平成20年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(平木哲朗議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後1時1分再開
○副議長(山田正彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 10番平木哲朗君。
  〔平木哲朗君、登壇〕(拍手)
○平木哲朗君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問を行います。
 早速、質問に入ります。
 最初の質問は、公立病院改革プランと地域医療の充実についてお聞きします。
 公立病院は、地域における基幹的な公的医療機関として、地域医療の確保のため、重要な役割を果たしています。近年、多くの公立病院において、損益収支を初めとする経営状況の悪化や、医師不足に伴い診療体制の縮小、閉鎖を余儀なくされているなど、その経営環境や医療提供体制の維持が極めて厳しい状況になっています。
 全国にある約1000近くある公立病院の8割近くは、毎年度、一般会計から多額の繰り入れをしながらも多額の累積赤字を抱えています。不足する医療従事者を効率的に配置し、病院の経営改善に結びつけようと、医療機関の統合再編を検討する自治体もふえています。日本経済新聞社が、47都道府県を対象に域内医療機関の統合再編の実態を調査したところ、3割に当たる15都道府県内で統合の再編計画が進行しています。
 総務省は、経営の立て直しと地域医療の向上につなげるため、昨年12月に公立病院ガイドラインを通知しました。公立病院ガイドラインでは、改革プランに、経常収支比率、職員給与比率、病床利用率の最低3指標について数値目標を設定するよう義務化しています。特に、病床利用率が3年連続して70%未満の病院に対しては、病床数の削減など抜本的な見直しを行うことが適当とされています。プランの期間は、経営の効率化については3年、再編・ネットワーク化、さらに経営形態の見直しを含む場合には5年を標準としています。公立病院改革プランの策定は、平成20年度に作成することになっています。
 総務省は、財政支援拡充の一環として、平成20年度に限り、平成15年度以降の医師不足の深刻化等により発生した不良債権の債務を長期債務に振りかえる公立病院特例債の発行など、公立病院改革に関する財政措置をとっています。
 和歌山県では、公立病院が地域医療の中核を担っており、何としても県、関係市町村、公立病院、また民間病院、医師会、医大、県民等が連携・協力して、医療従事者の確保と働きやすい環境、経営基盤の強化と安定、地域医療の充実に向けた取り組みをしていかなければなりません。
 最近では、松原市民病院が医師不足や建物老朽化や多額の累積赤字により閉鎖が決まり、銚子市民病院では、市の財政難、医師不足、多額の累積赤字のために閉鎖され、閉鎖までに多くの入院患者の次の受け入れ先が決まらないという事態になり、市長へのリコール騒動が起こっています。
 県下の公立病院決算結果を見ますと、3つの市民病院と県立こころの医療センターが赤字決算となっています。財政健全化法により大幅な赤字を抱える公立病院は、今年度決算から適用される財政再建健全化目標に悪影響を与えてしまうことになります。県、市町村の厳しい財政運営が今後とも続くことが予想されますが、公立病院の赤字を減らし、病院経営の経営状況の改善と経営体質の強化を進め、地域住民のため、地域医療の充実を地域住民や関係機関が一丸となって、地域の大切な命の安全・安心まちづくりが達成できるよう取り組まなければならないと考えます。そのために、市町村に丸投げすることなく、県が主導的な役割を果たし、公立病院改革プランが達成できるよう支援することが重要と考えます。
 私は、国の医療制度の見直し、医療従事者の確保等がなければ、公立病院改革プラン策定・実施をしても経営基盤が安定し黒字化することには大きな疑問を感じつつ質問をします。
 公立病院改革プラン策定の現在の状況について、総務部長にお聞きします。
 次に、再編(機能分担)ネットワーク化への方向性と協議体制について、現在の状況を福祉保健部長にお聞きします。
