問を許します。
 6番向井嘉久藏君。
○向井嘉久藏君 再質問というよりも要望を申し上げておきたいと思います。教育委員会に要望しておきます。
 私たちの予想を上回るような勢いで少子化が進んでおります。したがって、高校を受験する子供たちが激減するというのはもう目に見えております。私の母校でございますことを申し上げますと、私が小学校へ通っておった時分は、かなり昔でございますが、1学年250人おったんです。今1学年50人割っております。そんなことになってきとるわけです。この50人割った子供たちが、いずれ中学校へ行き、高校を受験するわけでございます。そんなことを思いますと、この高校再編の議論というのは本当に誤りのない方向で計画をしていただかなければならん。
 今ちょうどこの時期でしょうか、各中学校では進学する希望校を中学3年生にアンケートというんですか、どこの学校を目指すのかということを調査しております。夏前に既に1回目の調査結果が出ております。もうじきまた調査するというふうに聞いとるんですが、希望する学校が著しく偏ってるんですね。ある高校では70人定員オーバーをする、ある高校では定員の50%も満たない、こういう偏った希望が出ております。
 私はなぜこんな偏った希望が出るんかというふうに考えたときに、やはり現在の学校のあり方、また学校の、乱れてるとは言いませんが、そこまでは言いたくもありませんが、実際評判の落ちている学校があるわけですね。そういうところも踏んまえて考えるならば、現在アンケートをとって子供たちが希望する学校、多いところ、少ないところ、そういうところもよくよく踏んまえて、再編の計画を練っていかなければならないんじゃないか。
 私どもが住んでおります伊都・橋本地方、子供たちが激減しておりますが、さらに紀南のほうは激減してるというふうに思うんです。そういう意味から間違いのない検討をお願いしておきたい、要望ですが、本当に皆さんの衆知を絞って結論を出していただきたい、こういうふうに思いますので、お願い申し上げておきます。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 44番雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕(拍手)
○雑賀光夫君 議長のお許しを得ましたので、早速質問に入らせていただきます。
 11月には県知事選挙が行われます。仁坂知事は引き続き知事職を続けられる意思を表明しておられますし、他に立候補を表明しておられる方もおられます。私ども共産党も、「活気ある住みよい和歌山県をつくる会」の皆さんとともに、候補者擁立を検討しているところでございます。
 そこで、この9月県議会は、知事選挙の争点をできるだけわかりやすくし、県民の皆さんが判断しやすくすることが大事であると考えます。質問通告の初めの4点は、その立場からの質問でございます。
 まず、教育問題から入ります。
 知事選挙で問われるのは、財政権を持っておられる知事が、その立場から教育をどれだけ大事にしているかという問題でございます。教育予算の最大のものは、教職員定数確保、人件費であります。
 和歌山県では、かつて同和教育を進めるために県単独で140人ほど教員を確保し、同和地区35人学級を進めてきました。私は、教育困難な課題が同和以外にもたくさんある、140人の県単独教員定数を残して、すべての学校での少人数学級を進めるべきだと主張したのですが、私の主張は受け入れられず、丸々削られてしまったわけでございます。
 今、教育委員会は中学校35人学級、小学校38人学級など進めていますが、文部科学省が措置した教員をやりくりして実施しているにすぎません。文部科学省の資料では、和歌山県では標準定数の92.3%しか正規教員は入っていない、それを定数外講師で埋め合わせているわけでございます。他府県ではどうなんだろうか。財政力の大きい東京は別としても、例えば鳥取県でも正規教員は97.2%であります。92%と97%、5%の差があるわけでございます。6000人の教員がおれば、300人という大きな差があるわけです。
 知事にお伺いいたします。教育を大事にするというなら、正規教員をふやし、さらに県単独負担で教員を置いて、少人数学級についての県民の期待におこたえになってはいかがでしょうか。
 いま1つ、今年は異常な暑さでありました。県立高校では教室にクーラーが設置されましたけれども、小中学校では普通教室への設置は一部自治体に限られています。多くの学校では保健室、図書室など一部にとどまっています。その一方で、授業時間確保といって、夏休みを短く切り上げる傾向があるわけでございます。学校の暑さの状況をどうつかみ、どういう対応をしておられるのでしょうか、これは教育長への質問でございます。
 さらに、今後もこうした暑さが予想される中、来年度予算では暑さ対策を行うことが求められていると思います。市町村任せでは大変です。子供を暑さから守る施策について、来年度予算でどういうことが考えられているのでしょうか、知事のお考えをお伺いしたいと思います。
 次に、福祉・医療の問題はたくさんありますが、1つだけ。
 私の地元海南市は、今子供の医療費無料化でわいています。お隣の紀美野町で中学校卒業まで子供の医療費は無料になった。海南市は小学校入学前までです。紀美野町でできることがどうして海南市でできないのかと、署名運動が広がっているわけでございます。
 こうした中で、県でもせめて小学校卒業までは医療費無料化のために半額は負担して、さらに国に対してもその施策を迫っていくべきだと思うのですが、知事のお考えをお伺いしたいと思います。
 第2に、ゼネコン奉仕の乱開発行政から、中小地場産業による生活に密着した事業優先に切りかえるという問題です。
 かつて仮谷県政の時代には、対決点は鮮明でした。私たちはあのころの県政を、「海があれば埋めたくなり、山があれば削りたくなる県政」と特徴づけたことがあります。そういうことはできなくなりましたが、それでもかつてのゼネコン奉仕の事業が財政を圧迫しております。
 仁坂知事が態度を問われたのは、大滝ダムの問題でした。大滝ダムの問題で国から追加予算の負担を要求されたとき、和歌山市長も橋本市長も態度を保留しているときに、仁坂知事は「負担します」とすぐに表明をされた。今でも大滝ダムの追加負担というようなことは当然だと考えておられるのでしょうか。
 また、今なおゼネコン奉仕の公共事業が続いているのは、南防波堤建設の問題です。LNG火力が住金埋立地に建設されることに始まった事業ですが、県の負担は総額50億円にも上ります。新たな公共岸壁は必要とされていない、LNG火力建設の見通しがないままに続けられ、これまでで半分進捗いたしました。これからも25億円かけて続けられるのでしょうか。
 それにかわって、中小企業を支援することこそ求められています。政府は6月18日、中小企業憲章を閣議決定しました。憲章は前文で、中小企業を経済を牽引する力、社会の主役と位置づけ、「中小企業がその力と才能を発揮することが、疲弊する地方経済を活気づけ(中略)日本の新しい未来を切り拓く上で不可欠」と、その役割を重視し、国の総力を挙げて中小企業の可能性を伸ばし、励まし、支え、どんな問題でも中小企業の立場で考えていくとの決意を示しています。中小企業家同友会も、全国商工団体連合会も、中小企業を守る政策への大きなステップとしてこの憲章を歓迎しています。
 政府の実際の政策はこの憲章に反することもあるのですが、今大事なことは、せっかくの中小企業憲章を空文にしないために、その積極的な内容を広く知らせ、閣議決定という政府文書にとどめず、国会決議として国民的宣言文書とすることが大事だと思います。また、地方自治体でもこの憲章に沿った施策を進めることが大変大事であると思います。
 知事は、この憲章をどのように評価しておられるのでしょうか。また、それを空文にしないためには、県で中小企業振興条例など、その精神を確認していくことが大事だと思いますが、知事のお考えはいかがでしょうか。
 さらに、この憲章の精神に沿った施策として今注目を集めていますのがリフォーム助成制度であります。県段階でも、秋田県などで大きな成果を上げていると言われています。ところが和歌山県は、県段階でも市町村でも、この制度は全く導入されていない県になっています。リフォーム助成を検討するお気持ちはありませんか、知事にお伺いいたします。
 第3は、乱脈な同和行政への反省にかかわる問題です。
 仁坂知事が就任されてから、過去の乱脈な同和貸付、高度化資金の焦げつきが問題になりました。その最たるものは、プラスパフーズという豆腐をつくると言っていた会社が、24億円もの貸し付けを受けたまま、1%しか返済せず倒産した問題でした。
 この問題は、審査がたまたま甘かったという問題ではありません。同和行政そのものは、最初は住民の人権を守る積極的な行政でした。ある運動団体の暴力的糾弾を武器に行政を屈服させ、あるいは癒着し、利権団体化していったという全国的な流れを背景にして起こった、ゆがんだ政策融資であります。今後も欠損処理の事案が出てくるものと思われます。既に欠損処理を終わったものを含めて、高度化資金の貸付残高は100億円を超していると思います。
 私は、ゆがんだ同和行政を引き継いでいる問題として、部落解放研究所への裏金補助金の問題、牢番頭文書の出版問題、高校入試の副申書の問題など、いろいろ取り上げてきました。そのときそのときで反省もありました。しかし、旧同和子ども会に法外な補助金が出される問題については、活動が活発な子ども会だからという言いわけがされてきましたが、納得できるものではありません。それでも、私の質問の直後に補助金を減らし適正化を図る担当部の努力は、ほんの少しずつですが進んでいると思います。
 その一方で、運動団体との交渉の議事録を見ますと、その努力の抵抗も大変強いことがよくわかります。今度の知事選挙では、同和利権団体による巻き返しなるのか、ゆがんだ同和行政の残り物に終止符を打つのかが問われると思います。知事のお考えをお聞かせください。
 第4は、平和行政の問題です。
 夏は、平和の問題を考える季節です。8月6日、原爆記念日、広島・秋葉市長は、日本国政府の出番として、非核三原則の法制化と核の傘からの離脱など、被爆国の政府にふさわしい取り組みを求めました。ところが同じ日に菅首相は、広島市内で記者会見をし「核の傘は必要だ」と述べたという、大変情けない話でありました。
 今、私たちは平和への声を大きくしなければなりません。和歌山県議会も平成10年6月議会で、核兵器廃絶平和宣言を採択しています。そして、市町村はさまざまな平和行政を進めています。私たちは毎年、全市町村を歩く平和行進を行いますが、市町村長さん、議会議長さんから連帯のメッセージや協賛金をいただきます。平和マラソンへの補助、広島への平和バス、平和集会への補助、平和のモニュメントなど、さまざまな平和への願いをあらわしている県内の市町村があります。
 府県段階でも、広島県、長崎県は別格としても、例えば、大阪府では大阪国際平和センターに補助金を出して、戦争、平和に関する展示、映画上映、戦跡ウォークなどを実施した、大阪空襲体験者の証言を収録したDVDビデオ「大阪大空襲」を緊急雇用事業で作成したとお聞きしています。
 知事にお伺いいたします。
 第1は、和歌山県としてどういう平和行政施策を進めておられるのでしょうか。
 第2に、平和の問題というと、担当は総務学事に回されるわけです。なぜここなのかよくわからない。それは、県政の中に平和行政が位置づけられていないからです。県政のどこかに平和行政を位置づけるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、風力発電にかかわる健康被害についてお伺いいたします。
 海南市下津と有田川町の間にある長峰山脈には、東西1列に10基の風車が並んでいます。風力発電です。私は風力発電というのは、太陽光発電とともにクリーンエネルギーとして期待しておりました。今も、適切に建設されるならば大いに期待していいと考えています。
 しかし、風力発電による低周波公害が、今全国的にも大きな問題になっています。ことしの3月、下津町の大窪地域の当時の区長さんから、1人の女性が気分が悪くなった、どうも風車と関係があるらしいというお話です。私はその話を聞いて、低周波問題の研究をしておられる元日赤病院の内科部長をなさっていた汐見文隆先生のところに飛び込んだんです。健康被害については、その女性の汐見先生への手紙から紹介したいと思います。
