平成21年12月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(井出益弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後1時0分再開
○議長(冨安民浩君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 23番井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 大変お疲れかと思います。最後の大トリの一般質問ですので、どうか、お疲れかと思いますけど、心を込めてお訴え、あるいは議論をしたいと思いますので、当局におかれてもひとつよろしく答弁のほどお願いします。
 まず1番目に、政権交代後の和歌山県として。
 政府に対する県民の代表、和歌山県知事の要望活動について、取り組み、大変御苦労な形になっておるように思いますけど、お尋ねいたします。
 政権交代後の国への要望活動について、8月の総選挙で政権交代が実現し、その後、12月定例議会でも、9月定例議会でも冒頭に質問に立った自民党県議団、今回もそうですけども、吉井議員や山下直也議員、幾人かの議員から知事に対して、政権交代後について知事の所見などを問う一般質問がありましたが、私は今回、さきに民主党から示された要望、陳情の一元化の問題に絞ってお尋ねしたいと思います。
 「民主陳情を一括管理」という記事が新聞に掲載されたのが11月3日のことでした。記事によると、その前日に民主党本部で役員会が開かれ、国会議員に政府との接触を禁ずる一方、県も含めて自治体や団体からの要望、陳情は民主党の幹事長室が一元管理するとの方針が決定されたとの内容でありました。私はこの記事を見て、地域主権を看板に掲げた政党が本当にこんなことを言っているのかと目を疑いました。このことは言いかえれば、国と地方という行政組織の間の問題に特定の政党が割り込んで、特にお願いをしたいことがあるならば、それ以前にうちの党にお願いに来なさいという話であり、こんな理不尽な話はないと思います。
 政権交代前の自由民主党と公明党の連立政権時代には、結果として要望におこたえできなかったことも多々あると思いますが、それは連立政権が責任与党として国のすべてのことに責任感を持って対応してきたからであり、このような党内部の方針を地方や団体に押しつけ、党を通さねば政府に意見を言わせないといったことは断じてなかったと思います。
 そこで、知事にお尋ねします。
 私は、国政に対する地方からの要望や陳情は、言いかえれば国民の声、県民の声だと思います。その国民の声を特定の政党を経由しなければ国、政府に届けられないといった事態はあってはならないことだと思いますが、この方針を受けて、県として今後どう対応されるのか、知事のお考えをお尋ねいたします。
 次に、先日、知事、県議会、市町村長、県民の団体代表、多くの県民の代表的な皆さんで、和歌山県民の悲願であった開通目指して工事中の主要幹線道路にストップがかけられたことに大変心配をして、このことも今議会でも同僚議員から話がありましたが、大変取り組みに対して、我々も一体化して、議会も一体化して知事と行動をともにするためにも知事のお考えを聞かしていただきたいと思うところであります。
 2番目に、和歌山県の幹線道路整備と関西大環状道路について、県土整備部長にお伺いいたします。
 1つ目には、第2阪和国道と京奈和自動車道の予算確保についてであります。
 和歌山県交通網の大動脈である第2阪和国道と京奈和自動車道は、6年後の和歌山国体までに開通させるために取り組んでいるところでありますが、この2路線は紀北地域だけでなく、県経済の発展、また県都和歌山市経済の浮揚にとっての悲願の道路でもあります。
 しかし、来年度の概算要求では公共事業は大幅にカットされ、今後の事業の進捗のおくれが危惧されているところであります。
 まず、まだつながっていない第2阪和国道の府県境部と京奈和自動車道について、平成22年度の国予算要求の現状はどうなっているのかお尋ねしたいと思います。
 また、この2路線の早期整備を国に対し訴える必要があると考えますが、予算確保に向けた今後の取り組みについて、県土整備部長の考えをお聞かせ願います。
 2番目に、京奈和自動車道と第2阪和国道を連絡する道路について、知事にお尋ねします。
 京奈和自動車道から第2阪和国道、さらには加太から湾岸道路までを結ぶことが必要であり、この連絡道路をつくることでコスモパーク加太の立地条件もよくなると考えます。予算厳しい中、第2阪和国道、京奈和自動車道など事業を進めておりますが、この2路線をつなぐ道路は将来的にぜひとも必要であると考えます。
