平成21年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(中村裕一議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 32番中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕(拍手)
○中村裕一君 質問に入る前に、一言申し上げたいと思います。
 おかげさまで、私は、ことしの秋で県会議員活動20年目を迎えさせていただきます。日常的に、そしてまた、議会を通じて県当局にこんなことをやったらどうか、これについてはどうかというようなことを申し上げてまいりましたが、それに対して、もうやってるというようなお話がございます。しかし、1%しかやってなくても100%やってるような答弁も実はあるわけでございまして、もっと悪いことは、もうやってしまってるからもうやらんでもええというようなことがよくあるわけでございます。
 我々は、それに対して厳しく追及をするわけでありますけども、あんまりそういうことが多いと、もう役所ってこんなもんかなというふうにあきらめかけてる、そういうときに実は、中議員も言われましたけども、7月に知事からのメッセージというのを拝見いたしまして、我が意を得たりという、そういう思いをしたわけでございます。
 ぜひ、知事御自身も含め、いつも県民がどの程度満足をしているのか、それぞれ県の職員の皆さんもその立場で行政をやっていただくことを心から念願をする次第でございます。
 それでは、通告に従いまして一般質問を行ってまいりたいと思います。
 まず最初は、新型インフルエンザ対策についであります。
 9月15日、県内の中高一貫校で突然約500人のインフルエンザが発生し、学校閉鎖となりました。長らく発生件数が少なかった本県にも、いよいよ来るものが来たという感じであり、今後の急増が心配されます。
 さて、選挙で大騒ぎしていたところ、8月28日、厚生労働省は、インフルエンザ患者の報告数が定点当たり1.69になり流行開始の目安1.00を超えたことから、流行シーズンに入ったと判断をして、今後、新型インフルエンザ患者数の急増することに備え、医療提供体制の確保を都道府県等に要請をいたしました。それを裏づけるかのように、新学期が始まった8月31日から9月6日までの1週間で集団感染が2318件発生し、定点調査が2.62になり、9週連続で増加したことが報告されました。さらに、13日までの1週間では、学校や福祉施設を中心に、集団感染が1.4倍の3284件に達しました。
 こうした中、厚生労働省は、9月8日、新型インフルエンザ対策担当課長会議を招集し、重症化を防止するため、ワクチン接種事業に取り組むことにいたしました。
 そこで伺います。
 まず、国から要請のあった医療提供体制はうまく準備できているのでしょうか。特に、病院と診療所の連携や重症患者用のベッド確保について伺います。
 次に、ワクチン接種事業についての見通しはいかがでしょうか。都道府県が医療機関ごとのワクチン配分量を決定するということですが、それは可能でしょうか。また、今回のワクチン接種事業は任意と聞いていますが、優先順位の高い妊婦や基礎疾患を有する人がワクチン接種を受けないときはどうするのでしょうか。
 3番目に、今回の新型インフルエンザは、弱毒性であることが判明したときから世間の対応が緩んだように思いますが、学校以外の役所や企業においても、従業員や職場での感染対策、継続すべき重要業務の選定、従業員の勤務体制の決定など、発生に備えた事業継続計画が必要ではないでしょうか。この際、その普及に努めていただくよう要望しておきます。
 4番目に、今回の新型インフルエンザの流行は、幸い弱毒性でした。しかし、ぜひ手を抜くことなくきっちりと対応していただきたいと思います。そして、いつか必ず発生する強毒性インフルエンザへの貴重な教訓とすべきでありますが、知事の御所見を伺います。
 2番目に、県がん対策推進計画について伺います。
 昨年3月、がん検診の現状と問題点を報告する市民フォーラムに参加いたしました。会場の小ホールは、500名余の聴衆でいっぱいになり、県民のがんに対する関心の強さがうかがわれました。
