平成20年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(藤本眞利子議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 35番藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕(拍手)
○藤本眞利子君 おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。
 まず、和大新駅からコスモパーク加太を含む紀の川北部の開発と発展についてお伺いいたします。
 昨年の3月25日、知事、市長初め、県選出の国会議員、県会議員、多くの関係者によって仮称・和大新駅の起工式が行われました。新駅については、これまでも紆余曲折があり、一時は頓挫してしまうのではと危惧をされましたが、関係者の熱意と御努力によって起工式の運びになったと認識しています。和歌山県、和歌山市ともに人口減少の中、新駅を中心に新しいまちができる、若い世帯が集まり和歌山市に活気をもたらせていただけると大いに期待をしているところです。
 先日も、新駅予定地から広がるふじと台団地を視察いたしました。民間の事業者による開発でありますが、その大きさにびっくりいたしました。現在既に3000人を超える皆さんが住んでおられ、まだまだ広がりを見せています。およそ2万5000人規模、和大関係者を含めると3万人規模のまちになる予定とお聞きをし、さらにびっくりしました。和歌山市でも、住民の大半を占める若い皆さんが安心して子育てしていけるよう、新たな学校の建設を予定されていると聞いています。また、団地の中には新駅から和歌山大学へのアクセス道路も完了しており、将来を見据えたまちづくりが着々と進められていると実感しました。
 和大新駅は24年完成予定と聞いています。予算の内訳として、県・市ともに5億円、国が8億円、和歌山市和歌山大学前駅周辺土地区画整理組合が15億円という内訳で総額33億円の事業であります。公的予算と民間組合がおよそ半分ずつ出資ということですので、何としても成功していただきたいと思っていますが、今般の材料費の値上げしている状況の中で事業の進捗に影響はないのか心配をしています。
 ふじと台団地は、現在も若い世帯に大変人気が高く、大阪からの住民も大変多いとお聞きしています。この民の力もいただきながら、大阪だけでなく近畿各地からもっと和歌山に来ていただくために、駅だけでなく、駅周辺の整備も必要不可欠かと考えます。駅前周辺土地区画整理組合のほうでは、住民のニーズにこたえられるよう、駅周辺のまちづくりも計画されていると聞いています。そのためには、和歌山市、県との調整が必要であるとのことであります。
 そこで、知事にお伺いします。
 県としての和大新駅の位置づけと、それに伴うまちづくりについてどのように考えているのか、また現在の現状はどうなっているのか、お伺いをします。
 また、このエリアは第2阪和道路の計画路線に接近しており、大阪からの連絡も大変便利な条件にあります。今後完成される第2阪和と現在の26号線をつなぐ道路を整備し、泉南からの人口の流入をスムーズに行うことによるメリットは大変大きいと考えます。また、国道26号線沿いの新駅から第2阪和道路への連絡道を整備し、その後、京奈和自動車道とのバイパスをつなぐ環状道路とし、次に、つつじが丘、コスモパーク加太への道路の延伸を行い、エリアとしての整備も必要かと考えます。
 県としても、コスモパーク加太については企業誘致や防災対策用地としての利活用を示されていますが、なかなか進みにくい状況の中、単体での計画ではなく、エリアとして地域づくりを進めていく必要があると考えます。仮称・和大新駅をその部分だけで終わらせるのではなく、和大新駅周辺から和歌山市が所有するつつじが丘、それに連なるコスモパーク加太までのエリアを、新しいまちをつくるといった将来的な展望に立った計画が必要だと考えますが、県としての所見を知事にお伺いします。
 次に、県内地域支援についての活用についてお伺いします。
