平成21年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(岸本 健議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後1時0分再開
○副議長(山田正彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 17番岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕(拍手)
○岸本 健君 議長にお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 先日、このようなお手紙をいただきました。
 「これは1年前の話であります。私の家の近くに聴覚障害者の夫婦がおられました。お2人は夫婦仲もよく、近所づき合いもよく、みんなから慕われており、私も農作業しているときなど、今度新しい自転車を買ったので見てほしいとか、身体障害者で沖縄旅行へ行くとか、今ある話題を笑顔で手ぶり、わからないときは土の上に文字を書くなどしますが、大体のことは書かなくても理解できました。町の身体障害者グラウンドゴルフ大会、その中でホールインワンをしたと私に大喜びで話をしてくれました。 その後、どうしているのかなと思っていますと、医大へ入院したと聞きました。妻とお見舞いに行ったのですが、待合室で30分待ち、車いすに乗って看護師さんに付き添われて待合室に来られました。病気のせいもあったのか、今までの様子とは全然違っていました。私たちであることを気づくと、笑顔を出し、喜んでくれました。しかし、看護師さんが言うには、『この方は私たちになかなか心を開いてくれず、食事も余りせず、意思の疎通ができていない』。病院には多くの人が入院して、仕事も忙しく大変ですが、もう少し愛を持って接してほしいと思いました。 そこで、医大に手話ができる人は何人いるかと尋ねると、総合案内に1人で、各病棟には1人もいないと聞き、大変な驚きです。人間は生まれながらに平等であり、入院したなら先に温かく迎え入れ、心の病を治すことが先で、次に病気を治すことが大切で、病状をどのように医師に伝えるのかを疑問に持ちました。その後、待合室の中では、私たちに心を開き、いろんなことを話されました。食事は3回きちんと食べて、薬も飲んで、早く退院してほしいと切々と話をしました。 家に帰ると、いても立ってもいられず、医大、和歌山県に対して、病院に手話通訳士がどうしても必要であると何回も何回も電話をしましたが、予算等のことなどでと言われ、よい返事はいただけませんでした。その後、その方は亡くなられ、奥様も後を追うように亡くなられました。とてもつらい話です。ただ、お通夜、告別式と紀の川市から通訳の方が来ていただいたことは頭の下がる思いでした」と、このようなお手紙でした。
 私の地元、紀の川市では、平成18年度に施行された障害者自立支援法を受け、平成19年度から手話通訳士を3名体制で支援を行っています。また、平成20年度では1100件の対応件数のうち、約650件が庁舎外での付き添う形の手話通訳を行っているとのことです。特に多いのは病院などへの受診、このほか学校の先生との面談、各種会合への参加、行政機関などへの手続や生活全般への支援を行っています。また、現在22名の資格を持った登録手話通訳者を確保し、同じ日に複数の依頼や職員対応が難しい場合は派遣を行い、対応しています。
 和歌山県において、障害福祉課に1名、各振興局に計8名で、週29時間、週4日の非常勤職員がおられます。聴覚障害のある人の来庁時における手話通訳や県が主催する講演会等における手話通訳などに対応していただいているようであります。
 和歌山県と市町村との対応は規模等で違うかもとは思いますが、突然の対応については困ることが多いように感じました。県有施設については、学校関係を除けば7割、8割はバリアフリー化が進んでいて、今後の耐震化の工事の中でバリアフリーを進めていくとのことであります。ハードについては着実に進んでいくと感じますが、ソフトについては追いついていかないようにも感じます。
 公立大学法人和歌山県立医科大学附属病院は、県内外において重要な病院であります。私のような田舎者にとっては、「医大で診てもらったら大丈夫」のような考えもあります。しかし、このような状況を見ますと少し考え方が変わってまいります。