 次に、公立病院特例債の活用について総務部長にお聞きします。
 総務省は、財政支援の一環として、平成20年度に限り、平成15年度以降の医師不足の深刻化等により発生した不良債務等を長期債務に振りかえる公立病院特例債を発行できることとし、不良債務の計画的な解消を支援しています。あわせて、同特例債に係る利払い額に対して特別交付税措置をするということであります。
 公立病院特例債の申請は9月末に締め切ったと聞いています。公立病院特例債を申請した公立病院はあるのか、活用した場合の国と県の関与についてお聞きします。
 次に、新築される県立医科大学附属紀北分院は、どんな役割と機能を持つ病院になるのか。また、橋本保健医療圏内への影響について総務部長にお聞きします。
 最後に、公立病院改革プラン達成に向けた今後の果たすべき役割について総務部長にお聞きします。
 公立病院改革プランでは、経常収支比率、職員給与比率、病床利用率の最低3指標の数値目標を設定、特に病床利用率が3年連続して70%未満の病院に対しては、病床数の削減など、抜本的な見直しとなります。経営の効率化は3年、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しは5年程度を基準としています。公立病院改革プランが達成できるように県はどのような支援をしていくのか、また地域医療の安定供給をどのように図っていくのか、お聞きします。
 次に、鳥獣対策と環境保全についてお聞きします。
 農作物への鳥獣被害が増加し、地域に大きな影響を及ぼしています。農林水産省の調べによると、2007年度の全国の被害金額は185億円で、ここ数年は、国や自治体の防護対策にもかかわらず200億円前後の高どまり状態が続いています。被害の7割がイノシシなどによる獣類で、カラスなどの鳥類が3割を占めています。獣類被害の9割はイノシシ、猿、シカによるものです。また、最近ではアライグマの被害も急増しています。
 これらの農作物被害の増加の原因は、農業の後継者不足や地方の過疎化が進み、休耕田、耕作放棄地の増加、狩猟人口の減少、温暖化による鳥獣類の生息環境の変化、自然林の減少や手入れが行き届かなくなった森林が増加した結果、木の実などの鳥獣のえさが減り、人里におりて農作物などをあさったりしていることによります。また、捨てられた残飯を食べ、その味を覚えてしまったり、ペットとして飼われていたのが逃げたり、処分に困って放してしまったり、人間の非常識な行動も原因の1つであります。さまざまな対策を講じても被害が減らない上、被害が収穫直前に発生するため、農家の精神的ダメージが大きく、生産意欲が低下しています。
 事態を重く見た農水省は、2008年度予算から鳥獣害対策予算を前年度の約10倍の28億円を計上しています。鳥獣被害防止特別措置法が施行され、同法では、鳥獣の捕獲や防護さくの設置などの対策を盛り込んだ被害防止計画を策定した市町には鳥獣捕獲の許可権限を移譲し、国、県は計画実施に財政措置をとることとなりました。鳥獣の生息状況など、被害防止のために必要な調査を行い、これらの調査結果などを踏まえて被害の原因を究明することや、調査を定期的に行うように鳥獣保護法を改正することなども定めています。
 県では、新規事業として農作物鳥獣害対策強化事業が行われています。今まで鳥獣被害対策の中心として頑張ってこられた猟友会には、より一層の御協力をお願いしたいと思います。猟友会も、会員の高齢化や銃の法規制の強化により会員が減少してきていると聞いています。県と猟友会が連携し、一致協力して後継者の育成、捕獲に取り組んでいただきたいと思います。
 このように捕獲・防御対策はかなり充実してきたと思いますが、さらにもう1つ、中長期的な視野に立って考えれば、鳥獣をもともと住んでいたところに返すことを考えなければ根本的な解決にはならないと考えます。中山間地の荒廃対策にも同時に取り組み、昔の環境に戻していくことが鳥獣害対策であり、自然環境の保全につながると考えます。
 農林水産部長に4点質問します。
 第1に、県の新規事業である農作物鳥獣害対策強化事業の取り組み状況と平成21年度予算についての考え方をお聞きします。
 第2に、鳥獣被害防止特別措置法に基づく事業の取り組み状況についてお聞きします。
 第3に、鳥獣がすめるような森林の再生についてお聞きします。