 以前、青少年協議会が行った児童生徒の意識調査によると、「自分の住んでいる地域が好きですか」という設問について、小・中・高の児童生徒の8割が「好きです」と回答しています。この数値は増加傾向にあり、和歌山に住んでいる子供たちは、自分のふるさとが本当に好きなのだということがわかります。しかし、実際、高校卒業時の生徒がふるさとにとどまっているかというと、和歌山県の生徒の4割が県外に就職している実態であります。新宮、串本などは、県外就職率のほうがはるかに上回っているという状況であります。若者が地元にとどまれない理由として、和歌山に仕事がないという話によくなるのですが、仕事がなければ新たな仕事をつくり出すという発想も必要ではないかと思います。
 先日、県も協賛して行われた「近露まるかじり体験」のイベントに参加いたしました。このイベントも年々盛大に行われるようになり、当日は多くの皆さんでにぎわいました。近露を中心に活動されているNPOの皆さん、また地元の住民の方々の協力で、出店あり、体験ありと、さまざまなイベントが催されました。その中でも、近露の道々を花で彩る野外花展が催され、家元や生徒さんによってすばらしい作品が展示されました。私も稚拙な作品を出品いたしました。この野外花展は2回目ということで、中辺路にある木や草花を材料に、花器や器も身近にあるものを利用しながら、道のつじつじや広場、家の庭や軒先などに花を生けるものです。
 ある華道家は、昔の長持ちを花器に利用していましたが、ほかにも古木あり、うすあり、石あり、切り株ありと、その辺に捨ててあるものがすばらしい花器に変身しておりました。また、生け込む花材も、コケの生えた古木、山々に打ち捨てられた大木、つる等々を使用していました。これらのものは、田舎に住んでいる人にとっては一見何の価値もないものですが、華道という切り口を通せば、これ以上ない価値あるものに変わるということを目の当たりにいたしました。華道をする皆さんにとって、近露にあるものすべてがそれこそのどから手が出るほど嘱望しているものなのでした。
 飲食店で使う葉っぱをビジネスにされ、成功している四国の上勝町の話がニュース等で話題になったことがありましたが、地元にとっては何の変哲もない題材も、必要とされるところに供給することでビジネスとして成り立つということだと思います。今回の近露でのイベントは、そのことを改めて教えてくれました。ただ、それをどのようにビジネスにつなげるかは、幾つかのノウハウと人材が必要なのです。そこに気づき、起業し、発信するための人材の発掘が求められています。
 そこで、お伺いします。
 素材の発掘、人材の育成、起業の支援、そのどれもが和歌山県の地域おこしにつながるものと確信しています。こういったことは一例でありますが、和歌山県の特色を生かしたソフトビジネスについて、県としてどのような戦略を持っておられるのでしょうか、お伺いします。
 次に、畜産問題についてお伺いします。
 和歌山県の畜産は、全国に比べると盛んというわけではありませんが、県下には、畜産、養豚、養鶏、養蜂と、およそ450戸の飼養農家があります。そのうち養蜂農家を除いた飼養農家は300戸で、決して多いというわけではありませんが、農業産出額の5.4%を占めています。和歌山県でも、熊野牛やうめどりのブランド化を進める一方、その販路開拓に努力をされています。
 せんだって、畜産課職員さんのお世話で、幾つかの畜産農家に視察を行いました。それこそ山間で家族経営をされている畜産農家、かなりの頭数を飼養され、全国規模で事業を展開されている安愚楽牧場、熊野牛子牛市場での優良牛を目指して畜産をされている農家など、形態の異なる皆さんに御意見をお伺いしてきました。県内の畜産農家のほとんどが家内零細農家が大半で、昨今の飼料代の高騰で経営が大変厳しいということや、牛舎の下に敷くおがくずも資源が枯渇しているため調達もままならないとおっしゃっていました。
 そういった中、和歌山市の食肉処理場の廃止に向けた予算がさきの9月議会に上程され、採択されています。市の説明によると、07年度の決算では1億7000万円の赤字に達し、施設も老朽化、収支が好転する見込みがないということで、廃止を前提に業者への補償費に関する調査委託料1400万円の予算を計上したということであります。しかし、処理場では処理頭数が減少しているとはいえ、07年では4400頭余りの処理件数があり、県内産ではおよそ700頭余りが利用していると聞いています。また、廃用牛では50頭余りの処理も行っていると聞いています。イノブタの処理も行われているということですので、処理場が廃止された場合の県内の影響も少なからずあると考えます。零細な農家が多い中、処理場が廃止された場合、運搬に係る費用の負担も大きくなるのではと危惧しています。
