平成21年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(花田健吉議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前10時0分開議
○議長(大沢広太郎君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第108号から議案第127号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 11番花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○花田健吉君 おはようございます。
 きょうは、たくさんの県民の皆さんに傍聴していただきまして、本当にありがとうございます。心から御礼を申し上げます。
 議長のお許しをいただきましたので、早速一般質問に入らせていただきます。
 まず、環境問題について、特にCO2削減について、当局の認識と具体的な削減方法についてお尋ねをいたします。
 近年、世界各国の間で温室効果ガスをどのように削減し、地球温暖化に歯どめをかけるかが大きな議論を呼び、共通の政治課題になっています。私たちの住む地球を、未来の子孫のためにどのようにして環境を維持して残していくのか、今まさにその責務を問われているのです。さらに、世界は現在、金融危機に端を発した大不況に見舞われ、我が国経済も大変厳しい状況が続いています。自動車産業や家電産業等、主力産業の不況、低迷による派遣社員の大量解雇に伴う雇用問題が大きな社会問題になっていることは御承知のとおりであります。
 そして、その経営難を反映して民間企業の給与やボーナスが下がり、それに合わせて、人事院勧告を受けて公務員の給与及びボーナスもこのたびカットすることが、さきの臨時県議会において可決いたしました。当然、仁坂知事初め議会も相応の削減をいたしました。それぞれの御家庭においてはいろいろ御予定もあったと考えますが、御理解と御協力をいただき、一刻も早い景気回復に私たちは全力を尽くさなくてはなりません。
 しかし、そんな厳しい経済状況の中ではありますが、環境関連産業については追い風が吹いております。我が国の環境技術は世界一高いと認められ、またアメリカを初めとする各国も経済対策と環境対策がリンクし、相乗効果を発揮し始めているからであります。今までは、環境対策は経費がかかるというイメージがあり、どうしても経済を優先しがちでしたが、ことしになって、自動車産業はハイブリッドカーの売れ行きが好調ですし、現在、それぞれの自動車メーカーも省エネ車の開発、販売促進にしのぎを削っており、売り上げの牽引役を果たしています。地球環境を維持するため、必要な経費はかけなくてはならないというコンセンサスが消費者にもできつつあります。
 麻生首相は、先般、我が国の2020年までの温室効果ガス削減の中期目標について、2005年比で15%減とすることを発表いたしました。この15%減は、太陽光発電や省エネなど、国内での削減努力を積み上げたもので、外国との排出権取引や森林吸収分は含めないものとなっております。中期目標をめぐっては、経済への影響を懸念する日本経団連が2005年比4%減の目標を求める一方、環境相は21から30%減を主張していますが、京都議定書の議長国として、欧州13%減や米国の14%減を上回る15%減を目標としたところであります。首相はまた、100年に一度という経済危機の中でも地球温暖化対策の手を緩めてはならない、中期目標の設定では環境と経済の両立に配慮したと述べております。
 地球温暖化は、我々人類が産業革命以来さまざまな活動により人為的につくり出した問題であり、我々人類の手によって解決されなければなりません。地球温暖化対策には主要排出国の全員が参加し、京都議定書の議長国であった我が国がそのリーダーシップを発揮しつつ、国民の皆様の理解と協力を得ながら、環境と経済を両立させるさまざまな政策を実施してまいらねばなりません。
 本県では、平成18年に和歌山県地球温暖化対策地域推進計画を策定しております。目標年度を2010年とし、和歌山県内における目標年度の温室効果ガス排出量を1990年比3.9%削減し、森林の吸収量を6.7%確保し、あわせて国の6%を上回る10.6%の削減を目指しております。そして、今回国において2020年までの中期目標が新たに設定されたわけでありますが、これを受け、本県としても新たな取り組みが必要であると思います。
 そこで、平成18年、和歌山県地球温暖化対策地域推進計画を策定して以来、当局は具体的にどのようなお取り組みをされたのか、また今後どのようなお取り組みをされるのか、知事に御所見をお伺いいたします。
 また、地球温暖化防止対策は、産業界だけではなく、私たちみずからもCO2削減に取り組まなくてはなりません。環境省が「みんなのCO2削減アイデア」という企画で募集したところ、1000件を超えるアイデアが寄せられ、環境大臣賞は「休日は地元で遊ぼう!」が選ばれたそうであります。遠くへ旅行したり出かけたりすると、地方ではどうしても車を使うのでCO2を排出してしまうからです。近くの公園や名所に徒歩や自転車で行けば、地元のよさが再認識でき、知り合いもふえ、2次効果として、そこからボランティア活動に参加する機運も広がるというのです。
 また、職場での取組部門賞では、岐阜県庁の「通勤時のマイカー相乗り、月3回、チーム・マイナス6%は楽々達成、みんなでにっこり」という企画がアイデア賞を受賞しています。早く家庭に帰る日をつくり、その日は仕事場へ車で相乗りで往復するという企画です。同じ建物に勤める同一方向からマイカーで通勤してる有志を募り、チームを編成し、県職員アパートや最寄りの出先機関に集合し、1台の車に乗り合わせ、通勤の途中は部局の打ち合わせや意見交換の場ともなり、さらに交通渋滞の緩和にもつながるというのです。実践結果として、1回の取り組みによるCO2の削減量は、参加人数29人、9コース、走行総距離918キロメーター、リッター当たり2310グラムのCO2が発生するとして、212キログラムのCO2削減になったと評価されています。
