平成21年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(山本茂博議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前10時0分開議
○議長(大沢広太郎君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第16号まで、議案第32号から議案第44号まで、議案第46号、議案第47号、議案第49号から議案第52号まで、議案第55号から議案第57号まで、議案第59号から議案第61号まで、議案第64号から議案第79号まで及び議案第81号から議案第99号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 2番山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕(拍手)
○山本茂博君 皆さん、おはようございます。一般質問4日目ということでお疲れになりかけのころではないかと思いますが、議長の許可を得ましたので、一般質問をさせていただきます。御清聴のほど、よろしくお願いいたします。また、当局におかれましては、誠意ある答弁、ひとつよろしくお願い申し上げます。
 以下3点についてさせていただきます。1番目は地方分権についてであります。2番目は府県間道路泉佐野岩出線についてであります。3番目は公共交通機関の利用促進についてであります。
 まず、地方分権について。
 現在、国においては、平成18年4月に設立されました地方分権改革推進委員会を中心に地方分権改革が進んでおります。また、去年の12月8日に地方分権改革推進委員会が第2次勧告を行い、ことしの3月末ごろには第3次勧告を行うと言われております。今回質問をさせていただくのには、国、県、市町村の役割分担の中、この中二階と言われる県という立場で地方分権に対してどう対応していくかということであります。
 まず初めに、国と県との関係についてであります。
 去年12月の19日に、全国知事会が地方分権改革の推進に関する決議を行っております。その内容は、義務づけ、枠づけの見直しと条例権の拡大を評価するが、国の出先機関の見直しと地方の役割の拡大については、各省庁の抵抗のある中、分権委員会の姿勢は評価するが、いまだ二重行政解消には至っていないということであります。
 また、政府に対して年度内に行うとされておりました出先機関の見直しの工程表の策定に当たり、積極的に国の出先機関の権限や事務事業の地方へのさらなる移譲を進め、国の出先機関の廃止、縮小に取り組むこととされております。また、3万5000人の職員削減、また地方振興局(仮称)は十分検討するようにということもありますし、また、道路、河川の権限移譲、そして権限移譲に対する財源や人材の確保、人材の移管、見直し等を工程表に明記するように要望されております。
 また、第3次勧告案においては、第2次勧告案のさらなる見直し、8府省15系統以外の国の出先機関の見直し、そして枠づけについても4076項目の見直し、そしてまた関連する補助金の廃止、そして財政措置の要望、そして国税と地方税の税源配分などについて協議が行われるよう地方行財政会議(仮称)の法律設置を盛り込むことと言われております。
 現在、国会において、また平成21年度の一般会計予算の審議がなされております。麻生政権の支持率低下により、国会において解散が取りざたされているのが今現状です。私は、第3次勧告がこの3月ごろには出されるということで、省庁の抵抗が大きい中で、これは本当におくれるんではないか、国における分権改革は本当に進むんだろうかと危惧をしております。
 大阪の橋下知事が河川及び国の直轄事業に対して、府県の負担金の見直しを主張されて、府としては負担金を減らして負担すると言われております。また、和歌山県も賛成であると言われております。
 先日、原議員から負担金について一般質問がありましたので省きますが、分権改革については民間出身の知事は前向きで、官僚出身の知事は前向きでないとよく言われます。国の分野の分権改革は言いにくい点はあろうかと思いますが、和歌山県を代表されているわけです。
 まず、知事にお伺いいたします。第2次勧告に対する考え、そしてまた第3次勧告に対する要望について、またその中の国の出先機関、そして補助金、税源配分に関する知事の考えをお聞かせください。
 次に、県から市町村に対する分権であります。
