平成21年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(野見山 海議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後1時0分再開
○副議長(山田正彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 45番野見山 海君。
  〔野見山 海君、登壇〕(拍手)
○野見山 海君 議長のお許しをいただきましたので、3点について一般質問をさせていただきます。
 最初に、資料を2枚配付さしていただいておりますが、資料1は、昨年6月14日、岩手・宮城内陸地震による崩落した橋であります。資料2は田辺市の中辺路近野小学校の屋外の運動場の事業化ができた資料でございますので、ごらんください。
 それでは、防災拠点の計画について質問いたします。
 地球は今地震の活動期に入ったと言われておりますが、昨年、巨大地震が相次いで起きた年でもありました。御存じのように、5月12日は中国四川省においてマグニチュード8の四川大地震が発生し、7万近い死者を出しました。続いて6月14日には、岩手県南部でマグニチュード7.2の岩手・宮城内陸地震が起き、多くの被害者を出しました。昨年11月12日に、山本委員長を初め建設委員会で岩手・宮城内陸地震を視察させてもらい、地震という大自然災害の脅威をまざまざと見せつけられる思いがいたしました。
 岩手・宮城内陸地震では、大規模な地すべりに伴って各地の道路、河川が寸断され、孤立した集落からの救援活動はヘリコプターによるほかなく、困難をきわめたと聞いております。その後の救援、復旧にも交通網の確保から始めなきゃならず、地震の救援復旧事業の難しさを学ぶことができました。同時に、迫り来る南海道大地震についても、私は、その防災復旧対策を十分に立てておくべきであると思いを一層深めたところであります。
 承知のように、予想される東南海・南海地震はプレート型の巨大地震と言われています。その被害は、西日本一帯に及ぶと想定されております。そのため、他府県や国からの早急な援護は期待できないと思います。そして、各地で発生する道路網の寸断を考えると、地震発生からしばらくは県内各地で自分たちの手で救援、復旧を図らなければなりません。そのための防災拠点の建設は不可欠であると思います。
 私は、平成18年9月の県議会で防災拠点の建設問題を取り上げ、ぜひ被害想定が最も大きい田辺市を初め、紀南にも防災拠点をつくるべきだと主張し、あわせて南紀スポーツセンター、田辺グリーン球場が適地であると提案をしてまいりました。県当局も、防災拠点の建設に非常に積極的な姿勢を示していただきました。あれから、ことしは3年目を迎えようとしておりますが、まず防災拠点の建設がどのようにされているのか、お伺いいたします。
 お隣の三重県では、既に平成8年度に三重県広域防災拠点施設基本構想を策定し、三重県内5カ所に防災拠点をつくる計画を立てています。私は、昨年12月に三重県の防災拠点施設を視察さしていただきました。既に、平成20年度から3カ所目の伊勢志摩防災拠点の工事に着手し、着々と整備が進んでおります。これを考えると和歌山県のおくれは否めませんが、後から始めるということは、先進県から学べるということでもあります。
 防災拠点の機能には、防災時における物資集配機能や情報通信機能、仮設住宅用地機能に限らず、平時には教育・訓練機能があります。特に突発的な地震対策には、平時からの教育・訓練が大切だと私は思います。地震は夜間にも起こる場合があります。そのためには、夜間での災害や、そのための防災訓練に対応できる施設でなければならないと思います。また、その広い敷地を考え平時にはスポーツ施設として利用を可能にすれば、防災施設の有効な活用になると思います。防災拠点は単に広場を確保するとよいものではありません。その中身が問われていると思いますが、活用方法についてお伺いいたします。
 次に、次期国体開催に向けてのハード面、ソフト面の対策についてお伺いいたします。
 平成27年の和歌山国体開催まで、あと6年となりました。私は、国体で和歌山県が好成績を残すというのは、それなりに大切なことだと考えますが、それ以上に、国体開催という一大事業が社会経済面で地域振興と深くかかわり、多くの県民にとってスポーツ振興や体力向上の契機にならなければならないと思います。
