平成21年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(全文)


県議会の活動

平成21年12月
和歌山県議会定例会会議録
第4号
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議事日程 第4号
 平成21年12月9日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第155号及び議案第164号から議案第180号まで(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第155号及び議案第164号から議案第180号まで(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(40人)
 1番 泉 正徳
 2番 山本茂博
 4番 浅井修一郎
 5番 吉井和視
 6番 向井嘉久藏
 7番 門 三佐博
 8番 町田 亘
 9番 服部 一
 10番 平木哲朗
 11番 花田健吉
 12番 須川倍行
 13番 大沢広太郎
 14番 谷 洋一
 15番 平越孝哉
 17番 岸本 健
 18番 川口文章
 19番 尾崎太郎
 20番 藤山将材
 21番 新島 雄
 22番 山下直也
 23番 井出益弘
 24番 宇治田栄蔵
 25番 多田純一
 26番 中 拓哉
 27番 角田秀樹
 29番 山田正彦
 30番 坂本 登
 31番 尾崎要二
 32番 中村裕一
 33番 片桐章浩
 35番 藤本眞利子
 36番 長坂隆司
 38番 小川 武
 39番 冨安民浩
 40番 奥村規子
 42番 松坂英樹
 43番 藤井健太郎
 44番 雑賀光夫
 45番 野見山 海
 46番 松本貞次
欠席議員(3人)
 3番 前芝雅嗣
 34番 原 日出夫
 41番 山下大輔
〔備考〕
 16番 欠員
 28番 欠員
 37番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       曽根義廣
 危機管理監      森 崇
 総務部長       宮地俊明
 企画部長       前硲健作
 環境生活部長     井口悦治
 福祉保健部長     北田佳秀
 商工観光労働部長   永井慶一
 農林水産部長     下林茂文
 県土整備部長     茅野牧夫
 会計管理者      雑賀忠士
 教育委員会委員    須崎恵美
 教育長        山口裕市
 公安委員会委員長   大岡淳人
 警察本部長      永松健次
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     楠本 隆
 選挙管理委員会委員長 諸木良介
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       藁科善崇
 次長         東岡誠吾
 議事課長       上坊 晃
 議事課副課長     土井敏弘
 議事課課長補佐兼議事班長
            田中健司
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      瀧川泰治
 議事課主査      中村安隆
 総務課長       佐本 明
 調査課長       中井祥之
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  午前10時0分開議
○議長(冨安民浩君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第155号及び議案第164号から議案第180号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 6番向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 おはようございます。一般質問をさせていただきます。
 一般質問に先立ちまして、10月19日から11月14日までの14日間、タイ伊勢丹バンコク店におきまして和歌山柿フェアの開催及び輸出環境調査に、10月21日から3日間、平越、山田両議員と私、それに関係職員とともに参加いたしました。
 また、11月22日から25日までの4日間、和歌山県と中国山東省友好提携──昭和59年4月に提携された友好提携でございますが──25周年を記念して、下副知事、冨安議長と議員13名から成る行政議員交流訪問団並びに経済友好各交流訪問団総勢100名が山東省の済南市、青島市等を訪問いたしましたので、その訪問の概略を、お許しをいただきまして、私が代表して報告させていただきます。
 まず、タイ伊勢丹バンコク店における柿フェアの件でありますが、県産柿の有望市場として考えられるタイへの販路拡大を目指して、昨年度に引き続き、現地高級百貨店の伊勢丹バンコク店において和歌山柿フェアを開催されたものでございます。
 私ども議員3人は、10月21日、関西空港からバンコク入りいたしました。ホテル1泊、機中泊2泊という格好で、厳しい調査でありましたが、また参加させていただきましたが、10月22日にタイの日本国大使館を訪問いたしまして、大使とタイの状況についていろいろ意見を交換してまいりました。
 そのときに出た話でございますが、日タイ友好議員連盟をつくったらどうかなと、こういう話も出ておりました。タイというのは東南アジアのこれからの本当に主要国になっていくところでございますので、まだ議員連盟がなかったんかいなという思いで、大使と話が弾みました。また、午後からジェトロバンコク事務所を訪問いたしまして、非常に頑張っておられる姿を目の当たりにしてまいりました。
 それから、23日、伊勢丹バンコク店へ参りまして、中で道に迷いまして──百貨店の中で。物すごく大きいということですな──どこでやっとるんやら、携帯で連絡とるんですが、さっぱりわからなかったほど広かったです。そんなとこで開かれておるもんですから、展示ブースが小さく見えるんですね。余り目立たないということでございまして、後ほどこれらのことで気づいたことを御提案させていただいて、それを質問にかえさせていただくつもりでございますが、いずれにしましても、和歌山県が頑張っている姿というのを目の当たりにして、これからもこういうことをどんどんやっていって、農家が喜んでくれるような、収益につながるような販路開拓をしていかなければならんのだなという実感でございました。それで、その日に夜行便でまた帰ってまいりました。
 後ほど、このタイでのことにつきましては質問させていただきたいと思います。
 続いて、山東省友好提携25周年記念訪問団として、下副知事、冨安議長とともに私ども100名から成る訪問団を結成いたしまして、11月22日、山東省人民代表大会にて高新亭人民代表大会副主任と会談いたしました。また、11月23日には姜大明山東省長と会談いたしまして、両国の経済交流やら観光交流に関しまして活発な意見を交わしたところでございます。
 この23日に、余った時間を利用いたしまして孔子廟を訪問いたしました。広大な敷地でありまして、孔子一族を記念したところでございまして、話を聞いたら、孔子さんがもう亡くなってから2500年ほどたつというようなことでございまして、中国の話は何でもめっぽう大きいなというふうな思いでございましたが、この2500年ほどたった孔子さんの徳がいまだに引き継がれているというところでございまして、いろいろ教えが書かれてございました。
 23日の孔子廟の中で見かけたちょっと気がついたことを申し上げますと、EVバス──電気バスですね──電気自動車、それから電気自転車というのが頻繁に見受けられまして、私らもそのEVバス、電気自動車で孔子廟の中を案内してくれたんですが、6人乗りなんですね。運転手と助手席を入れたら8人になるんですけども、これ何ぼぐらいするんやろうなと聞いたら「10万円や」と言うんですな。えらい安うできるもんやなと。これ、高野山へ持っていって山内の観光をこういう電気自動車でやってもろうたらCO2の削減にもなるし、いいのになというふうな思いでそのバスを見ました。
 また、EV自転車──電気自転車です──日本では免許が要りますが、向こうではもう自由に2人乗りでどんどんどんどん走ってる。非常に力の強い自転車でございまして、値段何ぼや聞いたら「2万円や」と言ってました。日本の電気自転車は12~13万しますが、非常に経済的なもんやなと。格好はちょっと悪かったですけども。しかし、いずれにしましても非常に安いということで、これらも導入したらおもしろいかなという思いでありました。ちょっと気づいたことを申し上げました。
 11月24日、私どもは青島人民代表大会を訪問し、張若飛人民大会主任と会談いたしまして、今後の青島市との交流につきまして意見交換してまいりました。私、20年ほど前に青島市を訪れたことがあるんですが、そんなに大きなまちというふうに感じなかったんですが、今、人口が800万というふうなことで、どだい大き過ぎるなというふうな思いでございました。かつては田舎の漁港だったというふうに聞いております。
 それから、25日に、私どもは青島で開催されました商談会に出席させていただきました。熱心に57社の山東省内の企業の方が訪れて商談をされておった姿を目の当たりにさせていただきました。また、山東省の中で日本から進出いたしました工場が立派に操業しておられるという姿も見させていただきました。
 以上で報告は終わりますが、うれしいお土産といたしましては、来年3月には山東省の済南から山東航空が関空へ週2便乗り入れするということを聞かされました。また、ことし1月には青島に日本国の総領事館が開設されたというふうなことでございました。
 以上で、私の訪問に際しましての報告とさせていただきます。
 その中で、タイを訪問した際に気づきましたことにつきまして、農林水産部長にお尋ねいたしたいと思います。
 県食材の海外への販路開拓についてということでございますが、海外での販売では、一定の制約の中で販売しなければならないこと、また販売にコストを余りかけられないということ等々ございまして、そういう考慮をしつつも、いま一歩の工夫があってもいいのではないか、こういうふうに考えました。
 1つには現地語でのDVDの制作と上映についてでございますが、DVDはつくってあるけども日本語というようなことでありましたので、現地の人にわかりやすく、タイならタイ語、中国なら中国語でDVDを制作してPRしたらいいんではないかと。また、その際には和歌山県の観光も紹介しつつ、こんなきれいなところでとれた果物ですよという紹介の中から観光紹介し、食材の栽培過程、1年を通じて農家の方が一生懸命つくっているさまを現地語のナレーションを入れたDVDを制作して上映したらいかがかなと、こういうふうな提案をさしていただきたいと思います。
 もう1つは、2番といたしましては値ごろ感のある商品の販売についてであります。
 伊勢丹へ持っていかせていただいた柿は特秀なんですね。農家は、果樹園一円でそんなに特秀をたくさんぼんぼんぼんぼんできるものじゃございません。例えば、柿が1つ1万円したとしても、3つしかできへんなら農家にとっては何もうれしない。それよりも、たくさんできる商品──特秀じゃなしに秀品ですね──そういうものを販売する販路ができれば、高いから品物がいいんだというんではなしに、そこそこの値ですが品物はいいですよと、そういう値ごろ感の出る商品の販売に力を注ぐべきではないかと。
 といいますのは、横に中国産の柿を売っておるわけです、安うで。買いに来た人はそっちのほうへどうしても手が行く。日本のは1000円近いですね。340バーツほどで売っていましたから1000円近い値段ですよ。片方は100円もせんのですよ。そんなものを並べて売られたらやっぱりそちらのほうへ、少々見ばえは悪うてもそっちのほうへ手が行くやろうなと、こういうことですね。日本の選果場では、展示しておった中国産ははねものになるような製品でございましたが、しかし安かったら売れるということでございますので、そういう値ごろ感のある商品の販売をしていただきたい。生産者がもうかる商品の販路を開拓するように努めたらいかがかなと、こういうことでございます。
 3つ目は、やっぱり商品を売ろうと思ったら熟練した現地の販売員の確保が必要でございます。この間行かしていただいた方は、すらっとして感じのいいお姉さんでございましたが、ただ黙って横へ立っているだけということでございましたので、もっともっと声をかけてお客さんを引き込む、そういう販売員を確保したらいかがかなと、こういうことでございます。
 もう1つは、4番目といたしましては、販売スペースが周囲に埋没してしもうとるということでございますので、もう少しその販売する場所を浮き立たせるような一工夫が要るんではないかなと、こういうことを思いました。例えばLEDのイルミネーションを利用して、そこでちょっとよそと違うと。また、現地語ののぼりを立てる。立ててあったのは日本語ののぼりでした。日本人が買いに来るからそれでええという発想かどうか知りませんが、現地の人に本来は買っていただくのが主であろうと、こういうふうに思いますので、現地語ののぼりもつくったらいかがでしょうかということで、農林水産部長にお尋ねいたします。
 次に、2番目として地域の活性化についてということでお尋ねいたしたいと思います。
 全国の至るところで、活性化のために知恵と労力を出し合いまして、自力で、また大学とタイアップしながら多くの方々が頑張っておられます。本日紹介さしていただく2例は、そこで共通しているのは大学の力をうまく利用していること、また、廃校になった校舎を利用しての成功例であります。このような事例が県下のあちこちで産声を上げてくれればうれしいなという思いで質問をさしていただくわけでございます。
 まず初めに、栃木県那珂川町で異業種の野口さん、この方は水質検査とか土壌検査をしている会社の社長さんですけども、この那珂川町で温泉が出とるんです。これ──ちょっと忘れましたね。とにかく、塩分をようけ含んだ温泉がわいておる。これ、どうにもこうにも、温泉は出るんやけども、あちこちさびついて困ったもんやというふうに地元の人は難儀しておった。
 この野口さんがそれに着目しまして、これで海水とよく似ておるんやったらということで、何ぞ海の魚を飼われへんかいなと、こう思ったらしいですね。それで、同じ飼うんやったら一番高いフグを飼うたれということで、静岡からフグの幼魚を買うてきて、自分の事務所で小さい中で飼うたらしいです。
 そうしたら、1年たったら30センチの1キロのフグに育った、トラフグ。それで食べてみたら非常にうまかったと。それでまた、保健所で調べてもろうたらフグの毒も検出されなかったということで、これひょっとしたら物になるんの違うかいなと思うて町へ相談したら、もう学校を廃校しとるさかい、ここ使うたらということで、教室へ大きな水槽をたくさんつくりまして、そこでフグを養殖して、来年から本格的に──10トンと言ってました──フグ10トンずつ毎年山の中、そこで出荷すると。そして、そこにはそのフグを世話する地元の人たちを雇って、ということは雇用にも発展してきた。そうして旅館とか料理屋がそのフグを使って山の中の温泉フグとして売り出す、こういうことでございまして、非常にやっぱり目をつけるとこが違うなと。成功する人はそういう眼力を持っておるんかなということでございまして、よそのことはうらやましいなというふうに実は思っておったら、和歌山県でもちょっと調べてましたらあったんです。
 もう1つは、田辺市の上秋津の話でございます。これは知事も、昨年の12月にオープンしましたから、そのときのオープンセレモニーには御出席していただいたというふうに、そこの玉井さんという代表者の方と話したときに言っておられました。また、同じ12月に農水委員会も調査しておられますので、わかっておられる方おられます。また、田辺市出身の方の前でこんな話したら──どうぞ怒らんといてください。
 ここは、田辺市の上秋津でグリーンツーリズム施設秋津野ガルテンを経営する農業法人でございます。秋津野ガルテンは平成20年の11月オープンで、オープンセレモニーは今申し上げましたように知事も出席されました。私のまち──ちょっとここのことを紹介さしていただきましょうか。
 もともと上秋津というのは──今どこのまちも人口は減っておるんですね。ところが、ここだけはなぜか知らんけども、地の利もいいんでしょう、人口がふえてきておるんですね。かつてスタートし始めたころは500世帯だったと。今1000世帯超えてるというようなことで、珍しい。人口増にもつながってる。何もせんでもふえたんかもわからんけど、とにかくやった時期が合うたんでしょう。人口がふえてきてるということでございます。
 昭和32年に合併がありまして、そこに上秋津で財産を持っとったんですね。普通は財産区つくって自分たちで管理するか、または市へもう寄附してしまうか両方どっちかなんですが、ここは社団法人上秋津愛郷会というのをつくって少し財産を持ったわけですね。それがスタートだと言っておられましたが、何をするにもみんなで共同して始めたということでございます。
 平成6年には地域づくり塾秋津野塾というのも発足させておりますし、産直店を秋津野直販所ということで、平成11年、「きてら」というところで販売さしております。15年にきてらが手狭くなったんで、ちょっと広いとこということで新築移転したようでございますが、私、そこへ行ったんですが、ほんまにちっちゃいとこです。個人でもできるような建物でございましたが、おばさんが2人販売しておりました。ところが、ここの売り上げが1億超えるらしいです。おばさん2人とちっちゃなとこ、駐車場10台ほどでいっぱいになるようなとこですが、1億超える。この1億がやっぱり会員さんに還元されて、非常に喜んでもらってるというようなことでございました。また、自分らで自前のジュース工場を持ったり、いろんな工夫をされております。
 それで、20年に秋津野ガルテンがオープンしたと。ここ、宿泊施設もございます。どうぞ皆さん、その節には行ってあげていただきたいと、こういうふうに思うんですね。宿泊料はお1人4500円でございます、1部屋。ちょっとPRをさせていただきました。
 私のまち橋本市でも多くの人たちが頑張っています。ひょっとしたら物になるのではないかと思う具体的な動きをしている例もございます。県下のあちこちで成果のあることを期待して、質問いたしたいと思います。
 廃校を利用した秋津野ガルテンの取り組みについて、取り壊しが決定しておりました校舎を市から有償で譲り受け――1億円で買うたと言うていましたが──活用した住民の知恵と行動には感服させられます。当初の立ち上げでは結果を出すなど、どのような評価をなさいますか。
 続いて、立ち上げに際し得たノウハウの継承についてでございます。