 そこで、県として食肉処理場が廃止された場合の影響についてどのように考えているのか、お伺いします。
 また、県内の畜産振興について、県としてどういった対策を進めていかれるのか、農林水産部長にお伺いします。
 次に、青少年施設の存続についてお伺いします。
 ことし3月、新行財政改革推進プランが発表されました。新プランによると、事務事業の見直しなどにより、毎年10億円の歳出削減を行うとしています。今年度は特に県有施設、外郭団体、補助金見直しをするということで、9月に事務局案が取りまとめられました。事務事業の見直しの部分で、県有施設では5項目、外郭団体について3項目、補助金についても、廃止・縮小するものから整理するものなどを含め、7項目に分け見直しされました。
 そこで、この事務事業の見直しについて、事務局案に至る経過の中で、行政経営改革室でそれぞれの事業についてどういった検討がされたのか、お伺いします。
 また、見直しに当たっては、施設や関係課とはどのような話し合いが持たれたのか、総務部長にお伺いします。
 次に、事務局案の中でも利用状況や大規模修繕費等を勘案して検討するものとして、青少年の家が挙げられています。今回、新プランが発表されたのを受け、会派として各施設の視察を行いました。青少年の家は県下3カ所に設置され、それぞれが特色ある活動をされていました。
 山の中腹にある紀北青少年の家からは、色づき始めた山々の木々や紀の川の流れが見渡せ、自然の中での活動が十分にできる環境の中で、ちょうど小学校の児童が野外活動をしており、野外で勾玉づくりに熱中していました。紀北地域を中心とした地元小学校では、5年生になると教育活動の一環として必ず1泊研修を実施、子供たちもこの学習を心待ちにし、楽しみにしているとのことでした。また、地元地域の皆さんからも愛され、惜しみない協力をいただいているとお聞きしました。
 白崎海岸の先端にある白崎青少年の家では、宿泊棟から雄大な黒潮の海が見渡せます。案内をしていただきながら、その景観に思わず歓声を上げてしまいました。白崎青少年の家では、自然を生かした企画事業に力を入れておられ、県外からの利用者が大幅に伸びているといった状況でした。これからは、もっと近隣の小中学校に利用していただく努力をしていくということでした。
 潮岬青少年の家についても、利用者数は増加の傾向にあり、指定管理者の特色を生かし、うどん打ち体験なども企画され、たくさんの皆さんに参加していただいている様子でした。また、広い施設の特色を生かした行事をもっと進めていきたいとお話しされていました。
 県内3カ所の青少年の家での利用状況は、昨年で4万9534人、ことしの6カ月間の合計はもう既に3万5342人と、19年度と比較しても大幅に増加をしています。青少年の家は、設立当初から青少年の健全育成という観点から設置されたものと認識しています。設置当初から比較しても、現在の青少年を取り巻く環境はますます悪化していると思われます。インターネットや携帯電話、電子ゲームの普及により、仲間と集団で遊ぶという経験が少なくなりました。手先を使って何かをつくるという体験も希薄であります。
 学習指導要領が改訂されましたが、今回の改訂の特色の1つとして、集団宿泊活動や自然体験活動が重要視されています。また、長期総合計画の中でも、「未来を拓くひたむきな人間力を育む和歌山」の中でも青少年の健全育成がうたわれております。家庭や学校の中では体験できないことを学習できる青少年の家は、教育施設であります。採算を考える単なる貸し館ではありません。和歌山県の青少年健全育成のため、今後ますます充実していくべき施設であると考えます。
 そこで、何点かお伺いします。
 知事もこの青少年施設を視察されたと聞いています。私は、青少年の家はますます充実させるべきだと考えますが、知事は青少年施設を訪問されてどういった感想を持たれたのか、必要性も含めて御感想をお聞きします。
 また、青少年の家では、3年前に指定管理者制度が導入され、運営は指定管理者が行っています。来年度はその切りかえの時期と伺っていますが、今後の方向性について行財政改革の観点からどういうふうなお考えなのか、総務部長にお伺いします。
 次に、老朽化に伴い、あり方を検討するという秋葉山公園県民水泳場について意見と要望を述べます。
 50メートルプールや飛び込み台のある秋葉山公園県民水泳場は、1971年(昭和46年)に行われた国民体育大会の夏季大会の会場として全国からの選手をお迎えし、競技が盛大に開催されました。その後、県民の水泳場として大新プールとともに長く親しまれてきましたが、大新プールも廃止され、秋葉山プールも3年前より指定管理者に運営が任され、現在に至っています。