 「昨年10月より風車が稼働し、3カ月後、音が気になり眠れず、2月20日ごろより耳鳴りがし、食欲もなくなりました。昼間に家事をしているときは、耳鳴りはしません。夜寝ているときにツーツーツーと鳴り、耳せんをしても音は消えません。風車がゆっくり回っていても、寝るとツーツー鳴ります。左のほうがよく聞こえます。4月になって、二重サッシを入れた1週間後、主人も胸が圧迫されしんどいと思い、その日からガラスを少し開けて寝ることにしています。私の周りの人は何ともないのが不思議でなりません。私1人で騒いでいるのです。悲しいです。ゆっくり眠りたいです。5月6日より、車で20分離れた親類宅へ夜泊まりに行きます。耳鳴りはしません。2日泊まった後、自宅で寝ると、やっぱり耳鳴りします。その後は外泊しています」、こういうお手紙でございます。
 手紙の内容は低周波被害の特徴をしています。1つ、潜伏期があって耳せんをしても効果がない。ここに骨導音、空気でなくて骨から伝わる音である低周波音の特徴が出ています。二重サッシを入れるとかえって被害が大きくなるのも、低周波音の特徴です。個人差がある、潜伏期がある、そして、現地を離れると耳鳴りはしないが、戻ってくると耳鳴りするというのです。
 私は県環境生活部に、低周波の問題らしいので測定してほしいとお願いしました。環境生活部の環境管理課と和歌山県環境衛生研究センターがすぐに対応してくださいました。風車を設置した会社、ユーラスエナジーも一緒に測定してくれました。風力発電に係る低周波測定というのは、県内では初めてのことだそうでございます。
 今、被害を訴えている女性は、離れたところに家を建てて移り住んでいますが、生計を立てるための農業もできないのです。地域の皆さんは、汐見先生を招いて学習会を開きました。個人差があって、ある人は苦しんでいるのに隣の人は何ともない。低周波の問題というのは、被害を訴える方が「あんたがおかしいん違うか」と言われて孤立して一層苦しむことになることが多いそうですが、そうはならなかったことがせめてもの救いでございます。
 地域の皆さんは風車建設に当たって、風車がつくられている地域に視察に行っています。そこでは低周波公害という話はなかった。風力発電が経済効率を追求すると、風車も大きくなる。小さい風車では問題にならなかった低周波が、大規模化によって問題になったとも考えられます。こうした経過を踏まえて、幾つか質問をします。
 ただ、私も風力発電というものがこんな問題を引き起こすとは思わなかった。行政当局も同じだと思います。新しい問題に直面していることを踏まえて、被害者をどう救済するのか、今後広がるかもしれない被害にどう対処するのかを一緒に考えたいというのが、私の立場でございます。
 第1に、風力発電の状況は県内でどうなっているのでしょうか。今後の建設計画はどうなのかを商工観光労働部長から、第2に、健康被害、騒音被害などの訴えはこれまでになかったのかを環境生活部長にお伺いいたしたいと思います。第3に、こうした新たな健康被害が訴えられたとき、行政がするべきことは、その原因が何かわからなくても、被害を訴えている方のところに飛んでいって状況を正確に把握することでしょう。海南保健所としてどのように状況を把握しておられるのでしょうか。また、海南市と連携して住民の健康調査をしてみてはどうかと思うんですが、いかがでしょうか。福祉保健部長にお伺いいたします。
 第4は、風力発電、風車建設に当たって、環境影響評価の問題です。今回の問題では、風車建設後に低周波の測定が2回行われました。それは、10基の風車が稼働しているとき、停止しているときなどについて測定されています。この測定でも、風車が稼働しているときと停止しているときでは明らかな低周波の差が認められており、風が強いとき、弱いときの差も明らかです。
 しかし、風車は停止しているときでも、風が当たれば風を切るわけです。風車がなかったときと低周波がどう変わったのかを比較することは、今となってはできません。そのことから、風車を建設する前に、その地区の騒音や低周波を測定したデータをとっておくべきだったと思います。また、風力発電の設置やこれに伴う地元の話し合いではこうした点も踏まえて情報を公開していくことが必要だと考えますが、環境影響調査を所管する立場にある環境生活部長はどうお考えでしょうか。
 第5は、これまでの測定と被害の訴えの関係をどう見るかの問題です。これからも測定を続けられると思いますが、現時点でどう考えておられるのか、またどういう測定を進めるのか、環境生活部長からお答えください。
 第6に、問題を全面解決する国の指針やデータが十分でない段階でも、暫定的に被害を訴えている方の救済が必要ではないかという問題です。私は、地元の皆さんや同僚の松阪県議や有田川町の議員さんと一緒に、風車にもっと近い有田川町内の集落も訪問して聞き取りを行いました。その地域では、低周波よりも騒音が問題になっておりました。窓を二重サッシにしたり空調をつけるなど、ユーラスエナジー負担での対応も協議されているというようなお話も聞きました。
 健康被害を訴える方への対応について、すぐに企業に指導、命令できなくても、企業と被害者の間を取り持つべきではないか、企業がどういう対応をしているのか情報をつかんで提供することも必要ではないかと思います。いかがでしょうか。
 以上で、私の第1回目の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(谷 洋一君) ただいまの雑賀光夫君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、教育や福祉を大事にする県政のうちの、子供の医療費無料化年齢引き上げへの県の補助ということについてお答えいたしたいと思います。
 県が実施している乳幼児医療費助成制度では、就学前までの児童を対象に、市町村とともに医療費の自己負担分を助成しておりますけれども、この制度に独自に上乗せをすることによりまして対象年齢等を拡充する自治体もふえていることは認識しております。
 県としても、子育て支援も含め福祉の充実につながる政策は手厚くしていきたいというふうに、そういう思いは強く持っておりますけれども、財政再建の議論の中では、特にこれは和歌山県における事業仕分けと言ってもいいかとも思いますが、整理という案が出て、これを何とか整理しないで済まないかという思いで一生懸命頑張ってやってまいりました。そういう意味では、財政状況を考慮いたしますと、今は制度を維持することが精いっぱいであり、拡充はなかなか難しいというふうに思います。
 なお、国の政策に関しましては、子供が大事だという点については、そういう考え方が前面に出てきております。ただ、子ども手当には大変熱心でありますけれども、そこには大きな財源をたくさん回しておりますけれども、御指摘のようなそういう直接の給付金、そういうものについては少し冷たいという感じがいたします。
 これまでも、全国知事会等の場を通じ、子供の医療費負担の軽減について要望しておりますが、今後も引き続き国に働きかけるとともに、国の動きを十分注意してまいりたいと考えております。
 失礼しました。順番が逆になりましたが、引き続きまして、少人数学級のための県単独負担教員を確保しないかという問題についてお答えしたいと思います。
 正規教員につきましては、できるだけ多くするように毎年努めているところであります。
 次に、少人数学級編制のための県単独負担教員の配置についてでございますけれども、学校教育においては、子供たち1人1人に対するきめ細かな指導が必要だと考えております。そのための手法の1つとして少人数学級編制の推進が国において議論されているところですが、その一方で、多人数の集団の中で子供たちの社会性を育てていくことも大切であると考えております。
 現在、学校教育においては、児童生徒の実態に応じ、きめ細かい指導をするということが大事でありますので、そのために特にそれぞれの子供たちの状況に応じて補習学習等による学力向上対策を行うなど、効果的なきめ細かな対策を実践しているところであります。和歌山の子供たちに真に生きる力をはぐくむためには、教員増による少人数学級編制だけではすべての問題が解決するわけではありませんので、さまざまな方法を効果的に実施することによってきめ細かな指導を実現することが重要であると私は考えております。
 次に、学校の暑さ対策であります。
 子供を暑さから守る施策の1つとして、雑賀議員御指摘の空調設備等を設置し、小中学校の教育環境を充実させることは、市町村の取り組みとして検討していただく課題だと考えております。
 現在、小中学校における空調の設備の設置につきましては国の補助制度がありますので、県の補助制度の創設については、財政状況から考えて大変難しい状況であると考えております。ただ、そうはいっても県といたしましては、こういう国の補助制度などを活用して負担軽減をうまく図れるように、側面から市町村を応援してまいりたいと考えております。
 それから、子供の医療費無料化年齢の引き上げにつきましては、先ほど御説明申し上げました。
 次に、ゼネコン優先の乱開発行政という点で、幾つかの御質問がありました。
 まず、私の県政におきまして、ゼネコン優先の乱開発行政などというものはございません。建設業界を敵視するような、そういう気持ちは全く持っておりませんが、同時に開発とかプロジェクトとか建設工事は、すべてその必要性からでないといけないということは当たり前の話でありまして、そのようにいつも心がけております。
 大滝ダム追加予算の負担については、平成19年6月の議会では、県の財政を考えると支払いたくないけれども、現行の負担制度で本県が追加負担に同意しないと、大滝ダム事業が中断または中止になって洪水に対する流域住民の安全が確保できなくなる、そういう治水の観点から同意せざるを得ないと議会にお諮り申し上げました。
 また、国から2カ所の地すべり対策の追加が必要との説明を受け、県のほうでもその技術的な検証を納得できるまで行ったところであるということも御説明いたしました。その後、国に対しては、何度となくこれ以上事業費の増額がないように、ダムの早期完成とあらゆる段階におけるコスト縮減等を強く働きかけ続けております。
 その結果、本事業は平成24年度の完成に向けて、ただいま順調に進捗してきていると理解しております。平成19年6月議会にお諮りした当時の考えを改めるような情勢の変化は、その後生じておりませんで、流域住民の安全確保のために追加負担に同意せざるを得なかったと御説明した考えは、今でも変わりがありません。
 次に、南防波堤建設の話であります。この防波堤は、関西電力和歌山火力発電所計画における3カ所の係留施設及び現在供用中の水深10メートルの公共岸壁の港内静穏度を確保するためのものでございます。
 現在、実施中の国直轄事業につきましては、関西電力株式会社からの要請を受けて、同社の2分の1の負担のもとに整備が進められております。公共岸壁につきましては、砂利あるいは砂の輸入及び鉄鋼スラグの輸出など、岸壁背後の港湾施設用地とともに有効に利用されております。今後とも、公共岸壁の利用を確実にしていくためにも、南防波堤の整備により静穏度の向上を図ってまいりたいと考えております。
 次に、中小企業憲章の閣議決定の評価と中小企業振興条例でございます。
 中小企業憲章の内容につきましては、経営革新などの新たな事業に取り組む事業者への支援とともに、セーフティーネットを整備し、中小企業の安心を確保するということは基本原則に掲げられております。
 しかしながら、よく考えてみますと中小企業憲章に書かれていることは、すべて中小企業基本法、それから数多くの中小企業振興の実施法、それから中小企業政策、中小企業庁を初めとするような組織、そして県においても、実は我が県の状況から考えて、すべての産業行政は中小企業に向けられているというふうに思っても差し支えはございません。
 すなわち、経営革新、販路開拓、技術開発、政策金融、経営相談など、具体的な政策を現在の法体系及び我が県における政策体系のもとに、具体的にかつ総合的にどんどんやっておるということではないかと私は思います。現に泣いている中小企業、あるいは泣きそうになっている中小企業、あるいはある政策を期待している中小企業に対しては、実は宣言というようなものの重要性よりも、実のある政策をぜひやってくれというのが強いんではないかと私は思っております。
 実は、憲章が採用される一方で、地域の中小企業に対する技術開発の予算が事業仕分けによって大変な危機に──これは国の予算でございますが──瀕していて、それを県は自身の予算で必死になって埋めておるというような状況もあります。我が県においては、中小企業振興こそ我が県の活力を伸ばすものだ、この考え方のもとに具体的な中小企業振興のために一層の力を入れていきたい、そんなふうに考えております。
