平成20年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(向井嘉久藏議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後1時12分再開
○議長(大沢広太郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 6番向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 私が最後の一般質問者ということでございますんで、どうぞひとつゆっくりさしていただきたいなと思っています。
 質問に入る前に、まず、イチローが大リーグで8年連続200本安打を達成した。100年前の出来事を今更新したというすごい記録がきのう達成されました。新聞で読んで、野球人として私、感激したんですが、さっき新聞読んどったら、また今度、こんなあほなことが起こるんかなという思いで見たんですが、「読売新聞」に載っとった。大阪で運転代行しとる会社の社員が飲酒運転で逮捕された。こんなばかげたことが起こる世の中、何かこう、狂ってるなという思いでございます。
 前振りはこの辺にいたしまして、一般質問に入らしていただきます。
 まず、教育長にお伺いいたします。
 せんだってから高校入試のあり方ということで、先輩の小川議員からも質問ありました。私も、ことしの2月定例会で一般質問いたしました。また、続きまして予算委員会でも花田議員が同様な質問をいたしました。教育長の御答弁は、そのときには、来年ですね、21年度から実施の方向で検討したいというふうに思われる発言がありました。そういう示唆がありました。
 私どもは、てっきり来年から前期・後期の現在の制度を変えて、もとのような形での高校入試が実施されると、こういうふうに思っておりましたやさきに、新聞でいきなり、引き続いて来年度も前期・後期で入試をする、ただ、前期の合格率は10%引き上げて40%で実施したいと、こういう発表がなされたわけでございます。いずれにしましても、教育委員会の考え方というのは、私には少しわからなかった。前も、2月にも質問したんですが、もう一度改めて質問いたしたいと思います。
 戦後60有余年の高校入試に幾ばくかの変更を加えながらも、昭和24年より続いてきた制度が、2年前に突如改革の名のもとに、前期・後期の選抜試験が行われるようになりました。前期での募集定員は、定員数の30%を合格させるということでありましたので、例えば、わかりやすく言いますと、定員100人の高等学校が試験すると30人は合格できる。しかし、31人目は振り落とされるというシステムでありました。
 私は、このことについて、1回で入試の試験をしたならば、当然31番目、100番目の受検生であっても合格する。にもかかわらず、30%という設定で振り落としてしまう。県教育委員会の説明では、2回のチャンスを受検生に与えるんだと、こういうことですね。しかし、入るはずの者が落とされて、2回目受けよと言われる。これは御本人にとっても家族にとっても非常に厳しい、そういう思いで私は2月に質問をさしていただいた。しかし、そういう受検生が前期に失敗した、受検生の落胆、それから自信喪失、家族の苦悩を察するには余りあるものがあります。人生が変わる人もおるかもわかりません。それと、自信喪失ということで、本来入学したい高校へ行けずに他の高校を受検するということも起こり得る。不本意入学ということが起こるわけでございます。
 和歌山県の来年の高校生の受検数は約9000人余りでございますが、そのうち60%の子供がやはり振るい落とされる、第1回目は振るい落とされるわけでございます。5400人が振るい落とされるんですよね、1回目は。そういうシステムがあってもいいのかと、私はそのように思いました。
 2月に質問したときに、私は、十分来年の受検に間に合うというふうに思っておりましたが、この入試制度の検討委員会なるものがあるようでございますが、そこへ答申を求めたわけです。その席で、今から変えるのは現場を混乱させる、受検生は前期・後期、両方の試験をにらんで受験勉強にしているから、今のままでよろしいという結論が出たというんです。