 最近、冬にしか人里におりてこなかったメジロ、ヤマガラ、シジュウガラなどの小鳥が人里近くで見受けられるようになってきました。この現象を見ても山の荒廃が進んでいることが明らかです。自然林の減少や手入れの行き届かなくなった森林が増加したため、木の実などの鳥獣のえさ不足が1つの要因と考えられますが、鳥獣を山へ返すために森林の再生についてどのような対策をとるのか、お聞きします。
 第4に、中山間地域の荒廃対策についてお聞きします。
 過疎化が進み、後継者不足により、休耕田や耕作放棄地が増加しています。今後、休耕田や耕作放棄地の整備と有効活用を図り、中山間地の環境保全のためのどのような対策をとるのか、お聞きします。
 次に、教育問題についてであります。
 県立高校入試における定員削減と高校再編計画についてお聞きします。
 少子化の影響により、高校入学予定者の減少が年々県下で進んでいます。毎年8月、9月には、各郡市PTAの皆さんや中学校の校長会から各地域の要望書を持って陳情に来られています。私も両方の側を経験しましたが、その地域の要望は余り反映されてない気がします。必ず教育委員会から出てくる言葉は、「財政が厳しいので御理解ください」という話をされて終わるのが現状で、結論ありきではないのですか。本来なら、もっと早い時期に陳情を行うか、地域の事情や需要を校長会やPTAから聴取・協議して、定員削減について理解・協力を求めて決めていくのが順序ではないかと考えます。陳情を儀礼的なものと考えているなら受ける必要がないのではないかと考えます。数年後には、定数削減に頼る現在の手法では、いずれ学校運営にも行き詰まってしまいます。一番困るのは子供たちです。財政の厳しさを理由にするなら、今後の学校運営のあり方や高校再編計画に取り組み、地域ニーズに合った特色ある学校づくりを進めるべきと考えます。
 教育長にお聞きします。
 少子化により高校入学する子供たちが減少する中、各高校の定数削減をする方法をとっていますが、地域の事情や需要を考えた定数削減にはなっていないのではないかと思います。学校運営を考えた定数削減ではないのですか。今後、さらに少子化が進むことが確実であり、現在の高校の数でいけば供給と需要のバランスを失い、学校運営に大きな支障が出てくると考えます。私は、子供たちの将来のために、目の前に迫っている問題に目をつぶることなく、早急に高校再編計画を進めるべきだと考えますが、教育長のお考えをお聞かせください。
 次に、学区制についてであります。
 県立中学校入試、また高校入試も全県1区になっています。なぜ全県1区にする必要があるのか理解ができません。高校生が本当に行きたい学校が遠方にあるなら、そういう制度をつくれば済むことであり、全県1区にする必要があるのかと考えます。今後は、少子化により地域の高校生が減少しますので、一定の学区制のほうがよいと考えます。全県1区になった経緯と、どんなメリットやねらいがあるのかを教育長にお聞きします。
 次に、併設型中高一貫教育校の今後についてであります。
 併設型中高一貫教育校が5校開設されました。地域の期待も大きく、注目されています。私立の中高一貫教育校と同じ感覚でいる保護者もいるだろうし、どういう学校なのかわからない保護者もいる、いろんな考えを持った保護者がいます。どんな学校運営をするのか、どういう特色ある教育をしてくれるのか、一般入試の定員が減らされるのではないか、一般入試で入学した子供の教育はどうなるのか、よくわからないのが現状で、不安と期待が入りまじっているのではないかと思います。
 数年たてば中高一貫教育の子供たちも全学年そろい、一般入試で入学した子供たちと一緒に学校生活を送ることになります。私は、併設型中高一貫教育校がどんな学校に変化していくのかよくわかりません。
 中高一貫教育、一般入試による高校教育が存在することになり、学校運営、クラブ活動にも何らかの影響があると考えます。また、中高一貫校の生徒数が逆転してしまう学校もあり、教育カリキュラムが全く違う学校が2つ存在する場合もあります。私は、併設型中高一貫教育校のメリットを、一般入試で入学した子供たちにもそのメリットを共有できる学校にするべきだと考えます。
 教育長にお聞きします。