 次に、リフォーム助成でございますけれども、現在、住宅関連施策として、耐震改修あるいはバリアフリー改修及び省エネ改修などの目的に応じて、国とか県とか市町村などにおいてさまざまな支援制度がございます。
 県といたしましては、このような支援制度をわかりやすく、できるだけ利用しやすいようにという観点から、いろいろ説明、いろいろな制度を1つに取りまとめた冊子を作成するとともに、総合的な相談窓口を設置しております。
 したがって、これらを御活用いただいて、できるだけ議員御指摘のリフォームなどもいい方向に進むといいというふうに考えております。今後も、各種支援制度の有効な活用を図り、それぞれの施策目的の達成に努めてまいりたいと思います。
 次に、同和行政に関する御質問でございます。
 同和対策事業につきましては、平成13年度にすべての事業の見直しを行い、経過措置を除き、平成14年3月末をもって地域や人を特定した特別対策は終了いたしました。しかしながら、同和問題につきましては、教育や産業、就労等において課題が残されており、またなお、私としても許しがたい差別事件が発生している状況でもあります。
 このことから、県では、和歌山県人権尊重の社会づくり条例及び和歌山県人権施策基本方針に基づきまして、すべての人の人権が尊重される平和で明るい社会の創造を目指して、関係機関と連携、協働しながら推進してまいりたいと考えております。
 次に、平和行政の取り組みであります。
 恒久平和は国民の願いであるとともに、人類全体の願いでもあります。本県では、昭和34年9月議会において平和宣言がなされておりまして、その精神に基づいてこれまで県行政を進めてきたところであります。私といたしましても、日ごろの県政を進める上で、絶えず平和で安全な暮らしができることを念頭に置いて取り組んでいるところであります。
 平和ということに関しましては、さまざまな施策や組織に関連するものがあります。県行政全体として、それぞれの関係部署が連携して、問題意識を持ちながら取り組んでいくことが重要であると考えております。
○議長(谷 洋一君) 商工観光労働部長岡本賢司君。
  〔岡本賢司君、登壇〕
○商工観光労働部長(岡本賢司君) 県内での風力発電の現状と今後の計画についてお答えいたします。
 県内における風力発電施設の設置基数は、平成21年度末時点で総数53基、設備容量は6万3350キロワットです。また、県で把握しております事業者が計画を公表している風力発電施設の設置基数は総数100基、設備容量は21万2490キロワットです。
 次に、体調不良を訴えられている方々と企業との間を取り持つということにつきましては、既に関係部局で低周波音測定などを行っているところであり、今後も連携を密にした対応を続けてまいります。
 なお、企業が地域住民との信頼関係を損なわない形で事業を円滑に進められるよう、また地域住民の方々も安心した生活を迎えられるように、県としても新エネルギー促進策を今後とも検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) 環境生活部長保田栄一君。
  〔保田栄一君、登壇〕
○環境生活部長(保田栄一君) 風力発電に関する御質問のうち、3点についてお答えを申し上げます。
 まず、県内での風力発電によるこれまでの被害の訴えについてでございますが、今回の下津町大窪地区が初めての事例です。
 なお、有田川町において、風力発電に関する騒音の苦情があると町のほうから聞いております。
 次に、風力発電建設に伴うアセスメントに関する質問ですが、現在、NEDOの補助金を利用する一定規模以上の風力発電施設の設置に当たっては、工事着手の前にNEDOのマニュアルによる自主的な環境影響評価を行う必要があります。
 御質問の風力発電施設についても、事業者によりこの環境影響評価が実施されているところですが、低周波音に関しては客観的な指標が存在しておらず、またその影響範囲等についても明確でないのが実情です。
 このため、国におきましては、風力発電施設を環境影響評価法の対象とする方向で法令改正の準備を進めるとともに、今年度から平成25年度にかけて、風力発電施設から発生する低周波音の実態把握及び基準を定めるための調査を実施することになりました。
 県といたしましても、風力発電施設の設置に係る事前調査の実施区域及び地点の選定には十分な検討が必要であると考えており、地域の住民の皆様方に対して、できるだけの情報提供に努める一方、国による実態調査や法改正の状況を注視しながら、風力発電施設事業者に対し必要な助言・指導を行ってまいります。
 次に、健康被害と測定結果の関係をどう見るかについてですが、これまで地元選出の議員の方からの要請もございまして、既に気象条件の異なる4月23日及び7月8日の計2回、低周波音の測定を実施し、海南市とともに住民の方々に対し説明を行ってきたところです。
 低周波音と健康被害との因果関係については、いまだ一般的な基準がなく、国において苦情が発生しやすいとされる参照値が示されているところです。今回の測定結果につきましてはこれを下回っていることから、今回の健康被害は低周波音によるものとは現時点では断定できないものと考えております。
 今後の測定については、風車の近傍と苦情を訴えておられるお宅の屋内と屋外の計3カ所で、風の強い11月以降に第3回目の測定を行うこととしております。
 なお、低周波音による被害には個人差もあり、国に対してできるだけ早期に低周波音の基準値を設定するよう要望しているところであります。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) 福祉保健部長西上邦雄君。
  〔西上邦雄君、登壇〕
○福祉保健部長(西上邦雄君) 風力発電に伴う下津での健康被害の訴えをどう把握しているかについてでございますが、海南保健所では地元の大窪地区をお訪ねをいたしまして、区長さんからは全体の状況を、また訴えておられます御本人からは病院を受診しておられることや、睡眠は6時間程度とれていることなどの状況をお聞きしております。
 今後とも、引き続き海南市や地元の区長さん等と連携をしながら状況把握を行い、健康不安のある方については保健所が実施いたしますクリニックや健康相談等で対応してまいりたいと考えております。
 以上です。
○議長(谷 洋一君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 学校の暑さ対策、特に生命にかかわる熱中症対策につきましては、適切に対応するよう指導しているところでございます。
 とりわけ、ことしの夏につきましては、気温35度を超える猛暑日が続きましたので、学校の管理下における熱中症事故は、ほとんどが体育、スポーツ活動によるものであることから、体育祭、運動会等の学校体育行事や部活動を中心に、状況を見て計画の弾力的な変更等も含め、熱中症対策に万全を期するよう指導しているところでございます。
○議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 再質問を許します。
 44番雑賀光夫君。
○雑賀光夫君 御答弁ありがとうございました。要望などを中心にして申し上げたいと思います。
 1番から4番の問題については、来る知事選挙の中でも大いに議論していきたいと思っているんですが、ただ少し感想的に申し上げておきましたら、大滝ダムのような国の大変ずさんな当初の計画、5回も変更になった。
 最初は県の負担は25億円でいいと言われていたんです。それが5回の変更で437億円にふえたわけです。さらに追加負担せよと言われたとき、「これは国の責任じゃないか」となぜ言えなかったんだろうか。これからもそうなのか。
 追加負担は、ことしもお聞きしましたら4億円ということでございます。これだけあれば、子供の医療費の補助金を引き上げること、教員の数をふやすこと、30人学級に近づける、暑さ対策もできるんやと思うわけでございます。
 暑さ対策については、国に対してもしっかりと声を上げていってもらいたいと思います。新たな景気対策もあるかもしれない。その中で電子黒板や大型テレビがあそこに入ってびっくりしたんですけれども、それ以上にクーラーを入れれば、これは町の電気屋さんも大変助かります。ぜひとも、いろんな形で実現をしていきたいと思います。暑さを忘れない間にしっかりと言うていくことが大事だと思います。
 それから中小企業憲章については、国の言い出したことぐらいだったら和歌山でも前からやっているよという自信をお持ちのように伺いました。しかし、町に行ってみると、どこでも仕事がない、何とかならんのかというお話であります。こう嘆いている業者の皆さんがこんな答弁を聞いたら、何と思うだろうか。
 県が考えている中小企業支援の中心は、新たな商品の開発や積極的な海外への販路開拓など進めているやる気のある中小企業支援というのがやはり前に押し出されている。今回の議会で出された知事の説明要旨を見ましても、やはりそのことが中心になって書かれています。
 ところが、中小企業憲章はその基本理念の中で、中小企業の多くは資金や人材などの制約があるために外からの変化に弱く不公平な取引を強いられるなど、数多くの困難にさらされていると書いている。ですから、「経済活力の源泉である中小企業が」云々とあるんですけども、活力のある中小企業を支援するという言い方じゃないわけですね。その点でちょっと県の施策と中小企業憲章にはずれがある、その点を再質問しようと思ったんですが、今の知事の答弁の中で──お答えいただけますか。私は「泣いている中小企業への支援も」というふうな言葉もあったのでいいかなと思うんですが、知事がまだ御説明いただきたいようなんで、では再質問いたしましょうか。
 次に、リフォーム助成の問題です。多くの地域で大きな成果が上がっていると報告されている。今、知事の言い方で「いい方向で取り組みたい」という、何か検討もされるのかと思うんですが、参考に申し上げておきましたら、和歌山県で耐震補強するのに、去年1年間で何件あったんですか、幾らかけたんですかと聞きました。そうすると、61件で5000万円だそうです。それで耐震改修の経済効果というんですか、1億3500万円上がっています。
 私、きのうもらってそれで調べたんですが、岩手県に宮古市という町がある。1件10万円の補助をしている。1795件の申請があった。それで8億3000万円の事業をやられた。和歌山県と比べますと、補助金に対して和歌山県は2.7倍なんです。ところが、岩手の宮古の場合は、補助金に対して4.6倍の効果が上がっている。しかも、それが20万、30万、小さい工事が多いために、町の大工さんや左官屋さんなどが大変助かって、リフォームがブームになっている。こういう計算、私きのうの晩にその計算をして、自分でもびっくりいたしました。こうなると、知事選の論戦でやっつけてやろうというけちな話じゃなくて、知事もいい方向へ取り組みたいとも言われましたんで、一度本気で検討されて、ぜひとも、だれが知事になろうとも実現するようになったらいいなと思っています。
 そこで、風力発電の問題であります。国の基準がはっきりしないので風力発電とは断定できないという言い方がありましたが、確かに断定できないんですが、しかし関係ないとも断定できないわけでして、むしろ基準がはっきりしないことに今大きな問題があります。
 そして問題は、やっぱり健康被害を訴えておられる方がおられるという、このことがすべての出発点です。睡眠は6時間というお話があったんですが、これは恐らく最近の話なんじゃないかと思います。本当に現地で苦しんでるときは、とてもそんな話じゃなかった。現地を離れたら当然、睡眠時間は6時間ありますね。少しこの健康被害のつかみ方も甘いんではないかという感想を私は持ちました。
 そして、この風車の問題では、紀南のほうで、中紀のほうでも、日本野鳥の会の方とも連絡を最近とりました。野鳥の会では、特にタカが、クマタカ──希少種だそうですね──が繁殖している地域で、大変心配だということで県に対しても要望書を出されているそうです。