 私は、高等学校のPTA連合会会長、三角君にも聞きました。「そんなおまえら発言したんか」、「そんなこと一切しておりません」。また、県のPTA連合会の会長、森脇さんにも聞きましたら、「そんなこと言うてません」と言うんですね。にもかかわらず、そこで決まったから来年もするんだと言うんですね。しかし、5000人の子供をまた痛い目に遭わす、家族を痛い目に遭わすというやり方は、いかにも教育委員会らしくないというふうに思うわけでございます。この制度を改める、あしきは早期に改めること、私はこのように思っておりますが、小川議員に対しての答弁は、「来年は現行のままの制度で10%合格率を上げて、60%は振るい落とします」という答弁でありました。私は、マスコミ発表した今となってはやむを得ないとは思いつつも、再度質問するわけでございます。
 本年の2月の定例会で、私、また花田議員に回答していただいた、来年から変えるんだという示唆があったような答弁の中で、そうじゃなくて、本当は私の質問に対して教育長は「皆さんに聞いてみないと回答はできません」と答えるのが正しかったかもしれませんね。
 ちょっと例を紹介さしていただきます。私の母校であります橋本高校のことであります。今、県立中学校が併設されておりまして、これが3年たちまして、来年この80人の子供、2クラス分ですが、高等学校へ進学するわけです。そうすると、残された募集枠は120人になるんですよ、120人に。2クラス中学校からとられてしまいますから、120人の募集枠になる。それの40%が1回目で合格する。48人ですよ。48人が、高校の受検で48人しか合格しない、こんなことになったら、本当に地元の人気高校であります、その高校を受検する、受検を目指すという本人、また家族は本当に混乱を起こすんじゃないかな、私はそのように思います。
 そういうことで、教育長に質問いたしますのは、前期・後期の2段階選抜を来年からできないのか、そういうことを取りやめてやれないのかという質問でございますが、回答があったようでございます。新しくする場合は受検生の立場に立った制度を早急に構築して、それに移行すべきである、このように思いますので、このことについて御回答をお願いいたしたいと思います。
 2問目です。続いて教育長でございますが、県立近代美術館の運営についてお伺いしたいと思います。
 気軽に行ける美術館、真の県民美術館になるにはどうさしたらいいんかな、考えさしていただきましたが、企画をもう少し砕けたものにできないのかな。あそこに案内してるの、だれだれとだれだれの世界とか、いろんな私どもになじみのないようなタイトルが出ておりまして、私も絵を見るのは大好きでございますが、そこへ行って、その催しを見ようかなという気は起こりません。そういうことで、もう少し砕けたものにできないのかな。
 また、年に数回、美術展等々と違う、異なった企画はできないんかな。例えば、音楽会とかピアノリサイタルとか、また能・狂言とか、そういったものはどうでしょうか。県民に美術館へできるだけ足しげく来てもらい、リピーターをつくっていく、かた苦しさを払拭する、そういう企画をお願いしたいものでございます。名は体をあらわすといいます。県立美術館の名称の変更も含めて真剣に検討する時期に入っているんじゃないかな、こういうふうに思います。
 ちなみに、県立美術館を運営する経費ですね。事業費と人件費に分かれておりますが、全部足しますと約1億6000万ほどですよ。そのうち事業費が2500万です。残りの1億3470万は人件費なんですね。あれだけの美術館でありながら、わずか2500万円の事業費で、今度反対に、運営ようしとるなというふうにも思えてしまうんですね。残りの1億3470万円は人件費やって。もうちょっとこの辺、バランスよくならんのかなと。これは質問ではございませんので、御紹介だけでございますが、もうちょっと考える余地があるんじゃないかなというふうに思います。
 質問でございますが、県民に親しまれる美術館にするにはどうしたらいいんでしょう。
 2問目に、入館者をふやす努力はどうしたらいいんでしょう。
 3問目、県展を県立近代美術館で開催していただきたい。これは、後のまた質問につながってまいりますが、かたくなに県立美術館での県展の催しを県立美術館側が断っておったというよりも、一切させないというような態度でありました。60回記念のときには1回やりました。きょうからまた62回目の県展が県文のロビーでやっておりますが、何で県立美術館がこの開催を嫌がるんか、私にはその理由がわからないのでございます。そういうことで、県立美術館で県展を開いてもらいたい、開きなさいということをこの場で強く言いまして、質問といたします。
