平成22年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


県議会の活動

平成22年6月
和歌山県議会定例会会議録
第5号
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議事日程 第5号
 平成22年6月17日(木曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第84号から議案第99号まで並びに報第1号及び報第2号(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案等の付託
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会議に付した事件
 第1 議案第84号から議案第99号まで並びに報第1号及び報第2号(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案等の付託
 第4 休会決定の件
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出席議員(43人)
 1番 泉 正徳
 2番 山本茂博
 3番 前芝雅嗣
 4番 浅井修一郎
 5番 吉井和視
 6番 向井嘉久藏
 7番 門 三佐博
 8番 町田 亘
 9番 服部 一
 10番 平木哲朗
 11番 花田健吉
 12番 須川倍行
 13番 大沢広太郎
 14番 谷 洋一
 15番 平越孝哉
 17番 岸本 健
 18番 川口文章
 19番 尾崎太郎
 20番 藤山将材
 21番 新島 雄
 22番 山下直也
 23番 井出益弘
 24番 宇治田栄蔵
 25番 多田純一
 26番 中 拓哉
 27番 角田秀樹
 29番 山田正彦
 30番 坂本 登
 31番 尾崎要二
 32番 中村裕一
 33番 片桐章浩
 34番 原 日出夫
 35番 藤本眞利子
 36番 長坂隆司
 38番 小川 武
 39番 冨安民浩
 40番 奥村規子
 41番 山下大輔
 42番 松坂英樹
 43番 藤井健太郎
 44番 雑賀光夫
 45番 野見山 海
 46番 松本貞次
欠席議員(なし)
〔備考〕
 16番 欠員
 28番 欠員
 37番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       曽根義廣
 国体推進監      中村正次
 危機管理監      前硲健作
 総務部長       宮地俊明
 企画部長       柏原康文
 環境生活部長     保田栄一
 福祉保健部長     西上邦雄
 商工観光労働部長   岡本賢司
 農林水産部長     阪中栄一
 県土整備部長     茅野牧夫
 会計管理者      神田泰仁
 教育委員会委員    須崎恵美
 教育長        山口裕市
 公安委員会委員    片山博臣
 警察本部長      永松健次
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     楠本 隆
 選挙管理委員会委員長 諸木良介
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       森田実美
 次長         佐本 明
 議事課長       堀 達也
 議事課副課長     吉田政弘
 議事課課長補佐兼班長 田中健司
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      中村安隆
 議事課主事      的塲健司
 総務課長       上坊 晃
 調査課長       中井祥之
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  午前10時0分開議
○副議長(坂本 登君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第84号から議案第99号まで並びに知事専決処分報告報第1号及び報第2号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 26番中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)
○中 拓哉君 おはようございます。「なかなか頑張る中拓哉」でございます。12回目の登壇でございます。
 日ごろ、県民、市民の皆様から寄せられる御意見、また、毎日配布される県当局の各種資料あるいは知事の記者会見での発表などに加え、今議会に提案されました議案や報告、並びに平素、自分の勉強の中からわいてくる問題意識、そういったことに基づいて、少しでも県民生活の向上に資すれば、その観点から質問いたしますゆえ、幹部の皆さんには誠実な答弁をお願い申し上げます。
 議長から指名を受けましたので、通告に基づいて順次質問に移ります。
 まず、6月8日に発足した菅内閣について伺います。
 鶴は千年、亀万年、鳩は1年、菅と大臣リサイクル、出戻り亀さん3日で首。国民の審判を仰ぐ総選挙を経ずに首相を決める政権のたらい回しは認められないと、さんざん安倍・福田・麻生内閣を口をきわめてののしり、批判し続けた当の本人である菅直人氏が、総選挙も経ずに、憶面もなく首相の座に座りました。
 昨年の総選挙で民主党が国民と交わした政権公約・マニフェスト、思いつくままに示せば、高速道路の無料化、ガソリン税暫定税率の廃止、後期高齢者医療制度廃止、年金制度の一元化、中小企業法人税率11%への引き下げ、企業団体献金禁止、天下り根絶などなど、国会で多数を占める民主党は、法律をつくろうと思えばつくれるのに、いまだ実行しておりません。
 党首鳩山、幹事長小沢の政治資金の問題と米軍普天間飛行場沖縄県外移設の約束違反で自縄自縛の無責任退陣に、民主党員はもちろんのこと、国民の期待を見事なまでに裏切ってくれました。
 その鳩山内閣の副総理、財務相の要職にあった菅氏は、与同罪、連帯責任者であるにもかかわらず、首相の座に座り政権をとっています。
 地域主権を確立し、第一歩として地方の自主財源を大幅にふやしますとマニフェストに掲げ、はや10カ月を経て、鳩山から菅に首をすげかえた自称「奇兵隊内閣」に対する仁坂知事の評価をお述べください。
 次に、和歌山市選挙区選出である議員の1人として、8月1日に行われる和歌山市長選挙に関して、県都でもあり県庁所在地、県民の4割近い人口を占める中核市・和歌山市の指導者には、どのような人物像が求められ、和歌山県の長期総合計画に盛られた各種施策を推進する上で県市協調は欠かせませんが、政治家仁坂氏から見て、県民にとってふさわしい和歌山市長の資質とはどのようなものなのでしょうか。人物月旦にわたることなく、さらりとしたお答えで結構ですのでお述べください。
 次に、同じく選挙で選ばれる政治家としての仁坂氏に確認の意味も込めてお尋ねします。
 3年半前の晩秋、降ってわいたような県政界の混乱の中、談合事件の波及から木村知事の辞任に伴い、地に落ちた県政への信頼回復という重大な使命と即戦力の力量を買われ、あなたに白羽の矢が立ちました。1人を選ぶ県知事の選挙という未知の世界へ潔く挑戦されたあなたの勇気には、今もって尊敬の念は失せません。あなたに勝利してもらいたいと懸命に応援した私にも、あのときの選挙の勝利には格別な感慨がございます。
 その後、縁あって県会議員として、あなたの一挙手一投足に関心を払い、この議場で質問もし、対話を重ねる日月の中で、あなたの政治姿勢に尊敬を覚え、あなたの講演に知的刺激を受け、啓発されることあまたであります。(発言する者あり)歯浮いてきますか。とりわけ、あなたの説く正義に随所で啓蒙される私は、あたかもハーバードの白熱教室に身を置くがごとく学生のごときであります。最近も、知事の立命館大学での4月27日の講演を、満腔の賛意を持って拝誦いたしました。
 それはそれとして、県議としての務めも果たさなければなりません。木村前知事の業績にも評価すべき点もあり、立派な政治家が失脚するのはなぜだろうとの思いも常に胸をよぎります。政治と金で、多くの政治家が失意のうちに退場していきました。鳩山しかり、小沢しかりであります。
 そんな折、木村よしき田辺市後援会が解散したとの届けを県報で見まして、毎年繰り越して残っていった158万円余りのお金が寄附交付金として支出されていることに疑問を持ち、調べたところ、驚くなかれ、仁坂吉伸田辺後援会にそのまま寄附されていたのであります。ことしの4月2日に解散した木村よしき田辺市後援会が、同じ日に158万7354円の残額の全額を仁坂吉伸田辺後援会に移しているのです。
 念のため申し上げますと、あなたが届け出をしている資金管理団体・にさか吉伸後援会に対して寄附されているわけではありません。が、しかし、あなたの美学や政治理念からして好ましくはないと思いますので、しかとした説明を求めますし、木村氏の後援会には、この田辺市後援会に限らず複数ありましたので、類似の事案がほかにもございませんか。わかる範囲でお答えください。
 次に、県勢の浮揚策についてお伺いします。
 去る5月3日のゴールデンウイークに、埼玉県の秩父へ行き、秩父鉄道のSLパレオエクスプレスに乗ってまいりました。これでございます。(資料を示す)
 C58の蒸気機関車に揺られながら2時間余りの列車旅は、子供心を呼び覚ましてくれる夢の中へのいざないでありました。
 三峰口のターミナルにはSLファンがあふれ、我先にとカメラのシャッターを切っておりました。「御花畑」とのメルヘンチックな駅を過ぎ、川光り緑躍る長瀞の川下りに興じる方々と手を振り合ってあいさつを交わし、熊谷駅までの沿線は、至るところでカメラを構えたマニアが私のほうの写真を撮るのです。まるで人気タレントになったような気分でした。
 うっすらと漂う蒸気のぬくもり、かすかに肌に触れるすすの粒、懐かしい石炭のにおいに包まれながら、のどかな田園地帯を過ぎ行く我は物語の主人公かとの錯覚に導いてくれました。幸せそうな親子連れでにぎわう車中、お土産の売り子が商売繁盛でなかなか我が席まで来ません。そして、窓の外には踏み切りのごとにSLマニアの黒だかり。非日常に身を置きつつも、頭をよぎったのは、この情景をふるさと和歌山に再現できればなとの思いであります。
 どうでしょう。全国に10カ所ほどのSL観光地があるようですが、母なる紀の川の沿線に沿って、桃源郷を眺めつつ、龍門山のふもと流れる風そよとほほに受け、万葉人に思いはせつつ飛鳥に通じるSLの旅など、おつなものだとは思いませんか。
 JR和歌山線の復興に向け新たな観光資源にと提案しますが、いやしのニューツーリズムに加える工夫の1つにできないものでしょうか、お伺いします。
 次に、江上先輩が提案し、多田議員も一般質問で取り上げた文化芸術振興条例に基づく和歌山県文化芸術振興基本計画がこのほどまとまり、手元にいただきました。策定に携わられた関係者の御努力に敬意を表します。
 公明党がいち早く国会で提案し、平成13年に成立した文化芸術基本法の地方公共団体の規定を踏まえ、策定した条例であります。
 政治家は、ややもすると文化芸術から遠い存在のように思われていますが、かつて、福祉を叫ぶ立党当時の公明党が、素人扱いされながらも「福祉、福祉」と叫び続けることで政治の中心課題に据えたごとく、この中拓哉も文化芸術を主張することで、おのが人間性を完成させたいと思っております。
 幸い、我が党の参議院議員に浮島とも子というバレリーナのプリマとして名をはせたどんぴしゃりの先輩がおり、彼女の夫が和歌山で活躍していることからも、本件にえにし深き間柄であります。
 文化芸術の有用性は無限であります。仁坂知事も、かつて官僚として霞ケ関の有職故実に通じるだけでなく、テニスやスキーのスポーツにもたけ、チョウの研究においては比倫を絶し、文化芸術の鑑賞においては衆に頴脱すると仄聞します。私も、恥ずかしながら、中沼洋子先生のバレエ団のチャリティーコンサートにおいて、県民文化会館の大ホールで役者デビューを果たしたことがあります。
 文化芸術振興計画に示される文言には、一々ごもっともなものなのですが、県民文化会館の活用策において物足りなさを覚えます。大ホールや小ホールの公演、演劇は当然として、また県民ギャラリーでの展示も理解できますが、施設の中にあるいわゆる会議室の活用が触れられておりません。「県民文化会館」の名称にふさわしい活用策をもっと検討できませんか。
 例えば、各部屋をアトリエとして開放し、24時間創作活動に専念できるような貸し出しをするとか、楽器やコーラスの練習、いわゆるカルチャーセンターのプログラムを用意するなど、庶民芸術文化の拠点になるような活用策はいかがでしょうか。
 幸い、駐車場も併設して利用できるのですから、単なる会議室の利用では能がないと思いますし、現行の会議室の活用についても、利用者からいろんな苦情を聞いております。非常にサービスが悪いそうでございます。
 耐震工事で2年間閉館するようですから、リニューアルの折には、さまざまなジャンルの芸術文化が融合し合えるようなアートフュージョンとしてのるつぼのような施設に、今までの既成概念を壊した上で発想を転換した活用策をお示しください。
 次に、県民の安全な暮らし、暴力団排除条例の制定についてお伺いします。
 相撲界では、大関琴光喜の野球賭博の事件で大揺れのようです。背景には暴力団の影がちらつくとの報道でもあります。土俵の砂かぶりの特等席を融通したことも問題となっておりました。
 先ごろ、福岡県では、暴力団の追放運動に取り組む自治会のリーダー宅に銃弾が打ち込まれ、警察庁長官が現地を訪れ、暴力団壊滅への取り組みを強めるよう指示いたしました。
 平成4年に暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、いわゆる暴対法が制定され、2度の改正を経ております。組織犯罪処罰法も制定されました。改正暴対法では、代表者の使用者責任も明記しました。裁判では、黙示的な意思疎通をもって共謀とする司法判断が確立されてきました。全国銀行協会は、昨年9月、暴力団や企業舎弟などの反社会勢力への口座開設を認めない方針を加盟銀行に通知いたしました。今や、社会全体で暴力団の排除に取り組もうとしております。
 国においても、犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008を策定し、犯罪を生まない社会づくりに取り組んでいます。
