平成22年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(藤井健太郎議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 43番藤井健太郎君。
  〔藤井健太郎君、登壇〕(拍手)
○藤井健太郎君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。
 まず、補正予算、新年度予算と県経済について知事にお尋ねをいたします。
 年度末を迎えまして、雇用や収入の低迷は依然続いております。県民の暮らしを取り巻く状況にも相変わらず厳しいものがありますし、中小零細業者の皆さんの売り上げも落ち込んだままであります。
 新年度、国の施策では、子ども手当、高校授業料無償化や農家への戸別所得補償など、家計への応援がされる一方では、社会保険料の引き上げ、税の扶養控除の一部廃止や縮小、これによる増税が保育料など福祉制度への負担金へのはね返り、将来家計へどのように影響してくるのか、不安材料が残されている面もあります。
 国の新年度の経済見通しでは、名目成長率0.4%、完全失業率5.3%、雇用者報酬マイナス0.7%、民間最終消費支出は名目でマイナス0.2%と生活の実感としてはなかなか厳しいデフレ基調が続くのではないか、こういう予測もされます。
 県の新年度の税収見込みでは、前年度当初比較で160億円の減となっており、個人県民税や法人2税とも前年度に引き続き2年連続の大幅減額の見込みとなっています。景気回復の厳しさを示すものであるでしょう。
 ところで、20年の12月補正よりことしの2月補正まで7回の補正予算で、高速道路4車線化の凍結分102億円を引いても907億円が生活対策、経済対策としての社会資本整備や雇用対策、生活応援、地域活性化のための予算として充てられております。
 新年度においても事業が進められているところであります。これらの事業は、単年度限りであったり、23年度までの3年間の事業と年限が限られていることから、最も効果の上がる活用方法が望まれています。
 家計への直接応援や県内の需要拡大へとつながるもの、県内事業者の仕事をふやすこと、県民の雇用の場をつくり出すこと、ひいては県民の所得を引き上げていくことにつながる活用が求められております。
 そこで、知事にお尋ねをいたします。
 1つは、県内事業者の受注機会の拡大と成果がどうなっているのか。新年度予算についての知事説明の中で、きめ細かな社会資本整備を補正予算に盛り込むことで県内企業の受注機会確保にも配慮したと言われております。今議会の最終補正に限らず、これまで幾度となく経済対策の補正が公共事業を中心に行われてきておりますけども、県内需要の思い切った拡大を進めるためにも、県内事業者の仕事をふやしていくことが必要であります。
 そこで、県内事業者の受注機会の確保に具体的にはどのように取り組んでこられたのか。そして、どのような成果があったと考えておられるのでしょうか。受注機会が拡大されても、実際に仕事につながらないと意味がないわけです。発注に対する受注件数、受注金額などの割合はどのようになってるのでしょうか。
 また、新年度の取り組みをどのようにしていくのか。さらに、県内事業者の受注機会の拡大にどのように取り組み、期待される成果をどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。
 2つ目に、雇用創出の取り組みについてであります。
 同じく新年度予算についての知事説明で、離職を余儀なくされた方への雇用対策や、高校生の就職支援強化など、新たなセーフティーネットを講じていくとともに、雇用創出プロジェクトを引き続き実施すると言われております。昨年12月末時点での緊急雇用創出事業の実績を国が発表しておりますが、それを見ると、本県は事業数、雇用創出数で全国比較では最下位に甘んじているという状況となっております。
 知事の言う雇用創出プロジェクトのこれまでの成果と新年度の取り組みはどのようなものなのか。緊急雇用やふるさと雇用などの基金事業、福祉や医療、農業分野でのU・Iターンへの取り組みなど、直接雇用につながる事業の拡大が必要であろうかと思います。これから強化されようとする環境対策や観光事業などでの雇用創出への期待も聞こえてまいりますが、新年度、雇用創出の取り組みで強化をされる、また新たに雇用創出プロジェクトとして取り組むようなものがあるのか、雇用創出の目標をどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。
