平成22年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(門 三佐博議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 7番門 三佐博君。
  〔門 三佐博君、登壇〕(拍手)
○門 三佐博君 ただいま議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 去る3月5日から4日間にわたりまして、本会議場におきまして一般質問が行われましたが、各議員の方々から、それぞれの地域の抱えてる諸問題や県政全般について、将来の展望など幅広い課題につきまして、提言を交えて、知事初め県当局の意見をただされました。私も、皆様方の質問を聞かせていただきまして、また答弁も聞かせていただきまして、大変勉強になりまして、感銘をいただいた次第でございます。
 私ども県議会議員は、選挙において選挙民の皆さんの負託にこたえ、議会において発言することが大きな使命であることは言うまでもございません。私も、この議会を通じまして、住民の声を代表する形で知事や関係部長に質問させていただきますので、適切な御答弁をお願い申し上げます。
 さて、仁坂知事におかれましては、先ほどの本会議におきまして、我が自由民主党の県議団、吉井和視会長の質問に答え、「和歌山県勢の発展のため改革はやめられない」と力強く再出馬の表明をされましたが、私も仁坂知事の日ごろまじめでひたむきに県政のために取り組んでこられた姿勢を高く評価いたしまして、及ばずながらでございますが、微力を尽くして御支援をさしていただく決意でございます。
 中国山東省の友好促進強化につきまして、報告とお尋ねいたします。
 関西国際空港と中国山東省の済南遥墻国際空港の間に山東航空の定期便が就航したことに伴い、下副知事を団長に、冨安民浩議長、松本貞次議員、中村裕一議員と私から成る訪問団及び関西経済連合会、関西国際空港株式会社などから、県内経済団体や企業の方々、総勢50余名が山東省を訪問いたしましたので、その訪問の概略を、質問に先立ち、皆様方のお許しを得まして、私が代表して御報告させていただきます。
 まず、3月2日、関西国際空港において開催された山東航空主催の初便記念セレモニーに参加しました。その場には、下副知事はもちろん、在大阪中華人民共和国総領事館から鄭総領事、関西経済連合会から奥田専務理事、関西国際空港株式会社から福島社長などが出席され、定期便就航を盛大にお祝いすることができました。
 その後、山東航空機で済南市へ赴いたわけではありますが、関西国際空港を飛び立ってからわずか3時間ほどで済南市に到着いたしました。今までは北京経由、あるいは青島経由でほぼ1日がかりで済南市を訪問していましたことを思うと、直行便の就航がいかに大きな意味を持つか肌で感じた次第でございます。
 済南市では、まず山東省の才利民副省長を初めとする省幹部の方々と会談いたしまして、両県省の観光、新エネルギーや薬品などに代表される新産業の振興、環境分野では国際協力などにつきまして、今後ますます交流を盛んにしていくことに合意いたしました。
 翌3日には、まず山東航空本社を訪ね、張幸福山東航空会長などにお会いいたしまして、定期便開設のお礼を述べるとともに、今後の増便のお願いもいたしました。今回同行していただきました関西経済連合会の田辺理事や関西国際空港株式会社の島田常務からも、韓国のGDPに匹敵する経済規模を持つ関西地域の特性や、日本の空港の中で中国路線の就航都市数が最大である関西国際空港の重要性などを御紹介いただきまして、和歌山県を含む関西地域と山東省の連携を強く訴えてまいりました。
 また、その後、済南市人民政府を訪れまして、陳先運済南市副市長との会談も行い、ここでも定期便就航のお礼や今後の増便のお願いをいたしましたところです。
 それから、今回の訪問の機会を利用して山東省の科学院の視察もあわせて行ってまいりましたが、ここは、本県と山東省の友好提携10周年を記念して、和歌山県から山東省に贈呈したバイオテクノロジー関係の農業研究機材が14年を経た今も研究に活用されております。これらの機械が山東省科学院の生物研究部門設立の基礎になったとのことであり、今までの交流がこのような具体的な形で結実していることを目の当たりにいたしまして、大変うれしく感じました。
 また、移動の途中で、昨年10月に山東省で行われました日本の国体に当たる全国スポーツ大会で利用されました競技施設も見学する機会を得ました。6万人収容の大変立派なスタジアムや体育館、屋内プールなどが建設されておりました。近くには外資系ホテルも新たにできており、中国のスポーツ振興への取り組みと、それを支える力強い経済発展を実感したところであります。
 空から眺めますと、山東省は一面の雪景色でした。済南市はまだたくさん雪が残っておりまして、和歌山に比べるとやはり寒さが厳しく感じられましたが、お迎えをいただきました山東省や済南市、山東航空の皆様には、その寒さを忘れるほど熱のこもった対応をしていただき、大変感激いたしました。