 その他、さまざまなアイデアが応募されています。だれでも簡単にできる事柄もありますし、本当に少し気をつければ、みんなで取り組めば実現できそうなアイデアが多かったと思います。
 そこで、当局においても、今まで以上にCO2削減について県民にPRし、具体的に実行していかねばなりません。県庁は、多くの人々が勤務し、県民の皆さんもたくさん集まります。また、県内各地に多くの施設も保有しています。言いかえれば、CO2の排出量が一般の事業所や家庭よりはるかに多いということでもあります。反面、そのスケールメリットを生かせばCO2削減に大きく貢献できるということでもあります。知事や当局は、みずからCO2削減に模範を示し、率先して実行していけば、県民への理解も深まり、大きなPR効果が期待できます。
 そこで、知事にお伺いをいたします。
 知事は、知識も豊かで見識も広い方ですので、既に見たり聞いたりしてると思います。2月議会の所信表明にLED防犯灯の活用について触れられていましたので、蛍光灯にかわるLED照明灯が現在急ピッチで各メーカーにおいて商品開発されてることは御存じのことと思います。このたび、シャープが家庭用LED照明灯を開発し、今年度中には500億円の売り上げを目指すと報道されていました。
 そこで、当局にお伺いいたしますと、本庁内の蛍光灯の数は約8000本あるとお聞きいたしました。出先機関や病院、学校等を含めると数万本になるのではと思います。現在、事務所等で一般に使用されてる蛍光灯とLED照明灯をCO2排出量で比較すると、1年間で、蛍光灯は99キログラムですが、LED照明灯は約半分の52キログラムとなります。ちなみに、1年間の消費電力について申し上げますと、蛍光灯は234キロワット、LED照明灯は123キロワットであり、1キロ当たりの電気の購入金額で異なりますが、約半額になります。また、蛍光灯であれば5年間に2回程度交換しなくてはなりませんが、LED照明灯は最低5年以上取りかえなくても済み、交換する労力も費用も削減できます。
 ちなみに、8000本の蛍光灯をLED照明灯にかえると、1年間で37万7264キログラム削減できるそうです。また、LED照明灯に1本かえるだけで、約12本の杉を植林したと同じCO2削減効果があるとも言われています。さらに、蛍光灯はガラス製品ですから、廃棄時、割れたりして危険ですが、LED照明灯はプラスチック製なので、持ち運びにも安全で、なおかつ再利用も可能だそうです。
 このように、LED照明灯は地球環境に優しい次世代の照明器具と言えますし、具体的にCO2削減数値が示せるのも説得力があります。まだまだ1本当たりの単価が高いのですが、5年間のイニシャルコストとランニングコストを合計すると、LED照明灯のほうが少しまだ高い程度であります。これは現在生産量が少ないためにコスト高になっているのであって、ある程度の数量が生産ラインに乗ればもっと安価になると思いますし、携帯電話やハイブリッドカーなどは富裕層がリードしましたが、今回の地球温暖化にかかわるCO2削減についてとなると、やはり公的機関等が初期投資を進め、一般企業や家庭に普及するためのリーダーシップを発揮していくべきではないかと考えます。
 LED照明灯の県有施設への導入について、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、去る6月9日から取り組まれているネットパトロール事業に関連し、青少年の有害情報についてお尋ねをいたします。
 今やインターネットは現在の社会になくてはならない貴重な情報源となっていますが、このインターネットが我が国に普及し始めたのは1990年代で、私の感覚で言いますと、ちょうど平成の時代に入り、急速に普及したという感覚を持っております。インターネットの爆発的な普及により、世界じゅうの情報が一瞬にして手に入る便利な時代になったわけですが、同様にさまざまな問題も出ております。
 携帯電話やインターネットが広く普及したネット社会は、詐欺や不正請求事案が後を絶たず、ネットを悪用する事案が激増し、便利な反面、ネットの弊害部分も顕著になってきております。特に、青少年の健全育成という観点からは、ネット上のいじめ等や出会い系サイト、アダルトサイト等の有害情報のはんらんなどがインターネットの弊害部分として大きな問題となっているのが現状です。現実に青少年が児童買春などの被害に遭っており、まことに憂慮すべき現状となっております。また、実際にネットを利用している子供たちの情報モラルの低下や、大人より子供のほうがネットに関する知識が豊富で、大人が子供についていけない子供たちのネット利用の実態に、大人の目が行き届いていないということなども大きな問題であります。
 和歌山県においては、公立校で把握したいじめ事案総数が平成18年度に269件で、平成19年度には133件と半減しているものの、その総数の中でネット上のいじめ等の占める割合は、平成18年度4.5%から19年度9.1%と倍増したとお聞きしております。これらネット上のいじめが占める割合は、ますますふえるのではないかと危惧しているのは私だけではないと思います。
 今回のネットパトロール事業は、インターネット上の青少年有害情報対策として必要不可欠な取り組みであると評価するところでありますが、改めてネット社会の現状を考えたとき、これらのネット問題は、片手間ではなく本腰を入れて取り組んでいかなければならない重要な問題であると感じているところであります。
 そこで、知事にお尋ねをいたします。
 知事は、このネットパトロール事業を始めるに当たり、ネット問題に対してどのような認識を持って取り組まれたのか、また、この事業を通じてどのような効果を期待しておられるのか、お伺いをいたします。
 同じ観点から、青少年の携帯電話やPHS端末から有害サイトにアクセスできないフィルタリングという機能があることは御承知のことと思います。ことしの4月1日から、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律が施行されました。18歳未満の子供が携帯電話を購入する場合は、保護者が販売店に伝えることが義務づけられたほか、販売店も保護者が拒否しない限りフィルタリング機能をつけなければならないとなっています。携帯電話購入時、県内の販売店がこの法律の意義を保護者に詳しく説明し、必ず設定すれば、ある程度有害サイトへのアクセスから青少年を守れると思います。しかし、本法施行前の昨年度の統計によると、フィルタリングの設定が40%程度しか青少年の携帯電話に普及していないとお聞きいたしました。