 そこで、将来のことを見据え、京奈和自動車道と第2阪和国道の2大動脈をつなぐバイパス的道路について、今からでも関心を持って先を見た取り組みをすべきだと考えますが、知事の御所見をお聞かせ願います。
 3番目に、緊急を要する治水事業についてであります。
 まず、鳴滝川についてお聞きします。
 去る11月11日未明の豪雨により、和歌山市周辺で数多くの家屋浸水が生じ、和歌山市有功地区では1名のとうとい命が失われ、50戸を超える家屋浸水が発生しました。鳴滝川の河川改修は、合流点処理や水道橋かけかえ等の国の事業と県の事業により進められている状態であります。また、和歌山市の有功ポンプ場にはまだポンプが据えつけられていない状況にあります。
 そこで、国、県、市による鳴滝川治水対策の完了見込みはどうなっているのか、県土整備部長にお伺いします。
 次に、これも一部関連があるんですけども、紀の川大堰について。
 地元では、洪水時の放流阻害となっていた新六箇井堰をなぜ先に撤去しなかったのか、残った左岸側の撤去はどうなっているのか、堰をあれだけ早く撤去してほしいと地元で要望していたのに、人災みたいな気がして亡くなった人に気の毒に思うという声が強く地元では出ております。新六箇井堰の撤去の見通しを県土整備部長にお伺いします。
 次に、七瀬川についてお尋ねします。
 本年6月の議会で京奈和自動車道建設に伴う七瀬川への洪水流出の影響について、本年度国で調査を行って、その後地元説明を行う旨、答弁がありました。その進捗状況と今後の予定について県土整備部長にお伺いします。
 また、七瀬川については今年度補正予算を含めて4.2億円の予算を投入していますが、今後の進捗の見通しについてもあわせて県土整備部長にお伺いします。
 ただいま述べましたこの3点、鳴滝川、紀の川大堰、七瀬川については、この政権交代により、こんな大変な事業、至急やっていただかなあかん事業なのに、何か、とめられるんじゃないかと、あるいはずっとおくれるんじゃないかという地元の大変心配をしております声が多いものですから、このたびまた行わせていただいたわけです。
 4番目に、コスモパーク加太についてお伺いします。
 関西国際空港土取り跡地のコスモパーク加太は、24時間運営の国際空港整備という国策に寄与するとともに和歌山に新たな市街地が形成されるという計画に、国民こぞって期待したものでありました。社会経済情勢が激変したという事情もありましたが、計画は夢破れ、和歌山地方裁判所での調停を経て、現在の土地開発公社再建スキーム、コスモパーク加太の整備スキームが決定されたことは記憶に新しいところであります。
 現在、県土地開発公社はコスモパーク加太だけで483億の負債を抱え、県も当初265億の債務保証──現在は231億と減少していますが──多額の債務保証を負っております。私はこのコスモパーク加太の現状を憂い、今まで幾多の利用・活用提案を行ってまいりました。その中で、かつては区域全体をあらわすパンフレットすらない時期もありました。それはコスモパーク加太をどうするか暗中模索していた時期と重なるため、やむを得ない部分もありましたでしょうが、驚いたものです。今では企業誘致活動がなされていることとは承知しておりますが、その中で気にかかっていることを幾つか申し上げます。
 コスモパーク加太に関するパンフレットや資料を拝見すると、「貸したい土地、売りたい土地」といった観点で作成されているのではないかと思うのであります。本来ならば相手が「借りたい土地、買いたい土地」と思うような情報提供をしなければ効果的でないと考えます。これは単なる言葉の遊びではなく、情報の需給関係のミスマッチが起こることの不幸を心配しているのであります。この土地を相手が求めに来る時代ではありません。幹線道路の状況や上下水道のインフラ整備等の多くの情報を限られたスペースの中でどう表現するのか難しい部分ではありますが、視点を変えた資料づくりが必要かと思います。企画部長のお考えをお聞かせいただきます。
 次に、環境対策、エコ燃料使用の推進について、知事にお尋ねいたします。
 多くのバイオマス燃料の製造精製技術の中で特に環境にすぐれたものの推進についてということで、このたびは質問をさせていただいたわけです。
 私は、福祉環境委員会で先般、沖縄県うるま市のエコディーゼル燃料──バイオディーゼル燃料(BDF燃料)の種類の1つでありますけども──エコディーゼル燃料の取り組みについて視察を皆さんと行ってまいりました。それは、うるま市のバス会社が原油高騰によります赤字が膨らんで苦しんでおり、当市では家庭やレストランから出る廃油をリサイクルし、安い燃料をつくろうという取り組みが事の始まりでありました。