 福岡県では、暴力団員に利益供与した事業者にも罰則を科す暴力団排除条例を施行し、警察庁では同様な条例を全国自治体に広げたいとの報道もございました。近畿では、京都府がこの6月議会に条例を提案しました。
 広域な暴力団に対して効果的な取り締まりをするには、全国で同様な条例の制定が求められると思いますが、和歌山県における取り組み状況を県警本部長からお示しいただきたいと思います。
 次に、宮崎県での口蹄疫発生に伴い、本県からも獣医師の職員を派遣したとの資料提供がありましたが、本県の対応についてお尋ねします。
 宮崎県都農町では、肉用繁殖牛16頭を飼養する農場で国内では10年ぶりとなる口蹄疫が確認され、宮崎県下に拡大し、その間、豚にも感染が広がり、連日、ワクチン接種の模様や道路での消毒の様子が報道されております。
 国においては、公明党も特別措置の立法を提案し、6月4日施行され、速やかな対応に寄与しているところですが、ここに来て、さらなる拡大が確認され、警戒感が高まっております。
 殺処分される牛や豚の数も数十万頭と、にわかには思い描けない数字となっております。発生した農家の方の心情を察するに余りあります。報道によれば、外出自粛やイベントの延期など、市民生活にも多大なる支障を来しているとのことです。
 どのようなルートで感染するものなのか、確たる知識を持ち合わせませんが、万が一本県でも発生するようなことがあれば、その対応に万全を期してもらいたいと祈るばかりです。
 農林水産部長にお伺いします。
 現在、本県でとられている発生防止の対策、及び万が一発生したときの対応策についてお答えください。
 次に、国民体育大会の成功に向けてお伺いします。
 先日、準備委員会第4回総会の折、発表がありました募金・企業協賛推進計画について、募金箱の設置や募金者への謝意の話がございました。
 このとき、紀の国わかやま国体「躍動と歓喜、そして絆」、こういうスローガンの紹介もありましたが、できれば、あの席で決めて、あの席で発表してもらいたかったということも付言しておきます。
 ふるさと納税にも国体の項目を設け、既に実績もあるやに伺っておりますが、本格的にこの寄附、募金に取り組むとすれば感謝状云々の話ではパンチが弱いんじゃないでしょうか。また、募金箱も結構ですが、寄附の方法は多様なほど集まるものと思います。銀行や郵便局の口座振替やクレジットによるネット上での寄附も用意すべきでしょうし、何より寄附をしたくなるようなインセンティブを用意してもらいたいと思います。
 例えば、県の施設の利用料の無料化や半額化、秋葉山のプール利用料、紀三井寺球場での観戦の入場料、体力開発センターの利用料あるいは県立近代美術館、博物館等の入場料等、県有施設はもちろんのこと、協賛してくださる企業の商品やサービスでのポイントの恩典など、知恵を働かせばアイデア満載で、そのこと自体も話題になっていくんじゃないですか。お答えください。
 次に、去る4月3日に愛媛県武道館を訪ねてまいりました。ちょうど愛媛県の高校強化練習試合、柔道の終わった後の例の自動の柔道畳畳み機の収納作業を視察してまいりました。
 県のお話では3人ほどで片づけられるんだとのことですが、愛媛県では、実際は20人ほどの柔道部の若手の方が一緒に手伝いをしておりました。まさに魔法のじゅうたんのごとく、手際よく、なお、あの体育館は地下のピットもございますので、地下のピットにもスムーズに収納されておりました。
 担当者に聞くと、長年続けてきている中で多少の修理が必要だ──というのは、重い機械ですから、合わせるときにガチャンガチャンと当たるらしいですが、そういうところでの修理も必要だと。概しては、非常に快適な設備であるとのことでございました。
 この武道館が本当に立派でございまして、玄関には菊間鬼がわらといって、人の体の2倍ほどある大きな鬼がわらがでんと、飾って出迎えておりましたし、地元の砥部焼の陶板の壁画もすばらしいものがございました。樹齢100年を超える杉の円柱も立派なものでございましたし、全体がモノトーンの雰囲気で、何かこう神殿のような厳かな雰囲気がございました。
 それを見せてもらって、今回、繰り越しもなっていて質疑もしたところでございますが、最後に、今回、議案で出ております98号、財産の取得でもある繰越使用報告書にも報告のあったトップアスリート育成事業、折り畳み式柔道畳の入札結果についての報告を求め、私の一般質問第1問といたします。御答弁のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
○副議長(坂本 登君) ただいまの中拓哉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、菅政権の評価ということでございますけれども、新しい総理に期待をするというよりも、総理以外はあんまりかわっておられませんので、したがって、現在の政権に期待するということでございますが、3点ございます。
 第1は、景気を立て直して、日本経済を成長路線に力強く乗せてもらいたいということであります。
 和歌山県としても景気対策や成長戦略に一生懸命取り組んでおりますが、景気対策などの経済対策は、基本的には国の政策手段を使わなければ実効あるものとはなりません。県も最善のことをしておるのですが、国に頑張ってもらわないとどうにもなりません。したがって、この点については期待をしたいと思います。
 第2は、持続可能な国家にしてもらいたいということであります。
 本県も血のにじむような思いで行政改革に取り組んでおりますが、それはなぜかというと、県財政が破綻しないようにするためであります。国においても、国民が喜んで人気が高まりそうなやりたい政策はいっぱいあると思いますけれども、財政が破綻しないような運営に目配りをした、そういう政策運営を責任を持ってやってもらいたいというふうに思います。
 最後に3点目ですが、特に本県にとって切実な願いなんでございますが、地方のことを大事にする政策をしてもらいたい。それも、「やります」と言うんじゃなくて、口だけじゃなくて、本当に具体的に実行してほしいということであります。地方重視と言いながら当県のような地方がますますおくれていくような政策は、具体的に改めてくれることを期待したいと考えます。
 次に、和歌山市にふさわしい市長像ということでありますが、私が考える市長さんというのは、第1に、和歌山市民を大切に思い、市民の幸せのために一生懸命考え、第2に、どうやったら市民を幸福にできるのかについての技術というんでしょうか、そういう技量があると、そういうことがわかっているという人で、かつ、そのことをスピード感を持って実現していただく、そういう方がええなというふうに思うわけです。
 これは、しかし、考えてみますと、国においては総理、県においては知事、市町村においては市町村長、皆一緒だと思います。対象が、市長さんは身近な市民の幸せのためということではないかと考える次第であります。
 次に、木村よしき田辺市後援会との関係というようなことでございますけれども、御指摘の仁坂吉伸田辺後援会への寄附の扱いについては、私が指示をしたとか、あるいは要請したとか、そういうものではありません。
 とはいえ、私は、木村良樹前知事を以前支援していた方々が私を応援してくださることを排除するつもりは全くありません。もちろん、犯罪にかかわった人はちょっと別にいたしますし、あるいは同様なことにつながるような動きは、これは政治家として警戒をせないかんということでありますけれども、一般に応援をしておられた人は皆さん全く善良なよき県民であって、田辺市の後援会を構成している方々、木村良樹さんの後援会を構成しておられた方も、そういう大変立派な方々と考えております。
 したがって、そういう方が私を御支援いただくことをお断りする理由は全くないと思っておりますし、むしろありがたいことだと感謝しております。
 今般、木村よしき田辺市後援会の会員の皆様が、団体の資金を私の政治活動を御支援いただいている仁坂吉伸田辺後援会に寄附をいただいたことについてでございますけれども、そういう方々が持っておられたお金ですから、お金をどう使うか、そのような方々がそれぞれお考えになったらいいと思うんです。私を後援するために使ってやろうと言われる限り、それについて私がとやかく言うものではないというふうに考えております。
 また、類似案件の有無については、私は存じ上げておりません。
○副議長(坂本 登君) 企画部長柏原康文君。
  〔柏原康文君、登壇〕
○企画部長(柏原康文君) JR和歌山線へのSL運行の導入についての御質問にお答えいたします。
 JR和歌山線は、紀北地域における基幹公共交通機関として極めて重要でありますので、その活性化に向け、関係市町やJR西日本和歌山支社とともに和歌山線活性化検討委員会を設け、取り組んでいるところであります。
 議員御提案のSLの導入につきましては、いやしのニューツーリズムの一環として全国から和歌山線に注目を集めるということから意義がありますが、それ以外にも、和歌山線の活性化を図るためには、地域の観光資源を活用した利用促進や列車の利便性向上のための方策を講じていくことが重要であります。そのため、今後、この委員会を中心に、これら方策の実現も含め、抜本的な対策を検討してまいります。
 次に、文化芸術の振興と県民文化会館の御質問についてでございますが、和歌山県民文化会館につきましては、従来から、県内文化芸術の振興の中核拠点としての役割を果たすべく、各種事業に取り組んできたところでございます。
 県民と文化芸術との出会いや創造の場として、引き続き施設の整備、充実を図るとともに、文化芸術のより一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
 議員から御提案のありました会議室の活用につきましては、文化芸術の活動の場としてできるだけ有効活用を図るべく取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(坂本 登君) 農林水産部長阪中栄一君。
  〔阪中栄一君、登壇〕
○農林水産部長(阪中栄一君) 口蹄疫対策についての御質問にお答えいたします。
 口蹄疫につきましては、牛、豚等の動物が感染する最も警戒を要する伝染病でありまして、県内での発生予防対策に加えて、発生時の初動対応が重要であると考えてございます。
 このため、本県では、宮崎県での発生報告を受け、県内での牛、豚等を飼育する農家146戸、約8700頭に対しまして緊急の調査を実施し、異常のないことを確認するとともに、農場への不要不急の車、人の出入りを避けていただくとともに、6月2日には消毒薬の無償配布を行い、消毒の徹底をお願いしているところでございます。
 また、家畜保健衛生所による継続的な監視も実施しており、異常な家畜があればすぐに連絡が入る体制を整えるとともに、農場ごとの防疫マップというふうなものを事前に作成し、移動制限区域や消毒ポイントの設置が円滑に実施できるよう準備をしております。
 さらに、県では、万一の発生時には即座に知事を本部長とする県対策本部を、また地域にあっては振興局長を本部長とする現地対策本部を立ち上げ、市町村とも連携を図りながら、家畜保健衛生所を中心とした殺処分、埋却など、速やかな防疫活動が実施できる体制をとることとしております。
 また、従来から、高病原性鳥インフルエンザの発生を想定した防疫訓練や演習を毎年市町村など関係機関と実施しておりまして、今後、口蹄疫にも対応できるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 国体推進監中村正次君。
  〔中村正次君、登壇〕
○国体推進監(中村正次君) 第70回国民体育大会募金へのインセンティブについてお答えいたします。
 国体募金につきましては、本年3月26日に開催されました第70回国民体育大会和歌山県準備委員会第1回募金・企業協賛推進委員会において、国体開催の周知と多くの皆様に大会を支えていただく取り組みとして、個人募金や募金箱募金を中心とする一般募金を開始することが決定されたところであり、現在、県内の約170カ所に募金箱やリーフレットを設置するなど、その推進に取り組んでいるところでございます。
 募金をいただいた方には、税制上の寄附金控除はもちろんのこと、謝意表明として、礼状に加えて、一定額以上の方には感謝状及び記念品をお渡しするとともに、国体のホームページで紹介することとしているところでございます。
 インセンティブとなる特典等の付与についてですが、募金をしていただいた方への公共施設の使用料の減免は公平性の観点から困難と考えているところですが、募金を通じてできるだけ多くの方々に大会を支える取り組みに参加していただくことが大切と考えておりまして、議員お話しのインターネット上でのクレジットカードによる方法も含め、国体募金の推進のインセンティブとなる効果的な方法について、幅広い観点から検討してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 会計管理者神田泰仁君。
  〔神田泰仁君、登壇〕
○会計管理者(神田泰仁君) トップアスリート育成事業折り畳み式柔道場入札結果についてお答えいたします。
 折り畳み式柔道場4基の一般競争入札につきましては、去る平成22年5月21日に入札を執行いたしました。応札者は株式会社瀧本及びクロダスポーツの2者であり、株式会社瀧本が税込み2億8350万円で落札いたしました。また、クロダスポーツの入札金額は、税込みで3億1500万円でありました。
 なお、この入札に係る予定価格は、税込みで2億9839万9500円であります。
○副議長(坂本 登君) 警察本部長永松健次君。
  〔永松健次君、登壇〕
○警察本部長(永松健次君) 暴力団排除条例の制定についてお答えいたします。
 暴力団対策には、警察による徹底した取り締まりとともに、官民一体となった総合的な暴力団排除対策の推進が不可欠であります。
 その一環といたしまして、暴力団排除のための施策を幅広く盛り込んだ条例が制定されますことは、暴力団対策を推進する上で大変有意義であると考えております。
 議員御指摘のとおり、既に福岡県を初め佐賀県、長崎県、鹿児島県、愛媛県で暴力団排除に向けました条例が制定されているところであります。