 秋津野ガルテン立ち上げに当たっては、県は相談を受けていたと。いろんな相談事を受けていて、わからないとこはしっかり調べた。その結果、県はいろんなノウハウを得たと思うんですね。そのノウハウを次に継承できるように、また県庁各部署でも同様のことがあると思うんです。その人が転勤したら今まで得たノウハウは終わりというんじゃなしに、今まで積み上げてきたノウハウを継承できるようにしていただきたいなと。それらを知的財産として残していくことが大切ではなかろうかと思うわけでございます。
 幸い、秋津野の相談を受けてくれておりました県の職員が伊都振興局に今度転勤してくれていまして、この間も電話で連絡をとったんですが、その知識を橋本のために使ってくれているようでございますんで、御紹介させておいていただきます。
 次に、教育長にお尋ねいたします。3番目といたしまして、県立中学校についてでございます。
 県立中学校が高校に併設されて6年。来春、向陽高校から1期生が巣立ちます。期待されて設立された県立中学校ではございますが、ここに来て少子化の波は、パイの大きな和歌山市はともかくといたしまして、パイの小さい市町村立の中学校といたしましては存続にも影響が出ております。
 私のまち橋本市を例にとりますと、平成7年には橋本市内の小学校の全児童数が5763名、平成22年、来春入ってくる子供の年でございますが、3658名と減少するのでございます。中でも、橋本市内に柱本小学校というのがございますが、平成7年の児童数が815名でございました。これに対しまして平成22年は217名となるわけでございまして、1年生はひょっとしたら30名を割り込むん違うかと、こういうふうなことになってきております。
 あるマスコミの、調査で4割が──この間の新聞ですが──「子供は不要」とするという回答があったというショッキングな数字が出ておりました。特に、20代の6割は子供は要らないと言うとるというんですよ。日本国は果たしてどうなるのかという心配があります。
 このような少子化が進む中、予想される橋本市教育委員会では小中学校の統廃合の検討に入っております。橋本小学校では、かつて1200名を超すマンモス校でございましたが、今春の卒業生は68名、これに比べてことし入学した児童は50名、わずか6年間で18名減ということでございまして、大幅な減員になってしまっておるのでございます。
 片や県立中学校は、1学年80名の定員枠を守って、高校の募集枠に2クラスを減らす結果となっております。というのは、橋本高校は、ことしは1学年5クラスの募集でございました。ところが、中学校から上がってきますから2クラスとられます。3クラスしか残らないと。120人の募集でございました。そこへ大勢の受験生が集中いたしまして、60名オーバーというふうな結果になってしまいました。
 そういうことで、市町村立の中学校の存立を危うくしているのでは。一考する時期が来ているんではないかと、こういうふうに思うわけでございます。
 県立中学校1学年1クラスについてお尋ねいたします。これは、パイの大きい和歌山市は除くということでお聞きいただきたいと思います。
 前段で申し上げましたとおり、これからも高校の募集定員も減っていくと思われる中で、普通科枠を、中学校枠を確保することとしてはいかがでしょうか。
 次に、県が中学校を設立する意義についてお尋ねいたします。
 県立中学校といえども義務教育であります。特別な指導は、私学に比べ許されておりません。文科省の指導要綱に基づくこととなってございます。市町村立中学校で空き教室が目立っている環境の中で県立中学校の施設充実をしていかなければならないと、こういう二重構造的なことになってしまうんではないか、こういうことで、県立中学校を設置する意義についてお尋ねいたしたいと思います。
 続いて、民主党政権についてお尋ねいたしたい。最後にいろいろお聞きしたいのですが、道路のことについて的を絞らせていただきます。
 ことしの夏、8月30日の衆議院議員選挙の結果は、選挙前から予想されたこととはいえ、自民党にとっては厳しい結果でありました。国民の大半が民主党を選択したわけでありますから、民主党に日本国のために頑張ってもらいたいという思いがございます。
 日本国の根幹をなす外交問題でのぶれがあり過ぎるようにも思います。諸外国から見て、果たして鳩山政権のもとの日本はどのように映っているのでしょうか。とりわけ対米、対中、対北朝鮮とどのように対していくのかが不透明で、その姿が見えてこないのです。特に、沖縄の普天間米軍基地の移転問題は、迷走に次ぐ迷走であります。沖縄県民の意見を聞くと言いながら、かえって感情を逆なでするような鳩山首相の発言で、解決を一日延ばしに図っているとしか見えないのであります。早晩落ちつくところは、恐らく今、日米で決着を見ております辺野古沖につくるということに落ちついていくんでしょうが、もうこの辺で決断する時期が来ているんではないかと、こういうふうに思うわけでございます。鳩山首相は、代案を持ち合わせないで不規則発言を繰り返しているんではないかと私は思うのでございます。
 鳩山首相が就任直後、国連での演説で、温室ガス1990年比25%削減を約束いたしました。2009年比で見ると30%を超える削減となり、日本の経済発展を危うくする重荷をみずから背負い込んだ形になっております。あるシンクタンクが、温室ガス25%を達成するには、日本の全家庭で1家庭当たり75万円の収入減となるとも試算しております。このようなCO2削減を考えている中、暫定税率、ガソリン税の廃止を実施し、高速自動車道の無料化を考えるなど、つじつまの合わないことおびただしいものでございます。
 また、ガソリン税のかわりに環境税をとする発想はいただけません。高速自動車道の無料化もいただけません。無料になったために一般道路と同じ渋滞を起こす道路は、高速道路とは言えません。高い通行料を払ってでも目的地に速く行ける私たちは、通行料を払ってでも利用するのは時間を通行料で買うのであります。
 道路といえば、事業仕分けで一番のやり玉に上がったのが公共事業であります。中でも関心のあるのが、私たちの生活で一番大切な道路であります。
 そこで、県土整備部長にお伺いいたします。
 民主党政権後の公共事業についてであります。事業仕分けにより、公共事業とりわけ道路予算は大幅な減額が予想される中で、身近の道路は今後どのようになっていくのかについて伺いたいと思います。
 1番には、国道371号バイパスについてでございます。
 2番目に、京奈和自動車道について。特に京奈和自動車道は、国体までに和歌山まで開通さす、6年後には開通さすということで進んでおりましたが、今の状態ではそれが危うくなってまいりました。この辺のことにつきましてもよろしくお願いしたいと思います。
 紀の川左岸農道についてでございます。橋本市から打田まで左岸農道が今つくられておりますが、これもどうなるのか心配でございます。
 特にまた、府県間道路となっております480号についてもお伺いしたいと思います。
 以上で、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(冨安民浩君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) まず、第1点目の県産食材の海外への販路開拓に関しまして、4点御提案をいただきましたが、県といたしましては、農水産物等の販路開拓につきましては、県農水産物・加工食品の販売促進戦略・アクションプログラムを策定いたしまして、これまで積極的に取り組んでいるところでございます。中でも、海外につきましては重要な販路と位置づけてございまして、アジアを中心にして和歌山フェアの開催、また欧米等での国際食品見本市等への出展などを行ってきてございます。
 海外におきます和歌山フェアにつきましては、本県が誇ります柿、桃、ミカンのブランド力の向上と販売促進を目的にいたしまして、高級百貨店等において開催をしているところでございます。フェアにつきましては、本県の観光や果実の安心・安全等をPRするDVDの上映、熟練した現地販売員の雇用、県産果実を使用した料理講習会の開催など、お客様を引きつける工夫をした取り組みも行ってきてございます。
 今後も引き続きまして、現地消費者の嗜好やニーズの把握に努めるとともに、御提案をいただきました現地語でのDVDの作成や上映、また、高級百貨店に加えまして現地の量販店での値ごろ感のある販売促進など、なお一層農家の所得向上に結びつく販路の開拓、販売促進活動に努めてまいりたいと考えてございます。また、国や他府県との連携も視野に入れながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、地域の活性化に関連いたしまして、秋津野ガルテンの取り組みとノウハウの継承に関してでございますが、まず、廃校を活用いたしました秋津野ガルテンにつきましては、基幹産業である農業を核として、地域食材や文化、景観等の地域資源を有効に活用した事例の1つでございまして、本格的な宿泊滞在型の農業体験交流施設としても着実に成果を上げてきてございます。
 こうした取り組みを成功に導くためには関係者の熱意と地域の合意形成が基本でございまして、本取り組みにつきましても、多くの賛同者が出資者として施設の運営にかかわるようになったことが何よりも重要な要因であると考えてございます。
 また、遊休化した施設の活用と地元食材にこだわった農家レストラン、ミカンや梅の収穫、加工の体験が多くの方々に受け入れられたことも成果を上げている1つであると考えてございます。
 議員お話しの橋本市を初め県内各地でさまざまな取り組みが進められてございますので、今後とも、観光部局等とも連携をしながら農家民宿の推進や各種体験交流施設、また直売施設等の整備などに取り組むとともに、秋津野ガルテンなどの各地の成功事例等を蓄積いたしまして、そのノウハウを活用しながら、これからの地域づくりを積極的に支援してまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○議長(冨安民浩君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 公共事業、特に道路事業につきましてお答えいたします。
 国土交通省の平成22年度の概算要求におきましては、直轄、補助ともに今年度当初の2割減と大幅に削減され、さらに新規事業は原則として行わないなどとされておるところでございます。また、行政刷新会議の事業仕分けにおきまして農道整備事業が廃止とされるなど、道路を取り巻く状況は非常に厳しくなっております。
 このような中で、御質問の各路線の状況についてお答えさせていただきます。
 まず、国道371号橋本バイパスは、今年度は16億円の予算で橋梁工事や用地取得を行っておりますが、来年度以降もまだまだ事業進捗を図っていかなければならない状況でございます。
 それから、仮称・新紀見トンネルを含む府県間部分につきましては、今年度から国が調査に着手しており、県としては国に対しまして調査の進捗を働きかけているところでございます。
 次に、京奈和自動車道につきましては、今年度、補正予算を合わせて約198億円の事業を実施しており、国体までの完成のためには今後さらに毎年200億円を超える予算が必要だというふうに思っておりますが、先日、近畿地方整備局から示されました概算要求では、今年度を下回り、137億から169億円と大幅な減額となっております。
 また、紀の川左岸農道につきましても、現在、進捗率がようやく6割を超えたところですが、まだ一部未事業化区間も残っております。
 最後に、国道480号でございますが、直轄権限代行事業として現在調査設計中の鍋谷峠道路は、県が期待しておりました来年度のトンネル着工の予算は要求されておりません。県事業についても、かつらぎ町内の橋梁や高野町内で進めております線形不良箇所の解消など、今年度は約11億円の予算で工事を進めておりますが、トンネル工事など未着工の大規模工事がまだまだ残っております。
 このように、御指摘の各路線には残事業が多く残っており、予算が厳しい状況では期待される事業の進捗が危ぶまれます。このため、県としては、道路整備に係る政策や予算の動向に注視し情報の収集に努めますとともに、本県の道路整備がこれ以上おくれることのないように危機感を持って働きかけてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(冨安民浩君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 県立中学校の現状と将来についてお答えいたします。
 国におきましては、平成11年度から、これまでの中学校、高等学校に加えまして、生徒や保護者が中高一貫教育をも選択できるようにすることにより、中等教育の一層の多様化を進めてきております。本県では、高等学校と義務教育である中学校の6年間一貫した計画的、継続的な学習を展開いたしまして、中学生と高校生の交流を生かした特色ある教育を行うため、平成13年度から連携型の中高一貫教育校を、また平成16年度から併設型中高一貫教育校を設置してまいりました。
 議員御指摘の併設型中高一貫教育校の施設等の課題や市町村立中学校への影響等につきましては、これまでも市町村、学校等からも御意見をいただいてございます。
 このような中、本年度、設置地域の教育関係者等から成ります和歌山県中高一貫教育協議会を設置いたしまして、地元市町村、保護者や学校関係者等からの聞き取り調査、アンケート調査を実施いたしまして、そのあり方について評価、分析を行っているところでございます。
 県教育委員会といたしましては、その結果等をもとに、さらに地元の中学校の状況や市町村、学校関係者等の御意見、御要望等を踏まえ、今後のあり方を検討してまいります。
 以上でございます。
○議長(冨安民浩君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 再質問を許します。
 6番向井嘉久藏君。
○向井嘉久藏君 道路関係について御要望申し上げておきます。
 せんだって、道路大会、県民大会が開催されました。その結果を踏まえて国に要望したところでありますが、つれない返事というんですか、に終始したということでございますが、それにへこたれず、我々県民はこれからもこういうことを実施しながら、地元の強い要望を、嫌われても嫌われても要望していかなければならんということでございますから、県にあってもその辺のことを踏まえてこれからもよろしくお願いしたいと、これだけを要望しておきます。終わり。
○議長(冨安民浩君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 44番雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕(拍手)
○雑賀光夫君 議長のお許しを得ましたので、早速質問に入らせていただきます。
 第1の柱は、中国訪問の報告と、それにかかわった質問です。
 12月4日には山東省代表団が来県され、私もマリーナシティで開かれた歓迎レセプションに参加させていただきました。その前、この秋、日中友好協会和歌山県連合会と海南支部による中国四川省への友好訪問を行い、私はその団長を務めさせていただきました。お手元にその報告のパンフレットをお配りしています。
 日中友好協会は、日中国交回復以前から活動してきました。大変苦労したのは、1960年代、中国で文化大革命なるものが起こったときでした。中国国内で何が起ころうとそれは中国の国内問題ですが、厄介なのは、当時、特定指導者への個人崇拝が求められたことでした。日本共産党も日中友好協会もそれを拒否しましたから、中国との交流はできなくなってしまった。その後、中国共産党も中国政府も、文化大革命とその路線の対外的な押しつけが大きな誤りであったことを認め、私たち日中友好協会も中国と交流できるようになったのでございます。今回は、その関係が正常化して以後、和歌山県連、海南支部合同で企画した第5次訪中団でございます。
 昨年の5月、四川大地震が起こりました。多くの皆さんが支援活動をされましたが、私たちも義援金を募り、街頭カンパを行い、領事館にお届けしておりました。こうした経過もあって今回の友好訪問になったものでございます。
 四川省人民対外友好協会では、秦琳会長などが対応されました。地震へのお見舞いを申し上げるとともに、私たちの協会は侵略戦争への反省に立って日中不再戦の運動を進めていること、また中国側が不当な押しつけをしてきたときも決して屈せず、対等・平等の友好を求めてきたことを紹介し、和歌山の世界遺産を紹介した観光パンフレットや和歌山のおいしい果物のパンフレットもお渡しいたしました。
 その後、震災被災地を視察し、学校訪問したんですが、徳陽市対外人民友好協会、林主任に同行していただきました。この視察地は、震災の後、モニュメントとしてそのままで残しています。広い中国だからできることですが、災害の大きさを実感することができました。同時に、使われている鉄筋が少ないことなど、児童が死亡したことについて手抜き工事だと批判が上がったこともうなずかれるなという感想もありました。
 私たちの訪中は、こうしたいわば野党外交のようなことをしてくるわけでございます。
 ちなみに、4年前の第3次訪中団は杭州を訪問したのですが、このときは、杭州の景勝地である西湖と和歌浦が大変よく似ていること、江戸時代に不老橋周辺の和歌浦は西湖の景観を模して整備されたと言われることを紹介し、この場所が中国の国父孫文と南方熊楠が旧交を温めた地であることを紹介したのでした。
 こうした日中友好交流活動を踏まえて、幾つかお伺いしたいと思います。
 まず、和歌山県としての中国との交流です。
 貿易経済交流相手国としての中国の比重はますます大きくなってきています。県としては、山東省との友好関係を積み上げてこられたことは大変結構なことです。しかし、中国は広い。杭州の西湖と和歌浦との縁など、いろいろある。海南の家庭用品業界などは、上海を初め各地域に進出しています。たまたま本日、遼寧省の代表がおいでになるということで、私もお迎えの会に参加したいと考えています。和歌山県として中国との交流についてどういう可能性を考えておられるのか、知事にお伺いいたします。
 第2に、日中友好団体など民間団体と県行政の関係です。
 県として、国際交流の取り組みとともに、日中友好など国際交流を進める民間団体があると思います。かつては特定の団体だけに助成するという時代もあったのですが、今はそんな時代ではありません。広く国際交流を進める取り組みを応援することが大事ではないかと考えますが、いかがでしょうか。知事への質問です。
 第2の柱は、津波・地震対策の問題です。