 そのときに印象的だったのが県立医科大学の尾浦准教授のお話で、マンモグラフィーの普及は進んでいるものの、その読影という画像を読み取る能力がある乳腺専門医が県内に7名しかいないこと、そのため検診をしてもがんが見逃されてしまっていること、さらに精密検査を行うマンモトームという機材が4台しかないことが報告され、がん対策のおくれに大変驚いた次第であります。そして、同月に策定された県がん対策推進計画に大いに期待したところであります。
 最近、改めて尾浦先生にお目にかかったので、その後の状況を伺うと、引き続き読影講習会や超音波検診の勉強会を手弁当で開催していただいているそうでありますが、県当局の対応力不足について御指摘がありました。
 そこで、改めて県がん対策推進計画を見てみますと、2つの全体目標と4つの重点課題を設定し、がんの発症予防、がんの早期発見、がん診療体制の整備・充実、がん医療に関する相談支援及び情報提供体制の整備、がん登録、がんに関する実態把握という分野別施策を実施することにしています。
 しかし、目標を達成するために、具体的にだれがどのようにするのでしょうか。特に、この計画を策定した県自身は、計画の推進に当たり、自主的かつ主体的に地域の特性に応じた施策に取り組むという強い決意を述べていますが、実施するための具体的手順、方法が明示されていません。これでは絵にかいたもちになりはしないかと心配をいたします。
 これまでも、計画の基本施策であるがん拠点病院の指定に当たり、日高病院の申請は困難というだけで、特に支援はありませんでした。本来なら、計画達成のために、日高病院から要望がなくても県が自主的、主体的に応援を行うべきであります。
 さて、県政の大きな目標の1つに県民の生命・財産を守るということがありますが、私は、がん対策こそ、今すぐ行うべき県政の重要課題であると思います。
 そこで伺います。
 本計画には、県民をがんから守るため、がんによる死亡率を10年以内に25%削減することなど、具体的に各分野でたくさんの目標を掲げていますが、それらはいかに達成するのでしょうか。実際に、この1年余でどの程度達成できたのでしょうか。
 また、計画推進に当たり、実務を担うプロが必要になります。以前に防衛や医療など専門分野に熟知した職員を育てる人事を行うよう要請した経緯がありますが、その後の経過はどうなっているのでしょうか。
 知事も、計画の初めに、県民や医療関係者、行政が一体になってがん対策を推進すると述べられていますが、この際、改めて知事のがんに対する意気込みをお伺いするものであります。
 大きな3番目に、リサイクル製品の普及について伺います。
 9月1日、県は認定リサイクル製品の平成20年度使用・購入状況を公表いたしました。これは、県リサイクル製品の認定及び利用の促進に関する条例第10条第2項に基づく公表ですが、そもそもこの条例は、リサイクル製品を認定し、それを利用することでリサイクルの普及とリサイクル産業の育成を図り、循環型社会の創造に資するというものであります。そして、県みずからが率先して認定製品を使用・購入するほか、市町村や事業者、県民にも要請するという、なかなかよくできた制度であります。
 しかし、公表されている県の使用量と購入金額だけを見ていると、仕方なしに条例に基づいてやっているという感じがいたします。市町村や県民に要請するどころか、県自身もどれだけ努力したのかよくわかりません。
 そこで、まず、この条例に基づいて平成17年の施行以来どのような実績があったのか、御報告いただきたいと思います。
 次に、条例がさらに実効性あるものとするためには、努力目標の設定や市町村、県内での使用実績も公表するなど、具体的に制度を充実する考えはないのでしょうか。条例の目標とする循環型社会の創造に向け、県みずからが認定した製品の普及に努力していただきたいと思います。
 4番目に、鳥獣害対策について伺います。
 農山村に人がいなくなり、かわりに動物がふえ、結果的に今や鳥獣害が大変なことになっています。県内での被害額は毎年3億円程度ですが、届け出ていない分を含めるとかなりの額になることが予想されます。行政では、規制を緩和し、補助事業を設け支援していますが、農家の高齢化や人手不足もあって被害は一向に減りません。もはや、電気さくや網などの防御では限度があり、何か新しい方法を見出さねばいけない段階に入ったと考えます。
 最近、日高川町では、県の雇用対策基金を利用し、猟友会員による環境警備隊が発足いたしました。2人体制で担当地区の巡視や駆除、追い払い、被害地、出没状況の調査のほか、ごみの不法投棄場所の確認などを行うそうであります。