 特に今後の県から市町村への分権に当たっては、基礎自治体に事務事業を優先的に配分し、地域における総合的な行政が実施できることを目的とされております。そのため、昨年5月に地方分権改革推進委員会から市町村に事務権限、最大で64法律359事務、一般市では48法律250事務を権限移譲するよう勧告が出されました。今後、分権一括法により、県から市町村への権限移譲が行われることが予想される状況です。
 一方、和歌山県においても現在までに14法律を移譲しております。地方分権改革推進委員会が公表した資料によりますと、全国の都道府県では平均で40法律が移譲されております。和歌山県は下から5番目ということで、余り分権は進んでおりません。このような状況を受けて、昨年11月、知事は法律による一括での移譲に備えて、市町村への円滑な移譲を実現するため権限の移譲と合わせて必要な支援を盛り込んだ市町村への分権に関する計画を策定することを公表されました。それは、分権一括法の国会提出は平成22年3月までという期限が迫る中での対応であろうと思います。
 勧告では、市には48法律に対して、町村は3法律の権限移譲しかないというふうには聞いております。法律での移譲となりますと、市には義務的に多数の権限が移譲されます。そのための策定を計画していると思いますが、このような権限について計画の中ではどのような位置づけで考えておられるのでしょうか。
 分権については、各市町村にとって住民の身近な観点からの事務事業の遂行を可能とする点から、今後のまちづくりを行う上に大きな期待が持たれます。一方では、円滑な事務事業推進のために大きな不安を抱えている自治体もあるようにお聞きしております。
 現在では、年度内の策定のため、市町村に対して内容の詳細な説明を行い、協議を進められていると聞いておりますが、その中で市町村からいろいろな要望が出されているというふうにも聞いております。そして、協議の中で一般市の受け入れ率は、2月ごろに私も聞いた範囲では75%から88%で、全市が権限移譲の受け入れに同意していないように聞いております。
 市町村では、権限移譲に当たって、県に比べて専門性、また専門の資格等の習得が必要ではないかと危惧されている自治体もありますし、県としてあらかじめ指導員の派遣や職員の研修等を通じて各市町村の不安払拭に努める必要があるのではないかと考えます。
 県で事務を行っている場合は事務件数が多いわけですが、市町村に権限移譲されると事務件数は少なくなってしまう。その結果、実務ノウハウの維持が困難になるのではないかと考えますし、また、権限の移譲後は、移譲したら終わりということではなく、移譲後も引き続き市町村職員の資質向上に努めるため、県として支援を継続していく必要があるのではないかと考えます。
 このような人的支援に加えて、条例で県の権限を市町村に移譲するのでありますから、確実な財政措置を行う必要があると思います。このことについては、現在、既に権限移譲条例により、移譲した権限については人件費相当分を県から交付金として市町村に支給されております。しかし、実際の実務に当たっては、それだけではなく、事務関係の費用も生じていると思いますし、事務費や備品の購入費などの必要不可欠な費用、それも措置していくことが必要になるんではないかなというふうに思います。
 また、地方分権を円滑に進めるため、市町村の十分な理解のもとに計画的に権限の移譲を進めることが重要であり、和歌山県の置かれてる状況から考えると、まさに早く行う必要があるんではないかなと思います。県としては、地方分権の流れの中で市町村を支援していただき、住民にとって身近なサービスは極力身近な市町村の窓口で提供できるように取り組んでもらいたいと思います。
 また、分権が進むと市町村にとっては今まで以上にみずからが判断する場合も多くなるだろうし、首長にさらなる権限が移り、議会のチェック機能がますます大事になってくると思います。住民の皆さんもその意味を十分理解して、地域のことは地域で、地域の未来に責任ある判断をして、個性があって真に魅力的な地域づくりを進める必要があると思います。
 また、反対に住民の方からよく「分権って何よ」、そして、「それは国の権限が県に行く、また県の権限が市町村に行くということと違うんかい」、また、「それによって権限の取り合いをしているんではないか」と、そういった理解しかされていないんではないかと思います。
 分権が住民にとっていいのか悪いのか、これを示す必要があるんではないかと思います。そのためには、もっと県民に分権の意味について基本的な考え方を理解してもらう必要があるんではないかと考えます。
 そこで、特に市町村への分権について、県として分権の基本的な考え方を知事からお聞かせください。