 人間に対する被害では今度のケースが県に上がってきた初めてだそうですけれども、私がさっき申し上げましたように、有田川町にもある。さらに風車により近い。大賀畑という地域で騒音被害をお聞きしました。二重サッシなどの対策をしていたんですが、このたびは有田川町が聞き取り調査をしてくれたそうです。そうすると「騒音によりテレビやラジオの音を大きくしたことがある」75%、「就寝中に風車騒音で目が覚めたことがある」88%、これは耳に聞こえる騒音です。それとともに「窓ガラスがガタガタ震動したことがある」、「建具やふすまなどカタカタ震動したことがある」、「そのとき圧迫感、震動感、違和感など不快感がある」、これらの質問に対しては88%の方が「ある」とお答えになっています。これは明らかに低周波にかかわる問題やと思います。同じ質問で、田角という地区でもアンケートをとっておられます。
 私は、この有田川町の取り組みは大変大事だと思います。住民がおかしいと言ったら、因果関係がどうだからという理屈より前に、「何がおかしいんですか」と言って飛んでいって、聞いてアンケートとって、この点が大変大事だというふうに思うわけでございます。
 また、県のこの担当のほうに聞いたら、こういう取り組みやってることはよく知らなかったというお話で、実はこの低周波の問題は、きょうは議会の場で初めて問題提起させていただいたんですが、県としてもこれから取り組む問題やと思います。
 ですから、今までの問題でどれが不十分だったとかいうようなことは余り申し上げてはおりません。とにかく、現に苦しんでいる方、県民の方がいらっしゃるのが出発点で、そして、この低周波測定装置なんかも、まだ県では自動測定記録の装置はないわけですね。こういうものも買っていただきたいと思いますし、やはり新しい問題が出てきているわけで、それなりの構えをして、私どももこれから取り組んでいくきょうは第一歩ですので、こういうことで要望しておきたいと思います。
 以上でございます。
 そうしたら、知事のほうから答弁をお願いいたします。
○議長(谷 洋一君) 再質問に対する答弁を求めますが、所定の時間が近づいておりますので、簡潔にお願いいたします。
 知事仁坂吉伸君。
○知事(仁坂吉伸君) 再質問にお答えしたいと思います。
 まず第1番目に、中小企業憲章が国で、地方、和歌山県だけは独自のことをやっている、そういうことを申し上げたわけじゃなくて、国も和歌山県も中小企業対策はきちんとやっておるということでしたねということを申し上げました。
 次に、新たな事業をやる中小企業に対する助成だけじゃなくて、困っている中小企業といいますか、弱い立場にある中小企業に対する対策がないではないかということは全く間違いでありまして、実は、新しい発展を助成していくんだ、それが元気のもとだというのは22年度の新政策で、今までなかったものを追加したということでアピールさせていただいたわけです。セーフティーネットでどれだけ多くの中小企業の方をあの大不況からお救いできたかというようなこととか、あるいは下請中小企業に対する配慮とか、そういう弱い人たちを助ける中小企業政策、いささかたりとも縮小したり、そういうことはしておりませんので、御理解いただきたいと思います。
○議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 所定の時間がまいりましたので、以上で雑賀光夫君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時43分休憩
────────────────────
  午後1時1分再開
○副議長(山下直也君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 27番角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○角田秀樹君 皆さん、こんにちは。一般質問の初日で、昼から、これからさしていただきますが、けさの先輩議員の御質問にもございましたが、第1次産業の農政という、こういう課題につきましては、本当に和歌山県にとりましても大変重要な案件であろうかというふうにも思っております。そんな中で、議長のお許しをいただきました。通告に従いまして一般質問をさしていただきます。
 まず初めに、大変うれしい御報告からさせていただきます。皆様方にも大変御協力をいただいております脳脊髄液減少症、以下「低髄液圧症候群」と言い回しをいたしますが、その検査費用に対する保険適用が本年4月13日付で厚生労働省保険局医療課の通達に、診療報酬の策定方法の一部を改正する件等について、今般その取り扱いに係る疑義照会資料として、今までの低髄液圧症候群の疑いがある場合、検査費用は全額自己負担としていたところ、今回の改正点では保険診療となりました。このことは、患者の皆さんにとって検査費用が対象ということではなく、次の課題への大きな前進という一歩であると確信したところであります。
 例として、症状や検査から低髄液圧症候群であると診断し、その後、具体的な治療内容について患者と相談して、患者の同意を得た上でブラッドパッチ療法を施行した場合、当該療法については保険請求できないとしても、患者の同意が得られるまでに行った検査等については保険請求ができると。また、過去に低髄液圧症候群を疑い、ブラッドパッチ療法を施行して症状が改善し終診となった患者が、再度同様の症状等にて受診して検査等を行った場合についても保険請求ができるという通達でありました。
 治療法・ブラッドパッチ療法については保険診療ではございませんけれども、患者会の皆さんにとっては検査費用が保険診療となり、かなりの負担軽減になったということは、大変大きな成果であると思っております。また、加えて、早晩私たちが主張しているブラッドパッチ療法も保険診療となることと確信した次第でございます。
 皆さんのお手元に、きょうは資料配付ということで、「会報」の10号を出させていただきました。検査につきましては保険診療でございますけれども、治療のブラッドパッチ療法についてはまだ自由診療の分野でございます。それで、いや待て、喜ぶのは待てと。もう一歩、ちょっとその後の油断大敵をやらないで一生懸命皆さんと一緒に頑張っていこうじゃないかと、こういう意味合いでございます。特集の欄の真ん中のところに、「厚生労働省 脳脊髄液減少症の検査に保険適用」という標題のところに書かさしていただきました。
 そんなこともございました。皆さん方にも意見書も通していただきました。そういうことに我々は感謝をしながら、当会もNPOとしまして設立をして約8年を迎えました。より一層の今後の活動の輪を広げ、現在新たな3点の課題について要望署名も行っているところでございます。
 内容は、脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究、これは3カ年かけ実施してまいりましたが、期間延長の動きもあり、今後さらに運動を進めていき、診療指針いわゆるガイドラインの早期策定を実現し、ブラッドパッチ療法に対する保険適用を求めてまいります。加えて、低年齢の子供たちにも症状が判明した例もあり、学校現場で起きた事故等で発症した例については、災害救済給付制度の対象に、さらに労働者災害補償保険、自動車損害賠償責任保険も同様に対象とすることの要望書を、10月半ばをめどに厚生労働省に提出する予定であります。
 以上のことから、今回の通達により医療現場への周知徹底と診療報酬に係る問題点など、どのような対応をなされているのか、福祉保健部長にお伺いをいたします。
 次に、社会のゆがみの問題でございます。
 まず最初に、1つは児童虐待問題であります。個人における他の命に対する価値観や尊厳性の違いが指摘される中、児童虐待によりとうとい幼い命が大人の都合により奪われ、短い一生を閉じるといった報道が多くなったと感じるのは、私1人ではないと思います。本来、いかなる時代においても成長を喜ばれるはずの幼児が世の中から消えていく現在、家族そのもののあり方に変化が起きていることは確かであると感じるものであります。
 大阪・西区でのマンションで幼児2名の遺体が見つかった事件などの痛ましい状況は想像を絶するものであり、事件に至るまで何とか防ぐ手だてはなかったのかと思うところであります。
 新聞報道によりますと、先日、我が県の田辺市においても、5歳幼児に対する虐待で両親が相次ぎ逮捕されるという事件が発生したことは既に皆様も御承知であると思いますが、市や児童相談所が両親に虐待の疑いがあることを2年半ほど前から把握していたということが関係者の調べで判明したといった記事がありました。また、数年前、和歌山市内の新聞販売店の家族での子供に対する虐待で逮捕された事件もあり、後を絶たないのが現況であります。
 親などによる子供への児童虐待に至っては、全国201カ所の児童相談所がかかわった相談件数は、2009年度中に住民などから受けた児童虐待の相談件数、前年比3.6%増の4万4210件に達し、19年連続でふえ続けております。毎年、心中を除いて全国でも60人前後の子供たちが虐待で命を落としてます。そのうち4歳未満の死亡例が約8割を占めていることも現実であります。何よりも優先されるべきは、今虐待を受けている子供、とりわけ4歳未満の子供を一刻も早く救い出すことであると考えます。
 8月12日付「朝日新聞」の「私の視点」というところの記事を見ますと、子供の虐待防止、安全確保最優先の対応についてということで、以下の意見が掲載されておりました。
 後を絶たない子供の虐待死。児童虐待防止法の見直しが検討され、2000年の法制定から2度改正されました。しかし、子供の虐待死が減少したという事実はなく、今後の対策で、まず1点目は子供の情報の管理体制をつくる。
 今、子供の身長、体重、障害、家庭環境といった情報を統一的に管理する機関がないこと、通報で虐待の疑いが生じてから児童相談所などが子供の情報を収集する、しかし、これでは虐待防止が後手に回っているのが現実であります。子供の健全育成の見地から、常に前もって情報を管理する機関が必要であると思う。学童年齢前の子供の情報は、保健所、保健センターに統括管理をし、学童以降は学校に情報管理を義務づけ、早期発見につなげていく。
 2つ目には、児童相談所そのものの見直しということが書かれておりました。現行の児童虐待防止法では、介入的機能とケースワーカー機能を児童相談所の役割と位置づけています。しかし、社会的介入、いわゆる親子分離と援助、親指導と支援という互いに矛盾する役割を児童相談所だけに担当させることについては問題が生じてくる。2つの機能をゆだねることで、相互の牽制も働かなくなる可能性が生ずる。社会的介入は、子供の安全確保を何より最優先にした対応である。したがって、危機介入の権限については、警察の役割としても位置づけるべきである。
 3つ目に、国の主導的役割の強化であります。虐待防止は子供の命にかかわる重要な国家施策であり、国は虐待防止に向けさらなる指針や研修を、地方公共団体や関係機関に積極的に働きかけるべきでありますとありました。
 いずれにいたしましても、虐待を受けた子供の心に、少なくともPTSDいわゆる心的外傷ストレス障害として何らかの形で残っていくことが予測されることは、私は大変危惧するものであります。まずこのことの現状について、知事の御所見をお伺いをしたいと思います。
 同じく、福祉保健部長には、大阪での2人の幼児放置事件や本県での事件をかんがみ、住民と担当部の児童相談所、また関係機関との連携のあり方が問われていると思います。子供の安全確保優先への対応について、また今後の課題についてお伺いをいたします。
 次に、新たな社会問題として顕在化している自殺ということについてお伺いをいたします。
 現在、我が国の自殺者は年間3万人を超え、その原因のトップは健康問題、中でもうつ病が最多であると言われています。しかも、うつ病は年々増加し、有病者数は推計で250万人にも達すると言われております。
 現代社会においてストレスを感じない人はいないと思いますが、我々が生きていく上で避けては通れないとも感じます。また、感情をコントロールまた維持していくことそのものが要因となる場合があると言っても過言ではありません。
 また、ひとり暮らしの高齢者の数がふえ続けていることも見逃せません。地域社会とのつながりが希薄になる中、単身世帯の6割が孤独死を身近に感じ、不安を覚えているという調査結果がありました。東京都足立区での事件が発覚して以来、100歳以上の高齢者は全国で4万人以上おり、8月3日の衆議院予算委員会で厚生労働大臣が「100歳以上の方だと数がかなり多いが、一定の年齢かそれ以上で区切ると一定数になる」と対象を絞り込んで調査することを示唆する発言がありました。このことは、ゆがんだ社会を浮き彫りにした結果であり、看過することができない大きな社会問題として注視していかなくてはならないと思うところであります。