 その燃料とは、バイオ燃料BDFと少し違ったEDFというものでありまして、これは、Eというのは、なぜBDFじゃなくてEDFかというと、エコというのを頭文字に使ってエコ・ディーゼル・フューエルと。バイオ・ディーゼル・フューエルじゃなくて、バイオ燃料の一種ですけども、特にエコという頭文字を使ってエコ・ディーゼル・フューエルと。BDFとEDFの違いなんですけども──というもので、使用済みのてんぷら廃油等、これを3、それで灯油を7の3対7で混合し、触媒、これは何か「魔法の粉」と言っておりましたけども、これを入れて攪拌するだけで軽油と同等のカロリーを持ち──普通は廃油とまぜるとカロリーが下がるんじゃないかと思うんですけども──同等の軽油と同じカロリーを持ち、燃焼後の排煙は黒煙状ではなくクリーンな排煙で地球温暖化にも大きく効能あるという、数カ月前に「ガイアの夜明け」のテレビ番組で見たものでありました。バス会社は、今では廃業から救われたようであります。
 私は、環境の観点から見てこれは非常によい取り組みであり、ぜひこうした取り組みを和歌山県でも普及できたらと考えております。ただし、廃食油を大量に確保する困難な面もありますので、やはり廃食油を回収する方法なども県であるいは市町村でも取り組んでいただくとともに、ジャトロファという植物油の──実のなる植物ですけども──ジャトロファなどの植物資源から燃料を製造するということがわかったので、本県の気候条件などを照らし合わしていろいろ勉強してみたんですけども、温度差がやはり和歌山の場合は山に植えたりすると、余り寒いところではやっぱり育ちが悪いということで栽培が難しいようであります。
 そこで、知事にお伺いします。
 県として新たなエコ燃料の植物資源を何か開発できないのか。例えば、この視察に沖縄へ行ったときは、沖縄のトウキビ、砂糖をとった後のかす、そのかすからまた燃料を再生するということで今一生懸命研究をしておりまして、間もなく実用化されるということでありました。
 また、国としてもエコ対策に効き目のある、効力があるものを研究開発することが大変必要だという事態に直面している今日、世界、そして日本の現状を考えるとき、地球温暖化や黒煙を出して大気汚染や健康障害の原因ともなっているディーゼルエンジン等の排ガスが、この魔法の粉でほとんどクリーンな排ガスになるならば、まさに救世主と言えるものであります。
 しかし、このEDFについて、他のBDFと同じ軽油引取税率で課税されている現状では、やはりこれは同じディーゼルエンジン燃料として使うんだったら、今の店で売ってる軽油を、ガソリンスタンドで売ってる軽油を買う。それかもうこのBDFの廃油を使った分で、同じく煙が出るけども、その廃油を使ってるということの分が幾分か自分とこで、車で外を走らなかったら、自分とこの発電機とか敷地内で使うんだったら、煙出るけども、BDFの植物の廃油を使えると。
 だけど、これはやはり環境に対しては、リサイクルとしては有効なものでありますが、環境対策には私は、やはり煙が出るんですから、黒煙が出るんですからよくないんじゃないかと。よくないというよりか、リサイクルとしては効き目があるかと思いますけども、だけど、このEDFというエコに大変効き目のある燃料というのをつくるためには、やはりリッター当たり普通のスタンドで買うやつとか、あるいは再生したBDFとかよりももっと高くつくわけです。ですから、それは本当に資金力のある業者とか、あるいは資金力のある方が環境のことを考えて、高くつくけども、その燃料を使おうと思ってくれれば、それはいいんですけど、なかなか私も厳しい状況じゃないんかなと。それを使っていただくのをただ推進、使うてくださいと言うだけでは難しいんじゃないかなということも考えます。
 こうした現状を踏まえ、県としてもバイオ燃料の推進についての普及啓発などを積極的に取り組み、進めるべきだと考えます。さらに、研究費、設備投資費への助成についても国に対して増額要求、要望など必要であると考えます。
 昨年、大阪府排ガス規制対策で和歌山県トラック協会の皆様が、今年1月1日より大阪府排ガス規制が実施されるということになりましたので、このままでは大阪に乗り入れできないという、排ガス規制をクリアできないというトラックが約1000台ほどありました。その1000台について、トラックを改造もしくは買いかえをするという必要に迫られたわけですけども、このときに仁坂知事が1億円という予算をトラック協会に補助、助成していただいたということで、本当に排ガス対策として大阪へこれ約1000台の和歌山のトラックが対応できるようになったと。それで、トラック協会の基金としての2億円と、知事のほうから、県から助成していただいた3億円でこの1000台というのも助かって、本当に感謝をしておりました。
