平成21年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(角田秀樹議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 27番角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○角田秀樹君 ただいま、先輩の山下議員のほうから故江上議員に対しまして過分なる、また御丁重なるお言葉をいただきました。心より御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさしていただきます。
 初めに、関西国際空港の今後について知事にお伺いをいたします。
 本日午前と、そしてただいま午後で関空問題について既に多岐にわたり、るる論議が尽くされておりますので、なるべく重複を避けまして、2点に絞りお伺いをいたします。
 去る12月の1日の新聞報道によりますと、国土交通省や地元自治体、経済界などでつくる関西3空港懇談会が関西国際空港、大阪空港、神戸空港の3空港の一元管理を目指す方向で合意したという記事が掲載されておりました。大阪府の橋下知事は府庁で、伊丹空港廃止については多数決に従う旨のコメントをし、さらに何のための一元管理であるのかを明確にすべきであるとも述べられておりました。
 このたびの3空港一元管理については、政府の新政権による事業仕分けで、関空会社に対する補給金160億円の凍結という事態を受け、関西圏域で航空体制を維持保全するためにとられた措置ではないだろうかというふうに思います。私個人としましては、今こそ関西は1つであると、強いそういう決意で臨まなければならない事態に入ってると思います。知事の御所見をまずお伺いしたいと思います。
 次に、1958年に開港いたしました大阪伊丹空港は既にもう50年経過し、今日までたび重なる騒音対策がなされてきたことは、もう皆様も御承知のとおりであると思います。その地域住民の健康対策等、抜本的解決策に実は関西国際空港というものの計画がなされました。
 関西国際空港は、24時間発着可能なハブ空港として、将来の展望を視野に入れ、1994年、平成6年9月の4日に開港し、現在に至っております。多くの先輩議員が関西国際空港事業の推進に尽力をされた経緯につきましては、先ほどの山下先輩議員からもお話があったとおりでございます。皆様も御承知のとおりであり、また、今後もこの関西国際空港を起爆剤にしながら和歌山県勢の発展のために尽くしていきたい、こういう思いであります。
 また、先日、12月4日の報道によりますと、「航空自由化、日米合意へ」と、両国を結ぶ路線や便数を自由に設定できるようにするオープンスカイ協定が近く政府間で締結されるようであるという記事が目に入ってまいりました。そうなりますと、2010年以降、本格的な競争時代に入り、現行の羽田・成田空港の発着枠は飽和状態であるため、関西国際空港のいよいよ出番到来であると思います。
 また、運航地点の制約がなくなれば、関西国際空港を中心としたマーケットの広がりに期待が非常に高くなると思われます。関西国際空港の利活用と今後の利用促進について、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、第2阪和国道の整備についてお伺いをいたします。
 本年当初の予算委員会にて質問をさしていただきましたが、昨今の道路建設に対する政府・与党の基本的なスタンスと地元和歌山県選出の民主党国会議員との微妙な食い違いを危惧するものであります。改めて、今議会で第2阪和国道建設についての重要性を論じておきたいと思います。
 平成27年に2巡目の和歌山国体が予定され、県民総参加型で成功を願う1人でもあります。メーン会場となる和歌山市への交通アクセスについては、特に大阪府との府県間道路である第2阪和国道は本県の表玄関に位置し、国体開催まで全線供用を強く望むものであります。
 現在、紀の国大橋も平成15年に暫定供用され、中心市街地への交通渋滞の緩和が図られておられます。朝夕のラッシュ時も比較的スムーズに通行できるといった声をたくさん私どももお聞きしております。