 さて、和歌山県地域ケア体制整備構想の基本理念には、本県は全国に比べて高齢化が高く、また高齢者数に対する要支援・要介護者の比率が高い、今後ますます高齢化が進むことが予測される中、高齢者が不安なく、常に人権を尊重される生活を送るためには、たとえ介護や支援が必要な状態になっても、それぞれが自分の能力を生かしながら自己決定権を持って、また主体的に暮らせるような社会にすることが重要であるとうたっています。
 また、高齢者の見守り体制と多様な住まいの確保という視点では、安否の確保、緊急時の対応、生活相談、配食サービス等公的サービスに加え、住民相互の助け合いなど、地域が一体となって支援する仕組みの重要性が示されています。
 以上のことからお伺いをいたします。本県におけるうつ病の有病者数実態について、またその対応についてどのように行われているのか。また、県下の100歳以上の高齢者の所在確認の状況についてはどう把握されているのか。地域でのつながり等について必要となってくると思われますが、福祉保健部長にその対応についてお伺いをいたします。
 次に、教育問題につきましてお伺いをさしていただきます。
 きょうの朝刊に、「小中高の暴力6万件に」という、こういう記事が載っておりました。2009年、昨年度の調査で、4年連続で過去最多ということで、年々ふえ続けている暴力事件。一方、和歌山県下におきましては、暴力事件等はふえてはおりますけれども、いじめは全国で一番最少であるという、こういう記事が和歌山版にも載っております。今回、この中で、私は不登校ということにつきまして御質問をさしていただきたいと思います。
 この8月に、全国の不登校児・生徒が12万人に達したという記事が掲載されていました。我が本県の教育委員会は、昨年3月に和歌山県教育振興基本計画を策定し、今後10年間を通じて目指す教育の姿と施策の基本的方向として、1点目に「元気な和歌山の未来を拓く人づくり」、2点目に「明るく元気な社会づくり」を目標とされています。
 また、10年間を通じて目指す教育の姿の実現に向け、今後5年間に総合的に取り組む施策の箇所や基本的方向で、1つとして「子どもの自立を育む学校教育の推進」、2として「地域の活力を育む人づくり」、3として「生きがいをもち、自己実現をめざせる社会づくり」、4として「誰もが主体的に参画できる社会づくり」、5として「人権尊重社会の実現」の課題が挙げられています。和歌山県長期総合計画の第2章の表記に基づく「元気な和歌山の未来を拓く人づくり」に位置づけた重要施策の1つとしての取り組みであります。
 その中の「今日的な教育課題への対応」として、「④生徒指導上の課題への対応」に、「いじめや不登校、暴力行為等の未然防止や早期発見・早期対応による課題解決を図るため、学校・家庭・地域・関係機関の連携体制を強化するとともに、スクールカウンセラー等の効果的な配置による相談体制や校長をリーダーとする学校の生徒指導体制の充実など、学校の教育活動全体を通じて不登校やいじめ等の課題を生まない学校づくりに取り組むとともに、学校現場で様々な課題に直面する教職員のメンタルヘルス対策の充実を図る」とされておりました。
 私自身、ことし3月に中学を卒業した1人の人間と向き合う中、実際の学校での状況把握について学校長に先日お伺いをさせていただき、貴重な御意見をお聞きいたしました。
 実態状況から感じた点と現場での問題点は、スクールカウンセラー等の配置に対する絶対的な不足状況であると感じました。そういった不足している状況下で、その学校では昨年度はSC対応が1日6時間が30回であったのが、今年度は1日5時間の30回、結局30時間の減少となったということであります。学校として不登校生への問題解決に非常に実効性のある対応として期待をしている中、さらにふやしていただきたいとの要望をしておりましたが、減らされて大変困惑しているということでもあります。
 今までの不登校の推移をお聞きしたところ、平成15年からの統計を示され、どこの学校でもおおよそ1クラスで1名が何らかの理由で不登校生徒数として平均的にあらわれるとのことであります。その中学校では大体14~15名だそうですが、平成21年度に限っては34名おられました。平成15年の49名に続く多数の実態であったということであります。各年度によって数字的には違いはありますが、昨年度の主な原因の大半は、1には無気力感が16名、情緒不安定が6名、複合的な原因が4名、学校生活及び非行は各2名、意図的が1名、計34名であります。学校としてできる限りの対策を講じてきたというふうに言っておられましたが、そんな状況の中でいわゆるスクールカウンセラーの対応については本当に必要であり、もっともっとふやしていただきたいということを、市教育委員会にも要望を上げておりました。
 しかし、今回の30時間減らされた原因として、小学校での対応がふえてきて今の体制ではどうにもならないという理由で時間が減らされたという、そういう回答でありました。今や、傾向性として低年齢化が進み、今後の体制づくりを性急に整理しなければ大変な事態になるのではないかというふうに危惧するものであります。
 ここで、スクールカウンセラーの実績の一例を御紹介をいたします。
 この中学校での実施状況として、SCの相談受理状況が平成21年4月から22年の1月で、相談時間数は月24時間から30時間で週6時間掛ける4~5日という、そういう日数でありまして、年間で約270時間、22年の1月に追加で30時間をふやしていただいて、合計300時間対応されたということであります。相談件数、また相談者数、延べ人数では相談件数は475件、相談者数は371人、内訳として子供37人、保護者123人、教員211人、その他関係機関との連携の相談数2件、小学生の相談件数が15件、他の中学生の相談件数が5件、高校生の相談件数が13件、合計の相談件数は何と510件に上ります。実数としては、本校生徒58人、他の生徒は5人、小学生は6人、高校生は8人でありました。そういった日常業務に携わる中、SCが継続してかかわった生徒の改善状況を保護者の方からお聞きする機会がございましたので、ここで2点、御紹介をさしていただきます。
 中学3年生の女子生徒のケースでありますが、小学校4年生から断続不登校、入学式の翌日、小学校のときの同級生から「こいつ小学校で不登校やった」と皆の前で言われ、登校しなくなった。この問題については、担任、生徒指導主任の協力を得て解決をしました。その後、母親が面接に来るたびに一緒に来て、カウンセリングルームで話ができるようになって、学力不足によるコンプレックスや友達がいないことがネックになっていましたが、別室への登校をもしようとしなかったけれども、ギターを習い始めてから、12月になってようやく同じく不登校状態であった生徒と別室へ登校し、以降も少しずつ登校への意欲を見せてくれて、3年生になってからは母親と一緒の面接等を継続し、カウンセリングの中で進路について一緒に考え、最終的には希望校に合格し、家族も大変喜ばれたということであります。
 次に、男子生徒のケースでございますが、小学校6年生の卒業前、担任とうまくいかず不登校になった。SCはすぐに家庭訪問をし、その後、小学校に行って管理職、担任と対応を協議していただいて、入学後は元気に登校していたが、中1の欠席は35日。しかしながら、現在は多くの関係者の応援をいただいてようやく頑張って登校しているということでありました。
 以上、共通して言えることは、小学校時代の何らかのきっかけで不登校になっていることが安易にうかがえます。今後の対策について教育長にお伺いいたします。
 1点目は、本年3月の文科省の生徒指導提要によりますと、第12節不登校について、「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にあること」と定義されています。実効性のある対応について、まず初めにお聞きいたします。
 2点目は、小・中学校での不登校となったきっかけと、不登校状態が継続している、または継続していた理由について、その対策はどうなさっているのか。
 3点目は、高等学校の不登校となったきっかけと考えられる状況、またその状態が継続している、または継続していた理由について。
 4点目は、スクールカウンセラーの身分はどういった立場なのでしょうか。
 5点目は、基本計画の文面から「いじめ等」と明記されていますが、この報告書を拝見させていただく限り、不登校の多様性についてかなり複雑であると感じますが、どのようにとらえているのか。
 6点目は、中学校長の強い要望のあったスクールカウンセラーの増員についての考えをお聞かせ願いたいと思います。
 続いて、紀南地方における視覚障害児童・生徒への支援体制についてお伺いをいたします。
 先日放映されました24時間テレビ「愛は地球を救う」、私はその番組の中で、ことしは「盲目の少女が挑戦!トライアスロン」、17歳の少女・立木早絵さん、見事に世界初のゴールインをされた瞬間で感動を覚えました。オリンピックと同じ距離、51.5キロを目に障害がありながら走破した瞬間であります。母親が「最高の夏になりました。あきらめないっていう勇気を教えてもらいました。親が子供に教えてもらいました」と語っていました。どんな境遇であったとしても、御両親はもちろん、周りの環境で人は思いもよらない可能性があるということを改めて教えられた気がします。
 私の友人で、新宮市在住で小学5年生の子供を育てている家族があります。小さいときから目に障害があり、小学1年から和歌山市内の県立盲学校に、月に1度教育相談に来られています。新宮市には、昭和56年に県立はまゆう養護学校東牟婁分教室として開設され、現在、和歌山県立みくまの支援学校という学校がございます。平成16年1月には文部科学省から委嘱を受け、平成14年、15年度の盲・ろう・養護学校専門性向上推進モデル事業の発表会もされた実績のある支援学校であります。翌平成17年7月には皇太子殿下も御来校なされたとお聞きしております。
 御家族とお話をさしていただく中、地元にあるみくまの支援学校に視覚障害の生徒の受入体制があれば、中学に今後進級する際に地元で見守りながら教育を受けさせることができるのにという、こういうお話でございます。現在は盲の方々、目の障害の方々のその体制ができていないということであります。できることであれば普通学校で中等教育を受けられるのが一番いいのでありますけれども、中学校での体制がどのようになっていくのか、現在のところ全くわからないので不安を抱いているのが現状であるという、こういうお話でございました。
 以上のことから、今後の体制についてどのように対応なされるのか、教育長にお伺いをいたします。
 次に、雇用問題等についてお伺いいたします。
 昨年8月に政権がかわり、多くの有権者が現政権与党を支持する結果となり、1年後のことしの7月の国政選挙では、反対に現政権に対し批判票が集まり、実質的にねじれ国会の状態で、常に緊張感ある国政運営が求められています。
 そういった中、経済面においては株価の上昇の要因もなく、一向に経済成長の回復する見込みもありません。特に、中小零細企業はリストラ、賃金据え置き、また雇用調整助成金等で再起を図っているという最悪の状況であります。昨日の民主党代表選も現総理が再選されました。国民は一刻も早く正常な国会運営を求めています。早急に臨時国会を召集し、現在の喫緊の課題に対し責任ある運営を望むものであります。
 現在の日本経済は、長期にわたりデフレ不況が続き、為替相場も1ドル85円台という円高ドル安が続いています。また、現役世代の賃金は景気の動向により、依然収入は低水準で推移しているのが現状であります。超少子高齢化社会に突入した日本、今は将来にどういった希望ある方策を示し切っていくことが政治の役割であると思います。
 本県も、11月末には仁坂県政1期目を審判する知事選を控えています。本県の経済力、財政力は他県と比べて決していいとは言いませんけれども、本県の持ち味を生かし切っていただきたいと思うところであります。
 一方、本県の人口は昭和30年に初めて100万人を超し、現在まで維持してきました。しかし、36年ぶりに県人口が100万人を切り、人口減少に歯どめがきかない状況であります。今こそ、本県の人口流出をいかに食いとめるかという最重要課題の施策をしっかりと全庁挙げて取り組まなければならないと思うと同時に、安定した雇用環境整備も重要課題であります。県民の1人1人が安心して、また安定した生活を送れる社会づくりの構築が急務であると思う観点から、今後将来の和歌山県の進む姿について、まず知事のお考えをお伺いをいたします。