 それで、私がそういうこともありましたものですから、県のトラック協会の和歌山支部長にクリーン燃料の推進の相談に行きましたところ、早速、沖縄に出向き、協会としても対応を考えたいとの御返事をいただきましたが、助成金については多くの窓口がありますが──国のほうでいろんな窓口があります。環境省、農林省、経産省、それからあとそういう外郭団体、いろいろ分けて4つぐらいあったと思いますが、それで申し込みのことを私も聞いてみたんですけども、この助成金についての多くというか、もう全部というぐらいが、募集後すぐに予算終了、予算切れで来年の募集まで待ってくださいとのことでありました。なかなか私も「何とまあ、こんなときにこんないいことをしようとするのに予算切れってあかんな」と思ったわけですけども、経済産業省関係の知識では特に豊富な仁坂知事に環境対策、エコ燃料使用推進につき、国に対して働きかけなどをしていただきたいと考えますが、御所見をお伺いします。
 最後の項目ですけども、和歌山県国体の施設整備についてお伺いします。
 現在、クレー射撃場建設のための候補地として現地調査の進行中でありますと聞いておりますが、鳥獣害捕獲の研修施設として約3億円、国費で射撃場建設に予算措置がなされたのは和歌山県が今回初めてであります。そして、仁坂知事にも県として予算対応をしていただきましたこと、大変感謝をしております。
 私は、有害鳥獣捕獲での狩猟事故防止の研修や国体やオリンピック選手を目指すスポーツ選手の県民の夢としての射撃場は、設備的にほとんど同じものをつくればよいのだからということで、これは猟友会射撃の練習場、そしてまた国体やオリンピックの射撃の練習場、同じ機械を使って同じ場所でこれはできるものですから、たまたま予算が農林水産省──文部科学省でのこの射撃場の費用はなかなか出しにくいということでしたので、今回農林水産省からということで出していただいたのでありますが、和歌山県クレー射撃協会の会長に着任以来、この約3億円つけていただくのに随分運動をしまして8年ぐらいかかったと思います。
 ことしの7月に国の予算がついた。そして、このついた後、県関係者からは何の相談や連絡もなくなり、それまでは非常にああでもない、こうでもないと言われていたんだけども、予算がついてから何の相談もなくなり、この質問を通告した3日前からクレー射撃場施設についての一部の説明を聞くと、全く困難なことに直面しているようであります。
 農林の予算でつくるのだから、教育予算でないため猟友会とクレー射撃協会とは別かもしれませんが、建設後の使用運営はどちらも使えるようなものなのであるし、土日、祭日はできるだけ大会を計画して近畿や全国から大会を誘致し、安全研修や射撃技能の向上はもとより、利用者確保にも大変な努力を覚悟してやらなければ、取り組まなければ、この施設は後々運営していくことが不可能だと思います。
 利用者確保には、施設の規模あるいは遠方よりの大会規模の、来ていただく招客にはかなりの宿泊施設等も関係することから、最低必要数の利用者数が不足の場合、一定以上の客が来ても撃てないというか──現在射面が1面、トラップ1面とか私は聞いておるんですけども、スキート1面と。だけど、それやったらなかなか大会はやっぱり2面なかったら無理であります。そんなこともあって、ぜひ2面にしてほしいなというふうなことも今話をお願いすることになってきておるんですけども、最低必要数の利用者数が不足の場合は、県として今後とも助成をしていただかなかったら運営は不可能だと考えます。助成が不可能な場合は、根本的に再考しなければならないと考えます。いずれにせよ、出費が伴うことで、これを余りあと足らん分を市町村で出せということは、なかなか今、この時期に難しいんじゃないかと思います。
 しかし、この有害鳥獣とか6年後の国体を考えるならば、あるいは将来のことをずっと考えるならば、県として、知事として決断をしていただきたいという時期に来ていると思います。心より知事の建設に向かっての決断を切望いたしますとともに、知事の心を込めた誠意のある答弁をお願いしたいと思います。
 以上で、1問目終わります。(拍手)
○議長(冨安民浩君) ただいまの井出益弘君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、今後の国への要望活動についての御質問でございますが──一般的に国への「陳情」あるいはたまに「要望」とよく言われておりますけれども──どうもその陳情というのは常に国が上でほかは下々という感がありまして、あんまり好きな言葉ではありません。また、私はこれまで単に国にお願いしてくればいいと、行くだけというのは安易な考え方で余り行動したことはありません。