 これら条例には、共通しまして、県、県民、事業者の暴力団排除についての責務が明確にされておりますほか、暴力団に対する利益供与の禁止、祭礼等からの暴力団の排除、暴力団事務所の開設及び運営の禁止、暴力団事務所に関する不動産契約規制等々、各県の事情に応じまして、さまざまな規定が盛り込まれているところであります。
 県警察といたしましても、暴力団排除を一層進めるため、県内の暴力団情勢等を勘案の上、今後、関係機関などとも協議しながら、早期の条例制定に向けまして作業を進めてまいりたいと考えております。
○副議長(坂本 登君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(坂本 登君) 再質問を許します。
 26番中 拓哉君。
○中 拓哉君 答弁ありがとうございました。
 まず、柔道の畳の件でございますが、何でそんな数字までここで発表してもうたかといいますと、落とした瀧本さんが2億8350万、95%ですね。一方、クロダスポーツさんが3億1500万。これは、繰越明許で明らかに載ってる県が出せるお金をもう既に超えてるんですね。超えてることの数字が、応札があったということで、普通、商売してる業者さんからしたら、予算超えたやつは契約できやんのわかってるもんですから、その点に非常に疑問を覚えました。
 それで、ここからがまあ難しいんですけども、そういう入札のときに、会計管理者のほうで予定価格を設定します。そのことによって、多少ともわからん数字があって、競争して、ちょっとでも、業者はもうけたいけども、県は安うとってもらいたいと、こういうところに働くわけですけど、何と500円下げた価格だけを県は設定してたと。これも、裏から見れば、早くこの事業を執行したいということのあらわれかわかりませんけども、県が用意した物品の調達についても、どっからでもフェアでやるんやという競争の割には、何かでき過ぎたレースやなという感じを受けました。
 この2月議会でも言いましたけど、もうつくったところのフジタス工業さんが特許も持ち、いろんなパテントで押さえてる中で、それと同じものを欲しいんであれば、もうじかに契約するような道もあってええんじゃないかと私自身は思います。
 また、いざ競争するにしても、これは業者さんから聞いた話ですけども、業者が集まって談合するんじゃありませんと。業者は、そんなこと、もう今はしませんと。しかし、卸してくれるもとから、発売元のほうが、ほんまに入れてくれる私ところへほんまの数字を言うてくれて、そうじゃない代理店には「おまえとこにはこんだけしか卸せやんぞ」ということで細工をするというか、それを聞いた参加者は、もうそれを信じるしかないわけですね。それ以上、損覚悟でやるんならやってくれたらええですけども、それこそそういう形でしか動いてないのが現状であります。
 なお、心配するのは、これから国民体育大会、企業の寄附、県民の寄附を集めてでもやっていこかというときに、こういう施設の整備、備品の整備をするときに──残念ながら規格があります。当然そうでしょう。いろんなルールを決めて競技するわけですから、有利な道具使われたらあかんのわかります。水泳の水着ですらあんだけ問題になるわけですから。そこはそうですけども、それが、もう1社、どっかの製品でしかないというときは、もうそこしか使わなしようないわけですよね、連盟がそういうルールを決めたら。にもかかわらず、全国の自治体は、競争入札です、ちゃんと競争しましょうというところになってるという矛盾を覚えるもんですから、そんな折に仁坂さんには、この立命館大学でも「和歌山県には正義があるんだ」と、こういうこととは別かわかりませんけど、ほかの自治体に比べてフェアな取引をやっているんだと、なおかつ、業者をいじめるだけじゃなし、発展につながるような難しい見きわめをしながらやってるんだという講演をなさいますもんですから、どうも今回の事件が腑に落ちないもんで、しつこく質問した限りでございます。
 県会議員が質問するときに、そういうことを調査するときに、それこそ力の限界といいますか、亀井さんと菅さんで郵便局の預け額のことを、「じゃ、おまえの発言、電話で録音しとかなあかんのか」と、こういうやりとりがありましたけども、県会議員も調査するとき、あるいは県当局に聞くときに一々録音マイク置いてせんなんようなことになったらつまらんなと思ってます。まあ、努力も足らんのかわかりませんけど。
 そういう上からも、今回、知事さんに対して、今のルールは非常にいいんでしょうけども、こういう国体を進める上において、もう既に上のほうというか中央のほうというか、そういうところで決まってるようなことに対して果たして今のルールが正しいもんかどうかという疑問を持ちますんで、その点の運用の改善について御意見があればお尋ねしたいと思います。
 もう1つは、先ほどの田辺の後援会でございます。
 知事さんのお答えはごもっとも、ある面ごもっともでございますけども、それを許してしまうというか、そういうことで、応援してくれる方が仁坂吉伸の後援会つくってくれたらええんや、あっちこっちでつくってくれてお金集めてくださることはありがたい、それはそうかもわかりません。
 しかし、仁坂吉伸後援会、仁坂吉伸さんを応援するという名前があるから、またお金も集まるということも事実なんです。残念ながら、中拓哉では集まりませんわ、よその地域ではね。それは、やっぱり権力が背景にあるからですよ。
 その上で、政治資金規正法をきっちり読んだら、そういう資金管理団体を決めたとき、ルールがあるわけですけども、その先に、やはりその資金管理団体の名前を使うようなところは統一せえと、そこの支部とみなすと、一体としてみなすという条文があります。ですから、田辺の後援会があり、新宮の後援会があり、橋本の後援会があり、それはそれで結構ですけども、それこそ南汀丁に置いていらっしゃる、仁坂さん自身が代表者になって、仁坂さんの責任のもとで会計責任者を決めた団体の下部組織として入ってもろて、その中で、地元でお金集めてくださるのは結構ですけど、幾ら集まりましたよ、何に使いましたよということが本部で、ヘッドクオータでコントロールできてこそ、仁坂さんの政治姿勢は貫徹されると思うんです。
 でないと、聞き方によれば、鳩山さんと変わらんのですね。私、知らんとこでやってたんやと。金額の多寡はありますよ。金額の多寡はあります。私、知らんとこでやってたんやと、そう秘書がというか、会計責任者が勝手にやったことやと、わし知らんのや、何悪いんなと、こういう話になるわけですよ。
 しかし、鳩山さんでもやめざるを得んのですよ。あれで、裁判で自分かからんかったとしても。それが、やはり政治と金に対する、今、県民からの政治家に対する目でもありますから、応援してくださる方が勝手に集めて勝手にやってくれてることをちょかちょか言えやん。しかし、そうかわかりませんけど、それが何か事件起こったときに、あなたが責任とらんなん、政治家が責任とらんなん、そういう時代なので、こういう、願わくば南汀丁に置いてる本部の下部組織として集めてやってくださいませんかと。
 それは、当然、一々何に使え、かに使えというようなことは指図しませんから、御自身の自治のもとで使っていただいたらいいんですけども、そういうことはきちんと教えてくださいよ、でないと私が困りますよと、それぐらいのことを言うてもらわないと、応援してくれるのにちょかちょか言えやんというだけでは、ちょっと仁坂さんらしくないなと思いました。
 また、木村さんのほかの案件、わかりません。それはそうでしょう。しかし、これ、私、こつこつ拾たら800万ほどあるんですよ。いろんな木村さんの後援会が解散の手続踏んでますけども、残ったお金を使い切って解散してるのが5つほどございました。それで、もともと選挙のないときに、ずっとゼロ、ゼロ、ゼロで、集めてもない、使ってもない、ただ名前だけやという団体も十幾つございます。しかし、8つか9つは、お金残ったまんま解散しています。
 一番大きなのは、ここでも問題になりましたけども、本来の木村よしき後援会、これ1200万ほどですね。オークワの会長が代表者でした。
 新世樹の会、これは新世樹の「き」は木村良樹の「樹」を使ってます。これは、木村さん自身が代表者になってる指定管理団体、ここが6100万ですね。これも残したまんま解散したんです。ほんで、どうなったんよといったら、政治団体が県内にある団体に寄附できませんもんですから、お金残ったまんま解散しといて、解散したお金を体育協会やら共同募金会やら日赤へ2500万ずつ納めて、7500万のお金は木村さんと関係ないところで県民に返しましたという形になっておりました。大きなときは、これはニュースになりました。
 しかし、そのほかに幾つかある9つほどのお金は、トータルで言いますと、新宮なんかが多いんですけども、800万ほど残したまんま解散してます。もうそれは、法律上それでいいんです。どこにどうしたということはありません。あとは、代表者がもうたんやったら、税務署へ贈与があったというか、一時所得があったというて言うてくれたらええだけのことですけども、先ほどの仁坂知事の答弁で、それぞれがやってくれたことで、とやかく言えやんということになりますと、こういう団体が、また、じゃ、お金の処理に困るし、次の知事さんも押したいし、こういうことになったら、相寄って仁坂吉伸何とか後援会をつくって、そこへ移そかということが許されてしまいます。現行でもできます。
 しかし、そういうスタイルを許してしまいますと、仁坂さんのおっしゃってる正義を貫く立場からするといけないと思いますので、願わくば、そういう団体には、「私の、南汀丁に置いてある中央の団体の中で活動してくれるようにしてくれ」という発言をここで聞きたいし、政治資金規正法の、ある面、落とし穴でもございますんで、全国の知事さんの相寄ったときも、「おまえとこ、そんなことないか」と。「勝手に集めてくれて、勝手に使われて、わし、県会でも質問されて、こんなに答えたけど」ということであれば、そういう首長さんらの政治家の集まりで、総務省のほうに政治資金規正法の改善策を申し入れるなり何なりしてもらわないと、今の答弁のまんまでは、私の尊敬する仁坂さんらしくはございませんもんですから、改めてその点をお尋ねしたいと思います。御答弁お願いします。
○副議長(坂本 登君) 再質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいまの追加質問に対する答弁でございますが、前の答弁のときにも、私は、別にだれでも、応援していただける人がどんな方でも、とにかくお金をくださればそれでいいんですなんていうことを言ったつもりはございませんで、そこはやっぱりそういう不祥事につながるような、そういう動きみたいなものは警戒をしながらやっていかないかんというふうに申し上げたと思います。
 その上で、田辺の後援会の方々、ちゃんと存じ上げておりますし、私も議論をさせてもらってます。そういう意味では、こういう方は立派な方だなと、応援してもらうにはいいなというふうに思っておりまして、そういう方々が私を応援するために、その後援会を田辺でもつくってあげると、それはありがたいことだと思うんです。
 そのときに、例えば資金系は全部、つまり南汀丁、これに集めなきゃいけないかというと、集めてもいいし、集めなくてもいいような気が私はしておりました。今でもそう思います。
 したがいまして、それぞれがやりやすいようにやっていただければいい。ただ、その活動とか、それから応援してくださる方、どういう人がいるのかとか、そういうことについて私は無関心で、それが何か特定の不祥事を働きそうな人たちが「応援してあげるからお金をたくさんあげる」なんて言われても、それは「お断り申し上げます」というように言わないといけないのではないか、そんなふうに思いました。
 したがいまして、解散の後、それぞれがまた寄附してくださっても結構だと思いますが、どうもそうじゃなくて、先に寄附されたということについて、あんまり本質的な問題はないんじゃないかな、差はないんじゃないかなと思ったもんですから、先ほどの御答弁等申し上げました。
 以上でございます。(「入札の」と呼ぶ者あり)
 入札につきましては、実は手続的にどうするかという問題と、それから、先ほど中議員がおっしゃったような、実はそのたくらみがあるんじゃないかという議論が2つあると思うんですね。
 1つは、その供給者がだれかという問題なんですが、少なくとも形式的に考えると、それを提供したいという人、それが会計管理者が申し上げましたような業者さんであって、それで入札をするというのは原則ですから、そういうやり方に沿ったんだろうと思います。
 次に、仮に、例えばメーカーのほうがそういう業者に対して何らかの操作をしているということになりますと、これは私の知識によりますと、独禁法上の再販価格維持行為だと思うんです。ですから、それは十分違法行為であって、処罰されるべきだと思います。
 したがって、私どもは、そういう動きはつかんでおりませんけれども、そういう問題があれば、ちゃんと具体的に提示されて、もしそれが問題であるとすれば我々も手を打っていかないかん、そういう問題ではないかなというふうに私は考えております。
○副議長(坂本 登君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ございません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(坂本 登君) 再々質問を許します。
 26番中 拓哉君。
○中 拓哉君 今の入札のことは、そしたら、そういうことがあれば、県の公務員の方はそういう事実を、再販制度に違反するようなことをすれば、当然、公取へ告発せなあかんというルールになると思いますんで、どこかできちきち示しをつけていくと、ぴりっとして、和歌山県は立派だというふうに言うてくれると思いますんで、その点はそのように要望しておきます。
 さて、先ほどの政治団体の件ですけども、そこが政治家のつらいとこなんです。応援してくださる方がいろいろやってくださることを、困る困るとは言えません。むしろありがたいことなんです。
 しかし、そのありがたさに甘えてると、木村さんのようなことにもなりかねないと思います。木村さんも、決して自分で手を下して何か指図したという意識は恐らくないんやと思います。その井山何がしという方が上手にやってたということが自分の墓穴を掘ってしもたと、こういうことになりますし。