 続いて、企画部長にお尋ねいたします。
 この間、県から企画部発の官製県展について御案内いただきました。今実施しております県展は、62回と歴史の重みを加えて、年々作品のできも向上いたしました。県下の美術家の一大イベントとなっております。
 また、県下を巡回する展示会、田辺、新宮、橋本、当然和歌山市であるわけですが、ここで展示会を開いとる。その巡回展示会には多くの県民が力作を見に行っております。県展の開催を県が県美術家協会に委託して、62回のうち13年前から委託しとるんですね。県立近代美術館が竣工と同時に委託しとるんですよ。
 その委託された美術家協会がスムーズな開催を13回にわたってやってきたと私は評価しておりますが、ここに来てちょっときな臭いことが起こってきた。どんなことか。何できな臭いことが起こってきたかというたら、県美術家協会の審査方法に問題ありと言い出してんね、県が。任してあんねやから、任したとこのことはあんまりちょこちょこちょこちょこ言わんこと。しかし、問題があれば、その当事者とよく話し合って問題を解決していくというのが今風のやり方じゃないでしょうか。
 時代の流れというのは、国が、県が、市がやっていた事業を、民間にお願いしてしていってもらうというのが大きな流れですよね。管理、あちこちの県の施設も管理者を決めて運営しておりますよ。スムーズな運営をどこともやってる。安い経費でやってる。そういうことでありますから、私は今の県の動きというのは、ちょっと時代に逆行しとるん違うか、このように思います。今なぜ県主催の県展なのか、時代に逆行するものではないのかということで御質問さしていただいとるわけです。
 もし、県美術家協会に不満があったら本当によく話し合ってもらいたい。私の手元に来ております県からの今までの経過というのは、よく話し合っておりますという報告でありますが、県美術家協会からいただいた書類は全然話し合いが持たれてないと。こんな単純なことが、双方の言い方に違いがあるというのはいかにもおかしなことや、こういうふうに思っております。どうぞ双方の、県、また県の協会は胸を開いて、県の美術の向上にはどうしたらええんかということを主眼に置いて話し合いをしていただきたい、このように思います。
 それで、質問は、今県が県展を主管する意義についてということでお伺いいたします。
 次に、和歌山ブランドについてお伺いしたいと思うんです。
 ブランドづくりには膨大なエネルギーと時間と経費をつぎ込まなければならないと思います。この努力をして初めて消費者に受け入れられるわけでございます。
 このたび、紀州うめどり、今、もうこういうチラシができておりまして、(チラシを示す)紀州うめどりが、これは梅の今まで廃棄していたものから、搾り汁というんですか、残ったものからすばらしいエキスを抽出して鶏の飼料の中にまぜて食べさすというものでございますが、本年4月に実施されました──第34回の回を重ねとるというふうに情報ではいただいとるんですが──2008食肉産業展、これは東京のビッグサイトで開催されましたが、地鶏・銘柄鶏食味コンテストというのがあったんですね。そこで、あの東国原氏がえらい去年はしゃいどった宮崎の地鶏、これを押さえて1番になった。そこで最優秀賞を獲得いたしまして、他県に負けない品質が認められたのであります。ブランド創出に努力している本県にとっては大変な朗報でありました。この朗報を生かさないというわけにはいきません。
 私は一昨日、この紀州うめどり、また紀州卵を生産するについて、主宰しております細川さんにお会いさしていただきました。いろいろ話聞きましたら、やっぱりこういうことを考える人というのはすばらしいアイデアと情熱を持っているんやなという思いで、その話を1時間ばかり聞かしていただいたわけでございますが、ここで知事にお伺いいたします。
 紀州うめどりが全国で最優秀賞に輝き、その価値と意義についてお伺いしたいと思います。
 それから、農林水産部長には、紀州うめどりの県内流通を含めた販売体制について。
 これ、紀州うめどりというのはブロイラーなんですね。宮崎は地鶏なんですね。初めから何もせんだら、うまさというのはもう勝負ついとるんですね。にもかかわらず紀州うめどり、梅の抽出液を入れた飼料にするとブロイラーが1番になったというすばらしいことなんです。このブロイラーが年間150万羽処理されて、ほとんどは大阪、京阪神に出荷されとる。残ったのがごくごくわずか20%というふうに聞いておりますが、和歌山県下に流通しとるんですが、それじゃ食べようかなと思ってもあんまりないんですね。売っとるのがオークワさんでちょっと扱うとるというような程度でございまして、私は紀州うめどりの県内流通を含めた販売体制についてということでお伺いしたい。