 中高一貫教育、一般入試による高校教育が存在することになりますが、学校運営やクラブ活動が難しくなるのではないのですか。どんな特色ある学校づくりや教育をするのですか。中高一貫教育の生徒の数が逆転してしまう県立橋本高校は、一般入試で入学した子供たちにどんな特色ある教育をするのですか、お聞きします。
 最後の質問は、第70回国民体育大会男女総合優勝に向けた選手の育成強化の取り組みについてお聞きします。
 仁坂知事は、12月議会の開会日に本会議場において、「平成27年開催の和歌山国体での男女総合優勝に向けて計画的な育成強化策を推進し、県民の皆様方の期待にこたえられるよう本県の競技力の向上に努めてまいります」と表明されています。私も、和歌山県で開催する以上、男女総合優勝は必ずなし遂げられなければならないと考えており、元気な和歌山を全国に発信したいと思っています。
 しかし、現在の状況は、昭和46年の黒潮国体男女総合優勝当時に比べると非常に厳しい環境にあります。特に他県に比べると、企業チームの減少による競技力の低下や競技人口の減少があります。各スポーツ団体の組織の弱体化や資金不足が見受けられます。
 また、今、スポーツ少年団、各競技団体の指導者は、ボランティアで熱心に指導しており、小学生の競技レベルが年々向上しているのですが、中学校、高校へと進学すると、少子化の影響でクラブ活動ができなかったり、指導者不足があったりと、小・中・高へとつながっていないという問題もあります。また、小学校、中学校で優秀な成績を残した子供たちが県外へ流出してしまい、県内の競技力向上につながっていない競技もあります。男女総合優勝を達成するためには、スポーツ環境の整備と、選手の育成強化の体制づくりと、指導者の育成、練習場の整備と確保等について関係者が連携し、一丸となって対応しなければなりません。
 まず最初の質問は、男女総合優勝に向けた知事の力強い決意をお聞きします。
 教育長に4点お聞きします。
 選手の育成強化と競技力向上と各競技団体の連携強化についてお聞きします。昭和46年の黒潮国体と違い、企業スポーツの衰退や選手育成強化のスポーツ環境が悪くなっていますが、今後どのような取り組みをするのか、お聞きします。
 次に、ゴールデンキッズ発掘プロジェクトで選ばれた子供たちの育成強化や競技種目の選択について、どのようなスケジュールで進んでいくのか、お聞きします。
 次に、中学校の指導者不足と中学校体育連盟とクラブチームの関係改善についてであります。
 小学校では、スポーツ少年団、競技団体の指導者が非常に熱心に指導を行っていただいているため、競技レベルは年々高くなっています。中学へ進学すると、進学した中学校に指導者がいないケースがあります。中学校の指導者不足解消に向けた取り組みをどうするのか、お聞きします。進学した中学校にクラブがなかったり、合同チームの規定や学校の許可が出ないため、合同チームに参加できない子供たちがクラブチームに入部することがあります。しかし、この子供たちは同じ中学生でありながら、中学校体育連盟の大会に参加することができません。クラブチームができた過去のいきさつもありますが、すべて大人の都合と考えます。教育委員会、中学校体育連盟、競技団体、クラブチーム4者で解決してほしいと思いますが、いかがですか。今後も、少子化の影響で中学校の団体競技では十分に考えられることだと思います。十分な対応をお願いしたいと思います。
 最後に、優秀な選手の県外流出についてであります。
 小学校、中学校で優秀な成績をおさめた子供たちが県外へ流出してしまいます。県内での魅力ある受け皿づくりが必要と考えます。できるだけ県内にとどまってもらえば競技力向上につながると思いますし、県外へ流出した選手が戻ってきやすい環境づくりをお願いしたいと思います。県内での受け皿づくりをどのようにしていくのか、お聞きします。
 最後に、国道371号バイパス早期完成に向けた取り組みについての要望であります。
 過去2回の一般質問でもお話ししましたが、橋本市民の生活・通勤道路であり、命の安心・安全にとっても重要な道路であります。また、企業誘致を進めていくためにも重要な道路であります。
 大阪府側の残事業が約120億円あり、ことしの予算は約3億円と聞いております。単純計算しますと、40年かかるということになります。