 田辺の方、私も存じてますけど、立派な方やと思います。立派な方が、大体首長が知事さんの後援会の代表になること多いんですよね。中にそうじゃない方があります。首長さんも政治家ですから、いろんな政治活動できますけども、そうなって、自分らで次の知事選盛り上げてやろらと、それはええことなんですけど、その中に何か間違うたことがあったときに、全然関係ないのに仁坂さんが責められるし、今回の件なんかも、木村よしき後援会の158万がにさか吉伸後援会に行ってるわけですから、今の説明を聞いて何となくわかりますけど、そうでない限りは、「あんだけ木村さんを批判してたのに何よ。結局、仁坂さんももうてらして」と、こうなりかねんということなんですよ。
 それで、先ほど申し上げましたが、政治団体が支部を有する場合には、当該政治団体の本部及び支部は、それぞれ一の政治団体とみなしてこの規定を使うというふうになってるわけですから、名称はどうあれ、仁坂吉伸という名前を使た限りは、田辺支部であろうと田辺後援会であろうと何後援会であろうと、やはりこの政治団体が支部を有する場合というふうなことを考えて、当該政治団体の本部及び支部というふうな扱いをして、一々使い方まで言わんでも、それなりの報告を求めて間違いないようにすることが南汀丁にある仁坂さんの後援会の確かな姿ではないかなと、なお、その代表者である仁坂さんのあるべき姿ではないかな、かように思います。
 この指摘を踏まえて、再度、答弁があればお願いしたいと思います。
○副議長(坂本 登君) 再々質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 中議員の御心配には心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。
 ただ、今、法律を読まれましたんですけれども、もし間違ってたら議員が正しいということで、また考え直さないといけないんですが、本部、支部というのと、それから別々の団体をつくっていいかというのは、ちょっと違うんではないかなと思うんですね。本部、支部であれば、それは本部にきちんと統合して会計処理をせないかんということをその法律は書いてるんじゃないかなという気がするんです。
 ですから、今回は独立のやつをつくりたいとおっしゃったんで、それでもいいんじゃないかというふうに私は思いましたけども、それがもちろん法律に触れるということであれば、じゃ、統合せないかんということではないかと思います。
○副議長(坂本 登君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ございません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(坂本 登君) 以上で、中拓哉君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 14番谷 洋一君。
  〔谷 洋一君、登壇〕(拍手)
○谷 洋一君 おはようございます。
 平成22年度6月定例会一般質問の機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げます。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 先般、知事が上京し、平成23年度の国の施策及び予算に関する和歌山県の提案を、県選出の国会議員及び関係者に対し行われたということですが、その内容につきましては、我々自由民主党県議団も事前に説明を受け、既に了解をいたしております。それゆえ、知事が国等に対して行う提案活動に対しましては、我々も積極的に支援してまいりたいと考えております。
 提案項目は37項目あり、そのすべてが本県にとって重要なのは十分認識しておりますが、今回はその提案内容の中から、特に3項目に絞って質問をさせていただきます。
 質問の前に、1点お願いをしておきます。
 一般質問の初日に、同僚である花田議員が近畿自動車道紀勢線の整備促進と公共事業についてという質問をされ、知事は、県としての今後の対応と決意を述べられました。
 私も、ことしの2月議会の予算特別委員会において近畿自動車道紀勢線田辺─すさみ間の整備の見通しについてを質問し、知事から誠意ある答弁をいただきました。
 知事も、さまざまな機会をとらえて、国が責任を持つべき道路の整備について、国などに対し和歌山の立場から直言していただいていることは十分承知をしております。
 知事が、近畿自動車道紀勢線の整備について常々言っている、これまで高速道路を初めとする幹線道路網は都市部から優先的に整備され、本県はいまだ高速道路の空白地である、高速道路を初めとする幹線道路網の形成は、企業誘致や観光振興、農林水産業の振興等、県民の将来のチャンスを保障するもの、東南海・南海地震への備えや高次医療施設への救急搬送時間の短縮の急務などは全くそのとおりであり、異論のないところでありますが、国はこのことをどのように受けとめているのでしょうか。新しい内閣が先週発足いたしましたが、地方の基幹道路の整備について、どのような対応をするのでしょうか。
 3月には、国として、社会資本整備の財源を2割削減するという方針が出されましたが、これにより、近畿自動車道紀勢線、京奈和自動車道を初めとする本県の基幹道路の整備に大きな影響があると考えます。平成27年の国体開催に向けて県としての適切な対応をしていただくよう、知事に重ねてお願いをいたします。
 それでは、まず最初に関西国際空港の機能強化についてお伺いをいたします。
 関西国際空港については、伊丹空港の騒音問題の抜本的な解決を図るため、昭和43年に運輸省が調査を開始し、当初の神戸沖案については、神戸市議会及び神戸市長が建設を反対したことにより、昭和49年、航空審議会が、大阪国際空港の廃止を前提として、その位置を大阪湾南東部の泉州沖の海上と答申して建設を行い、最初に話が出てから4半世紀の長い歳月をかけて、やっと建設された空港であります。国策として、また国主導でつくった空港であります。
 当初、泉州沖ということについては加太地区などの地元の反対はありましたが、和歌山県の調整により、和歌山県、大阪府、兵庫県による基本的な合意がされ、大変な苦労の末、動き出したものであります。また、我々も伊丹空港の廃止が前提であるとの認識のもとに新空港の建設に協力したにもかかわらず、伊丹空港の存続が平成2年に決定されたという経緯があります。
 大変な難産の末、海上空港として開港した我が国初の旅客・貨物の24時間運航可能な関西国際空港に一番機が飛来しましたのは、平成6年9月4日のことであります。
 和歌山市の北20キロの至近距離に位置し、和歌山県が大変な汗をかき開港実現に至ったという意味では、まさに和歌山の空港であります。当時は、これによりやっと念願の国土軸への直結、さらには国際軸への直結が図られ、県及び関西浮揚の中核となる国際拠点空港として発展することが期待できると将来の夢を描いていたところですが、現状は、開港当初の期待に十分こたえる姿には至っておりません。
 航空ネットワークを見ますと、国内旅行便では、一昨年4月には16都市へ就航していましたが、ことし4月には7都市に減っております。また、国際線旅客便についても、中国を初めとするアジア方面は伸びていますが、6月7日の新聞報道によりますと、アメリカ本土への就航は、関西─シアトル便が9年ぶりに復活し、サンフランシスコと合わせてわずか2都市になったということであります。これだけ見れば、このことだけに限ればうれしいことですが、ピーク時から見ますと大変寂しい感じがいたします。
 こういった中、国土交通省は、国家戦略として、本年10月には羽田空港の国際線の発着枠を6万回、平成25年までにさらに3万回増加させ、国際線網の充実と国内線と国際線の乗り継ぎ利便性の向上を図っていくと聞いておりますが、このような羽田空港の機能強化は、関西国際空港の国際線ネットワークに影響を与えるのではないかと懸念しております。
 また、昨年は、関空会社への政府補給金が、行政刷新会議の事業仕分けにより、伊丹空港を含めた抜本的解決策が得られるまでは政府補給金を凍結と評決されました。直ちに県議会は、12月定例会で「関西国際空港に係る平成22年度補給金の凍結解除を求める意見書」を議決し、これを政府に提出し、撤回を求めました。政府補給金は、75億円で予算化されたものの、その執行も凍結されました。ようやく今月3日に執行凍結は解除されたとのことですが、こういった政府の対応は、関西国際空港の重要性を考えますと大変遺憾であります。
 一方、近隣諸国に目を向けますと、関西国際空港より後に開港した上海浦東国際空港や韓国・仁川国際空港などは、国家戦略により、競争力のある着陸料の設定や都市部へのアクセス交通の整備などにより、アジアのハブ空港へと成長しております。このままではアジアの空港との差は広がるばかりであり、私は、現在の関西国際空港のありように非常に危機感を抱いており、関西国際空港の強化に政府がもっと積極的に取り組むべきだと考えております。
 議会初日に知事から国土交通省が関空のバランスシート改善の方向性を打ち出したとの説明がありましたが、関西国際空港の機能強化について知事はどう考えているのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、東南海・南海地震対策の推進についてお伺いします。
 我が国最大の半島である紀伊半島に位置する和歌山県は、リアス式の海岸線が約650キロメートルに及ぶなど、美しい自然を有している反面、常に自然災害の脅威にさらされております。実際、大型台風や集中豪雨による風水害や土砂災害が毎年のように発生しております。
 自然災害のうちでも、特に東海、東南海・南海地震の発生について、今世紀前半に発生する可能性が極めて高いと言われており、その対策は喫緊の課題であります。東海地震では、予知体制が確立しており、予知を前提とした体制整備を行っていると聞いております。これに対して、東南海・南海地震では、予知体制を確立し、東海地震と同様の体制整備を行う予定はあるのでしょうか。予定があるとすれば、そのスケジュールはどうなっているのでしょうか。
 また、国の大規模地震対策としては、東海、東南海・南海、日本海溝、首都直下の4つがあり、現在、国が東海、東南海・南海地震が一度に発生した場合の対策について検討中であるとのことです。東南海・南海地震については、国で応急対策活動要領が策定され、本県でも和歌山県地域防災計画に基づき、地震の発生に備えております。
 大規模災害発生時には、県だけで対策を行うことは無理であります。県民の生命、財産を守る観点からも、活動要領の示すとおり、自衛隊を初めとした国の機関の支援を迅速かつ的確に受けることが肝要であります。
 そのためには、日ごろから国と県が連携し、災害が起こったときに計画どおりの支援が行えるかどうかの検証をしておく必要があります。東南海・南海地震に備え、国と連携した訓練の取り組み状況はどうなっているのでしょうか。また、東海・東南海・南海地震の3連動に対する本県の対策はどうなっているのでしょうか。
 以上のことについて、危機管理監にお伺いいたします。
 万が一、大規模地震等の災害が発生してしまった場合、紀南地方の海岸べりに住んでいる者として心配しているのは、それらの事態に対応できる基盤整備がきちんとできているかどうかということです。
 例えば、交通が遮断されて、空からの救援または海からの救援に頼らなければならない事態が生じたときに、その事態に対応する基盤整備は十分にできているのかどうか。特に、港湾、漁港、堤防等の整備について耐震、津波等への対応が十分できているかどうかについて、当局の答弁は今回は求めませんけれども、国、県として確実かつ的確に対応していただくよう要望をさせていただきます。
 次に、携帯電話エリア整備の推進についてお伺いします。
 携帯電話の契約者数は、平成19年には1億回線を超え、直近の本年5月末現在では1億1318万500回線と、増加の一途をたどっております。また、通話だけでなく、インターネット接続や電子メールなど端末の進化も目覚ましいところであります。その結果、今では携帯電話は最もよく利用される通信手段となり、私たちが快適で安心・安全な生活を送るために必要不可欠なものとなっています。
 しかしながら、和歌山県は山間部が多く、いまだに携帯電話のつながらない地区があります。特に、紀南に住んでいる者として、紀南には携帯電話が通じない地域がまだまだたくさんあると感じています。最近まで私の家でも携帯電話はつながりませんでしたし、特に古座川町ではいまだにつながっていない集落が多くあり、住民の方々から切実な要望をよく耳にします。県民生活の利便性の向上という意味で携帯電話エリア整備は非常に重要なテーマであり、携帯電話は、もはや我々の生活に欠かせないものとなっております。
 そこで、県内の携帯電話エリア整備の現状と今後の整備について、県の見解を企画部長にお伺いいたします。
 最後に、情報関連で1点だけ要望しておきます。
 ラジオの難聴対策についてであります。
 自宅から和歌山に来る際に、国道42号を車で走って私はいつも思うのですが、白浜町の手前までは、串本町の市街地等を除き、ラジオをクリアに聞くことができません。白浜町に近くなって、やっとよく聞こえるようになります。また、古座川町の奥のほうや那智勝浦町色川地区など、ラジオが聞きづらい地域が東牟婁郡内、また紀南にはまだまだ多くあります。
 大規模災害のときだけでなく、災害でない停電時においては、ラジオからの情報は欠かすことのできないものです。大規模災害発生時に孤立集落の通信を確保するために無線機、衛星携帯電話を配備していることは非常にありがたいことですが、現況のラジオの難聴対策についても、住民生活に必要不可欠という観点から県として積極的に対応されるよう要望をして、私の一般質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(坂本 登君) ただいまの谷洋一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 関西国際空港は、24時間運用が可能でありまして、十分な潜在力を有しているにもかかわらず、その能力を発揮できていない。その原因の多くは、1兆円を超える有利子負債のために関西国際空港株式会社の経営が縛られ、高い着陸料など航空会社にとってコストが高くつく、そういう空港になっているということに1つはあると思います。