 黒潮国体の模様がインターネットで動画が公開されておりますが、真新しい秋葉山県民水泳場の様子と比べて、現在の状況との落差に悲しい気持ちになります。黒潮国体から37年が経過し、秋葉山県民水泳場もかなり老朽化が進んでおります。屋外のトイレは何カ所も使用不能、トイレ後のシャワーも使えません。プールサイドや更衣室、通路など、至るところに傷みが進んでいます。また、毎年さまざまな水泳大会が開催されていますが、男女ともに満足に着がえる場所もないため、選手は通路で着がえているといった状況です。とはいっても、50メートルプールが秋葉山にしかないため、競技関係者も我慢しているといった様子であります。また、タイムをはかるタッチパネルが後づけのため、公式タイムが測定できないといったことになっています。県内にたった1つしかない50メートルプールがこのような状態であります。(「橋本にもあるで」と呼ぶ者あり)済みません。
 老朽化のため、あり方を検討するとされていますが、5年後の国体をにらんだときに、県内に公式タイムを測定できるプールもなしに選手の育成ができていくのだろうかと不安に駆られます。
 和歌山は、「前畑頑張れ」で一躍有名になった前畑選手を輩出した県であります。水泳に寄せる県民の意識も高いと思われ、何とかできないものだろうかと心を痛めています。
 そこで、知事に強く要望したいと思います。
 県の大変な財政状況は理解をしていますが、100万県民を抱える県として、公式タイムのはかれる屋内水泳場はぜひとも必要な施設であると考えますが、建設に向け前向きに検討していただけるよう今回は強く要望し、質問を終わりたいと思います。
 以上で、第1問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(大沢広太郎君) ただいまの藤本眞利子君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、和大新駅の位置づけと、それに伴うまちづくりということでございます。
 和歌山大学新駅の設置は、和歌山大学の統合移転などを機に県や和歌山市などが取り組んできたものでありまして、完成した暁には、和歌山市北西部地域の交通の利便性向上に大変重要な役割を果たすものだと考えてるところでございます。
 また、現在、新駅設置を進めている周辺地域では、土地区画整理事業とあわせて約200ヘクタールぐらいの大規模、住宅を中心とするような開発が進められています。開発途上ではありますけれども、新駅の設置とあわせて、今後地域の発展に大きく寄与していくものと考えております。
 県といたしましても、今後とも和歌山市──これは市のデザインあるいは設計に責任を持つ当局でありますが──和歌山市のお話をお聞きしながら、新駅の整備効果が早期に発現できるように対応してまいりたいと考えております。
 次に、和大新駅からコスモパーク加太を含む全体の開発ということでございます。
 この和歌山大学新駅周辺からコスモパーク加太に至る広大なエリアの中での新しいまちづくり計画というようなお話であろうかと思いますが、これにつきましては、実はこの開発をしてもらえる方に昔の構想というのをお聞きしたことがあります。大変感心をいたしましたが、かなり昔、コスモパーク加太を開発するという1つの動機づけになったというようなものだと思います。しかしながら、時代も変わり、それからいろんなことがあって、コスモパーク加太については、債権及び整理について、県議会も含めて大変な方々の努力を要することになったということもまた正直なところです。それから、昨今の情勢は昔よりもっと悪くなっとるかなという議論もあります。
 したがいまして、現在取り組んでいるこの和歌山大学新駅の整備やその周辺での大規模なまちづくり事業をまず完成さして、それからいろんなことをまた考えて実行していったらいいんじゃないかと考えております。ただ、この地域は、関空にも近うございますし、それから、地形的にもなかなかのもんだと思います。それから、まだまだ開発が済んでないという意味では潜在性のある地域だと思っておりますので、コスモパーク加太の活用についても、我々は別にこれをずっと置いておくということを考えているわけではありませんで、何とか利用できないかと思っておるわけですが、それとともに、全体として、今後の課題として考えていきたいと考えております。