 そこで、ハード面の施設、設備面の対応とソフト面の児童生徒の体力向上について質問させていただきます。
 まず、施設整備についてのハード面の整備についてでありますが、さきの国体から38年が経過をいたしました。国体関連諸施設の中には、既に老朽化や時代に合わなくなったものが多々見られ、大幅な改善を求められている施設が多いと思います。まず、県下の全体の改修整備計画はどうなっているのか、お聞きいたします。
 次に、次期国体のボクシングと少年男子のサッカー場に予定されている田辺市南紀スポーツセンター改修に伴う基本構想についてお伺いいたします。
 周知のとおり、南紀スポーツセンターは、昭和44年4月に開設された施設であります。昭和46年当時の国体では弓道関係者の宿泊施設として利用されただけですが、多くの若者が長年にわたり陸上競技場やサッカー場として利用し、地域のスポーツ振興に大きな貢献をしてまいりました。平成18年度の南紀スポーツセンターの利用者は693団体、5万1144名であり、平成19年度には、670団体、6万37名が利用されています。しかし、施設は開設当時のままで、土のグラウンドは全県的な高校生の陸上競技大会も開けない現状であります。観客席も老朽化し、危険防止のロープが張られたままになっています。スポーツ施設として機能を果たしていないと言っても過言ではございません。
 私も、長年、南紀スポーツセンターの改修を訴えてまいりましたが、なかなか実現いたしませんでした。しかし、次期国体に向けて改修が進めば、地元の青少年のスポーツ振興を初め、広く高校生、大学生、実業団たちのスポーツ合宿場としても使え、地域振興に役立つと、大きな期待をしている1人であります。
 そこで、この施設が国体に利用された後、末永くサッカー場や陸上競技場として利用され、地域振興に役立つ施設にするためにも、設計段階以前に、地元田辺市、スポーツ協会等の関係団体と十分話し合う場を持たれるよう願うものであります。
 他府県に比べ、和歌山県の公認陸上競技場は大変少ないと思います。陸上関係者の話では、南紀スポーツセンターがせめて第3種公認陸上競技場以上の施設にしてほしいと願っております。「以上」という意味は、第3種公認規定の最低限ぎりぎりの条件の施設では全県下的な高校生の公認陸上競技大会が開けないということであります。
 このほかにも、高校生の県大会では、施設内の電気計時判定システムの配置は不可欠であります。しかし、第1種及び第2種競技場では電気器具等の配管が義務づけられていますが、第3種競技場にはその規定はございません。
 どうしても高校生の公認大会が実施できる第3種陸上競技場以上の附帯施設が必要になってまいります。設計に当たっては、ぜひ現場の生の声に耳を傾け、多くの人々が幅広く末永く利用できる施設を目指していただきたい。そのためにも、ぜひ関係諸団体との十分な話し合いが必要と考えますが、いかがでしょうか。
 新聞報道によりますと、文部科学省が1月21日に全国の小学校5年生と中学校2年生を対象に「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果を公表いたしたと伝えております。それによりますと、ほとんどの種目で1985年の抽出調査結果を下回ったと言われております。本県では、毎年県内の学校を対象に体力・運動能力テストを行っていると思います。本県の児童生徒の体力、運動能力は全国的に見てどの程度のレベルでしょうか、お伺いしたいと思います。
 私は、次世代を担う児童生徒の体力には多くの課題があり、すぐにでもその対策に取り組む必要があると考えます。県教委としては、児童生徒の体力に関する課題、その原因をどのようにとらえているのか、お伺いいたします。
 子供の体力に影響を与える要因にはさまざまなものがあり、学校教育だけがその責任を負っていると思いません。しかし、子供の体力に教育が大きくかかわっていることは否定できない事実だと私は思います。体力の低迷が保健体育の授業の実態を反映しているのではないかという見方もする人もいますが、その点について県教委はどのように考えているのか、お伺いいたします。