 この問題の解決策については、先般、国土交通省の成長戦略会議の中で、関西国際空港と伊丹空港の経営統合などにより関西国際空港株式会社のバランスシート、すなわち端的に言いますと、1兆円を超える有利子負債を改善しようという方向性が打ち出されました。さらに、この中で、関西国際空港を首都圏空港と並ぶ国際拠点空港として再生する必要があるとの認識も示されております。
 それならば、やることは2つございまして、1つは財務体質を改善するということで、方向性が出たということは評価したいと考えております。
 もう1つは、ハブ空港に必要なスポークス、すなわち十分な数の国内便と、それから近隣諸外国への便、こういうものを確保できるような、そういうハブ空港が発展するハブ空港だと思うわけであります。その努力もせにゃいかんと思います。
 私は、関西の発展のためには、ハブ空港がどうしても1つ関西に必要であり、ハブ空港になり得るのは、だれが考えても関西国際空港においてほかはないわけであります。
 このため、伊丹空港が不便になるということを我慢してでも、関西国際空港をみんなで盛り立てなきゃいけない、その必要があると、これまで国に対しても、また近隣の各県の人に対しても、とりわけ関西3空港懇談会などでも常々訴えてまいりました。
 これからも、国の戦略として関西国際空港を首都圏空港と並ぶ国際ハブ空港に発展させるよう、あらゆる機会をとらえて粘り強く訴えてまいりたいと、そんなふうに考えております。
○副議長(坂本 登君) 危機管理監前硲健作君。
  〔前硲健作君、登壇〕
○危機管理監(前硲健作君) 東南海・南海地震対策の推進についてお答えいたします。
 まず、予知体制の確立についてでございますが、現在、東南海・南海地震想定震源域におきまして、文部科学省、それから独立行政法人海洋研究開発機構による、海底における地震・津波監視観測システムの整備が進められております。
 三重県尾鷲市沖の東南海地震想定震源域での整備が完成に近づき、これまで県から要望しておりました南海地震の想定震源域である和歌山県沖での整備が、本年度から着手されることとなっております。
 県としても、このような監視観測システムは将来の予知体制の確立につながるものと大いに期待しており、早期の監視観測システム完成とあわせ、予知体制の確立についても、引き続き国に要望して働きかけてまいります。
 また、災害時に国や県、市町村が有効な対策を実施するためには、議員御指摘のとおり、常日ごろから訓練を行い、計画の実効性について、きちんと検証を行う必要がございます。
 県では、毎年、防災総合訓練を実施しており、訓練には陸上自衛隊や海上保安庁など国の機関にも参加をいただき、実際の災害に備えた連携を図っております。
 昨年9月、自衛隊が行った東南海・南海地震への対処訓練では、県もあわせて図上訓練を実施したところでございます。
 また、東南海・南海地震対策としては、現在、国に対して、大阪に設置される予定の緊急現地災害対策本部との連携強化のための訓練実施を働きかけており、今後も国と連携したさまざまな訓練を実施したいと考えております。
 また、国の東南海・南海地震の大綱は、平成15年12月にできたものであり、策定当時から東海地震との連動のおそれが指摘されております。県といたしましても、この3連動の脅威に対応すべきと考え、国に対して、これに対応する新たな大綱の早期策定について提案を行ったところでございます。
 今後も、国及び防災関係機関と課題の検証、訓練等に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(坂本 登君) 企画部長柏原康文君。
  〔柏原康文君、登壇〕
○企画部長(柏原康文君) 携帯電話エリア整備の推進についての御質問にお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、本県には山間部を中心に携帯電話を利用できない不感地区が残っており、その解消が課題となっています。そのため、県では平成19年3月に「携帯電話つながるプラン」を策定し、県内の不感地区解消に積極的に取り組んでまいりました。
 その結果、平成19年度から平成21年度末までの3カ年で県内123カ所において不感地区を解消し、県内における携帯電話の人口カバー率は99.8%に達するに至りました。しかし、依然として不感地区は91カ所残っており、約1800人の住民が携帯電話のエリア外に居住しています。
 今議会において、このうち3カ所の整備のための補正予算をお願いしているところでございますが、残された地域は、1カ所当たり人口も平均20名と極めて少ないことに加え、鉄塔から交換局までの光ファイバーの距離が長くなり、その維持費がかさむことから、携帯電話事業者にとって進出が困難な地域となっています。
 そこで、県では、本年度の政府提案において、不感解消の最大の障害となっている光ファイバーの維持費に対する国の支援制度の拡充を強く要望してきたところでございます。
 今後とも、市町村とともに携帯電話事業者に対しても進出を強く働きかけながら、残された不感地区の解消に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(坂本 登君) 再質問を許します。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(坂本 登君) 以上で、谷洋一君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時19分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○議長(冨安民浩君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 45番野見山 海君。
  〔野見山 海君、登壇〕(拍手)
○野見山 海君 それでは、通告に従いまして3点質問をさせていただきます。
 その前に、4月20日に発生した宮崎県内の口蹄疫で、約27万5000頭の処分をするという家畜農家にとっては大きな打撃を受けられ、さらに県内の経済にも大きな影響が出ています。一日も早く終息されることを願うものであります。関係者の皆さんに心よりお見舞い申し上げます。
 また、和歌山県よりいち早く職員を派遣され、対応されたことに心から敬意を表します。
 昨年の8月の総選挙で政権交代が実現し、そして3党連立政権が誕生して、国民の皆さんは国民の目線で政治を期待しましたが、政治と金、沖縄県の基地問題で3党連立政権の枠組みが崩れたことはまことに残念でなりません。
 そして、菅政権が誕生しました。クリーンな政治、経済浮上、雇用創出など、また事業仕分けで見られるように、無駄な財源の見直しに取り組んでいただくことを強く望む一人であります。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 文里湾架橋構想についてであります。
 田辺市の文里湾に新しい橋をかけ、田辺市新庄地域の交通渋滞の根本的な解消と観光客誘致、命の道、文里湾架橋構想を提唱させていただき、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
 紀南を訪れる方々はよく御存じでしょうが、新庄地域の田鶴というところは、田辺市南から上富田町、白浜町富田、日置方面から国道42号を通り田辺市街地に入る入り口に当たり、ここに白浜から田辺に入る県道南紀白浜空港線、旧有料道路が交差いたします。周辺地域から田辺市街地に通勤する車や、逆に田辺市市街地から周辺地域に出かける車で、朝夕、交通渋滞が慢性化しているところであります。加えて、世界遺産登録以降、増加した観光バスや観光目的の車が渋滞に拍車をかけております。
 こうした渋滞は、生活面での支障にとどまらず、南和歌山医療センターや紀南病院への救急医療の搬送にも大きな影響を及ぼしかねない状況であります。
 私は、こうした状況を根本的に解決するには、文里湾架橋をかけ、田辺市の進入道路のアクセス道路を確保する必要があると考えております。
 文里湾架橋構想は、過去にも行政、商工会議所、地元選出の県会議員などの間で議論され、構想実現へ取り組まれた経緯がございます。
 この構想は、文里湾に海上保安庁の巡視船が係留され、巡視船が行き来するため、橋の高さを巡視船のマスト以上に高くしなければならないという制約がありました。
 当時の案では、新文里港南端から海中高架で高度を上げ、文里湾入り口の外側に橋をかけ、対岸に渡って大きく迂回して、跡之浦地域の住宅街を横切り、神島台の信号に出るというもので、この構想に進展がなく、実現しなかったと聞いております。その当時の事業費は、約130億円と言われています。
 私は、巡視船の係留場所を文里港から新文里港に移せば橋の高度も下げられると考え、海上保安庁へ赴き、検討してもらった結果、海上保安庁としては、巡視船に関しては、設備条件が整えば新文里港に係留場所を移しても構わないとの話でした。巡視船のマスト高の必要性がなくなり、ルートも単純化でき、事業費も安く抑えられると思います。
 昨今の財政事情の中で、すぐに実現できるとは考えておりませんが、田辺市にとって、この架橋の意味するところは大きいものがあると思います。
 新しい湾岸道路が実現しましたら、新庄地域の交通渋滞の解消だけでなく、観光誘致にも大きな役割を果たすことができます。年間300万人の観光客が白浜に来ると言われておりますが、そのまま帰らないで、湾岸道路のルートに乗って扇ヶ浜ビーチや南方熊楠顕彰館、天神崎の田辺市の観光拠点を、また田辺祭、弁慶まつりに訪れることができます。
 あわせて、南和歌山医療センターへの救急車の搬送もスムーズになり、単なる交通渋滞の解消だけではなく、観光や医療面でも、地域振興策として大きな役割が期待できます。
 私が地域を回りますと、住民の皆さんが実現を期待していることを肌で感じました。過去の経緯を踏まえ、文里湾架橋構想につきまして、知事の思いを伺い、加えて、田辺市にお越しのときは一度現地に訪れてほしいと願うものであります。
 続きまして、第70回和歌山国体の取り組みとスポーツ施設の活用についてお伺いいたします。
 先月、第70回和歌山国体の愛称が「紀の国わかやま国体」に、そしてスローガンも「躍動と歓喜、そして絆」と決まりました。国体の愛称が決まったことにより、国体のムードも一段と高まった感じがいたします。
 また、大会の競技別会場となる各市町村別の2次選定もほぼ終わり、あとは各会場の改修計画の立案と具体化が急がれる段階となっております。
 さて、私の住む田辺市も、サッカー、ボクシング、軟式野球、弓道の会場となっております。特に、サッカー、ボクシング会場として予定されている南紀スポーツセンターの改修が大きな課題となっており、地元県会議員ともども、力を合わせてその実現に取り組んでまいったところであります。
 過日、県と田辺市との間で南紀スポーツセンターの改修について話し合いが持たれ、ほぼ計画案がまとまったと伺っておりますが、地元住民としては、具体的などういう青写真を描かれているのか気になるところであります。
 また、南紀スポーツセンターは、サッカーやボクシング会場だけではなく、陸上競技場としても整備されると聞いております。これについては、私は、昨年の2月議会で少なくとも高校生の公認大会が開ける第3種陸上競技場としてほしいと要望いたしました。スポーツ関係者からも、3000メートル障害物競走ができ、電気計時判定システムが配置された陸上競技場としてほしいということです。ぜひとも実現を願うところであります。
 今後、用地買収や着工及び完成時期等のスケジュールについてお伺いいたします。また、完成後の施設の活用についてもお伺いいたします。
 国体用に整備されるスポーツ施設ですが、せっかく立派な施設ができるのでありますから、この施設が地元の活性化に結びついてこそ生きてくるものと思います。地元のスポーツで活性化を図り、青少年の体力向上に役立てることはもちろんですが、高校や大学、社会人スポーツの合宿所として活用し、広く県外からの競技者を誘致する計画を進め、和歌山スポーツ王国を目指してはどうでしょうか。
 私は、ことしの4月、広く県外や韓国からスポーツ選手を受け入れ、スポーツ施設を合宿場として開放している鹿児島県の実情を視察してまいりました。
 鹿児島県では、平成18年度から、スポーツ観光王国かごしま確立事業を立ち上げ、県観光課の中に事務局を設け、市町村や観光協会など、ともに連絡をとりながら県連絡会を組織して、その活動に当たっています。
 合宿誘致対策として、関東、関西、福岡などの旅行エージェントへの働きかけのほか、関西、福岡では、大学生に案内状を送り、合宿セミナーを開き、重点的な誘致活動を展開しております。また、合宿だけではなく、大会誘致、野球、サッカーのプロスポーツのキャンプ場としても誘致活動を進め、観光誘致に力を入れ、幅広い対策をとっているのが特徴でありました。
 この事務局では、2年に1回、「かごしまスポーツ合宿ガイド」を作成し、誘致活動に生かしております。この結果、鹿児島県では、平成16年度には約60万人だった県外からの合宿者が平成20年度には84万人となり、合宿誘致人数は確実にふえております。
 和歌山県国体の愛称に「紀の国」とつけたことには、県民に親しまれるだけでなく、紀の国を全国に発信したいという趣旨が盛り込まれていると思いますが、国体を契機に、その後も合宿誘致活動など通じて、紀の国を全国に発信し続ける必要があろうかと思います。県としてどのような、国体開催後のスポーツ施設活用施策をどうお考えになっているのか、知事にお伺いいたします。
 次に、和歌山県の人口減対策についてお伺いいたします。
 このほど、県の調査統計課から、ことしの4月1日現在の和歌山県人口調査の結果をいただきました。それによりますと、和歌山県の人口減少傾向はとどまることなく、前年度比6282名減少して、ついに100万1515人という100万人割れ寸前まで来たということであります。
 人口動態で見ますと、出生数から死亡数を引いた自然増減はマイナス4288人ということで、平成10年以降、自然減少幅が拡大し続けております。これは、本県が抱えている少子高齢化現象が、そのまま数字にあらわれているものと考えます。