 和歌山県のホームページを見ますと、トップページの右側に仁坂知事の笑顔の写真があります。その上に、「わかやま医療情報ネット」という項目があります。ここでは、さまざまな条件を入れ、病院を紹介してくれます。大変すばらしいシステムであると感心しました。また、毎月の「県民の友」で、「お気軽にどうぞ」ということで、医療安全相談の電話番号が掲載されています。しかしながら、インターネットをしない聴覚障害者ではどうでしょうか。どちらも何の意味もないものであります。それぞれの立場に立って、その人の目線になって、さらなる広報活動をお願いしたいと思います。
 今回は、特に和歌山県立医科大学附属病院での先ほどの話でありますが、総合案内に1人、各病棟には1人もいないということでありました。看護師不足など、看護師の皆さんは大変忙しく頑張っておられる中、これ以上の負担を強いるわけにはいきません。聴覚障害のある通院患者の場合は、付き添いという形で手話通訳士さんがつくことがあります。
 そこで、和歌山県立医科大学附属病院における手話通訳士の配置並びに各病院における聴覚障害がある入院患者への対応について、また突然の状況にどう対応できるのか、福祉保健部長にお伺いします。
 次に、学校給食についてお尋ねいたします。
 私は、本来、食育というものは家庭で親が子に教えるものである、教えるというより家族で食事をしながら自然と身につくものであると考えます。平成17年に食育基本法案が成立した際に、どうして法律なのかと感じたことがありました。しかし、法律の背景を考えますと、食を大切にする心の欠如、栄養バランスの偏った食事や不規則な食事の増加、肥満や生活習慣病の増加、過度の痩身志向、食の安全上の問題の発生、伝統ある食文化の喪失、以上のようなことが挙げられ、つくられました。
 確かに、近年、ライフスタイルの変化、食生活の変化で、なかなか食育というのは難しいかなと感じるようになりました。やはり毎日の学校給食の役割が大きくなっています。まさに学校給食での食育は、食習慣、食文化を身につけ、健全なる人間を育成する場になっているのであります。
 しかし、矛盾を感じるときもあります。学校給食では、昭和21年から給食に牛乳が登場します。当時は脱脂粉乳であります。その後、現在のような牛乳に変わってきます。
 このような話があります。ある小学生の食事でありますが、お茶ではなく牛乳を飲むというので、おかしくないかと感じました。そうすると、学校では御飯と牛乳やというのです。確かに、私も牛乳給食を受けたものであります。しかし、お茶漬けをするときにお茶というのはわかるが、御飯に牛乳はかけないだろうと話し、また、学校で牛乳を飲まないのも困ると思い、しっかり食べてから牛乳を飲みなさい、そして家ではお茶にしなさいと言ったそうです。
 教員当時に感じたことがあったのですが、好き嫌いはよくない、出されたものは残さず食べる、お米は残さないと親から言われたように思います。私も自分の子供にはそう言います。しかし、学校給食では残してもいいのです。確かに、食物アレルギーなどがあってはいけないとは思いますが、好き嫌いなのかアレルギーなのかよくわかりませんでした。学校と家庭の食育の違いを感じます。学校と家庭との食育の違いを埋めなければならないのではないでしょうか。
 「東京新聞」にこのような記事がございました。「麦ご飯、納豆、焼き魚、おひたし。そんな純和風メニューにも、学校給食では必ず牛乳がついてくる。けんちんうどんの日も、麦ご飯と切り干し大根の日も、ちらしずしの日も、飲み物は牛乳。これってよく考えるとちょっと変? 最近、この組み合わせを見直す動きが出てきた。『あー、喉が渇いた!』。東京都千代田区立九段小学校。2時限目を終えた中休みに校庭で遊んできた子どもたちが、教室に戻って牛乳をおいしそうに飲み干す。そして給食の時間、牛乳の代わりに出たのが冷たい麦茶。それも、生麦を5年生が家庭科の授業で煎った手づくりの麦茶だ。夏休み前のある日のメニューは、まぜご飯、けの汁、魚の姿煮、茎ワカメと小魚の温菜といった純和食。これにはやっぱりお茶が合う。 同校では昨年2月、『和食に牛乳は合うのか?』という素朴な疑問から、給食時に出す飲み物をお茶にする試みを4日間だけ行った。『ただしカルシウム補給の観点から牛乳は外せない』と中休みに飲ませたところ、寒い季節だったため低学年では3時限目にトイレに駆け込む児童が何人か出た。