 本県においても、青少年を巻き込む児童買春や児童ポルノ等、昨年は7件発生していますが、それは氷山の一角ではないかと危惧いたしております。青少年犯罪の入り口にもなっている携帯電話の出会い系サイトやアダルトサイトとの接点を断ち切るために、和歌山県においても、販売時、フィルタリング機能の設定の義務化を青少年健全育成条例につけ加えるぐらいの積極的な取り組みがあってもよいのではないかと考えますが、いかがですか。
 また、上記法律の趣旨から申し上げますと、既に青少年が所持している携帯電話でフィルタリングの設定されていない──先ほど申し上げた60%になりますが──携帯電話について、今後どのように対応されるのか、あわせて環境生活部長にお伺いをいたします。
 次に、教育長にお伺いいたします。
 まず、昨年度の県立高校の入学試験の結果について分析を行ったと思いますが、結果、来年の高校入試にどのような課題が残されたのか、お伺いをいたします。私も、さまざまな観点から研究させていただきましたが、次の3項目に分けて質問をさせていただきます。
 さて、ことしの入試制度についてであります。もちろん、結果については、もう6月ですので、既に教育委員会においてはいろいろな角度から詳細に分析されていると思います。地域によっては若干のばらつきがありますが、全県的に生徒の普通科志向が大変強いことが顕著に出ています。1回目の本試験の各高校の普通科は、ほとんど定数を大きくオーバーしております。反面、定数割れした学校を見ますと、機械、電気、施設園芸、その他実業学科で定数割れが目立ちます。また、理数科、国際科にも少し定数割れがあります。
 そこで、毎年、普通科志望だった生徒は一般入試で合格できなかったとき、どのような選択肢があるのでしょうか。追試験の学科はほとんど実業科であります。普通科を希望していた生徒が果たして実業科になじむのでしょうか。
 近年、中途退学者が平成15年501人、16年546人、17年498人、18年445人、19年492人、中途退学しています。全日制の高校2校分の生徒が毎年やめています。理由別で見ますと、15年は162人進路変更、学校生活・学業不適応で189人、合計351人、16年は合計408人、17年は合計383人、18年は合計343人、19年は合計361人、退学の理由として挙げています。勉学についていけなかったという学業不振が理由の生徒は、15年が87人、16年は51人、17年は32人、18年は54人、19年は69人であり、その他経済的理由や体調不良、不良行為等で退学する生徒は数人程度であります。定時制でもほぼ同じ傾向が見られます。しかし、大半の高校の普通科では、それぞれ数人程度しか中途退学者が出ていません。この統計の中から、現在の普通科志向がことしだけの傾向ではなく、かなり以前から続いている顕著な傾向であることが読み取れます。
 そこで、このような普通科志向が大変強い生徒のニーズに対して、今まで県教委はどのように分析し、対応してこられたのか、教育長にお伺いをいたします。また今後、普通科への進学ニーズに対してどのように対応していかれるのか、お尋ねをいたします。
 2点目は、普通科では一昨年、前期3割、後期7割の2回に分けて行われていた入試制度を改める過程の中で、どのような議論を重ね、ことしの一斉入試制度になったのか、その理由と結果について教育長に御答弁をお願いいたします。私は、前期・後期試験の制度は推薦入学制度の延長線にあったと考えています。
 では、そもそも推薦入学制度はいつから行われたのかとお伺いいたしますと、昭和54年度までさかのぼります。当時、実業学科へ導入いたしましたが、31年間、推薦制度はうまく機能していたと考えられます。平成14年に県立高校すべてに推薦制度が導入されるわけですが、普通科にも推薦制度が導入されると、中学校内の選抜過程の中で競争が激しくなり、先生の個人的な感情が入ったりするのではないかといった声や、生徒本人の自己評価と学校側の評価に食い違いが生じ誤解を招くなど、本来の趣旨から大きく逸脱し始めたので、わずか5年で見直さなくてはならない結果となりました。ここでも、県教委は生徒たちの普通科志向の強さを見誤ったのではと思わざるを得ません。
 そこで、推薦制度を改めて、公平で公正な制度をということで、現在、一般の大学入試でも採用されている前期・後期試験制度を導入したのではと私は考えていました。しかし、前期試験の定数が3割と推薦制度の定数をそのまま引き継いだため、大量の前期試験不合格者が生まれた状況に加え、後期試験までの期間が余りにも短期間であるため、進路指導の時間的余裕がなく、生徒はもちろんのこと、保護者や中学校の校長先生初め、進路指導の先生、担任の先生に大きな戸惑いと精神的負担をかけているとの観点から、見直しを求めたものであります。
 私は、一般質問でも、予算特別委員会でも、前期・後期試験制度のそのものは評価をいたしました。問題は、前期・後期試験の定数の割り振りを大学入試のように前期8割、後期2割程度にしてはと申し上げたわけであります。しかし、県教委は、ことしの入試制度を、私も想像もしていなかった推薦制度採用以前の昭和53年度までタイムスリップいたしました。この入試制度は、大変多くの積み上げられたデータと学校現場の情報交換が必要不可欠となってきます。
 そこで、今回の入試制度の変更において、導入過程で大変な議論を重ね、各方面の皆さんからも御意見等もいただき、導入されたことと考えます。そこでどのような議論が行われ、今回の入試制度の導入に至ったのか、お答えをください。そして、ことしの入試結果を見て、教育長の御感想と今後の問題点があればお答えをください。
 3点目は、学区制についてお尋ねをいたします。