 次に、経済対策としての官公需のあり方についてお尋ねをいたします。
 物品の購入、役務の提供や工事請負契約などの官公需の発注に当たっては、中小企業の受注機会の拡大を図るために官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律、いわゆる官公需確保法が制定されております。国においては、中小企業向け契約目標の設定と達成に向けた措置を契約の方針として毎年閣議決定を行い、発注情報の提供、受注機会の拡大、分離・分割発注の推進、適正価格による発注などの方針を定めています。
 県の官公需のあり方について、今日の経済状況と予算の有効活用を考えていく上で、県内中小事業者への発注のあり方にも配慮していくことが重要ではないかと思います。「県内業者でできる仕事は県内業者への発注を」が原則でもあります。
 最近、県の教育施設や県内の自治体で、物品の発注においてですが、製造はISO認証工場と指定して発注を行っていることがありました。ある自治体では、学校の本棚をつくるのに設計仕様の中で、紀州ヒノキの集成材を使用すること、紀州産の証明をつけること、ここまではいいわけですが、しかし、製造はISO認定工場でとなっていました。木工品をつくるのに県内でISO認証取得している事業者がどれほどあるのでしょうか。これでは、せっかく県産材を使用しても県内事業者の仕事の機会を狭めてしまうことになります。
 また、設計仕様書の中で大手特定メーカーの金具品番を指定して発注されていることもありました。工事発注だけではなく、物品の発注に当たっても県内業者で製造可能なものなら受注の機会を広げるように細心の注意を払っていくべきであろうかと思います。
 そこで、改めて県の官公需、中でも予算額の大きい工事発注のあり方についての考え方や今後の方針についてお尋ねをしておきます。
 1つは、よりきめ細かな発注をお願いしたいということです。
 きめ細かな社会資本の整備を進めると言われていますが、それにはよりきめ細かな発注も必要ではないか。この辺はどのように考えておられるのでしょうか。受注が特定の事業者に集中することなく、より多くの事業者に仕事が行き渡るように発注の工夫を尽くすことも必要です。そのためにも、きめ細かな分離発注を行うこと。当然、職員体制の確保も必要となってきますが、特に多くの業種が参加する建築工事においての分離・分割発注のさらなる推進を求めたいと思います。
 2つ目に、県産材、県産品の活用の促進についてであります。
 県内の需要を高めていくためには、県内事業者の受注機会を拡大していくとともに、県内での生産物、製造物の利活用を高めていくことも重要な課題です。県産材、県産品活用についての考え方はどうか。どのぐらいまで活用できているのか。新年度の目標の設定はどうか。さらに、引き上げることへの考えはあるか。また、これから整備しようとする県立体育館や屋内プールを初め、国体施設への紀州材の活用方針はいかがなものか。
 3つ目に、適切な下請単価と労務単価となっているのでしょうか。工事請負では、下請は1次下請にとどまらず、2次、3次、それ以上へと重層化しているのが通例であります。建設業を取り巻く状況が厳しさを増す中で、下請単価において一方的な価格の押しつけ、契約書が交わされていないことや、最低賃金を下回る労賃になっていること、支払いの遅延など、下請事業者や建設労働者にしわ寄せがさらに広がっていくのではないか懸念がされます。県発注の工事において、実態把握がどの程度までできているのでしょうか。検証していくシステムづくりも必要となってくるのではないかと思います。
 今、国においては昨年12月参議院で、国や自治体が発注者となる公共工事で働く労働者の賃金、労働条件を確保、改善するための公契約法制定を求める請願が採択をされました。法案が国会に提出される予定にもなっております。国に先駆け条例を策定した自治体も生まれています。
 地域での建設産業の健全な育成と技術者の養成、確保という点からも、適正価格での発注であり、適切な下請単価、労務単価であることが求められます。それは、公共工事の品質の確保を保証することにもつながってまいります。どのように考えておられるのでしょうか。
