平成22年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(岸本 健議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後1時0分再開
○副議長(坂本 登君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 17番岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕(拍手)
○岸本 健君 議長にお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 ことしの3月、観賞樹のベニバナシャリンバイの新品種としてペリドットが日本で初めて品種登録がされました。このペリドットは、紀の川市桃山町で生まれました。バラ科で淡い桃色の花を咲かせ、新芽の色合いが緑色の宝石をほうふつさせ、葉の色が宝石のペリドットの色に近いことから名づけられました。石言葉は「夫婦の幸せ」と知り、夫婦で育てている思いも込めて名づけられたそうです。
 17年間のサラリーマン生活を経験し、奥様の実家が専業農家ということもあり、たまの休日には体を動かす程度でしたが、米や果樹の手伝いをし、気分転換程度にしていたそうです。しかし、将来についていろいろと考える時期があり、地域では高齢化していく中、自分が会社を退職してから農業を継ぐという消極的に農業をするということではなく、若いうちに積極的に農業に取り組んでいこうと決心し、脱サラし農業に飛び込んだのであります。
 農業といっても、何をしたらいいのか、何をつくったらいいのか、そこから始め、農協の指導員さんなどに話を聞くのですが、自分に響くものがない。農業については完全な素人であります。自分1人の力では何もできないと痛感したようです。
 彼の住む紀の川市桃山町は、桃と植木の町であります。桃はブランドができていて後追いしかない。植木についても庭木は有名である。夫婦2人で仕事をし、生計を立てていくためには花木しかないと考え、取り組みを始めます。2反の荒れ果てた農地を整地から始め、人から苗をもらい、細々と生活をつないでいきます。安定生産のためにハウス栽培をと考え、知り合いから中古のハウスの骨組みや農業設備など、要らなくなった農家から安く譲り受ける。とにかくできることは何でもしたと。種があれば植え、挿し木があれば挿す。苗は生まれるまで2年はかかります。
 あるとき、桃山町植木組合からベニバナシャリンバイという品種を勧められ、取り組むことを決めます。成木200本。少しの管理料をいただきながらするも、なかなか増殖できない。当時、5、6人が取り組みますが、みんなあきらめていきます。
 日本植木協会では、ベニバナシャリンバイについて供給可能量は入手困難の樹種であると知りますが、あきらめることなく、人から教えてもらって挿し木を何度も繰り返します。しかし、思うようにはなかなかいきません。他の農産物の栽培も見に行き、少しずつ育て方を変え、今までしていないことも試します。その結果、一般的なベニバナシャリンバイが発根するようになったそうです。ここまで5年経過しています。生活は決して楽とは言えず、サラリーマン生活でためた預金を食いつぶしながら生活をしています。発根しても、商品になるもの、ならないものがあり、ここから出荷するまではまだ3年をかけます。
 しかし、その中で1本だけ全く違うものが出てきました。葉っぱが明らかに違います。不良品として分別したものの、捨てられず、5年間育て続け、様子を見て別に管理をしました。地元の専門家に聞いても否定的であります。根気よくふやして、1本を800本、そして3000本となり、いよいよ販売となったときに名前がわからない。個人で探すには限界があります。英国王立園芸協会監修の「花と植物百科」などで調べますが、同じものがありません。社団法人日本家庭園芸普及協会、農林水産省と国土交通省所管の公益法人の講習会に参加もします。そこで相談もしますが同じものがない。新しい品種ではないかという思いもあり、農林水産省の種苗課に電話をして品種登録の相談をします。書類を提出したら、新しいものなのか、また今までもあったものなのかがわかるはずだと考えまして行動をします。そこで、県の振興局に電話で相談のお願いをします。しかし、「担当者が不在である。あなたのほうが詳しいんじゃないですか」と言われ、相手にされなかったとのことであります。残念でなりません。