 また、権限の移譲に当たって、市町村からの要望を踏まえ、市町村の円滑な権限の受け入れのための支援をどのように考えているのか。また、今後の取り組みについて、あわせて部長からお聞かせください。
 次に、教育に対する分権であります。
 まず第1に、県教育長の選任に対して、国の事前承認制が廃止されました。また、それによって市町村教育長と同様に教育委員会の中から選任されることになりました。同時に、市町村教育長の選任に対する県教育委員会の承認制も廃止されました。
 また第2に、国は県教育委員会に対して、県教育委員会は市町村教育委員会に対して、それぞれの必要な指導、助言、援助を「行うものとする」とされておりましたが、これが「行うことができる」というふうに変わっています。
 そして第3に、文部相及び都道府県教育委員会の都道府県教育委員会及び市町村教育委員会に対する指揮監督規定、そして是正措置要求についての権限、それが削除されました。
 また第4番目に、都道府県教育委員会に市町村立学校に関する基準設定権限、これが廃止されました。それによって市町村教育委員会は、学校管理規定、通学区域の設定などに自由度を高められております。こうした教育分野における地方分権の流れについて、県教育委員会としてどうとらえ、今後どう対応していくのか、教育長からお聞かせください。
 次に、2点目の柱であります府県間道路泉佐野岩出線についてであります。
 府県間道路泉佐野岩出線について、新風吹トンネルの開通式、平成20年の4月21日、去年4月の21日に行いました。また、新風吹トンネル下りも平成20年の4月に工事が着工されまして、平成21年度末にはこの待ちに待ったトンネルが開通するものと思います。
 昭和59年に府県間道路泉佐野岩出線等整備促進期成同盟会が設立され、事業計画の中に、2007年8月2日、第2滑走路もオープンされ日本初の世界標準空港となる関西国際空港が持つインパクトを最大限に利用するため、紀泉地域の発展と活性化を図る空港を起点とした和歌山県海南市(国道42号線)に至る府県道泉佐野岩出線を空港関連広域幹線道路、紀の川利水関連道路と位置づけし、計画的な整備促進する、そしてまた、府、県、国に要望活動すると期成同盟会ではうたわれております。
 そして、我々も行動しているわけですけども、和歌山県の活性化の起爆剤として、和歌山県にとって府県間道路は、京阪神の通学、通勤の道路として、また旅行等を含めた関空のアクセス道路として、この道路の4車線化は住民が、県民が待ち望んでいる道路であると思います。
 平成20年9月に風吹トンネルの近くで土砂崩れがありました。1週間ぐらいかかるんかなと思っておったんですけども、2日で開通されました。そのときには、運送業初め、いろんな人に迷惑をおかけしました。非常に停滞していたわけです。このときに最優先で早期開通をしていただきました。本当に感謝する次第です。そのぐらい重要な幹線であります。
 また、平成21年度に4車線全線供用目標ということで、その点について問題があろうかと思います。
 それは、まず大阪側について、平成24年度開通目標ということで金熊寺トンネルもできて、大阪側も少しずつ進んでまいりました。しかし、暫定2車線で供用開始であるということで、もう1本のトンネルがまだめどがついていないとお聞きしております。大阪府の橋下知事が、その関係次第でどうなっていくのか心配しております。しかし、去年の岩出市長選のときに来られまして、府県間道路早期開通に向け努力するとも言われております。期待を持たしていただいているわけですけども、この和歌山─大阪をつなぐ府県間道路、何本かあります。しかし、まさにこの泉佐野岩出線はもう少しでできる、大動脈が完成されると期待される道路であります。那賀郡が活性化される道路であります。もう1本の金熊寺トンネル開通を目指して、大阪側に県として最優先で早期供用に向けて取り組んでいただきたいと思います。知事の答弁をお願いいたします。
 また反対に、和歌山県側にとりまして、22年完成ということであります。来年完成なんです。確かに、大阪側から備前交差点付近まで4車線化が完成ということであろうかと思います。全体事業概要の中で、事業箇所について、岩出市(府県界)から岩出市備前(国道24号交差点)となっております。また、平成2年3月に大阪府と同時に都市計画決定されました。
 今、この紀の川にかかる和歌山県の橋梁、27橋あります。和歌山市において紀の川河口大橋から川辺橋まで10橋、そして紀の川市では新しくできた新龍門橋を含めて6橋、かつらぎ町は4橋、橋本、九度山は6橋です。岩出は1橋です。1つしかないんです。