 次に、住宅関連施策の拡充についてでありますが、住宅着工戸数が激減をしてきております。所得が低迷を続け、住宅ローンの返済のことなどを考えると、新築、改築など、しばらく様子見の状況が続くものと思われます。そういうときこそ、住宅関連施策の拡充を図っていくことが必要ではないでしょうか。「住まいは人権」とも言われていますし、家計を応援することにより県民の住環境の改善を図るとともに、広いすそ野を持つ建設関連産業の需要拡大にもつなげることができます。
 新年度、太陽光発電で2000万円、紀州材を使っての住宅新築・改築に4000万円の予算で個人に対する直接助成を継続して行うとしていますが、予算は昨年と同額となっております。双方ともに申し込み件数もふえていて抽せんとなっているために競争率が2倍を超えるなど、助成制度の公平性が損なわれるおそれがあります。抽せん制度をやめて、予算の拡大こそ進めるべきであると思います。このことについては、今回は意見として述べておきたいと思います。
 耐震改修への助成と住宅リフォーム助成制度の創設についてお尋ねをいたします。
 国の耐震診断への助成制度とあわせて耐震改修に取り組む個人住宅に対して、県単独事業として60万円を限度額に耐震に係る費用の3分の2を市町村と半分ずつ負担しています。昨年度からは、国からの改修費の11.5%の上乗せ補助が追加されているというふうに聞き及んでおります。改修に対する助成制度ができてから既に6年が過ぎようといたしておりますが、利用戸数は400戸にも満たないという到達です。
 昭和56年5月以前に建築された木造住宅で耐震診断の結果、評点が0.7点未満の住宅については評点1.0以上に、昭和45年以前に建築された住宅については評点0.7以上に改修することとされていますが、耐震改修は住宅のリフォームにあわせて行っている世帯が多く、平均200万円以上はかかっているという話も聞きます。
 この際、耐震改修に係る助成限度額の引き上げ、そして昭和56年5月以降に建築された住宅についても、既に築後30年を経過していることもありまして、リフォームの必要な時期にも来ております。そういう住宅も助成対象に加えていくことを検討してはいかがでしょうか。
 また、住宅のリフォームに対する助成に取り組む自治体が広がりつつあります。住宅ローンに対する利子補給から直接助成に踏み切る自治体がふえつつあります。ことしの3月から秋田県が利子補給から直接助成へと進めました。工事費50万円以上で、大手ハウスメーカーではなく県内に本店を置く建設業者が施工することとし、工事費の10分の1、限度額20万円で、22年度は7000戸を募集、予算12億6000万円で開始をしました。この結果が注目されるところではございますが、住宅投資の経済波及効果に着目して始めたものであります。本県においても、耐震改修への助成の拡大とあわせて住宅リフォームへの助成制度を検討してみてはいかがでしょうか。
 2つ目に、住宅関連施策を網羅した情報発信を考えてはどうかということです。
 住宅建設投資関連の施策、メニューが複数の部局にまたがって、それぞれ独自の取り組みがされております。環境生活部での合併浄化槽、太陽光発電、農林水産部での紀州材を使用しての家づくり支援、県土整備部の耐震改修、また国の施策やバリアフリー化への融資制度などなど、多岐にわたっております。それらの制度を網羅した統一の宣伝物を作成し広報を強化し、相談窓口を設置するなど、今ある制度の総合的な活用を最大限図って少しでも住宅投資の促進へとつなげていく努力をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、関西広域連合について、知事にお尋ねをいたします。
 広域連合に参加を表明している大阪、京都、兵庫、滋賀、和歌山、徳島、鳥取の2府5県が、今議会に規約案の説明を行い、ことしじゅうに議会上程を一斉に行うということです。
 関西広域連合の設立の目的は、東京一極集中とそれを進める中央集権体制を打破し、関西規模での自主・自立的な広域行政の実現と、国の出先機関である地方支分部局の廃止後の受け皿づくりを進めることと説明されているように思います。広域連合が、果たして県や市町村、県民にとって暮らしや福祉の向上、地域産業の活性化にどのように結びつくのか、県民の利益につながるものとなるのか、県民の声がどこまで届くのか。産業界を初め、県民の中での議論が盛り上がらない状況にあります。
 県は、説明責任をどのように果たしていくのでしょうか。県民の負担で新たな地方公共団体をつくっていくことになるわけですから、県民の理解を得ることが求められていますし、そのための説明責任を果たしていくことが必要です。
 そこで、積極的に参加を表明されている知事にお尋ねをいたします。