 1971年の黒潮国体に際し、本県では多くのスポーツ選手を教員や県職員として採用し、その活躍で天皇杯優勝という成果をもたらしました。しかし、近年は国体の成績も大変低く、児童生徒の体力も憂慮される状況であります。あれからもうすぐ40年です。「明るく・豊かに・たくましく」のスローガンでの国体への取り組みが本県スポーツの競技力の向上、児童生徒の体力の向上に本当につながったのだろうか。真摯にこの40年間を振り返ってみるべきだと思います。
 本県では、次期国体の開催に向けて既に準備が始まっています。しかし、この40年間には、サッカーを初め、さまざまなプロスポーツが登場し、多様なスポーツがテレビ放映されるようになりました。このような社会の変化の中で、国民の国体に対する見方や関心は黒潮国体に比べ変わっているのではないでしょうか。
 国体は、多額の税金を投入する大きな事業であります。また、そこでの人員の採用は、その後何十年と本県の教員や県職員の採用や構成に影響を与えます。一時的な国体での得点、成績ではなく、長期的に見た競技力の向上、児童生徒の体力・運動能力の向上、健康状態の改善は、県勢を向上させる意味からも重要と私は考えます。子供たちの生涯にわたる健康と大きなかかわりのある保健体育の授業の充実のために、今後どのような方針で、どのように取り組んでいくのか、県教委のお考えをお伺いします。
 子供たちの体力向上のためには、学校での授業のほかにも、部活動の活性化、退職職員による部活動支援、家庭での食事・睡眠・生活改善など、学校、家庭、地域の総合的な対策が求められていると考えますが、県教育委員会として子供の体力向上の総合的な対策をお伺いいたします。
 最後に、屋内運動場芝生化事業についてお伺いいたします。
 和歌山県教育委員会は、平成20年度の事業として、県内8校の小学校で屋外運動場芝生化事業を推進されました。田辺市におきましても、お手元に配付しているとおり、近野小学校が事業の指定を受けまして運動場の芝生化を図り、大きな成果をおさめております。近野小学校のグラウンドの芝生は地方紙にも大きく取り上げられ、芝生の上で元気いっぱい遊ぶ子供の写真が大きく報道され、地域でも大きな関心を集めているところであります。近野小学校の運動場は、訪ねてくる多くの参詣者の目を楽しませ、観光にも一役買っているのであります。
 私は、このすばらしい事業がわずか1校につき160万円の予算でできたということに驚いております。
 ことしの春、私は千葉県の習志野市と浦安市の幼稚園と小学校の園庭や校庭の芝生化事業を視察してまいりました。例えば、浦安市の見明川幼稚園では平成18年度の芝生化整備事業を行いましたが、わずか283平米で、庭園に芝生を張るのは約417万円もの費用がかかっているそうであります。同じく浦安市の東小学校では、約200平米の校庭の芝生化に約358万円の整備事業費を計上されております。
 このことから見ても、近野小学校では約8650平米の広大な校庭をわずか160万円でやったということですから、本県の事業がいかに安く上がってきたかわかります。少ない予算でなし得たということは、すばらしい行政手腕もありますが、それ以上に地元の人々や教職員やボランティアの皆さんが一丸となって取り組んだ結果だと私は思い、その努力に感謝するところであります。
 私は、子供の心と体を健康に育てるという教育的観点からも、この芝生化事業は大きな意味があると思います。芝生化ということは、冬でもグラウンドの砂ぼこりが立たず、外で体を動かす機会がふえることにつながり、近年子供たちの体力が落ちていると言われる中で、子供たちの体力強化につながると思います。さらに、狭い部屋でテレビやテレビゲームと向き合う機会の多い子供たちにとって、外で仲間と遊ぶことは何よりもストレス解消になり、豊かな心をはぐくむ条件を子供たちに提供することになると思います。実際に小学校の校長先生に伺いますと、子供たちの外で遊ぶ機会がふえ、休み時間や放課後、素足で駆け回る子供たちがふえたと言われております。
 こうした教育効果に加え、芝生化によって夏は涼しく、冬は暖かいという環境をつくることになり、冷暖房費の削減にもつながるのではないかと期待しておりますが、県教育委員会におかれましては、県内8つの小学校で実施したこの事業をどう評価し、どう総括されているのかお伺いします。