 先日、大阪に向かう際、孝子峠を過ぎ、あの深日のロータリー付近から混雑が始まり、結局、箱の浦の交差点まで約1時間かかりました。箱の浦ランプ付近を見ますと、橋梁の下部の工事が進んでおりまして、改めて全線の早期完成を強くその場で願ったものであります。
 また、少し話は変わりますが、先日、ある食品関係のオーナーと懇談する機会がございました。そのオーナーの話に、今、日本全体の景気が悪い中、特に乱高下が激しく、景気が落ち込んでいるのは中部地域であると。そして、次に関西であると。しかし、そのオーナーは、比較的に安定しているのは、実は関東であると。いろんな要素はあるとしても、関東平野に日本の人口の約2割が集中しており、まず、何といっても一番の要因は、実は地形そのものにいわゆる利点があるんであるという、こういうお話でございました。
 東京を中心に、周辺の自治体との境は平地であります。神奈川、千葉、埼玉とも関東平野の一部であり、また平たんな地形でつながり、まちとまちとの境がないのと同じであります。したがって、時間のロスも生じてきませんし、人口密度も高く、効率よく商いができ、人、物、文化、情報といったことを常に共有し、発展をなし得てきたという、そういった話でございました。
 そういう観点から考えると、和歌山から大阪に行くにしても、山合いを通過し、また人口密度の薄い箇所を通らなければなりません。したがいまして、一刻も早く幹線道路の開通が必要であり、時間短縮は命題でもあります。
 今、国体開催に向け第2阪和国道の整備事業については、県勢浮揚に必要不可欠な施策であると思いますので、この件につきましても知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、南海和歌山市駅のバリアフリー化についてお伺いをいたします。
 南海和歌山市駅は、和歌山市の西の玄関であります。駅バリアフリー化は、他都市からお越しになられる観光客はもちろんのこと、エレベーターの設置やオストメイトの設置等、障害を持った方々の観点に立ち、公共機関の使命を実は実感していただきたい、こういうことを思います。
 予算委員会でも質問をさしていただきましたが、平成27年に秋季国体競技が本県で行われます。終了後、全国障害者スポーツ大会も開催が予定されております。県内の公共交通機関を利用される方も多いと思われます。JR和歌山駅に次いで1日の乗降客数が多い南海和歌山市駅がバリアフリーになっていないことが今後の問題であります。
 昨年9月の17日に和歌山市民会館で、和歌山市の主催で人権教育講座が開催されました。その折、講師として招かれた方は、車いすのダンサーとして大変有名な方で、開演開始、開口一番、「南海和歌山市駅を利用してここに招かれましたが、和歌山の玄関口とも言える主要な駅に実はエレベーターが設置されていないのに驚いた」と話されたようであります。参加されていた女性の方から私どもに、「本当に和歌山市駅は障害の持った方には利用しがたい駅である」と言われました。
 JR和歌山駅が東の玄関駅であるならば、南海和歌山市駅は西の玄関駅であると言っても過言ではありません。一日も早いバリアフリー化を望むものであります。このバリアフリー化につきまして、企画部長にお伺いをいたします。
 次に地方道路整備について、特に小規模道路改良事業についてお伺いをいたします。
 紀の川市、旧粉川町、静かな農業地域では、今、柿やミカンの収穫で繁忙をきわめております。他にキウイ、またイチジク等といった果樹が盛んな地域でもあります。
 先日、私の古い友人からお誘いがあり、上鞆渕の赤沼田というところに行ってまいりました。「初めての人はこちらには絶対来れないので迎えに行くから」ということで、その友人は軽トラで迎えに来て乗せてもらい、家まで案内してもらいました。しばらく赤沼田の現状についていろいろとお話をお聞きし、問題となっている現場にも足を運ばせていただいたところであります。
 その友人は、現在61歳で、団塊の世代で昭和23年の生まれ。麻生津小学校、そして麻生津中学、粉河高校を卒業し、そして社会人になり、日本旅行に入社いたしました。
