平成22年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(中 拓哉議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後1時0分再開
○議長(冨安民浩君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 26番中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)
○中 拓哉君 皆さん、こんにちは。
 2月定例会の一般質問も最終日を迎え、いわゆるラス前の登壇となりました。平成19年春の県議選に当選させてもらって以来、はや3年、残る任期も1年となりました。「なかなか頑張る中拓哉」とキャッチフレーズを掲げ、一般質問8回、討論2回、この前、補正予算の質疑1回、数えれば11回目の登壇となります。折々の政治課題はもちろんのことでございますが、県の施策・事業、それに伴う予算、決算初め、住民の方から寄せられるさまざまな声の意見の代弁者として、知事を初め関係執行部の幹部の皆さんに質問いたしますので、県民の皆さんに御理解、御納得いただけるような誠実な答弁を期待いたします。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、質疑及び一般質問を行います。
 まず初めに、知事の政治姿勢についてお伺いします。
 一般質問の初日、吉井先輩の質問を受け、知事は3年余りの実績を示し、緒についた改革を進め、元気な和歌山を実現するため引き続き県政をリードしたいとして、力強く出馬の表明をしたのであります。平素から奥ゆかしいあなたにしては、頼もしい演説でありました。翌6日の新聞にも大きく報道された記事を読み、また、そこに挟まれていたチラシを何げなく見ておりましたら、スーパーの売り出しのチラシに、あなたのにこやかな写真とコメントが載っておりました。このチラシは、和歌山食品フェアを紹介するものであって、決して仁坂知事を宣伝するためのものではありませんが、その余りのタイミングのよさに、選挙戦術としても上手なもんやなと苦笑いしたものでございます。
 さて、平成18年暮れの知事選の選挙公報に、あなたは、ふるさと和歌山を元気にする5つの目標として、1つ、職づくり、人づくり、地域づくり、2つ、談合をなくし清潔で透明な県政を実現、3つ、安心・安全の確保、4つ、和歌山の美しさを生かした観光の振興、5つ、楽しい和歌山の実現を掲げております。
 キャリア官僚として次長まで勤め上げ、ブルネイ大使としては現地の邦人のみならずブルネイ国民からも敬愛され、日本貿易会の専務理事に就任間もないあなたが、ふるさとの危機を救う即戦力の救世主として知事選に挑んだのであります。さぞかし勇気の要った決断であったと思います。
 当時、出馬宣言したあなたは、その足で自民党県連や公明党県本部を訪ね、私がおりました和歌山市議会公明党の控室まで推薦依頼を携え、あいさつに見えました。そのとき、初めてあなたのけいがいに接した私は、公明党の推薦決定を踏まえ、力いっぱい応援いたしました。当時のやらんかなの意気に燃え、高揚し、緊張した姿から見れば、今議会で再出馬を宣言したあなたの姿には、余裕と自信をかいま見た次第です。
 その後、政党へ推薦を求めるのかとの報道陣の問いに、政党に限らず、すべての方々、すべての組織から応援を得たいとするコメントにも、その自信のほどがうなずけるのであります。まずは御健闘祈ります。
 先ほど紹介しましたあなたの選挙公約は、「ふるさと和歌山を元気に」であります。初めて臨む19年2月議会での施政方針とも言うべき議会での説明では、和歌山元気づくり予算の船出ができたと自負し、「元気」の言葉は7回使っております。2年目の20年2月の議会のそれでは、長期総合計画のタイトルにも「未来に羽ばたく愛着ある郷土 元気な和歌山」と掲載し、「元気」なる表現は6回述べております。3年目の21年2月議会のそれでは、国庫補助事業での不適正経理のおわびとともに、緊急経済対策の取り組みを示し、元気な和歌山をつくるとして、「元気」との言葉は6回使っております。そして、改選を迎えることし、22年の4回目の当初予算を審議する今2月議会における知事説明を拝聴するに、「明日の和歌山を拓く希望の政策」と「今日の暮らしを守る安心の政策」に変わり、「希望」が4回、「安心」が7回も出てくるのに「元気」は1回のみであります。心なしか演説のトーンにも元気がございませんでした。
 政治家は、体が資本、言葉が命であります。選挙時の公約に「元気」を掲げ、毎年の予算に実現させたと説明しながら、今予算の説明から抜け落ちたのはどうしてでしょうか。禅問答のようなことにならないよう、わかりやすくお答えください。
 次に、公立大学法人和歌山県立医科大学についてお伺いします。
 昨年11月10日、会計検査院の公表を受け、和医大の理事長から文部科学省所管の科学技術試験研究委託事業の研究費に、平成15年度から19年度にかけて総額1370万もの預け金による不適正支出があり、このほかにも科学技術総合研究委託事業の研究委託費と科学研究費補助金についても調査中との発表とともに、理事長直轄の内部監査室配置などの再発防止策を講じた旨、理事長から資料をいただきました。
 続いて、本年2月25日に、かねて調査中であった平成14年度から19年度にかけての科学研究費補助金や委託事業の研究費について、関係者を処分した旨の発表がありました。件数141件、1億2145万、51名のうち退職者16名を除く35名を処分し、随時速やかに返還するとのことであります。恐らく大学が立てかえて、その後、本人たちから返してもらうことになるのでしょう。
 腰痛のスーパードクターとして吉田先生がテレビで紹介され、板倉先生がラジオでわかりやすく病気の解説をするなど、象牙の塔に閉じこもることなく、和医大は市民に開かれた大学との印象を持ち、南條学長も議会で医学界で評価されている大学の取り組みを講演してくださるにつけ、誇らしく思っていただけに、今回の不祥事は少なからぬショックを受けました。中でも、病気の男の子を温泉地に案内し、医大生が一緒におふろに入り、介護をしたところ、初めて男ぶろに入れたと喜び、お母さんからは泣いて感謝されたお話など、今思い起こしても胸にじんときます。
