平成21年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(向井嘉久藏議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前10時0分開議
○議長(冨安民浩君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第155号及び議案第164号から議案第180号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 6番向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 おはようございます。一般質問をさせていただきます。
 一般質問に先立ちまして、10月19日から11月14日までの14日間、タイ伊勢丹バンコク店におきまして和歌山柿フェアの開催及び輸出環境調査に、10月21日から3日間、平越、山田両議員と私、それに関係職員とともに参加いたしました。
 また、11月22日から25日までの4日間、和歌山県と中国山東省友好提携──昭和59年4月に提携された友好提携でございますが──25周年を記念して、下副知事、冨安議長と議員13名から成る行政議員交流訪問団並びに経済友好各交流訪問団総勢100名が山東省の済南市、青島市等を訪問いたしましたので、その訪問の概略を、お許しをいただきまして、私が代表して報告させていただきます。
 まず、タイ伊勢丹バンコク店における柿フェアの件でありますが、県産柿の有望市場として考えられるタイへの販路拡大を目指して、昨年度に引き続き、現地高級百貨店の伊勢丹バンコク店において和歌山柿フェアを開催されたものでございます。
 私ども議員3人は、10月21日、関西空港からバンコク入りいたしました。ホテル1泊、機中泊2泊という格好で、厳しい調査でありましたが、また参加させていただきましたが、10月22日にタイの日本国大使館を訪問いたしまして、大使とタイの状況についていろいろ意見を交換してまいりました。
 そのときに出た話でございますが、日タイ友好議員連盟をつくったらどうかなと、こういう話も出ておりました。タイというのは東南アジアのこれからの本当に主要国になっていくところでございますので、まだ議員連盟がなかったんかいなという思いで、大使と話が弾みました。また、午後からジェトロバンコク事務所を訪問いたしまして、非常に頑張っておられる姿を目の当たりにしてまいりました。
 それから、23日、伊勢丹バンコク店へ参りまして、中で道に迷いまして──百貨店の中で。物すごく大きいということですな──どこでやっとるんやら、携帯で連絡とるんですが、さっぱりわからなかったほど広かったです。そんなとこで開かれておるもんですから、展示ブースが小さく見えるんですね。余り目立たないということでございまして、後ほどこれらのことで気づいたことを御提案させていただいて、それを質問にかえさせていただくつもりでございますが、いずれにしましても、和歌山県が頑張っている姿というのを目の当たりにして、これからもこういうことをどんどんやっていって、農家が喜んでくれるような、収益につながるような販路開拓をしていかなければならんのだなという実感でございました。それで、その日に夜行便でまた帰ってまいりました。
 後ほど、このタイでのことにつきましては質問させていただきたいと思います。
 続いて、山東省友好提携25周年記念訪問団として、下副知事、冨安議長とともに私ども100名から成る訪問団を結成いたしまして、11月22日、山東省人民代表大会にて高新亭人民代表大会副主任と会談いたしました。また、11月23日には姜大明山東省長と会談いたしまして、両国の経済交流やら観光交流に関しまして活発な意見を交わしたところでございます。
 この23日に、余った時間を利用いたしまして孔子廟を訪問いたしました。広大な敷地でありまして、孔子一族を記念したところでございまして、話を聞いたら、孔子さんがもう亡くなってから2500年ほどたつというようなことでございまして、中国の話は何でもめっぽう大きいなというふうな思いでございましたが、この2500年ほどたった孔子さんの徳がいまだに引き継がれているというところでございまして、いろいろ教えが書かれてございました。