 本人が言っていましたが、初めて天王寺という都会暮らしで駅で勤務し、そこで彼は最初に驚いたことは、新聞の朝刊という言葉の意味がわかったと、こういうふうに言っておられました。というのも、ここの、もともと住んでおりました赤沼田では、朝刊は決まってお昼の正午きっかりに配達されたからであります。実に、朝に新聞が配達されたことは、彼にとってはカルチャーショックであったようであります。続いて、彼は真剣な顔をして、「そのときは本当にびっくりしたよ」と。「今でも和歌山県下では交通の不便な地域においては、結構郵便配送で新聞が配達されているようである」とも言っておられました。
 そして、近年、都会暮らしの現役を引退して、生まれ故郷の赤沼田に第2の人生を送るために県農業大学校社会人コースに入学し、8カ月間農業の勉強をし、修了書をいただき、現在、おじさんの残した畑を譲り受け、果樹農家として地域の活性化、また発展のために日々頑張っております。いわゆるIターンであります。
 また、同僚の方や知り合いの方がいつでもこの地域に来られたら、いやしの場を提供しようという考えで、また自然を満喫してもらおうというそういう考えで自宅を改築し、地デジ対応やカラオケセットも備え、四季折々の工夫を凝らし、参加者に本当にこの地でひとときの楽しい時間を過ごしてもらいたいと、多くの友人を現在招いておられます。ここで田舎のよさを実感していただき、帰って赤沼田のよさを広めてもらいたいと、こういうふうにも言っておられました。
 私も、夕時、赤沼田からの紀の川を見渡す光景は最高でありました。そういった生活を続ける中、生まれ育ったふるさとの現状や、今、自分たちの目的に対する疑問と今後の課題について考えるようにもなったと言われておられました。
 それは、道路の未整備であります。このふるさとを離れ、約40年もの歳月がたった今日、地元の県道は依然未整備箇所が多く、一番困ったことは、ここ近年、観光を目的に訪れる人が多くなったことであります。
 本来ならば観光客が多く来られることは大変結構なことではありますが、マイカーで訪れる人がカーナビを頼りにこちらに来られる方が多く、特に冬の時期、路面が凍結し、車が立ち往生し、近くの住民の助けを求め、たびたび家に駆け込んでくるという、こういう始末であります。高野山へ続く7つの町石道の1つも中にはあり、途中には弘法の水といった名所もあります。また、赤沼田の山頂付近には温泉があり、利用客が結構多く訪れる名所にもなっているからであります。めっけもん市場で買い物をし、また紀の川を挟み華岡青洲先生の記念館を見学し、その帰りに訪れる、そういった方々も多いとお聞きいたしました。
 そこで、以前から地元住民の皆さんが再々県に対し要望をしています麻生津峠までの道路改修を早急に完成していただきたい。聞くところによりますと、以前、木村前県知事がこの地を訪れ、公民館に集まった住民に対し、ここの地域の道路整備は早期に峠まで工事を完了するという、こういう言葉を地元の皆さんは忘れてはおりませんと、友人は言われておられました。
 地域住民の長年の悲願であり、生活道路として、また観光に訪れたお客様に安心して通行を提供できる道路整備が急務であり、整備されればこの地域は小学校に通う子供たちも現在おります。また、高齢者の方が病院に行く足となるコミュニティーバスの運行も可能となります。早期に改良を願うものであります。
 一方また、先日、うれしいニュースが入ってきました。それは、JA全中・各都道府県中央会と日本放送協会いわゆるNHKが主催する日本農業賞。同賞は、意欲的に経営や技術の改善に取り組み、地域社会の発展にも貢献する農業経営者と生産組織を表彰するもので、今回で第39回目を迎えるということであります。和歌山県の代表として、個別経営部門に紀の川市の風呂谷史郎さんが選ばれました。風呂谷さんは、私の友人とも親しく交流があり、もともと東牟婁の古座町の御出身でおられまして、現在、この赤沼田に移住をされ、柿やキウイを中心に栽培し、意欲的な農業形態を実践されております。全国大会でぜひ優勝をしていただきたいと願う一人でもあります。
 このように、地元に帰り農業を基調に活性化を願う人や、農業革新に日々努力を重ね地域の発展を願う人たち、また従前より暮らす方が元気な地域にと努力を重ねている、こういった場所に血の通った行政執行が望まれます。そのことが過疎集落への歯どめをかける方策の1つでもあり、崩壊してからでは手おくれであると私は思います。今の段階で食いとめることが最重要課題で、勤労意欲はまだ残されているこういった地域に対する支援策は、最も重要ではないかというふうにも考えます。