 四川省訪問から、防災対策を一層進めなくてはならないと感じて帰ってきました。その後、近畿の議員フォーラム防災分科会に出させていただき、そこでも改めて勉強させていただきました。
 私の地域海南市は、何といっても南海・東南海地震対策の問題が一番心配です。今後30年の間に南海地震が起こる可能性は50%、南海・東南海地震の確率は60%から70%と言われます。同時に起こるかもしれない、別々に起こるかもしれない。どちらか一方が起こる可能性は80%から90%になるでしょう。
 政権交代が行われて公共事業の見直しが行われています。私は、最近、見直してもいい、あるいは見直さなくてはならないものと、絶対に見直してはいけないもののめり張りをつける必要があるのではないかと考えています。見直してもいいものについては後から申し上げますが、和歌山下津港海南地区の津波防災堤防は、絶対に守らなくてはならないと思っています。
 海南市では、6月、国土交通省の方もおいでいただいて津波防災シンポジウムが行われました。国土交通省の方からは、津波防災についての海南市民の熱意を受けて、地球温暖化防止に努めることをドゥー・キョートと言うのになぞらえて、津波対策に努めることをドゥー・カイナンと言われるようになる津波対策の先進地にしましょうというお話もあったわけでございます。この事業はどんなことがあっても守らなくてはならないと思っていますが、知事の認識と見通しと決意をお伺いしたいと思います。
 次に、津波防災堤防の事業が進んでも津波はあす来るかもしれません。「逃げ切る!」プログラムの実行が大変大事だと思います。海南市は、大変広い住宅地が、かつての南海地震津波では大きな被害を受けました。その後の埋め立てで湾が狭くなり、一層大きな被害が心配されます。
 以前、県の担当者から、海南市の避難計画は県内でも進んだものですとお聞きしたことがありましたが、その計画では、平地の住民は山手高台に逃げることになっていました。私の事務所は海南市の東山という地域にあります。私が小さいころ、南海地震では2階への階段の上3段を残して水につかった地域です。自治会のお世話をいただいている方は、高台に逃げてくださいと訴えても、とてもそんなところまで行けないというお年寄りが多いと嘆かれます。サポートする若い人も大変少ないわけです。近所の年配の奥さんにどうするのとお聞きすると、「私は近くのK病院に駆け込むつもりやよ」とおっしゃいます。本音と建前の乖離があるわけであります。
 そんな中で、津波から「逃げ切る!」プログラムに盛られている津波避難ビル、暫定的緊急津波避難ビルというものが大変現実的であり、いい考えだと私は思っています。ところが、津波避難、暫定緊急避難ビルの指定がまだまだ少ないのです。近所の奥さんが逃げ込む予定のK病院は含まれていません。ある学校の裏にお住まいの方からは、津波のとき逃げ込めるように裏門のかぎをあけられるようにしてほしいという要望をいただいたことがあるんですが、それもその学校が避難ビルに指定されていなければできないでしょう。
 これは市町村がやればいい問題ですが、県としても、プログラムで呼びかけているわけですから、市町村にもっと積極的な指定を呼びかけるし、公共的な性格を持った建物には協力を呼びかける。そんなに費用をかけなくても本音と建前が一致した逃げ切りができると考えますが、いかがでしょうか。危機管理監にお伺いいたします。
 さらに、近畿のフォーラムでも議論になった1つですが、住宅の耐震補強の問題です。耐震補強といっても、200万円もかけてそんなに補強ができるものではない。命が助かることを中心にして最低限度の補強への補助ができないのか。フォーラムでのコーディネーターの先生も、10万円でもできる補強を技術的にも検討しなければならないと強調しておられました。
 そこで質問ですが、住宅の耐震診断はどこまで進んでいるのか。耐震補強の補助金はどこまで活用するのか。活用を広げるためには部分的耐震に補助ができるようにしなければならないと思いますが、いかがでしょうか。県土整備部長からお答えください。
 第3の柱として、道路を初めとする公共事業についてお伺いいたします。
 民主党政権が誕生し、八ッ場ダムの建設中止など大きな話題になりました。さらに事業仕分けなどを進めていますが、無駄な事業を削るとともに、国民の暮らしに必要な施策まで削ってしまうのではないかという懸念の声も聞かれます。
 そこで、私は、国政レベルでも地方政治の側からも、削ってもよいもの、あるいは急がなくてもよいものと守らなくてはならないものの議論をすべきときが来ていると思います。地方自治体の側からも、急がないもの、削るべきものは洗い出すべきです。それは、地方にいる者が一番よくわかっているからです。同時に、正直者がばかを見ることにならないように、地方から削ることを提案したら、「そうか、そうか」と削られるだけで結局損をしたというようなことにならないように、地方が本当に必要な要望を尊重するという中央と地方の信頼関係が築かれなくてはなりません。
 私は、自分の地域で建設中の道路をぜいたく道路だと批判したことがあります。それは、海南市日方川沿いで拡幅中だった都市計画道路日方大野中藤白線というものでした。1980年ごろ、都市計画道路の線引きがなされた。高度経済成長の行け行けどんどんの時代に引いた線引きをそのまま引きずって、全体の計画が完成する見込みもないのに部分的に当初の計画どおりに進めているということからこんなことになるというのが私の主張でした。その年の5月1日の新聞の1面に報道された「和歌山県 都市計画道見直し 全国で初めて」という施策に私の質問は結びついたというふうに自分では思っています。
 いま1つ、私はこんな大きな道路をつくらなくてもいいと主張してきたのが国道370号阪井バイパスであります。2006年の予算委員会で、阪井バイパスは必要であるし急いでほしいが、現道も使えるのだからバイパスは2車線でいい、しかも傾斜のあるところを道路が通るわけで、幅20メートルを半分にすれば道路設計もしやすくなるという意味のことを申し上げたのですが、その後、海南市議会でも論議されていますが、4車線道路であるために当局も交差部分だけとれば使い勝手は悪くなるとして、バリアフリー法との関係で改善が課題にされています。それでも、計画どおりの用地買収が始まった段階で、私は本来の主張は変えていませんが、しかし、完全に私の思いどおりでなくても、バイパス計画は早く進むことが海南市のためにいいと考えて、大筋では推進をしてまいりました。
 しかし、今、政権交代で状況は変わりました。さまざまな分野で事業仕分けが行われている。改めて4車線が必要なのかどうかを問い直さなくてはならないと思います。
 そこで、質問です。
 第1点、地方として国から予算をたくさんとってくればよいということでなく、実情がわかっている地方の側から精査する、無駄を削る、そして、正直者がばかを見るということのないような地方と政府の信頼関係をつくれるように政府に対しては要求していくということが必要だというのが私の考えですが、知事はどうお考えでしょうか。
 第2点、削ってもいいものと守らなくてはならないもののめり張りをつけていく。その中で、阪井バイパスは2車線でもいいと私は考えるものですが、知事も、もう一度そのことについて検討をお命じになってはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
 第3に、公共事業の精査が求められる時代には、1.5車線道路という考え方が大事だと思います。都市計画道路の見直しということは今も生きているのでしょうか。どういう見直しが検討されているのでしょうか。県土整備部長にお伺いいたします。
 さらに、国道42号海南市から有田へのバイパス道路、400億円かけて10年かけて実現することを目指していました。私はその推進の立場ですが、果たして計画どおりに進むのでしょうか。これがさらに大きく延びるとしたら、完成したとき交通量がどうなっているかわかりません。
 海南から有田への交通で言いますと、阪和自動車道海南─有田間は近く4車線化が完成します。有田から先はまだ時間がかかるでしょう。国道渋滞を少しでも緩和するために、ここに完成した社会資本を最大限に活用する道は何か。それは、4車線化実現と同時に海南─有田間を無料化することだと思います。私は、高速道路などの無料化を急ぐべきではないと思っています。しかし、特定の道路を選択的に無料化することはやったらいい。その典型的なものが海南─有田間だと思います。しかも、それは前原国土交通大臣が言っていることとも矛盾はしない。攻勢的に建設的な提案をしていくべきだと考えるものですが、いかがでしょうか。知事のお考えをお伺いいたします。
 第4の柱は、亀の川水系河川整備計画と、その周辺の治水対策であります。
 先月、海南市の亀の川をよくする会で、県政おはなし講座を利用して亀の川の改修計画の説明をいただきました。自治会の役員さんや亀の川の治水に関心を持っている方の参加がありました。県政おはなし講座というのは大変いい施策だと思っています。
 ちょうど先月11日の集中豪雨の直後でしたので、切実な浸水問題についての実情が出されました。海南市では、室山団地や岡田地区が浸水で通行禁止になったのです。それは、一部県管理になっている大坪川の水が亀の川に十分流れないという問題でした。そのことを踏まえて県土整備部長にお伺いいたします。
 亀の川水系河川整備計画で、岡田地区、室山団地、紀三井寺団地などの浸水問題はどう解決される見通しをお持ちなのでしょうか。また、それ以前に岡田地区、室山団地を流れる大坪川の排水の改善が急がれます。排水機場や遊水池など、大坪川のはんらん対策を急ぐ必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 最後に、教育問題、学校規模と学力、そして部活動での通学区弾力化の問題にかかわってお伺いしたいと思います。
 義務教育ニュービジョン研究会報告というものが出されています。そこでは、中学校は1学年3学級、小学校は1学年2学級が適正規模だとして、統合を推進することを提言しました。私はこのような統合ありきの方向に誘導することには批判しますが、余りにも学校規模が小さくなってしまった学校では、もう少し大きな集団の中で子供に学校生活をさせたいという要望も出てきます。小規模学校のメリット、デメリットなどを示した上で、学校統合は保護者、地域住民の合意で進めなくてはなりません。
 そこで、子供の学習にとってどの程度の学校規模が一番いいのだろうか。県教育委員会は毎年学習状況調査を実施して、その正答率を学校ごとに公表してきました。そのことについては、私は批判をしてきました。学校間の差別化などいろんな問題を起こすのではないかと今も心配し、しかし、現にデータは公表されているわけですから、そのデータを使って私なりに検討してみました。
 お手元にグラフがございます。中学校の適正規模と言われる3学級というのは、35人学級として、71人おれば3学級になるわけです。これが適正規模とされています。私は、1学年25人未満、25人から70人まで、それから適正規模と言われる3学級、71人以上──もちろんこれは小集団の学級があったりいろいろありますが、大まかな話です──3つに区分をして、中学校2年生の英語、数学、国語で正答率を示したものをお示ししました。県立中学校、附属中学校は、これは特別扱いで別にしています。
 グラフによりますと、どの教科を見ても、適正規模と言われる3学級の中学校よりも小規模の中学校のほうが教科学習の到達度が高いことがはっきりと示されます。もちろん、教育の評価は教科学習がすべてではありませんが、しかし、そのことが大きな部分を占めることも否定できません。小規模学校では、学校としてのまとまりとともに1クラス20人というような小規模学級が多くなっていることも、こうした結果につながっていると思います。
 こうした学校規模と学力の関係についてどう認識しておられるでしょうか、教育長にお伺いいたします。
 ところで、小規模校の中学校で悩みとなり、また保護者からも不満として出されるのが、部活動、特に運動部活動が十分にできないという問題です。中学校時代のスポーツは特定のスポーツに特化しなくてもいいという考えもありますが、できればやりたいというスポーツはできるだけ希望をかなえてやりたいという思いもあります。
 しかし、県教育委員会がこのたび導入した部活動のために義務教育の学区を弾力的に運用するという指針には大きな懸念を抱くものです。指針の一部がひとり歩きして、比較的小さい中学校が一気に過少規模の中学校になってしまうというようなことが起こり得るのではないか、教育全体に大きなデメリットを生みはしないかと心配しています。むしろこうした問題は、個々の学校の枠でなく、社会体育としての地域のスポーツクラブでその要望にこたえるなどしていったほうがいいのではないか、あるいは学校管理下の部活動にしても幾つかの学校の連携で対応できないのだろうか、そういうことを考えるわけですが、いかがでしょうか。教育長にお答えお願いします。
 以上で、私の第1回目の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(冨安民浩君) ただいまの雑賀光夫君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 御通告に従いまして、私に答えよということでございました点について申し上げたいと思います。
 まず、第1に中国の関係でございます。
 中国は長年にわたりまして高度経済成長を続けております。また、昨年からの世界経済危機からも比較的早く立ち直り、かつての世界の生産基地から世界経済を牽引する大消費地へ変貌を遂げていってもらいたいなという流れであります。
 県では、友好提携先である山東省における本県企業と現地企業との商談会を継続して支援しているほか、県産食品の有力な輸出先として上海や香港で展示や販売の促進を行うとともに、中国から本県への観光客誘致にも積極的に取り組んでおります。
 今後とも、本県と友好提携を締結している山東省はもとより、中国との経済的結びつきをさらに強化するとともに、日本のよき隣人としてさらに友好を深めていきたいと考えております。
 次に、津波対策でございます。
 海南地区の津波対策事業につきましては、本地区は公共機関や主要な産業が集結し、津波による被害が甚大で復興の長期化による県経済への影響が大きい地域であることから、津波浸水対策は、議員同様、重要な事業であると認識しております。
 県といたしましても、今後とも予定どおりこれが進みますように国に対して強く働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、道路の関係でございます。
 まず第1に、地方の側から経費節減を積極的に提案してはどうかということでございますが、当県に関しましては、地域に合った無駄のない計画とすることは、これは当然でありまして、幅員、構造の検討、精査を行い、コスト縮減を図った上で国へ予算要求をしております。すなわち、ひょっとしたらどこかでそうかもしれないと世の中で言われておりますが、補助金につられて無駄な公共事業をお願いするとか自分がやるとか、そういうことはないようにしております。
 また、コスト縮減した経費については、実は制度的にも当該箇所や県内の他の箇所の事業促進が図られるようになっておりまして、それに努めております。
 今後とも、財政状況が厳しい中、実情がわかっている地方が計画を策定する際には無駄な部分が生じないように精査をして、県民にとって一番必要な事業をより効率的、効果的に推進するよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、阪井バイパスでございます。
 本県については、御承知のように財政状況が厳しい。どこでもそうでございますが、高速道路はもとより、府県間道路、内陸骨格道路などの幹線道路について、選択と集中により重点的に整備を進めなきゃいけないということでございます。
 このバイパスが2車線で十分だという御意見につきましては、一般論として言うと、それが客観的にもそのとおりであるということになれば、過去の行きがかりなどにこだわることなく計画を見直すことをちゅうちょするものではありません。
 しかしながら、本件については、現実に計画交通量がパイバスと現道を合わせまして2万台以上であるということが計算上出ております。したがいまして、渋滞することのないよう、バイパスには4車線がこれは必要だというふうに判断しているところでございます。
 なお、整備については、海南市や紀美野町及び市町議会など地元からも機会あるごとに要望をいただいておりまして、できるだけ早く供用が図られるように引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、阪和自動車道の海南─有田間を無料化してはどうか、こういうことであります。
 4車線化が実現する阪和自動車道海南─有田間を無料化にして国道渋滞緩和をすべきだと。御指摘のとおり、今般の公共事業費の削減方針によりまして、有田海南道路の整備の進捗については実は正直申しまして大変懸念しているところでございます。
 有田海南道路は国道42号の渋滞対策のために計画されたものでありまして、その渋滞は、主として有田市周辺から海南市、和歌山市へ至る比較的距離の短い交通によって生じております。阪和自動車道は旧吉備、有田川町を通っておりまして、そういう意味では、議員御提言の阪和自動車道海南─有田間の無料化による渋滞緩和効果には、有田市に関するとしますと、有田市と有田インターが離れているために、現道の国道42号から阪和自動車道へ回り込む交通はある程度見込まれるものの、有田海南道路の整備が不要になるほどの渋滞緩和効果は期待できないなというふうに思います。
 また、私どもが望んだとしても、現在の国土交通省の幹部、政策を行っております方々は、非常に原理原則論を重んずるかたい政策方針に立っていると私は思っています。しばらく一部だけ無料にしてくれというような柔軟な発想はなかなか通りにくいんじゃないかなというふうに私は思います。
 このことから、阪和自動車道海南─有田間の無料化によって国道42号の渋滞緩和を図るという御提言につきましては、ただいま引き受けと言えない状況でございます。
○議長(冨安民浩君) 企画部長前硲健作君。
  〔前硲健作君、登壇〕
○企画部長(前硲健作君) 民間団体が行う国際交流に対する支援についてでございます。
 本県の国際交流を進めるに当たりましては、民間交流団体の役割は非常に重要であると考えておりまして、県としてもこれまでさまざまな形で協力を行ってまいりました。
 例えば助成措置としては、昨年度から公民連携のための補助制度を設け、中国を初め世界各地と交流する民間団体の事業のうち、特に効果が大きいと思われる事業を選定し、補助を行っております。