 また、すがりついたら何とかしてくれるというものでもありませんし、国会議員に頼めば必ずうまくいくというものでもありませんし、政治的圧力をかければよいといったものではありません。
 国でも県でもちゃんとした政権は、どこでも説明責任を果たしながらやっていかないといかんわけですから、それができないようなものはなかなか認めてくれないし、また、それを逆に言っていくことによって認めてくれることも多々あるということだと思います。
 和歌山にとって大切な事柄を実現するということが大事でございますので、どういう理屈でどういう材料を出せばかなえてくれそうかということを考えて行動しないといかんと思います。そのため、例えば国の責任でこれは絶対やらなきゃいけないんだとか、地方の立場からの提案とか、そういう本県の利益が損なわれることのないよう、県民を代表して国と議論をするというスタンスでこれまでも臨んできたところであります。
 したがって、今後も本県の利益が損なわれるおそれがある場合、あるいは本県の利益をぜひ実現したいという場合には、国への働きかけを行う必要があると考えておりまして、その際、県選出の国会議員にもぜひ側面から応援をしてもらいたいと思っております。そのためには、日ごろから情報交換をしておかなきゃいけないということではないかと思います。
 また、その際に決められた手続をとる必要があるのであれば、その手続にのっとって対応いたしますけれども、御指摘があるように、そのルートを統制するというのはあんまり好ましいことではないと私自身は思っています。ただ、個人的にはこういう手続によって自分自身が特に妨げられたというようなことはないと思っておりますし、逆にあったらそれは県民が許さないということではないかと思います。
 現に、特定の政党の名前を挙げて申しわけありませんが、民主党の筆頭副幹事長と議論したときは、知事はどんどんと言ってくださいと、どんどん議論してくれたらいいんだというようなことを言っておられましたので、そのように県を代表して意見を臆することなく国に対して主張してまいらなけりゃいけないのではないかと、そんなふうに思っております。
 それから次に、京奈和自動車道と第2阪和国道を連絡する道路についてでございますが、本県のみならず関西全体の発展に寄与する関西大環状道路の一部として位置づけられた道路であるというふうに認識しております。
 しかしながら、現在はこの京奈和自動車道と第2阪和国道そのもの、これを一刻も早く供用することに全力で取り組んでいるところでありまして、なかなかそれは容易ではないというか、環境が余り好適なほうに動いてはいないという状況であります。したがいまして、御指摘の京奈和自動車道と第2阪和国道を連絡する道路の検討につきましては、両路線の事業の進捗や高規格幹線道路に係る国の動向を見ながら今後の課題とさしていただきたいと考えております。
 次に、再生可能なバイオマスを原料とするバイオディーゼル燃料などのエコ燃料の導入につきましては、温暖化ガスの排出量の削減により地球温暖化防止に貢献するものとして、日本を初め世界各国で取り組みが進んでいるところでございます。
 県内でも既に国の補助制度などを活用いたしまして、廃食用油からバイオディーゼル燃料を製造している事例もございます。議員御提案のエコディーゼル燃料についても、非常に興味深いものがあると考えております。
 また、そのほかの例としては、特に沖縄の例もありましたが、和歌山県では特に森林、林業を活性化するという目的もあります。そこで、間伐材を使ってこれをチップとして石炭火力ボイラーにくべるとか、あるいはパウダーにして石油燃料ボイラーにくべるとか、こういうような実証的な研究開発にこれまた国のお金を引っ張ってきたりして、努力をしているところでございます。
 これらを含めて、バイオ燃料としての植物資源の活用につきましてはまだまだ研究段階にあると聞いておりますので、情報収集に努めて積極的に臨んでいきたいと考えております。
 地球温暖化防止対策に資するバイオ燃料の普及は、このように大変重要なことでございますので、議員御指摘のとおり、県としても私自身といたしましても、啓発に努めるとともに、この一層の推進を国に対して働きかけてまいりたいと存じております。
 次に、和歌山国体の自前のクレー射撃場ということでございます。
 県内に現在基準を満たす施設がない中で、これまでこれを一番初めにクレー射撃場は県外でと申し上げましたことをやめて、県内につくるというような事業を実施するということについては、前会の議会でも4つ条件を申しました。国からの補助金の活用、地元市町村の応分の負担、それから市町村による住民同意の取りつけ、運営主体の存在、こういうものが必要であり、このうちどれ1つでも欠けるとなかなかできないということを申し上げてまいりました。