 23日の孔子廟の中で見かけたちょっと気がついたことを申し上げますと、EVバス──電気バスですね──電気自動車、それから電気自転車というのが頻繁に見受けられまして、私らもそのEVバス、電気自動車で孔子廟の中を案内してくれたんですが、6人乗りなんですね。運転手と助手席を入れたら8人になるんですけども、これ何ぼぐらいするんやろうなと聞いたら「10万円や」と言うんですな。えらい安うできるもんやなと。これ、高野山へ持っていって山内の観光をこういう電気自動車でやってもろうたらCO2の削減にもなるし、いいのになというふうな思いでそのバスを見ました。
 また、EV自転車──電気自転車です──日本では免許が要りますが、向こうではもう自由に2人乗りでどんどんどんどん走ってる。非常に力の強い自転車でございまして、値段何ぼや聞いたら「2万円や」と言ってました。日本の電気自転車は12~13万しますが、非常に経済的なもんやなと。格好はちょっと悪かったですけども。しかし、いずれにしましても非常に安いということで、これらも導入したらおもしろいかなという思いでありました。ちょっと気づいたことを申し上げました。
 11月24日、私どもは青島人民代表大会を訪問し、張若飛人民大会主任と会談いたしまして、今後の青島市との交流につきまして意見交換してまいりました。私、20年ほど前に青島市を訪れたことがあるんですが、そんなに大きなまちというふうに感じなかったんですが、今、人口が800万というふうなことで、どだい大き過ぎるなというふうな思いでございました。かつては田舎の漁港だったというふうに聞いております。
 それから、25日に、私どもは青島で開催されました商談会に出席させていただきました。熱心に57社の山東省内の企業の方が訪れて商談をされておった姿を目の当たりにさせていただきました。また、山東省の中で日本から進出いたしました工場が立派に操業しておられるという姿も見させていただきました。
 以上で報告は終わりますが、うれしいお土産といたしましては、来年3月には山東省の済南から山東航空が関空へ週2便乗り入れするということを聞かされました。また、ことし1月には青島に日本国の総領事館が開設されたというふうなことでございました。
 以上で、私の訪問に際しましての報告とさせていただきます。
 その中で、タイを訪問した際に気づきましたことにつきまして、農林水産部長にお尋ねいたしたいと思います。
 県食材の海外への販路開拓についてということでございますが、海外での販売では、一定の制約の中で販売しなければならないこと、また販売にコストを余りかけられないということ等々ございまして、そういう考慮をしつつも、いま一歩の工夫があってもいいのではないか、こういうふうに考えました。
 1つには現地語でのDVDの制作と上映についてでございますが、DVDはつくってあるけども日本語というようなことでありましたので、現地の人にわかりやすく、タイならタイ語、中国なら中国語でDVDを制作してPRしたらいいんではないかと。また、その際には和歌山県の観光も紹介しつつ、こんなきれいなところでとれた果物ですよという紹介の中から観光紹介し、食材の栽培過程、1年を通じて農家の方が一生懸命つくっているさまを現地語のナレーションを入れたDVDを制作して上映したらいかがかなと、こういうふうな提案をさしていただきたいと思います。
 もう1つは、2番といたしましては値ごろ感のある商品の販売についてであります。
 伊勢丹へ持っていかせていただいた柿は特秀なんですね。農家は、果樹園一円でそんなに特秀をたくさんぼんぼんぼんぼんできるものじゃございません。例えば、柿が1つ1万円したとしても、3つしかできへんなら農家にとっては何もうれしない。それよりも、たくさんできる商品──特秀じゃなしに秀品ですね──そういうものを販売する販路ができれば、高いから品物がいいんだというんではなしに、そこそこの値ですが品物はいいですよと、そういう値ごろ感の出る商品の販売に力を注ぐべきではないかと。
 といいますのは、横に中国産の柿を売っておるわけです、安うで。買いに来た人はそっちのほうへどうしても手が行く。日本のは1000円近いですね。340バーツほどで売っていましたから1000円近い値段ですよ。片方は100円もせんのですよ。そんなものを並べて売られたらやっぱりそちらのほうへ、少々見ばえは悪うてもそっちのほうへ手が行くやろうなと、こういうことですね。日本の選果場では、展示しておった中国産ははねものになるような製品でございましたが、しかし安かったら売れるということでございますので、そういう値ごろ感のある商品の販売をしていただきたい。生産者がもうかる商品の販路を開拓するように努めたらいかがかなと、こういうことでございます。