 県においても、今年度から果樹試験場で獣害防止技術の実証試験が始まったと聞いております。大いに期待するところでありますが、これまでの成果や研究の見通しについて伺います。
 5番目は、高校新卒者の就職対策についてであります。
 厚生労働省が先ごろ発表した来春卒業予定の高校生の求人・求職状況によりますと、7月末の求人数は約13万5000件で、昨年同期に比べて48.8%と、半数に落ち込みました。調査開始以来最大の減少幅で、求人倍率は昨年の1.31倍から0.71倍に下落し、4年ぶりに1を切りました。
 世界同時不況により雇用情勢が悪化し、新卒者の就職環境は氷河期の再来を心配する声があるほど厳しく、全国平均0.71倍をさらに下回る0.49倍の本県では、今月16日から始まったばかりの就職活動にはさらに厳しい状況が予測されます。
 そこで、教育委員会では、今年度の就職希望者の進路についてどのような見通しを立てているのでしょうか。また、多くの進路未定者が出ると予想されますが、その支援策について伺います。
 最後に、スポーツ振興について伺います。
 この日曜日、御坊市では市民総合体育大会が開催され、私は開会式で、毎年3100億円の医療費はスポーツを楽しむことで減らすことができる、6年後の国体はスポーツ振興のきっかけであり、和歌山県もかつてのような輝きを取り戻そうという趣旨のあいさつを行いました。
 ところが、会場にいたバドミントン関係者から、中学生が県大会で優勝しても学校にクラブがないと全国大会に出場できないことや、指導者が教員でないから試合では選手の監督ができない、目標の高校にクラブがないのでバドミントンをとるか勉強をとるか迷っているというような話を聞きました。同様の話は、以前にもソフトテニスでもあり、その解決方法の1つに総合型地域スポーツクラブがあると答えておきました。
 しかし同時に、私は、2巡目国体へ向けて施設整備費数十億円、ゴールデンキッズ云々と、ふだん聞いている景気のいい話と現実には随分違いがあることを再認識いたしました。高い目標を掲げることは大切でありますが、それを実現するためには、1つずつ施策を積み上げていくことが必要であります。
 そこで、学校のクラブ活動と指導者の問題はなぜ起きるのか。次に、本当に総合型地域スポーツクラブは救世主になり得るのか。その普及、実績についても教育長からあわせてお答えいただきたいと思います。
 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(坂本 登君) ただいまの中村裕一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、新型インフルエンザの関係のうち、医療提供体制でございます。
 本県では、今般の新型インフルエンザ対策において、重症者を受け入れる病床など医療体制の確保は、国の要請のある前から最優先の課題として位置づけて進めてきたところであります。特に8月1日からは、県インフルエンザ対策本部の対象方針に基づきまして、感染者のうち、軽症者は一般の医療機関で外来診療を行い、重症者は拠点病院等で入院治療を行う体制に移行したことから、医師会、病院協会等の協力のもと、かかりつけ医から専門病院、拠点病院に至る医療連携体制の構築を進めてきたところであります。
 また、基礎疾患を有する患者や妊婦、小児患者等の重症者を受け入れる医療機関を確保することが重要であると認識しており、各地域の医療機関や関係団体と連携しながら、必要な病床の確保に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、県民が安心してインフルエンザの診療を受けられるように関係機関と緊密な連携のもと、医療提供体制を確保してまいりたいと考えております。
 全体の教訓ということでありますが、私なりの自分の印象を申し上げますと、5月ぐらいに国内でインフルエンザの患者が出たときに、各県の知事の対応を見ておりますと、私は最も緩やか対応といいますか、そういう知事であったなあというふうに思います。そこからほとんど実は対処方針を変えてないんでありますが、今、最左翼になってしまって、最も厳しい知事だというふうな感じの印象を受けております。