そこで今年度は夏、秋、冬、春先と季節を変えて再試行することに。結果、夏休み前の4日間は大好評だった。同校の栄養教諭・鈴木さんは『戦後、給食が始まった当時はミルクで栄養をつけるという目的があったが、今はむしろ摂取過剰で、海藻や豆類などを使った食物繊維豊富な和食が見直されている時代。『和食にお茶』という日本の伝統的な食文化を伝承し、一方では牛乳も仕方なく飲むのではなく運動した後など飲みたい時に“おいしいな”と思って飲んでほしいと思って始めてみたが、集中力が4時限目までもつなど、予想以上の効果が出ている』と話す。 福島県喜多方市立のある小学校でも、5年前から給食時に牛乳を添えていない。ただし、牛乳は放課後に飲む。同小は18年前から、地元産の有機栽培米を使った完全米飯給食。『和食献立に牛乳は要らない』と栄養士の坂内さんはきっぱり言う。『組み合わせも合わないし、低学年は汁物の量が多すぎておかずやご飯を残してしまう。牛乳を放課後にしてからは、残す量も減りました』」。
 いつまで牛乳給食が続くのか。そもそも牛乳給食が始まったのは、子供たちの成長には動物性たんぱく質が欠かせないという主張から採用されたのでした。現在も必要なのでしょうか。私は、決して牛乳を飲むなと言っているわけではありません。私は牛乳が好きです。朝も飲んできました。学校と家庭との食育の連携はどのようにすべきか、また、牛乳給食についてこのまま続けるのか、食事の時間とは別にするのか、どのようにお考えですか、教育長にお伺いいたします。
 食文化の多くは、その地域でとれる農産物を食材として利用することで成り立ってまいりました。その地で生産される農産物は、昔からそこに住む人にとって体に一番合っていると言われております。これが地産地消の本来の目的であると思っています。学校給食で地産地消をしていくことが重要ではないでしょうか。学校給食に地場産品を活用することは、新鮮で安全な食材を確保することにより安心・安全であるということ、地元の産業に直接還元される経済効果、また学校教育の中で、総合学習や給食指導などで子供たちが生産者と交流し、食の大切さを知り、地元の産業を学ぶことなどで地域理解や郷土、伝統食文化への関心を深める機会になるのではないでしょうか。
 学校給食は、市町村の教育委員会の役割であります。給食現場で県外産品や輸入品ではなく地場産品を優先的に使うには、既存の食材流通を変えなくてはなりません。行政が動いて、きちんとした調査のもとで流通計画をつくれば地場産給食が実現するのではないでしょうか。県内だけではなく、安心・安全、そしておいしい給食のブランド化をし、産地を持たない都市部と契約すれば、自給率はもちろん、和歌山への経済効果も考えられるのではないでしょうか。
 地場産物の活用状況については、品目ベースは平成16年度31.6%、平成17年度33.7%、平成18年度29.4%、平成19年度22.0%と、どちらかというと自給率は下降傾向にあります。平成19年度については全国平均の23.3%を下回る結果であります。もちろん、限られた数の学校への調査でありますし、県内各市町村でも地場産の使用率にも格差があります。この結果がすべてではないでしょうが、余りに悪い。和歌山県の基幹産業は農業であります。この結果は情けないと感じます。
 「食べて元気、わかやま食育推進プラン」では、学校給食における地場産物を使用する割合を平成23年度までに40%に増加するとしていますが、本当にできるのかどうか心配であります。県内産だけでというのは季節や価格等に問題があるかもしれませんが、できるだけ県内産、地場産を使っていただきたい。
 和歌山県の栄養教諭の配置について、平成19年度、20年度は3名に対して、21年度は10名と増員されていることは大変すばらしいことであります。できるだけ栄養教諭の方などの現場の声を教育委員会は聞いていただきたいと願っています。
 未来を担う子供たちにとって、食育、とりわけ学校給食は大切なものであります。私は、食のプロである農林水産部と子供たちの未来をつくる教育委員会とが協力をしながら進めていくべきだと考えています。食育推進にかかわる打ち合わせ会議というのを、JA中央会、県教育委員会健康体育課、農林水産部果樹園芸課と昨年2回、本年度1回と会議をしているとのことですが、さらに連携を密にしながら取り組むべきではないでしょうか。