 こうした中、議員の御尽力により、有害鳥獣捕獲のための射撃訓練施設が国の鳥獣害防止総合対策事業において新たにメニューとして予算措置がなされ、その後本県での実施について国に働きかけた結果、国からこの予算措置をいただけそうだ、第1の条件として、そういうことをいただけそうだという感触がございました。
 これを受けて、県では専門家の意見も聞きながら、国体基準を満たすトラップ射撃、スキート射撃各1面を含めた鳥獣害捕獲の訓練施設として基本構想の作成に着手したところであります。
 その中で重要な鉛対策や防災対策については、環境省の射撃場に係る鉛汚染調査・対策ガイドラインや総理府の指定射撃場の指定に関する内閣府令などに基づき検討を加えるなど万全を期したことから、当初の予定よりも広い用地が必要となってきておるわけでございます。
 こうした基本構想の具体的な内容につきまして、11月に入りまして手を挙げている湯浅町や猟友会等の関係団体にお示しし、新たな用地の確保や維持管理等について責任を持って対処することができるかどうか改めて伝えたところであります。時間的な余裕は余りございませんので、今後、市町村の動向や関係団体等の意見を踏まえながら、4条件が達成できるかどうかも見つつ、取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(冨安民浩君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 第2阪和国道と京奈和自動車道についてお答えいたします。
 まず、第2阪和国道の府県境部の和歌山岬道路につきましては、平成19年度に事業着手し、現在、地元設計協議等を進めているところであります。しかしながら、先日、近畿地方整備局から示された平成22年度の概算要求額が大阪側も合わせまして5億から6億であり、今後用地取得など事業の本格化を迎えるにもかかわらず、本県の想定を大きく下回っており、非常に厳しい予算となっております。
 次に、京奈和自動車道につきましては、高野口インターチェンジから(仮称)打田インターチェンジまでの紀北東道路で、ほぼ全線で工事進捗を図っているところでございます。
 また、(仮称)打田インターチェンジから和歌山ジャンクションまでの紀北西道路では用地取得を進めますとともに、紀の川市においてことしの6月に工事着手というふうにするなど、今年度は京奈和自動車道全体で補正予算も合わせまして約198億の予算で事業の進捗を図っているところでございます。
 しかしながら、国体までの完成のためには今後さらに毎年200億を超える予算が必要でございますが、近畿地方整備局から示された平成22年度の概算要求額では、137億から169億と大幅な減額となり、和歌山岬道路と同様、厳しい予算となってございます。
 今後、県としては、両路線の早期供用に向けまして、大阪府を初め、奈良県、京都府との連携はもちろんのこと、これまで以上に危機感を持って、国に対しまして必要な予算の確保を働きかけてまいりたいと思っております。
 次に、緊急を要します鳴滝川、紀の川大堰、七瀬川の治水事業についてでございます。
 1点目、鳴滝川の治水対策につきましては、国において紀の川との合流点の処理及び水道橋のかけかえ、県におきまして水道橋から鳴滝橋までの河道拡幅及び河床掘削、和歌山市のほうで有功ポンプ場の整備を行っているところでございます。
 和歌山市からは、平成21年度中にポンプを据えつけて、平成23年度当初より一部供用を開始するというふうに聞いておりまして、国、県両方でそれに間に合うように平成22年度までに紀の川の合流点から鳴滝橋までの整備を完了させる予定にしております。
 2点目、紀の川大堰の建設に伴います新六箇井堰撤去につきまして、国は平成20年の7月に工事発注をして、既に右岸側の半分を撤去しております。残る左岸側の半分の撤去につきましては、国から間もなく工事に着手し、平成21年度末までに撤去を完了する予定であるというふうに聞いております。
 3点目、七瀬川につきましては、現在紀の川合流点から鴨居川合流点までの1600メートル区間の用地取得を進めておりまして、今年度末までに用地取得率63%にまで進捗させる見込みでございます。来年度以降の補助事業予算は厳しい状況が予想されますけれども、県としては七瀬川の河川改修に重点配分して、平成22年度より下流部の護岸工事に着手したいと考えております。
 なお、京奈和自動車道建設に伴う七瀬川への洪水流出の影響につきまして、国のほうから現在、現地調査、排水計画の検討などを行っており、今年度末を目途に調査を終えて、その後調査結果を地元に御説明さしていただきたいというふうに聞いております。
 以上でございます。
○議長(冨安民浩君) 企画部長前硲健作君。
  〔前硲健作君、登壇〕