 もっと説明いたしますと、いろいろこのインフルエンザの本質などについて、私どもにも専門家がたくさんいますから、しかもまた国の専門家とも情報交換は簡単にできますので、これについては初めから毒性は大したことはないと。普通のインフルエンザとそう変わらない。だけど、少し変わるところもあるんですけれども。したがって、まずそんなに慌てないでもいいけれども、今は数少ない発生者しかいないんだから、新しい病気なんで免疫のある人は少ない。したがって、かからないにこしたことはないから押さえ込もうと。押さえ込むためのまず手段を講じたわけです。これは、緊急発熱外来と、それから発熱相談センターを組み合わせてそういう体制をつくって、それが当初は結構機能しておりました。これは、もちろん全国的に機能しておりましたけれども、和歌山県も関係者が頑張って押さえ込んだと思います。
 その後、もう一度ぶり返しがあったときに、各県はかなり手を引いていました。それで、特に大阪なんかは、北部ではやったときは、──一番初めですが──例えば緊急事態宣言を出したりしてかなり徹底的にやっていたんですが、泉南地域で第2波の流行があったときは、もう既に考え方が変わっておりまして、和歌山県よりも緩やかになっておりまして、1人1人の患者も余り把握しないというぐらいの感じになっていました。
 その結果、何が起こったかというと、我々は一生懸命押さえ込もうとしていたんですけれども、大阪に通っている生徒さんがいるわけです。この生徒さんが、なかなか学校が対応しないものですから、結構うつってうちへ帰ってくるというようなことが──これは、「ええ、そんなところからもあそこへ通ってたのか」というようなことが後でわかったりしましたが、そういう事態でありました。
 現在は、全国的にもっと蔓延しておりまして、和歌山県もその例外ではありません。一番初めに、まずは押さえ込むけれども、第2幕として、もっとはやってくると、入院を全員にさしてたらとても間に合わないから、したがって重篤の人だけ入院をさして、残りの方は自宅でちゃんと薬を投与して治していただくというふうに切りかえました。
 第3は、一番初めから申し上げてたんですが、一番危ないのは、もともと体の弱い人であったり、あるいは妊婦さんであったり、乳幼児であったりするので、そういう方に対するケアというか隔離とかいうことですか、そういうことについて考えざるを得ない時期が来るということを申し上げておりました。
 現在は、このフェーズ2から3の両方にかかっているところかなというふうに思います。もちろん、重篤な方が出ないように、患者さんについてはきっちり対応しなきゃいけないし、それで、依然として人にうつさないように──今は発熱相談センター制度はなくなりましたけども、事前にお医者様に電話をしていただいて、指示に従って診療を受けるようにというようなことは徹底をしております。
 それから、今、健康局の者が中心になりまして、病院協会とか医師会とよく相談をして、それで体の弱い方にうつさないように、それを今、重点的に頑張ってるところでございます。ただし、もうかなり全国に広がってしまった後でございますので、その努力を必死で続けないといけませんが、どこかでそういう問題が発生しないかと思って、なかなかちょっと頭を悩ましてるというか、冷や冷やしているということでございます。全国的にも幾つか症状が出てまいりました。
 そういうことをやってまいった結果、我が県の発生は比較的低レベルで推移しておりました。しかしながら、やっぱり最近はかなり増加してまいりまして、全校ひっくるめて休校というような学校も出てまいりまして、残念だなというふうに思っております。
 今後、この蔓延期への対応を踏まえて、段階的な取り組みが重要と考えております。
 次は、フェーズ3を徹底的にやるということだろうと思いますが、議員御指摘のように、強毒性インフルエンザの発生がもしあったとしたら、これまでの対応からいろんな勉強を我々もしておりますので、ルート等々はそのまま利用して、相談窓口にある発熱相談センターの役割をもう一度復活させるとか、あるいは発熱外来をもう一回整備し直すとか、あるいは重症者を受け入れる医療体制の整備とか、そういうことについて、これまでの経験を生かしてきちっとやっていかないといかんと思います。