 今回の私たちの訪問を契機に、和歌山県と山東省の関係がより一層緊密なものになることを祈念し、報告を終わりたいと思います。
 それでは、質問をさせていただきます。
 済南との定期便就航により、和歌山県と山東省の人的交流はますます活発になると思われます。今回は県内観光関連業界の方々とも御一緒させていただきまして、山東省旅遊局の方々とお話をする機会がありましたが、山東省から観光客増加も大いに期待されるところであります。また、文化や経済貿易でも山東省との関係をさらに強化していくことは大変重要だと思います。
 このような状況のもと、和歌山県として、今後の山東省との交流にどのような取り組みをされていかれるのか、知事にお伺いいたします。
 次に、県立医科大学紀北分院の開院後の取り組みについて要望させていただきます。
 伊都地方では、長年にわたる大きな課題でありました、私の住んでおりますかつらぎ町妙寺に設置されています県立医科大学紀北分院の改築による充実につきましては、仁坂知事が就任直後の御英断によりまして建設されることになり、平成19年度から工事に着工いただきまして、足かけ4カ年がかりで、関係皆様方の多大な御尽力によりまして工事も着々と進行され、おかげさまで本年の10月ごろには新装開院ができる運びと伺っています。病気で御入院中の方々や通院されてる方々、地域の皆様方からは、一日も早い開院が期待されています。多額の県費を投入していただくなど、種々御尽力賜りました県当局に深く感謝いたします。
 開院後の診療機能については、1、総合診療、2、緩和ケア、3、脊柱・脊髄(スパイン)センターとなり、プライマリーケアの提供として内科を中心とした総合診療がうたわれていますが、目下、内科医師の不足や一般外科、産婦人科の廃止などにより、地域の方々からは大変不安がられております。
 先日、伊都医師会長の横手英義先生の御意見を伺ってまいりましたが、この地域は高齢者も多く、さらに高齢化が進むものと見られていますので、高齢化対策、夜間・休日の救急医療体制の確立が急務であるということも伺いました。また、紀北分院をよくしていこうとして設立されました女性を中心とした民間ボランティア団体である「あすなろ会」という会がございますが、ここの会員の方々も、平素、入院患者の方々に激励をいたしましたり、周辺花壇の手入れなど、熱心に紀北分院をよくならすために取り組んでいただいておりますが、この方々や地元自治会からも外科の科を復活していただきたいという強い要望もいただいております。
 それで、次の点について前向きなお取り組みをいただきたく、強く要望いたします。
 1つ、開院後の充実について、2、高齢者対策について、3、夜間・休日救急医療体制強化について、4、外科の復活につきまして、県及び和医大当局の御尽力をお願いいたします。
 私は、県議会議員に当選させていただいて以来、地域の発展は道路の整備充実にあるということを常に念頭に置いて取り組んでまいりました。皆様方の御尽力をいただきまして、おかげさまで地元の道路も大分よくなってまいりましたが、まだまだ地域の要望が実現できないことも多く、道路の整備について知事に質問させていただきます。
 昨年の8月31日の衆議院議員選挙におきまして自民党の敗北により政権が交代し、新政権は「コンクリートから人へ」といったキャッチフレーズを掲げている中、初めての編成となった国の平成22年度の公共事業予算について、大幅な削減が予想され、道路事業予算においては非常に厳しい状況と聞いております。そうした中、幹線道路ネットワークを初めとして、まだまだ整備の必要がある本県の道路整備に対する現状や今後の見通しなどについてお伺いいたします。
 まず、京奈和自動車道の整備についてでございますが、和歌山県の成長、発展のために、特に紀北地方には不可欠な道路ネットワークであると考えております。平成19年に奈良県境から高野口インターチェンジまでの橋本道路が全線供用され、奈良県内での五條道路併用とあわせ、時間短縮や国道24号の渋滞緩和など、顕著な整備効果があらわれているところであります。
 現在、高野口インターチェンジからかつらぎ町や紀の川市の至るところで工事が目に見えて進んでいる状況であり、この道路整備の推進に尽力してきた1人として、ようやくここまで進んできたのかなと喜んでいるところでございます。
 引き続き、道路の効果が最大限に発揮されるためには、平成27年の国体開催時までの全線開通が重要であると考えておりますので、京奈和自動車道の整備の現状と今後の見通しについてお伺いします。