 これ、話、担当とさしていただいたら、販売体制でというて言われるけども、提供する肉ないんよと、鶏肉がないんよと言われたんで、それじゃ、ふやす方法考えたらどうですかというふうに申し上げました。
 それから、3番目といたしまして、紀州うめどりのPRと販売体制の県のバックアップについてお伺いします。
 苦労して全国1位になろうと思ってもなれるもんやない。にもかかわらず、一業者の方が頑張って1位になった。それを県がバックアップしない手はない。このうめどりに使う、また、うめたまごに使う抽出液というのは、和歌山県の養鶏試験場が主になってつくってくれたんですけども、しかし、いずれにしましても、一業者が頑張ったその結果を県はバックアップしてもらいたい。大変な努力であったと思います。私は、3番目として、紀州うめどりのPRと販売体制の県のバックアップについてお伺いいたします。
 4番目に、紀州うめどりを食材として提供するレストラン、レストランでのうてもいいんですよ、居酒屋さんでもええ、観光に来た人が和歌山で何ぞおいしいもん食べたいよと言うたら、梅干ししかないんかいて言われたら嫌ですわな。そこで、全国1番になった鶏肉がある、焼き鳥、うまいのありまっせということになったら、そこへだれだって行きますよ。ところが、ないんです。ただ、季節限定で6つのホテルで11月までやってくれとるんです。今やってます。9月1日から11月末まで季節限定です。この前のアバロームのホテルでもやってます。これだけ言うたら一遍食べに行かなあかんなというふうに思うとるんですが、一遍皆さん一緒に行きませんか、これだけのもん。知事、一緒に行きませんか。私、予約しときますから一緒に行きましょう。
 紀州うめどりを食材として提供するレストランなどの開拓をぜひやってもらいたい。これ、やらなあかんで。
 その次に、新エネルギーの利用促進についてお伺いします。
 原油の高騰はすべての物価を押し上げて、日本の景気にも大きな陰りを落としております。経済発展に多大な影響を及ぼしております。産業界や家庭をも直撃しております。まだこの間までデフレ対策に追われて、物が安過ぎる、何とかインフレにせな日本の景気はもたんのやというようなこと、この間言うとった。それがインフレになった途端に世界がおかしくなった。デフレからの脱却が重要な課題とされておったのに、これ、どないなっとるんかなということでございますが、原油先物は10年先までもう高値で取引されてしまってる。当面特別なことがない限り、原油価格が安くなるということはない、高どまりで推移されると思われます。
 そこで、いろんな代替エネルギーが現在登場してまいっておりますが、私は熱源として今注目されておりますチップ・ペレット、こういうの、(現物を示す)木のくずを圧縮してウサギのふんのように固めてある、これがチップなんですが、かなり圧縮されとる。そのチップストーブについて伺いたいと思います。
 何で私、チップストーブとか──チップボイラーですが──というふうに思ったかというと、実は私、福祉施設やっとるんですね。毎月毎月の重油の支払い額が今80万払うとるんです。暖房と給湯とおふろと80万払うとるんです。音上げました。重油上がってきたからといって、国やら県からの措置費は上がらないんですね。もう音上げました。年間に1000万近いお金を重油代として今払っとるんですが、そこで、何かええことがないかいなというふうに思ってテレビを見とったら、このチップストーブのことが出ておりましたので、この販売してる会社が兵庫県の豊岡にありましたんで、この間、豊岡へ行ってきました。往復500キロかけて行ってきました。
 そしたら、私がPTAの会長をしております紀北工業高校でも一遍一緒に同行さしてくれということで、学校側と一緒に行ってきましてね、学校はストーブを導入する計画を立ててくれておりますし、私はこのチップボイラーをぜひやりたいということで──今もうことしの暮れに設置するように進ましとるんですが、全くこれ、効率がいいです。このくらい1回分、ぽんと入ったら20分ほど、ばあっと燃えるんですわ。それで、これ1キロ、燃料代40円です。1日フルにたいても20キロしか要らない。このくらいの部屋やったら、ボイラー1つあったら暑うて暑うてかなわんほどぬくもるらしい。私も実験してもらいました。これはええなと。1日やっても800円、そのくらいの経費で半そでにならなかなわんほど部屋がぬくなると。豊岡でぬくなるというわけです。豊岡というところは近畿でも一番寒いところですね。したがって、和歌山はちょっと段階落としてやったら、もっと安つくなというふうに思います。