 3つ目は、やっぱり商品を売ろうと思ったら熟練した現地の販売員の確保が必要でございます。この間行かしていただいた方は、すらっとして感じのいいお姉さんでございましたが、ただ黙って横へ立っているだけということでございましたので、もっともっと声をかけてお客さんを引き込む、そういう販売員を確保したらいかがかなと、こういうことでございます。
 もう1つは、4番目といたしましては、販売スペースが周囲に埋没してしもうとるということでございますので、もう少しその販売する場所を浮き立たせるような一工夫が要るんではないかなと、こういうことを思いました。例えばLEDのイルミネーションを利用して、そこでちょっとよそと違うと。また、現地語ののぼりを立てる。立ててあったのは日本語ののぼりでした。日本人が買いに来るからそれでええという発想かどうか知りませんが、現地の人に本来は買っていただくのが主であろうと、こういうふうに思いますので、現地語ののぼりもつくったらいかがでしょうかということで、農林水産部長にお尋ねいたします。
 次に、2番目として地域の活性化についてということでお尋ねいたしたいと思います。
 全国の至るところで、活性化のために知恵と労力を出し合いまして、自力で、また大学とタイアップしながら多くの方々が頑張っておられます。本日紹介さしていただく2例は、そこで共通しているのは大学の力をうまく利用していること、また、廃校になった校舎を利用しての成功例であります。このような事例が県下のあちこちで産声を上げてくれればうれしいなという思いで質問をさしていただくわけでございます。
 まず初めに、栃木県那珂川町で異業種の野口さん、この方は水質検査とか土壌検査をしている会社の社長さんですけども、この那珂川町で温泉が出とるんです。これ──ちょっと忘れましたね。とにかく、塩分をようけ含んだ温泉がわいておる。これ、どうにもこうにも、温泉は出るんやけども、あちこちさびついて困ったもんやというふうに地元の人は難儀しておった。
 この野口さんがそれに着目しまして、これで海水とよく似ておるんやったらということで、何ぞ海の魚を飼われへんかいなと、こう思ったらしいですね。それで、同じ飼うんやったら一番高いフグを飼うたれということで、静岡からフグの幼魚を買うてきて、自分の事務所で小さい中で飼うたらしいです。
 そうしたら、1年たったら30センチの1キロのフグに育った、トラフグ。それで食べてみたら非常にうまかったと。それでまた、保健所で調べてもろうたらフグの毒も検出されなかったということで、これひょっとしたら物になるんの違うかいなと思うて町へ相談したら、もう学校を廃校しとるさかい、ここ使うたらということで、教室へ大きな水槽をたくさんつくりまして、そこでフグを養殖して、来年から本格的に──10トンと言ってました──フグ10トンずつ毎年山の中、そこで出荷すると。そして、そこにはそのフグを世話する地元の人たちを雇って、ということは雇用にも発展してきた。そうして旅館とか料理屋がそのフグを使って山の中の温泉フグとして売り出す、こういうことでございまして、非常にやっぱり目をつけるとこが違うなと。成功する人はそういう眼力を持っておるんかなということでございまして、よそのことはうらやましいなというふうに実は思っておったら、和歌山県でもちょっと調べてましたらあったんです。
 もう1つは、田辺市の上秋津の話でございます。これは知事も、昨年の12月にオープンしましたから、そのときのオープンセレモニーには御出席していただいたというふうに、そこの玉井さんという代表者の方と話したときに言っておられました。また、同じ12月に農水委員会も調査しておられますので、わかっておられる方おられます。また、田辺市出身の方の前でこんな話したら──どうぞ怒らんといてください。
 ここは、田辺市の上秋津でグリーンツーリズム施設秋津野ガルテンを経営する農業法人でございます。秋津野ガルテンは平成20年の11月オープンで、オープンセレモニーは今申し上げましたように知事も出席されました。私のまち──ちょっとここのことを紹介さしていただきましょうか。