 このたびの不祥事の報道を受け、改めて地方独立行政法人について勉強しました。国の個別法である国立大学法人法においても、教育研究の特性に常に配慮することが求められるごとく、公立大学法人にも教育研究の特性や大学の自治の尊重が求められています。この法律の71条2項に、「大学の学長となる公立大学法人の理事長の任命は(中略)当該公立大学法人の申出に基づいて、設立団体の長が行う」とあり、その3項には、その申し出はその大学の選考機関の選考に基づき行うとあり、さらに、その申し出は、定款で定めた選考機関の代表者で構成する会議の選考に基づき行うと規定しています。
 そこで、和医大の定款を見ますと、第10条に、法人の役員や職員以外の者を含む委員5人で、経営審議会や教育研究審議会の委員をもって理事長選考会議が構成されております。さらに、その定款を受けて理事長選考規程が置かれ、理事長候補者の選考手続がそこに定められておりまして、班長以上の事務局職員や課長補佐以上の技術職員を含む教授、准教授、講師、助教、工学技士長の方々の投票有資格者たちの意向投票の過半数をもって理事長候補が決まる仕組みとなっています。理事長選考会議で決まった1人を速やかに知事に申し出て、その申し出に基づき、設立団体の長、つまり仁坂知事が任命する運びとなるのです。ありていに言えば、1400人足らずの職員のうち、役付医大教職員432人の投票で決まるわけであります。
 ところが、意向投票の行われた1月12日、時を置かず、「新年明けましておめでとうございます」との書き出しで、3候補の人物月旦があり、まさしく春秋の筆法をもって、あなたは関係者に熟慮再考を求めたのであります。大学というヒエラルヒーに、公選の知事として一石を投じられたその勇気に拍手を送りたいと思います。また、二元代表制の同じく公選の議員として、私も勇気を出して質問、お尋ねしたいと思います。
 地方独立行政法人法第71条6項では、学長となる理事長の選考は「人格が高潔で、学識が優れ、かつ、大学における教育研究活動を適切かつ効果的に運営することができる能力を有する者のうちから行わなければならない」と規定し、和医大が定めた理事長選考規程第3条にも、理事長候補者の選考は、人格が高潔で、学識に優れ、かつ、和歌山県立医科大学における教育研究活動を適切かつ効果的に運営することができる能力を有する者のうちから行うものとするという選考基準を設けております。法律と和医大規程の違いは「学識が優れ」と「学識に優れ」、つまり、法律は主格助詞である「が」を使い、規程のほうは修飾格助詞である「に」を使っていることの違いだけであります。
 和医大の投票有資格者による意向投票の結果は、国民の税金をもって行われる研究費において不適正な経理をしたとして処分を受けた事実からして、この意向投票の結果はふさわしいとお考えかどうか。公立大学法人の選考機関の申し出に基づき、設立団体の長が行うとする現行法の中で、今回の事態を受け、学問の自由を保障し、教育研究の特性を重んじ、大学の自治を尊重しつつも、県民の福祉の増進を図る設置者として、県民の意向が反映できる定款や規程の整備、さらにそれらに準ずる何らかの仕組みを考えるおつもりのありやなしや。
 一方、5年以下の懲役刑まで設けている補助金適正化法違反の重大性にかんがみ、地方独立行政法人法第89条の違法行為の是正措置を命じる規定を適用するお考えはおありでしょうか。
 あなたが出された2通目の2月12日の手紙には、不名誉、私物化、学内対立との3つの懸念に対し、5点について新理事長の所信を得たとあります。この71条の条文からは、知事は裁量権の踰越も濫用もしようのない、いわば羈束行為としての任命権者なのですから、新理事長との間で交わされた和医大改革を実行あらしめるには、大学の運営に関与できない現行法の中で改革の遂行を厳しく見守り、適切に指導していくとするあなたの思いを担保するのなら、知事の権限として定める89条の違法行為の是正措置命令しかないのではないですか。まさか、100名からの県の派遣職員を引き揚げたり予算措置で担保するわけにもいかないでしょう。手紙にあるようなえんきょくな表現でなく、簡明直截にお答えください。
 次に、太陽光発電についてお尋ねします。
 知事の提案理由の説明でも触れていましたし、地球温暖化対策のうち太陽光発電の件ですが、福祉環境委員会の審議の都度、部長から、Big・Uや県立図書館など県有施設にソーラー発電設備を設置するとの説明を受け、今後も推進する旨の答弁がございます。それで、これから建設する施設はどうなのかとお聞きしても、施設建設をしようとする担当部署の判断ですとのお答えでした。そして施設の利用が始まり、数年たって環境生活部がソーラーを乗せに来ておるのです。「はあ?」と思いませんか。国体の成功に向け、整備しようとする新総合体育館、秋葉山のプール、紀三井寺の競技場、野球場、これから建設しようとする御坊の警察署、既に着手している紀北分院、子ども・女性・障害者相談センターの体育館などへも、後になって環境生活部が設置することになるのではないですか。
 太陽光発電装置の設置は、例えばバリアフリー法のように法律で義務づけないとできないことでしょうか。地方自治法138条の3には、「執行機関は、長の所轄の下に、執行機関相互の連絡を図り、すべて、一体として、行政機能を発揮するようにしなければならない」とあり、そもそも最少の経費で最大の効果を上げるのが基本であります。太陽光発電の導入が温室効果ガスの削減に寄与し、地球温暖化対策の柱とするなら、施設の使用目的に支障のない限り太陽光を利用するとの方針をお決めになったらどうでしょうか。仁坂知事、お答えください。
 次に、包括外部監査についてお聞きします。
 平成7年1月17日の阪神・淡路大震災の山陽新幹線が運行できていない日に、三重県の監査委員事務局が山陽新幹線を利用して出張したとする空出張が象徴するごとく、落語のネタになるようなことが全国の自治体で噴出し、平成9年6月の法改正で設けられた制度がこの包括外部監査です。平成11年から始まり、21年度で都合11回、1億7800万円を和歌山県では要しました。さて、その効果やいかんと思い、改めて勉強しました。