 今後も、こうした補助事業を初めノウハウや情報の提供など、県としてできる限りの必要なサポートを行いながら、さらに民間の国際交流を活発にしていきたいと考えております。
○議長(冨安民浩君) 危機管理監森 崇君。
  〔森 崇君、登壇〕
○危機管理監(森 崇君) 津波避難ビルの指定についてお答えいたします。
 津波からの避難につきましては、高台などの安全な場所に避難することが原則でございますが、議員御指摘のとおり、津波が到達するまでに浸水想定区域の外へ避難することが困難な場合もございます。浸水想定区域内に一時的に緊急避難することができる津波避難ビルなどを指定しておくことは大変重要であると考えております。
 県では、昨年4月、津波から「逃げ切る!」支援対策プログラムを策定し、津波避難困難地域の解消を目指して避難ビルの指定や避難タワーの整備などを進めているところでございます。現在、県内の沿岸市町では避難ビル96棟、暫定的緊急避難ビル30棟を指定しており、このうち海南市は避難ビル8棟を指定しております。
 県と沿岸市町は、毎年多くの住民に参加いただき、津波避難訓練を実施しておりますが、その訓練結果の検証も踏まえ、避難ビル等の追加指定について沿岸市町に働きかけてまいります。
○議長(冨安民浩君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 住宅の耐震診断、耐震補強の進展を図るための施策についてでございますが、昭和56年5月以前に建築されました木造住宅に対しまして、平成20年度までに耐震診断は7231戸、耐震改修は315戸にそれぞれ補助を実施してきております。
 事業内容につきましても、広く県民の方に御利用いただけるよう、制度の充実に努めております。具体的には、倒壊しないとされる基準まで改修を行った工事費に対して補助することはもとより、その基準に至らないまでも人命優先という考えから、避難を重視した基準を満たす改修工事費に対しても補助できるよう、対象を広げてきたところでございます。
 また、施工業者向けの講習会の開催とあわせまして、新しく開発された耐震金物などを利用した安価な工法の普及にも努めているところでございます。
 さらに、耐震診断から改修につなげるために、今年度から改修設計費に対して13万2000円を限度として補助するとともに、高齢者の方などに対して個別の相談や改修計画の提案を行う耐震改修サポート事業を無料で実施しているところでございます。
 耐震改修工事費につきましては、各種条件にもよりますが、90万円の改修工事を行った場合、国、県、市町村の補助金を除きますと、議員お話しの10万円にはなりませんけれども、19万7000円の個人負担で改修が実施できる制度となっております。
 今後とも引き続き、住宅の耐震化に努めてまいりたいと考えております。
 次に、1.5車線道路についてでございます。
 従来の道路事業では、全国一律の構造基準で、必要以上の幅員や規格での道路整備が見受けられました。このために、地域の地形や交通量などの実情に応じた基準で道路整備を行う手法として、交通量の比較的少ない中山間部では、これまでの2車線での改良を改め、2車と1車を組み合わせた1.5車線的道路整備に取り組んでいるところでございます。現在、県内では、補助事業で国道371号、県道高野口野上線など4路線6カ所、また単独事業でも57路線69カ所でこの1.5車線的整備を行っているところでございます。
 このような整備は、限られた財源の中でコスト縮減や効果の早期発現などの観点から有効であると考えておりますので、今後も引き続いて進めていきたいと考えております。
 次に、都市計画道路の見直しについてでございますが、人口減少を初めとする社会情勢の変化の中で地域の実情に即した道路整備を進めることが必要であると考え、本格的な見直しに着手しているところでございます。
 見直しに当たりましては、都市計画道路を有するすべての市町に対し、県として見直しの参考となるカルテなどの資料を提供して、現在、市町村において検討されているところでございます。
 今後、具体的な見直しに当たりましては、まちづくりの主体である市町の考え方と十分に調整をいたしまして、市町と連携した上で具体的な見直しの作業を進めていくことと考えております。
 それから、亀の川水系河川整備計画と大坪川の排水対策についての御質問でございます。
 亀の川の河川整備は、下流から順次河道拡幅や河床掘削を進めております。現在策定中の亀の川水系河川整備計画では、時間雨量約60ミリを目標として、今後30年間で河口から紺屋橋までの間約4.8キロの河道拡幅や河床掘削を進める計画を検討しております。
 同計画では、亀の川の本川について、現在の約2倍の洪水を安全に流すことができます。沿川に岡田地区、室山団地等を抱える支川大坪川につきましても、同計画により本川合流点付近の洪水時の水位が最大で約80センチ下がることから、排水も現状より改善するものと考えております。
 また、大坪川につきましては、現在、海南市と連携して流域内において小学校、公園等を利用した貯留施設などの整備を検討しておりまして、今年度から事業化されているところです。
 なお、排水機場につきましては、河川計画との整合、下流への負荷等の課題がございますが、海南市から具体的な計画の提案があれば河川管理者として協議に応じてまいりたいと考えております。
 以上です。
○議長(冨安民浩君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 小規模中学校と学習、部活動の問題についてお答えいたします。
 和歌山県検証改善委員会におきまして全国学力・学習状況調査の結果を分析、研究した報告では、中学校においては4学級以上の学校において、全国平均正答率を下回る学校が国語A、B問題及び数学B問題で約9割あることに注目する必要があると指摘をされておりまして、また、校種や教科により違いはありますものの、適正規模を下回る学校で全国平均正答率より必ずしも低いとは言えないという結果がうかがえます。
 適正規模化につきましては、当該地域の将来について保護者や地域住民と行政がさまざまな観点から十分協議を重ねていただき、その中でよりよい学校のあり方について合意を形成していくことが大切であると考えてございます。
 次に、中学校の部活動につきましては、これまでも子供の希望するスポーツ種目を実施できるよう、外部指導者の積極的な活用、複数校による合同運動部活動等の取り組みを促進してきているところでございます。
 去る9月3日に県教育委員会が策定いたしました中学校の通学区域の弾力的運用に関する指針は、これらに加えて、地域のスポーツクラブにおける活動によっても、あるいは小学校時代に継続していたスポーツ種目を中学校で継続できない場合や全国大会等で優秀な成績をおさめた小学生が専門的な指導が思うように受けられない場合に限り、通学区域の弾力化を市町村教育委員会において検討を願うものでございます。
 また、指針には、通学区域の弾力的運用に当たって、小規模校への配慮などを踏まえ、画一的な導入ではなく、地域の実情に応じて検討することも明記しているところでございます。
 以上です。
○議長(冨安民浩君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(冨安民浩君) 再質問を許します。
 44番雑賀光夫君。
○雑賀光夫君 どうも御答弁ありがとうございました。
 中国との交流問題で、私、言い間違いしまして、企画部長に答弁していただくところを知事と申し上げたみたいで、失礼いたしました。
 これはもうこれでいいんですが、幾つか要望を申し上げたいと思います。
 津波対策の問題です。これは、知事のお考えもあの堤防は大事だということで、積極的に進めていただけますように、これは一日も早くできるようにお願いしたいと思います。
 それで、津波避難ビルの問題ですが、前向きに進んでいるようで、指定が少ないと申し上げたんですが、海南市で聞きましたら、最近、恵友病院と石本病院という2つの病院が津波避難ビルの指定を受けていただいたということもお聞きしました。これ考えてみましたら、病院にとっては、津波が来たときは自分とこの対応も大変なんです。そのときに津波避難ビルというものを引き受けて、そして地域の皆さんの命を助けるということを引き受けますよということを受けていただいた。私は大変ありがたいことだというふうに思っています。これ、固定資産税をまけてあげることなんかできないのかと言うたら、そんなものありまへんで、これはもう地域の互助でございますという話でございます。しかし、大変ありがたいことだと。
 しかし、これは金銭的なメリットじゃなくて、そういう津波避難ビルを受けることがいわばステータスになる。そういうことで病院の社会的評価が高くなると、そんなことでそういうものを受けましょうというところが広がっていったら大変うれしいなというふうに思っています。そういう点で、これからそういう評価もしながら市民への広報もしていただいたらと思っています。
 それから、公共事業の問題で、正直者がばかを見ることのないようにという、ちょっと変わった言い方で質問をしまして、普通、なかなかこういう場で言わないような言い方かもしれませんが、答弁では、和歌山県でやってきたことは前から選択と集中でやってますと、だから無駄なことはしてませんと、こういうことを当然お答えになるんだと思うんですが、しかし、私は自分が一番よくわかっている海南市の中の問題で、これは少しもうちょっと何とかしてもええんではないかということを言うてるわけで、有田、日高の問題をちょかちょか言いに行くことはしませんが、自分の一番わかってる足元の問題で──実は政治家って余り自分の足元のもので、そんなにぜいたくしてもらわんでもええよと余り言わないものなんですが、しかし私、それが大事だと思ってるんです。
 こんな問題があるのは海南だけなのか、あるいは考えてるのは私だけなのか。恐らく私はそうではないだろうと思います。きょうはもうそれ以上答弁を求めませんけどね。しかし、1つ1つ精査してみると、まだ私もほかにも例を挙げられますけど、あんまり中途半端に挙げたら誤解を招きますから、もう言いませんけども、しかし、いっぱいいろいろあるわけです。そういう点でひとつ──しかし、そういうものがぜいたくだよと言うたら正直者がばかを見ることのないようにという関係が必要だと、こういうことを申し上げたんですけども、きょうはそこまでにしておきます。
 その中で、阪井バイパスの問題ですね。この問題では、一たん決めた計画であっても、それが見直すべきだということになったら見直すにやぶさかでないと、こういう答弁をいただいたのは大変ありがたいと思っているんですが、ただ、現時点では4車線は必要だと、2万台の交通量だと、こういうことでそういう判断をしていると、こういう御答弁で、現在は当然そうだと思うんですけども。
 ただ、ここには2つの問題がありまして、1つは、現道を閉鎖して4車線の道路へ皆車が行くわけではないという問題です。現道は確かに非常に狭い、2車線も完全にできない道路ではありますけども、しかし、2万台は今、曲がりなりにもその道を通ってるわけです。そこへもう1つバイパスをつくるのに本当に4車線が要るのかどうかという問題が1つございます。もちろん、多少はその交通がふえてくるというのもあるかもしれません。
 もう1つの問題は、地域の皆さんがおっしゃるのは、交通量の調査を──阪井バイパスに該当する、そこに平行する場所では交通量調査ができていない。阪井バイパスへ入る少し前のあたりで、大部分はそれは阪井バイパスの渋滞の問題のところへ流れ込むんですというふうにおっしゃるんですが、しかし、その場所では調査をしていないので一遍調査してもらいたいという要望もありますので、そういうことも含めてひとつ御検討をお願いしたいと思っています。
 それから、4車線になる自動車道を無料化という問題で、私もそれで渋滞が解消するなんていっこも言うてないし、とにかく今でも10年かかる。それを知事も、さらに予算がつけられなくて延びるんではないかと心配もしておられると。それだったら、ちょっとでも渋滞を緩和するために4車線をその間無料にしたらどうかと。事実、高速料金の引き下げしたときは、多少はやはりそちらのほうへ回って交通量は減ったわけですから。
 ですから、今、知事のほうから国の役人は頭がかたいんでという話もございました。恐らくそうでしょう。しかし、やっぱり原理原則ばかりなのでという話もございまして、そういう話を率直に言うてくれるのは大変ありがたいことなので、やっぱり今、政治が大きく変わり、いろんなことを見直すときには、その官僚がかたい頭でとまってたら困るわけですね。ですから、「おまえ頭かたいやないか」と、やっぱり知事が行って言うてやるぐらいのことをしてほしい。そして、予定どおりにうちが欲しいだけの予算をようつけんのやったら、せめてそのくらいのことを先にやれよというぐらいのことをやっぱり言うていただきたいなというふうに思います。これも要望にしておきます。
 それから、教育の問題です。
 学校規模と学力の関係という問題は、教育長からの御答弁は、私は県の調査でデータをつくってみたんですが、別に今度は、国の調査のほうで教育委員会が分析されている調査でも同じ結果が出ますということですね。大きな学校で国語で正答率が低い、小さい学校も低いわけではないということですから、結局、私が申し上げたものを別のデータを使って同じ結果が出ていますと、こういうことをおっしゃっていただけたわけで。ですから、その点では、もちろん学校規模が小さいのがどういうことで学習到達にプラスになっているのかというのは、学級規模の問題もあるでしょうし、いろいろ分析もせななりませんけども、大くくりで言うとお互いに共通の認識になったと思います。
 その点から言いましたら、これから適正規模でないからどうこうというのは余りそれは通用せんだろうし、むしろ過大規模の中学校を分割してほしいという要望も地域にはあります。ニュービジョンの研究会の報告では、それは過渡的、地域的な問題なので、余り県の教育委員会はタッチしないということになっているんですが、やっぱりそういうことこそやらなくてはならないんではないかというふうに思っています。とにかく事実としては共通の認識になりましたので、そのことをぜひとも教育施策に生かせるようにしていっていただきたいと思っています。
 問題は、部活動の弾力化の問題で、いろいろ配慮するというふうに言われたんですが、しかし、制度というのはつくったらひとり歩きすることが大変心配なんです。実はきょう、県立中学校の問題についても、さきに質問がありました。全然別の問題なのに性格が似てるのは、例えば、県立中学校ができるときに、県立中学校ができたら、恐らく親御さんの中にはその学校へ行かせたいという子供が大勢出るでしょうと、人気は出るでしょうと、そのとき、私言うたんです、反対だけども。それは、行きたい子は行きたいということが出るけども、しかし、そのことが公教育全体にゆがみをもたらすのではないか、それが心配だから反対だというふうに県立中学校のときに言うたわけで。
 今度、実は問題の性格がよく似てるのはそういう点でして、確かに部活動をやりたいという子供、その子供自身は大きな学校へ行ってやれたほうがいいと、その子供の願いはかなえてやりたいという問題はあっても、そこでそういう制度をしいて、そしてどうぞというふうになると、いろいろ配慮をしても、やっぱり小規模の中学校からがさっと大勢別の学校へ子供が連れていくというようなことが起こってきたら、もとの学校のほうは維持できなくなるというような、自由化という問題はそういう性格を持っていますね。
 学区撤廃もそういう性格を持っていますが、一部の子供については自由に行けていいよというふうに見えて、それは結構なことだと見えますけども、しかし、そのことが教育全体を見るとゆがみをもたらす。しかも、私も教育改革に拙速は禁物だと。とにかくやった後に後戻りはできないから、よっぽど慎重にせなならんというふうに申し上げてきたわけですけども、その点、私はやっぱり大変心配いたします。
 これから現場の先生方とも話し合いをする機会を持つような話も聞いておりますので、ひとつ学校現場で既に、こういうことを制度として出さなくても、その以前にいろんなこともそんなことで起こってるような話も聞きますから、十分現場の実情を聞いて慎重にやっていただきたいということを要望として申し上げておきたいと思います。
 以上で、私の発言を終わります。どうもありがとうございました。
○議長(冨安民浩君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で雑賀光夫君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時45分休憩
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  午後1時0分再開
○副議長(坂本 登君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 2番山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕(拍手)
○山本茂博君 議長の許可を得ましたので、通告によりまして一般質問をさせていただきます。
 昼一番ということで、まぶたが閉じたいというようなこともあろうかと思いますが、御清聴のほど、ひとつよろしくお願いいたします。
 去る11月の6日から12日まで、冨安議長、そして松本議員、中村議員、谷議員、そして知事とともに、ブラジルの和歌山県人会連合会創立55周年記念式典への参加及びペルーの和歌山県人会を訪問いたしましたので、その御報告をさせていただきます。
 私どもが伊丹空港を出発したのは11月6日の午後2時10分、それから成田空港、そしてアメリカのダラス・フォートワース空港を経由し、ブラジルのサンパウロ空港到着まで要した時間は約30時間でした。日本から見れば時差は12時間、まさに地球の反対側、季節も日本とは全く正反対の初夏で、当然と言えば当然かもわかりませんが、飛行機をおりると、この日本の暑さが逆戻りしたように本当に暑いなという熱気を感じました。まさに地球の裏側に来たんだなと実感いたしました。
 そのような遠い距離を、ブラジル在住の和歌山県人会の役員の方が出迎えに来てくださり、空港の外では多くの会員の方が横断幕を持って出迎えてくださいました。こんな遠くの地で日本語で歓迎を受けたことに、長旅の疲れも忘れた思いでありました。
 昼食後、早速迎えのバスでサンパウロ市内のイビラプエラ公園内にあります、ブラジル日本都道府県人会連合会が設立した日本移民開拓先没者慰霊碑に向かいました。連合会副会長より慰霊碑建立についての説明を受け、1人1人心を込めて参拝させていただきました。この慰霊碑には、天皇皇后両陛下を初め歴代総理大臣など多数の参拝者が訪れておるということでございました。