 2点目としまして、国道480号鍋谷峠道路及び県道那賀かつらぎ線についてでございますが、国道480号は大阪府と伊都・那賀地方を結ぶ府県間道路であり、その早期整備は地域住民にとって長年の悲願でもあります。仁坂知事就任以来、国交省、また大阪府等へ大変足を運んでいただいて御尽力賜りまして、平成20年度に府県間3700メートル余のトンネルを含む鍋谷峠道路が国交省において直轄権限代行事業として新規採択され、また、ことしの1月21日には、県において事業中でありました平道路が完成するなど、国道480号は最近著しく進捗してきております。今後、鍋谷峠道路促進についての取り組みについてお伺いいたします。
 このような状況の中、鍋谷峠道路が完成すると那賀かつらぎ線の重要性はますます高くなり、交通量も大幅に増加すると思われますが、現状では幅員が狭く、車両の対向が困難であるため、一日も早く当該路線の抜本改良が必要と考えますので、今後の整備につきまして、そして見通しにつきましてお伺いします。
 3点目といたしまして、高野山環状道路についてですが、高野山は、年間120万人以上もの参拝客や観光客が訪れる本県で誇れる宗教と観光のまちであり、平成16年7月の世界遺産登録を契機に外国からの来訪者も急増しております。
 交通手段につきましては、南海電車でケーブルカーを乗り継いでのアクセスもありますが、大多数の方は車や観光バスで来訪しております。高野山に至る道路としては、国道370号、371号、480号等があり、幅員が狭く急カーブが連続しているため、従来より県におきまして、国道370号花坂拡幅や国道480号の花坂─大門拡幅等、改良事業に取り組んでいただいてるところであります。しかし、高野山内中心部につきましては、幹線道路である国道371号、480号が通っていることから、交通が集中し、大型連休等の休日には激しい交通渋滞が発生しております。さらに、高野山が信仰の聖地、世界遺産として静寂な環境にそぐわない状況にもなってきております。
 また、高野町を初め地元の関係機関を代表する方々から、こういった状況を説明し、今後、高野町が進めるまちづくりを行うためにも、平成27年の高野山開創1200年記念大法会に対し、金剛峯寺を初め関係機関が今準備の真っ最中ですが、この大法会に対応できる交通環境や宗教観光都市として静寂な地域の確保にどうしても環状道路の整備が必要であると、先日来、町関係の方々が知事に訴えたと聞いております。
 そこで、この高野山環状道路に対する知事の御認識と今後の整備についてお伺いします。
 次に、農業問題についてお尋ねいたします。紀の川流域の基幹品目である柿の振興についてお尋ねします。
 柿産地では、今ちょうど農家の皆さんが、ことしの柿はいい果実になるようにと剪定作業などに忙しい日々を送っているところであります。そんな中で、今、農家の皆さんはなぜか元気がないような感じがいたします。話を聞いてみますと、柿の販売価格がこの10年ぐらい低迷が続いておりまして、昨年では市場価格キロ当たり200円を切るような状態で、肥料や農薬の生産資材の高騰もあって採算がとれないとの、一部収穫するのもあきらめたといった農家の話もありますが、このような窮状は、本年2月15日付「産経新聞」県版、「ズームアップ2010」、「“三重苦”で活路模索」との見出しで掲載されておりました。
 本県の主力果実である梅、桃、ミカンも同じような状況であり、仁坂知事も、これまで行われました県行政報告会で、こうした農家の悲鳴にも似た声を聞かれたことと存じます。一体どうしてこうなってきたんでしょうか。
 確かに、一昨年のリーマンショック以来、消費不況が続いており、安いものしか売れないと言われ、果実についても買い控えの傾向が強まり、価格低下を招いております。現在、景気も一部に持ち直しの傾向が見られるといった新聞報道もありますが、農業はまだまだ厳しい状態が続いております。また、米などの必需品と違って嗜好品として位置づけられている果実は、買わなくても済むといったことも原因の1つではないかと思っております。
 こうした中で、農家の皆さんは価格の高い9月中にできるだけ出荷しようと、暑い中、環状剥皮などの作業に汗を流しており、また地元農協においては、高品質な果実を出荷していくために糖度を測定できる光センサーを備えた選果機や選果場の導入も計画しているところであり、さらに幅広い販路を確保するため、柿の加工品づくりや輸出などの農家の努力を得ながら、今考えられる対策を打っております。光センサーを備えた選果機は非常に高額な機械でありますが、こうした選果機を持たないと市場で評価がされないと言われ、農家負担も伴って厳しい家計に拍車がかかるということも懸念されてるところであります。
 国の農政も、米の戸別所得補償に予算の重点が置かれるなど、大きく転換したわけでありますが、本県のような果樹県にとって本当に必要な選果場整備のための補助金が事業仕分けの中で縮減されるという事態も生じておりまして、この中で、県では補助金の確保のために大変御苦労いただいておりますが、もし補助金が十分確保できなかった場合、地元にどのような影響が出るのか心配しております。
 最初に申し上げましたとおり、紀の川流域の柿は全国生産量の2割を占める地域の基幹産業であります。柿産業の発展をなくしてこの地域の発展はないと思っております。