 岩出市の岩出橋は朝夕に限らず通行量が多くて、特に朝は備前の交差点から和歌山、貴志川方面に向いて渋滞します。また反対に、夕方には清和鋼業和歌山店から渋滞いたします。岩出市は人口5万という都市化が進んでおります。住民の皆さんから「もう一本橋あればな」とよく言われます。
 渋滞解消は信号機の調整によって解消できるものなのですか、お聞かせください。
 それだけ岩出橋の4車線化は待ち望んでいる事業なんです。和歌山県側として都市計画決定、それは大宮神社を通り、岩出橋を含む船戸までの区間を言ってるんです。都市計画された船戸までの区間はどうなるんでしょうか。沿線の住民から、「都市計画されて、もう19年も待ってるんだ」と、「この道路、いつできるんや」と言われてます。また、「立ち退き交渉でもいつでも協力するで」と、こう言われてるのが現状です。本当に19年間何だったんだろうということです。
 そしてまた、期成同盟会で言われております要望の中で、海南市国道42号線までの船戸からの都市計画決定、これはどうなっていくんでしょうか、県土整備部長にお伺いいたします。
 3番目の柱であります公共交通機関の利用促進についてであります。
 大阪方面との府県間道路、京奈和自動車道等の整備も進められ、徐々にではございますが、企業誘致も実を結びつつある紀の川筋、これからの和歌山県経済を引率する地域となると考えられます。そういった意味でも紀の川沿いの町々、くし刺しするように東西につなぐJR和歌山線の存在意義はますます大きくなってくると思います。
 私は、ガソリンが値上がりすればよいなと思っておりました。それは、この500ミリのミネラルウオーター、今、ペットボトル110円です。ガソリンよりも安いんです。不合理と思いませんか。
 40年前、石油は21世紀の初めには枯渇すると言われておりました。もう枯渇してもいいんです。しかし、枯渇しないんです。何でですか。南極を初め、海洋開発が進んで海洋探査技術が進んできたんだからと思います。
 しかし、石油は限られた資源であり、必ずなくなるものです、使えば。有効利用が必要だと思います。
 私は、去年の3月ごろ、ガソリン140円ぐらいだったと思うんですけども、和歌山県庁舎に、ここに来るときにいつもインターチェンジのとこでは非常に込んでおりました。反対に8月の時点、ちょうどガソリンの値段が190円ごろだったと思うんですけども、がらすきの状況でした。それだけガソリンの高騰は庶民にとって影響が大きかったわけです。車に乗るのを控えたんではないかなと思います。
 現在、我々は車社会を満喫してます。車社会の中で、通勤、レジャー等、車を利用しているわけですが、今どの車を見ていても、乗っているのは運転手1人だと思います。しかし、値上がりのとき、生活防衛のため、同じ会社に行く場合、乗り合いをされている方もあったんかな。また、バスまたは鉄道を利用されている方もおられたかなと思います。
 今110円前後ということもあり、今議会出席するのに、また込み出しております。この前の出来事は何だったんだろう、この前の3月議会はどうだったんだろう、そのように思います。もう去年のことは忘れている。今、これが日本の状態ではないでしょうか。
 アメリカでは、サブプライムローンをきっかけに金融危機、全世界を駆けめぐってます。2月に就任したオバマ大統領、環境に投資していくと言われております。また、日本を初め各国では、風力、太陽光発電を初め、車社会においても電気自動車の開発が進められると思います。石油に依存しない社会が求められています。去年の教訓が地球温暖化のための京都議定書、CO2削減、環境という課題のもとに、まさに公共交通機関が見直しされていくべきだと思います。
 また、堺市などではシャープの臨海工場まで市電を新たにつくっていくということも言われておりますし、またJR紀勢線において、くろしお特急、スーパーくろしお、オーシャンアロー等、快適で便利なようになされようとしています。また、南海線においても新しく和大新駅もできますし、また貴志川線においても、猫のたま駅長で全国的に有名になっております。たまちゃん電車も運行されております。赤字で廃線となるところを地元の人たちの熱意で貴志川線が活性化されたものだと思います。
 しかし、JR和歌山線についてはどうでしょうか。紀の川筋の主要公共交通機関であるJR和歌山線の利用者については、昭和50年をピークに平成19年では939万9000人と半減し、それに比例して列車本数も減少しております。JR和歌山線の活性化については、県や和歌山活性化協議会で、観光振興のため、粉河駅及び岩出駅でパーク・アンド・ライド等種々考えていただいておりますが、パーク・アンド・ライドの効果はどのようなものであったか、お聞かせください。