 そのとき、そんなものか、その程度かと大変悲しい思いをしたようであります。今までの木と花と葉の違いはわかるけど、木の性質を知りたいと思って日本植木協会にまた聞きます。推測でなかなか判断ができませんでした。農林水産省先端技術産業振興センターの研修会に参加をし、講師で来ていた静岡県農林技術研究所伊豆農業研究センターの稲葉氏に相談、アドバイスをしてもらいます。また、その後、和歌山県農業試験場に行きますが、協力は得られない。結局、自分でやるしかない。こういう努力を積み重ね、この春、新品種として登録されました。
 なお、現在は、振興局、試験場とも大変協力的であります。良好な関係であります。
 年間数千件の新品種登録作業が行われているようですが、ほとんどが企業であります。以前、桃山で品種登録をしたい人がいたようですが、断念されているようです。
 「品種登録制度の概要」によりますと、品種登録制度について、「新品種の育成には、専門的な知識、技術とともに、長期にわたる労力と多額の費用が必要ですが、育種自体が確実に成果が得られるという性格のものではない上、一旦育成された品種については、第三者がこれを容易に増殖することができる場合が多いことから、育種を積極的に奨励するためには、新品種の育成者の権利を適切に保護する必要があります。 このため、我が国においては、種苗法に基づく品種登録制度により、植物新品種の育成者の権利保護を行い育種の振興が図られています」となっています。
 こういうことから、農林水産省は、我が国の農林水産業、食品製造業等における新技術導入による競争力強化を図るとともに、農林水産分野における知的財産の有効活用を促進していることを目的とし、農林水産分野の知的財産にかかわる団体、個人を対象として農林水産知的財産ネットワークの構築を進めています。
 この農林水産知的財産ネットワークの設立趣意書を見ますと、農林水産分野の知的財産をめぐる状況としては、他の産業に比較して知的財産を保護し活用するという意識が乏しく、かつ専門家が十分に存在しないなど、活用実施体制も十分とは言えない環境にあり、その早急な対応が必要となっております。
 和歌山県は農林水産知的財産ネットワークに参画しています。和歌山県がどれほど取り組まれているのか、私には見えてきません。しかし、先ほど述べた花木の例のように、生産者が新しい品種を育成、発見しても、登録出願するためには、その品種の形質や特性の調査、既存品種との比較など、専門的な調査が必要であり、これは一農業者で行うには大変困難な部分であります。こうしたことから、県内の知的財産資源を有効に活用するためにも県の試験研究機関の協力・支援が必要であると考えますが、いかがなものでしょうか。
 和歌山県の基幹産業は農業であります。特に、果樹については全国に誇れるものがあります。しかし、農業は果樹だけではありません。花木も農業であります。
 桃山町では、昭和30年ごろから庭木、杉、ヒノキ、ミカンの苗木生産が始まり、植木生産は昭和45年ころより盛んになっていったと聞いております。最近では、中国から数百万もする植木を求めて商談に来るようであります。
 最新の花木出荷数量は、平成19年度でありますが、和歌山県は全国で第11位で、近畿全体では404万4000本の生産量です。そのうち和歌山県では287万4000本が生産され、近畿の約4分の3近くが和歌山県で生産されています。こう見ますと、花木は和歌山県にとっては重要な農業の1つだと考えます。
 そこで、農林水産部長にお尋ねをいたします。
 和歌山県の農産物の品種登録の取り組みについて、そして、特に花木の新品種登録に向けた取り組みはどうなっていますか。また、花木類の試験研究の取り組みはどうなっていますか、お答えください。
 次に、聴覚障害者に対する取り組みについてお尋ねをいたします。