 そこで、農林水産部長にお尋ねいたします。
 こうした情勢を踏まえて、地域の柿販売のための対策、柿振興のための対策として、県としてどう打っていかれるのかお聞かせ願いたいと思います。
 以上で、一般質問を終わります。皆様、御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(冨安民浩君) ただいまの門三佐博君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、今回、関西国際空港から山東省、済南市への定期便就航に当たり、山東省を訪問されました議長を初め議員の方々並びに県民の皆様方に、両県省のきずなをさらに強くしていただきましたことについて、この場をおかりして厚く御礼申し上げたいと思います。
 考えてみますと、平成19年11月に、当時の中村議長以下、多くの議員の方々と御一緒して山東省を訪問さしていただきまして、その際に先方の姜省長からこの件についてお話がありまして、私も微力ながら国交省などへの地ならしなどに協力をした覚えがありまして、非常に感無量の気持ちがあります。
 山東省との交流につきましては、昭和59年の友好提携締結以来、訪問団の相互派遣等の交流を行ってまいりました。先ほど申しました平成19年の訪問時には、和歌山県・山東省友好交流関係の発展に関する覚書を締結いたしまして、環境、経済貿易等、さまざまな分野において実質的な交流を進めております。中でも観光につきましては、昨年の12月に山東省旅遊局との間で観光交流促進のための覚書を締結いたしまして、両県省の観光関係者が相互に訪問を行うなど、具体的な取り組みも始まっており、今回の済南市との定期便就航は、特に観光面のメリットが期待されるところであります。
 御承知のとおり、中国経済は、一昨年のリーマンショック以来、世界経済が停滞状況にある中で、そのショックからいち早く脱却し、着実に成長を遂げてきております。こうしたエネルギーを取り入れまして、本県の成長につなげるために、今後も幅広い分野で庁内関係課が緊密な連携を図りながら、民間企業や団体とも手を携えて山東省との関係をより一層深めてまいりたいと考えております。
 次に道路関係でございますが、まず第1に、京奈和自動車道の整備についてでございます。
 高野口インターチェンジから打田インターチェンジまでの紀北東道路では、ほぼ全線で工事が現在推進されておりまして、残る用地についても用地取得に必要な事業認定の手続が進められており、かつらぎインターチェンジにつきましては平成23年度、打田インターチェンジについては平成24年度の供用を目標に、国において事業が進められております。また、打田インターチェンジから和歌山ジャンクションまでの紀北西道路では、用地取得が進められているとともに、紀の川市において昨年6月に工事着手がされるなど、事業の推進が図られているところでございます。
 しかしながら、国の来年度予算、これは非常に厳しい状況でございまして、県としては、今後もぜひ平成27年度までの全線供用に向けまして、国に対して必要な予算の確保を働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、国道480号鍋谷峠道路及び県道那賀かつらぎ線の整備についてでございます。
 国道480号鍋谷峠道路及び県道那賀かつらぎ線の整備につきましては、大阪府との連携交流を強化いたしまして、紀北地方への企業誘致や世界遺産である高野山へつながるルートとして非常に重要な道路と認識しております。
 まず、鍋谷峠道路につきましては、平成20年度に直轄権限代行事業として新規採択されて以降、用地取得や工事着手に必要な測量、設計、これが進められております。県としては、早期整備に向け、用地の取得やトンネル工事の着工へと、さらなる事業進捗が必要だと考えておりまして、今後も大阪府と連携し、国に対して必要な予算確保と円滑な事業推進を働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、県道那賀かつらぎ線につきましては、議員御指摘のとおり、国道480号の鍋谷峠道路や大阪側の父鬼バイパスが供用されますと、国道24号へ連絡し、さらに高野山へ至るルートとして今後交通量が大幅に増加することが予想されます。したがって、抜本的な改良が必要になっているわけであります。このため、この道路の整備について今議会に補正予算を計上さしていただき、事業着手することといたしまして、今後、地元や関係機関との調整を密にしながら、この早期整備に努めてまいります。