 学区制は、戦後の法律により置かなければならない制度として定着し、昭和54年に和歌山市を南北2学区に分け、それまでの8学区から9学区に制定いたしました。平成15年度入試から法律の義務規定がなくなると、諸般の状況を考慮して学区制を廃止したとお伺いをいたしました。全国的に見ますと、学区制があるところは、平成20年度、1道2府28県の31道府県であり、はるかに多いのです。また、近畿で見ますと、滋賀県と奈良県が学区制を撤廃し、大阪府、京都府、兵庫県は学区制をしいています。
 そこで、学区制を撤廃した我が県の昨年の生徒の進学時における郡市別の流入・流出についての統計を調べてみました。伊都郡へ流入した生徒は、那賀郡から177人、その他14人です。那賀郡へ流入した生徒は、伊都郡から17人、和歌山市から138人、海草郡から41人、その他16人です。和歌山市へ流入した生徒は、那賀郡から208人、海草郡から162人、有田郡から90人、日高郡から33人、その他108人。海草郡へ流入した生徒は、那賀郡から22人、和歌山市から61人、有田郡から52人、その他7人。有田郡へ流入した生徒は、和歌山市から12人、海草郡から49人、日高郡から52人、その他11人。日高郡へ流入した生徒は、有田郡から10人、西牟婁郡から138人、その他29人。西牟婁郡へ流入した生徒は、日高郡から79人、その他23人。東牟婁郡へ流入した生徒は、西牟婁郡から32人、その他11人となっています。
 では、どうして隣の郡市に進学するのでしょうか。隣の郡市に特別進学したい理由や学校、学科があるのでしょうか。県教委は、現在もそれぞれの郡市に普通科、実業科、定時制をバランスよく配置し、生徒たちのニーズに十分こたえるだけの体制を整えています。ある郡には普通科がないとか実業科がないというわけではありません。
 私の地元の話で恐縮ですが、ことし、御坊・日高地方は、かつてないほどの普通科の定員がオーバーいたしました。その数、59人であります。なぜ、例年に比べ普通科で大量の不合格者が出たのでしょうか。御坊・日高地域において、一昨年は西牟婁郡から147人流入し、107人流出しています。ことしの流入は138人でほぼ横ばいなのですが、流出が79人と例年より少なかったのです。ちまたでは、今回の一斉テストによる不安からと、経済不況の中、見通しが立たないので比較的通学費のかからない地元校を選んだのではと推測が飛び交っています。
 このように、学区制撤廃は、その時々の時代背景や社会経済情勢が生徒の進学志向に影響を及ぼし、高校入試の現場に混乱を招くおそれがあります。県教委もまた、教員の配置やクラスの編成等、毎年大変苦慮されてるのではと考えます。紀南地方においては、学区制の廃止は学校の選択肢が広がる反面、学力面での競争が激化し、地元の高校から押し出されている生徒も出ています。学区制があっても、生徒のニーズに合わせて、勉学やスポーツに特別な才能が認められた生徒や、個人的な理由も含め郡外の学校を希望する生徒には、校長先生や市町村の教育委員会が保護者とよく相談して特別に許可を与えればいいのではないでしょうか。見知らぬ郡外の高校への進学は、友人、知人のいない不安や、長距離通学による肉体的な負担や保護者の経済的負担を考えると、学区制の廃止が本当に生徒たちのニーズを満たしているのか疑問に感じます。
 一昨年、前期・後期試験が導入された際、前期試験で不合格となった生徒が、競争率の高い日高高校の総合科学科及び普通科を避け、紀央館高校の普通科を志望したため、日高高校が定員を割り、特に総合科学科が大きく定員割れをいたしました。一方、紀央館高校の普通科は30人以上の不合格者を出してしまったのです。昨年も同様の事態が起きました。
 そこで疑問に思うのは、ことしの御坊・日高地方の生徒数が急激に減ってもいないのに、なぜ日高高校の定員が1クラス減らされたのかということです。制度の欠陥で、一昨年、昨年、日高高校は定員を割ったのですから、制度が変わればもとに戻ります。その結果、ことし、当然ながら日高高校でたくさんの不合格者が出てしまいました。
 まことに恥ずかしながら、私は日高高校が1クラス減らされることについて何も知りませんでした。県教委の事前の説明もありませんでしたし、残念ながら郡市のPTA連合会からの御相談もいただけませんでした。一般入試が終わり、たくさんの不合格者であふれ、生徒たちの進学するところが確保できないとPTAの保護者会の皆さんからお聞きするまでは、何でこの地域だけことしあふれたのかわかりませんでした。学区制がないために毎年西牟婁郡に進学すると予想していた生徒が地元高校に進学したためと推測するのですが、さらに日高高校の定員も1クラス分減らされていたのが大幅にあふれた原因だと、後で保護者会の人にお聞きをいたしました。
 緊急措置として入試後に若干名上乗せをしていただきましたが、不合格になった生徒は追試験を受けることになり、先ほども述べましたが、普通科を希望していた生徒は、定数に満たない希望外の実業科や、通学不可能で、しかも寮も満杯、下宿させてくれる家もない高校しか選択肢がありませんでした。
 そこで、教育長にお伺いをいたします。
 現在の生徒の進学に対するニーズは、郡外の学校の選択ではなくて学科の選択ではないかと思いますが、いかがですか。最初の質問と関連いたしますが、学区制のあり方と切り離せませんので、あわせてお答えください。
 そして、来年の御坊・日高地方の入試状況を教育長はどのように見通しているのでしょうか。学区制がない以上、毎年不確定な要素がつきまといますが、ことしのようなことが二度と起こらないと保証できるのか、お答えをください。
 さらに、再来年度は日高高校附属中学校から総合科学科に2クラス入学しますが、日高高校のクラス編成が、現行、総合科学科1クラス、普通科4クラスですので、クラス編成を変えないということであれば、一般入試の普通科クラス枠を1クラス減の3クラスにするのですか、御答弁をお願いいたします。
 次に、阪和自動車道の夜間割引について、仁坂知事の御意見をお伺いいたします。