 昨年の6月定例会において、和歌山県立医科大学附属病院における手話通訳士等の配置並びに各病院における聴覚障害がある入院患者への対応について一般質問をさせていただきました。特に、聴覚障害がある入院患者に対しての手話通訳について、昨年9月11日より和歌山県立医科大学附属病院手話通訳事業が開始されました。県立医科大学が社会福祉法人和歌山県身体障害者連盟と委託契約を結び、県連盟から手話通訳士等の派遣を受けることができるようになりました。
 県立医科大学において、聴覚障害等がある入院患者及び聴覚障害がある入院患者の家族、また医師、また看護師が病院課に依頼をしますと、原則として平日9時から17時まで、また、派遣可能な場合はそれ以外の時間も派遣してもらえる体制ができました。
 聴覚障害及び言語障害のために意思疎通を図ることが困難な入院患者等への適切な医療や看護を提供できるようになり、何より入院患者やその家族の不安が少しでも和らぐのではないかと考えられます。一歩前進したようにも感じています。本当に、福祉保健部、和歌山県立医科大学附属病院の迅速な対応と英断に感謝を申し上げます。
 しかし、このシステムが完璧なものではないとも思います。利用者は派遣希望の3日前までに派遣依頼書を提出しなければなりません。ある程度柔軟な対応ができるということでありますが、これでは緊急のときの対応について対応し切れないという不安を感じています。命にかかわる問題になってくる場合もあるのではないでしょうか。
 聴覚障害者の方が1人で病院に行かなくてはいけないときがあります。薬をもらうときに番号表示等で自分が呼ばれていることがわかる病院があります。診察の場合も薬と同じような呼び出しはないでしょうか。受付の方が、小さな病院では、顔を見て心がけをしていただいてるところは、順番であることを伝えてもらいやすいのですが、多くの患者さんがいる大病院ではそのような対応ができないのが現実であります。3時間待ったが呼ばれないので、診察券をとって帰ってしまったり、6時間待ってようやく気がついてくれて、それから診察を受けられた方、大変つらい思いをされています。命を預かる公共機関で聴覚障害者のバリアフリーだけが整備されていない、そんな気がします。
 こんなこともあります。診察室に通訳士等がいない場合、患者が筆談が苦手である。理解がしにくい。例えば、医師が筆談で「胃が痛い」と問われたと。次に「どんなふうに」、そして「きりきり痛いの、ぎゅーっと痛いの」と問われても、音がわからない人にとって理解しにくい表現なのであります。
 平成21年10月、和歌山県が「病院における手話通訳の現状について」というアンケート調査をされました。過去1年間に手話通訳が必要になったことがある9病院から回答がありました。3病院では、患者が市町村のコミュニケーション事業を利用、また1つの病院では職員さんが対応していただいたそうです。それと、5つの病院では筆談で対応可能だったとあります。これは、お医者さんの考えだけで、果たして患者さんはどう思っていたのでしょうかと考えてしまいます。
 ところで、皆さん、デフリンピックは御存じでしょうか。デフリンピックとは、4年に一度、世界規模で行われる聴覚障害者のための国際総合競技大会であり、国際ろう者スポーツ委員会が主催する障害者スポーツにおける最初の国際競技大会であります。夏季大会と冬季大会があり、夏季大会は1924年にフランスで、冬季大会は1949年にオーストリアにおいて始まりました。設立当初は国際ろう者競技大会という名称でありましたが、1967年に世界ろう者競技大会に名称変更、さらに、IOCの承認を得て、2001年より現名称となっております。
 なお、国際オリンピック委員会がオリンピックという名称の使用を許可しているのは、デフリンピックのほかにパラリンピックとスペシャルオリンピックスであります。
 昨年9月5日より9月15日までの11日間、台北で開催されました。日本は、役員90名、選手154名の総勢244名が参加。実施競技20競技中12競技に出場。男子、女子、また個人、団体を合わせて金メダル5個、銀メダル6個、銅メダル9個で、計20個を獲得しました。和歌山県からも選手1名が参加されました。この方は、前回のオーストラリアでの大会でも選手として出場しております。その際には和歌山市が壮行式を行ったそうでありますが、台北大会の壮行式はなかったとのことであります。