 また、官民挙げてJR和歌山線の活性化に本腰を入れて取り組むべきと考えます。そして、私は、JR和歌山線の活性化のためには平日と土曜日・祝祭日について、分けて考える必要があるんではないかと思います。それは、平日の場合、会社の通勤、通学による利用を最大限利用してもらうのが大事な点ではないかと思います。
 また、関連して、環境面から取り組んでいるノーマイカーデー運動にどの程度の協力が得られているのか。和歌山沿線に住む県庁職員の参加状況はどうなっているのか。また、民間企業の協力状況はどうなっているのか。県や市町村が民間に働きかけている限り、身をもって模範を示すべきだと考えますが、当然、家庭や職場の理由で参加不可能な職員は対象外とすべきと思います。職員の通勤にはJR和歌山線を初めとする公共交通機関を原則利用すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、土日・祝祭日には、地域活性化のため、名所旧跡等の緑の歴史街道等を利用した県、市、町村一体となった活性化に取り組む必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 JR和歌山線の駅には徒歩か自転車でしか行けないようなところが多く、一般人が利用しようにもできない状況があり、パーク・アンド・ライドを実施したり送迎したりするためには、せめて車で駅前まで乗りつけるようにすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 また、公共交通機関の利用を促すのであれば、駅舎周辺に人が住んで当然であると思います。JR和歌山線の駅の周辺では、そういった観点からの都市計画、まちづくりはなされていないように思いますが、沿線の市や町に対して指導や協議はなされているのか、お伺いいたします。
 これらのことを踏まえ、JR和歌山線に対する活性化策をどのように考えているのか、部長からお聞かせください。
 最後に、私はよく住民の皆さんから言われるのは、岩出市は車社会の中では府県間道路岩出線もあり非常に便利な市になっているなと、しかし車がないと不便な市やなとよく言われます。それは、大阪に行くのに、岩出駅から和歌山駅に行って、阪和線に乗って行くということでした。本当に遠回りです。夜、大阪から阪和線に乗りますと、山中渓から大阪──雄の山トンネルを越えますと、今まで真っ暗けなトンネルの中からぱっと明るく見えます。それは岩出市の水鉄のマンションなんですけど、あの向こう6キロに岩出駅やなと、こない思うんです。
 過去にも紀伊駅と岩出駅をつなぐという一般質問あったと思います。今から線路を引くというのは非常に大変であるというのもわかります。そしてまた、JR和歌山線、赤字だというのも承知してます。しかし、今までのマイナス思考じゃなしにプラス思考でやっぱり考えていく必要もあるんではないかと。
 先日、向井先輩から、南海線のなんば─橋本間1時間20分を45分で非常に経済効果があるという話がありました。本当に私もそう思います。和歌山県の課題であります過疎対策も大事ではあると思いますが、この和歌山県の中、唯一人口増大しております岩出市、これから和歌山県の人口が減少し、2年後には100万人切るだろうと言われている中、大阪のベッドタウンとして、岩出市を含めた紀北地域の活性化のため、和歌山県浮揚のためにぜひ必要なことだと考えます。
 そこで、紀伊駅と岩出駅をモノレールでつなぎ、活性化に役立てることはできないものかと考えるわけです。知事の答弁をお願いいたします。
 以上で、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(大沢広太郎君) ただいまの山本茂博君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、地方分権についてお答え申し上げます。
 私は、地方分権改革推進委員会の役割は、地方分権といってもこの国のあり方を議論しているのでありますので、日本がよりよい国になるために国が何に責任を持たなきゃいけないのかということを明らかにした上で、それ以外の分野は全部地方に任せておけばよいというふうに政府に勧告するべきではないかと私は思っております。
 しかしながら、昨年の5月でございましたか、第1次勧告がありました。これは、このような国の役割を再規定するような骨太のものとはなっておりませんでしたと、私は思いました。それで、新聞から「どうですか」と言われましたので、私は率直に「余り評価しません」と言いました。ところが、次の日に新聞を見てみますと、びっくりしたことに、多分ほかの知事さんもぼろくそに言うだろうなと思っておったら、そしたら私だけが「余り評価しません」で、あとは「大変評価する」とか「評価する」とか、そういうことでございました。後で知事さんと議論すると、みんなどちらかというと反対のことを言っておったんですが、多分儀礼とかそういうことを重んじたのではないかなというふうに思いますが、私は率直に申し上げました。