 私は、教育委員会にも農林水産部にも食育や学校給食についてお話を聞き、いろいろと勉強させていただきますが、どうも温度差があるように感じます。この大きなテーマについて、お互いの思いが違い過ぎるように感じます。たまに聞くことがあります。県庁は横の連携がとれていないのではないかと。また、残念ながら私も感じたことがあります。本腰を入れてプロジェクトチームをつくり、本格的に取り組まれてはどうでしょうか。
 このように強い連携をして取り組むお考えはあるのか、教育長にお伺いいたします。
 また、地場産の食材の確保について、県教育委員会、各市町村の教育委員会でどのような取り組みをしているのか、より具体的にお答えください。
 次に、県立高等学校入試の日程についてお尋ねいたします。
 2007年度に導入された和歌山県立高校入試の前後期制廃止が昨年の9月に決まりました。2009年度入試から1回のみの一般選抜試験となります。一般選抜への移行は10年度以降の計画でしたが、教育長の英断により決定となりました。
 前後期制は、推薦入試を受験できない生徒の間に募った不公平感の解消が目的でありましたが、2008年度前期では7417人が受験し、3990人が不合格という、考えられない結果になりました。1回の選抜試験ならば合格圏内にいる生徒が、前期で志望校に落ち、ショックで同じ学校を受験できないというお話をたびたび聞くことがありました。中学校では、学級運営が困難に陥る問題も生じたようであります。
 この決定につきましてはさまざまな御意見があると思いますが、私は大変すばらしい決定であったと考えています。
 大半の中学3年生にとって、生まれて初めての入試ということで、精神的に不安になり、緊張や不安で落ちつかない状態になってしまうことは少なくないと思います。高校入試を気にして、合格しなかったらどうしようかと落ちつかず、勉強に集中できないようでいらいらする、焦りが出てくる、この状況から逃げ出したい。子供にとっては初めての試練であります。また、中学生にとって高校入試は1つの目標であり、それに向けて一生懸命努力し、乗り越えていく経験をすることも必要であります。
 中学校3年生といえば思春期でもあり、子供たちは心身ともに不安定で、精神的にも不安感が増し、とても難しい時期にいると思われます。その上、初めて体験する高校受験や、それに伴う勉強のストレスは相当大きいことだと考えます。
 和歌山県立高校の入試は、卒業式を終えて数日後に一般選抜学力検査、そして合格発表となっています。大変不安な気持ちで卒業式を迎えなければなりません。子供たちにとっては義務教育最後の卒業式です。学力検査、そして卒業式、合格発表としてはどうでしょうか。合否の不安はあるかもしれませんが、入試を終えて晴れ晴れとした気持ちで卒業式を迎えさせてほしいと願います。
 近畿地方では、京都府、奈良県、滋賀県については高校入試の後に卒業式を迎えています。合格発表前は全員が同じ気持ちなので、子供にとってもいいのではないでしょうか。
 入学者選抜の日程について、義務教育の最終段階を迎えている中学生にとっては、この時期にこそ勉強に力を注いだり、皆が力を合わせて行事に取り組むなど、充実した学校生活を最後まで全うすることが大切だと考えます。今まで以上に入試の事前準備や当日の指導を充実し、生徒を心理的に安定させることができるのではないでしょうか。また、教員や友人と過ごす時間がふえ、生徒指導の充実につながるということはないでしょうか。そして、授業時数の増加が考えられるのではないでしょうか。
 他県のある市では、学習指導要領の定める標準時数をクリアできていないケースもあると聞きます。幸い和歌山県内の中学校では、中学3年生の授業時数980時間に対して1000時間を超えているとのことであります。現場の先生方の努力によるものだと考えます。
 しかし、平成24年度以降、新課程になり、授業時数が1015時間になるとのことであります。中学3年生にとっては、学校行事等も多く、大変厳しい状況も考えられるのではないでしょうか。授業時数確保のためにも変更をしたらどうでしょうか。
 高校入試の日程について、学力検査、そして卒業式、合格発表という流れに変更できないのか。昨年同様のすばらしい決断をお願いしまして、教育長の御所見をお伺いいたします。
 最後に、中高一貫教育についてお尋ねいたします。