 選手の出身県で壮行式を行ったところもあると聞いています。日本代表の方の壮行式がないというのは寂しい限りであります。今後このようなことがありましたら、ぜひお願いをしたいと思います。紹介だけしておきます。
 また、話は戻ります。
 県内では和歌山県立医科大学附属病院だけが入院患者に対しての対応が可能となりました。1カ所だけであります。せめて地域の拠点病院や総合病院などにこの制度を取り組んでいただけるように、和歌山県としてもさらに強く呼びかけていただけないでしょうか。
 特に大きな病院の受付での呼びかけを、番号表示等で呼び出しができる方法を各病院に取り入れるように県から呼びかけられないものでしょうか。そして、何よりも一番いいのは手話通訳士等が病院にいることであります。また、看護師が手話通訳ができることがいいのであります。県内の手話通訳士等の養成等について、どう和歌山県は取り組んでいくのか、福祉保健部長の答弁を求めます。
 次に、紀の川警察署の設置についてお尋ねいたします。
 4月8日の「毎日新聞」の和歌山版の記事であります。「押し入れの中にも3時間」、「岩出署捜査員、執念の張り込み」。「窃盗犯御用」と。「押し入れの中にも3時間──一人暮らしの高齢者を狙った連続窃盗犯を捕まえようと、岩出署の捜査員が被害者宅の押し入れに毎日3時間張り込み、6日目の6日夜、紀の川市の少年(16)を窃盗などの疑いで現行犯逮捕した。 容疑は、同日午後6時50分ごろ、同市の男性(83)方に侵入、862円入りの小銭入れを盗んだとされる。 同署によると、3月25日と同31日に財布や鍵の束を盗まれたと、男性が同署に相談。いずれも入浴中の被害だった。被害が少額のため『若者の犯行で再犯の可能性がある』とみて、若手捜査員5人が交代で、4月1日から犯行時間帯の午後5~8時、寝室の押し入れなどに身を潜め張り込んでいた。6日夜、少年が侵入し財布を抜き取る姿を、高さ90センチの押し入れの中で身をかがめていた捜査員が、1センチのふすまのすき間から確認、取り押さえた。調べに、少年は、『何回も(男性宅に)侵入した』と話しており、同署は余罪を調べる。 少年の姿を確認した巡査(27)はスキューバダイビングの講師から転身し、4月1日に同署に配属されたばかり。『日がたつにつれ不安になったが、捕まえるまで続けるつもりだった』と話している。男性は逮捕時入浴中で、後から聞かされて『よかった。ありがとう』と話していたという」と。
 このような記事がありました。岩出署の捜査員の執念の張り込みに感謝であります。
 私たちは報道を通してしか気づくことがないですが、紀の川市、岩出市の2市を管轄としている岩出署内だけでも、振り込め詐欺、強盗、ひき逃げ、交通事故、強制わいせつ、売春、窃盗、恐喝、傷害と、ここ半年の間でも朝刊の地方版で報道がされております。紀の川市、岩出市の刑法犯罪数、街頭犯罪数とも過去5年間はほぼ横ばいで推移し、また人身事故数についても、多少の増加は見られるものの、ほぼ横ばいであります。犯罪の多様化、凶悪化の中でこの状態でいられるのも、私たちのわからないところで市民、県民の安全・安心のために日夜活動してくれているおかげであると感じています。
 しかしながら、昨年の刑法犯認知件数を見ますと、紀の川市、岩出市の2市で2000件、海草郡、伊都郡、有田郡、日高郡、西牟婁郡、東牟婁郡の県内の郡部の総数が1903件と、それを上回る件数が確認されております。また、街頭犯罪についても、2市で1132件、6つの郡部では1025件と、これも上回っています。
 交通事故発生件数についても、発生比率は他の自治体に対して多い状態であります。紀の川市、岩出市は大阪、関西大都市圏に近く、都市化傾向であります。岩出署管轄人口は12万688人で、和歌山市を除けば一番多く、12万688人に警察署が1つであります。県内で少ないところであれば、2万3600人の人口に対して1つの警察署があります。約5倍であります。管轄面積を比較しましても、岩出署管轄のほうが広い状態であります。
 現在、県下には14の警察署があります。それぞれの管轄の人口、面積についてはばらつきがあるのが実情であります。地域的な要因もあると思いますが、当然、管轄内の人口にも配慮すべきであると考えます。