 仁坂知事、原副知事、また茅野県土整備部長、県土整備部には、今後とも国や大阪府に早期開設できるように府県間道路建設に向けた制度変更や働きかけをお願いしたいと思います。
 和歌山県側橋本バイパスにつきましても、府県間トンネルを除く道路については平成25年完成目標と聞いておりますので、早期完成をお願いしたいと思います。
 以上で、一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(山田正彦君) ただいまの平木哲朗君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 男女総合優勝に向けた私の決意ということで申し上げたいと思います。
 議員御承知のとおり、昭和46年に黒潮国体が行われまして、県民総参加によりまして諸準備に取り組み、男女総合優勝を獲得するとともに、国体終了後も長くスポーツ県和歌山として高い評価を得てきました。記録を見ますと、競技に強いというだけじゃなくて、真心のこもった国体の運用をしたということで長く記録に残っている立派な国体であったというふうに思っております。
 国民体育大会の成績は、本県のスポーツ水準はもとより、県としての総合的な活力を反映するものでありまして、開催県としての誇りを持ち、男女総合優勝を目指し、頑張りたいと考えております。
 スポーツは、県民に明るい話題を提供し、活力に満ちた社会の形成や心身の健全な発達に欠かせないものであります。さらに、国体で優秀な成績をおさめることは、県民に夢と感動を与え、地域住民に一体感や活力を醸成し、本県の活性化に大きく寄与するものと考えます。7年後の和歌山国体に向けて、県、市町村、競技団体、それから県内企業等が一丸となって男女総合優勝を目指すことは、県民の志気を高め、スポーツに対する意識を高揚させ、元気な和歌山を全国に発信する絶好の機会であります。したがって、計画的、継続的な競技力向上施策を展開し、県民の皆様方の期待にこたえられるように努めてまいりたいと考えております。
○副議長(山田正彦君) 総務部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○総務部長(小濱孝夫君) 公立病院改革プランと地域医療の充実についての御質問にお答えをいたします。
 公立病院改革プランの策定につきましては、国から、平成20年度内にすべての公立病院が作成し、経営改革に取り組むよう要請されております。県内の公立病院改革プランの策定の状況につきましては、現在、県内のすべての公立病院から今年度中に策定すると回答をいただいております。また、県内市町村の公立病院に対しまして、去る10月から11月にかけて、それぞれ作成中の改革プランの素案等をもとに、総務部と福祉保健部共同でヒアリングを実施し、経営効率化、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しを中心に意見交換を行ったところでございます。
 今後、県内すべての公立病院が、平成20年度内に地域医療の実情等を踏まえ、改革プランを策定することができるよう、福祉保健部とともに取り組んでまいります。
 次に、県内公立病院の公立病院特例債の要望状況でございますが、1団体──これは橋本市民病院でありますが──から要望があり、現在、発行許可の条件であります経営健全化の取り組み内容等について国と協議中でございます。なお、他の公立病院につきましては、国の定める発行条件を満たさないので、この地方債の発行はできないことになっております。
 特例債発行後は、毎年、発行団体から提出された経営改善の実施状況を県が内容確認した上で国に提出することになっております。県といたしましては、発行団体が計画達成できるよう、病院健全化に向けて新たな医療機能整備に対する起債措置等の有利な財政措置の活用等を助言してまいります。
 次に、紀北分院の持つ役割と機能、橋本保健医療圏内への影響についてでございます。
 整備に当たりまして、和歌山県立医科大学が策定いたしました紀北分院整備基本計画では、近隣病院との連携、機能分担を考慮し、病床数と一般外科を縮減して内科、小児科など7つの診療科にするとともに、大学附属病院として、チーム医療による総合医療の充実、脊椎・脊髄センターや緩和ケアといった新しい取り組みを行うなど、特色のある施設として計画されております。このような新たな診療体制のもとで、紀北分院は地域で必要とされる医療サービスの提供に貢献できるものと考えております。