○企画部長(前硲健作君) コスモパーク加太の利活用につきましては、関係部局と連携を密にしながら企業誘致等に取り組んでおるところでありますけども、その重要なツールとしてのパンフレット、資料は、企業など相手方が必要とする情報を的確に提供することが重要であるということは、まことに議員御指摘のとおりでございまして、議員を初め関係各位の御助言をいただきながら、さらなる工夫改良を重ね、より効果的な情報提供ができるように取り組んでまいります。
○議長(冨安民浩君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 再質問を許します。
 23番井出益弘君。
○井出益弘君 射撃場のことだけちょっと。
 もう一息というか、知事も非常に困ってるかと思うんですけども、スポーツ射撃はもとより、有害鳥獣捕獲や狩猟の練習、研修施設として国内各都道府県の射撃場はすべて国よりの負担金、助成金はなかったことを考えますと、今回の国より約3億円の予算が措置されたのを、先ほどから知事が4つの条件と言われました、その4つの条件の一番難しい市町村が困難とする地元市町村の応分の負担というのを──これはなかなかこの話になると、また私も「ベニスの商人」みたいなことを言われるという。肉切ってもええけど、血を一滴も流すなという話みたいな──今、非常に市町村に応分の負担と言われるのは厳しいんじゃないかと。もうそれで候補地へ来てほしいと思うておる市町村もへたってしまうんじゃないかと。
 それで、私はこれ知事に、こちら側のは要望の立場やからちょっと見解が違うかわからんけど、この3億円というのはもともと国から都道府県には過去においていっこもなかった、射撃場には補助というのはなかったんやから、この3億円、市町村が出したと思ってくれて──これ同じお金なんですから──本当に地元市町村の応分の負担が3億円あったというぐらいに考えていただいて。また、射撃場は有害鳥獣被害が毎年何億円とも和歌山県は出ている県、そしてまた狩猟や有害鳥獣捕獲の出動中の方が重大事故で昨年2人、大変な災害に遭われて、1人は亡くなったと。また、本年も1人、亡くなってないけど重大事故になっております。人間を動物と間違って撃ってしまったというのがもう3つとも。だけど、ほかにも事故がいっぱい出ております。
 ですから、和歌山県は猟友会3000人、奈良県は1000人、そして射撃場がないのが奈良県と和歌山県だけやと言われる中で、和歌山は3000人あるんやから、あるいはまた、6年後、和歌山国体があるということがもうわかっておるんやし、もし中止となれば、私らも射撃もあかんなと思うけど、6年後の和歌山国体を考えるときに、県外の施設を整備して多額な借料、借り賃を払って開催するというようなこと、知事はもう県内でということをやはりかなり積極的にお示ししてくれてるようになったのでありがたいですけど、これ県外でといったら本当に大変なお金の出費になってしまうから、そんな県外でお金を使ってこの射撃場をどうこうというのは国体の開催の意味も問われかねません。ぜひ和歌山県の将来を考えて、この機会、国体が来るあるいはいろんな3億ついたというこの時期に県としても積極的な対応をお願いしたい。これは強く知事にお願いして、私の質問を終わります。
○議長(冨安民浩君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で井出益弘君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 次に日程第3、議案の付託について申し上げます。
 議案第155号及び議案第164号から議案第180号までは、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
 次に日程第4、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
 なお、常任委員会の会場はお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 お諮りいたします。12月14日及び15日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 御異議なしと認めます。よって、12月14日及び15日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、12月16日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後1時49分散会

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