 さらに、今後この事業を広げていく意思があるのか。今後事業を進めていくということであれば、私は幼稚園なども芝生化を進めるべきではないかと考えております。情操教育は幼児のころから進めるべきだと考えますが、幼稚園での芝生化は情操教育を図るという意味でも意義があると思いますが、教育委員会のお考えをお聞かせください。
 次に、せっかく完成された8校の芝生の維持管理についてであります。
 広さにもよりますが、維持管理費として、年間、肥料代、芝刈り機のガソリン代、水道代、冬芝の種代等々で50万以上の経費が必要になります。加えて、現在設置されている散水スプリンクラーも、1カ所で1時間ほど散水した後、場所を移し、1日5カ所ほど場所を移動しなければならず、先生の負担も大きいものがあります。浦安市では、校庭内に何カ所かに自動散水スプリンクラーを設置しており、ボタン1つで散水できるようにしております。先生方の負担を減らしております。末永く維持管理していくためにも、今後、自動散水システムの導入も検討していただきたいと思います。
 芝生をつくったのはいいが、あとは各小学校によきに計らえでは無責任ではないかと思います。国からの補助金もあるように聞いておりますが、県で支援していく方針があるのか、お伺いいたします。
 芝生を通じて子供たちにどういう教育を進めるかということをお伺いいたします。浦安市などは、児童や小学校の子供たちに牛乳パックを切った鉢に芝生の種をまき、育て、園庭の芝生の薄いところやはげたところに植える作業を通じ、子供たちに植物を育てる気持ちをはぐくみ、またみんなで自分たちの学校をつくっていこうという自主的な、建設的な精神を育てようとしております。芝生化の事業は、単なる緑化事業を超えて教育的にも大いに活用できる機会だと思いますので、芝生を生かしたすばらしい教育実践を期待して、1回目の質問を終わらしていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(山田正彦君) ただいまの野見山海君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、防災拠点の計画でございます。
 県では、東南海・南海地震等の大規模災害発生時に災害応急活動を迅速、的確に実施するため、本県における広域防災拠点のあり方を整理し、県内を4ゾーンに区分いたしまして、応急対策のため具体的な施設の指定を進めております。
 田辺・西牟婁地区におきましては、大きな被害が想定されていることから、西牟婁・日高・東牟婁地域の支援、県外からの航空輸送における後方支援の進出拠点として、広域防災拠点の配置を検討しております。
 かねてから議員初め地元選出の県議会議員の皆様御提案の施設については、広域防災拠点として有力な候補の1つであります。御指摘を踏まえ、広域防災拠点を近く決めてまいりたいと考えております。
 あわせて、その機能として大型ヘリコプターの離発着や救援物資の集積などが必要なため、近隣の施設とネットワーク化をして活用すべく調整を進めてまいっておるところでございます。
 その次に、国体に関連いたしまして、県下全体の体育施設の改修計画についてでございます。
 県全体のスポーツ施設の改修につきましては、さきに定めました第70回国体競技施設整備基本方針では、競技施設は可能な限り県内の既存施設や近畿各府県の施設の有効活用に努め、施設整備を行う場合は喫緊に必要な施設に限定するとともに、大会後においても地域住民に広く活用されるよう配慮するということになっております。
 議員御指摘のとおり、紀三井寺公園陸上競技場や南紀スポーツセンターを初めとする県有の国体関連の競技施設につきましては、昭和46年の黒潮国体以前に整備された施設でありまして、老朽化が進んでいることに加え、国体競技施設基準に合致しない施設が多々あるというふうに認識しております。
 このため、国体後の本県のスポーツ振興も十分考慮し、県有施設であります県立紀三井寺公園と南紀スポーツセンターの大規模なリニューアル並びに県立室内プール──これは仮称ですけども──と県立総合体育館──これも仮称ですが──の新設について施設整備計画を策定いたしましたところです。
 なお、整備計画を策定した施設につきましては、可能な限り早期に整備し、地元での競技者育成につなげるとともに、当該施設を核とした地域の活性化にも役立つものと大いに期待しております。