 県下には、このような地域がたくさんあることについては、私自身もいろんな形でお聞きをしております。県当局も十分把握をされているとは思いますが、県単独事業で、限られた予算内で行っておる予算配分も慎重になっていると思われますが、しかし、小規模道路改良事業に重点的に予算を投下することも大事であります。
 このような農業経営改善に対し積極的に取り組み、地域おこしに心血を注がれている方や、またIターンの彼のように、都会の方に和歌山県の地域のよさを発信しようと取り組みをなされている現実を目の当たりにすれば、地元の要望に誠実にこたえるべきであると思います。
 以上のことから、地方道路整備について県土整備部長にお伺いをいたします。
 次に、食品表示適正化の取り組みについてお伺いをいたします。
 この時期、年末商戦が近づき、消費者の食品安全に対する関心度も高くなる時期。昨今、中国製冷凍ギョウザ問題や産地偽装問題、いわゆるお米の関係等といった社会的事件も後を絶たないのが現状であります。2年前の2007年12月の28日、千葉市内の食品店で購入した中国製冷凍ギョウザを食べた2人が嘔吐し、1人が入院したことがきっかけで、翌年の2008年、兵庫県でも同症状を訴え入院といった事件がきっかけに消費者の側も非常に敏感になったことも事実であります。
 食の安全を提供することが生産者としての責務であります。我が公明党県議団も、今は亡き江上団長を筆頭に、すぐさま2008年2月の8日、当時の原副知事に対し、県内の食品販売業者に対し安全性を確保する申し入れをいたしました。
 こういった事件が続くことにより、日本の食品表示制度について、本当に消費者の権利が守られているのかといった疑問を感じている方も少なくないと思います。
 現在、最も消費者の要望が強いのが、加工食品の原料原産地表示であります。多くの加工食品の場合、原料の原産地が表示されていません。製造したのは国内の企業でも、原料は中国やアメリカなど外国から輸入されたものというケースが大半を占めるようになりました。加工食品になりますと、原産地表示が必要でない場合もあることから、100%輸入の原料からつくられていても原産地がわからないのが現状であります。
 私は現行の制度をすべて否定するものではございませんが、消費者が安心して購入した食材を提供・販売される業者の意識を高めていただきたいと思うわけでございます。法律が不十分な点もあると思われますが、このような状況にあっては、適正な食品表示に向け、事業者に対する指導など、日ごろから取り組むことが重要であると考えます。
 そこで、食品表示適正化に向けた県の取り組みについて環境生活部長にお伺いをいたします。
 最後に、介護保険に関する諸問題についてお伺いをいたします。
 今、介護の充実は待ったなしであると言われ、2025年には高齢者人口が3500万人に達し、高齢化率が約30%にも上ると予測されています。社会問題にもなってきている老老介護、また介護難民など、多くの課題が山積し、今まで以上に介護施策の重要度は増してきます。今後は実情に合った介護サービス提供が求められています。
 一方、本県は、全国を上回る速さで進行する少子高齢化により、平成20年には高齢者人口比率は25.3%と、4人に1人が65歳以上の高齢者となり、平成32年には3人に1人が65歳以上の超高齢化社会を迎えると予測されています。
 そこで、わかやま長寿2009の策定では、高齢者の方が地域で健康で安心して暮らすことができ、たとえ介護や生活支援が必要となっても社会全体で支え合う豊かな長寿社会の実現を目指しています。平成11年度に策定されたわかやま長寿プラン2000を、平成14年には介護保険制度導入以来の実績を踏まえわかやま長寿プラン2003を策定し、また平成17年には介護保険制度改正を踏まえ、わかやま長寿プラン2006を策定されています。
 介護保険制度は法律施行後9年経過し、団塊の世代が高齢者になる平成27年、2015年の高齢者介護を視野に置き、予防重視型システムへの転換、新たなサービス体系の確立、サービスの質の確保・向上など、さまざまな改革が行われてきました。現実、この9年間で予測以上の高齢化が進み、現場ではいろいろな実情を抱え、介護保険の運用についても数多くの貴重な御意見をいただきましたので、以下、質問をさしていただきます。