 このプラン達成のために、今後の県の果たすべき役割はということでございますが、公立病院改革プランが着実に達成されることが地域医療の安定供給に資するものであると考えておりまして、県といたしましては、市町村財政を担当する総務部と医療行政を担当する福祉保健部が連携して、医師確保対策を初めとした地域医療提供体制の整備のほか、有利な財政措置の活用に関する助言、県振興資金貸付金の活用等を行ってまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○副議長(山田正彦君) 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) 公立病院改革プランにおける再編・ネットワーク化への方向性と協議体制の現在の状況についてお答え申し上げます。
 県では、県内の公立病院は、いずれも救急医療や僻地医療など地域医療を確保する上で重要な役割を担う拠点病院と十分認識しており、再編・ネットワーク化の検討に際しましても、おのおのの公立病院が本来有する機能を十分発揮しつつ、地域全体で限られた医療資源を効率的に活用できる体制を構築していくため、県保健医療計画等に基づき、地域の実情に即した医療機関相互の機能分担と連携体制の推進による地域医療の充実を基本方針として取り組んでいるところでございます。
 協議体制についてでございますが、各公立病院のみならず、関係機関の協力のもとで実施することが必要であることから、総務部とともに振興局を中心とした協議の場を設置するとともに、医療関係団体や県立医科大学、県内医療機関等で構成されます和歌山県地域保健医療協議会医療対策特別委員会において検討を行った上で、年度内に県全体の方向性について取りまとめる予定で進めてございます。
 以上でございます。
○副議長(山田正彦君) 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 鳥獣対策と環境保全に関する4点についてお答えをさしていただきます。
 まず、農作物鳥獣害対策強化事業の取り組み状況と平成21年度の予算についてでございますが、本年4月より、有害捕獲や狩猟に関する業務につきましては農林水産部へ移管をいたしますとともに、一部国庫事業も活用した県の新規事業として立ち上げてございまして、現在、猟友会など関係団体と連携を密にしながら取り組んでございまして、本年度につきましては、防護さく、捕獲おり等の設置補助や農家のわな免許取得経費への助成などを行ってございます。
 なお、個体数が増加しておりますシカにつきまして、ニホンジカ保護管理計画を策定し、狩猟期間の延長やメスの捕獲頭数の拡大を行ったところでございます。
 今後、21年度予算につきましては、地域や獣種に応じた被害防止等、必要な対策の充実を図ってまいりたいと考えてございます。
 2点目の鳥獣被害防止特別措置法に基づく事業の取り組み状況についてでございますが、現在、この法律に基づきます被害防止計画を16市町で策定をしてございます。このうち11市町では、国庫事業を活用いたしまして、モンキードッグによる猿の追い払い、放任果樹の伐採や大型捕獲おりの設置などの新たな対策に取り組むとともに、隣接する市町が共同で対策を講じるなど、広域的な取り組みも始まってございます。
 県といたしましては、市町村と連携を図りながら、これらの国の施策も積極的に活用し、総合的な鳥獣害防止対策に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 第3点目の鳥獣がすめるような森林再生対策についてでございますが、県では、手入れが不足をしてございます人工林を解消し、豊かな森林への誘導を図るということで、毎年約9000ヘクタールの間伐を初めといたしまして、企業の森や紀の国森づくり基金を活用し、これまで約200ヘクタールの広葉樹を主体とした植栽を行うなど、多様な森づくりを進めてございます。