 もともと上秋津というのは──今どこのまちも人口は減っておるんですね。ところが、ここだけはなぜか知らんけども、地の利もいいんでしょう、人口がふえてきておるんですね。かつてスタートし始めたころは500世帯だったと。今1000世帯超えてるというようなことで、珍しい。人口増にもつながってる。何もせんでもふえたんかもわからんけど、とにかくやった時期が合うたんでしょう。人口がふえてきてるということでございます。
 昭和32年に合併がありまして、そこに上秋津で財産を持っとったんですね。普通は財産区つくって自分たちで管理するか、または市へもう寄附してしまうか両方どっちかなんですが、ここは社団法人上秋津愛郷会というのをつくって少し財産を持ったわけですね。それがスタートだと言っておられましたが、何をするにもみんなで共同して始めたということでございます。
 平成6年には地域づくり塾秋津野塾というのも発足させておりますし、産直店を秋津野直販所ということで、平成11年、「きてら」というところで販売さしております。15年にきてらが手狭くなったんで、ちょっと広いとこということで新築移転したようでございますが、私、そこへ行ったんですが、ほんまにちっちゃいとこです。個人でもできるような建物でございましたが、おばさんが2人販売しておりました。ところが、ここの売り上げが1億超えるらしいです。おばさん2人とちっちゃなとこ、駐車場10台ほどでいっぱいになるようなとこですが、1億超える。この1億がやっぱり会員さんに還元されて、非常に喜んでもらってるというようなことでございました。また、自分らで自前のジュース工場を持ったり、いろんな工夫をされております。
 それで、20年に秋津野ガルテンがオープンしたと。ここ、宿泊施設もございます。どうぞ皆さん、その節には行ってあげていただきたいと、こういうふうに思うんですね。宿泊料はお1人4500円でございます、1部屋。ちょっとPRをさせていただきました。
 私のまち橋本市でも多くの人たちが頑張っています。ひょっとしたら物になるのではないかと思う具体的な動きをしている例もございます。県下のあちこちで成果のあることを期待して、質問いたしたいと思います。
 廃校を利用した秋津野ガルテンの取り組みについて、取り壊しが決定しておりました校舎を市から有償で譲り受け――1億円で買うたと言うていましたが──活用した住民の知恵と行動には感服させられます。当初の立ち上げでは結果を出すなど、どのような評価をなさいますか。
 続いて、立ち上げに際し得たノウハウの継承についてでございます。
 秋津野ガルテン立ち上げに当たっては、県は相談を受けていたと。いろんな相談事を受けていて、わからないとこはしっかり調べた。その結果、県はいろんなノウハウを得たと思うんですね。そのノウハウを次に継承できるように、また県庁各部署でも同様のことがあると思うんです。その人が転勤したら今まで得たノウハウは終わりというんじゃなしに、今まで積み上げてきたノウハウを継承できるようにしていただきたいなと。それらを知的財産として残していくことが大切ではなかろうかと思うわけでございます。
 幸い、秋津野の相談を受けてくれておりました県の職員が伊都振興局に今度転勤してくれていまして、この間も電話で連絡をとったんですが、その知識を橋本のために使ってくれているようでございますんで、御紹介させておいていただきます。
 次に、教育長にお尋ねいたします。3番目といたしまして、県立中学校についてでございます。
 県立中学校が高校に併設されて6年。来春、向陽高校から1期生が巣立ちます。期待されて設立された県立中学校ではございますが、ここに来て少子化の波は、パイの大きな和歌山市はともかくといたしまして、パイの小さい市町村立の中学校といたしましては存続にも影響が出ております。
 私のまち橋本市を例にとりますと、平成7年には橋本市内の小学校の全児童数が5763名、平成22年、来春入ってくる子供の年でございますが、3658名と減少するのでございます。中でも、橋本市内に柱本小学校というのがございますが、平成7年の児童数が815名でございました。これに対しまして平成22年は217名となるわけでございまして、1年生はひょっとしたら30名を割り込むん違うかと、こういうふうなことになってきております。