 第1点目は新たな要介護認定制度の実施状況について、2点目は施設入所待機者数の状況及び認知症高齢者の入所施設の整備促進について、3点目は増加する老老介護への対応について、4点目はいわゆる介護タクシーの利便性の向上について、以上4点、福祉保健部長にお伺いをいたしまして、第1問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(坂本 登君) ただいまの角田秀樹君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 通告に従いまして、私に答えろという点についてお答え申し上げます。
 関西は1つという考え方で関西国際空港問題に取り組むべきとの御意見でありますが、まさにそのとおりでありまして、関西国際空港を国際ハブ空港として発展させることが、長期的には関西の、それからひいては日本の発展につながると確信しております。
 御指摘がありましたオープンスカイ政策でありますが、これは、そういう意味では関西国際空港がこれからいろいろなプロモーションあるいは誘致をやっていくときに役に立つ面もあるんですが、しかしながら、どこにでも行ってもよろしいというところもありまして、そういう意味では、例えば羽田の枠があくとそこに行ってもいいのかとか、そういうふうにもなってしまう両刃のやいばみたいなところもあります。そういう意味で、そういう中でこそ関空はまず抜本的な考え方を確立し、その上で、後で申し述べますようないろいろな活動も熱心にやっていかないかんということではないかと思います。
 関西でこういう国際ハブ空港を目指せるのは、唯一、関西国際空港であります。したがいまして、今いろいろ議論があります一元管理の問題についても、関西国際空港にとってプラスとなるようなスタンスでこういうことを考えていかないといかんのだということで関西3空港懇談会に臨んでまいりたいと考えております。
 また、関西国際空港の利活用、利用促進につきましては、関係府県、経済団体、関空会社などと連携して、関西国際空港への集客、就航促進、アクセス対策、旅行商品の造成など、さまざまな取り組みを行っておりますし、もっと強化していきたいと思います。
 関空会社では、関空島への集客のための見学ツアーや各種イベントが開催されております。また、現在、出国エリア内の増床工事により免税店やサービス施設の充実を図っていることは、御利用の皆様よく御存じのことと存じます。
 就航促進ということでは、先日、私もイタリアの航空会社を訪問いたしまして、若干口角泡を飛ばして一生懸命誘致をしましたが、なかなか容易ではないなあということも少し実感しました。
 一方、一昨年、私、山東省に訪問さしていただきましたときに出た案件で、済南と関空の間に定期便を飛ばしたいという山東省側の御意向がありまして、それを側面から援助申し上げてまいりましたけれども、ようやくその就航が決まるという発表がありまして、少しうれしい気持ちがあります。成果も少しずつ出ております。努力すれば報われていくんじゃないかという気もいたします。
 航空会社に対する着陸料の軽減とか、あるいは関空就航へのインセンティブ向上なども図っておりますけれども、特にこの秋から着陸料がゼロになるような仕組みを導入した結果、この冬ダイヤでは外国航空会社の便数が増加をするというようないいニュースも入ってきております。
 関西国際空港を取り巻く環境には、大変厳しいものがあります。この議場でも議論がたくさんあったところでありますが、関西国際空港を盛り立てるために、さまざまな取り組みを関係団体と連携して続けていく必要があると考えております。
 次に、第2阪和国道の整備についてでございますが、この道路は和歌山市から阪南市に至る地域高規格道路でありまして、和歌山市から関空を初めとした大阪方面へのアクセス強化や、現在のちょっと嫌になるような国道26号の渋滞緩和など、その果たす役割は極めて大きい道路であると認識しております。
 現在、大阪側の阪南市箱の浦ランプから和歌山側の大谷ランプまでの間が事業中であります。事業をするということになってるわけです。その中でも特に府県境部については、就任後、国に対して強く働きかけた結果、和歌山岬道路という名前で平成19年度に新規採択されまして、今後、用地取得、さらには工事着手への事業の進捗を国にお願いしているところであります。