 取り上げられた案件は多岐に及び、報告書を読むのも一苦労ですが、かつて監査結果の報告書に、作成した監査人の氏名を明記すべきと指摘し、改善してもらった経緯があります。公認会計士から指摘された事項のその後の措置状況を調べようとしたところ、そもそも扱う部署のないことに気がつきました。
 そこで、丹念に条文を読み込むと、包括外部監査人は、監査結果の報告を議会、知事、監査委員、そして監査した関係委員会やその委員に提出し、監査結果の報告を受けた議会、知事らは、監査結果に基づき措置を講じたときはその旨を監査委員に通知し、通知を受けた監査委員は、当該通知に係る事実を公表しなければならないと規定されています。また、監査委員は、包括外部監査人の監査結果に必要があると認めるときに、議会や知事らにその意見を提出できるとあります。
 つまり包括外部監査人は、自分でテーマを決め、ひたすら監査し、結果をまとめ、報告しても、指摘を受けた関係部署や機関は、措置を講じたときのみ監査委員に報告すればいいのであって、措置を講じず放置したところで何らおとがめはございません。監査委員も、包括外部監査人の監査結果に関して意見があれば、その意見を議会や知事らに提出するわけですから、意見を述べなければならないとするような法的な拘束は受けません。
 その分、議会がやればいい、そのための議員じゃないかと言われれば、そのとおりとうなずくほかございませんが、22年度の議案にも、和中先生との契約、議案第62号が提案され、1134万円を使うわけですから、何らかの効果的な方策を考えませんか。包括外部監査人から指摘された事項について改善措置を講じるべく、その進行を管理する部署を明示ください。
 次に、公共調達制度についてお伺いします。
 仁坂知事の選挙公約でもあった談合をなくすは、見事実現しました。毎月まとめてくださっている監察査察監からの報告を見ても、談合、入札に関するもの、該当なしが続いております。幾つかの試行錯誤を経て定着しつつあるやに評価したいところでありますが、昨年の2月議会で指摘したごとく、担当職員の人為的なミスも散見されます。職員にとってはミスで済んでも、県民や、ましてや業者にとっては死活問題にも発展します。幾ら善管注意義務や職務専念義務に違反してないといっても、たび重なれば、やはり制度に欠陥があるのではないでしょうか。そこを疑うべきです。職員の健康管理の上からも、オーバーワークには意を注ぐべきです。また、問題点が浮かび上がっているのなら速やかに改善すべきです。
 端的にお尋ねします。
 1つ、標準型総合評価落札方式における低入札調査で、入札から決定に至るまでの日数の最長と平均日数、落札予定日の変更回数の最長とその平均回数、落札率の最高と最低及び平均。
 2つ、調査に時間を要する事由の主なもの。
 3つ、事情聴取に際し、県が適正と考える積算内訳書の算出根拠の正当性を調査対象者が求めた場合、こたえるべきではないですか。
 4つ、新制度の運用開始以来、入札公告の取りやめ件数と入札経過書の訂正の件数。
 5つ、これらの行為の理由も明示すべきではないですか。
 6つ、平成21年度国債流下第2号─8紀の川流域下水道(那賀処理区)貴志川幹線管渠(推進)工事について、入札経過書訂正の内容及び理由をお示しください。
 次に、教育委員会にお尋ねします。
 去る2月5日、せがれの大我が通う和歌山高校生徒の作品展があり、県民ギャラリーに足を運び、油彩画、日本画、陶芸、書道、華道、写真、音楽など、生徒さんの力作を鑑賞しました。育友会の役員も作品を出すように言われまして、かつて陶芸を出品したことがあり、今回も書を出そうかなと思いましたが、余りの稚拙さに恥じ、あきらめました。
 そんな後ろめたさを抱えながら、職員・育友会の展示室に入ると、「ひびき」と題する滝を描いた鮮やかな日本画が目に飛び込んでまいりました。作者は、元校長でもある、何とおらが教育長、山口裕市氏ではありませんか。柔道の猛者とは、おうわさはかねがね聞き及んでおりましたが、画才にも長じておられたことをお見それいたしました。
 武人のみならず文人でもある山口教育長にお伺いします。
 高校無償化を控え、法案審議の成り行きにも目が離せない昨今でございます。今議会では、議案第58号として、使用料・手数料条例の改正がございます。条文上はいとも簡単に、別表1の1授業料(1)高等学校ア全日制1人につき年額11万8800円を削るのです。たちまち、この削除によって、今まで高校の授業料を根拠として定めてきた高等看護学院、なぎ看護学校、産業技術専門学院、農業大学校の授業料の積算根拠を失ってしまうのであります。私どものように3月に卒業した子弟を持つ保護者からすれば、今回の授業料無償化はうらやましい限りでございます。
 長年、小・中・高のPTAの役員を務めてきた経験から、気になる点を申し上げます。
 県立高校では、年額11万8800円の授業料と空調設備使用料5000円を超えない範囲で今まで保護者は納めてきました。昨年の議会でも取り上げましたが、年額およそ12万円を12で割って、4月から均等に納め、1月だけ1、2、3月分の合計を納めます。1月に3カ月分をまとめて徴収するのは、この場での答弁では、卒業する3年生が未納となるのを防ぐためだとのことでございました。現実には、授業料、空調料に加え、PTA会費や学校施設運営費などの名目で2000円から3000円上乗せされ、口座引き落としされております。これらの資金は、専ら校長のもとに管理され、PTA役員と相談、了解の上で生徒たちの教育に使われております。
 ところが、高校授業料を徴収しないことになると、月々授業料と一緒に納めてもらっているこれらの学校納付金の口座振替の仕組みでは手数料負担がかさみ、銀行の協力が得られません。せがれが卒業するからといって放置するわけにもいかず、今後の高校の運営からすれば大きな心配なのであります。教育委員会が真剣に悩んでくれればいいのですが、その担当の部署もなく、各学校の問題だとしてにべもございません。本来は、高等学校管理費で予算措置をすべきものと思いますし、そのことをここでも強く迫りたいのですが、建前のきれいごとでは済みません。北海道教職員組合のように、主任手当を寄附してくださればいいのですが、これも当てにできません。