 また、これを早くつくることによって、一面景気対策にもなると考えておりますので、決めたものについては早くやりたいということで、できるだけ前倒しとしてつくっていきたいと考えております。
○副議長(山田正彦君) 危機管理監森 崇君。
  〔森 崇君、登壇〕
○危機管理監(森 崇君) 防災拠点の活用についてでございます。
 現在、広域防災拠点の具体的な施設につきまして検討を進めておりまして、関係市町と調整を図った上で、基本計画として今年度中に公表したいと考えております。
 今後は、有効な応急活動ができるよう、東南海・南海地震発生時の国の応援計画である東南海・南海地震応急対策活動要領に係る国との調整を図るとともに、応援をいただく自衛隊、警察、消防などの関係機関及び田辺市など地元市町と連携しつつ、運用方法を確立してまいります。
 また、広域防災拠点の平常時の活用につきましては、施設本来の目的に活用するほか、防災機能を活用するための訓練などについて今後の課題と考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(山田正彦君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) まず、南紀スポーツセンターの改修計画についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、南紀スポーツセンターは、紀南地方のスポーツ振興の拠点施設として重要であると認識をしておりまして、多くの県民の方々に利用していただいております。しかしながら、施設は老朽化が進み、特に国体競技施設として予定しておりますサッカーとボクシングにつきましては、陸上競技場と体育館がともに競技施設基準に合致しないことから改修が必要というふうに考えてございます。
 このため、南紀スポーツセンターが和歌山国体開催を契機として、紀南地方のスポーツ振興の拠点はもとより紀南地方全体の活性化にも寄与できるよう、議員御指摘の点も十分に踏まえ、地元の田辺市とも連携を図りながら計画を進めることとしております。
 本県の児童生徒の体力の現状についてでございますが、全国体力調査では、小学校5年生の男子が全国で30位、女子が28位、中学校2年生の男子が46位、女子が44位でございまして、大変厳しい状況にあると把握しております。
 体力低下の原因といたしましては、生活の利便化による日常生活での体を動かす機会の減少などが挙げられます。具体的には、少子化や学校外の学習活動などによる仲間の減少、子供たちの手軽な遊び場が少なくなったことによる外遊びやスポーツ活動時間の減少なども考えられます。
 議員御指摘のとおり、体力向上には体育や保健体育授業の充実が不可欠でありまして、県ではすべての小・中・高等学校の体育主任を対象に授業改善に向けた研修会を開催したり、新規採用教員の義務研修に体育実技講習を加えるなど、教員の資質向上に努めているところであります。また、新たに子供の体力向上支援事業を立ち上げ、大学教員、現職教員、学識経験者等による検討委員会におきまして子供の体力向上支援プログラムを策定し、継続的に体力向上に向けた方策を提案、実施してまいります。
 また、従来から行っておりました体力調査を平成18年度から県内すべての学校で実施をいたしまして、児童生徒の1人1人の実態把握に努めるとともに、平成19年度からきのくにチャレンジランキング事業を立ち上げ、運動機会の充実を図っております。その結果、本年度の県体力調査では小学校で低下に歯どめがかかり、平成17年度水準まで回復してきております。
 このような取り組みを継続的に行うことによりまして児童生徒の体力向上に努めることが、長期的には競技力の向上にもつながるものと考えております。
 次に、屋外運動場芝生化促進事業につきましては、すばらしい写真を提供いただきましてありがとうございます。この事業は、学校関係者と地域住民が協力し、管理運営を行い、子供たちの体力向上や地域コミュニティーの活性化に寄与することを目的としまして、8校の小学校の芝生化を進めたところであります。
 芝生化した後、ある小学校では、子供たちの50メーター走のタイムが1秒ないし1秒半と大幅に短縮したり、外遊びの増加、保健室を使う子供たちの減少など、具体的な報告を受けております。