 今後、現在実施している取り組みに加えまして、本年5月に施行されました間伐等の実施の促進に係る特別措置法を活用しながら、県民またNPOなど多様な主体の参画のもとに、市町村と連携しながら豊かな森林の再生に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 第4点目でございますが、中山間地域の荒廃対策についてでございますが、その主な対策といたしまして、これまで平成12年度から中山間地域等直接支払い制度、これを実施いたしてございまして、現在、23市町、約1万2000ヘクタールの農地について保全を行うとともに、遊休農地解消のための県単独事業も実施をしてございます。
 しかしながら、依然といたしまして耕作放棄地が発生している状況の中でございます。国において昨年11月に耕作放棄地の解消を図るためのガイドラインが示されまして、市町村において、この6月から10月にかけて実施をいたしました実態調査をもとにして、現在、解消のための計画策定に取り組んでいるところでございます。
 県といたしましては、今後、この計画に基づき、国において緊急的に実施が予定をされてございます雑木の除去や土壌改良などの対策を取り入れながら、耕作放棄地の解消に向けて一層努力してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(山田正彦君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) まず、教育問題について、高等学校の募集定員につきまして、各地域における中学校卒業者数、進学率及び地域の状況等を踏まえ、総合的な観点に立って慎重に検討し、決定してきているところでございます。
 本県でも、生徒数の減少が進む中、平成17年5月に県立高等学校再編整備計画を策定いたしまして、平成18年度から平成20年度の再編整備について、第1期実施プログラムに基づき進めているところでございます。
 議員御指摘のとおり、今後一層の生徒の減少が見込まれることから、再編整備につきましては慎重かつ早急に検討を進めていかなければならないと考えております。県立高等学校教育の質的充実と適正な学校規模の確保、地域の実情やニーズ等を勘案しながら、第2期実施プログラムにつなげてまいります。
 高等学校の通学区域につきましては、生徒や保護者のニーズ、価値観が多様化する中で、受検生の幅広い学校選択や進路選択を保障するという観点から、専門学科から順次拡大し、平成15年度入学者選抜から撤廃しております。このことにより、高等学校の個性化、多様化が一層推進され、生徒がより主体的に学校を選択することが可能になったととらえております。
 次に、併設型中高一貫教育校の今後についてお答えいたします。
 これまで設置してまいりました5つの併設型中高一貫教育校では、6年一貫というメリットを生かして早期から個性の伸長を図り、異年齢間における活動を通して社会性を養い、豊かな人間性と確かな学力をあわせ持った、これからの社会に力強く羽ばたく人材の育成を目指して教育を行っているところでございます。
 議員お尋ねの橋本高等学校と古佐田丘中学校におきましては、ともに「自治と自由」を校訓に掲げ、みずから学び、みずからを鍛え、仲間とともによりよき可能性を求めて行動しようとする高い志を持った国際社会に貢献できるリーダーの育成に力を注いでいるところです。
 こうした教育は、一般選抜を経て入学する生徒にも必ずや刺激を与え、互いに切磋琢磨することにつながっていくものと考えております。そのために、授業やクラブ活動等において交流する場を多く設けるなど、学び合うことを基盤とした学校運営を行うこととし、今後ともよき伝統の継承と魅力ある学校づくりを目指してまいりたいと存じます。
 次に、第70回国民体育大会男女総合優勝に向けた選手の育成強化と各競技団体との連携強化についてでございます。
 7年後の和歌山国体を見据えた競技力向上につきましては、県内の競技団体と緊密な連携のもと、小・中・高の一貫した指導体制を構築するとともに、優秀な人材の確保と適正配置に努めてまいります。また、各競技団体の主体的な活動が必要不可欠でありまして、確固たる組織体制を構築することが重要であると考えてございます。