 間もなく入学説明会が開かれ、保護者の方々にお願いするわけですが、学校運営に欠かせない学校納付金の納付を担保する条例化なり、教育長コメントなり、現場の校長先生や事務長、PTAの方々が保護者にもっともだと納得していただけやすくなるようなサポート策をお示しください。
 一方、PTA活動の有用性は論をまちません。生徒たちのため、高校の食堂も経営し、学校行事にも協力し、保護者同士の親睦を図りつつ学校の発展に貢献しております。山口教育長が造詣の深い市民性の教育振興には中核となる組織であります。県立高校PTA活動の現況、PTA会費を初めとする学校納付金の年間の収入、支出、繰越額の総額と生徒1人当たりの平均納付額をお答えください。
 最後に、21年度最終補正の質疑でも取り上げました電動柔道畳、いわゆる柔道畳自動畳み機について簡潔にお聞きします。
 さきの質疑の答弁では、平成19年4月に国際柔道連盟審判規定による畳のサイズが既に128畳から112.5畳に改正されているとのことですが、昨年9月に予算化するなら、その時点で確認しておくべきではありませんか。幾ら国の経済対策のお金とはいえ、税金に違いはありません。
 また、一般競争入札の制度で調達するのだから公正だといっても、メーカーが1社で、その製品を扱う発売元があり、県下の販売代理店が1社であれば、商慣習に照らして考えれば応札するのが1社のみで、その応札金額が県の示す予定価格を上回り、落札者なしとなっても、唯一の応札者がその金額を応札し続ければ、今度は県が予定価格を引き上げない限り入札不調が続くだけではありませんか。つまり、形式だけの一般競争入札となり、競争原理は機能しません。最少の経費で最大の効果が上がるよう、公正で確実な契約方法はございませんか。会計管理者、お答えください。
 5年後の国民体育大会の成功に向け、今後、県民の機運を盛り上げ、寄附も仰がなければならないのですから、指弾を受けることのなきよう、気持ちよく選手が競技に専念できるよう、県民も心から国体を心待ちにできるよう、準備怠りなく、失敗なさらないことをこいねがい、第1問といたします。御答弁、よろしくお願いします。(拍手)
○議長(冨安民浩君) ただいまの中拓哉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、私の政治姿勢についての御質問にお答え申し上げます。すぐれて「元気」についてでございます。
 「元気な和歌山の創造」は、いわば仁坂県政の基軸のテーマとして、私の立候補のときのキャッチフレーズでもありましたし、長期総合計画で掲げた理念でもあります。この基本姿勢、信念は揺るぎないものでありまして、いささかも変わっておりません。
 私は、この目標に向かって邁進しているわけでありますけれども、毎年度の政策形成においては、変動する社会経済情勢を踏まえながら、その時々の喫緊の課題や問題意識に基づいた政策のベクトルを指し示す必要がありまして、それを具体的かつわかりやすく指し示すということで、平成22年度の場合は希望と安心というのが、今、一番元気を達成するときの問題意識ではないかということで、新政策のテーマにしたわけです。
 21年度については、緊急性を要する大不況というのが来ましたので、「緊急対策」、「底力を蓄える政策」、それから「安全・安心対策」という3つのベクトルを指し示したわけであります。で、長期的視野に立脚いたしまして、かつ、このように機に臨み変に応じながら、毎年度の状況に応じて施策の選択と集中を行いまして事業を立案し、予算を編成していく、その着実な積み重ねの結果として元気な和歌山を実現していく、それが私の進めている新政策のプロセスでありまして、今も、そしてこれからも「元気な和歌山の創造」という基本姿勢を堅持し、空元気とか、あるいは言霊信仰とか、そういうものにならないように県勢活性化に全力を傾注してまいりますので、どうぞ議員各位の御理解と御支援をお願い申し上げたいと思います。
 次に、和医大の件であります。
 公立大学法人和歌山県立医科大学における不適正経理及び学長となる理事長選考についてお答え申し上げます。
 まず、理事長の選考について申し上げます。
 理事長に選考されました板倉教授が不適正な経理処理を行い、これによる処分を受けたことは非常に残念なことであります。その結果、その理事長については再考をしたほうがいいんじゃないかというような大学人に対する再考要請を私はしたところでありますけれども、一方、その中でも語っておりますように、学問的業績、また教育者としての実績、さらには人物識見でも、これはそういう点では申し分ない立派な、和歌山県立医科大学を代表するような方であるということは、昔も今もそう思っております。
 板倉教授からは、全学を挙げて地域医療の充実に取り組むこと、それから大学の自治を守りつつも県民の声がきちんと反映されるような意思決定システムの構築等の改革に県と協力して取り組むこと等について所信の表明を得ましたので、私としては、板倉教授と同教授を選ばれた大学の皆様の意見を尊重することにいたしました。
 また、県民の意向が反映できる仕組みについてでありますが、今回の一連の出来事を受けて、設置者である県、そして県民の意向がきちんと反映されるような改革の必要性を痛感したところでございます。新体制発足後、早急に大学と協議しながら、設置者である県、そして県民の意向が反映されるようなシステムの構築等、大学改革を強く促してまいります。
 次に、県立医科大学において行われていた不適正経理処理については、地方独立行政法人法第89条、御指摘のこれを踏まえまして、大学に対し徹底した再発防止策を講じるよう強く求めております。
 現在、物品検収の徹底や内部監査体制の充実強化などの取り組みが進められているところでございます。今後も、大学がこれらの再発防止策を確実に実行するよう厳しく見守り、また適切に指導してまいりたいと考えております。
 次に、太陽光発電推進の全庁的取り組みであります。