 私たちの命の道であり、産業の道、観光の道として、本当になくてはならない大切な道路である高速道路が田辺市まで延伸し、さらに田辺市からすさみ間は国の直轄事業に採択され、現在、順調に用地買収が進んでいることとお伺いしています。紀南にお住まいの方々の御不便を思うとき、より一層の御尽力を関係各位にお願いし、一日も早い完成を期待する次第であります。また、このたび土日祭日は1000円という割引制度も大変好評で、ことしのゴールデンウイークは白浜を初めとする観光地も大変にぎわったとお聞きしております。
 しかし、一方では、長峰トンネル付近を先頭に御坊南インターチェンジまでの24.8キロメートル渋滞し、お帰りの観光客の皆様に大変な御迷惑をおかけいたしました。一刻も早い4車線化が望まれるところであります。現在、海南─吉備間の4車線化の工事は着々と進捗していますが、さらに南に向かって4車線化を推進していかなければなりません。
 また、このたび経済不況の対応策として政府は15兆円にも及ぶ補正予算を計上いたしましたが、その中には御坊─田辺間の4車線化の工事費745億円も含まれており、地元選出の二階俊博経済産業大臣を初め、与党国会議員の先生方に心から感謝と御礼を申し上げたいと思います。この区間は、用地買収のとき既に将来を見据えて4車線分の用地を買収していたため工事費がついたのでありますが、改めてその先見性にも敬意を表したいと思います。引き続き、近畿自動車道紀勢線湯浅─御坊間の早期4車線化にも、仁坂知事のより一層のお力添えをお願い申し上げます。
 私たちの紀南地域は、農林水産業を主力に、最近は企業誘致も進む中、いろいろな農産物や水産物、工業製品やその材料が大阪を中心に全国各地と日々往来しています。しかし、地場産業や地元運送業者及び運転手さんには、この大変便利な高速道路を十分利用していただいてるのでしょうか。観光客の皆さんには土日祭日割引や平日通勤時間帯半額割引、日中3割引き等、大変ありがたいことだと思っています。また、夜間割引についても、深夜割引として50%割り引いていただいています。しかし、もともとトラックの通行料金は普通自動車より3倍近くに設定されていますので、割り引いていただいてもまだまだ高いというのが現状ではないでしょうか。
 例にとると、南紀田辺インターから岸和田料金所まで、普通車なら3150円ですが、特大車では8450円かかります。経済不況の中、大変厳しい経営を強いられている地場産業の皆さんにとって、もっと利用してもらえる制度はないのだろうかと考えました。
 そこで、知事にお願いしたいのですが、夜間高速道路の超割引制度を政府初め関係各方面に御提言いただきたいのです。
 現在、高速道路の上り1日平均通行量は1万8000台から2万1000台となっています。そこで、平成20年1月から12月までの間の大阪方面に行く午後10時から翌朝4時までの交通量を調べますと、平日平均1090台となっています。6時間の間にこれだけしか通行してないということは、1時間に180台余りしか通行していません。しかし、この時間帯に私たちの地域から都市部に向かって、いろいろな農産物や水産物、その他製品がトラックによって搬出されているのであります。この運送トラックがもっと高速道路を利用できれば、地場産業にとっても運送会社にとっても経営上プラスになりますし、何よりも超低料金になれば、運転されている運転手さんにとっても精神的、肉体的な負担を軽減できます。
 大不況の中、少しでも安いものを求める大都市の消費者ニーズにこたえるため、高速道路の料金を節約して深夜1人で一般道を走っている運転手さんの御苦労や、交通安全を祈って眠れぬ夜を過ごしている御家族のことを思うと胸が詰まります。幸いにして、生鮮食料品等は夜間に搬出し、翌朝、朝早く大阪やその他の大都市の市場に送られています。高速道路は命の道、産業の道、観光の道と言われていますが、さらに安全で安心な道、速い道ということもつけ加え、もっと運転手の皆さんに御利用いただけたらと思います。
 夜間ほとんど利用されていない高速道路の現状を考えると、今以上の超低料金にしていただくことにより、交通量がふえ、県民を雇用し税金を納めていただいてる県内事業者の皆さんや運転手の方々に喜ばれるだけではなく、そうした心のこもった優しさが西日本高速道路株式会社のイメージアップにもつながるのではないかと思います。「おお、安くなったな。これなら利用できる。やっぱり高速道路は疲れが少なくて済むからいいな」、「お父さんは高速道路走っているので安心していられるわ」となり、紀勢線の紀南延伸の用地交渉等にも弾みがつき、高速道路の必要性についても大きく理解が深まるのではと考えます。
 そこで、知事に政府及び関係方面に御提案をいただきたいのです。例えば、近畿管内であれば午後10時から午前4時までの間、どこまで乗っても1000円とか、総料金8割、9割引きなど、思い切った割引制度を御提案いただきたいのですが、いかがですか。
 使っていないのに使えない、使いたくても使えない、私たち国民の共有財産である高速道路が宝の持ち腐れにならないように、地方の中小企業の発展が日本の発展を支えてるのであって、県民の元気の源である地場産業の育成を図ることが和歌山県政最大の政治課題なのですから、そして県民である運転手さんやその御家族の皆さんの安全・安心を守るということからも、ぜひ今まで以上に利用可能な深夜超低料金制度を強く働きかけていただきますように仁坂知事にお願いをいたしまして、1回目の質問といたします。ありがとうございました。(拍手)
○議長(大沢広太郎君) ただいまの花田健吉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、1点目に御質問の和歌山県の地球温暖化対策地域推進計画策定後の取り組みについてでございますが、目標達成のためには、本県の二酸化炭素排出量の6割以上を占める製造業での削減が不可欠となります。製造業における二酸化炭素排出量は景気動向に左右されることが大きいんですけれども、全体的にはエネルギー効率の改善が進んでおりまして、県におきましても、平成19年に施行した地球温暖化対策条例に基づき、多量排出事業者等に対して排出抑制計画や達成状況報告の提出を求めるなど、企業みずからの削減目標達成を促す取り組みを推進しております。