 あるマスコミの、調査で4割が──この間の新聞ですが──「子供は不要」とするという回答があったというショッキングな数字が出ておりました。特に、20代の6割は子供は要らないと言うとるというんですよ。日本国は果たしてどうなるのかという心配があります。
 このような少子化が進む中、予想される橋本市教育委員会では小中学校の統廃合の検討に入っております。橋本小学校では、かつて1200名を超すマンモス校でございましたが、今春の卒業生は68名、これに比べてことし入学した児童は50名、わずか6年間で18名減ということでございまして、大幅な減員になってしまっておるのでございます。
 片や県立中学校は、1学年80名の定員枠を守って、高校の募集枠に2クラスを減らす結果となっております。というのは、橋本高校は、ことしは1学年5クラスの募集でございました。ところが、中学校から上がってきますから2クラスとられます。3クラスしか残らないと。120人の募集でございました。そこへ大勢の受験生が集中いたしまして、60名オーバーというふうな結果になってしまいました。
 そういうことで、市町村立の中学校の存立を危うくしているのでは。一考する時期が来ているんではないかと、こういうふうに思うわけでございます。
 県立中学校1学年1クラスについてお尋ねいたします。これは、パイの大きい和歌山市は除くということでお聞きいただきたいと思います。
 前段で申し上げましたとおり、これからも高校の募集定員も減っていくと思われる中で、普通科枠を、中学校枠を確保することとしてはいかがでしょうか。
 次に、県が中学校を設立する意義についてお尋ねいたします。
 県立中学校といえども義務教育であります。特別な指導は、私学に比べ許されておりません。文科省の指導要綱に基づくこととなってございます。市町村立中学校で空き教室が目立っている環境の中で県立中学校の施設充実をしていかなければならないと、こういう二重構造的なことになってしまうんではないか、こういうことで、県立中学校を設置する意義についてお尋ねいたしたいと思います。
 続いて、民主党政権についてお尋ねいたしたい。最後にいろいろお聞きしたいのですが、道路のことについて的を絞らせていただきます。
 ことしの夏、8月30日の衆議院議員選挙の結果は、選挙前から予想されたこととはいえ、自民党にとっては厳しい結果でありました。国民の大半が民主党を選択したわけでありますから、民主党に日本国のために頑張ってもらいたいという思いがございます。
 日本国の根幹をなす外交問題でのぶれがあり過ぎるようにも思います。諸外国から見て、果たして鳩山政権のもとの日本はどのように映っているのでしょうか。とりわけ対米、対中、対北朝鮮とどのように対していくのかが不透明で、その姿が見えてこないのです。特に、沖縄の普天間米軍基地の移転問題は、迷走に次ぐ迷走であります。沖縄県民の意見を聞くと言いながら、かえって感情を逆なでするような鳩山首相の発言で、解決を一日延ばしに図っているとしか見えないのであります。早晩落ちつくところは、恐らく今、日米で決着を見ております辺野古沖につくるということに落ちついていくんでしょうが、もうこの辺で決断する時期が来ているんではないかと、こういうふうに思うわけでございます。鳩山首相は、代案を持ち合わせないで不規則発言を繰り返しているんではないかと私は思うのでございます。
 鳩山首相が就任直後、国連での演説で、温室ガス1990年比25%削減を約束いたしました。2009年比で見ると30%を超える削減となり、日本の経済発展を危うくする重荷をみずから背負い込んだ形になっております。あるシンクタンクが、温室ガス25%を達成するには、日本の全家庭で1家庭当たり75万円の収入減となるとも試算しております。このようなCO2削減を考えている中、暫定税率、ガソリン税の廃止を実施し、高速自動車道の無料化を考えるなど、つじつまの合わないことおびただしいものでございます。
 また、ガソリン税のかわりに環境税をとする発想はいただけません。高速自動車道の無料化もいただけません。無料になったために一般道路と同じ渋滞を起こす道路は、高速道路とは言えません。高い通行料を払ってでも目的地に速く行ける私たちは、通行料を払ってでも利用するのは時間を通行料で買うのであります。
 道路といえば、事業仕分けで一番のやり玉に上がったのが公共事業であります。中でも関心のあるのが、私たちの生活で一番大切な道路であります。
 そこで、県土整備部長にお伺いいたします。