 1つ目に、県民の合意形成について。これは午前中にも議論がされたところでありますが、私のほうからも少しお聞きをしたいと思います。
 広域連合は、地方自治法での規定がされている地方公共団体の1つでもあります。地方自治の理念が発揮される必要があります。連合長も議会議員も住民の直接選挙で選ばれるわけではなく、その運営のあり方が問われてきます。また、つくる過程においても住民の合意形成に努力をする必要があります。広域連合発足に向けて、市町村や県民の声を反映していくための手だてをどのように考えられているのか。また、県民の広域連合参加への理解をどのように得ていこうと考えているのか。
 知事は、昨年の6月議会で、県民の中でよく理解していただいて、わかった上で発足しなきゃいけないと考えているというふうに答弁をされております。それから既に半年以上がたつわけですが、わかった上での発足とは具体的にどのような状況を考えておられるのか。そういう状況になっているのでしょうか。広域連合発足に向けての住民の合意のあり方、どういう状況となることが必要だと考えておられるのか、お尋ねをいたします。
 2つ目に、入り口の姿は規約案で示されていますが、将来の出口はどのように考えているのか。出口は、広域連合を解消しての道州制なのか。確たる将来の広域連合のあり方をどのように見通されているのでしょうか。広域連合の設立案の中では、広域連合が道州制導入のステップになるのか、道州制にかわるシステムになるのかは今後の検討課題だと、このようにされております。
 仁坂知事は、関西広域連合は道州制を目指して設立するものではないと繰り返し議会で答弁をされてきましたが、大阪府の橋下知事は府議会に、広域連合は最終的に道州制を目指す第一歩であると明確に説明をされております。広域連合と道州制は、法理上は、法律上は全く違う組織でありますが、将来の広域行政のあり方として広域連合から道州制へ衣がえをしていく可能性、これを否定することはできるのでしょうか。
 3つ目に、目的の1つに、これが大きな目的だと思うわけですが、国の地方支分部局を廃止して広域連合が受け皿となることを目指すとされています。国が責任を負うべき仕事と広域連合で担おうとする仕事の区分、広域連合として提言をしていくのでしょうか。だとすれば、その区分について知事はどのように考えておられるのか。国が全国統一的に責任を担うべきナショナルミニマムとして実施すべき事業もありましょう。憲法が国民に保障する基本的人権にかかわる事業など当然残しておくべきだと考えますが、知事はどのように考えておられますか。
 4つ目に、広域連合の実施する分野、事業ごとに参加するかどうかは自由というふうになっております。反対する分野については参加しなくてもいい。不参加の事業については財政負担もありません。これでは、事業連携、一部事務組合と広域で取り組む事業として何が違うのでしょうか。広域連合で当面の取り組みとされている防災、観光、産業、医療、環境などの事業を見ても、事業連携、事務組合で十分対応できる事業と見受けられますが、県民生活にとって広域連合であるかないか、どのように違ってくるのでしょうか。
 また、徳島や鳥取の一部参加、政令市が参加していないこと、半島振興でともに歩むべき奈良の不参加をどのように考えておられるのか。
 5つ目に、県域を越えて解決すべき差し迫った緊急性のある課題は何かということです。現在でも防災、医療などは広域連携が取り組まれているところですが、広域連合でないと解決しない緊急性のある課題にはどういうものがあるのでしょうか。
 最後に、設立当初の事務として、防災、観光、産業、医療、環境、資格試験、職員研修の7分野では、ある程度具体的な事業例が示されております。その他ということで、広域にわたる行政の推進に係る基本的な政策の企画、交通・物流基盤整備計画とありますが、これは国土形成計画の広域計画や大阪湾ベイエリア再開発を指しているのでしょうか。東京一極集中に対抗するための広域連合が権限と財源を手にしたとき、真っ先に大阪、神戸などの大都市に集中して財源を投入する動きになる、広域連合全体を見ての配分となるかどうか、そういう点でも非常に危惧するところがありますが、そういう点も想像にかたくないと思われます。
 以上、お尋ねをいたしまして、私の第1問といたします。(拍手)