 県有施設への太陽光発電装置につきましては、物理的な設置可能性、施設整備改修スケジュール等の兼ね合い、県民への普及啓発効果や活用できる国の支援制度等を総合的に勘案して対象施設の選定を行っております。
 先日完成いたしました県庁東別館を初めとして、来年度までには、スクール・ニューディール構想や地域グリーンニューディール基金等を活用した県立学校、研究機関等への設置が完了する予定でありまして、その設置箇所を大幅にふやしております。また、このことにつきましては、昨年来、県の方針としてこういう方向で、例えば補正予算をお願いするとか、新政策で予算をお願いするとか、そういうことについても説明を加えているところであります。
 議員御指摘の施設の使用目的に支障のない限り太陽光を利用するとの方針につきましては、温暖化対策を推進する観点から重要であり、そのように考えて、1つ1つの施設について実態に応じ努力をしているところであります。このため、日照時間が長いという本県の地域特性に適した太陽光発電の国体関連施設など県有施設への導入については前向きに取り組んでまいりたいと、そういうふうに考えているところであります。
○議長(冨安民浩君) 総務部長宮地俊明君。
  〔宮地俊明君、登壇〕
○総務部長(宮地俊明君) 包括外部監査についての御質問にお答えいたします。
 毎年度末に報告を受けた各所属や各団体におきまして改善すべき事項について、例えば財産管理に関する指摘や公社における会計処理の誤りなど、適正かつ速やかに対応してきているところでございます。また、各所属が当該監査の結果に基づきまして措置を講じたときには、その旨を監査委員に通知し、監査委員は当該通知に係る事項を公表することとなっております。
 今後とも、包括外部監査による指摘事項に対する各所属の改善への取り組みにつきましては、行財政改革推進の視点で総務部が中心となってしっかりと進行管理を行ってまいります。
○議長(冨安民浩君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 公共調達制度に関しまして、6点、御質問にお答えします。
 まず、低入札調査で入札から決定に至るまで所要する日数等についてでございます。
 この調査の対象となりました件数ですが、予定価格1億円以上が対象となった平成20年12月以降平成22年1月末現在で24件ございます。これらの入札から落札決定に至るまでの日数は、最長で50日、平均29日です。次に、落札予定日の変更回数ですが、最大3回、平均1.25回です。さらに、落札率は最高で94.5%、最低で70.5%、平均で81.9%となっております。
 続きまして、調査に時間を要する事由の主なものについてでございますが、低入札調査では応札者の見積もり等が設計内容に適合しているかどうか、必要な経費が計上されているかどうか、下請業者や資材納入業者の見積書が反映されているかどうか、こういった点について審査をするものでございまして、応札者の見積金額が適正かどうか、説明資料を求めております。しかしながら、県が応札者に対して追加で必要な資料を求める場合に、その提出に時間を要している場合があるのが実態でございます。また、それが重なった場合には、さらに時間を要する場合もございます。
 次に、事情聴取に際しまして、調査対象者が求める質問に対して県がする説明についてでございますが、公共工事の応札に当たりましては、応札者は入札公告に添付されております積算内訳書、特記仕様書、こういった設計図書から工事目的物を完成し、県に引き渡すまでに要する費用を計上することとなっております。その際、応札者は発注者に対しまして、積算内訳書の算出根拠などについて不明な点がありますれば質問できることとなっております。そのときの回答については、入札情報システムに掲載し、皆様にわかるよう周知に努めております。
 なお、県が行う低入札調査における事情聴取については、応札者が実施する工事内容が過度に安価になっていないか、安全性や品質が確保されているかどうか、こういった観点で調べることを目的としておりますので、その点、御理解いただきたいと思います。
 次に、入札公告の取りやめ件数と入札経過書の訂正件数についてでございますが、新制度運用後、平成22年1月末現在で入札公告件数は6315件ございます。そのうち、取りやめたのは229件、入札経過書を訂正したのは24件ございます。
 次に、これらの理由の明示についてでございますが、平成21年9月25日から入札公告を取りやめる際に、入札公告の内容に誤りがあった、技術資料作成要領の内容に誤りがあった、設計図書に不備があった、こういった取りやめ理由を明示することといたしております。また、入札経過書の訂正につきましても、正誤を記載し、修正内容を明確にすることとしております。
 今後とも、各発注機関においてチェック体制の一層の強化徹底を図り、入札公告の取りやめなどの減少に努めてまいりたいと思います。
 最後ですが、入札経過書訂正の内容とその理由についてでございます。
 那賀振興局建設部の発注工事におきまして、予定価格を超えた入札に対し、誤って総合評価を行い──誤ってと申しますのは、予定価格を超えてますので、必要がないという意味ですけれども──その入札経過書に評価書を記載しておりました。これは、総合評価落札方式実施要綱第10条2項、予定価格の制限の範囲内の価格で入札しない入札者については総合評価を行わないという記載があるにもかかわらず、手続上、誤ったものでありまして、発見後、直ちに入札経過書の訂正の措置を講じたところでございます。
 このような手続上の誤りで入札経過書の訂正に至り、結果的に制度の信頼性を欠くこととなり、大変申しわけなく思っております。今後は、今回の事例の周知徹底を図り、こういった誤りがないようにチェック体制を強化いたしますとともに、再発防止に向け、私ども関係する職員の意識向上に努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○議長(冨安民浩君) 会計管理者雑賀忠士君
  〔雑賀忠士君、登壇〕
○会計管理者(雑賀忠士君) 一般競争入札が不調となった場合についてでございます。