 一方、転入者数から転出者数を引いた社会増減もマイナス1994人で、15年連続し減少傾向が続いており、本県の人口は、自然減と社会減という二重苦にあえいでおります。恐らく、このままいきますと本県の人口が100万人を割るのも時間の問題で、本年度中に100万を割るんではないかと心配をするところであります。
 日本の社会が人口減少に転じたことから、政府は次世代育成支援対策推進法を成立させ、これに基づき本県でも、平成17年度から5年間の和歌山県次世代育成支援行動計画「紀州っ子元気プラン」をまとめられ、また昨年度は、「新紀州っ子元気プラン」とした新たな見直しをしたと聞いております。
 安心して子供の出産から子育てまで幅広く支援していくという取り組みは、単なるスローガンだけではなく、具体的な数値目標を掲げた点が画期的なことで、その姿勢に私も大きな期待を寄せた一人であります。
 県においても、本プランに基づき、子育て環境づくりのため施策に取り組んでこられ、前期計画での目標値を多くの項目で達成できたと伺っております。
 しかしながら、少子化の傾向は依然として改善される状況になく、全国的に見ても、本県においても、出生数は減少の傾向にある状況であります。
 少子化対策については、福祉、医療、教育対策に限らず、企業誘致や雇用、地場産業の育成など広い分野に及ぶものでありますが、その中でも大きなウエートを占める子育て環境づくりの推進に関し、本プランにおいては、どのようなことを課題としてとらえ、今後どのような取り組みを展開していこうと考えておられるのか、福祉保健部長にお伺いいたします。
 また、100万人を切ろうという本県の現状を仁坂知事はどうとらえ、本県の人口減対策をどう進めようとされているのか、お伺いいたしたいと思います。
 以上をもちまして、1回目の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(冨安民浩君) ただいまの野見山海君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員御提案の文里湾架橋構想についてお答え申し上げます。
 議員の御指摘により、渋滞の解消、それから白浜・田辺の一体性、そういうものが目的であるというお話でございました。
 国道42号線の田鶴交差点における渋滞の緩和につきましては、交差点改良による対策を、現在、国に働きかけているところでございます。さらに、抜本的な対策としては、現在全力で取り組んでいる近畿自動車道紀勢線の田辺から白浜、すさみまでが供用されることで、渋滞のほうは少し解決するものであろうかと考えております。
 その上で、高速道路の供用後の交通状況を勘案し、議員御指摘のように、渋滞や観光振興、救急医療体制の観点から、将来的に検討させていただきたいと考えております。
 続きまして、南紀スポーツセンターでございます。
 南紀スポーツセンターは、国体開催時は競技会場として活用する、これはもちろんでございますが、国体開催後は、御指摘のように、県内外からのスポーツ合宿等を促進するとともに、地元の競技者にも記録会や競技会への活用や、あるいは青少年の宿泊研修等にも幅広く活用、利用を図るなど、紀南地方のスポーツ振興の拠点施設として、地元田辺市とも連携しながら効果的かつ効率的に活用してまいりたいと、そういうふうに思っております。
 次に、和歌山県の人口減対策でございます。
 和歌山県のみならず、全国的な少子化の流れが続いておりますが、本県人口が100万人を切ろうという現状につきましては、本当に残念なことでありますけれども、長年の趨勢を急に変えるということはできませんので、真実を県民に語るという意味で、長期総合計画においても、このことは織り込んでおります。
 しかも、趨勢では実はうんと減るということになりますが、政策や対策を──長期総合計画にあるような対策を総動員して、減り方を少しでも少なくしようということが長期総合計画の目標であります。
 御指摘のように、人口減を食いとめたいというふうに思っておりますけれども、人口増減には社会増減と自然増減があります。
 社会増減は、これは社会減を減らし、何とか歯どめをかける。そういうことは、すなわち働く場所をふやすということだと思います。このため、企業誘致や、あるいは技術開発や販売促進、そういった形での産業振興、それから観光の振興、農林水産業の振興、移住交流の促進、そういうものをすべて、皆このための政策でございます。すなわち、こうして元気な和歌山を実現していくということが社会減を食いとめ、あるいは社会増に転じていくようなきっかけになるんではないかと考えて、全力を尽くしております。
 かつ、自然増減についても、自然増もできるだけ達成していこうということで、子育て環境No.1わかやまの実現を目指すような、子育てと仕事の両立支援等の取り組みとか、そういうことをいろいろと配慮して頑張っているところでございます。
 議員御指摘の人口減対策につきましては、元気な和歌山を創造する上で大変重要な課題あるいは最終的な目標、そういうものと認識しておりますので、これまでの政策の効果を常に検証しながら、いつも一番効果的な施策について全庁挙げて検討してまいりたい、そんなふうに考えております。
○議長(冨安民浩君) 商工観光労働部長岡本賢司君。
  〔岡本賢司君、登壇〕
○商工観光労働部長(岡本賢司君) スポーツ合宿誘致についてお答えいたします。
 リピート性や長期滞在の可能性が高いスポーツ合宿を誘致することは、スポーツ施設や宿泊施設の利用促進が図られ、観光の振興や地域の活性化に結びつくものであり、非常に重要であります。
 このことから、本県におきましても、スポーツ施設や宿泊施設の情報を掲載した「スポーツ王国わかやま合宿ガイド」やそのホームページを作成し、旅行会社やマスコミ、大学やスポーツ競技団体等へのプロモーションを積極的に展開しているところです。
 紀の国わかやま国体の開催を5年後に控え、各スポーツ施設の新設や改修が予定されておりますが、南紀スポーツセンターを初め、これらの充実した施設を有効に活用するスポーツ合宿の誘致に向け、教育委員会や市町村、競技団体等との連携を強化し、さらに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(冨安民浩君) 福祉保健部長西上邦雄君。
  〔西上邦雄君、登壇〕
○福祉保健部長(西上邦雄君) 紀州っ子元気プランについてでございますが、議員の御質問にございましたように、昨年度、前期計画の成果や子育て環境の変化を踏まえまして、平成26年度までを目標年次とする後期計画として見直したところです。
 当該計画の見直しの中で、特に配慮が必要ということで御意見をいただいたのは、出産後も就労を希望する女性の増加、子育て家庭の経済的な負担感の増加、そして子育て家庭の孤立化などといった点でありました。
 子育て支援のための事業は着実に進んでいるとはいえ、子育て環境については、まだまだレベルの高いものを目指さなければならないと考えております。そういった意味からも、ワーク・ライフ・バランスの推進や地域の子育て力を高める事業などの施策を一層強く推し進めてまいります。
 議員の御指摘のとおり、少子化対策はさまざまな分野に関連いたしますので、子育て環境の整備だけではどれほどの成果につながるか明確ではありませんが、核家族化の進展や仕事を持つ女性の増加などを考えれば、社会全体で子育て家庭を支援するという視点は欠くことのできないものとなっております。
 今後とも、行政のみならず、企業や教育機関、民間団体等とも連携をしながら子育て環境を整備し、本県の少子化対策、人口減対策の一翼を担ってまいりたいと考えております。
○議長(冨安民浩君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 南紀スポーツセンターの改修についてお答えいたします。
 南紀スポーツセンターは、サッカー、ボクシング競技の国体会場に選定されてございます。
 陸上競技場は、現在6レーンの土の走路でございまして、国体開催後の南紀のスポーツ振興を考慮し、日本陸連公認の第3種陸上競技場として8レーンの全天候に対応した走路とし、体育館は、ボクシングの国体基準であります1400平米以上のアリーナを計画しております。
 また、管理棟、宿泊棟などの施設につきましては、体育館との効率的な整備を行いたいと考えております。
 なお、今後のスケジュールにつきましては、国体開催に間に合うのはもちろんのこと、少しでも早く整備をし、本県競技者の競技力の向上に寄与したいと考えてございます。
 以上です。
○議長(冨安民浩君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 再質問を許します。
 45番野見山 海君。
○野見山 海君 答弁ありがとうございました。
 第1点の文里湾架橋構想については、なかなか今すぐというわけにはいきませんが、私が言いたいのは、あの地域の市町村をひっくるめた観光誘致をするためにも、あの湾岸道路が必要じゃないかと。白浜の300万来るお客さんを田辺に呼び込むということも、本当に今、問われている課題ではないかと思います。
 昨年、扇ヶ浜の海水浴場が11万5000人、その前は5万人、倍以上にふえたような状況であります。そういった意味から、白浜からすぐ田辺の海水浴場を利用できるような形をつくることも大事ではないかと思います。
 もう1点は、南和歌山医療センターは、脳外科の診療科がありまして、一刻を争う手術をするためにも、患者の搬送は大切ではないかと思います。そういった意味で、命の道の道路整備がぜひ必要だと私は考えますので、そこらを今後の1つの課題として御検討していただきますことを強く要望しておきたいと思います。
 もう1点は、南紀スポーツセンターの整備については、県、市の関係者が議論なされ、大きく前進していることに感謝を申し上げます。一日も早い事業化、完成のために、私なりに地権者の皆さんに協力を呼びかけてまいりたいと思いますので、ぜひとも力を出し切っていただくことをお願いして、要望にかえさせていただきます。
○議長(冨安民浩君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で野見山海君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 15番平越孝哉君。
  〔平越孝哉君、登壇〕(拍手)
○平越孝哉君 議長のお許しをいただき、平成22年6月定例会一般質問最終日最後の質問者として、久しぶりに登壇をさせていただきました。議員の皆さんには多少お疲れの御様子でございますので、できるだけ簡潔に質問を終わらせたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 自民党から民主党への歴史的な政権交代から8カ月余りで鳩山由紀夫首相が退陣し、新しく民主党の代表になった菅直人氏が首相に選ばれ、8日夜には新しい閣僚が決まり、新内閣が発足しました。
 仁坂知事には、地方のことを大切にする施策を口だけでなく実行してほしい、地方重視と言いながら、当県のような地方がますますおくれていくような政策は改めてもらいたいとコメントを出されております。
 先日、県は、2009年度の新規就農者が、昨年度より46人多い193人と発表されました。これは、過去5年間で最多となり、雇用対策として県が昨年2月から進めてきた支援策が一定の成果を上げてきたものと評価するものであり、和歌山県長期総合計画の目標値に近づいたことは、まことに喜ばしいことであります。
 しかしながら、本県では人口の減少に歯どめがかからず、平成22年5月1日現在の和歌山県推計人口では100万1057人と、前年に比べて6345人も減少しており、100万人割れ目前の状況となる中、雇用情勢は依然として厳しく、第1次産業も低迷したままで、そういう現実を前にして「コンクリートから人へ」と言っても説得力がありません。高速道路の4車線化や農林水産の振興策にも力を尽くし、もっと地方を大切にしてもらいたいと思います。
 それでは、通告に従いまして一般質問を行ってまいります。
 まず初めに、県立医科大学と附属病院の役割についてお尋ねします。
 和歌山県立医科大学は、1945年2月に、県民の強い要望と国家的要請によって、和歌山県立医学専門学校として誕生した60有余年の歴史ある大学であります。この間、目覚ましい医学・医療の進歩とともに、多様化し高度化する社会ニーズに対応した地域の医学・医療の中核的役割を担う大学として、キャンパス・病院施設の整備、ドクターヘリの導入、法人組織化など、設備と機構の整備を図ってきました。
 また、医学教育においては、平成16年度に保健看護学部を開設、平成17年度には大学院医学研究科に修士課程を開設し、平成20年度には大学院保健看護学研究科及び助産学専攻科を開設するなど、医学系総合大学として充実を図ってきています。
 さらに、平成22年度から医学部学生定員が100名となり、深刻化する医師不足対策と大学の機能充実に向けた取り組みを開始しております。
 また、和歌山県から、世界初の全身麻酔で乳がん摘出手術に成功した華岡青洲、日本で初めて種痘に成功した小山肆成、世界的博物学者南方熊楠など多くの偉人を輩出しており、初代学長古武彌四郎先生も世界的に有名な生化学者であったと聞いております。
 この医科大学の使命は教育、研究、臨床の3点であると考えますが、和歌山県立医科大学と附属病院の役割についてどのように考えておられるのか、知事にお伺いします。
 次に、地域医療と医師不足についてお尋ねします。
 地域医療を支える自治体病院の赤字が膨らみ、存続の危機に立たされております。少子高齢化を迎え、県民が安心して生活を送る上で、地域における医療体制の確保が極めて重要な課題となっております。
 しかし、我が国における医師数は毎年増加しているにもかかわらず、地域における医師不足が全国的に報告されており、和歌山県も同様であります。
 医師不足と言われておりますが、実際は勤務医不足であると考えます。県内の病院、特に公立病院の医師不足は、地域住民の病気のときの入院、健康対策に大きく影響します。
 県の医師数は、平成20年12月末現在2601人であり、年々増加しております。人口10万人当たりでは257人と全国平均を上回るものの、和歌山市の医師数は1415人で県内医師数の54%を占め、人口10万人当たり381人と、和歌山市への集中化が生じております。このことから、和歌山保健医療圏を除く県内の多くの保健医療圏が全国平均を下回るという状況にあります。このように、依然として医師の地域偏在が顕在化しております。