○副議長(坂本 登君) ただいまの藤井健太郎君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、県内事業者の受注機会の拡大と成果についてということでございますけれども、平成22年度において公共事業に対する国の方針が大きく変更される中で、和歌山県としては必要な社会資本整備を進めるため、国の補正予算等も最大限活用し、2月補正予算を含めた実質的な投資的経費としては対前年40億円増の総額1193億円を計上しております。
 公共工事等の発注に当たっては、現下の経済・雇用情勢に対応し、県内事業者の健全な育成・発展を図るため、県内事業者で施工、履行が可能と見込まれるものについては、一部特殊な工事を除いて原則県内事業者へ発注するということとしております。
 平成20年6月の新公共調達制度導入以降、このような考え方でやっておりまして、県内事業者の受注機会の確保に取り組んでおるわけですが、平成18年度、これのときには受注状況は、件数では県内が96%、しかし金額では約79%でありましたが、平成22年1月──直近でございますが──末現在における受注状況は、件数で約98%、ちょっと上がったぐらいですが、金額で約94%と増加しておりまして、ほとんどの工事を県内事業者が受注している状況にあります。
 今後とも、県経済の活性化のためにも、県内事業者の受注機会の拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、雇用創出に係るプロジェクトでございますが、長期にわたる厳しい雇用情勢を踏まえ、県といたしましては、国に先駆けた独自施策として、離職された方々と優秀な人材を求める県内企業とのマッチングを図る「和歌山で働きませんか!」プロジェクト、そのほか兄弟分で全部で4つございますけれども、そういうものを立ち上げまして、さらにこのような取り組みを福祉、医療や農業、地域資源を生かした産品づくりの分野にも広げ、これで4つになるわけですが、雇用機会の拡大に積極的に取り組んでまいりました。
 また、国の生活防衛のための緊急対策──昨年でございますが──により創設されたふるさと雇用再生特別基金活用事業及び緊急雇用創出事業臨時特例基金活用事業を早期かつ最大限に活用し、1人でも多く雇用創出できるよう取り組んでまいりました。──今、「昨年」と申し上げましたけど、一昨年からのもございます。
 その結果、これらのプロジェクト関連として、直近の雇用創出の概数は2000人と把握しております。雇用の確保、創出は、県政の最重要課題の1つであると認識しております。新年度におきましても、中小企業にとって優秀な人材を獲得する絶好の機会ととらえまして、人材確保に意欲的な県内企業等とのさらなる発掘、さらには創意工夫を凝らした両基金の積極的な活用により、就職氷河期と呼ばれる厳しい雇用環境を乗り切ってまいりたいと考えております。
 なお、議員御質問の新年度の目標につきましては、21年度を相当程度上回る数値を目指して努力したい、こんなふうに考えております。
 次に、広域連合についてまとめてお答え申し上げたいと思います。
 関西広域連合の設立は、本県の発展に必要不可欠である元気な関西づくりにつながるものと評価しておりますので、本県も設立当初から参加してはどうかと考えております。このためには、県民の皆さんによく御理解いただかなけりゃいけない。最終的には県議会で御賛同いただく必要があります。
 これまでも「県民の友」、それからホームページを通じて関西広域連合設立の意義を、私どもの考える意義を広報して御理解いただきたいと思ってきたところであります。今後とも、いろいろやっていきたいと思っております。
 また、市町村には適宜情報を提供しておりますが、昨年10月には市町村長との意見交換を2回に分けて行いました。今後も、これまで以上にきめ細かく県民や市町村に周知を図ることで御理解を得てまいりたいと考えております。
 それから、関西広域連合は、府県の存在を前提にしております。それ自体として道州制を目指すものではありません。御質問では変わっていくことを否定できないということでありましたが、同時に、変わることをビルトインしているものでもありません。
 関西広域連合の設置の目的は、関西における広域行政を担う責任主体を確立することと、それから一部事務組合では認められていない国の出先機関の権限移譲の受け皿として地域の自己決定、自己責任を果たすことでありまして、これは設立以降も変わるものではないと考えております。
 関西広域連合が国の出先機関の権限移譲を受けて事務を実施する場合には、その事務についてまず仕分けを行った上で、地方に移管すべき事務について広域連合で行うほうが適当か、府県で行うほうが適当なのかを議論する必要があると思います。