 地方自治法施行令では、再度の入札に付し落札者がないときには随意契約によることができる旨が定められてございますので、その方法により調達することとなります。また、現行の制度のもとでは、競争性、透明性、経済性等に最もすぐれた一般競争入札による契約方法が最適と考えております。
 以上でございます。
○議長(冨安民浩君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) PTA会費を含む学校納付金についてお答えいたします。
 県立高等学校の各PTAでは、学校、家庭、地域の連携・協力などに関する講演会や懇談会の開催、PTA新聞等を通じた会員への広報活動が行われているほか、ネット犯罪への対応など、生徒の健全育成や卒業後の進路対策に関する活動等が実施されておりまして、PTA会費等の学校納付金は、こういったPTA活動以外にも、保護者の御理解を得ながら、さまざまな面からよりよい教育環境づくりのために活用されているところでございます。
 また、PTA会費等の学校納付金の現況につきましては、平成20年度で県立高等学校全日制を例にいたしますと、前年度繰越額を含んだ収入額は県全体でおよそ6億円程度であり、支出額はおよそ5億円程度で、次年度への繰越額は約1億円程度と推計されます。
 なお、生徒1人当たりの納付額では、全国平均が約3万3000円程度であるのに対しまして、本県では約2万3000円程度と伺っております。
 PTA会費等の学校納付金は、その趣旨からも条例に位置づけるということ等にはなじまないものと考えておりますので、今後も引き続き保護者の皆様に御理解をいただけるよう、それぞれの学校及びPTAにおきまして十分に説明責任を果たさなければならないと考えております。
 次に、電動収納柔道畳についてお答えいたします。
 国際柔道連盟審判規定による試合場の規格が平成19年4月に128畳から112.5畳に改正されておりますが、いまだに全日本柔道連盟審判規定については改正されておらず、今もなお国内においては暫定的に国際規格、国内規格とも利用が可能な状況となってございます。
 昨年の9月議会での予算承認後に仕様書を作成し、県柔道連盟を通して全日本柔道連盟に発注前の最終確認をしたところ、今後新たに整備する場合は国際規格の導入が望ましいとの指導をいただいたというところから、県といたしましても、国際規格である112.5畳の電動収納柔道畳の導入を決定したところでございます。
 日ごろから、中央競技団体からの情報収集につきましては、県の競技団体等を通じて徹底するよう指示しておりまして、今回御承認いただきました電動収納柔道畳の導入につきましても、特に高額な備品を購入するという認識のもと、情報収集の努力をいたしたところでございますが、なお十分でなかった点については反省しなければならないと思っております。
 なお、国体開催を5年後に控え、今後は中央競技団体への情報収集はもとより、県内の競技団体等ともより連携を密にするなど、情報の収集に努めてまいりたいと考えます。
 以上でございます。
○議長(冨安民浩君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 再質問を許します。
 26番中 拓哉君。
○中 拓哉君 それぞれ御答弁ありがとうございました。
 「元気」のことについては、知事が初めて選挙に臨んだときのことがやっぱり印象に残ってますし、和歌山を元気にするんだというのが非常に簡潔な言葉でしたですし、あのとき、木村前知事のことがあって遠くの親戚からも冷やかされたり、そういった中で非常に象徴的な言葉やったもんですから。で、3年言い続けてきたもんやから、やっぱり取り上げてやっていくことが政治家としては政治の道じゃないかな。また、何となく企画とかそういう方々が工夫を凝らして、「希望」とか「安心」とかというところをつくったように思うたもんですから、お尋ねしたような次第でございます。
 ソーラーもぜひ進めていただきたいと思います。例えばバリアフリー法なんか、法律ができたらいろんな形で各施設は必然的にしていかなあきませんよね。ところが、ソーラーはまだそこまでいってませんもんですから、結局、県庁のてっぺんや県民図書館や、そういう象徴的なところ、後でつけにいかんなん、これが現状やと思います。しかし、この先CO2を減らす上で重要やというんであれば、各部署はお金かさむの嫌かわかりませんけども、県の方針──一体として取り組まなあかんという知事のもとでいく上においては、そういう方針を決めたらいいのになと思ったんです。
 外部監査については、もうかれこれ2億円ぐらい使っておりますし、先ほど宮地さんの答弁でも、必要を講じたときは講じたと言いに行くんですね。だから、言われたことが、しり食らえ観音で、勝手に公認会計士、言うてらよということであれば、いつまでもそうなりますんで、それがおかしいんじゃないかということを問題提起したわけでございます。ぜひよろしくお願いします。
 低入調査です。茅野さんから御丁寧な答弁いただきました。しかし、この運用の中で、私ら県会議員やっておりまして話聞いてよと言われるのは、結局日にちがかかる。業者としたら一生懸命勉強して出したんや。それで呼んでくれる。ぜひ落札したい。また指摘を受けた資料を整えた。一生懸命説明できるように頑張った。で、説明した後で、そもそもおまえとこはこれこれがあかんのやと言うて、説明した事情と違うところでアウトと言われると。ほな、はなからもう呼ぶなよと、こういうことなんですね。そういう事例があります。
 また、その書類を見てたら、予定価格オーバーしてるのに何で点数つけてんのよ、意地悪く見たら、県はもうはなからそういう点数持ってるん違うんかい、一々ほんまに見てくれてんのかいって、こういう不信にも及びます。正誤表を出してると言いますけど、どこ間違うたかわかりません。だから、どこどこの箇所が間違ったから訂正したんやということをやっぱりきっちり説明するのが県の責任じゃないかなと思います。