 この対策について、よく世間で言われることは、手ぬるいんじゃないかと。例えば、もともと日本でいうとCO2の排出量の半分以上は製造業が出しております。それから、その製造業の半分以上は、多分、鉄鋼業、化学工業、紙パ、それからセメント、この辺の4業種で占めてるというような構造だと思います。そうすれば、一番大きい例えば鉄鋼業など、大いにもう生産をやめてもらって、それでCO2を削減したら一番手っ取り早いんじゃないかと、日本の責務だと、こういう議論が結構あるんです。
 ところが、実は、例えば和歌山の住友金属の和歌山製鉄所を考えますと、これは世界一効率のよい、つまり、ある1トンの鉄をつくるときにCO2を一番排出しない製鉄所だと思います。需要構造あるいは供給構造をほったらかしといて、それで例えば住金の和歌山だけとめてしまうということをいたしますと、多分その3倍にも及ぶような、例えば中国の小さい製鉄所──これは古い形のものが残ってますから、CO2はたくさん出ます──そういうもので同じような鉄をつくるとすると、その分だけCO2排出量が地球にたくさん出てしまうということになります。
 したがいまして、そういう、この問題の難しさは、地球全体で考えなきゃいけないんだけども、地球全体で小さくする、排出量を少なくするというメカニズムがまだまだできてないというところだと思います。
 それならば、じゃあどうでもいいのかということとは決して違いまして、それこそ今の排出抑制計画とか、そういうことによって努力をしていただく、それがまた経営強化にもなるというようなことだろうと思っております。
 一方、排出増加の伸びが著しい部門は、家庭部門と運輸部門であります。これの排出削減対策も急務でありまして、このために、平成20年度から全国に先駆けて、和歌山県においては住宅用太陽光発電に係る補助制度を実施しているところであります。これは昔あったんですけれども、一時なくなっておったのを和歌山県だけ復活しました。そのほか、県民意識の一層の向上を促すためのさまざまな普及啓発活動も一生懸命やっておりまして、これも今後ともやっていこうと思っております。
 一方、森林における吸収量達成も、これもまた不可欠であります。対象となる森林を健全に維持して植林をやっていく、あるいは木を育てていく、そういうことによってCO2を固定するということは大事なんで、荒れ果てた森林をほったらかしていくと、それが十分でありませんので、間伐等の森林整備を初めとして、林業の再生に向けて低コスト林業とか紀州材の販路開拓とか、そういうことについても頑張ってやっていきたいと思っております。
 また、企業の森などの、県民やあるいは企業等の多様な主体による運動、これについても助成をしていきたいというふうに考えております。あれもこれもみんなやろうということで、県民を挙げて、県を挙げて頑張っていきたいというふうに考えております。
 今後の排出削減の取り組みは今申し上げました考え方なんですけれども、2010年度までの目標は京都議定書の目標を大幅に上回るものでございますけれども、しかしながら、国内での省エネ努力などを積み上げて算定した今回の国の中期目標は、相当に思い切った選択であります。
 本県におきましても、次期の目標設定に当たりましては、県民が共有できる、より高い水準での目標づくりというのを考え、あるいは行動計画が必要になってくると考えております。したがいまして、これまでやってまいりました、今申し上げましたようなさまざまな取り組みに加えまして、低炭素革命による成長戦略として示された太陽光世界一プランとか、あるいはエコカー世界最速普及プランなどの実現に向けて、県内での普及促進を牽引していけるように取り組みを積極的に推進してまいりたいと考えております。
 議員御指摘のように、いろんな対策は、まだ経済的に見るとちょっと持ち出しと、なかなかつらいと。つまり、県民のお金をたくさん使わしていただかないとできない政策があります。しかしながら、そのお金を惜しむということも大事でありますけれども、政策的に県民の皆様に御理解いただいて、先進的な動きについては積極的にお金もつけていくということで、両にらみでやっていきたいと考えております。
 そのような考え方から、LEDにつきましては議員御指摘のとおりであります。私は、議員の論点について100%賛成であります。したがいまして、詳しくは議員がおっしゃったとおりでありますので繰り返し申し上げませんが、できるだけいろんなところでこれを採用するように努力してまいりたいと考えております。
 ネットパトロールでございます。
 和歌山県の未来を担う青少年の健全な育成を考えたときに、ネットによるコミュニケーションというのは非常に有用な面もあります。一方、匿名性を悪用した反社会的側面もあわせ持っているということも、また事実であります。こういうインターネットの世界に大切な青少年を無防備のまま放置しておくことはできないというふうに考えました。
 ネットができまして、子供に限らず、青少年に限らず、大人の世界でもネットのチャット等々で参加をするということが非常に容易になりました。しかし、そういういい反面、匿名性によるところの弊害というのもあることも、またみんな理解しているところであります。
 日本の1つの美徳でありまして、いざ名を名乗れと、いざ尋常に勝負しろということが、なかなか、しないでも参加できちゃう。それによって参加の機会はふえるんだけれども、批判がとめどもなくなって、責任が負えなくて、事実を確認しないまま批判がどんどん広がるということもまたあるのではないか。例えば、この県議会における真摯な議論というのは名を名乗って議論しているわけですから、そういう点では非常に責任があるわけですけれども、そうでないところの話が仮に青少年に向いたとすると、大変問題になると思います。
 したがいまして、私どもといたしましては、県当局、それから教育委員会、警察、この3者が一体となって総合的に今回のネットパトロールに取り組んでいくということで実効を上げていきたいと考えております。青少年をいじめや犯罪被害などから守り、取り締まるべきものは取り締まる、指導すべきものは指導するという一定の秩序を構築し、正しい情報の使い方を子供たちに教えて、それを普及さして、青少年の健全育成、ひいてはネット社会の健全な発展に結びつけたいというのがこの事業を通じて私たちが期待しているところでございます。