 慰霊碑を後にして、私たち、ブラジル日本移民資料館に案内をしていただき、日本からの移民が始まったころの展示、そしてブラジル移民たちが命がけで奥地を開拓し、過酷な状況が再現された当時の開拓小屋や作業道具などを十分観察することができました。
 その日の夜に、ホテル内のサンパウロの日系旅行社7社と日系新聞社2社を招いて観光交流意見会を開催し、知事は本県の特産品や豊かな観光資源などのプレゼンテーションを行いました。その後、私たちも参加者と意見交換を行い、和歌山県のPRを行ったところでございます。
 さて、そして翌日、在ブラジル和歌山県人会連合会創立55周年記念式典が開催されました。県人会連合会の役員や一般の会員など600名の方が参加され、参加者の中には600キロ離れたブラジルの奥地から来られている方もおられたということで、会場は熱気に包まれておりました。
 また、財団法人和歌山県国際交流協会の樫畑理事長や昨年発足した県内の民間団体である和歌山県中南米交流協会の皆さんも一緒に参加されました。また、在サンパウロ日本国総領事、サンパウロ州知事代理、サンパウロ市長代理、JICAサンパウロ支所長、各都道府県県人会長など、多くの地元の関係者や来賓の参加もありました。
 式典は、まず両国の国歌斉唱に始まり、先没者への黙祷──先没者とは、戦いで亡くなった方ではなくて、1世の方が亡くなったということの先没者ということでございます。県人会の木原会長はあいさつで、和歌山県人のブラジル移住は今から92年前の1917年に始まったと。戦前戦後を通じて1416家族、総勢5819人の県民が移住してきた結果、現在、県人ゆかりの人は2万人を超えると言われております。そのうち1世は10%で、あとは2世、3世、4世と世代は移り、ややもすると和歌山県とのつながりも薄れがちになってきておりますということでありました。しかし、こういった中でも和歌山県の県人師弟の留学研修制度が長年にわたり実施された結果、和歌山県とのきずなが保たれ、また研修生が日本での体験を生かし、活躍が発揮されているということをお話しされておりました。
 また、ブラジルでは、2014年にはワールドカップ、2016年にはオリンピックの開催が決定され、これから7年間、特に物的・人的にも交流が頻繁になるということで、県人会としてもその橋渡し役に極力努めたいということでございました。
 式典に引き続き行われた祝賀会では、県人会の役員から各選挙区選出の議員のもとに親戚やふるさとの様子などを聞く場ができておりました。しかし、残念ながら私の岩出市出身の方はおられませんでした。
 翌日、サンパウロ空港を午前8時25分に出発して、11時にペルーのリマ空港に到着いたしました。6時間のフライトで、しかし、そのときに1個の荷物が紛失で出国がおくれ、お待ちしていただいたペルーの方には非常に気の毒でありました。まあ、これも中南米かなというふうに思いました。
 昼食を済ませ、それからリマ旧市街を大急ぎで案内していただいた後に、ペルー日系人協会が移民100周年を記念して設立した病院を見せていただきました。この病院は、ペルー日系人協会がペルー社会に対する感謝の気持ちをあらわすため、医療衛生の貢献が最善との判断で設立したもので、最新の医療設備を備え、300名もの医師がいる非常に立派な病院でありました。
 続いて、日秘文化会館の中にある日本人ペルー移民資料館において、日本人のペルー移民の歴史、ペルー社会における活躍などについて会員より説明を受けました。その後、ペルー日系人協会を表敬訪問し、役員との意見交換を行いました。
 また、その夜には、開催してくれました県人会主催の歓迎交流会では、役員、会員のほか、在ペルー日本国大使館福田代理大使、県人会役員の夫である経済財政大臣のルイス・カランサ氏も出席していただき、ブラジル同様、有意義な意見交換と親しく交流を行うことができました。
 なお、ブラジルと比べると、ペルーは特に若い日系人は日本語ができない人が多くなっているのが現状であると言われておりました。
 また、ペルーからの帰途、ロサンゼルスでは、現地で貿易商を営んでいる方を招いて現地の農産物の消費状況などを伺い、和歌山県産の販路拡大について意見交換をいたしました。また、来年3月12日から2日間、食品見本市がロサンゼルスの隣のアナハイム市で開催されます。日本から10社の団体が参加され、うち1つが和歌山県からの出品となる予定ということで、現地視察を行いました。また、南カリフォルニア県人会の役員の方とお会いし、平成23年には創立100周年祭を行いたい、県人会とのきずなが深まるよう協力したいし、県にも積極的に取り組んでいただきたいとのことでございました。
 さて、地球の反対側へ、知事、議長は2泊6日ということで、私たちは3泊7日ということで、本当に駆け足の、そして非常に過酷な訪問でありました。ペルーは朝入国し、夜帰国するということで、本当に和歌山県人会の斉藤カルロスさんは、次回はせめて2~3日滞在し、ペルーの日系人の状況、そしてペルーに対して理解をしていただきたいと、くれぐれもそう言われておりました。機会があれば私も、ブラジルもそうですが、現地の状況の視察、またサンパウロ市、そしてリマ市の議会についても視察したかったなと思った次第であります。(「もっとゆっくりしてこい」と呼ぶ者あり)はい。
 サンパウロ市の人口は、100年前は20万人でした。現在1079万となっております。また、中南米の経済の中心地であります。また、サッカー、オリンピックがあり、インフラ整備が追いつかない状況である。そしてまた、交通渋滞も年々ひどくなっているとのことでありました。また、川も地下鉄も日本のODAでつくられたということでありました。今、そのODAで川をつくったその上にモノレールをこれから通すんだということを言っておられ、サンパウロがこれからオリンピックのときにはどれだけ発展するんだか、そういうふうに思いました。
 また、ブラジルの新車、トウモロコシを原料とした7割アルコールのバイオエタノールフレックス車が、新車の場合、多いというふうに聞きました。また、ガソリンの55%の値段ということで、大いに普及をされておりました。
 また、ペルーにおいて太平洋、アンデス山脈、そしてエルニーニョ現象の関係で霧がかかった状態で、降雨量は30ミリだということで、傘屋がない、家に屋根がない、雨が降らないからがけの上に家が建っても怖くない、それにはびっくりいたしました。
 そしてまた、ペルーといえばフジモリさん。フジモリさんは、大統領に出ることについて非常に苦労されたということであります。日系人のまじめさ、そしてうそを言わない今までの日系人のイメージ、それを損なうのが心配であった、そういうふうに言われておりました。日系人は教育に熱心で、医者、弁護士、政治家になっている人が多いということでありました。
 また、日系人が言われる中に「ありがとう。きのうの苦労はあしたへの希望」、そう言われてました。それを聞くと、改めて現地の人の、いかに頑張ってここまで来たんかなというのがわかりました。多くの日系人と出会い、生の声を聞くことができました。日系人の方が母県──母なる県──と呼んでいることもわかるように、親や祖父母のふるさと和歌山を、何世代たっても私たちは和歌山県から来たのだということだけは忘れたくないという気持ちが伝わってきたような気がいたします。
 私は、今回、遠い昔に私たち日本人の祖先たち、先輩たちが夢と希望を胸に地球の反対側で未開の大地を開拓しようとした大いなる心意気に、まず敬意を表したいと思います。そして、志半ばで病に倒れた人も多い中で、私たちの想像を絶する困難を乗り越えた人々、その子孫の方々の温かいもてなしに感謝するとともに、現在の私たちが忘れてしまったかつての日本人の姿をかいま見ることができました。
 在ブラジル県人会の木原会長は、今後の県人会のあり方として、民間レベルの人的交流が一層重要であり、民間の方による和歌山県中南米交流協会の立ち上げは時宜を得たものであると言われております。私も同感であり、もっともっと民間レベルで交流が進むことを期待いたします。そして、何といっても世界の県人たちがふるさと和歌山を誇りに思えるようなすばらしい和歌山をつくることが私たちの使命であると認識いたしました。
 以上をもちまして、参加議員を代表しての報告といたします。
 次に、一般質問であります。
 青少年育成についてであります。
 フィンランドは学力世界一であります。フィンランドの教育の特徴は、グループ学習、少人数学習、個別指導、環境教育、そして日常生活から生まれる教育が徹底されていることにあり、落ちこぼれを防ぐあらゆる手段が講じられております。フィンランドのトゥーラ・ハータイネン教育科学大臣は、「教育とは明日の世界に備えることである。そして、子供たちにどんな将来を準備しているのか、そしてどんな知識や技能の需要に対応していかなければならないかが極めて重要である」と言われています。それこそ次代を担う人づくりであります。また、教育の目的はよき納税者を育てることであると言われています。
 また、「米百俵」という言葉があります。明治の初め、北越戊辰戦争で焦土と化した長岡に、支藩の三根山藩から見舞いの米百俵が送られてきました。時の長岡藩大参事小林虎三郎は、食えないからこそ教育をするのだ、学校をつくるのだと、米を売り払い、その代金を国漢学校に注ぎ込みました。小林虎三郎の「食われねばこそ教育する」という教育。教育は金では買えません。教育は、日本にとって日本を支える原動力ではないかと思います。
 私は、ブラジル訪問の中で、ブラジルは日系人、そして中国系、韓国系、そしてヨーロッパ系と、いろんな人種がまざっております。また、その中でユダヤ人の頭脳の優秀さ、日本人の勤勉さ、それが特徴であると言われておりました。また、1世の日本人の勤勉さによって、大変な努力によって、我々日系2世、3世、4世がこのブラジル社会の中で社会的地位を保つことができたんだと言われております。
 ユダヤ人は金融、そして政治分野に秀でており、日本人は医者や会計士などの専門性分野のほか、事務処理に関しては特にすぐれているとのことでありまして、苦しい、つらい移住生活の中にあって子供には教育を受けさせた、そして日系人として誇りを持っているとのことでございました。しかし、今では3世、4世となる中で日本語がわからない人も多くなっており、日系人もこれからどうなるのかなと思いました。
 そこで、もし日本人の若者が反対に日本からブラジルに移住したらどうだろうかと聞いたところ、クエスチョンマークが返ってきました。それだけ今の若者自体が受け入れを拒まれるんではないかと、それだけ日本の教育力が低下してるんではないかと、私は憂うる状況ではないかと思います。
 勤勉性について、児童精神小児科医の佐々木正美さんはこう述べております。保育園、幼稚園の卒園の資格は仲間と一緒に楽しく遊ぶこと、そして1人で遊ぶよりは仲間と遊んだほうが何倍も楽しいという習慣、いわゆるそういう能力を子供が身につけることである、そして、感情、感性、機能、能力を身につけること、それが卒園の基本であると。そしてまた、小学生の時期には、非常に大事なのは勤勉に生きていくための基礎ができていることであると。そして勤勉性とは、周りの人から、社会から期待されていることに対して、自発的に、しかも習慣的に行動できることだと言われております。いわゆる友達から物を学ぶ、協調性を持つということだと思います。
 社会環境の変化、そして少子高齢化、国際化、高度情報化、消費社会化が急速に進んでおります。青少年を取り巻く環境においても、携帯電話、インターネット、若者にとっても大事なツールではあります。また、生活様式、交友関係においても大きなツールであります。その利便性の反面、人と人が分断されて、そして人間関係が希薄になっているのではないでしょうか。子供を見ていますと、自分さえよければよいという個人主義に染まってはいないでしょうか。
 また、子供たちの中には、果たして団体生活を経験したことがあるのかどうか疑問なところもあります。それは、ある中学校の修学旅行のことなんですが、男子生徒がおふろに入るときに海水パンツをはいて入ったと。多分、恥ずかしいということであろうと思います。しかし、団体生活に全くなじんでいないというのが今の現実ではないかと思います。
 我々の子供のときは、子供会とか区自治会で毎年海水浴、我々のときだったら大峰山の登山とか、そういうことを泊り込んで行きました。その集大成が修学旅行じゃなかったでしょうか。今、懐かしく思い出します。
 しかし、今の大人社会でもどうでしょうか。例えば商工会、消防団、各種団体などで親睦旅行に行くと、今まで6人部屋、8人部屋とかそういった部屋で寝起きしましたが、今は個室となってます。プライバシーという点、あるとは思います。それが今の現実です。また反対に、大人社会で我々、今、おふろ文化、大衆ぶろ、いわゆるスーパー銭湯が各地にあります。それも、主の国道沿い、そして都会の真ん中にできております。人気を集めてます。私はこれは、個人主義化した現代において、やはり人間は裸と裸のつき合い、いや、群れる楽しさとか安心感とか、そんなことがあっていやしを求めて行ってるんではないかなと思ったりもいたします。
 また、今、和歌山県のボーイスカウト、そして青少年の団体加入者数は年々減少しています。団体生活における規律規範、マナー、道徳、それについての教育が非常に大事ではないかと考えます。
 そこで、知事に、今まで言った日本人の勤勉さを含めたこの和歌山県の青少年教育のビジョンについてどのように考えているのか、お聞かせください。
 また、教育長には、団体生活における規律規範、マナー、道徳という点について、和歌山県の教育全般についてどのように考えているのか、お聞かせください。
 さて、私は去年、行政改革・基本計画等に関する特別委員をさせていただきました。3つある青少年の家を2つにする案が検討されましたが、知事の決断で青少年の家は残ることになりました。耐震化と老朽化で経費がかかるということで見直し対象になったと思います。
 私は3カ所の青少年の家に視察に行きましたが、紀北青少年の家では日帰りが多く、兵庫県からの小中学生の生徒が3泊4日で利用されているということでした。また、白崎、潮岬では近隣の小中学校の8割が利用しているということでございました。また、家庭でも家庭旅行として利用されているとも聞きました。
 また、一般の人にお聞きいたしますと、施設利用に対して、青少年の家自体、何をするところかわからない人や、まず知らない人も多いというのが現状です。そしてまた、今まで役所管理のため、県管理のため、かたいというイメージが先行しているんではないかと思います。そして、青少年の家利用については、ある先生が、宿泊料を含めて安いため1泊2日で行きたい、しかし、行くまでのバス代が、今の卒業旅行でもそうですが、やっぱりお金が要る、チャーターするのにバス代をどう捻出しようかと、それを考えているのが実情で、青少年の家に行くのが行かれないんだと、そう言っておられました。
 また、指定管理者制度になってどの青少年の家の管理者の方も言われるのは、子供のために社会教育、この青少年の家は非常に大事である、またそれとともに、子供の教育もそうだけども、親の教育も大事であると言われておりました。それは、やはり青少年が団体宿泊生活を通じていろいろな研修、そして研究討議をしたり体育レクリエーションや野外生活を行い、規律、連帯、創造をモットーとして豊かな人間性を養う、そして立派な社会人となることを期待する施設であるという基本理念であるということであります。
 そして、3つの青少年の家は、今、耐震化工事がなされるということであります。維持管理を指定管理者に委託されておりますが、今回見直しをされ、せっかく残すということになったわけですから、原点に戻っていただき、今までの青少年の家がどのようにしてつくられたのかということをまさに考える、そういう必要性があると思います。ぜひ青少年の家の充実強化が必要であると考えます。
 また反対に、利用されている方はボーイスカウトまたはスポーツ少年団という限られた団体が多いのが実情であります。それを否定するわけではないんですけども、やはり全員の方が参加されたらいいなと。そうしたら、パンツの話じゃないですけども、本当になくなるんでないかなと思います。
 また、和歌山市において和歌山市立加太少年自然の家があり、市内小学校5年生全員を対象に教育課程の一部として「加太合宿」と称して実施しております。和歌山市では実施されてます。年間52校、約3000人が参加され、通常は1泊であるとのことでありました。また、和歌山県日高町の志賀には堺市立日高少年自然の家もあります。これらは各自治体で運営されています。3つの県立青少年の家を含めた連携についてどのようにお考えですか、環境生活部長にお聞きいたします。
 また、集団宿泊活動をされている学校はどれだけあるのか、また補助しているのはどのようなものがあるのか、お聞かせください。教育長に答弁を求めます。
 また、私は、和歌山県内全域の生徒に強制的と言ってもよいくらい青少年の家を利用させる。例えば1年から6年までの間に必ず小学生は利用するんだと、利用させるんだという制度設計、これについていかがでしょうか。
 また、和歌山県の生徒は学校で行く場合非常に大変だと。先ほども言いましたけども、それを全額無償にする、そういったことができないのか、教育長にお伺いいたします。
 次に、高校授業料無償化に伴う影響と対策についてであります。
 民主党政権により、今までと違った新しい政策が出されようとしております。事業仕分けについては戸惑いが起こっており、国民の期待とは反対に、この日本の国をどう考えるのか、国家ビジョンのなさが露呈されたのではないかと思います。
 民主党マニフェストの中に高校無償化があります。高額所得者について議論されていると聞いております。高校無料化により、問題点はないのだろうか。高校無料化になると、高校に行くのをあきらめた人が無償、ただで行けるということになれば当然義務教育的になると考えますし、義務教育化されると向学心に燃える子供も比較的少なくなり、学力も低下するのではないかと懸念されます。
 私としては、もっと奨学金制度の充実や、アメリカの大学のように入学はしやすいが卒業がしにくいシステム、例えば高校において赤点を30点を40点にするとかのシステム改善が求められると思います。
 また、当然、高校入学志望者は今までと比べて増加すると考えられます。今、中学校において、高校授業料無償化による実態把握が必要なのではないでしょうか。入学定員の枠は大丈夫なのでしょうか。高校受験で選抜して、あとは私立に任すというのか、また反対に、ふえる生徒に対しては県立高校で受け入れる用意があるのか、今、明確に教育委員会としての判断が必要になってきていると思います。その点について教育長にお伺いいたします。