 また一方、これは県ばっかり責めるわけにいきません。県の担当者も一生懸命やってくれてると思います。一生懸命やってくれててオーバーワークになってるんであれば、もうちょっと簡便な形ですっきりするように改善してあげてほしい、そのように思います。
 今度反対に、説明したときに、一生懸命説明した。県は違うぞと言う。何が違うんか。正解は何だ。「正解を言うてくれてこそ、私どもは勉強して、次にまた計算の仕方が間違うてあることがわかる。正解を言うてくれなんだら、次、幾ら勉強しても同じ間違いをする。業者の育成になりますか。そこら、中さん、一遍聞いてくださいよ」、こういうことでございましたんで、お尋ねした次第でございます。
 私どもは──県の職員も私どももそうですけど、ちゃんと21日来たら給料くれます。しかし、業者の人は、その仕事をとるかとらないかによって生殺与奪を握られてるわけですから、公正で透明な行政の執行をこの際お願いしたいと思います。
 今度は、学校納付金です。
 教育長の答弁はそういうことかもわかりませんけども、私が勉強する限りは、地方財政法27条の3に禁じておりますのは、学校の施設の建設事業費を住民に負担求めたらあかんと、こうなってるんですよ。建設費だけなんですよ。学校運営費なんかについては別にあかんと禁じておりません。
 また一方、学校教育法5条を見ましても、学校の設置者はその経費を負担せなあかん。これは当たり前ですわな。ということは、高等学校の設置者である県が、高等学校の運営費はずっと見なあかんわけです。ところが、見れてないから、皆保護者がその分応援してるというか、かぶってるというか、そういうことなんです。
 それで、特に問題なかったらいいんですけども、今回、授業料を月々納めてたやつが授業料を取らなくなりましたから、そういう学校運営費だけ1000円、2000円、多いとこは3000円でしょう。これを集められないから、PTAなり学校長が困ってるわけです。そのときに当然、おっしゃるように、建前のように説明したらええんや、了解得たらええんや、こういうことですけど、この了解が得られにくいんですよ。大変なんですよ。
 だから、教育長が何かサポートしてくれて、僕からしたら条例つくってくれて──条例つくれないわけじゃありませんから、条例で、今回削ったところに、学校運営費、高等学校、1人につき年額2万円とか2万5000円とか、そういうことを書けば根拠があるわけですから、保護者の方々にもお願いできるし、学校にも迷惑かけないというか、学校の運営もスムーズにいくんじゃないかな。それが、できないんであれば、ちゃんと県費で各学校にいろんな費用は見るべきやと思います。
 そういう問題が噴出されてきますんで、もう一度、教育長、保護者や学校長が、これを保護者に協力求めるときに、何らかの、教育委員会といいますか、山口さんがコメントする形でもいいですから、サポートしてもらいたい。このように思いますので、その点、おつもり、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
 和医大の件、知事のお手紙には私も感銘いたしました。なかなかこういう和医大のような閉鎖的な社会といいましょうか、医局でもって力を発揮して、それぞれ研究をやってる。それはそれでいいことなんですよ。そのことを否定するわけじゃありませんけども、そういった中で一石を投じたということについては尊敬も申し上げます。
 その中で、知事の手紙には、新理事長の板倉先生──先ほどは申し分のない、かねてから立派な方やと思っていると、こういうことでしたね。では、あのお手紙に書いてた、「望ましくない」という表現を使われておりましたね。あるいは「時期を選んだらどうですか」と、こういうふうに書いてました。
 この点についての説明がないように思いますんで、お答えいただきたいのと、そもそもそういった、知事は3人の方々、候補者それぞれについて時期を選べと、あるいは潔く云々ということがございました。そういった方しか出なかったという、僕は医大についてちょっと残念なんです。もうちょっと立派な方が推薦人10人集めて立候補してくださってたらいいのにな。この3人しか選択肢がなかった。こういうところを疑問に思うんで、結局、候補を選ぶ基準、投票の基準は、人格が高潔で学識がすぐれ、大学の教育研究活動に適切、効果的な運営能力を有する者と、こうやって選ばなあかんのに、果たしてこういった補助金の不正をした方が、あるいはそれを管理監督できなかった方が人格が高潔で学識にすぐれ、適切な運営ができる人と言えるんかなと、こう思ったんです。
 もう1点は、県の職員さん、あそこで働いてますね、派遣で。県の職員さんは、平成7年に和歌山県が大騒ぎしてえらい目に遭うたことをわかってるわけです。つけかえやの、買いかえやの、預けやのということは。それで、先輩方の分を払わされてきたとわかってるわけですね。その事務を知ってる人が医大へ行ったときに、疑問を持って、つけかえやら預けやら普通はしそうなもんやのにやってないかの、やってあるんやったら直さなあかんの違うかのと、この勇気が僕は何で職員さんにないんかな。あそこへ行って仕事するのに、県庁で大騒ぎした経験持ってたら、ちょっと勇気出して「改めませんか」と言うておったら、今回のような事態は防げたんじゃないか。そのようなことも思うわけでございます。
 で、もともとに戻りまして、指導するという表現ございました。しかし、どこを読んでも指導する根拠はありません。関与するな、自主性に任せろ、事後評価でいけ、事後評価でうまいこといってなかったら中期計画の目標を変えたり定款変えたり、そういったことは県議会も多少コミットできますけども、日ごろの運営は、朝も中村さん、先輩言うてましたけど、やっぱりお金渡すだけで、どうぞ頑張ってよと、成果上げてよしかないんですよ。そんな中で、先ほどのように促すとか厳しく見守る、ここまでは言えたとしても、指導するというところまで言えないんじゃないかな。指導すると言うんであれば、やはり88条を使って、是正命令という権限を使わないことには是正されない、できていかないんじゃないかな、このように思ったんで、もう1点、その点お答えいただきたいと思います。
 文科省も、返してくださいよではありません。返還命令です。そうやって行政は動くと思いますんで、その点、お答えいただきたいと思います。