 民主党政権後の公共事業についてであります。事業仕分けにより、公共事業とりわけ道路予算は大幅な減額が予想される中で、身近の道路は今後どのようになっていくのかについて伺いたいと思います。
 1番には、国道371号バイパスについてでございます。
 2番目に、京奈和自動車道について。特に京奈和自動車道は、国体までに和歌山まで開通さす、6年後には開通さすということで進んでおりましたが、今の状態ではそれが危うくなってまいりました。この辺のことにつきましてもよろしくお願いしたいと思います。
 紀の川左岸農道についてでございます。橋本市から打田まで左岸農道が今つくられておりますが、これもどうなるのか心配でございます。
 特にまた、府県間道路となっております480号についてもお伺いしたいと思います。
 以上で、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(冨安民浩君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) まず、第1点目の県産食材の海外への販路開拓に関しまして、4点御提案をいただきましたが、県といたしましては、農水産物等の販路開拓につきましては、県農水産物・加工食品の販売促進戦略・アクションプログラムを策定いたしまして、これまで積極的に取り組んでいるところでございます。中でも、海外につきましては重要な販路と位置づけてございまして、アジアを中心にして和歌山フェアの開催、また欧米等での国際食品見本市等への出展などを行ってきてございます。
 海外におきます和歌山フェアにつきましては、本県が誇ります柿、桃、ミカンのブランド力の向上と販売促進を目的にいたしまして、高級百貨店等において開催をしているところでございます。フェアにつきましては、本県の観光や果実の安心・安全等をPRするDVDの上映、熟練した現地販売員の雇用、県産果実を使用した料理講習会の開催など、お客様を引きつける工夫をした取り組みも行ってきてございます。
 今後も引き続きまして、現地消費者の嗜好やニーズの把握に努めるとともに、御提案をいただきました現地語でのDVDの作成や上映、また、高級百貨店に加えまして現地の量販店での値ごろ感のある販売促進など、なお一層農家の所得向上に結びつく販路の開拓、販売促進活動に努めてまいりたいと考えてございます。また、国や他府県との連携も視野に入れながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、地域の活性化に関連いたしまして、秋津野ガルテンの取り組みとノウハウの継承に関してでございますが、まず、廃校を活用いたしました秋津野ガルテンにつきましては、基幹産業である農業を核として、地域食材や文化、景観等の地域資源を有効に活用した事例の1つでございまして、本格的な宿泊滞在型の農業体験交流施設としても着実に成果を上げてきてございます。
 こうした取り組みを成功に導くためには関係者の熱意と地域の合意形成が基本でございまして、本取り組みにつきましても、多くの賛同者が出資者として施設の運営にかかわるようになったことが何よりも重要な要因であると考えてございます。
 また、遊休化した施設の活用と地元食材にこだわった農家レストラン、ミカンや梅の収穫、加工の体験が多くの方々に受け入れられたことも成果を上げている1つであると考えてございます。
 議員お話しの橋本市を初め県内各地でさまざまな取り組みが進められてございますので、今後とも、観光部局等とも連携をしながら農家民宿の推進や各種体験交流施設、また直売施設等の整備などに取り組むとともに、秋津野ガルテンなどの各地の成功事例等を蓄積いたしまして、そのノウハウを活用しながら、これからの地域づくりを積極的に支援してまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○議長(冨安民浩君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 公共事業、特に道路事業につきましてお答えいたします。
 国土交通省の平成22年度の概算要求におきましては、直轄、補助ともに今年度当初の2割減と大幅に削減され、さらに新規事業は原則として行わないなどとされておるところでございます。また、行政刷新会議の事業仕分けにおきまして農道整備事業が廃止とされるなど、道路を取り巻く状況は非常に厳しくなっております。