 また、小児科や産婦人科などの特定診療科のほかにも内科などでも医師不足の傾向にあり、地域医療に大きな影響を与えています。県内でも、特に地域医療の中核として高度医療や救急医療、僻地医療など、地域医療を支える拠点病院の勤務医師不足は深刻であります。
 私の地元である紀北地区では、公立病院として橋本市民病院と和歌山県立医科大学附属病院紀北分院があります。両者とも、地域の中核病院として存在してきました。
 しかし、ここ数年、橋本市民病院が移転し、紀北分院の建てかえ再建計画により、地域住民の不安の声を聞きます。
 特に、両者の内科医不足は、入院患者の受け入れ不足につながっています。県内でも、紀北分院は、勤務する内科医の数が少ないと聞きます。地域の方々にとっては、重篤な病気では公立那賀病院や大学病院へ行くのは納得できるのですが、軽症の入院のときは地元で治療したいと考えています。紀北分院の診療の充実は、高度医療ではなく地域医療という観点から喫緊の課題ではないでしょうか。同様に、橋本市民病院の内科医不足も問題であります。
 地域医療は、地域、病院だけに任せておいては無理が生じます。住民の数、地域における病院、医師の数、また、病院内部における医師の数、診療科、医師の年齢構成など、さまざまであります。
 医療は地域にとって欠くことのできない最も重要な社会資源であり、県民がどこに住んでいても安心して良質な医療を受けることができる環境を確保することが必要であります。
 仁坂知事は、就任以来、県民の命を守ることの重要性を認識され、先頭に立って医師不足対策に取り組まれた結果、新宮市立医療センターに対する国の緊急医師派遣に基づく産婦人科医師の派遣や県立医科大学の入学定員の増員など、地域医療の維持に大きな成果を上げられました。
 しかし、先ほど申し上げましたとおり、地域医療を取り巻く環境は大変厳しい状況でありますことから、県としても引き続き医師確保対策に全力を挙げて取り組むとともに、現状の医療資源を有効活用することができるよう、医療機関相互の機能分担やネットワーク化を進めることにより地域医療体制を守ることが必要であります。
 そこで、医師不足を解消し地域医療を守るため今後どのような対策に取り組まれるのか、福祉保健部長にお伺いをします。
 続きまして、橋本保健医療圏での紀北分院の役割についてお尋ねします。
 紀北分院につきましては、2月議会で門議員も要望されており、その中でも、紀北分院をよくしていこうということで設立された女性を中心とした民間ボランティア団体あすなろ会の話もありましたが、私も、そのあすなろ会の会員の皆様や地元自治会の皆さんからも要望を受け、板倉新学長就任直後、あすなろ会の幹部の皆さんに同行し、大学において紀北分院の将来ビジョンをお聞きした後、外科やレストラン、病室の環境整備等、数々の要望を申し上げ、地域医療の核として一層の充実、発展を願った次第であります。
 紀北分院は、開院以来70年余り地域医療の拠点病院として大変重要な役割を果たし、地元に十分寄与してまいりました。この分院について、老朽化した建物を現地で建て直し、この秋に新たに開院されますが、地元においては大きな期待を寄せる一方、地域住民の不安の声も聞きます。
 そこで、私は、機会あるごとに紀北分院のあるべき姿について提言してまいりました。県立医科大学が有する高度な医療技術、高野山大学の持ついわゆる心の治療を組み合わせた先端的な医療の拠点として紀北分院を整備することがふさわしいのではないか、また、各診療科が専門的な医療を行う本院と違い、診療科の間で横の連絡を密にした取り組みができるのではないか、これが実現可能な場所と規模ではないかと提言いたしました。具体的には、高野山大学の先生方による、患者さんを対象とする心の持ち方講座の開設や、県立医科大学生、看護師を対象とする心の教育の開始、総合診療の提供などであります。
 新たな紀北分院においては、高野山大学と連携した研究を行うことも予定されており、私の提言の趣旨が取り入れられたことについては大変うれしく思っておりますし、紀北分院が将来大きな成果を上げ、地域に密着した分院として発展していくことを強く願っているところであります。
 また、基本計画では、分院の地域医療における役割と、分院が大学附属病院であることから、和歌山県全体を視野に入れた特徴のある医療と医療従事者の教育に力を入れるとのことでありますが、医学生に地域医療の実際を教えるのも大切であります。
 しかしながら、建てかえ後の紀北分院の基本計画では、病床数が、内科系45、脊髄系35、緩和ケア20、感染症4の合計104床と縮小し、一般外科についても廃止する計画であります。
 紀北分院の属する橋本保健医療圏には高齢者が多く、今後さらに高齢化が進むということも考え、紀北分院には、夜間救急診療体制を初めとして地域医療に対して果たすべき役割があるのではないか、また、地域住民にこたえるべき責務があるのではないかと思います。
 そこで、紀北分院が地域医療に対して今後どのように貢献していけるのか、また外科なしでその対応が可能かどうか、福祉保健部長にお伺いします。
 次に、2点目でありますが、農水産物等の県産品の国内外への販路開拓と販売促進についてお尋ねします。
 御承知のとおり、本県は、温暖な空気を生かし、梅、桃、柿、ミカンといった果樹を中心とした農作物の栽培に取り組み、果実産出額全国第2位を誇る果樹王国であります。
 しかしながら、現在の農業経営は、担い手不足や高齢化、耕作放棄地の増加といった課題を抱えるとともに、果樹等の国内市場は、少子高齢化や嗜好の変化により縮小傾向にあるといった問題を抱えております。
 私は、従来より、その年々の農産物のできや販売額が生産者の生活を大きく左右すると言っても過言ではない本県にとっては、生産対策とともに販売対策がますます重要になってきていると考えております。
 こうした中、本年3月27日と4月25日の2回にわたり、県内各地で発生した低温により、梅、柿を中心とした農作物において、果実の組織が壊され、傷がついたり黒ずむなどの甚大なる被害を受け、生産農家の生活に深刻なダメージをもたらしております。
 一方、6月1日、県立医科大学の宇都宮洋才准教授と国立和歌山工業専門学校の奥野祥治教授が、本県のブランド農産物南高梅の梅干しから新型インフルエンザウイルスの増殖を抑制する新しい化合物を発見したと発表。直後の6月2日、NHK総合テレビの番組「あさイチ」で梅の医学的効果が紹介され、全国から梅エキスの注文が相次いでいると報じられたところであります。
 ここで、私の地元、九度山町の主たる農作物であります柿についてでありますが、皆さんも御承知のとおり、生産量日本一を誇る和歌山の柿は、伊都地方、紀の川市の特産品であります。以前放映されたあるテレビの番組の中で、好きな果物について町行く人に聞いたところ、古くから親しまれてきた柿は、皮がむきにくい、黒い斑点が気になる、酸味がないなどの理由により、余り人気がなかったとのことです。
 そこで、その番組において、柿の秘められたパワーについての検証が行われました。柿の黒い斑点は渋み成分のタンニンが固まったもので、果肉は黒いほど甘い。また、柿が持つタンニンには強い消臭効果があり、においが気になる食べ物を食べた後には最適なデザートとの内容でもありました。それ以外にも、柿には、生活習慣病を予防するビタミンC、カロテン(通称カロチン)などの機能性成分が多く含まれ、健康果実であると報じられました。
 近年、我が国の果実消費が嗜好食品の増加や食の簡便化により減少し、健康等への影響が懸念されております。このため、現在、国、地方公共団体、関係団体等が中心となり毎日くだもの200グラム運動を展開しておりますが、これらの運動、報道が健康づくりや消費拡大に大きな効果をもたらすものと大いに期待をしているところであります。
 ところで、皆さん、柿の日があることを御存じでしょうか。柿の日は10月26日です。明治28年10月26日、正岡子規が奈良に滞在していたときに「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」と有名な俳句を読んだことにちなみ、全国規模で柿をPR、消費拡大、販売促進を図ることを目的に柿の日が制定されたと聞いております。
 今、柿農家を取り巻く環境は、生産者の高齢化や後継者不足による生産意欲の低下などにより、大変厳しい状況にあります。
 そのような中、九度山町では、富有柿の最盛期に当たる11月中旬に、生産者、消費者、教育関係者等、参加者が一体となって、柿の持つ魅力とパワーを再認識してもらうなど、九度山の富有柿をPRし、一層ブランド化を図るためのビッグイベントとして、3年前から「大収穫際IN九度山」が開催されております。
 農林水産部に食品流通課が誕生し、はや3年が経過しました。この間、県では、毎年、県農水産物・加工食品の販売促進戦略、アクションプログラムを作成し、和歌山県産品のブランド力の向上、販路開拓を図るため、国内はもちろん、海外市場への新たな取り組みも積極果敢に進められております。
 本年3月に千葉・幕張メッセで開かれたアジア最大級の食品見本市FOODEX JAPAN2010では、世界64の国と地域から食材や食品が出品され、国内外からバイヤー等約7万4000人が集まったと言われておりますが、本県は、この見本市で3年連続、自治体としては最も広いブースを構え、キャンペーンを展開しております。
 食品流通課の設立を機に販売策を大きく転換し、食品バイヤーが一堂に集まる見本市への出展を卸売市場とともに流通の最前線と位置づけ、アジアや欧米での大規模見本市のブースを販路開拓や販売促進につなげており、最近では、こうした食品流通課の活躍ぶりが報じられている新聞やテレビなど、マスコミ報道をよく目にするに当たり、ようやく軌道に乗り始めたことと実感し、大いに評価するとともに、今後ますますの成果を期待するものであります。
 我々議会も、県産品の販路開拓や販売促進を支援したいという思いは同じで、昨年度も食博やFOODEX JAPANなどの国内での販路開拓や販売促進活動に参加し、激励をしております。私も、平成19年10月の当時から、県農水産物・加工食品促進輸出協議会に参画させていただいております。
 協議会では、具体的に進む方向性の協議の場であるとともに、活発な意見交換や貴重な情報収集・提供の機会となっている総会、県内の生産者の輸出意欲向上を目的に開催している輸出促進セミナー、さらに昨年の10月には、現在は政情不安な状況が伝えられているタイの日系高級百貨店伊勢丹バンコク店でのJA紀北かわかみの柿を中心とした和歌山フェアに参加し、応援をさせていただきました。
 そこで、これまで国内外において、和歌山産水産農産物及び加工食品の販路開拓と販売促進に積極的に取り組まれた結果、どのような成果が上がっているのか、また、生産者の経営安定を図るため、今後どのように具体的な取り組みを進めていくのか、知事にお伺いをします。
 最後、3点目として、観光振興についてお尋ねをします。
 観光は、旅行会社、バス・タクシー会社、旅館や土産物店など直接関連する業種だけでなく、農林水産業や商工業などに幅広く効果を及ぼす総合的な産業であり、その振興は県経済発展の大きな原動力となるとともに、交流人口の拡大をもたらし、地域活性化に役立つものと考えます。
 また、和歌山県は、豊かな自然と世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に代表される貴重な歴史文化、さらには多彩な食材や温泉にも恵まれ、多くの観光客に親しまれてきました。
 しかし、近年、観光客の志向や旅行形態の変化に十分対応できず、恵まれた観光資源を生かし切れていないなどの理由により、観光地としての本県の地位が相対的に低下しているのではないでしょうか。
 県としても、知事みずからが陣頭指揮をとって策定した和歌山県長期総合計画において、「和歌山の魅力を磨き売り出す」、「和歌山に招く」、「和歌山でもてなす」という3つの柱を挙げ、「癒しと感動を与える誇れる郷土和歌山」を目指し、近年では、ほんまもん体験を活用した修学旅行の誘致などの施策も積極的に展開していますが、観光立県和歌山を実現するためには、さらなる取り組みが必要と考える。
 また、観光振興にとって何よりも大切な、県民1人1人が観光の重要性を認識し、おもてなしの主人公となるなど、観光振興の担い手として、県や市町村などと一丸となって取り組んでいただくことが重要だと思います。
 去る4月、日本商工会議所は、「観光立“地域”による観光立国の具体化を目指して」と題する提案をまとめ、観光庁に提出しました。提言では、地域のすぐれたもの、特色である光と個性を生かした新しいまちづくりと一体となった観光振興を推進することが重要であると強調し、その上で「観光立“地域”」を提唱しており、その実現のため、まちづくりと連動した観光コンテンツづくり、的確な情報発信とマーケティング戦略に基づく観光競争力の強化、人材育成を含む観光基盤整備に取り組むべきだと示しました。
 本年4月1日、本県においても議員提案による和歌山県観光立県推進条例が施行され、県民を挙げて観光の振興に取り組もうという方針が示されたところであり、日本商工会議所の提言にある「観光立“地域”」という考え方と合致しているものであります。
 私は、本県の経済活性化のため、観光振興は、ぜひとも推進しなければならないと考えております。
 また、現在、奈良県で平城遷都1300年祭が開催されており、多くの人が訪れています。今後、高野山においても、高野山開創1200年記念大法会が平成27年4月から5月において開催されます。この機会を生かして、高野エリアの観光振興を図るべきだと思います。
 この高野町は、1200年前、弘法大師空海の高野山開創から明治初期まで、総本山金剛峯寺の寺領として管理された町で、1200年の悠久の時を超えた密教文化、世界に類のない山岳宗教都市で、すばらしい文化、伝統、自然の中で訪れる人に安らぎと感動を与える場所であり、古くから多くの参拝客が訪れ、平成16年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産への登録を契機に、外国からの来訪者も多くなったと聞いております。
 平成21年の和歌山県を訪れた観光客動態調査結果でも、前年と比較し増加しており、また、外国人の宿泊者数についても前年と比べ増加しております。これも、世界遺産登録や観光PRがあったからだと考えます。