 次に、青少年施設を訪問した感想というようなことではありますが、そもそも私は、少子化、高度情報化の急速な進展による人間関係の希薄化、特に青少年を取り巻く環境が大きくこのように変化している今日、豊かな自然環境の中で行う団体宿泊生活やいろんな諸活動を通じて、青少年が適切な人間関係を築いて、それで成長していくということは、非常に重要なことであると考えております。
 一方、現在の状況におきましては、指定管理にさしていただいた結果、かなり節約はしてると思いますけれども、それでも県にとっては大変なお金が毎年出ておって、行革当局からは、これは整理する対象ではないかというような意見をいただいて、それは意見として公表してるんですが、そういう状況にあり、これを判断しなきゃいけないという状況にあります。
 そのためには、実態も知らないで判断はできませんので、まず見ないといかんと思いまして、私も3つ全部見に行きました。先般、そうやって訪問した結果、指定管理者の方々とお話をさしていただいたり、施設を拝見したりいたしました。御担当しておられる方は、それぞれが青少年のために地域性を生かした受け入れ、生活指導、工夫を凝らした主催事業の実施など、いろんなことをして努力をしてくださってるということもよくわかりました。
 しかしながら、一方で県の財政状況を考えると、こういう行革の要請と、それからこういう事業の意義、こういうものをいかにして調和を図っていくべきかということについて深く思い悩んでると、そういうのが現状であります。
 以上でございます。
○議長(大沢広太郎君) 企画部長前硲健作君。
  〔前硲健作君、登壇〕
○企画部長(前硲健作君) 御質問の2点目、県内地域資源の活用についてでございますが、地域の特性や資源を活用し、住民の皆さんやNPO等が主体的に取り組む地域づくり活動に対しましては、これまでも地域のニーズに応じてアドバイザーの派遣、あるいは必要な情報の提供を行うなど、その活動を積極的に支援しているところでございます。
 また、こうした活動の高まりによりましてビジネスにつなげていくという、そういう段階に入りますと、例えば昨年12月に造成されましたわかやま中小企業元気ファンド、これ、商工労働部の所管でございますけども、こうした施策を初めとするさまざまな支援施策を活用することによりまして、新商品あるいは新サービスの開発の支援が可能となってまいりますので、こうした一連の施策を通じ、かつ関係部局や大学等関係機関と連携を深めながら、個性豊かで活力ある地域づくりを推進してまいりたいと考えております。
○議長(大沢広太郎君) 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 畜産問題の2項目についてでございますけども、まず畜産業の振興策につきましては、県特産の和牛でございます熊野牛、それから梅酢利用によるうめどり、うめたまご、これを本県の中山間地域を中心とした畜産業の振興の柱としてございまして、生産性の向上とブランド化の推進に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
 なお、議員お話のございました飼料価格の高騰等につきましては、食品残渣を飼料として活用したエコフィードによるコストの低減、肥育牛の価格低下に対する所得補てんなどの国の緊急対策を早期に実施しまして、畜産農家に対する支援を強化しているところでございます。
 次に、和歌山市の食肉処理場の廃止に伴う県内畜産農家への影響についてでございますが、近隣の大阪府に4カ所、奈良県に1カ所の食肉処理場があり、最大の課題でございます出荷先につきましては確保できるものと考えてございますが、県外への出荷に伴う輸送費の増加が懸念をされているところでございます。こうした状況を踏まえまして、熊野牛産地化推進協議会などを通じまして、個人出荷から地域での集合出荷などへの転換を図るなど、生産者に対しまして輸送経費低減に向けた指導をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(大沢広太郎君) 総務部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○総務部長(小濱孝夫君) 青少年施設の存続についての御質問のうち、行財政改革推進本部事務局案の検討経過についてお答えをいたします。