 現在、利用しているボイラーの多くは重油を燃料としております。その用途は広く、暖房、給湯でございますが、利用分野はもっと広いんですね。特に、農業では温室栽培盛んでございます。これに温室の加温をするためにボイラーを使っとるんですね。また、病院を初めとする大規模な施設でもボイラーで病室を暖房してる。また、おふろとかそういう給湯をやっとるわけですね。また最近では、私もよく行きますが、スーパー銭湯もございます。ここもボイラーなんですね。特に、農業分野での使用が有効と思われるんです。
 ちょっと調べてみました。和歌山県で1年間に使用される重油4万5000キロリットル、お金にして45億円。これをもし廃止できたら、和歌山県が目指す県の削減目標が114万8000トンです。それが県が策定いたしました地球温暖化対策地域推進計画に載っとるわけでございますが、この農業用に使われる重油を廃止したならば10%強の削減に匹敵するんですね。45億円のお金使て4万5000キロリットルの重油をたいて、それをたかへんなったらCO2の削減は12万1950トン。
 私、1つ勉強さしていただいたのは、重油をたいた1リッターで何ぼCO2の削減になるんよて聞いたら、2.71グラム削減になると聞きました。1つ勉強さしていただいたんですが、そういうことで、非常に有効な手段になるん違うかな。JAなんかとタイアップして──農家が直接このボイラーを買い取るというのは非常に負担でございます、600万しますから。しかし、JAが肩がわりして農家に貸し付けるという方法をとれば、僕は重油たいとったときよりも安くつく、その上CO2の削減にもつながる。
 それと、もう1つは、こういうボイラーをたくところがふえれば、チップを生産する起業家が出てくると。今、和歌山県下にはありません。自分とこで出たものを自分とこのために使っとるという製材所はあるようでございますが、販売する目的でこういうチップをつくっとるとこはないんですね。安い設備投資でできるともいうふうに聞きましたので、私もひとつ考えようかなというふうに思いました。(「時間考えよよ」と呼ぶ者あり)はい、あと5分です。 このような材料を使って有益に利用するためにも、ひとつ最後にお伺いしたいのは、このバックアップ、チップペレットを製造する起業を県はバックアップできないか。もう1つは、ボイラーの導入について県のバックアップはできないか。こういうことを2つお伺いしまして、ちょうど時間が参りました。ありがとうございました。(拍手)
○議長(大沢広太郎君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 紀州うめどりのお話でございます。
 私は、これを知らされたときに、執務室で書類の中に入ってたんですけれども、ちょっと飛び上がるぐらいうれしくて、とってもいい快挙だというふうに思っております。昨年来、幾つかの快挙があったと思いますけれども、特に、農林水産物でこの快挙があったというのは大変今後に希望が持てる、そういうもんだと思っております。
 御指摘がありましたように、梅干しの副産物である梅酢をブロイラーの飼料に添加して肉質の向上を図ることを目的として、養鶏研究所、これ県でございますが、みなべ町の梅加工業者との共同研究により商品化されまして、これから生産拡大とか販売促進に取り組んでいるというふうに考えております。 このような中、まさに御指摘のように本年4月、見事に総合評価で最優秀賞を受賞されたわけであります。今回の受賞は、関係者の方々のこれまでの努力や熱心な取り組みに対する評価でもあり、農商工連携という点でも大変意義深いものであると思います。また、他県の地鶏・銘柄鶏に負けない品質であると証明されたということは、和歌山ブランドの創出という観点から大きな価値があると考えてございます。