 現在、県内の中高一貫教育校につきましては、連携型を3校、併設型を5校設置されています。設置率としては全国的にも非常に高い設置率で、和歌山県は先進県であるとも考えられますが、教育長は以前に「県内すべての地域の要望を満たすまでには至らないものの」という答弁をされています。そのとおり、希望を満たしておりません。このことを考えると、果たして先進県なのかと首をかしげてしまいます。
 県立高等学校再編整備計画案への県民意見募集(パブリックコメント)等の概要とこれに対する和歌山県教育委員会の考え方、これを拝見しました。「中高一貫教育校の設置について」という項目を見ますと、やはり設置していない地方から設置の要望が出てきています。
 さきの和歌山県長期総合計画策定に際し、市町村長等の意見聴取の会議を開催された際、岩出市長と紀の川市長が協議をして、ぜひとも那賀地域に中高一貫校を設置していただきたいとの意見が出されたと伺っております。岩出・紀の川両市民、保護者の皆様が強く要望しているからであります。また、本年度はこれからでありますが、昨年9月4日に那賀地方PTA連合会進路対策部との懇談会をお持ちいただき、懇談会の中で、那賀地方PTA連合会進路対策部から中高一貫校の設置要望があったとも御承知いただいていると思います。
 和歌山県内の人口が減少している中で、特に中学校3年生の人口の推移を見ていきますと、県全体としては急激な減少傾向が見られますが、那賀地方についてはほぼ横ばいで推移しております。また、平成16年度から21年度については、県立中学校への入学者がほぼ毎年増加しています。それだけ希望者が多いと推測できます。那賀地方と海草地方については、普通科だけしかないためか、さまざまな要因があると思いますが、ほかの地方へ流れる生徒が他の地方と比べて異常に多いようにも考えられます。子供たちは地元の学校へ通えることが一番いいのではないかと私は考えます。
 昨年の6月の一般質問、教育長は、県立中学校のあり方について評価、分析を行うなど、検証のための委員会の設置を進めていると答弁をいただきました。ようやく中高一貫教育協議会なるものを立ち上げられたと聞きました。そして今春、中高一貫校では最初の卒業生が巣立っていきます。この結果も踏まえ、検討されると思います。
 教育長は、以前、同僚議員の質問に「第1期実施プログラムが終了する平成21年度以降につきましては、既設校の教育内容やそのあり方について、一定の時間をかけて評価、分析を行います」と答弁されています。今度はどれくらいの時間をかけて検証されるのでしょうか。設置を希望する子供たちはいつまでも待つことはできません。
 教育長は、「今後の第2期実施プログラムの中で、地元市町村や保護者、学校関係者等の意見を幅広く多角的に伺うとともに、地域の実情やニーズ等を勘案し、未設置の地域について総合的に検討してまいりたいと考えております」とも答えられています。
 那賀地方には公立高校が3校もあります。那賀地方に中高一貫校の開設計画がないのは大変不思議であります。地元の皆様の意見を尊重され、第2期実施プログラムの中に位置づけをし、ぜひとも那賀地方に開設されますようにお願いを申し上げます。
 最後の質問であります。中高一貫教育協議会について、構成や、どのような協議をされ、どのような進め方、また位置づけなのか、教育長にお伺いをいたします。
 以上をお尋ねしまして、私の質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(山田正彦君) ただいまの岸本健君の質問に対する答弁を求めます。
 福祉保健部長北田佳秀君。
  〔北田佳秀君、登壇〕
○福祉保健部長(北田佳秀君) 和歌山県立医科大学附属病院における手話通訳士の配置並びに各病院における聴覚障害がある入院患者への対応についてでございます。
 県立医科大学附属病院には手話通訳士等は配置されておらず、現在、配置する予定はないとのことでございますが、市町村が実施主体となるコミュニケーション支援事業や和歌山県聴覚障害者情報センターを初めとする関係団体の手話通訳士等派遣制度の活用を検討し、患者さんによりよい医療サービスが提供できるよう努めるとのことでございます。また、県立医科大学附属病院を初め県内の各病院には、聴覚に障害のある方の入院時における対応として、読みやすい文章、イラストなどを使った筆談や身ぶり手ぶりといった方法で意思疎通を図っているところでございます。