 ところが、道路事業予算については非常に厳しい状況にあるのは、皆様も御承知のとおりであります。来年度のもくろみということで、先日、11月27日になりますか、近畿地方整備局から来年度の県内の直轄事業──これは国がやる、この第2阪和も一級国道ですから──国がやることになっておるわけですが、これの概算要求額が内々示されました。内々といっても発表をしていますが。本県の想定よりもこれが随分と下回っておりまして、この第2阪和についてもほとんど我々の想定を──ほとんどというよりも全くかけ離れた少ない予算しか考えていないということでありました。それは到底承服できるものではないと、考え直してくれということで申し上げたのですが、こうしたことから、第2阪和国道についても、今後より一層の危機感を持って、大阪府との連携はもちろんのことでありますが、国に対して早期完成、早期供用、これをこれまで以上に強く働きかけていかなきゃいけない、そういうふうにしようというふうに思ってるところであります。
○副議長(坂本 登君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 地方の道路整備についてお答えいたします。
 県内の道路整備に当たりましては、国や地方の財政状況が厳しい中、コスト縮減に努めますとともに、選択と集中をしまして箇所数を減らし集中的に投資することにより、事業効果を早く出すために優先度の高い箇所の整備を急いでいるところであります。
 具体的には、高速道路の整備促進はもとより、府県間道路やX軸ネットワークなどの幹線道路の整備を最優先に進めております。さらに、これに続く生活道路の整備に当たりましては、生活圏30分圏域の拡大に資する箇所、防災上、交通安全上不可欠な箇所、こういった箇所を厳選して整備を進めているところでございます。
 議員御指摘の小規模道路改良事業につきましては、事業規模が小さく、特に交通に支障がある箇所を対象として、県単独事業で今年度は85カ所、予算23億6000万円で実施しております。
 これまで、幹線道路の整備を優先的に早期に完成させて、その後生活道路等の整備を重点化するという方針で進めてまいりました。今後、幹線道路に係る国の道路予算が厳しいことも予想され、生活道路等である小規模道路改良事業について、これを大きく増額するのは難しいのではないかというふうに思っております。しかしながら、生活道路等の整備につきましては、議員御指摘のとおり非常に重要なものと認識しております。
 今後とも、地元の意見を十分に聞きながら重点化も図り、狭隘なところ、線形が不良なところから優先的に整備を進め、地元の要望におこたえしたいと思いますので、何とぞ御理解のほど、よろしくお願いいたします。
○副議長(坂本 登君) 企画部長前硲健作君。
  〔前硲健作君、登壇〕
○企画部長(前硲健作君) 南海和歌山市駅のバリアフリー化についてお答えをいたします。
 南海和歌山市駅のバリアフリー対応につきましては、現状としてはエレベーター、エスカレーターが設置はされておるんですけれども、なお一部で駅員の介助が必要という議員の御指摘のとおりでございまして、完全なバリアフリー対応になっていないということで、これまでも南海電鉄に対しまして早期の整備を働きかけてまいりました。
 こうした県の申し入れに対しまして、このほど南海電鉄から、今年度中に駅の改良計画を策定すると、その後、その計画に基づいて改良工事とあわせてバリアフリー化もやるという、そういう予定と聞いておりますので、今後とも引き続きその着実な実施を働きかけてまいりたいと思っております。
○副議長(坂本 登君) 環境生活部長井口悦治君。
  〔井口悦治君、登壇〕
○環境生活部長(井口悦治君) 5点目の食品表示適正化への取り組みについての御質問にお答えをいたします。
 食品表示は、消費者の食品選択に資するとともに、飲食による危害発生防止のため、大変重要な情報であります。また、食品関係事業者にとりましても、適正な食品表示を行うことは責務であり、消費者の信頼を得る上で大切な要因であると考えてございます。