 議員御指摘のように、子供たちの心身両面にわたって効果が期待できることから、今後より詳細に分析してまいりたいと考えます。
 平成21年度におきましても、新たに小学校8校を予定しており、計16校での芝生化の取り組みを進めることとしております。
 なお、幼稚園などへの拡充につきましては、本モデル事業を通して芝生化の効用やノウハウについて理解いただき、各市町村が主体的に取り組んでいただきたいというふうに考えてございます。
 芝生の維持管理につきましては、学校、地域が連携した地域のコミュニティーづくりなどの効果が期待できることから、国の補助金の活用なども視野に入れまして、学校、地域、保護者等が互いに協力して継続的な管理運営を行っていただきたいと考えてございます。
 今後、運動場の芝生化を通して、心身ともに健康な子供を育てるとともに、緑豊かな環境づくりや学校を中心としたコミュニティーづくりなど、緑の教育、緑の文化を育ててまいりたいというふうに考えます。
 以上でございます。
○副議長(山田正彦君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(山田正彦君) 再質問を許します。
 45番野見山 海君。
○野見山 海君 御答弁、ありがとうございました。
 防災拠点については、いつ起こるかわからない東南海・南海地震の強い揺れとか、海岸での津波による県内の被害は大きいものがあろうかと思います。それだけに、防災拠点の整備は不可欠であります。県内を4ゾーンに区分し、応急対策のため具体的な施設整備を進められていますが、一日も早い決定と完成を心から要望したいと思います。
 次に、南紀スポーツセンターの大規模リニューアル、施設整備計画についてでありますが、知事、副知事、教育長が南紀スポーツセンターに足を運んで現状を把握していただき、前向きに取り組んでいただいておることに、厚く御礼を申し上げます。特に副知事は、現役のアスリートということもあり、南紀スポーツセンターを訪問された際には施設の現状を興味深くごらんになられ、その後のリニューアル計画に側面より助言をしてもらっていることにありがたく思っております。
 そこで、副知事が南紀スポーツセンターを視察したときの感想とリニューアルの完成をどのように思われているのか、お聞かせください。お願いします。
○副議長(山田正彦君) 以上の質問に対する答弁を求めます。
 副知事原 邦彰君。
  〔原 邦彰君、登壇〕
○副知事(原 邦彰君) 南紀スポーツセンターのお尋ねがありました。
 御指摘ありましたとおり、昨年、私も現場を見せていただきました。感想を申し上げますと、非常に緑に囲まれた地域で、スポーツをするには非常にいい環境だなと。と同時に、やはり施設がかなり老朽化しておりまして、ましてや国体をやるということになりますと基準にも合わない等々の問題も聞かせていただきました。
 その中で、ただお金もかかりそうだなということも思ったわけでありまして、その後、予算編成過程で、財源の問題も整理した上で、先ほど知事が答弁しましたとおり、大規模なリニューアルをしようということを決定したわけであります。
 このスポーツセンターについては、市もいろいろとお考えをお持ちのようでありますので、市ともよく相談しながら、これも先ほど知事が答弁いたしましたが、決めた以上は早くいいリニューアルになりますようしっかりと努めていきたいなというふうに思っております。
 以上でございます。
○副議長(山田正彦君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(山田正彦君) 他は要望でありましたので―まだありますか。再々質問を許します。
 45番野見山 海君。
○野見山 海君 副知事、ありがとうございました。
 この平成24年度の完成に向けて今取り組んでおられますけども、完成後には、原副知事、ぜひ南紀スポーツセンターに訪れていただきますようお願いを申し上げまして、要望といたします。
○副議長(山田正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で野見山海君の質問が終了いたしました。

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