 その後、ちょっと思い出したのでございますが、朝日放送に各知事が呼ばれました。和歌山の宣伝もしようというふうに思いまして積極的に勇んで参加さしていただきましたら、分権に反対するのは仁坂さんだけで、残りの知事さんはみんな賛成だと、こういうふうなパネルが出ておりまして、「これに対してあなたはどう思うか」と言われましたので、私は「逆である」と。「実は、地方分権推進委員会の第1次勧告というのは不十分であると自分は思っていて、もっと分権を進めるべきだというふうに思ったから評価しないと言ったんです」と言いましたら、テレビのキャスターとか、あるいはゲストでコメンテーターがおられるんですが、「おもしろくないな」と言って、「それはつまらんな」と、私の不十分であるという答えを聞いてそういうことを思わず放送してましたから入ったんじゃないかと思いますが、口に出しておられました。多分、分権に反対というのが官僚出身の仁坂知事で、それで残りはみんな賛成だと、こういうふうに言ったほうがおもしろいというふうな企画であったんだろうと思いますが、決してそんなことはなくて、本当の分権をやるべきだと、私はそう思っております。
 で、第2次勧告、これも実は第1次勧告の延長線上で行われたと思います。私は、第1次勧告が是であるとすると、第2次勧告はよく議論されたものと考えています。しかしながら、先ほど申し上げましたように、第1次勧告がちょいと不十分であったと私は思っておりますので、したがって、第2次勧告についても、その第1次勧告の方法論がそのまま踏襲されておりましたから、したがって不十分ではないかなというふうに、残念ながら思っています。特に国の出先機関の統廃合案だけが議論になりましたけれども、これについては、第1次勧告が正しければよく考えられたものだと、だけど、そういうものだけではないんじゃないかというふうに私は思いました。
 また、第3次勧告では、国と地方の税財政構造の見直しが主要なテーマになるようでありますが、私は、国と地方の役割分担を徹底的に見直した上で、先ほど申しましたように、国が行うべき事業、これをちゃんと規定して、それで、それについては国がちゃんと財源も持って、責任も持って、それから地方が残りはやるべきで、地方が責任を持つべき分野になりますが、それについては国からの補助金とか関与とか、そういうものに頼ることなく地方が判断をして財源で賄えるというふうにすべきであると考えております。すなわち、自己責任が重要であると思います。
 ただし、それが、和歌山県もそうでありますけれども、和歌山県の市町村、もっとそうでありますが、財源が乏しい地方に住んでいる方が切り捨てにされるということになってはいかんというふうに思っております。そこで、財源が乏しい地域に住んでいる人にもひとしく国としてはこれだけのものはちゃんと保障するというナショナルミニマムが必要であります。そのための財政調整制度を一番立派なものをつくって、ちゃんとそれを保障した上で地方分権を進めなきゃいけないと、そんなふうに考えております。
 そういう意味で、分権委員会にはぜひ頑張っていただいて、日本という国家はどうあるべきか、地方が生きていくにはどうしたらいいか、そういうことを根本的な議論を行った上で第3次勧告を出していただきたいと考えております。
 それから、市町村への分権に対する基本的な考え方でございますが、これも先ほど申し上げましたように、県と市町村も同じことではないかと思っております。地方分権の大きな方向性を踏まえますと、先ほど言いましたように、県としてこれは統一的にやらなきゃいけないというもの以外は住民に身近なところでできるサービスということになりますが、それは住民の身近なところで、すなわち市町村で行うということが望ましいと考えております。
 一方、国の地方分権改革推進委員会でも、実はこれについては勧告がありまして、最大64法律359事務について法律の改正による県から市町村への分権を勧告しております。このような状況を踏まえ、県としては今月末に今後の分権の基本的な方針を定めた市町村への分権に関する計画を策定する予定としております。市町村が担う分野については、みずから主体的に責任を持って判断できるような仕組みをつくるために、分権委員会の勧告に盛り込まれた権限を中心に市町村の理解を得た権限を計画に位置づけることとしております。