 次に、高速道路の夜間割引制度であります。
 夜間の高速料金については、物流効率化の面から、昨年10月から全車種について夜間割引の時間帯の拡大とか深夜時間帯での割引率の拡大とか、制度拡充がなされてきました。しかしながら、議員御指摘のように、まだまだ不足という側面はあると思います。本県は半島に位置し、国土軸から乖離しているということで、高速道路を介した遠隔地との交流、連携でこれからも支えていかざるを得ないというふうに思います。特に、御指摘の農産物を運ぶとか、夜間、そういうトラックが運んでいって、それで経済的な富を当県に持ってくるという点では、大変有用ではないかというふうに考えております。
 私も、よく和歌山県内をあちこち参りますが、深夜に帰ってくることが結構あります。そういたしますと大変すいてるわけでありまして、一方、昨日などは昼ごろから広川インターで乗ったら、がっちりと大渋滞に巻き込まれまして往生したんであります。そういう意味で、トラックなんかは分散していくということは大変有用な考え方だと思います。
 ただ、ちょっと考えておかないといけないのは、本県は高速道路の早期整備を今やってもらわないといけないというところであります。実は、ちょっと意地悪な見方をいたしますと、もうその整備が終わっているような県を中心にして、もうこれ以上要らないから料金を下げろという運動が1つの流れとしてございます。そうすると、財源が例えば膨らんでいくような形であれば、我々がぜひ夜間料金の割引をしてくれと言うことは100%正しい行動だと思いますが、ちょっと用心しとかないといけないのは、それでもって早期整備の財源が減っていくような形で政策がなされると、和歌山県のような未整備の県だけが割を食うということにもなりかねません。
 したがいまして、よくその点も含みながら、議員御指摘の点はごもっともでございますので、一生懸命努力して、その実現に向けて私も努力していきたいと考えております。
○議長(大沢広太郎君) 環境生活部長井口悦治君。
  〔井口悦治君、登壇〕
○環境生活部長(井口悦治君) 2点目の青少年の有害情報対策のうち、携帯電話へのフィルタリング機能設定の義務化についてでございます。
 議員御指摘のとおり、青少年の有害環境対策におけるフィルタリングにつきましては、ネットパトロールとともに車の両輪でもあり、その重要性を認識しているところでございます。本年4月から施行されたいわゆる青少年インターネット環境整備法によるフィルタリングサービスの適用が義務化されているところでもあり、県条例による上乗せ規制につきましては、今後、こうしたフィルタリングの普及状況なども注意しながら研究してまいりたいと考えてございます。
 次に、既に携帯電話を持っている青少年へのフィルタリング機能の設定についてでございます。
 法施行以前の18歳未満の契約者に対しては、不要の申し出がない場合、自動的にフィルタリングを適用する旨、携帯電話事業者から通知するという対策が既に講じられているところでもございます。しかしながら、契約者が保護者である場合も多いため、ネットモラルの向上に頼る部分も多く、ネットパトロール事業の一環として教育委員会とも連携しながら、情報モラル講座などによりフィルタリングの普及を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○議長(大沢広太郎君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 高校入試制度についてお答えいたします。
 普通科志向が高まっていることにつきましては、大学等への進学希望者がふえたこと、中学校卒業時では将来の進路に対する希望が固まっていないということ、普通科の校数と募集定員が多いために安全志向が働くことなどが要因であろうと分析をしております。また、職業系専門学科について中学生の理解が不足していることもあろうかと考えます。
 こうしたことを踏まえまして、普通科と職業系専門学科の定員の比率につきましては、中学生や保護者の意向などを考慮するとともに、よき職業人の育成という社会の要請にもこたえるため、職業系専門学科への理解を図りながら検討してまいりたいと存じます。
 また、今回の制度の導入に関しましては、さまざまな御批判のあった前期・後期制の選抜の問題を解決するため、文教委員会や予算特別委員会で強い御意見をいただきました。昨年4月から県高等学校入学者選抜改善協議会を立ち上げ、協議を重ねてまいりました。それを受けまして、21年度選抜では前期選抜の枠を拡大するとともに、22年度以降において一本化していくことを6月の定例教育委員会で決定をしたところでございます。
 しかしながら、9月県議会におきまして、21年度入学者選抜からの実施を検討するよう文教委員会の総意として御意見をいただき、臨時教育委員会を開催しまして、その必要性や可能性等について慎重に検討した結果、平成21年度から導入することとした次第でございます。
 次に、入試結果についての感想及び今後の問題点についてでございますが、年度途中の制度変更にもかかわらず、受験生や保護者の皆様の御理解と各中学校並びに高等学校の努力によりまして円滑に進めることができたと考えております。4月以降、県立学校長会、中学校長会、県立高等学校入学者選抜協議会等において御意見を伺ったところ、最後まで中学校教育を落ちついた状態で行うことができてよかったなどの意見、感想をいただく一方で、保護者等から制度の内容がわかりにくかったとの課題もいただいております。この選抜制度の趣旨やメリットを十分に生かせるよう今後理解を広げるとともに、必要な検討を加えまして、よりよい制度として定着するよう努めてまいります。
 次に、中学生の進学に対するニーズについてでございますが、生徒や保護者には学校や学科の選択に関して幅広いニーズがあると認識をしております。一方、学校と地域との結びつきが弱くなっているとの御指摘もいただいております。通学区域につきましては、学校教育のあり方について関係者や地域などから広く意見をいただく機会を設け、検証と今後のあり方に関する研究を進めてまいります。