 続いて、こういった不安定な経済状況の中、我が党は9月2日、円高対策・デフレ脱却に向けた緊急経済対策の提言を示しました。2010年4月から6月期の国内総生産(GDP)成長率が実質で前期比0.1%と低い水準だったため、自律的な経済の回復にはほど遠いとの認識で、輸出原則に伴って世界経済の2番底懸念も抱かれ始めている、これらに対応するための緊急経済対策が必要であると政府に求めたところであります。
 そこで、2点お伺いいたします。
 1点目は、和歌山県の労働力は、農林水産業はもちろんでありますけれども、和歌山市においては多くは商工業であります。中でも中小企業がほとんどであり、全体の仕事量が減少する中、資金繰りにおいても決して余裕のある企業は多くはありません。和歌山県中小企業向けの融資制度及び緊急対策資金等の実績と今後の課題について。
 2点目は、私たち公明党は、いち早く若者の就職活動を行う上で、サポート体制強化を強く要望してまいりました。本県には若者向けの地域サポートステーションとジョブカフェ・わかやまによる就職支援を行っていますが、利用者数と就職実績の実態について、商工観光労働部長にお伺いをいたします。
 次に、子供と女性の健康維持対策についてお伺いをいたします。
 ことし2月、当初の予算特別委員会でも質問をさしていただきましたが、今回も引き続き質問をさしていただきます。
 子供と女性の健康維持の観点から、現在、全国の自治体また本県の一部自治体では、子供たちへのヒブワクチン接種や女性への子宮頸がんワクチンに対する助成制度の実施に向け、補正予算が計上されていると聞き及んでおります。また、女性に関しては子宮頸がん予防ワクチンの接種に対する必要性が高まる中、国の対応も子宮頸がん予防ワクチンに対して平成23年度に予算概算要求されていますが、事業仕分けとやらで検診については予算要求がされていません。検診と予防ワクチン接種は、セットで完璧なものとなります。女性の健康保持の大切さ、また子供は未来社会への希望でもあります。また、子供は国家の宝であり、私たちの夢を託す大きな使命を持った人であります。その女性や子供たちが安心して暮らせる施策を一日も早く講じることが行政の役目であり、責務であると確信いたします。
 そこで、ヒブ、肺炎球菌、子宮頸がんワクチンの接種に対する助成について、知事の御所見をお伺いをさせていただきます。
 最後に、南海電鉄和歌山市駅のバリアフリー化についてお伺いします。
 平成27年度に第70回国民体育大会和歌山大会が内定され、全国障害者スポーツ大会開催規定第4条により、同年に第15回全国障害者スポーツ大会和歌山大会が開催されることになり、去る8月の31日に和歌山県準備委員会設立総会並びに第1回準備委員会が開催されました。
 この障害者のスポーツ大会の目的は、障害者の自立と社会経済活動への参加を促進することを目的とし、競技種目に至っては個人競技6競技、団体競技7競技であります。参加選手数は約3300人であると言われ、全国から集い、日ごろの練習の成果を、原則として国民体育大会の会場を使用するとなっています。
 その選手の方々を迎える和歌山市の西の玄関駅ともいわれる、1日乗降客数も県下で2番目に多い主要駅の和歌山市駅にエレベーターがないということは、まことに遺憾であると言わざるを得ません。一日も早く、乗客の利便性ももちろんではございますが、この国民体育大会に向けまして三者協議を早急に行って、エレベーター設置に取り組んでいただきたいと思います。企画部長にお伺いいたしまして、第1問を終わります。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○副議長(山下直也君) ただいまの角田秀樹君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、児童虐待でございます。
 児童虐待に関する昨今の報道には、本当に心を痛めております。議員御指摘のように、次代を担う幼い子供たちが傷つけられたり、時には命を失うというようなことがあるなどということは、決してあってはならないことだと考えております。
 悲しいことでございますけれども、かくなる上は、両親だけにはもう任せられない。もっと行政が積極的に子供を守らなきゃいかんというふうに思います。行政をあずかる私としては、今後とも警察とか教育機関、もちろん私の傘下にあるそちらの施設もそうでございますが、地域の方々などの協力もいただきながら、社会全体で児童虐待をなくす取り組みに邁進してまいりたいと考えております。
 次に、雇用環境、雇用問題についてでございます。
 全国的な少子化の流れの中とはいえ、本県人口がどんどん減ってるということについては非常に残念なことであります。人口減につきましては、自然減とそれから社会減があります。社会減とは、ありていに言うと人口流出であります。これにつきましては、この人口流出は昨今、この数年でございますが、少しずつ改善してまいりまして、私の任期中に5000人から2000人に改善をいたしました。これは産業振興とかあるいは移住交流などの促進など、さまざまな施策を県・市町村が総力を挙げて展開した成果が少しは出てきたものかなというふうにも考えております。
 ただ、長い間5000人減が続いていた中で、3000人を改善するには大変だったわけでございますが、しかし、まだ2000人足りんわけであります。今後、社会増へ転換していくためには、もっともっと安定した雇用の場がもっと必要であります。そのためにも、あらゆる施策を動員いたしまして、雇用の場の確保に努めてまいりたいというふうに思います。
 その上で、自然増減にも影響を与えていきたいと思います。すなわち具体的に申しますと、子育て世帯の経済的負担の軽減や、あるいは子育てと仕事の両立支援、そういうものの取り組みを通じまして、子育て環境No.1わかやまを実現することにより、自然減を減らし自然増へとつなげてまいるように努めてまいりたいと思います。
 次に、ヒブ、肺炎球菌、子宮頸がんワクチンの接種に対する考え方でございます。
 この3つのワクチンにつきましては、県内の市町村や医師会等、幾つかの団体からも費用負担の軽減について要望をいただいているところであります。
 和歌山県内では、全国に先駆けて御坊市がこの7月から子宮頸がんワクチン接種者に対する助成制度を開始いたしまして、他の市町村でも独自に助成制度を創設する方針であると聞いております。
 国におきましても、来年度に向け子宮頸がんワクチンについて、市町村への補助制度を予算要求中でございます。県といたしましては、国のほうでこの制度がうまくできたら、この制度を活用したりしながら、私どもとしてもこの3種ワクチンの接種について、市町村に対する県独自の支援策の創設ができないか、接種者の費用負担軽減のあり方についてきちんとしたものができないか、そういうことについて来年度に向けて検討を進めているところでございます。
○副議長(山下直也君) 福祉保健部長西上邦雄君。
  〔西上邦雄君、登壇〕
○福祉保健部長(西上邦雄君) 脳脊髄液減少症の検査費用に対する保険適用についてお答えを申し上げます。
 県では、県医師会、県病院協会の協力を得まして、県内の全病院に対しまして脳脊髄液減少症の診療状況に関する調査を行い、減少症の診療を行っている医療機関で公表することについて承諾を得られた病院を患者の皆様にごらんいただけるよう県のホームページで紹介しているところでございますが、今回の保険適用に係る厚生労働省通知についても掲載をし、周知を図っているところであります。
 また、脳脊髄液減少症の検査等に対する保険適用と保険医療機関からの診療報酬請求が円滑に行われるためには、患者を治療している医療機関から検査機関への診療情報の提供を適切に行うことが必要でありますので、こうしたことにつきましても患者や家族の方、また医療機関が正しく認識し、検査等への保険適用が円滑に行われるよう、引き続き周知に努めてまいりたいと考えております。
 次に、子供の安全確保と課題についてですが、児童虐待が疑われる場合の子供の安全確保につきましては、通告から48時間以内に子供の安全をまず確認することを徹底しております。
 また、子供に危険があると判断したときには、一時保護という子供を親から引き離す手法もとっており、説得だけで進展がない場合には、警察の協力を得て対応することも実際にはございます。
 課題といたしましては、通告を受けたが場所や家庭が特定できない場合、また特定をできても親が虐待であることを認めない場合などが考えられますが、こういった課題に対応するためには、児童相談所が市町村や民生・児童委員を初めとする地域の方々、また警察、教育機関、保育所、医療機関等との連携や情報共有を一層進めることが最も有効であると考えております。
 今後とも、関係機関等との連携強化に努め、一致協力しながら毅然とした態度で児童虐待の防止に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、本県におけるうつ病の有病者数についてですが、2万人と推計をされておりまして、そのうち1万5000人の方が受診につながっていない状況にあります。また、昨年みずから命を断たれた方の原因、動機では、健康問題が最も多く、その中でもうつ病は、身体の病気に次いで多くなっております。
 このような実態を踏まえて、うつ病の早期発見・治療を図るために、かかりつけ医を対象とする診断・治療技術の向上を目的とした研修への助成を行うとともに、うつ病に対する正しい知識及び理解の普及を図るために、うつ病の方の家族を対象とする家族教室や県民向け講座の開催、パンフレットの作成、さらには電話相談などの相談窓口につなげるためのテレビ、新聞などによる啓発を実施しているところでございますが、引き続き自殺対策の主要事項として、うつ病対策に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、100歳以上の高齢者の所在確認状況についてですが、住民票はあるものの所在を確認できない方が、和歌山市で1名、海南市で2名の3名いることが判明しました。その後、両市において調査した結果、3名ともその所在を把握できなかったため、職権で住民票を消除したと聞いております。
 これまで県では、市町村で実施している民生委員等の訪問活動や各種の見守りサービスの支援に取り組んできており、昨年度には県地域福祉推進計画を改定し、地域における新しい支え合いネットワークの構築を盛り込むとともに、高齢者等へのさりげない見守りのボランティア活動を行う地域見守り協力員制度を始めたところです。
 今後も、こうした仕組みが地域においてさらに普及するよう働きかけるとともに、高齢者を地域のみんなで支え合う機運を高める取り組みを推進してまいりたいと考えております。
 以上です。
○副議長(山下直也君) 商工観光労働部長岡本賢司君。
  〔岡本賢司君、登壇〕
○商工観光労働部長(岡本賢司君) まず初めに、和歌山県中小企業向け融資制度の実績についてでございますが、一昨年秋の世界同時不況以降、国の緊急保証制度を活用した県融資制度を中心に県内中小企業者の資金需要に対応し、平成20年度6403件、815億円、平成21年度5781件、636億円の御利用をいただいております。今年度についても、8月末現在で2212件、253億円の実績となっており、依然として月平均50億円程度の高い水準で推移しております。
 このうち、景気対応緊急保証に係る県融資制度が条件面でも有利となっており、全体の9割程度を占めております。
 今後の課題といたしましては、県内中小企業を取り巻く経営環境が依然として非常に厳しい中で、景気対応緊急保証制度が来年3月末で終了することから、資金供給が行き詰まらないためにも、国に対し同制度の延長や段階的な経過措置を機会をとらまえて要望するとともに、県としても今後の経済情勢に注視しつつ、既存融資制度の使い勝手をよくするなど一層の見直しを図り、中小企業の皆様に対して安定的な資金供給ができるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、若者の就職支援機関の実績についてお答えいたします。
 本県の雇用情勢につきましては、若者を含め依然として厳しい状況であり、若者の就職支援は大変重要なものであると認識しております。このため、従来よりジョブカフェ・わかやまにおきまして、カウンセリングや各種就職セミナーの実施、職業紹介などを通じて就職支援に取り組んでいるところです。
 利用者数は、ハローワークを併設しました平成18年度以降も着実に増加し、21年度では延べ1万1714人、そのうちカウンセリング利用者数は延べ3249人となっており、また就職件数は452件となるなど、一定の成果を上げているものと考えております。