 このため、県では、関連する法律が食品衛生法やJAS法など多岐にわたりわかりにくいという事業者の意見を踏まえ、平成19年度より食品表示ワンストップサービスとして相談窓口の一元化を実施しているところであり、年間1000件を超える相談に対応しているところでもあります。
 さらに、昨年度からそれぞれの事業所における食品表示推進者を育成するための講習会を実施し、食品表示に関する主な法令を網羅的に解説するとともに、法令遵守の徹底のための講習も行い、現在までに約1100名が受講していただいております。
 また、保健所が実施する食品衛生監視にあわせ、通年で食品表示の監視・指導を実施しており、特に12月は食品の流通が多いことから、年末一斉取り締まりとして強化を図っているところでもあります。さらに、関係機関や食品表示ウォッチャーから寄せられた情報をもとに、必要に応じ事業者に対して適正表示の指導を実施するなど、不適正表示の排除に努めているところでもございます。
 今後とも、これらの相談、啓発、監視、指導などにより食品表示の適正化を推進してまいりたいと考えております。
 なお、議員御指摘のように、加工食品につきましては、JAS法に基づき、農産物、漬物などの4品目と20の食品群を除き、原料原産地表示が制度上不要となっておりますが、現在、消費者庁において加工食品の原料原産地の表示の拡大について検討中と聞いております。今後拡大されるようであれば、事業者に対する指導など、適切な対応に努めてまいります。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 福祉保健部長北田佳秀君。
  〔北田佳秀君、登壇〕
○福祉保健部長(北田佳秀君) 介護保険に関する諸問題の4点につきましてお答え申し上げます。
 まず、新たな要介護認定制度の実施状況についてでございますが、本年4月の認定基準の見直しに当たりまして、利用者等から必要なサービスが受けられないのではないかという不安の声が多く寄せられました。このため、認定を更新する際、本人の希望により従前の要介護度を継続することができるという経過措置が講じられ、また、国の検討会において4月以降の認定の実施状況について検証が行われたところです。その結果、非該当者及び軽度者の割合が見直し前と比べ増加していることが判明したことから、再度見直しが行われ、10月以降に申請された方から順次新たな基準で認定が行われております。
 こうした状況から、現時点ではおおむね認定基準の問題は改善されたものと承知しておりますが、10月以降の認定の実施状況につきましても、再度国において検証が行われる予定となっております。
 次に、施設入所待機者数の状況及び認知症高齢者の入所施設の整備促進についてでございますが、県内の特別養護老人ホームに入所を希望する在宅の待機者数は、本年3月末現在2468人となっており、前年度より96人の増加となっております。
 また、認知症の方が入所できる施設につきましては、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム等がございますが、特に問題行動の著しい認知症高齢者の処遇を行う認知症専門棟を有する介護老人保健施設も県内に8カ所整備されております。
 認知症の方も含めて施設に入所を希望する高齢者が年々増加していることから、わかやま長寿プラン2009に基づく計画的な整備を進めるとともに、経済危機対策に基づく介護基盤の緊急整備も実施しながら、今後も着実に受け入れ施設の整備を促進してまいりたいと考えております。
 次に、増加する老老介護への対応についてでございます。
 本年3月末における県内の夫婦ともに高齢者の世帯数は4万4306世帯で、全世帯に占める割合は10.4%となっており、高齢者が高齢者を介護する、いわゆる老老介護は今後ますます増加していくものと考えております。
 このような世帯では、脆弱な家族介護力等により急激に要介護状態が悪化しやすいことに加え、介護する高齢者にも心身ともに過重な負担がかかるおそれがあります。そのため、地域の高齢者の総合相談等を行う市町村の地域包括支援センターが福祉関係機関や介護サービス事業所等と連携しながらその状況の把握に努め、適切な介護保険サービス等につなげていくことが肝要であると考えております。