 以上です。
○議長(冨安民浩君) 再質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、板倉次期理事長の人物に関してでありますけれども、私がお手紙の中でも書いてありますように、人格については別に問題はないけれども、しかし、現実に不適正経理を行ってしまった。行ってしまったということについては事実だし、その量も結構大きいわけですから、したがって、それ自体として問題であるということに加えて、名前等々からくる、つまり不適正経理とか、そういうような名前からくるところの悪意とか、そういうことについても、きっと世の中の人は、それを想像して和歌山県に対していろいろな不名誉なことを、和歌山県にとって、あるいは和歌山県立医大にとって不名誉なことを思うに相違ないと。それを恐れたもんですから、人物については問題はないと思うけれども、だけど時期を選んだらどうですかと、一度きちんと反省をして、しばらくたってからまた再起を期したらどうですかというようなことを私は申し上げたわけであります。
 しかしながら、一方では、そのときも書いてありましたように、それから、実はそれは手紙で書いただけじゃなくて、選挙になりましたので、とうとう願いがかなえられなくて選挙になりましたので、しばらくは選挙妨害はしちゃいかんと思って黙っておりましたけれども、その前も直接あるいは間接に本人に届くような形で──直接というのはちょっと間違いですが──間接的に本人に必ず届くような形で、そういうふうにしたらどうですかということは、助言は申し上げたつもりであります。しかしながら、それは聞いてくれなくて、それで選挙になった。で、しばらくは黙っておった。それで、やっぱりきちんと物は申しとかないといけないんで、大学人として、皆さんはそれでいいんですかということを申し上げた。
 しかしながら、大分議論があったようでありますけれども、最終的には大学の中で再選挙をしようとか、考え直そうとかいうところが多数になることはなかったので、しばらく時期を置いて、したがって、それでは次のステップに入りましょう、こういうものを放置する、あるいは、たとえ私が設置者として、設置者であるにもかかわらずいろいろリコメンドをすると、それが内容にかかわらず大学の自治に反するというような発言をする方もいましたから、そういうことでは、仮に、例えば地域医療にもう少し手を抜きたいなどという大学の意思ができてきたら、それに対して制肘することは難しくなりますから、そこのところは大学の意思決定システムについても、もう少し県民の意向を踏まえた、県当局がきちっと関与できるようにしたらどうだというふうに今は思っておりまして、板倉さんもそれについては協力しましょうということでありますので、それじゃ板倉理事長ということで、大学の総意を──大学人の総意ですね──尊重しましょうかというふうに今思いまして、また2回目のお手紙をお書きしたところなんであります。現在はそんな状況でございます。
 それから、第2点目の法律の援用でありますけれども、これは、もちろん和医大が全く言うことを聞かない、あるいは我々として不満足なことしかしないということであれば、それを、伝家の宝刀を抜いて法律に基づく措置を求める、命令するということは当然あっていいと思います。ただ、今のところ、和医大の方々も大変反省をしておりまして、我々に協力をして、いろんな再発防止のための仕掛けを工夫してくれています。当分はそれで、その方向でよろしいんじゃないか、法律的な、要するに要式行為と私ども申し上げますが、要式行為をとる必要はないんじゃないかと思いましたので、そういう状態で今いるわけでございます。
○議長(冨安民浩君) この際、申し上げます。
 所定の時間が迫っておりますから、答弁者は簡潔明瞭にお願い申し上げます。
 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) PTAの皆様方には、日ごろから教育のために大変大きなお力添えをいただいておるところでございまして、議員の御意見は、このPTA活動のベースになる会費について御心配いただき、また応援いただく大変ありがたい御意見であるというふうに思います。ただ、制度的には、これを条例、規則で決めるというのは、PTAの独立性を侵すことにもなるというふうにも思いますので、今後とも……(「いや、違うんや」と呼ぶ者あり)PTAと──今PTAの事務局と十分相談をしておりまして、各学校でだれがどう説明をしていくか、会費の徴収方法をどうするかというようなことについて綿密な打ち合わせをしているところでございます。
 今後とも、PTAと連携をしてサポートに努めまして、議員のお気持ちにこたえていきたいというふうに考えます。
○議長(冨安民浩君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 所定の時間まであと1分でありますが、再々質問を許します。
 26番中 拓哉君。
○中 拓哉君 知事、わかりました。ぜひ、私らも県議会でできる権限は、定款の変更とか計画の変更とかそういったこと、あるいは極端に言うたら解散するときとか、そういうところしかないもんですから、本来は自主性にゆだねて、私も患者としてお世話になって治してもうた経緯もあります。感謝してます。医大には頑張ってもらいたいと思います。そういうことの環境が整うように、やはり自浄能力を発揮してもらいたいな、そういうことをこいねがいます。
 教育長には、もう理屈でそれしか言えないのはわかりますけども、お金使われてる実態は何もPTAだけじゃないんですよ。ほとんどやっぱり学校のほうに協力してるんですから、そこをもっと真剣に悩んでいただいて、県下の高校運営が1年間支障のないようにお願いしたい。こういうことをお願いしまして要望といたします。
○議長(冨安民浩君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で中拓哉君の質問が終了いたしました。

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