 岩出を含めて那賀地方は人口がふえております。ことしの春に教育長に、那賀地方に学級増をということで、那賀の各学校の校長、教育長、PTAの代表が我々那賀郡の県会議員と一緒に陳情に上がりました。そして、結果として1学級増となりました。各学校の校長、そしてPTAの皆さんには非常に喜んでいただいてます。
 那賀郡は人口が急増している地域で、大阪に近いということもあり、私立高校に入学ということも考えなくてはいけないということもあろうかと思います。毎年毎年、要望活動をされているのが実情であります。しかし、本来のPTA活動や先生の仕事が、学級増のために要らぬ時間を割かれていないか疑問に思うわけであります。先生は、本来の生徒を教える教育に没頭できる環境づくりが大事であると思います。
 5月1日に生徒数が確定し、7月ごろ、先生の配置、それにより学級増を検討、そして新聞発表ということになります。教育委員会の権威ということもあろうかと思いますが、そしてまた行政改革によるお金の問題もあるのは承知してますが、和歌山市立和歌山高校では40人学級を30人学級にされているとも聞いてますし、また小中学校においても40人学級を35人学級ということで、少人数学級を指導されてます。また、県立の高校も少人数学級が必要なのではないでしょうか。40人学級という枠ばかりを考えて数合わせをしていないでしょうか。そして、そのしわ寄せが那賀地方ではないのかと思ってしまいます。教育は、和歌山県にとって将来への投資であると思います。余裕のある学級数の確保はぜひ必要であると考えます。
 5月以前に、教育委員会では中学校の学校児童を把握されていると思います。その結果、来年度は何人増加、そして学級をふやさなくてはいけないとわかっていると思うんです。そういったことをかんがみて、5月の確定時期に那賀郡の中学校または教育委員会に学級数について懇談会を開催していただきたい。そうすれば、要らぬ心配を持つこと、要望活動も少なくなるのではと考えます。教育長の答弁を求めます。
 次に、最後になりますが、防犯体制について。
 島根県で痛ましい女子大学生殺人事件が報道されております。大学において送り迎えをしていると言われてますし、また、周辺の自治体においては女子生徒の外出を控える状況であると言われております。また、先日には大阪の阪南市においてドラム缶の中に夫婦の死体が発見され、殺人事件が捜査されております。私の住んでいる隣の市であります。人ごとと思われない事件であるわけです。
 7月19日の「毎日新聞」によりますと、和歌山の犯罪件数は全国で9番目だという報道がありました。その記事を読んで、なぜかと思いました。それで、全国の都道府県の中で犯罪率について調べてみますと、1番は大阪、2番は愛知、そして3番福岡、京都、兵庫、埼玉、東京、千葉、そして9番目が和歌山です。その次に茨城県とか三重県です。それは、上位にいてるのは皆、都市化している都府県です。
 和歌山県は、平成18年度は14位、平成19年度は13位、そして平成20年12位、そして平成21年は9位と、だんだんと順位が上がっております。いわゆるいいことで上がってるんならいいんだけども、悪いことで上がっています。そこで、県について、犯罪率9番目というだんだん悪くなっている状況をどのように認識しているのか、警察本部長にお聞きいたします。
 また、和歌山県内において犯罪率の高い順番で言うと、1番は岩出市、2番は和歌山市、3番御坊市、そして湯浅、新宮、田辺、紀の川市となっております。私は全然思っていないんですけれども、岩出市は治安が悪い、そして岩出の人間は悪いのかと、そういう風潮につながらないかと心配しております。
 岩出市は、和歌山県内で唯一の人口がふえているところであります。都市化し、そして情報化の時代の中で社会情勢の変化、それの対応への影響が原因であろうと思います。しかし、反対に和歌山県の人口は毎年減少しております。警察官の過去5年間における人員配置はどうだったんだろうか、また人口が急増している岩出市において適正配置がなされているのか、疑問なのであります。
 先ほどの報告にはなかったのですが、ブラジル・サンパウロ、ペルー・リマ、ロサンゼルスの中で治安が一番悪いのは、やっぱりロサンゼルス、リマ、サンパウロかなと思います。ロサンゼルスの場合は、車での移動が主で、夜になると人が歩いていません。改めて日本の治安のよさを認識した思いであります。そして、オリンピックがブラジルに決まりました。現地の日系人も治安について心配しておられます。ブラジル・サンパウロの警察の方が、日本に交通渋滞の解消や犯罪件数減少のために勉強しているということでありました。そして、犯罪件数を減らす一番の方法は、日本の警察が行っている巡回パトロールであると言われております。
 そこで、巡回パトロールの強化が必要であると思いますが、警察本部長にお伺いいたします。
 また、岩出市において交番が2つ、駐在所が3つあります。また、刑法犯、交通事故、犯罪件数が多く、受け持ち世帯数もふえておりますので、駐在所、交番の負担も非常に高いものと思われます。そこで、駐在所を交番に格上げされ、充実強化される考えはありませんか、警察本部長にお伺いいたします。
 また、島根県の女子大学生殺人事件でも、12月1日に靴が見つかったとあります。道筋の防犯カメラに写っていなかったため、後で捨てた意図的な面があると分析されていました。
 先日、私のコンビニで万引きがありました。なぜわかったかというと、防犯カメラに窃盗現場が映し出されていたからです。まず警察に通報いたしました。今、防犯カメラというのはすばらしい犯罪撲滅のための有効手段だと私は考えます。防犯カメラの設置について、今の現状、そして和歌山県警の取り組みについて、警察本部長にお伺いいたします。
 また、警察も市町村、そしてまた民間と連携した防犯体制をとる必要があると思いますが、現状について警察本部長にお伺いいたします。
 以上で、一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(坂本 登君) ただいまの山本茂博君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 日本人の勤勉さについての御質問でございますが、山本議員とも御一緒させていただきましたブラジル、ペルーの出張でございますけれども、そのときにいろいろな方とお話をする中で、それからまた勉強させていただく中で、日本人がいかに高く評価されているか、それから昔の移民の方がいかに勤勉で誠実で、かつ将来を見据えて行動していたか、そういうことをよく勉強させていただきました。そういう観点から、山本議員がいろいろお話しになったような点を私もいろいろ思うところがあります。
 国土も狭く資源も少ない日本の発展を支えてきた要因は、日本人の器用さ、教育水準の高さもさることながら、その勤勉さを抜きにしては語れないと信じております。
 昨今、ともすれば勤勉であることを何か格好悪いように思われる風潮があると。これは残念きわまりないことであるというふうに考えております。そういう意味で、もう一度その勤勉の意味というのを皆で見直すべきであるというふうに思います。
 私のそういった観点を踏まえた青少年教育のビジョンについての御質問でございますけれども、郷土、ひいては我が国の発展の根幹は人づくりにあると考えております。このため、新長期総合計画の中でも「未来を拓くひたむきな人間力を育む和歌山」ということを1番目に掲げて、最も重要視しているというふうに心の中では思っております。時代を開き担っていく青少年の育成のために、学力の定着や向上、これは言うまでもありませんが、いわゆる人として、人間として立派に育ってほしいという思いがあります。
 私は、こういった観点から、和歌山県の教育には大きく3つの柱があってしかるべきだと思っております。1つ目は、礼儀や人の道を説くといったいわゆる道徳教育、2つ目は、なぜ、どうしてといったような観点で考える力を持たせる学力向上をねらっての教育、3つ目は、郷土を愛する教育であると思います。そうした教育は、学校の中だけで行われるわけではありません。集団活動、集団生活の中で規則正しい生活やさまざまな人間関係を通して規律を学んだり、あるいはお互いに助け合う心や奉仕の精神を培うことができるものと考えております。
 今後とも、教育委員会に迅速な対応をお願いし、知事部局にも叱咤激励をして、和歌山県が勤勉さを持ち、道徳心を兼ね備えた心身ともに健康な青少年の育成に邁進することに努力をしてまいりたいと考えております。
○副議長(坂本 登君) 環境生活部長井口悦治君。
  〔井口悦治君、登壇〕
○環境生活部長(井口悦治君) 山本議員の青少年育成のうち、3番目の県内青少年施設との連携及び利用促進に係るPRについてお答えを申し上げます。
 まず、県内青少年施設との連携についてでありますが、昨年の行財政改革での論議を踏まえ、県の青少年育成施策の中核として、ことしから県内青少年施設4カ所において、青少年が青少年を育てるリレー式次世代健全育成事業を実施し、小学校5年生から高校生までを対象とした2泊3日のリーダー育成研修を行っております。これは県内全域を対象とした事業でありますので、県立青少年の家だけでなく和歌山市立少年自然の家にも御協力をいただきながら、青少年教育施設本来の目的である青少年の健全育成事業展開のため、連携を図りつつ取り組んでいるところであります。
 次に、青少年の家利用促進に係るPRについてでありますが、各青少年の家では小中学校関係者を対象に施設の見学会を開催し、集団宿泊体験プログラムについての提案もしてまいりました。また、スキューバダイビングやカヌー体験等地域の特色を生かした魅力ある自主事業の開発や、地域の方々と連携したこおるどフェスタ、すいせん祭などの地域交流事業を実施するだけでなく、「県民の友」やテレビ、ラジオを活用しながら広く多くの方々に御来場いただけるよう広報にも努めているところであります。
 引き続き、さまざまな工夫を凝らすとともに、県及び市町村教育委員会や学校関係者とも連携しながら、児童生徒を初め多くの方々にも御利用いただけるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○副議長(坂本 登君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 集団宿泊活動の推進についてお答えいたします。
 小学校の新学習指導要領におきましては、集団宿泊活動を通して道徳性の育成や人間関係を深めることなどが重視されております。また、本県の教育振興基本計画におきましても、「子どもの自立を育む学校教育の推進」を施策の1つとして、体験活動の充実を位置づけております。
 このような中で、子供たちの学習、生活の基盤づくりのため、自然体験活動など、さまざまな体験活動の充実に努めているところでございます。特に、宿泊を伴う体験活動を実施した学校からは、互いに励まし合うなど仲間意識が向上し、共通の目標に向かって協力し合う姿が見られるとともに、約束、ルール、時間を守るようになったといった報告もございます。このように、宿泊を伴う体験活動は、子供たちの協調性や規範意識、マナーなどをはぐくむための有効な手だての1つであると考えております。
 平成20年度におきましては、県内小学校281校のうち223校が集団宿泊活動を行っておりまして、その中で177校が青少年の家等の県内施設を利用しております。また、補助につきましては、7市町15校が豊かな体験活動推進事業で国の補助を、また3市町9校が市町村の補助を受け、集団宿泊活動を行っております。
 今後とも、子供たちの社会性や豊かな人間性をはぐくむため、和歌山県の豊かな自然の中で青少年の家等の県内施設を活用した体験活動のより一層の推進に努めたいと考えております。
 また、集団宿泊活動を推進するに当たりましては、より多くの学校で実施できるよう、議員御指摘の支援策も含めまして市町村教育委員会や関係部局とも協議し、検討してまいります。
 次に、高等学校授業料無償化に伴う影響と対策についてお答えいたします。
 県立高等学校生徒募集定員につきましては、これまでも中学校卒業生徒数の推移、高等学校への入学状況、進学率及び地域の状況などを十分検討し、総合的な観点に立って慎重に決定しているところでございます。
 平成22年度の生徒募集定員につきましては、国において高等学校の授業料を無償化するという動きが表面化したことや県内の経済状況などにより、地元の公立高等学校への希望が強まる傾向があることを考慮いたしまして、那賀高等学校や日高高等学校などで7学級増、280名分の増といたしました。
 今後とも、次年度以降の募集定員につきましては、高等学校入学者選抜における生徒の動向等を十分把握しながら、早い時期に中学校長会、高等学校長会等関係する皆様方と情報交換などを行い、検討してまいります。
○副議長(坂本 登君) 警察本部長永松健次君。
  〔永松健次君、登壇〕
○警察本部長(永松健次君) 防犯対策に関します5点の御質問についてお答えをいたします。
 まず、和歌山県の犯罪情勢に対する現状認識についてお答えをいたします。
 治安のバロメーターと言える刑法犯の認知件数につきましては、平成14年以降、昨年まで7年連続減少し、本年におきましても上半期における急増を受けまして抑止対策を最重要課題として取り組みました結果、検挙率を向上させるなどにより、11月末現在で昨年に比べ減少させるまでに至っております。
 しかしながら、議員御指摘のとおり、人口1000人当たりの刑法犯認知件数であります犯罪率はここ数年全国順位としては上昇しているところでありまして、治安情勢は依然として厳しく、一層の対策強化が必要であると考えております。
 次に、警察官の配置とパトロールの強化についてお答えいたします。
 県警察におきましては、県内各地域の治安情勢や重要課題等を勘案し、組織、人員について不断の見直しを行っているところであります。
 岩出市を管轄いたします岩出警察署につきましては、平成9年に約100名の規模でありましたが、人口の増加に加えまして犯罪が多発をしていることから順次体制を強化し、現在は約150名の署員を有し、和歌山東警察署、和歌山西警察署に次ぎます県下第3位の規模の警察署としているところであります。
 議員御指摘のとおり、犯罪を防止するためにはパトロール活動を中心とした街頭活動を強化することが重要であると考えております。岩出警察署におきましては、増員されました署員をパトカー勤務員や交番勤務員等に充てるとともに、街頭活動の強化等を図るため、岩出市内の2つの交番には通常1名を配置する交番相談員を2名配置するなどの措置を講じているところであります。
 また、重大な事件事故が発生するなどの場合には、近隣警察署からの応援のほか、機動捜査隊、交通機動隊、本年4月に発足しました子ども・女性安全対策班等の警察本部執行隊を投入しているところであります。
 議員御指摘の岩出市内の駐在所につきましては、事件事故の発生状況や近隣、隣接交番からの距離等から現時点では現在の3駐在所が適切と判断しておりますが、今後、人口増加や治安情勢等を見ながら必要に応じて検討すべきものと考えております。
 次に、防犯カメラの設置と市町村や民間防犯ボランティアとの連携についてであります。
 防犯カメラにつきましては、犯罪の抑止と検挙に有効な手段であると考えており、今春、和歌山市の柳通りに6台を設置いたしましたが、各市町村や関係団体にも設置を要望し、その拡充に努めているところであります。
 また、岩出市におきましては、国の補正予算におけるモデル事業といたしまして、防犯ボランティアの行う子ども見守り活動を支援するため通学路に25台の防犯カメラを設置する事業を進めており、来春からの運用を予定しているところであります。
 市町村や民間防犯ボランティアとの連携につきましては、現在、県下には民間防犯ボランティアとして179団体約1万6000人の方々に活動していただいておりまして、このほか、青色パトロール隊は48団体150台があり、年々増加しているところであります。
 また、この10月からは警備員による安全・安心パトロール事業を拡大強化し、和歌山市のほか、紀の川市、岩出市、田辺市においても実施しているところであります。
 警察といたしましては、今後とも犯罪を抑止し、県民の安全と安心を確保するため、市町村はもとより地域の防犯ボランティアの方々とのより一層緊密な連携を図りながら、活動の支援や地域住民に対する安全情報の発信等を積極的に推進し、県民1人1人の防犯意識を高め、犯罪の起こりにくい環境づくりに努めてまいります。
 以上です。
○副議長(坂本 登君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(坂本 登君) 再質問を許します。
 2番山本茂博君。
○山本茂博君 1点だけ、ちょっと要望ということでお願いいたしたいと思います。
 青少年の家のことなんですけども、先ほどから私も言いましたけども、強制的に集団宿泊を本当に行えんもんか、小学生の間に。ということで再度要望したいと思います。それを今度は知事、そして教育長で再検討をひとつよろしくお願い申し上げまして、要望といたします。よろしく。
○副議長(坂本 登君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で山本茂博君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕(拍手)
○片桐章浩君 こんにちは。ただいま議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問を行わせていただきます。どうか、最後までよろしくお願いします。
 1点目は、地球環境問題についてでございます。
 平成21年2月議会で地球環境問題、特にメガソーラーについての一般質問、提言ということでさせていただきまして以降、和歌山県での動きというのは余り見られないんですが、その間、ほかの県では動きが見えております。幾つか紹介しながら再度質問をさせていただきたい、このように思います。
 平成21年11月24日、これは昭和シェル石油なんですが、新潟県と共同で出力1000キロワット、このメガソーラー発電所を建設する、このように発表しております。その後、同社は同月27日、宮崎県において子会社昭和シェルソーラーの第2工場内に出力1000キロワットのメガソーラー発電所を設置する、このように発表をしているわけであります。宮崎県や国の補助事業を活用しながら平成22年初めに着工、同年末の発電開始、これを目指しているところであります。
 新潟県の新しい取り組みです。雪国型メガソーラーという取り組みなんですが、総事業費は7億円、地方自治体と民間企業が共同で整備する商業用のメガソーラー発電所、これは全国で初めてのことであります。新潟県が2億円、昭和シェルが約1億5000万円、国の補助金として3億5000万円、これが既に決定しているわけでありまして、新潟県知事はこれを受けまして、県内には太陽光発電の技術を持つ企業が多く、次世代のさまざまな展開が考えられる、このように期待感を表明しております。これは、周辺産業の集積とか雇用、そういう意味も含んでいると思います。