 このような中で、御質問の各路線の状況についてお答えさせていただきます。
 まず、国道371号橋本バイパスは、今年度は16億円の予算で橋梁工事や用地取得を行っておりますが、来年度以降もまだまだ事業進捗を図っていかなければならない状況でございます。
 それから、仮称・新紀見トンネルを含む府県間部分につきましては、今年度から国が調査に着手しており、県としては国に対しまして調査の進捗を働きかけているところでございます。
 次に、京奈和自動車道につきましては、今年度、補正予算を合わせて約198億円の事業を実施しており、国体までの完成のためには今後さらに毎年200億円を超える予算が必要だというふうに思っておりますが、先日、近畿地方整備局から示されました概算要求では、今年度を下回り、137億から169億円と大幅な減額となっております。
 また、紀の川左岸農道につきましても、現在、進捗率がようやく6割を超えたところですが、まだ一部未事業化区間も残っております。
 最後に、国道480号でございますが、直轄権限代行事業として現在調査設計中の鍋谷峠道路は、県が期待しておりました来年度のトンネル着工の予算は要求されておりません。県事業についても、かつらぎ町内の橋梁や高野町内で進めております線形不良箇所の解消など、今年度は約11億円の予算で工事を進めておりますが、トンネル工事など未着工の大規模工事がまだまだ残っております。
 このように、御指摘の各路線には残事業が多く残っており、予算が厳しい状況では期待される事業の進捗が危ぶまれます。このため、県としては、道路整備に係る政策や予算の動向に注視し情報の収集に努めますとともに、本県の道路整備がこれ以上おくれることのないように危機感を持って働きかけてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(冨安民浩君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 県立中学校の現状と将来についてお答えいたします。
 国におきましては、平成11年度から、これまでの中学校、高等学校に加えまして、生徒や保護者が中高一貫教育をも選択できるようにすることにより、中等教育の一層の多様化を進めてきております。本県では、高等学校と義務教育である中学校の6年間一貫した計画的、継続的な学習を展開いたしまして、中学生と高校生の交流を生かした特色ある教育を行うため、平成13年度から連携型の中高一貫教育校を、また平成16年度から併設型中高一貫教育校を設置してまいりました。
 議員御指摘の併設型中高一貫教育校の施設等の課題や市町村立中学校への影響等につきましては、これまでも市町村、学校等からも御意見をいただいてございます。
 このような中、本年度、設置地域の教育関係者等から成ります和歌山県中高一貫教育協議会を設置いたしまして、地元市町村、保護者や学校関係者等からの聞き取り調査、アンケート調査を実施いたしまして、そのあり方について評価、分析を行っているところでございます。
 県教育委員会といたしましては、その結果等をもとに、さらに地元の中学校の状況や市町村、学校関係者等の御意見、御要望等を踏まえ、今後のあり方を検討してまいります。
 以上でございます。
○議長(冨安民浩君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 再質問を許します。
 6番向井嘉久藏君。
○向井嘉久藏君 道路関係について御要望申し上げておきます。
 せんだって、道路大会、県民大会が開催されました。その結果を踏まえて国に要望したところでありますが、つれない返事というんですか、に終始したということでございますが、それにへこたれず、我々県民はこれからもこういうことを実施しながら、地元の強い要望を、嫌われても嫌われても要望していかなければならんということでございますから、県にあってもその辺のことを踏まえてこれからもよろしくお願いしたいと、これだけを要望しておきます。終わり。
○議長(冨安民浩君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。

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