 なお、入院患者が緊急に手話通訳士等を必要とする場合の対応は、既存の派遣制度では困難な状況でございます。県といたしましては、各病院に対し、聴覚に障害のある方の視点に立って、手話通訳士の関係団体と連携した対応を依頼してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(山田正彦君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 学校と家庭との食育の連携及び給食における牛乳についてお答えいたします。
 学校給食を通じて子供たちは食事のマナーや栄養バランスのとれた食事のとり方等を習慣づけることができ、これを生きた教材として活用することは望ましい食習慣が身につくことと考えます。このような学校給食の意義や家庭における食生活の大切さを啓発するため、従来から給食だよりの作成や試食会の開催を通じ、各学校で取り組んでまいりました。今後とも、一層保護者の食育への関心を高め、学校、家庭、地域が一体となった取り組みを推進してまいりたいと考えます。
 また、学校給食における牛乳の提供につきましては、日常の食生活におけるカルシウム不足を補うため、成長期の子供たちにとって大変重要であると考えております。
 なお、提供方法や献立内容、調理方法等については、議員御指摘の例も踏まえまして、今後、さまざまな工夫ができるよう研究してまいります。
 次に、学校給食への地場産物の活用につきましては、学校における食育の推進の大きな柱と考えております。御質問の平成16年度から平成19年度の調査結果につきましては、県内8カ所の抽出調査でありまして、調査対象となる施設すべてを平成20年度に調べたところでは、28.6%という結果を得ております。
 「食べて元気、わかやま食育推進プラン」における目標値40%の達成に向けまして、今後とも食育推進会議を初めとして、さまざまな取り組みを通して農林水産部との連携をさらに強めてまいりたいと考えます。
 また、具体的な例といたしましては、紀の川市において、学校と農業グループ、JAが連携をした学校給食への地場産物の活用を推進している先進的な取り組み例等がございます。このような取り組みを県内に広く紹介し、学校給食への地場産物の積極的活用を推進してまいります。
 次に、高等学校入学者選抜の日程につきましては、特別選抜、一般選抜、追募集及びそれらに係る入試事務に要する期間などを勘案して決定をしてございます。
 議員御指摘のように、中学生にとって、卒業式を含め義務教育最後の学校生活を有意義に送ることは大変重要なことであると考えます。このたびの入学者選抜のあり方については、県立学校長会、中学校長会、県立高等学校入学者選抜協議会等におきまして御意見を伺い、現在検証を行っているところです。
 今後も、この制度がよりよいものとして定着していきますように、多方面からの意見を聞くとともに、他府県の状況等も把握しながら、入試日程について必要な検討を行ってまいりたいと考えます。
 次に、中高一貫教育校につきましては、県立高等学校再編整備計画の第1期実施プログラムなどに基づきまして、現在、連携型3校、併設型を5校設置しております。併設型の中学校につきましては、平成16年度に設置して、今年度初めて高等学校の卒業学年を迎えたところでございます。
 このような中、中高一貫教育による成果や課題等について検証を進めるため、有識者の方と設置地域の教育委員会及び公立中学校の代表の方や県立中学校の管理職等による中高一貫教育協議会を設置いたしました。先般、1回目の協議会を開催したところでございますが、今後、現在設置されている学校の教育内容やそのあり方につきまして評価、分析を行うとともに、県立中学校設置後の地域の状況などについても検証を進めてまいりたいと考えております。
 協議会における検証や、さまざまな御意見等を踏まえまして、県立中学校のあり方や設置について十分に検討を重ね、県立高等学校再編整備計画の第2期実施プログラムの中で適切な対応に努めてまいります。
 以上でございます。
○副議長(山田正彦君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(山田正彦君) 再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(山田正彦君) 以上で、岸本健君の質問が終了いたしました。

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