 地域若者サポートステーションにつきましては、20年6月に和歌山市に、同年8月に田辺市に開設し、職業的自立に向けたさまざまな支援を行っています。利用件数につきましては、20年度延べ1278件、21年度延べ2500件、進路決定数につきましては20年度47件、21年度69件と、ともに増加しているところであります。
 今後とも、これら支援機関の密接な連携はもちろん、和歌山労働局等関係機関との連携強化を図り、相談者のニーズに合致したきめ細かい支援に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(山下直也君) 企画部長柏原康文君。
  〔柏原康文君、登壇〕
○企画部長(柏原康文君) 南海電鉄和歌山市駅のバリアフリー化についての御質問にお答えをいたします。
 和歌山市駅につきましては、これまでも南海電気鉄道株式会社に対し、ホームへのエレベーター設置を働きかけてまいりましたが、現在も引き続き、エレベーター設置を含む駅の改修計画の検討が続けられていると聞いております。
 南海電鉄もエレベーター設置の必要性は認識しておりますが、県といたしましては、平成27年に第15回全国障害者スポーツ大会の開催を控え、和歌山市の西の玄関口として、また乗降客の多い主要な駅として、すべての利用者に優しく便利な鉄道駅の整備を進めなければならないことから、今後とも早期にエレベーターの設置を進めるよう、和歌山市と連携の上、働きかけを行ってまいります。
 以上であります。
○副議長(山下直也君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 不登校についてお答えいたします。
 まず、不登校児童生徒への実効性のある対応についてでございますが、不登校は早期発見、早期対応及び専門的な対応が肝要でございまして、非常勤職員という身分でスクールカウンセラー等を、本年度は公立小学校20校へ拡充するとともに、中学校91校、高等学校41校に配置し、児童生徒のカウンセリング、教職員や保護者に対する助言・援助等に当たっているところでございます。
 また、不登校となったきっかけは、小・中・高等学校とも、いずれも不安や緊張、無気力等本人にかかわる問題が最も多く、小学校では家庭の生活環境の急激な変化、中・高等学校では学業不振や友人関係をめぐる問題も挙げられます。とりわけ友人関係をめぐる問題には、いじめの問題も相当数含まれていると推察されます。不登校の多くはこれらの原因が絡み合って起こることから、小学校から中学校、中学校から高校へと継続しているケースが全体の約3割程度となっております。
 こうした多様で複雑なケースへの対応のため、学校では不登校に関する校内研修の実施、3日以上連続して欠席した児童生徒宅への家庭訪問の徹底、校種間の連携など、組織的な取り組みを進めております。さらに、8市町にはスクールソーシャルワーカーを配置し、社会福祉機関等との連携による支援が円滑に図られるようにしております。
 こうした取り組みの結果、本県における不登校児童生徒数は減少傾向にあるものの、依然として不登校は喫緊の課題であると認識しております。スクールカウンセラーの増員につきましては、国庫補助金との関係もあり困難な状況ではありますが、今後も学校の実情に応じたスクールカウンセラーの効果的な配置等を工夫し、未然防止を含めたきめ細かな対応に努めてまいります。
 次に、紀南地方における視覚障害児童生徒への支援体制につきましては、現在、和歌山盲学校による巡回相談を月1回程度実施し、補助具となる単眼鏡やルーペを活用して学習する力を育てるなど、今後とも1人1人のニーズに応じた取り組みを継続して推進してまいります。
 今後とも、県教育委員会では、視覚障害のある児童生徒がそれぞれの地域で教育や相談支援が受けられるよう、県内の各特別支援学校の視覚障害に対する教育機能を高める努力を進めるとともに、特別支援学校のセンター的役割を拡充し、地域における小中学校等への支援をより一層充実してまいりたいと考えております。
○副議長(山下直也君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(山下直也君) 再質問を許します。
 27番角田秀樹君。
○角田秀樹君 それでは、御答弁ありがとうございました。2点だけお話を、要望とさせていただきます。
 1点目は、知事の先ほどの御答弁の件にありますヒブ、肺炎球菌、子宮頸がん、この予防の関係、速やかに、国の動向ももちろんではございますけれども、各市町村でそういう動きも多々あるとお聞きしております。ぜひとも実施する方向でお願いを申し上げたいというふうに思っております。
 次は教育長、この視覚障害者の方の、今回こういう形で御質問をさしていただきました。歴史あるこのみくまの支援学校につきましては、先ほどの1問目でもお話しさせていただいたとおり、盲・ろう・養護の発表会が実はあったんですね。今は確かにそこに配置するということについては、大変な予算はかかるとはいえ、この今回の質問をさしていただきますということのお話の中で、再度先方から、最後の部分だけお伝えをしたいと思います。お聞きになってください。
 やはり親としては、娘を地元の通常の学校に通わせてあげたいとの思いです。しかし、それにはもう少し地元の学校の理解と受入体制の強化を望みます。また、盲学校ももっともっと積極的に地元の学校へのアプローチ、指導等ができる体制づくりをしていただきたいことを要望しますというふうに、6点のお話があったんですが、その締めくくりの文面だけ御案内をさしていただきました。
 どうぞ、和歌山県下、広うございますが、お1人お1人が公平で、また同じような教育水準の受けられる体制をとにかくつくっていただきたいということを強く要望させていただきまして、質問を終わります。
 以上です。
○副議長(山下直也君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で角田秀樹君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 21番新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕(拍手)
○新島 雄君 盛大なる声援をいただきましてありがとうございます。
 やっと朝夕が涼しくなってまいりました。長かった夏も終わりを告げるのかなあと。で、味覚の秋、スポーツの秋、そんなものがやってきてまた冬を迎える。
 しかし、この時期、夏の疲れが出てくるのも事実であります。知事は、午前中ネクタイをされておったのですが、午後はリラックスしたのか、ネクタイを外されております。どうか病み上がりですので、十分お気をつけください。
 本日の項目は1点であります。まずお断りをしておきます。ほかに質問がなかったわけではありません。初日の4番目ということでありますので、質問は簡素に、答弁は的確に、それをモットーに、議長のお許しのもと始めてまいりたいと思っております。
 観光を考える。
 茨城空港と上海を結ぶ中国の民間航空は、9月15日から29日の便で片道4000円の航空券を発売すると発表されております。許可がおりればこれを続行する、そういう話であります。それ以外にも格安の航空券が発売をされておりますし、LCC、全日空はこれにも参入する、そのように発表しております。航空料金もデフレスパイラルに入ったのかと心配をいたしますし、心配は安全面にも及びます。
 そんな中、中国からの観光客は大幅にふえています。2000年、35万人でありました。2008年には100万人を突破いたします。そして、ことしは6月までで70万人を超えています。中国人観光客をターゲットにした観光市場の拡大には、映画、テレビ、アニメなどの文化や医療などを組み合わせた魅力的な商品開発がかぎになってくると考えられますし、関西空港の利用促進を忘れてはならないと思います。観光立県和歌山を標榜するならば、もっともっと頑張っていかなければと思い、激励を込めて質問をいたします。
 まず最初に、観光経済の規模について質問をいたします。
 観光立県和歌山であれば、たくさんのデータを持っていると思いますが、まず日本国内における観光の位置づけを知る上で、旅行消費額を教えてください。これには宿泊旅行、日帰り旅行、訪日外国人、海外旅行とありますが、我が国経済への貢献度、すなわち経済効果をお示しください。
 次に、旅行消費額を他産業と比較することが必要になると考えます。どのような産業に匹敵するのか、企業でいえば売上高でどの程度の企業と肩を並べるのか、お答えをいただきたいと思います。
 では、観光がもたらす我が国産業への経済効果はどれくらいになるのか。旅行消費額を参考にして、生産波及効果と雇用誘発効果を示していただきたいと思います。その上で、経済効果を公共事業投資と比較をしていただきたいと思います。
 次に、観光経済の構造について質問をいたします。
 これには旅行回数、男女の別、年代別などがあると考えますし、訪日外国人の推移も必要になります。これから申し上げるデータは商工観光労働部にはあると思いますが、平成21年度「観光白書」を見ますと、フランス、韓国、日本を比較すると大変おもしろいことがわかります。フランスは長い休みを複数回とり、そのほとんどを宿泊旅行に使います。韓国は休暇の期間は短いのですが、フランス同様ほとんどを宿泊旅行に使います。では日本は、宿泊旅行に行く場合でも、取得した休暇の3割ないし6割程度しか利用しないことがデータで見てとれます。
 それでは、消費額について比較したいと思います。1回当たりの消費額は、日本もフランスもほぼ同額であります。1泊当たり、これは日本のほうがフランスの2.6倍の費用がかかっていることになり、韓国の6.6倍にもなる費用をかけて私たちは旅行をしております。日本人旅行者は、なぜこんなにお金を使うかということになりますと、中身は公共交通機関の利用が多いということが1点、そしてホテル、旅館の利用が大変高いということになってきます。このことを考えると、消費の幅広い効果が観光というものに見込まれてくることがわかります。
 そのほか、この観光白書には多岐にわたるデータが大変たくさん出ておりまして、随分と有効な資料だと思いますが、この資料をもとに和歌山県の現状、今後の和歌山の観光を考える上で何が必要なのか、またどうすればもっとよりよい観光地になっていけるのかをお答えいただきたいと思います。
 3番目、次に休暇であります。旅行をするには休みが必要であります。まず、有給休暇の取得状況を教えていただきたいと思います。まず1つは県庁職員の取得がどの程度のものであるか、2つ目は同規模の民間企業の取得割合はどの程度になるのか、3番目は県庁職員の休暇の利用目的に関して調査をしたことがあるのかないのか、あればそのデータをお示しをいただきたいと思います。このことについては、総務部長、お答えをお願いいたします。
 もう1点、休みということで、学校の休暇との連動であります。
 三重県亀山市では4月の30日を学校を休みとして、4月29日から5月5日までの7連休としています。あくまでも休んだ分はどっかで補うということをしておるんですが、それに伴って主要事業所の約50%が学校に合わせて休業をして、家族の時間づくりを助けている、そして市内の博物館など5施設を無料開放しているという事例があります。
 日本全国を見てみますと、そのほかには静岡県島田市で市内の全小中学校約8000名、これを対象に来月10月の8日の金曜日を休みにしています。そして4連休をつくるという施策を打っております。また、東京の荒川区や京都市などもありまして、取り組んでいる地域は全国で9カ所あります。私は学校休日を移動させること、大変おもしろい試みで、よいことだと思っておりますし、ぜひ県教委にも取り組んでほしいと思っております。教育長、お答えをいただきたいと思います。
 4番目、観光統計についてお尋ねをいたします。
 現在、都道府県の入込客数や観光消費額の調査方法が統一されておらず、データの比較が都道府県で比較ができない状況だと考えます。地域の特性や弱点を他府県と比較できなければ、今後の課題も見つけにくいと考えますし、このデータそのものが自分たちだけのデータであり、本当に次へ進んでいくためのデータになり得ないのではないか、そのように考えるものであります。
 ところが、平成21年12月に観光庁が共通基準を策定したと聞いております。その方法、基準などをお示しいただきたいと思います。