 本年9月に、新行財政改革推進プランの具体的な実施方策を取りまとめた行財政改革推進本部事務局案をお示ししたところでございますけれども、この事務局案の策定に当たりましては、例えば県有施設でありましたら、必要性、利用状況、維持管理コスト、老朽化と建てかえ費用といった観点から検討を行いまして、廃止や、より効率的な運営体制等の検討が必要という整理をしたところでございます。
 なお、検討に当たりましては、所管する部局から施設等の現状を聞いておりますけれども、公表した見直し案は事務局の考え方に基づくものでございます。
 次に、指定管理期間の満了する施設についてでございますが、青少年の家等事務局案において見直し対象施設となっているもののうち、今年度末に指定管理期間が満了する施設につきましては、県としての方針決定が2月ごろとなる見込みでありますので、廃止または存続、いずれの場合でありましても、利用される県民の皆様方に御迷惑をおかけしてはいけませんので、一定期間現状のまま施設を運営するといった方策等を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(大沢広太郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 再質問を許します。
 35番藤本眞利子君。
○藤本眞利子君 青少年施設について、ちょっと要望を述べたいというふうに思います。
 青少年の家というのは、指定管理になりまして3年が経過をしています。当時、大きな政府から小さな政府というふうなこととか、それから官から民へというふうなことで、たくさんの施設が指定管理をされたというふうに思います。和歌山県でも45施設が指定管理に移行をされました。その指定管理制度そのものに問題があるというわけではないんですが、行政の財源不足とか、それから硬直化というふうなこともあって、民間に管理をしていただいたほうが柔軟に運営されて、よい方向に進むということもあると思うんですね。でも、中にはやっぱり、指定管理ではなくて、行政がきちんと責任を持って管理運営すべきものがあるんじゃないかというふうに私は思っています。
 青少年の家というのは、先ほども言ったように貸し館じゃないわけですね。さまざまな野外活動とか宿泊体験を通じて青少年の健全育成を図る施設でありますので、そのためには、その中で働く人たちの指導者というものの育成が欠かせないものだというふうに思います。
 「朝日新聞」の土曜版に「フロントランナー」というふうな記事が毎週載っているんですが、ビジネスとか、それからファッションとか金融とか、もう本当にさまざまな分野で世界的な活躍をされてるような方をいつも紹介していただいています。私も、すごく毎週その「フロントランナー」という記事を楽しみにして、ああ、こんなふうに活躍されている方がいるんだなというふうに楽しみにしながら読んでいるんですが、そんな中で、だれでもその記事の中でおっしゃっているのが、どんな仕事でもやる気のある人から生まれる、そこから始まるんだというふうなことをおっしゃってるんですね。そういう人材の育成が社会をつくっていくんだというふうに私は思っているわけです。
 青少年の家の中でも、そこで働く指導者の方々の質というのがその施設の質を決定していくというふうに思います。その指導者養成が本当に大変重要なもので、でもそういう指導者、優秀な方が一朝一夕ですぐ育成されるというわけではありませんので、十分に活躍できるように、安心して仕事をされ、活躍できるような予算というものがちゃんと手当てをされないと働けないというふうに思うんですね。そういった青少年の家の施設も含めて環境整備をきちんとしていただきたいというふうに思っているわけです。
 県としても、青少年健全育成の観点に立って施策を進めていただきたい、人材の養成もというふうなことを含めて環境整備を行っていただきたいというふうに今回強く要望して終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○議長(大沢広太郎君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で藤本眞利子君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時43分休憩
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