 また、事務を執行する際に必要となる財源の移譲については不可欠でありますが、人員の移管を受ける場合は、まずは国で整理を行った上で必要最低限の移管にすべきである。全部いただくということになると、当方で大変な行革を行っているわけですから、そういうものについては厳しくやっていかなきゃいけないというふうに思っております。
 また、現在、本県と不参加の奈良県等との連携事業については、広域連合が実施することになる事業との整理が必要となってくると思います。広域連合で行う事業がようやく固まってまいりましたので、既存の連携事業の整理について、現在、関係団体との協議を行っているということであります。
 なお、連携事業の整理を行う際には、住民サービスの低下を来さないという観点から関係団体との調整を行ってまいる、そういうことであろうかと思います。
 県域を越えて緊急性のある課題についてということでありますが、今までもそれは府県間連携で行ってまいりましたが、広域連合の設立によりこれが一層充実、スピーディーなものになるというふうに考えております。
 例えば、東南海・南海地震などが起こったときにどういう協力体制をとるか。いつ起こるかわからない災害に対する備えや対応に、いち早く検討して初めから備えておくということがより決定的にやりやすくなるんではないかと、そんなふうに考えております。
 広域にわたる政策の企画や計画の策定といった事務事業、これについては、現在、国で行われております。関西広域連合の設立案に例示として交通・物流基盤整備計画の検討と記載しておりますけれども、これについては、今まで県にまたがるから国でやるんだということを言っておったのが、国の権限移譲の受け皿としてこういう広域連合があると便利だということであろうかと思います。そこで、国の広域計画についても地域の自己決定、自己責任のもと計画策定がしやすくなるという、そういう計画策定ができるという体制が整うものと考えております。
○副議長(坂本 登君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 先生から経済対策としての官公需のあり方ということで3つ御質問、一括してお答えしたいと思います。
 まず、きめ細かな発注についてでございます。
 舗装工事、電気工事などの専門工事では、一括下請防止や品質確保の観点から、可能な限り分離発注することを原則としております。また、工事の入札参加条件設定に当たって、可能な限り多くの事業者が参加できるような配慮もしてございます。今後とも、可能な限り分離発注に努めてまいりたいと思います。
 続きまして、県産品についてですけれども、県内景気浮揚と雇用の確保を図るために、県発注工事においては県産品等の優先使用に努めているところです。また、県産品等を積極的に利用した建設事業者に対しては、工事成績評定や総合評価方式において加点評価をしており、利用の促進を図っているところです。今後とも、県産材、県産品のさらなる利用に努めてまいりたいと思います。
 特に紀州材については、国体関連施設の建設時にも利用に努めたいと考えております。
 最後に、適切な下請単価、労務単価についてでございます。
 県では、予定価格1億円以上の工事に低入札調査基準価格を導入して、工事の内容に適合した履行が行われているかどうか低入札の調査を行っております。その中で、応札者の見積もり等が設計内容に適合しているかどうか、必要な経費が計上されているか、下請業者や資材納入業者の見積書が反映されているかなど調査いたします。また、工事完成後、元請業者から下請代金の支払い状況等も報告していただいて、必要に応じて指導を行うこととしております。
 このように、工事の品質確保のために下請状況を確認しているところですが、今後とも良好な元請、下請関係に努めていきたいというふうに思っております。
 それから、住宅関連の施策について、まず耐震改修助成の拡大、リフォーム助成の創設についてでございます。
 まず、耐震改修助成の拡大につきましては、今年度より設計費への補助制度とともに、高齢者の方などを対象として専門家を派遣してさまざまな相談に応じたり、改修プランの提案を行う耐震改修サポート事業を創設したところでございます。
 これら新たな施策の周知に努めてまいりましたが、今後は耐震診断の結果が悪かった方に対して個別に説明を行うなど、耐震改修の促進に一層努めてまいります。