 と同時に、この問題はどうも広域の問題が大事だなあと。和歌山県だけ幾ら頑張っても、どうもやっぱりうつってしまうというところがあって、やっぱり近隣と歩調を合わしてもうちょっとやらないといけないかなと。どうも、一般的に地方公共団体というか、県というか、そういうところは、先ほどのお話にもありましたように、国のほうを見てしまって、それで国から指令がなければ何もしないし、あったらするというのが強いんですが、そんなもんじゃ住民の健康は守れませんから、むしろ自分たちでよく考えて、場合によっては国を使って、それで国に指令を出さして近隣も巻き込むとか、あるいは大阪府なんかとは非常にコミュニケーションいいですから、いろんな議論をして同じようなレベルでやっていくとか、そういうこともやっていかなきゃいけないなあというふうに思っております。
 次に、がん対策でございます。
 本県のがんの死亡率は、御指摘のように全国的に見ても高く、これは大変残念なことだと思います。がん対策は、県民の暮らしの安心・安全を確保していく上で重点的に取り組むべき喫緊の課題であると、議員と同様考えております。そのため、和歌山県がん対策推進委員会などで議論を重ねていただきました。それもまだ続いております。本県のがん死亡率の高い原因を究明して、それを克服していくための効果的な方法とか、あるいは藤本議員御指摘がありましたが、長野県などのがん対策先進県の取り組みも大いに参考にして、総合的な対策を講じてまいりたいと考えているところであります。
 推進委員会で全国の碩学を集めて実は勉強していただいているんですが、どうもちょっと問題だなあと思うところは、検診の問題と、それから喫煙の問題が指摘されています。
 検診の問題については、検診率は和歌山県はそう低くないのであります。ところが、どうもリピーターの人はどんどん検診するけれども、全然検診に応じない人とか、そういう人が結構いるとか、そういう問題があるので、ここのところはてこ入れがぜひ必要だと思って、今後頑張っていきたいと思います。
 それから、喫煙の問題については、県議の皆さんもたばこを愛好される方もいらっしゃると思いますが、なかなかやっぱり、ほかの生活とのバランスとか、そういうこともあります。それから、余り無理にやりますと、例えば学校で休み時間になると、先生が学校からばっと出ていってしまって生徒に笑われるというような、そういうちょっとほかの面で不都合な問題も生じます。
 しかしながら、この問題についても専門家が指摘しているというところもありまして、これから皆さんと御相談しながら、まただんだんと考えていかないといけない、民間の方ともよく相談してまいりたいと、そんなふうに考えているところであります。
○副議長(坂本 登君) 福祉保健部長北田佳秀君。
  〔北田佳秀君、登壇〕
○福祉保健部長(北田佳秀君) 新型インフルエンザ対策及び県がん対策推進計画についての2点にお答えいたします。
 まず最初に、新型インフルエンザ対策のワクチン接種事業の見通しについてでございます。
 今般の新型インフルエンザのワクチン接種につきましては、本年10月末の実施に向け、国においてワクチンの一元的な確保や接種を行う医療機関との契約などが統一的に進められると聞いております。
 ワクチン接種を行う医療機関の確保は、医師会や市町村を通じて行われ、具体的な接種スケジュールの設定や医療機関の在庫等を把握してワクチンの円滑な流通を確保するということは、県の役割として位置づけられております。実際のワクチン配分は、接種対象者数、医療機関の規模等を勘案して行われることになります。
 ワクチン接種につきましては、予防接種法に基づかない任意接種とする方針となっておりますが、接種を推進するため、低所得者への負担軽減策等が検討されております。
 今後、県民に向けてのワクチンの有効性や安全性等の情報を適時適切に提供するとともに、接種対象となる方々にできるだけ多くワクチン接種を受けていただくよう、市町村や医療機関、病院協会、関係機関と協力して積極的に普及啓発を図ってまいります。
 次に、県がん対策推進計画の目標達成への取り組みと進捗状況についてでございます。
 平成19年度に策定しました県がん対策推進計画の目標達成に向けましては、県内外の有識者らから成る和歌山県がん対策推進委員会のがん部位別検討会等で、具体的な方策に関する御提言をいただきながら、がんの発症予防、早期発見、診療体制の整備充実、がん医療に関する相談支援など、一連の対策を進めているところです。
 特に、がんの早期発見は重要であると指摘されたことから、さらなるがん検診の受診率向上に向け、一定期間未受診の県民を対象にした市町村の休日検診などを推進しているところです。