 次に、御坊・日高地方における県立高等学校の募集定員につきましては、保護者や地域の方々などの意見、声をお聞きしながら、中学校卒業者数と近年の入学者選抜の結果等を勘案した上で決定してまいります。御質問の附属中学校の生徒が入学する日高高校の募集定員につきましても、その中で考えてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(大沢広太郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 再質問を許します。
 11番花田健吉君。
○花田健吉君 御答弁いただきましてありがとうございます。
 まず、知事に要望です。
 さきの延長の問題もあるんですけども、今、運送会社の運転手さんのやってるというのは、会社によって違うようですけども、例えば大阪へ行くんだったら「もう3000円でやってくださいよ」と、運転手さんに。会社なり、また個人運送やったらそんな感じで、「3000円にしてよ」、「やってられない」と。そうすると、運転手さん、どうするかというと、ずっと、田辺から乗らないんです。御坊で乗るんです。なぜかといったら、由良峠と水越峠あるんで、あそこは大変難所になってるんで、御坊から乗って広川でおりるんだそうです。広川からおりて、ずっと行って海南でまた乗るんです。孝子峠へ行くと遠回りになるんで、時間的におくれるんで、海南から乗って、そのまま今度、阪南でおりるらしいです。それから大阪の市場へ行ったら大体3000円ぐらいで行けると、今の割引で3000円ぐらいで行けるというんで、会社側も大体それわかってるから、支給額が3000円。この中でやってくださいみたいなことになって、結局、運転手さんの労力にしわ寄せが行くというか、そういうことになってるようにお聞きをしておりますので──全部じゃありませんよ。そういうシステムをとってる運送会社もあるとお聞きいたしましたんで。
 そういうことからすると、南へ延伸していく、また地方のまだ未整備の高速道路を整備するというのは、我々地方に住む者にとってもう本当に悲願ですけども、また反面、CO2のさっき削減もありましたけども、一般道を信号でとまりながら大型車が行くということで大変CO2も排出しますし、やはりCO2削減の道でも──さっき知事の話をお聞きしながら私も思ったんですけども、高速道路に乗って安定して80キロぐらいとかでずっと走ると燃費効率がいいですからCO2もあんまり出さないなと。もう1つ、CO2削減の道ということもつけ加えさせていただいて、ぜひ関係各方面にそういう御提案をしていただきたいなと強く要望いたします。
 あと、教育長にですけども、これも要望にさせていただきますが、今の普通科志向が強いということと、現場の先生の配置の仕方というのが非常にミスマッチになってるんかなと。子供たちのニーズのほうが大きくなり過ぎてるんかなという気はしますけども、これは急にざっと体制を変えるということは難しいでしょうけども、やはりこの10年以上も、もっと言ったらそれ以前から普通科志向というのはもう強まってると思うんですよね。
 そやから、それについて──かなり対応はしていただいてますよ。例えば、僕の地元では紀央館に普通科ができたり、そういう対応はしていただいておりますけども、なおまだ、普通科志向がさらにまだ強くなってるということもありますんで、順次対応していただきたいのが1点。
 あと、学区制についても、僕、想像していなかった前向きな認識というか、御認識をいただいておりまして、大変御検討いただきたいなと思いますけども、そういう中で、今の全部関連してくることなんで、一度教育委員会で、学区制とか普通科志向とか実業科の配置の仕方とか、そういうのを一回総合的に考え直していただきたいなというのは、それも要望しておきます。
 もう1点、毎年2クラス、500人前後中途退学してるという、この子供たち、一体退学した後、何をしてるんだろうかというのが、僕、大変気になります。当局、教育委員会のほうにお聞きすると、その人たちが来年度再度──1学年が一番多いんですよね、中途退学する率が。その子たちは来年、進路変更ということで学校を再度受験してるんだろうかと聞くと、そうでもないように聞くんです。この子たちは、じゃあ家で家庭学習をして大検を受けることになるんだろうかというと、大変自己管理等厳しい状況になると思うんですけども──もう中学校出てるし、高校に行ってないし、学校、教育委員会の管轄外に出てるんで、もう私どものほうには関係ありませんて言うのかもわかりませんけどもね──この15歳、16歳、17歳、18歳、この子供たちが一体その後、進路どないなってるんかというのを大変僕は気にしております。
 そこで、毎年大変優秀な学校の先生が定年退職をされていくわけですけども、教育委員会でそういう先生のリスト等も全部それは把握されてるわけですから、それぞれの地域地域で、そういう先生に、今その子供たちが本当に学力を欲していないのか、欲しているんであれば、普通の塾へ行くといったって、塾は田舎のほうへ行けば──大学入試だったら駿台予備校とか英数学館とかあるわけですけども──普通の田舎のほうの子といったら、もう塾へ行くのは夜しか行けないんですよね。夜しかやってない塾がほとんどです。
 そやから、この子たちが昼間何してるんか。夜だけの塾だけで大検が受かるんかどうか。大検より、まず塾へ行ってないかもしれませんけどね。だから、この子供たちがもう一度大学受験に復帰できるような、そういうのを、今言う先生を、退職された優秀な先生方、たくさんいらっしゃいますんで、少し御相談に乗っていただいて、そういう子供たちの今後のことを一度、それは地方自治体、地方自治の教育委員会が一番よく知っとるでしょうけども、市町村の教育委員会、一番よく把握してるとは思いますけども、そういうことにもお心配りをいただきたいなというのをあわせて要望いたしまして、終わらしていただきます。ありがとうございました。
○議長(大沢広太郎君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で花田健吉君の質問が終了いたしました。

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