 私は常々、入込客数の数字が発表されるごとに、ついまゆつばものだと思ってしまうところがあります。例えば、私と家内が県内旅行をします。白浜で1泊、勝浦で1泊、これ入込客数は4名のカウントになります。ほかにカウントする地点があれば、6名になり8名になるのであります。ところが、実際は2人だけなんです。本当に発表される数字をいつも見ていて、こんなにたくさんの人が本当に和歌山を訪れたのかと、しばしば思うことがあります。現在どのように数字をはじき出しているのかお教えをいただきたいと思いますし、それが正確なものか、経済効果と一致しているのか、地域における的確な観光施策の企画立案に役立っているのか、また民間ビジネスの活性化に役立っているのかもあわせてお答えをいただきたいと思います。
 最後です。人材について知事に質問します。
 いろんな項目で観光だけを取り上げて長々と質問もしましたし、多分、商工観光労働部長の答弁は大変長いものになる。議場にいらっしゃる議員さんは多分あくびもするだろうと思います。しかし、いろんなデータを見せられ、またいろんな構造や波及効果やなんぞをいろいろしたところで、この情報であるとか数字を、生かすも殺すも人であります。
 そこで私は、これを知事に尋ねるわけなんですが、県職員には人事異動というのがどうしてもあります。長期にわたって同じ職場でずっといてることは皆無に等しいです。ところが、人材を育てるには時間が要ります。上に立つ者の人を見る目も要ります。そしてお金もかかります。
 ところが、このプロフェッショナルを育てないと、データの正確な読み込みも企画立案もできずに、コンサルへ丸投げをしてしまう、そんなことになりかねないのであります。そこには和歌山らしさなど何もなくなってしまうと考えます。和歌山には、和歌山にしかできない企画や運営があるはずです。全国的なまねをするのではなく、職員の中からプロデューサーやディレクターを育てなくては、観光立県和歌山は達成できないと思います。知事の考えをお聞かせください。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(山下直也君) ただいまの新島雄君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 職員の人事配置につきましては、職員の力が最大限発揮され、その時々の行政課題に適切に対応できるよう、適材適所を基本としているところでありますが、今後も職員の適性を十分見きわめつつ、業務内容や状況等に応じた柔軟な人事配置に努めてまいりたいと考えております。
 と、そういうふうに言わなければいけない、それは真実でありますが、さらに、私が知事になりましてから、職員をころころとかえ過ぎるのはいかん、力が十分発揮されておらんというような御批判を大勢の県民の方から、特に民間の方からいただきました。適材適所と申しますけれども、適材適所であるならば、将来いろいろな経験をさして成長さしていくという面も大事なんですけれども、やっぱりもうちょっと、2年で必ずかえるというのはいかがなものかなということも考えまして、私が知事になりましてから少し長目に勤務をしてもらってる者も出てきたということはよく御存じだと思います。
 それから、新島議員が今お話しになりましたように、少なくともコンサル丸投げはだめというのはそのとおりでありまして、私はコンサルなどというものの横のほうでずっと何十年間も過ごしておりましたから、いかに役に立たないかということはよくわかっております。特に東京などのコンサルということであります。職員の中からディレクターやプロデューサーを育てなきゃいけない、まさにそのとおりだと思います。そのように努めてまいりたいと思います。
 とりわけ、観光振興の業務につきましては、特に専門性が高いと思います。そこで、配属した観光局の職員には、現在取り組んでいる企業訪問など、地域の観光事業者との連携を密に図ることで、本県のそれぞれの地域の魅力や特性を、自分たちの強みを十分理解・精通させてまいりたいと考えております。
 また、井の中のかわずになってはいけませんので、他府県の先進観光地事例の調査研究とか、あるいは和歌山県の観光を助けてくれる存在としてのマスメディアや旅行エージェントとの協働によるマネジメント力の養成、あるいは健康やウオーキングなど、幅広い視点からの観光ビジネスへの挑戦など、あらゆる機会を通して能力向上に努めてまいりたいと考えております。
 さらに、これから海外からの誘客も図りたいと考えております。それならば、海外からの誘客に直接出向いていって力を発揮できるような職員もつくっていかないといけないと考えます。その中では、英語や中国語など主要な語学のできる職員の養成もまた必要なので、そこは私の就任以来、ちょっと戦略的にそういう要員をふやしていくということを心がけているところでございます。
○副議長(山下直也君) 商工観光労働部長岡本賢司君。
  〔岡本賢司君、登壇〕
○商工観光労働部長(岡本賢司君) 議員御質問の観光を考えるについて、一括してお答えさせていただきます。
 まず、観光経済の規模についてですが、観光庁が発表する「観光白書」によりますと、平成20年度の国内旅行消費額は23兆6000億円であり、これによる直接的な付加価値額は11兆5000億円で、これは国内総生産の2.3%の水準に当たります。産業別には物流業や鉄鋼業の売上に、企業別にはトヨタ自動車株式会社や三菱商事株式会社の売上額に匹敵する水準にあります。
 これら旅行消費額がもたらす間接的な効果を含めた生産波及効果は51兆4000億円、付加価値誘発効果は26兆5000億円で、国内総生産の5.3%に匹敵するとともに、雇用誘発効果は430万人と推計されており、生産誘発係数は公共事業投資と同水準であると分析されています。
 また、平成20年度に実施した和歌山県観光統計調査によれば、県内の観光消費額は約2000億円、経済波及効果は約3700億円で、それぞれ県内生産額の3.1%、5.6%となっております。
 次に、観光経済の構造についてですが、議員御提言のとおり、「観光白書」には観光客の動態や観光経済に関するさまざまなデータが示されており、多様な観光資源を有する本県にとって大変有効な資料であると考えております。
 現在、県におきましても、国ごとの来訪傾向や嗜好に応じたインバウンドの推進を初め、JAL及びJRなどの公共交通機関や観光エージェントとの連携によるプロモーション、食やウオーキングなど旅行の目的ごとにプランを提案する「わかやま○旅プロジェクト」を実施しております。また、ターゲットを明確にした年金旅行や修学旅行など、観光客の動態等に対応した取り組みも実施しております。
 これら取り組みを含め、観光客の動態やニーズ、トレンドに応じた旅行プランの提案や観光地での消費を促す取り組みなど、観光産業としてのマーケット戦略を企画し、実践していくことが本県観光地の活性化につながるものと考えております。
 最後に観光統計についてですが、全国観光統計基準に基づく観光庁の統計につきましては、年間入込客数が1万人以上、もしくは特定月の入込客数が5000人以上の地点を調査対象として入込客数を集計するとともに、あわせて旅行消費額や訪問観光地点数に関するアンケート調査を実施し、観光消費額や観光客実人数を推計するものです。
 一方、和歌山県観光動態調査につきましては、各市町村が独自に調査する観光入込客数のデータを県が取りまとめ公表しているもので、その値はそれぞれの観光地点を訪れる観光客延べ人数を集計したものとなっております。
 この統計値につきましても、観光客の年次比較など本県観光客の動向を判断する1つの指標として、民間事業者を初め観光関係者と協働で取り組む観光振興実施行動計画の策定とその実践に活用しており、調査を継続してまいりたいと考えております。
 また、全国観光統計基準に基づく統計値につきましても、観光消費額や観光客の実人数、また他府県との比較も可能になることから、民間でのビジネス活動も含め、より効果的な観光振興を進める上で有効に活用してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(山下直也君) 総務部長宮地俊明君。
  〔宮地俊明君、登壇〕
○総務部長(宮地俊明君) 年次休暇につきましてお答え申し上げます。
 県庁職員の年次有給休暇につきましては、ワーク・ライフ・バランスを実現するためワン・モア・ホリデー運動等を推進し、積極的に取得促進を図っております。その取得状況についてでありますが、職員には毎年20日間の年次有給休暇が付与され、平成21年の知事部局における1人当たり平均取得日数は11日となっております。
 また、民間企業につきましては、厚生労働省の就労条件総合調査によりますと、平成20年の常用労働者1000人以上の企業で、平均19.8日の年次有給休暇が付与され、1人当たり平均取得日数は10.6日となっております。
 なお、年次有給休暇をどのような目的に利用するかは労働者の自由であるという法的性格にかんがみまして、年次有給休暇の利用目的等に関する調査については実施いたしておりません。
 以上でございます。
○副議長(山下直也君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 休暇の連動についてお答えいたします。
 休暇を家族で過ごすということは、家庭教育の観点からも大切なことだと考えます。御紹介いただきました亀山市の例は、観光庁が有給休暇の取得を促進するための実証実験として行ったものでございまして、市民が勤める関連企業の半数が学校等と足並みをそろえて、4月30日を休日としたと伺いました。
 学校休業日の振りかえにつきましては、これまでも各学校が柔軟に対応しているところでございますが、議員御提案の趣旨を生かし、効果を上げていくためにも、学校単独で行うのではなく、社会全体の機運が醸成され、地域ぐるみの取り組みとして実施することが大切であると考えます。
 今後、休業日の有効的なとり方やその意義等について、関係部局と連携、協力しながら研究してまいりたいと考えます。
○副議長(山下直也君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(山下直也君) 再質問を許します。
 21番新島 雄君。
○新島 雄君 先日、用がありまして郵便局へ行きました。ほん最近です。そしたら帰りに、「年賀状の予約を聞いております」と言うて、ティッシュを1ついただいて、もうこんな時期なんかと思いました。その帰り道、のどが渇いたのとたばこが切れたので、コンビニへ寄りました。そうしたら、レジをしますと「10月からたばこ値上がりですが、予約聞いときましょか」と言われました。来店したお客さんを2度3度、どうして使うかを店ぐるみで考えてます。どうして売り上げを伸ばすか、一生懸命やってます。こんな民間企業のサービスは、今こそ行政に必要なんではないか、そんなことを思いました。
 特に、観光というものに関しましては、経験すること、敏感に感じること、そんなことが大変必要であります。知事の答弁にも、「先進地の調査研究をさせよう」という答弁がありました。それは決して、紙の上だけやパソコン上だけの調査研究であってはならないと思います。百聞は一見にしかず、現場に行き、見て感じる必要があります。
 ところが、その予算は何もありませんと思います。ふだんの出張では、職員さんは大変、安いホテルを探し、安いチケットを買い、出張をしているようでありますが、時には豪華なホテルへ泊まることも、経験の上で、感じる上で大切なことではないかな、そんなことも思ってしまいます。これは何も観光に携わっている人だけでは、私はないと思います。いろんなものを吸収することによって、そこから出てくる知恵や感性、そしてセンスというものが問われる時代になっています。そういう各部署に自由に使えるお金があればいいなあと私自身は思うのですが、なかなか時代が許してくれない、そんな面もあるかと思います。
 しかし、財政が厳しいときほど、私は人にお金をかけるべきだと思っています。人をつくるために、予算を組むことが重要であると考えます。人づくりを忘れた地域は滅びます。あしたのためにさらなる精進を要望して、質問を終わります。
○副議長(山下直也君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で新島雄君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時31分散会

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