 住宅リフォームへの助成制度についてでございますけれども、耐震改修などそれぞれの施策目的に応じた、現在ある補助制度を御活用いただければというふうに考えております。
 今後も、それぞれ目的に応じた助成を通じて、耐震改修など促進に取り組んでまいりたいと思います。
 次に、住宅関連施策を網羅した情報発信についてでございますが、県の補助制度のほか、住宅金融支援機構などの融資や住宅ローン減税など、さまざまな制度があり、関係機関も多方面にわたってございます。そのため、制度を網羅している宣伝物の作成、広報の方法、総合的な相談窓口などについて、消費者の方々にとってわかりやすく効果的になるように、関係部局とともに検討してまいりたいと思います。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(坂本 登君) 再質問を許します。
 43番藤井健太郎君。
○藤井健太郎君 要望ということにとどめさせていただきたいと思うんですが、3つ申し上げておきます。
 1つは、公共工事、物品も含めての発注の問題なんですが、今、国の経済対策ということで予算が膨らんでおりまして、21年度の繰り越しも約460億ほど、これ22年度に持っていくわけですが、それも補正予算も2月補正も含めて1193億、繰り越し分を入れますと、ざっと1500億近くになってくるんじゃないかと思うんですが、国としては公共工事というのは抑制の方向で今ずっと進んでいるんですよね、全体としては。そういう中で、今回の経済対策分も含めて、新年度予算も含めて、どれだけ県内の事業者の仕事づくりをしていくのか、これが非常に大事な問題だと思うんです。
 1問でも申し上げましたように、県産材を使用してもISO工場でつくったものと、こういうようなことをされますと大変なんですよね、県内の業者にとっては。受注機会を広げることと実際に仕事になるかどうかは別ですよ。とにかく、県内の事業者が仕事ができるようなそういう発注条件、仕様というものをやっぱりきめ細かく点検、チェックしていかないと、さあっと流れてしまうということで受注機会が狭められてしまっているということになるわけですから、その点はぜひ発注者においてやっぱりきめ細かな配慮をして、できるだけ多くの事業者に仕事が渡るように──これも一般競争入札が主流になっておりますからなかなか難しい点はあろうかと思いますが──そういう点の最大限の工夫をお願いしたいということが1つです。
 2つ目には、そういうことで行政の仕事量が随分ふえてきておりますが、一方、行革プランで職員の定数削減ということが、これはこれとして進められていっておるわけです。その行革プランを作成するときは、その国の経済対策以前の問題ですから、その分がカウントされていないということにもなってるんじゃないかと思うんです。そういう点では、事業執行を確実に行っていくと。これだけの予算を執行していくという上で必要な体制は十分にとっていただきたいと。きめ細かな発注をしていくためにもそれだけの職員が要るわけですから、その辺も十分配慮していただきたいということが2つ目です。
 3つ目ですが、関西広域連合です。知事は小さく産んで大きく育てるというような言い方をされてますが、そこのところが見えないからなかなかわかりにくいということにもなってるんじゃないかと思うんです。
 国の権限と財源の移譲を受けるというのが広域連合の大きな役割、目的だと思うんですが、そのときに和歌山県にとってどういうことが起こってくるのかと。果たして県民の利益につながるのかどうか、そういう点のきちんとした担保ができるのかどうかというところがまだ定かではないというようなことで、県民の中でもなかなか議論になりにくいという状況があるんじゃないかと思うんです。
 議会の同意ということで最終決まるわけですが、そこに至るまで知事が言われたように、県民に説明をして理解をしてもらって、わかった上で発足をしていくんだと。この「わかった上で」というのがどういうレベルのわかったと。こういうことになればわかったよというふうに判断するのかどうかというようなことがあるわけですけども、住民の合意形成に向けた努力を急ぐべきであろうと思います。決して見切り発車とならないように、この点は強く要望しておきたいと思います。
 以上で終わります。
○副議長(坂本 登君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で藤井健太郎君の質問が終了いたしました。

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