 警察署の設置基準については、警察法施行令に定められています。警察法施行令第5条第2項、「警察署の位置は、管轄区域内の住民の利用に最も便利であるように、他の官公署との連絡、交通、通信その他の事情を参しゃくして決定すること。」、また、第5条第3項、「警察署の管轄区域は、警察の任務を能率的に遂行することができるように、人口、他の官公署の管轄区域、交通、地理その他の事情を参しゃくして決定すること。」とされております。
 これらについて考えますと、紀の川市に1つ警察署があっても当然だと考えます。多くの紀の川市民の方々からも強く要望を受けております。岩出署の皆さんが本当に頑張っていただいているのは十分承知しています。さらに安心・安全な紀の川市民、また県民の生活のためにも紀の川警察署の設置を要望いたします。紀の川警察署の設置について警察本部長にお伺いをいたします。
 以上をお尋ねしまして、私の質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(坂本 登君) ただいまの岸本健君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長阪中栄一君。
  〔阪中栄一君、登壇〕
○農林水産部長(阪中栄一君) 農産物の品種登録と試験研究に関する御質問についてお答えいたします。
 産地競争が進む中、県のオリジナル品種の育成につきましては、他府県産との差別化を図り、有利販売を図る上で重要な取り組みであると考えてございます。
 このため、県では、新品種育成を試験研究の重要な柱の1つに位置づけ、ミカンや梅、イチゴ、花といった品種育成に重点的に取り組んできたところでございます。さらに、平成17年からは、本県の主要作物である果樹につきまして品種登録農業者支援制度を創設しまして、農家の方々が育成、発見した品種のうち将来性が見込まれるものにつきまして試験場が特性調査を実施し、本年度末までに温州みかんなどで3品種が品種登録に申請される予定となってございます。
 議員御質問の花木を初め、切り花や野菜につきましても、昨年度より品種登録農業者支援制度の適用について検討を進めてございまして、今後、早急に制度の拡大を図ってまいりたいと考えてございます。
 また、花木類に関する試験研究につきましては、現在、センリョウの優良系統の選抜と繁殖技術に関する研究、またコウヤマキの挿し木技術に関する研究に取り組んでいるところでございます。
 今後も、現場からのニーズに的確に対応した試験研究により一層取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 福祉保健部長西上邦雄君。
  〔西上邦雄君、登壇〕
○福祉保健部長(西上邦雄君) 聴覚に障害のある方の医療機関での対応についてお答えを申し上げます。
 聴覚に障害のある入院患者と医療機関が信頼関係を構築し、適切な医療を提供していく上で、手話通訳は意思疎通を図る有効な方法の1つであると認識をしております。
 手話通訳士等派遣制度につきましては、昨年7月、社団法人和歌山県病院協会が主催いたします事務長会議におきまして説明を行い、協力を求めたところでございます。
 また、聴覚に障害のある方が1人で外来に来られた際に円滑に受診できる仕組みづくりの検討につきましては、患者サービス向上の観点から、各病院においても種々検討されているところでございますが、手話通訳士等派遣制度の活用とあわせまして、あらゆる機会を通じて各病院に強く働きかけてまいりたいと、そのように考えてございます。
 次に、手話通訳士等の養成に係る県の取り組みについてお答えを申し上げます。
 県といたしましては、手話通訳士等の養成は大変重要であると考えてございまして、手話奉仕員養成講座及び手話通訳者養成講座の2種類の講座を社会福祉法人身体障害者連盟に委託をいたしまして、無料で年間約90回の講義を行い、定員115名の募集に対しまして毎回100名以上が受講されておられます。