 次に、ゴールデンキッズに選ばれた子供たちの育成につきましては、小学校4年生から6年生までの3年間にわたって、競技種目に特化しない子供たち1人1人の能力の開発を行っております。
 今後、競技種目の選択につきましては、子供たちの個人の能力に応じて、県内の競技団体や市町村教育委員会と連携・協力し、中学校進学前までスポーツの適性や競技種目の選択をアドバイスすることとしてございます。
 次に、中学校の指導者不足につきましては、本年度から新たに中学校期の競技力向上を目指して、きのくにジュニアスポーツ推進事業を創設し、指導者がいない中学校に、高度な専門技術を持つ指導者をテクニカルコーチとして派遣をしております。また、市町村体育協会と連携してスキルアップスポーツ教室を開催するなど、子供が希望するスポーツを継続して実施できる環境づくりに努めております。
 運動部活動につきましては、生徒のスポーツに対するニーズの多様化、部員数の減少、専門的な指導者の不足に対応するため、学校間連携による運動部活動実施要綱を策定いたしまして、近隣中学校との合同部活動を推奨しております。また、中学校体育連盟の合同チーム参加規定の中で団体競技に限り大会参加を認めていると伺っておりまして、今後とも本人の希望や学校の実情を勘案しながら、大会参加のあり方について、中学校体育連盟、地域クラブ、競技団体と連携しながら検討してまいりたいと存じます。
 最後に、優秀な選手の県外流出につきまして、小学校や中学校期に優秀な成績をおさめた一部の選手が県外に進学する状況は認識してございます。県外流出を防ぐ1つの方策といたしましては、魅力ある運動部活動を育てるとともに、県内でも全国大会や国際大会の出場が可能な練習環境や支援体制について研究をしてまいります。
 県教育委員会といたしましては、今後、ジュニア期のスポーツ環境を整え、小・中・高校におけるスポーツ指導者の連携・強化に努め、一貫した指導体制を確立することによりまして県外への流出に歯どめをかけたいと考えてございます。
 以上です。
○副議長(山田正彦君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(山田正彦君) 再質問を許します。
 10番平木哲朗君。
○平木哲朗君 質問ではないんですけども、2点。
 国道371号につきましては、先ほど要望申しましたけども、再度よろしくお願いをしたいと思います。40年かかりますと、私も墓の中に入っている可能性がありますんで、何とか制度変更ということも十分考えていただいて、早期に完成へ向けるように努力をお願いしたいと思います。
 もう1点、中高一貫教育校のことなんですけども、私も、橋本高校のとき、PTAをやってるときに受け入れたんですけども、心配してたとおり、2つのシミュレーションを考えてたんですけども、やっぱり悪いほうへ行ってるんですよね。結局、一般入試する子供たちが減っていくと。ということは、一般入試する子供たちが減り、中高一貫教育の子供たちがふえてくるという中で、僕は2つの学校──中高一貫教育校やったらそういうふうになるとは思うんですけども、そういう部分でやはり十分な配慮をお願いしたいということと、県の教育委員会が中高一貫教育を1つの重点施策として考えるんならば、今の県立学校課と小中学校課が分担してするような組織にするんじゃなくて、そしたら併設型中高一貫教育校の中で問題が起きたときにどうするのかという、何か僕、危機管理意識が非常に乏しいん違うかなと。
 僕ら、PTAの組織つくるときでも、中学生が入学したときに中学生が困らないPTAの組織をつくることを考えたし、そのとおりに実践しましたけども、今の現状では、中学校で問題が起きたら小中学校課やりなさいよ、高校で問題が起きたら県立学校課でやりなさいよというやり方はおかしいん違うかなと。逆に、本当に中高一貫教育校をさらに充実あるもんにしていくならば、組織を一本化すべきであると考えます。
 以上です。終わります。
○副議長(山田正彦君) 今のは要望ですか、質問ですか。
  〔「要望です」と呼ぶ者あり〕
○副議長(山田正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で平木哲朗君の質問が終了いたしました。

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