 また、世界遺産として、参詣道には熊野参詣道、高野山町石道があり、九度山町慈尊院から高野山奥の院に至る高野山町石道は、熊野古道である熊野参詣道より知名度は低いように思われます。
 そこで、九度山町でも、町独自に慈尊院や町石道の世界遺産エリアとして観光客にアピールし集客を行うなど努力をされておりますが、高野山町石道については、伊都橋本青少年団体連絡協議会の主催で、毎年、高野山参詣登山が行われ、毎回500人以上が参加しています。今回、第26回目の高野山参詣登山は去る5月29日に行われ、晴天の中、世界遺産に登録された町石道約20キロメートルを県外・県内各地から798人が参加し、盛大に行われ、また、県は、1万人の参詣道環境保全運動の1つとして7月4日に開催を予定しております。
 さきにも述べましたが、高野山開創1200年記念大法会の開催もあり、高野山町石道をもっと活用することができないかと考えております。
 そこで、観光振興への取り組みと世界遺産である高野エリアの観光について、商工観光労働部長にお伺いをします。
 最後になりましたが、観光振興には道路が必要不可欠であると考えます。世界遺産である高野山内の高野山バイパスの今後の取り組みについてお尋ねします。
 道路整備も本県の重要課題であり、高速道路を初めとする高規格幹線道路は、広域的な人の流れ、そして物の流れを可能とし、地域の自立に欠くことのできない社会資本であります。
 本県は、東西南北に長く、紀の川を初めとする河川の流域ごとに平野があり、それぞれが山地で分断されているという地理的特性を持っております。それゆえ、幹線道路は、人の交流や経済活動はもとより、救急医療や福祉を支え、災害時の緊急輸送手段としても重要な役割を担うという大変重要なライフラインであるだけでなく、大都市圏の人々に地方の豊かな自然や文化に触れてもらうことによって心のいやしを提供するという、言うならば、まさに命の道であります。
 道づくりに当たっては、経済効率のみで投資効果を判断するのではなく、安心・安全、そして文化といった、私たちの生活の質の向上に資するものでなくてはならないと考えます。
 また、今現在整備を進められています京都、奈良、和歌山を結ぶ京奈和自動車道、関西の大環状道路を形成し、経済活動の活性化に大いに寄与するもので、それと同時に、高野・熊野と京都・奈良の世界遺産とをネットワークで結ぶ歴史文化の道でもあります。
 主なネットワークができ上がってきますが、世界遺産である高野山へは、南海電車からケーブルカーを乗り継いでアクセスできますが、大多数の観光客は、国道370号、480号での来訪が多く、近年の道路網の整備により、大型連休や紅葉シーズンを中心に高野山に向かう道路の渋滞が激しく、山内は著しく混雑しており、交通対策は最重点課題となっております。
 また、通過交通は安全・快適な歩行環境を阻害し、高野山が信仰の聖地、世界遺産として静寂な環境にそぐわない状況に陥っているのではないかと考えます。
 なお、平成27年に開催される高野山開創1200年記念大法会の開催時には多くの人が訪れることが予想され、この時期までに高野龍神スカイラインと国道480号を結ぶ環状道路としての高野山バイパスの整備が必要と考えます。
 そこで、観光振興や世界遺産としての高野山における道路整備と高野山バイパスの今後の取り組みについて、県土整備部長にお伺いしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(冨安民浩君) ただいまの平越孝哉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、県立医科大学と附属病院の役割についてでございますが、県立医科大学は、附属病院を擁しまして、医学や保健看護学に関する学術の中心として、基礎的・総合的な知識と高度で専門的な学術を教授・研究し、豊かな人間性と高邁な倫理観に富む資質の高い人材の育成を図るとともに、県民の期待にこたえるべく良質な医療サービスの提供を行っています。
 このように、県立医科大学は県内唯一の医療系大学として、また附属病院は地域医療の中核として、本県医療の発展に貢献するとともに、県民の健康福祉の向上に寄与するという重要な役割を担っているものと考えております。
 次に、県産品の国内外への販路開拓と販売促進でございます。
 活力あふれる元気な和歌山を創造していくためには、本県の豊富で高品質な農林水産物が国内外で積極的に売り出される、売れるようにしなければいけないというふうに考えておりまして、生産者や事業者と連携して全力で取り組んでいるところでございます。
 具体的には、毎年、県農水産物・加工食品の販売促進戦略、通称アクションプログラムを策定いたしまして、トップセールスや国内外の高級百貨店、スーパーなどでの和歌山フェアの開催、御指摘のありましたようなFOODEX JAPANに代表される大型国際食品見本市への出展、商談会の開催、メーカーや外食産業等への食材提供など、和歌山産のブランド力の向上や販売促進に努めているところでございます。
 本年度につきましては、5月下旬から産地と一体となりました梅のプロモーションを集中的に展開しておりまして、7月のシンガポールでの和歌山フェア以降、順次取り組みを進めていく予定でございます。
 また、議員お話しの九度山町などの市町村や生産者団体等においてもさまざまな販路開拓の取り組みが進められているところでございまして、これも応援をしていきたいというふうに思っております。
 そうした県と市町村等との取り組みの相乗効果によりまして、国内外の新たな取引マーケットの拡大、首都圏における本県産果実のシェアの増加、桃、柿、ミカンの輸出量の増加、海外マーケットにおけるあんぽ柿などの加工食品の定着等の成果が徐々にあらわれてきております。
 私は、他県のプロモーションと比べても、和歌山県のこのプロモーションは大変レベルの高いものだというふうに考えておりますが、それによってかなり成果は出てきたものの、まだまだだと思います。特に、もっと多くの方に利用していただいたら、もっともっと多くの成果が出てくるんじゃないか、そういうふうに思いまして、この利用者のすそ野を広げる、そういうこともまた重要かと思います。
 そこで、こういうプロモーションが利用できますという一覧表をつくりまして、農林水産業の方々あるいはその組織の方々、そういう方々に我が県の担当者などがどんどん持っていくということをやっていきたいと考えております。
 最近聞きましたちょっとうれしくなるような話は、この県のプロモーションに参加した福祉施設の方が、これによりまして受注が大いに入ったということで、大わらわで生産してるんだというようなことをお聞きいたしました。大変ありがたいことだと思っております。
 今後も、生産者や事業者とのさらなる連携を図り、着実な販売促進活動を展開するとともに、生産面においても、よいものをつくることが大切でありますので、このよいものをつくるという意味で、農業緊急戦略アクションプログラム、これは生産面も含めてでございますが、こういうものの積極的な取り組みにも努めまして、農家の所得向上につなげてまいりたいと考えております。
○議長(冨安民浩君) 福祉保健部長西上邦雄君。
  〔西上邦雄君、登壇〕
○福祉保健部長(西上邦雄君) まず、地域医療と医師不足につきましては、医師不足の抜本的な解消策といたしまして、和歌山県立医科大学の入学定員を増員しておりますが、その効果があらわれるまでには一定の期間を要することから、即戦力となる医師を確保するためのドクターバンク制度や、不足診療科の医師を確保するための医師確保修学資金制度に取り組むとともに、救急医療また産科医療等を担う医師の定着促進を図るため、当該診療科に従事する医師の処遇改善に取り組む医療機関への支援を実施しているところでございます。
 また、限られた医療資源の中で地域に必要な医療を提供するためには、議員御指摘のとおり、医療機関の機能分担や連携が重要であることから、本年度、地域医療再生基金を活用いたしまして地域の拠点病院や救急告示病院等の機能強化と連携を進めるとともに、地域医師会の協力によりまして、開業医が休日等に拠点病院で診療する病院と診療所の連携をさらに進め、地域医療体制を堅持してまいりたいと考えております。
 次に、橋本保健医療圏と紀北分院についてでございますが、紀北分院は、平成19年1月に策定された紀北分院整備基本計画に基づきまして、内科、小児科などの診療科を設置し、地域医療を分担する病院としてはもとより、大学附属病院として、内科を中心としたチーム医療によります総合診療の充実、整形外科や脳神経外科の専門医等による脊椎・脊髄センター、また麻酔科や神経精神科によります緩和ケアといった新しい取り組みを行うなど、特色のある施設として、本年秋の開院を目指しまして現在整備を進めているところでございます。
 紀北分院は、整備基本計画にありますように、新たな診療体制のもとで、地域全体といたしまして、近隣病院との連携や機能分担により、地域で必要とされる医療サービスの提供に貢献できるものと考えております。
 以上でございます。
○議長(冨安民浩君) 商工観光労働部長岡本賢司君。
  〔岡本賢司君、登壇〕
○商工観光労働部長(岡本賢司君) 観光振興につきましては、本県経済の活性化につながる主要施策の1つに位置づけ、積極的に取り組んできたところです。
 そうした中、議員提案によります和歌山県観光立県推進条例が本年4月に施行されましたことは、本県の観光振興に非常に心強い推進力になるものと考えております。
 先般、この条例に基づき、和歌山を売り出す、和歌山へ招く、和歌山でもてなすを施策の柱とした和歌山県観光振興実施行動計画を策定したところでございまして、観光関係事業者はもとより、県民の皆さんと一丸となってこの計画を推進し、観光立県和歌山の実現に努めてまいりたいと考えております。
 次に、高野エリアの観光についてですが、議員御指摘のとおり、本県を代表する観光地の1つである高野エリアへの誘客促進は大変重要であり、県といたしましても、国内外メディアへの情報発信や旅行会社への商品造成の働きかけなど、積極的に取り組んでまいりました。
 高野山は、人類共有のかけがえのない財産として認められた世界遺産であり、さらには、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにおける三つ星評価の獲得、雑誌等におけるパワースポットとしての露出の増加、平成27年には高野山開創1200年大法会が控えていることなど、国内外から大いに注目を集めているところです。
 また、高野山町石道につきましても、町石道から高野山山上を6回に分けて踏破する旅行商品が新たに販売されるなど、出発地点である慈尊院など周辺地域を含め、そのブランド力が徐々に高まってきております。
 県といたしましては、近年のこうした追い風とも言える状況を十分に生かせるよう、引き続き、地域の皆様を初め関係事業者等と緊密に連携しながら、積極的に高野エリアを売り出してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(冨安民浩君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 高野山バイパスの今後の取り組みについてのお尋ねです。
 高野山内の国道371号、480号については、高野山を訪れる観光客で観光シーズンには著しい交通渋滞が発生しております。また同時に、この道路はX軸ネットワークを形成する県全体の幹線道路でもあることから、山内には直接関係のない車両が通過するなど、高野山にふさわしくない交通環境となっております。また、議員御指摘のように、開創1200年記念大法会に向けてさらに観光客の増加が予想されますことから、その対策が急務となっております。
 そうした中、高野町を初め町議会、商工会など地元関係者を代表する方々から、高野山の静寂な環境の確保、安心・安全なまちづくりのため、平成27年の開創1200年を機に高野山環状道路の整備を求める強い要望をいただき、昨年度に事業化したところです。
 今後、具体的な計画について、町及び地元関係団体等と調整を進めた上で、整備に努めてまいります。
 以上です。
○議長(冨安民浩君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 再質問を許します。
 15番平越孝哉君。
○平越孝哉君 1点だけ要望します。
 それは、紀北分院での一般外科を廃止するという基本計画でありますけど、新たな診療体系のもとで、地域全体として、近隣病院との連携や機能分担により医療サービスの提供が可能であるということで、それはできるということでありますけども、実際は、あすなろ会や地域住民の皆さん初め多くの方々は、外科なしで本当に安心して診療が受けられるのかと、また、いろいろな傷病に対して十分に対応してもらえるのかという、本当に心配をしておりますので、外科の廃止について基本計画を再考され、外科の診療を再開されるように特に強く要望して、質問を終わります。
○議長(冨安民浩君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で平越孝哉君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 次に日程第3、議案等の付託について申し上げます。
 議案第84号から議案第99号まで並びに知事専決処分報告報第1号及び報第2号は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
 なお、常任委員会の会場はお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 お諮りいたします。6月18日及び21日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 御異議なしと認めます。よって、6月18日及び21日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、6月22日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時14分散会

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