 また、和歌山市で開催をしておりました手話通訳者養成講座を、本年度から県の手話通訳士が講師となりまして東牟婁振興局においても開催をしてございます。さらに、各振興局においても手話通訳のすそ野を広げるための手話講習会等も年間20回程度行っておりまして、1回に40名以上参加する地域もあり、これらの活動を通じまして今後とも手話通訳士等の養成に努めてまいりたいと、このように考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 警察本部長永松健次君。
  〔永松健次君、登壇〕
○警察本部長(永松健次君) 紀の川市への警察署の設置につきましてお答えいたします。
 岩出警察署管内の治安情勢につきましては、議員御指摘のとおり、犯罪、交通事故ともに和歌山市に次いで多発しておりまして、繁忙な警察署であります。
 このような状況を踏まえまして、県警察といたしましては、平成9年に約100名の署員数でありました岩出警察署を現在は約150名に増員をし、体制を強化しているところであります。
 岩出警察署におきましても、議員御紹介の窃盗事件の張り込み捜査に見られるように、署員一丸となりまして全力で治安維持に取り組んでいるところであります。地域住民の方々の御協力も得ながら、過去5年間の交通事故の発生をほぼ横ばいに抑止し、犯罪の発生を減少させるなどの成果を得ているところであります。
 こうした状況から、現段階では、議員から御要望の紀の川市に警察署を設置することにつきましては検討するには至っておりません。
 なお、県警察におきましては、県内各地域の治安情勢や重要課題等を勘案し、組織、人員につきまして不断の見直しを行っているところでありますが、警察署の新設につきましては、今後、人口動態や治安情勢等に大きな変化があれば、その時点で必要に応じて検討すべきものと考えております。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(坂本 登君) 再質問を許します。
 17番岸本 健君。
○岸本 健君 3つ質問させていただいて、御答弁いただきましたけども、まず農産物の品種登録とか花木類の研究について。
 新品種の育成について、ミカン、梅、イチゴ、花、これら重点的に取り組んでいるということ、花木の研究についてもセンリョウやコウヤマキ、これもやってますよということでありました。しかし、ベニバナシャリンバイの際には、当時は品種登録に向けた支援の要望に対して全く適切な対応がされてないと。今は良好な関係ということでありますが。これから今後またそういう方が出てくるかもわかりません。そういうときに対して、やっぱりいいものをつくれば売れると。売れるということは、つくってる農家がもうかるということでありますから、和歌山県が潤うんであって、ですから、こういう品種登録農業者支援制度を、もちろん花木にも拡充していただきまして、今後は適切な対応をお願いをしたいと思います。
 もう1つ、手話通訳士等についてであります。
 このように派遣事業が早くされるというのは本当にありがたいなあと。すぐに対応していただけたというのは本当に感謝であります。しかし、やはりシステムというか、そういうものには不備もありますので、今後ますます改良していただいて、そしてまた、この制度を各病院に、特に拠点病院、総合病院、大きな病院に対して広げていただきたいと。それはもう県に強く要望をしていただきたいと思います。
 手話通訳士というのは県内でも本当に少ないし、この手話通訳士だけで御飯が食べていけるかというと、そうではない。ですから、皆さん、何か本業を持たれながら手話通訳のお手伝いをされているというのが実情です。まず数が少ないということ。和歌山県がこんなに熱心に取り組んでいるというのは、今回勉強させていただいて初めて知りました。すごく一生懸命取り組んでいただいてるのはすごくわかるんですけども、一人前になるには約10年かかるということでございます。ですから、すごく時間がかかりますので、もう常にこういう養成等をしっかりしていただいて、物になるように和歌山県も力を入れていただきたいと思います。
 以上、要望で終わります。
○副議長(坂本 登君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で岸本健君の質問が終了いたしました。

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