 また、昭和シェルの新井社長は、太陽電池そのものが環境に優しい、発電所にはエネルギー教室や電気自動車のステーション、こういったものを設けて県民サービスを図りたいと、地域との共生を目指している、こういうふうな話をしております。
 新潟県については、環境問題に関しては新潟県版グリーンニューディール施策、宮崎県ではソーラーフロンティア構想、こういった大義名分がありまして、和歌山県の環境の取り組みは決して負けていないと、おのおのの施策ではむしろ進んでいるのではないかなと感じている部分があるんですが、こういった大義がないので少し総花的でわかりにくい、この辺が少し残念な気がしております。
 さて、宮崎県のメガソーラーも総事業費7億円になっております。宮崎県知事は、これを宮崎県の象徴として情報発信していきたいということで、これを企業誘致につなげる、こういう期待感を持って話しているところであります。
 このソーラーフロンティア構想から少しだけ引用させていただきますと、太陽電池産業というのは自動車産業と並ぶすそ野の広い産業、産業の集積に伴う県内経済への波及効果が期待される、あるいは産業集積に欠かせない高い技術を身につけた人材を輩出することができる、さらに太陽光発電、これをほかの産業との連携を図り、新たな付加価値を創造することに取り組む、こういうことを発言しております。つまり、宮崎県のメガソーラー全県展開プロジェクトというのは、環境を視覚的に発信するシンボルとして県内各地への立地を進める、立地後は、単に発電所という取り組みだけではなくて、地域における活用策についても検討し、このことを全国に発信しよう、こういう考えを持っているようであります。また、メガソーラー発電を含む環境や新エネルギーに関する分野、これは今後とも新たな経済の創造、それから雇用を生む分野として期待されていることから、地域経済の活性化につながるような取り組みを進める、こういうふうに考えているようです。
 既に新潟県、宮崎県では、雇用を含めて地域活性化になると見込んで立地を進めている。和歌山県との認識のほんの少しの違いがこのような結果につながったのかなというふうに思っております。
 おひざ元を見てみますと、私たちの関西では福井県、2012年にメガソーラー発電所を建設することになっております。出力は同じく1000キロワット。11月24日に起工式を行い、その姿をあらわそうとしている堺市に次いで2カ所目ということになります。
 最初の質問は知事に答弁をお願いしたいと思います。メガソーラーの立地を進めているこれらの県では、この取り組みが経済的需要と雇用を生むものととらえております。グリーン雇用の観点からも、1つのシンボル的な拠点ができることで周辺産業のすそ野が広がる可能性もありますが、和歌山県でのエネルギー環境産業立地による環境分野での雇用拡大を含めての可能性、期待、こういったものについてまずお伺いをしたいと思います。
 この項目の2点目であります。カーボンオフセット制度、これの運用についての質問であります。
 これも、和歌山県は豊富な森林資源を有しておりまして、環境に先進的な取り組みをしているということがありまして、企業の森とかいろんな森の活動をしているところなんですが、自治体としてカーボンオフセット制度を正式に取り組んでいるのは、これまた新潟県、グリーンニューディールの一環と思いますが、初めてのことになっております。
 カーボンオフセット、簡単にちょっと触れさせていただきますと、私たち人間が活動する中でさまざまなエネルギーを消費するわけなんですけども、その中で二酸化炭素を排出しております。その出した二酸化炭素をその活動に対する、二酸化炭素を出した分に対する一定のお金をいただきまして、これをオフセットする。オフセットとは相殺とか吸収ということなんですが、出した分をお金をそこに回すことによって、計算上でありますが、活動に伴う二酸化炭素を発生させない、活動したけども二酸化炭素が発生していないよと、こういうふうにしようというルールがカーボンオフセットであります。
 新潟県では、このカーボンオフセット制度を確実に運用しようということで、国のプログラム認証を受け、国と同レベルの制度の運用を目指しております。どういうことかといいましたら、新潟県のクレジットが認証されると、新潟県のオフセットクレジットというんですけども、これが全国の市場に登録され、全国の企業から活用されることになり、同県の森林整備などの温暖化対策、これにつながることが期待される、こういうことであります。
 新潟県と同様に、和歌山県では森づくり、太陽光発電の設置支援、公共機関への太陽光発電、こういったものの支援を行っておりますから、ここで生み出されている環境価値をカーボンオフセット制度として活用を図ることを検討することもよいのではないのかなというふうに思います。もし全国的に通用する認証制度、オフセットクレジットとして全国の市場に登録することができましたら、認証された部分は資金を全国から和歌山県に引っ張ってくることも可能でありますんで。
 ここで1つ知事に質問でありますが、クレジット認証に関して、課題は多くあります。費用面の課題とか手続の煩わしさというのはあるわけなんですが、すぐの導入は難しいと思うんですが、このカーボンオフセットの制度の仕組みづくりについて知事のお考えを聞かせていただきたい、このように思います。
 環境問題について3点目であります。これは、昨今話題になっております環境税の問題であります。
 これは流動的なんですが、政府は平成22年度から環境税を導入する方向で検討に入ったと報道されております。地球温暖化防止対策の一環という意味であれば、社会の行動パターンを環境負荷の小さいものに転換させるために経済的な誘導を図っていく、この観点であれば、これは理解できるものであります。ただ、今回問題と思うのは、ガソリン税の暫定税率を廃止して、その減少する分の穴埋めとして環境税を導入しよう、こういう議論になっているところが少し問題なのかなというふうに思っております。
 しかも、政府が11月20日、これ、デフレ宣言をしているわけなんですよね。デフレ宣言をした直後の環境税構想ですから、これを見たときは日本経済をさらに失速させるつもりなのかなと少し疑ったところであります。本来であれば公共投資、これの拡大が必要な経済状況なのに、企業活動を制約するような新しい課税の話、これは少し疑問に思っているところであります。
 ただでさえ、この分野の税制に触れますと、2003年の10月から石油石炭税、こういったものが導入されておりまして、産業界ではこの税を価格への転換を極力抑え価格を安定さしていく、こういう努力をしているわけであります。そこに環境税という新しい税、さらに国内排出権取引制度、こういったものがもし同時期に導入された場合、経済と環境の両立を図るために技術革新を進めている産業界の活力をそぐおそれもあるわけであります。つまり、二酸化炭素排出に対する産業界の負担が重複し、これを価格に転換させることで私たち国民、県民負担が増加することになりまして、このコンセンサスが得られる時間もない中での早急な打ち出しというのは少し疑問に思っているところであります。
 現在のデフレ状況ですが、ごく簡単にサイクルを説明させていただきますと、和歌山県の場合は特にそうなんですが、民間企業の中に力強い設備投資、これは期待できない中、政府による、ここで言うところの県による需要創造がなければ経済的な需要不足となり、企業の売り上げが減少する。その結果、賃金カットや人員削減になり、消費の冷え込み、経済が悪化、そして税収の減少、こういうサイクルになるわけであります。
 間もなく県庁内で支給されるであろう年末の賞与、これは減少することになっておりますから、このことで消費を抑える心理的な効果が働くということを間もなく私たちは実感することになるわけです。
 デフレによって、経済活動が萎縮することによって税収も落ち込む。途中は省略をさせていただきますが、積極的な財政出動をデフレの場合はしなければかえって財政赤字が膨らむ、こういう循環に陥っているわけです。
 そこで質問でありますが、このように厳しい経済状況の中での環境税導入について、知事の考え方をお示しいただきたいと思います。また、お示しいただきました考え方に基づいて、果たして知事はどう対応していこうとお思いなのか、お聞かせいただければ幸いであります。
 2点目の質問です。これは、和歌山市中心市街地住宅供給促進事業、こういう問題について触れさせていただきたいと思います。
 この問題につきましては、平成20年の6月、都市再開発法に基づいて認可を受けた和歌山市のJR和歌山駅のけやき大通り第1種市街地再開発事業、この問題なんですが、実は認可を受けてから大幅におくれております。当初の計画であれば平成22年度に竣工する予定でしたが、現状を見ると動きが余り感じられない、こういう状況であります。
 この事業の期待されているところは、民間主導による──これ県内初です──県内初の都市再開発事業という意味合いがありまして、倉庫跡などの土地を所有する昭和倉庫と不動産関係会社が施行者として、大型商業施設とマンション、この建設を計画しているものであります。
 さかのぼるところの平成18年、和歌山市が市街地活性化につながるものだと判断をしまして、和歌山市の補助事業にも認定され、和歌山市が主体、国と和歌山県も事業の補助、これをして進めているところであります。敷地面積が約3577平方メートル、15階建てマンションと13階建てのホテルに4階建ての商業施設を計画しているもので、総事業費は41億円、補助対象事業、これが12億円でありまして、国が3分の1、県と和歌山市が6分の1ずつ負担するということになっておりますから、国が4億1050万円、和歌山県と和歌山市がそれぞれ2億円を補助する、こういう事業であります。
 少し時計を19年度に戻しまして、19年度末の和歌山市の当初予算にあった1億3360万円、これは国、和歌山県からの補助金も含むわけなんですが、このうち基本設計、地質調査、これで約4400万円が使われておりますが、残りの予算は平成20年度中に失効しております。事業化が不透明であることから、和歌山県におきましては平成21年度予算、つまり本年度の予算にこの補助金の予算は計上されていない、こういうふうな事業になっております。
 さて、事業主体が決まらないまま時間が経過してきましたが、ようやく共同事業体に独立行政法人都市再生機構、通称「UR」でありますが、なることが決まりました。都市再開発が和歌山県では初めてのことでありまして、全国で都市の再開発計画がなかったのは非常に少なくて、和歌山県、鳥取県、愛媛県、高知県、この4つだけでしたから、和歌山市もようやくアーバンの一員として認められたのかなということでは歓迎であります。今後は、事業計画の見直しと早期着工を目指し、あわせて県としては補助金の予算計上をする、こういうことになろうかと思いますが、質問をここで2点させていただきたいと思います。
 この再開発事業が遅延していた理由と、独立行政法人都市再生機構、この役割は一体何になるのでしょうか。マンションとホテル事業者は果たして決定しているのでしょうか。決定していないとすれば、そのめどは立っているのでしょうか。これが1点目であります。
 2点目、平成22年の初めにもこの事業は着工する、着手する、こういうふうに聞くこともありますが、今後のスケジュールと事業の完成時期についてお示しいただきたいと思います。この事業に関して、和歌山県の考え方と協力体制、これはどのように考えているのか、また補助金は当初予算なのか何なのか、計上される予定なのか、この辺につきまして県土整備部長の答弁をお願いしたいと思います。
 最後であります。最後は、昨今の厳しい雇用問題につきまして質問をさしていただきたいと思います。
 総務省によりますと、平成21年10月の完全失業率は344万人、完全失業率は5.1%となっています。公共事業の減少と民間企業の雇用調整などによりまして地方経済は厳しく、和歌山県の有効求人倍率では、関西では高いほうであると知事も時々話しているところでありますが、和歌山県の経済は他府県よりも厳しい状況であるというのは、数字以上に厳しいというのは知事もおわかりのことだというふうに思っております。
 政府の雇用対策では、平成22年3月末までに10万人の雇用の下支え、これを目指しているようでありまして、主な雇用施策といたしまして、情報処理、介護の職業訓練、農業・環境・エネルギー・観光分野、ここでの雇用創造が重点的な対策として掲げられております。和歌山県がさきに発表いたしました雇用政策を図ろうとしている分野とほぼ一致しているのではないのかなというふうに思っております。
 ここには期待しているわけなんですが、もっと深刻な問題が高校生の就職問題であります。就職希望でいまだ就職先が内定していない学生は例年よりも数多くいるというふうに聞いております。この時点で内定をしていなければ、年内または卒業までの進路決定というのは極めて難しい状況にあると言わざるを得ません。学校では、ほぼ連日にわたりまして進路指導に努めている、実施している、こういう状況はわかるわけなんですが、今以上に対応策が必要ではないのかなというふうに思います。
 雇用対策と経済対策とどういう絡みがあるかと申しますと、経済対策というのは本質的には失業対策であります。地域として雇用機会をふやすことは最重要課題だと考えております。
 知事は、以前、「経済対策についての究極の目標は、和歌山県内の雇用をふやすこと、皆様方働く人たちの所得をふやすことであると思います。それ以外の政策は、今申し上げた目標に対する手段です」、こういうふうに話していたことがありますから、知事の考え方も経済のパイをふやすことで雇用をふやそう、増加させよう、そういう考え方は同じだというふうに思っております。
 その考えの中の方策といたしまして、和歌山県では「和歌山で働きませんか!」、この賛同企業を募ったり、「和歌山で『和』の仕事人になろう」プロジェクト、これを企画したり、雇用を積極的にふやそうという取り組みもしてくれているところでありますし、これらの県の施策に呼応して県内の企業経営者は雇用を守ってくれている、こういう部分もあるわけなんですが、各県内企業の経営環境が悪化している中、今以上負担をお願いするというのはこれまた難しい話だなというふうに思います。
 そのため、官が主導して雇用をふやそうとしている政策として、ふるさと雇用再生特別基金活用事業、それから緊急雇用創出事業臨時特例基金活用事業、こういったものがあるわけです。既にふるさと雇用再生特別基金活用事業におきましては、77事業285人の将来にわたる雇用、これを確保できているようであります。もう1つの緊急雇用、こちらの基金の事業では151の事業で895人の雇用──これは短期的なものなのですが──生み出されようとしていることが成果の1つになろうかなというふうに思っております。
 ところが、数字の上ではこれだけの雇用創出が図られようとしているのに、依然として状況は改善されている、そういう兆しも感覚も感じられないところであります。それどころか、来年はさらに雇用も厳しく、失業も増加するのではないかなという思いさえあります。それは、県が平成21年度以上に来年度は公共投資をするとはとても思えない状況ですし、これは県の責任ではないんですが、事業仕分けによって予算が削られようと判定された事業の影響があらわれてる部分もあります。
 例えば、地上波デジタルの普及推進のために和歌山市内にもデジサポのチームがあるわけなんですが、新しい組織で仕事をつくってたわけなんですが、この予算が実は削られてしまいまして、その結果、人件費削減、平成22年3月をもって職を失う職員も発生している、こういう事態になっております。経費削減、これは絶対的に必要なものですが、結果として弱いところや弱い地域にしわ寄せが出てくる、こういう可能性もありますので、県としての対応も必要ではないでしょうか。
 そこで、質問を4つお願いしたいと思います。
 1点目は知事にお伺いをしたいと思います。知事が言うところの経済政策の目的でもある和歌山県内の雇用をふやすことと所得を増加させること、これに関する実感はどのようなものでしょうか。
 2点目は福祉保健部長の答弁をお願いしたいと思います。雇用の中で重点施策の中にありました介護分野、この分野は将来的にも雇用拡大が見込まれる有望な業種であります。ところが、現在のところ介護職員さんに関しては、賃金が比較的水準が低いということも相まって、募集してもなかなか集まりにくい、こういう状況があります。所得や処遇面の改善を図らなければ、資格者を養成してもそのまま雇用増につながりにくいと思います。介護施設の経営が安定し、介護職員さんの給与水準など処遇の向上と、そこに将来の希望を持って就労できるような職業のあり方も検討すべき課題ですが、この点はいかがでしょうか。
 3点目は商工観光労働部長にお答えをお願いしたいと思います。ふるさと雇用再生特別基金活用事業、これによって生み出されようとしている285人、これに関しては3年後にも雇用が成り立っているのでしょうか。この基金の精神からしますと、ここで雇用した人は基本的に正職員としての雇用を継続する、こういうふうにうたわれているわけなんですが、これが成り立つのかどうか。また、厳しい経済環境の中、6カ月未満で緊急雇用創出事業臨時特例基金活用事業、これ、繰り返しますが6カ月未満の雇用になっておりますが、ここで雇用された方々のこれからの雇用はどうなるのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
 4点目であります。これは教育長に答弁をお願いしたいと思います。来年3月卒業予定で就職が決まっていない高校3年生のための就職支援策、これについては何か手だてを講じているのでしょうか。卒業時点で仮に就職が決まっていない生徒に対しては卒業後も手厚く就労支援をしてほしいと思いますが、この点についていかがでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
 以上をもちまして、一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(坂本 登君) ただいまの片桐章浩君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、メガソーラーによる地域活性化でございます。
 太陽光発電につきましては、太陽光に恵まれた本県の特徴を生かせるものでありまして、温室効果ガスを発生させない自然エネルギーの利用として、県有施設を初め住宅などへの導入に積極的に取り組んでいるところは御評価いただいたところであります。