 県で統一的に、先ほど言いましたようにやる必要があるというもの以外は、県がみずからの権限に固執して渡したくないなどというようなことは一つもございません。むしろ逆に、それはちょっと引き受けるの困るなというような話が結構あります。人材養成とか財源とか、山本議員の御指摘を十分胸に秘めまして──秘めましてというか踏まえまして、今後はこの計画に基づき円滑な市町村への分権を進めてまいりたいと考えております。
 それから、府県間道路泉佐野岩出線の大阪側の早期4車線供用に向けた取り組みでございます。
 これについては、府県間道路すべて重要なんでございますけれども、特に関西国際空港へのアクセス道路として、紀北に住んでおられる、特に紀の川筋に住んでおられる方々は、特に重要な道路だというふうに考えております。
 まず和歌山県側は、御指摘のように、国道24号線から府県境まで4車線で、もうちょっとでございます。来年度中、平成21年度に完成する予定であります。一方、大阪側につきましては、長い間というかしばらくの間、凍結をされた──ここだけは少しやってくれたようでありますけども──そういうこともございましておくれております。御指摘のように、事業中の泉南市信達金熊寺から府県境までが平成22年度にようやく暫定2車線で供用されると聞いております。
 これで改良がされると思います。車の流れもよりスピードアップされると思いますけれども、これはあくまでも暫定であります。したがって、今後、京奈和自動車道の整備の進展に伴いまして、さらなる交通量の増加が見込まれております。これは、371号について起こった事実と全く同じことが起こるんではないかと考えております。したがって、暫定供用後も引き続き早う4車線にしてくれということを大阪府に強く働きかけていきたいというふうに考えておりまして、実は一生懸命努力はしております。
 それから、モノレールの話でございます。
 何でもプラス思考は大事だとおっしゃいましたので、私もそう思います。大賛成でございます。ただ、議員御提案の岩出駅─紀伊駅間のモノレールの敷設については、ハードルは高いというふうに正直言って感じております。ただ、議員からの貴重な御提言として承っておきたいと思います。
 さらに、仮にモノレールがすぐに実現できなくても、紀伊駅周辺の道路をよくして、それで行きやすいようにすると。特に公共交通機関、バスなど、それで早く行けるようにして利便をかなえるということは大変大事なことだと思いますので、これも実は宿題になってる路線なんですけれども、今後頑張ってやっていきたいと考えております。
○議長(大沢広太郎君) 総務部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○総務部長(小濱孝夫君) 地方分権に関連して、円滑な権限移譲のための支援についてという御質問にお答えいたします。
 市町村への分権に伴う市町村からの要望を踏まえた県の支援につきましては、先ほど知事の答弁にもございましたように、市町村の理解を得た上で、今月末に策定を予定しております市町村への分権に関する計画に位置づけることといたしております。
 議員御指摘のとおり、2月ごろまでは各市町村からさまざまな御意見をいただいておりましたが、現時点では各市町村との調整が進んできております。
 支援の具体策といたしましては、市町村職員の専門性の向上のための必要な知識を習得するための研修会の開催やマニュアルの作成、それから職員を派遣した指導等の事務支援を行ってまいります。
 さらに、権限の移譲に伴い発生する市町村の事務費等につきましては、必要な経費を適切に算定した上で所要の財政措置を行うこととしております。
 今後の取り組みにつきましては、計画に基づき、事務支援や所要の予算措置、また関係条例の整備、広報活動等を着実に実施し、来年4月からの市町村への分権が円滑に行われるように努めてまいります。
 以上です。
○議長(大沢広太郎君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 府県間道路泉佐野岩出線の備前以南の今後の取り組みについてでございますが、国道24号備前交差点から岩出橋を経て岩出市船戸に至ります1.3キロ区間は、4車線で都計決定されております。この区間の現道は2車線で、岩出橋への交通集中から特に船戸交差点付近の渋滞が著しく、早急に整備する必要があると考えております。
 このため、当該区間については、今後、計画について地元調整を進め、岩出市に早急に地籍調査を完了していただき、地元の協力が得られ次第、事業に着手してまいりたいと考えております。今後とも御協力をよろしくお願いしたいと思います。