 県といたしましても、地域包括支援センターの充実を支援するとともに、でき得る限り住みなれた地域で安心して生活を送ることができるように、在宅介護サービスや生活支援サービスの充実に努めてまいります。
 最後に、いわゆる介護タクシーの利便性の向上についてでございますが、介護保険制度では、ホームヘルパーが要介護者に対し通院等のための乗車または降車の介助を行った場合、保険給付の対象となっております。要介護者の家族が車両に同乗する場合の保険適用につきましては、適切なケアマネジメントに基づき、保険者たる市町村が個別具体的に判断されるものと考えております。
 なお、市町村間で判断にばらつきがあるという声も聞いておりますので、今後その状況を把握した上で、必要に応じ助言してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(坂本 登君) 再質問を許します。
 27番角田秀樹君。
○角田秀樹君 知事並びに関係部長より丁寧な答弁をいただきまして、ありがとうございました。一部順番が変わりましたが、おわび申し上げます。
 この生活道路という観点で、確かに大きな高速道、また高規格道路、幹線道路、こういったものもすべては必要なんですが、この紀の川市の赤沼田というのは、本当に私自身も、その現場に行かしていただいていろんな状況のお話を聞く中、本当に気持ちのいい方がたくさんいてるなと。
 今回質問をさしていただくということで、前知事のお話も一部引用さしていただきましたが、たまたまそこへお越しになった当時に知事が約束をされたと。それをいまだにずうっと、皆さん待ち望んでるんですね。今の現仁坂知事にそれをどうこうという話じゃないんですが、やはり和歌山県の行政のトップが住民の皆さんにお約束をしたと。これはやっぱり非常に大事ではないかなと。要するに、速やかに、やっぱり履行していこう、たとえ少し時間はかかっても履行していこうというこの部分で、今現在、担当部の道路関係の方が一生懸命行ってはいただいておりますけれども、本当にあそこの7つある1つの町石道をずうっと回ってまいりましたが、非常にいいところでございます。一度知事も御招待したいというふうに思っておりますが。
 そういったところで、要するに、そこに1つ生活道路を整備することによって、限界集落とか言われるように、いわゆるそういったものの回避ができるんじゃないかなというふうに私は非常に感じました。だれか1人中心になる方がそこでそういう、村おこしでないんですけども、そういうことを発想していただいたら、またたくさんの皆さんもお集まりになっていただけるんじゃないかなというふうにも思いましたし、その中には、最低限の対向できるような、そういう道路整備が必要になってこようかというふうにも思っております。どうぞまた、予算がかなり厳しいという部長の御答弁ではございましたが、集中と選択をしていただいて、何とぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 あと、南海電鉄の和歌山市駅の件なんですが、確かにエレベーターとか、今、エスカレーターという話がございましたが、実際にプラットホームにはエレベーターはないんですよ。エスカレーターしかないんです。エスカレーターは車いす対応のエスカレーターであり、そこに複数の車いすの方が一遍におりてきたら順番待ちせな、あそこは利用できないという、こういう駅舎であります。
 和歌山県下でもほんまに乗降客数が2番目に多いという、こういう和歌山市駅に、入り口のところで、改札口まではエレベーターはありますが、その駅構内のプラットホームにはないというのでありまして、どうか済みませんが、またどうぞ当局におかれましては早急に設計をしていただいて、そして駅の改修も含んで、障害者に優しい、そういうまちづくりの一端に一助していただければなというふうに思います。
 以上で、要望という形でさしていただきます。ありがとうございました。
○副議長(坂本 登君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で角田秀樹君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時25分散会

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