 また、太陽光発電の普及促進により、新たな雇用や産業の創出といった経済効果も大いに期待されるところなので、これについてはぜひ戦略的に取り組んでいきたいと思っているところなのでございます。
 県といたしましては、大きな成長が見込まれるこのような新エネルギー関連産業をターゲットとした企業誘致に積極的に取り組んでおり、メガソーラー発電所もこの1つでございますので、県内に立地することになると、低炭素社会の実現、新エネルギー導入に取り組む県の姿勢を県内外にアピールすることになりまして、波及効果の高い環境エネルギー関連企業の立地とか雇用の増大あるいはイメージアップ、そういうものにつながるものと考えております。昔は余りよくわかりませんが、本件への認識は片桐議員と共有しているつもりでございます。
 メガソーラーそのもの、それから関連産業、両方にわたりまして既にいろいろと打診、工作、誘致、育成、いろいろやっておるんでありますが、事業者側の都合もありましてなかなか容易ではありません。今後とも引き続き、メガソーラー発電所の立地に向けて民間事業者、特に電力企業との連携を密にしながら取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、カーボンオフセット制度についてでございます。
 これにつきましては、これまた豊富な森林資源を有する本県にとりまして、その環境価値を最大限に生かすことは、本県のポテンシャルを向上させるとともに、我が国全体のCO2削減にも大きな貢献ができるものと考えております。
 議員御指摘のとおり、カーボンオフセット制度は森林整備等による温室効果ガスの吸収・削減クレジットを全国の排出企業等から購入していただく制度でありまして、その活用は本県にとって有用でありますが、まだいわば任意の相互了解に基づくものでございまして、それなのにと言ったらおかしいんですが、他府県の先行事例を見ると、認証機関に対する申請、証書発行等に係る手数料負担のほか、国際的な規格に準拠した厳格なモニタリング実施と第三者機関による検証に、実は多大な時間と費用を要しておりまして、さらにクレジット購入が確約されていないことから、現時点ではその利用は少数かつ苦戦をしているということは御承知のとおりかと思います。
 しかし、御指摘のように、これはネガティブな反応を続けていっていいものではございません。したがって、今採算が合わないかとか利用できないかとか、状況が変化するに応じて変わってまいるわけでございますので、したがって怠ることなくチャンスをうかがっていきたいと考えております。
 一方、本県が全国に先駆けて実施している企業の森では、既に51社の企業等から参画をいただいておりますが、これについては、簡易な形式ではありますが、その森林を対象とした県による二酸化炭素吸収力認証制度も実施しております。仮にその全部の吸収量を認証した場合には、100年間で約8万トンのCO2を吸収する計算になります。二酸化炭素吸収源対策として、また企業等の環境貢献の場として大きな役割を果たしていると思います。
 カーボンオフセット制度が将来、制度がきちんと整備されてくるということがありましたら、実はこの実態は大変役に立つというふうに考えております。そういう意味で、これは広い意味でのカーボンオフセット制度に我が県が既に手を出しているというふうに言ってもいいと思います。
 今後とも、評価されている企業の森を積極的に推進するとともに、本格的なカーボンオフセットで、狭義のカーボンオフセット制度についても、現状はともかくとして、その動向をよく把握しながら今後有効活用について検討してまいりたいと考えております。
 次に、環境税についての考え方でございます。
 環境税につきましては、これは経済学的に言うと化石燃料の消費を抑制してCO2排出削減のための1つの有効な手段であると、これは論をまたないところであります。しかし、具体的に考えますと、議員もいろいろ言っておられましたように、さまざまに悩ましいことがあります。環境についてつべこべ言うと何か反動的であるようにいろいろ批判をされたりするんですが、勇気を持って真実を申し上げたいと考えております。
 国民全体がCO2の排出にはコストがかかるということの理解を環境税というのは前提にいたしまして、ガソリンとか軽油、石炭、灯油などのすべての化石燃料を対象として幅広く負担を求めるものであると考えられます。したがって、その導入時期とか方法など制度設計のあり方によっては、国民生活全般あるいは農林水産業など今までちょっとその関係では無縁で弱い産業だと言われていたものについても、さまざまなところに影響が生じてくることになるというのは論をまたないことであります。
 一方、実はガソリン税等の暫定税率廃止が実現いたしますと、国のみならず地方公共団体も財源が大幅に減少することになるのでございます。そこで、現在、全国知事会では、地方の自主財源確保と地球温暖化対策の推進を目的といたしまして、地方環境税という名前をつけた地方税をつくってくれというふうに提案しております。私はそれに対しても反対をしておりませんので、これまたそういう意味では一方に少し偏した行動をとってるわけでございます。そういう地方の財源を確保することも1つの重要な視点であるということであります。これは、暫定税率等々との全体のパッケージの中で考えられることかなというふうに思います。
 また、今度は経済でございますが、現在、雇用情勢が大変厳しくて、円高やデフレなどの景気を下押しするリスクが払拭されてない状況にある中で、当然、景気抑制効果を持つ増税、こういう広範な増税が行われるということは、これは景気が大丈夫かという心配を大変しなきゃいけない。これもまた当然であろうと思います。
 さらに申し上げますと、我が国だけがそういうことをする、これは、地球環境問題は全世界の問題なのに我が国だけが環境税を導入するということになりますと、しかもかなり高率のものを導入すると、企業にとって高コスト構造に当然なります。我が国産業の国際競争力を低下させ、ひいては国内経済や雇用に大きな影響を及ぼす懸念があると考えております。
 特に、産業界のCO2の排出原単位、これは日本が抜群によろしいわけでございます。日本だけいろいろプレッシャーをかけてへこませて、それでその部分の生産が海外に行っちまいますと、実はCO2はその部分はふえるということになってしまうわけで、わけのわからんことになるわけであります。
 そういうことを、いろいろな議論がございますので、県といたしましては、国における議論を注視しながら、県の経済と環境の両立を図るという大事な観点から適切に対応してまいりたいと考えておりますので、申し上げたいと思います。
 次に、雇用をふやすことと所得をふやすことに関する実感はどうだと、こういうことであります。
 これについては、御指摘もありましたが、本県の雇用情勢は求人数が求職者数の半分程度でございます。また、高卒予定者の就職内定率が前年に比べて大きく悪化して、大変心配する事態になっております。依然として厳しい状況にあるということは、これまた論をまたないことであります。
 一方、御指摘のように、雇用関係の統計は日本の他の地域よりは多少ましで、有効求人倍率は数年前の近畿のびりから今トップになっております。しかし、絶対的な苦しさはそんなことで喜んでいられないということでありまして、それにここ何十年かの総体的な低迷で、他県に比べると蓄えを使い果たしたりすると──例えで言いますと──そういう感じになっておるんじゃないかということを私は大変憂慮しております。また、かつかつのところで耐えているようなそういう家計とか企業がいっぱいあるんじゃないかなというふうに思うわけであります。
 したがいまして、これは何とか景気は立て直さないといけない。その全体的な景気の立て直しという景気対策、これはなかなか県では限界がございます。したがって、国の適切な経済対策が待たれるところでありますが、ようやく昨日、経済対策が打たれることになりました。県といたしましては、せっかく打たれた対策ですから、これをできるだけ活用するようにやっていきたいと思っております。
 と同時に、和歌山県の経済は年末が特に心配でございますので、先日指令を出しまして、年末対策を綿密にやろうと。少なくとも我々が持ってる手段を全部使ってやろうというふうに考えました。
 そこで、産業別担当者制度を活用して業況把握をきちんとする、支援施策の周知やあるいは資金繰り支援等による県内中小企業の下支えとか、きめ細かな就職支援とか、関係機関と連絡しながらできるだけ一生懸命やっていくというふうに今指令を発しているところであります。
 また、このような不況下にあっても将来の成長分野の育成は重要であると考えております。先ほど雇用が大事だというふうな御指摘がありました。そのとおりなのでありますが、その雇用をふやすためには、少なくとも中長期的には産業を興す以外に道はないわけであります。
 和歌山県といたしましては、今はやりの言葉で言うと成長戦略を国よりは立てているなと思うんですが、産学官連携による研究開発や農商工連携による新商品等開発支援あるいは県内業者の販路開拓支援、さらには成長分野の企業誘致に積極的に取り組んでおりまして、そういうことを積み重ねていくことによって今後とも機動的な、第1に申し上げました緊急対策と、それから後半に申し上げました県民の希望を開く施策、すなわち成長戦略を展開して、雇用や所得の増大につなげるべく頑張っていきたいと思います。不況に必死に耐えながら県経済の活性化を図っていきたい、そんなふうに考えております。
○副議長(坂本 登君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 和歌山市の中心市街地住宅供給促進事業についての御質問にお答えいたします。
 まず、事業遅延の理由と独立行政法人都市再生機構の役割についてでございます。
 平成20年6月の施行認可後、全国的な経済不況の影響を受けまして施行者の資金調達が難航し、事業が遅延しておりましたが、新たな施行者として同機構が本事業へ参画することになり、施行者の一員として事業資金の出資、住宅等の所有権の取得、事業のトータルコーディネートを行う、このように和歌山市から聞いておるところでございます。
 次に、マンション及びホテルの事業者についてですけれども、マンションは都市再生機構が一たん取得いたしまして、実際の販売は同機構が選定する者が行う予定であると聞いております。また、ホテルにつきましては、建物を建築し取得する特定建築者を、現在、施行者が公募により選定しているところであると聞いております。
 次に、事業の今後のスケジュールについてでございますが、和歌山市からは、今年度中に建築工事に着手し、事業完了が平成23年度中になる予定というふうに聞いております。
 最後に、県としての考え方、協力体制、補助金についてでございますが、県として、再開発は中心市街地活性化のために極めて有効な手段であるというふうに認識しております。このため、本事業に対し引き続き和歌山市に協力していくこととしており、当初予算として通路などの共用部分に対する県の補助金を計上することを考えております。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 福祉保健部長北田佳秀君。
  〔北田佳秀君、登壇〕
○福祉保健部長(北田佳秀君) 雇用問題についての介護分野の雇用につきましてお答え申し上げます。
 介護サービス分野が確固とした雇用の場として成長していくためには、議員御指摘のとおり、介護職員の給与水準の向上などの処遇改善を図ることが重要であると認識しております。そのため、本年4月からの介護報酬の3%引き上げに加えまして、国の経済危機対策による介護職員処遇改善交付金等を活用し賃金の引き上げを図るなど、さらなる処遇の改善に努めているところです。
 また、介護分野の人材確保につきましては、本年10月からふるさと雇用再生特別基金を活用し、失業者等の新規就業支援事業を実施してきたところですが、今回、国の緊急雇用対策として、働きながら資格を取るという雇用プログラムが策定されたことに伴いまして、さらなる人材の確保に取り組むこととしております。
 県といたしましては、介護の職場で働いておられる方や介護職を志す方が希望を持ち安心して就労できるよう、引き続き支援してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 商工観光労働部長永井慶一君。
  〔永井慶一君、登壇〕
○商工観光労働部長(永井慶一君) 基金活用事業についての御質問にお答えさせていただきます。
 ふるさと雇用再生特別基金活用事業、いわゆるふるさと雇用につきましては、事業終了後も継続的な雇用が見込まれるものを、内容を精査しながら実施しているところでございますが、さらに、委託企業等が正社員として引き続き雇用した場合、一時金の支給制度などがあり、このことなどの周知徹底を図りながら安定した雇用に結びつけたいと考えてございます。
 次に、緊急雇用創出事業臨時特例基金活用事業、いわゆる緊急雇用につきましては、離職された方に暫定的な6カ月未満の就業機会を創出するものでございますが、国への要望活動等の結果、今般、6カ月から最長1年の就業が可能となったところであります。就業期間中に安定した雇用につながるよう、関係機関と連携するとともに、情報提供等に鋭意努めてまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、現下の厳しい雇用情勢を踏まえ、これらの基金をフルに活用し、切れ目のない雇用創出に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○副議長(坂本 登君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 高校新卒者の就職支援についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、本県の高校生の就職を取り巻く状況は極めて厳しい状況にございます。高等学校におきましては、就職を希望する生徒1人1人に対して、丁寧できめ細かな指導を行っているところでございます。また、校長を先頭に地元企業を訪問するなど教員が一体となって就職先の開拓に粘り強く取り組むとともに、就職が決まらない生徒に対しては、現在配置しております就職支援教員等と協力しながら相談活動を充実し、生徒の視野を広げ、励ましながら企業等の紹介を行っているところでございます。
 県教育委員会といたしましても、県内における雇用が拡大されるよう、和歌山労働局及び県労働関係部局とともに、経済5団体に対しまして2度にわたって協力を強く要望してまいりました。また、高校生がさまざまな企業を知る機会として、和歌山労働局及び県労働部局等と連携いたしまして企業の合同説明会の機会をふやし、11月から県内各地で計6回開催しているところでございます。こうした取り組みにもかかわらず、なお就職が決まらないまま卒業する生徒が出ることも懸念されているところです。
 高等学校におきましては、次代を担う子供たちを育てるという責任と自覚を持ち、卒業後も学校において相談活動を継続、強化するとともに、ハローワークや県の設置するジョブカフェ等につなぎながら、手厚く支援できるよう各学校を指導してまいります。
 今後とも、1人でも多くの生徒の希望がかなうよう、各学校とともに全力を挙げて取り組んでまいります。
○副議長(坂本 登君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(坂本 登君) 再質問を許します。
 33番片桐章浩君。
○片桐章浩君 お答えいただきましてありがとうございます。2点ばかり要望という形でさしていただきたいと思います。
 1点目は環境税であります。
 まだ具体的なモデルは出てないんですが、現段階、環境省の試算によりますと、環境税導入による負担額、これ、年間ですが、1万6728円増加。暫定税率廃止による負担額減が1万6094円ですから、ほぼ相殺される形ということになりまして、一見すると余り影響はないんではないのかなというふうに思うんですが、実はこれに伴って各税の年間負担額、これも一般モデルですが、はじかれた数字を見ますと、灯油が現在の税金が422円が997円、プロパンガスだと1643円が1897円、都市ガスだったら255円が706円、電気に至りましては2839円から5719円と、それぞれの税負担がふえるわけであります。そういうことから、これ、間接的な増税ということになりまして、特に自動車を持たない家庭の税負担額というのは、これは大きくなる、倍増するところも出てくる、こういう問題が実ははらんでいるわけであります。
 私たちは、こういった新しい税に関して、具体的に受ける経済的な影響、国民負担、こういうものを示されていませんから、果たして環境税が財源確保なのか環境対策なのか、こういったところを十分議論した上で導入を考えてもらう必要があると思いますので、ぜひ、知事の答弁にありましたように、発言力に大いに期待しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 もう1点が和歌山市の中心市街地の活性化事業についてなんですが、ようやくJR和歌山駅前の再開発、これが来年から動き出す。これはもう至って朗報であります。再開発によって和歌山市の中心市街地、これはJR和歌山駅から市駅の間なんですが、活性化することを期待できるわけです。
 この次なんですが、あとは南海和歌山市駅前の再開発、これが残っているところであります。市駅前再開発に関してはもう歴史は古くて昭和59年、このときに推進計画というのが策定されておりますが、依然として具体化されているものはありません。当時、開発対象地区の皆さんが準備組合を設けまして検討していたようですが、25年が経過してそのまま、この状態が続いております。
 きのうも先輩議員から一般質問にありましたように、和歌山市における西の玄関口が和歌山市駅でありまして、県内で乗降客が最も多い駅の1つということですから、にぎわいの創出、バリアフリー化など含めてもう一度市駅周辺の再開発計画にも関心を払っていただきたい、このように思います。もちろん、前提条件としては、準備組合と事業者、これがあっての話ですが、今回の再開発が成功事例となった暁には、ぜひ和歌山市と共同してこの点に関しても取り組んでほしいということを要望して、一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○副議長(坂本 登君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で片桐章浩君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時45分散会

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