 次に、高野山の環状道路整備についてでございますが、高野山内の国道371号、480号については、山内の幹線道路でありながら、同時にX軸ネットワークを形成する県内全体の幹線道路でもあります。このため、御指摘のとおり、観光シーズンには著しい渋滞が発生することもありますし、それから、場合によっては木材を積んだトラックが県南部のほうからずっと北上して山内を通過するなど──これは高野山の観光とは全く関係ないわけでありますが──高野山にふさわしくない交通環境となっているわけです。また、大型車の通過や渋滞による排気ガス対策など、世界遺産地域における自然環境の保全対策も必要となっております。
 そうした中、高野町を初めとして地元関係機関を代表する方々から、高野山の静寂な環境の確保、安心・安全なまちづくりなど、さらに平成27年の開創1200年を機に高野山環状道路の整備を求める強い要望もいただきました。こうした御要望を踏まえ、高野山内の幹線道路にかわるバイパス道路については、山内から通過交通を迂回させることによる交通渋滞の緩和や、世界遺産地域としての環境保全、さらに今後の高野町のまちづくりに必要であるため、補正予算で事業着手さしていただいたところであります。
 今後、具体的な計画について、地元の皆様の御意見を伺い、関係機関とも調整した上で早期整備に努めてまいりたいと考えております。
○議長(冨安民浩君) 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 農業問題、とりわけ紀の川流域の基幹作目である柿の振興についてでございますが、本県では、刀根早生という品種の産地化によりまして、柿の生産が飛躍的に拡大をし、全国に誇り得る日本一の柿産地が形成をされてございます。こうした産地の維持拡大を図るために、県のかき・もも研究所を中心に、生産者や地元JAなどで構成をしてございます柿研究協議会等との連携を図る中で、9月出荷が可能で市場価格が高い中谷早生等の極わせ品種への転換や、刀根早生の環状剥皮、マルチ、また摘葉の3点セットと言われる早期着色対策によりまして出荷の平準化に努めているところでございます。
 今後は、このような前進出荷対策に加えまして、極わせ品種の大玉化や、11月以降の新品種の導入の検討を進めるとともに、改植による産地の若返りや省力化のための園地整備を推進し、将来を見据えた活力ある産地の育成に努めてまいりたいと考えてございます。
 一方、高品質果実の安定供給と流通の合理化を図るため、順次選果場が整備をされてきてございますが、現在、かつらぎ町にございます5つの選果場を1カ所に統合整備が進められつつございますが、県といたしましても、事業予算の確保に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えてございます。
 また、販売対策につきましても、これまで生産者団体と連携をし、トップセールスやマスメディアを通じたブランド力の強化、量販店等との協働によるフェアの開催、さらには東南アジアなどをターゲットにいたしました国際見本市や現地百貨店でのフェアなどに取り組んできてございます。
 今後とも、こうした選果場の統合整備などを契機にいたしまして、生産者団体と一体となって、さらに販売数量の拡大、あるいは取引の継続化に向け積極的に取り組み、柿を基幹とした産業としての農業の振興に努めてまいりたいと考えてございます。
○議長(冨安民浩君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 再質問を許します。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 以上で、門三佐博君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 次に日程第3、議案の付託について申し上げます。
 お諮りいたします。議案第1号から議案第16号までは予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に、議案第31号から議案第46号まで、議案第48号から議案第59号まで及び議案第61号から議案第83号までは、お手元に配付しております議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
 次に日程第4、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
 なお、委員会の会場はお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 お諮りいたします。3月11日、12日、15日及び16日は委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 御異議なしと認めます。よって、3月11日、12日、15日及び16日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、3月17日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時37分散会

このページの先頭へ