 さらに、船戸からの南進、南側の件ですけれども、京奈和自動車道とこの備前船戸線の間の整備の進展を見ながら検討してみたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(大沢広太郎君) 企画部長前硲健作君。
  〔前硲健作君、登壇〕
○企画部長(前硲健作君) JR和歌山線の活性化についてでございます。
 JR和歌山線の利用客数の減少と低迷につきましては、私どもも大変な危機感を持っているところでございます。
 そこで、その活性化でありますが、議員から御指摘ありましたように、通勤・通学における利用増、さらに加えて観光による集客、この両面作戦でもって対応していく必要があるかと思っております。幸いにして、沿線には観光資源が豊富でございますし、沿線人口は多い。高校が10校もございます。これらの諸条件を最大限利用促進に生かしていくことが肝要であると認識しております。
 具体的には、通勤・通学では、自治体はもとより民間企業の利用拡大を働きかけることに加えまして、便数の増など利便性の向上が課題であると思っております。
 なお、この点に関しまして、議員御質問の県庁で行ったノーマイカーデー運動とパーク・アンド・ライドの社会実験、これについてはどうかということですけども、正直なところ、必ずしも期待したところの成果につながってはおりません。このため、もう少し有効な手だてはないかと庁内でプロジェクトチームをつくりまして、目下検討をしているところでございます。
 また、観光集客の面では、例えばハイキング需要の掘り起こし、あるいは駅からの周遊の利便性を確保するためのレンタサイクルなど、そういったもろもろの方策を広角的に検討していく必要があると考えております。
 議員からまた御指摘のありました駅周辺の計画的なまちづくりについてでございます。これも大変大事な問題であると認識しておりますけども、課題も多く、一朝一夕には進みませんので、まずは駅の有効活用による人が集うにぎわいづくりを進めていけないものかと考えておりまして、地元での無人駅の利活用案の検討とあわせてJR側にもこうしたことの条件緩和などについて要請をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、議員御指摘のように、官民を挙げて本腰を入れて取り組まないといけない喫緊の課題でありますので、住民ぐるみの利用促進を展開したいと考えており、JR西日本、さらに沿線市町とも意見交換をしながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○議長(大沢広太郎君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 地方分権についてお答えいたします。
 教育分野における地方分権につきましては、教育の機会均等や教育水準の向上を図りながら、国と県、県と市町村との適切な役割分担と相互協力のもとに行われなければならないというふうに考えてございます。
 これまでに行われた地方分権の事例といたしましては、議員御指摘の教育長の任命承認を初めとする教育委員会に関する制度の見直しや文化財保護行政に関する権限移譲などを実施しているところであります。
 また、平成20年5月に出されました地方分権改革推進委員会第1次勧告におきまして、市町村立小中学校教職員の人事権や学級編制に関する権限等について都道府県から市町村に移譲する方向で検討すべきであり、中核市については先行して実施すべきであると示されました。
 本県におきましては、これ以前に市町村教育長の代表者等と協議の場を持つとともに、この勧告を踏まえて、中核市である和歌山市の担当者と現状や課題について共通理解を図っているところでございます。
 小規模市町村を持つ本県におきましては、全県的な教育水準の維持向上や公平性を確保する、このための適切な対応が求められますので、市町村への人事権や学級編制に関する権限の移譲につきましては、国の動向を見守りながら、さまざまな観点から慎重に研究をしてまいります。
 以上でございます。
○議長(大沢広太郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 再質問を許します。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 以上で、山本茂博君の質問が終了いたしました。

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