 また、がん診療体制整備に向けて、国のがん診療連携拠点病院に準ずる病院──日高病院もこれに相当しますが──そういったところの県としての拠点病院の指定や医療従事者の緩和ケアに関する専門的な研修を計画的に進めているところです。
 さらに、がんの発生状況や治療情報などを集積、解析する院内がん登録については、本年度から拠点病院以外の病院においても進めることとしております。
 推進計画に掲げる目標は長期にわたるものであり、施策効果は直ちにはあらわれにくいと承知しておりますが、中間の評価を行いながら、今後とも関係者、関係機関の協力のもと、目標達成に向け全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 総務部長宮地俊明君。
  〔宮地俊明君、登壇〕
○総務部長(宮地俊明君) 専門分野に熟知した職員の育成につきましてお答え申し上げます。
 人事異動につきましては、ジョブローテーションによる総合的な人材育成や職場の活性化等の観点から実施しているところであります。
 また、以前から議員に御指摘いただいているとおり、複雑多様化する県民ニーズに適切に対応していくためには、専門的な知識・経験を有した職員を育てることも非常に重要であると考えております。
 このため、特に専門的知識・経験を要する部署につきましては、在職年数にこだわることなく、業務の内容及び状況等に応じて柔軟に対応しており、今後とも専門分野に精通した職員の養成に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 環境生活部長井口悦治君。
  〔井口悦治君、登壇〕
○環境生活部長(井口悦治君) リサイクル製品の普及についてでございます。
 まず、1点目の使用・購入実績につきましては、現在、工事・園芸用資材、事務用品など117社255製品を認定しており、その認定事業者からの報告では、平成17年度から19年度までの3カ年の販売額は19億円余となってございます。
 このうち、県における使用・購入実績は、条例制定以降、平成18年度から20年度までの3カ年でございますが、県の公共工事においては、ほぼ100%リサイクル製品を使用している下層路盤材やその他のり面吹きつけ材等で92製品、約4億5000万円、また物品購入ではトナーカートリッジなどで8製品、約540万円となってございます。
 次に、2点目の認定リサイクル製品の利用促進につきましては、現在、認定製品は県ホームページへの搭載、マスコミへの資料提供などを通じPRに努めているところでありますが、今後とも関係部局、市町村とも十分協議しながら、県内での需要を喚起するため、あらゆる機会を通じて積極的にPRするなど、県内での普及啓発を図り、なお一層制度の充実に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○副議長(坂本 登君) 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 獣害対策といたしまして、果樹試験場において実施をしております獣害防止技術実証試験の成果と今後の見通しということでございますが、果樹試験場におきまして、本年の4月から研究員5名から成る鳥獣害対策チームを設置いたしまして、現在、試験場内においては、忌避剤としての効果が掲げられてございます各種資材の効果試験とか、赤外線カメラによる猿、イノシシなどの行動パターンの把握の分析等の研究を行うとともに、現地におきましては、市町村協議会等の協力をいただきながら、モンキードッグの活用によります猿の追い払いの効果測定などの実証試験に取り組みつつございます。
 今後、こうした試験結果や国、他府県等の研究事例等も生かすとともに、メーカーとの共同研究による捕獲機材の改良を進めるなど、捕獲、防護の両面から鳥獣害防止対策技術の向上を図ってまいりたいと考えてございます。
○副議長(坂本 登君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 高校新卒者の就職対策についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、雇用状況の悪化に伴いまして、本県の高校生の就職状況は極めて厳しく、今後、就職未内定となる生徒ややむなく進学へと進路を変更する生徒が増加することが懸念されます。
 県教育委員会では、就職支援教員等を15校に配置いたしまして、企業訪問等、積極的に行ってきたところでございますが、今後とも就職支援教員等と学校が一体となって、近府県も含めて企業開拓に取り組むよう指導・支援を行ってまいります。
 また、企業との合同面接会につきましては、労働局及び県労働部局等と連携しまして、11月から和歌山、田辺、橋本・伊都地域において実施してまいります。さらに、一般求職者対象の12月のWakayama就職フェア2009におきましても、今年度は高校生にも面接応募の機会が与えられることになりました。
 なお、7月には経済5団体に求人要請を行ってきたところでございますが、重ねて雇用の拡大を図るよう強く要望してまいります。
 さらに、生徒や保護者に過度の不安を感じさせないよう就職情報等の提供や相談活動の充実を図り、生徒が県内外を問わず、みずからの適性を考慮しながら粘り強く就職活動に取り組むよう各学校を指導してまいります。
 県教育委員会といたしましては、今後も関連機関と連携しながら、1人でも多くの生徒の希望がかなうよう取り組んでまいりたいと考えます。
 スポーツ振興についてでございますが、議員御指摘の学校運動部と指導者の問題につきましては、特に中学校の専門指導者が不足してございまして、指導者の適正配置や外部指導者の活用、複数校による合同運動部の促進などに努めてきたところでございます。
 昨年から、きのくにジュニアスポーツ推進事業を立ち上げまして、専門の指導者がいない中学校にテクニカルコーチとして高度な技術指導ができる指導者を8市町23名派遣しております。
 また、子供のスポーツ活動の選択肢を拡大する観点から、中学校の通学区域の弾力化が必要と考えまして、市町村教育委員会代表の検討委員会から提言を受け、ガイドラインを策定いたしまして、来年度からの導入に当たり、各市町村の実情に応じた運用方法や近隣の市町村教育委員会の間での連携・協力について検討いただくこととしてございます。
 総合型地域スポーツクラブにつきましては、現在、県内13市町23クラブが設立されており、今後、総合型クラブが学校運動部がない競技の受け皿となることや中体連主催の大会などへの参加について、関係者の理解を広げていく必要があると考えてございます。
 なお、外部指導者による試合上での指導は、事前に申請することにより、現在は可能となっております。
 今後、学校が地域住民の活動拠点となることや子供のスポーツ活動の機会を保障する視点から、学校と地域スポーツとが互いに補完し、共存できる具体的な連携方策を検討し、平成22年度末までに30市町村に少なくとも1つの総合型スポーツクラブの設立を支援することとしております。
 以上でございます。
○副議長(坂本 登君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(坂本 登君) 再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(坂本 登君) 以上で、中村裕一君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問は、これをもって終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(坂本 登君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
 次に日程第3、議案の付託について申し上げます。
 議案第132号から議案第149号までは、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
 なお、常任委員会の会場はお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 お諮りいたします。9月24日及び25日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(坂本 登君) 御異議なしと認めます。よって、9月24日及び25日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、9月28日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時40分散会

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