 県といたしましては、今回の受賞を絶好の機会ととらえまして、より一層積極的にPR活動を展開し、紀州うめどりを和歌山ブランドとして、県内はもちろん全国に向けて幅広く発信することにしたいと考えています。それも、このPRも単発のPRにとどまらず、1年を通じてさまざまな機会を全部とらえて、PR計画を立てて実行していこうということで、早速、担当課長に1年間の計画を立ていということを指示したところでございます。
○議長(大沢広太郎君) 企画部長前硲健作君。
  〔前硲健作君、登壇〕
○企画部長(前硲健作君) まず、和歌山県美術展覧会、いわゆる県展についての御質問にお答えいたします。
 県展は、これまで県と県美術家協会、毎日新聞社、それから県文化振興財団の4者で実行委員会を組織いたしまして、ここが主催、運営するという形で実施してまいりました。
 こうした中で、今回、主催を県とする案を提示させていただいたのは、県展が主として税金で賄われているものである以上、その最終的な責任は県が負うものであること、そういうことから主催者としての責任の所在を明らかにすると、そういう趣旨でございます。
 それじゃ、実際の運営はどうするんやということでございますけれども、実際の運営につきましては、改革案でもお示ししているように、これからもこれまで県展を担ってきたさきの4者を軸に、それから和歌山の文化を支えていただいた幅広い分野の方々に参画していただいて、運営委員会といいますか、そのような組織をもって進めていきたい。そして、皆さんで守り立てていただきたいなと、そういうふうに思っております。
 決して、これまで御苦労いただいた美術家協会さん初め関係者の皆さんを排除してしまって、県が1人、すべて進めていこうと、そういった趣旨でないことは御理解賜りたいと存じます。
 議員がおっしゃっていただきましたように、こうしたことは本当に話せばわかるだろうと、まことに私もそう思っておりまして、ぜひとも美術家協会さんには、私どもの話を聞いていただきたいと心から願っておるところでございます。
 次に、新エネルギーの利用促進についての2点の御質問でございます。
 まず、チップペレットボイラーの利用についてでございます。
 チップペレットボイラーの導入による木質バイオマスエネルギーの利用につきましては、原油価格の高騰に対する対策のみならず、温暖化ガスの排出量の削減により地球温暖化防止に貢献するもので大変有意義なものであると考えております。県内でも、既に国の補助制度を活用して、公共温浴施設の加温や床暖房、製材所などの木材乾燥用の熱源としてチップボイラーを導入している事例がございます。今後も、こうしたチップペレットボイラー導入の動きがございましたら、国の補助制度や県も融資制度ございますので、そうした活用について相談に応じるなど、その導入に向けてバックアップしてまいりたいと考えております。
 また、チップペレットを製造する起業のバックアップということでございますけれども、木質ペレットの製造につきましては、残念ながら本県におきましては原材料の収集運搬費がかなりかさむということで、採算性の確保が困難という大きな課題がございますが、もし民間事業者のほうにおいて、ぜひともやってやろうという意欲のある事業者さんがおられれば、こうした木質ペレットなどの製造に国の補助制度などを活用する、そういった相談に応じていって、積極的に支援してまいりたいと考えております。
○議長(大沢広太郎君) 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 紀州うめどりに関する和歌山ブランド化についてでございますけれども、流通体制、販売体制、あるいは販路開拓ということでございまして、一括してお答えをさしていただきたいと思います。
 議員お話にございましたように、現在、紀州うめどりの生産量につきましては、県内の年間ブロイラーの出荷羽数の約30%に相当いたします150万羽ぐらいでございまして、主なその出荷先は、京阪神を中心といたしました卸業者向けということでございまして、約8割ということになってございます。その結果、県内での流通量につきましては2割程度と少ないということもございますし、また、実際の販売店での商品につきましては、PBブランドといいますかプライベートブランド商品ということで流通をしてもございます。そういう中で、「紀州うめどり」という名称での定着をしていないというのが現状というふうに認識をいたしてございます。
 そういう中で、これまでもいろんな機会をとらえまして、県内外での物産展、あるいは商談会等に参画もいたしてきてございます。そういう取り組みをいたしてございますが、今後より一層、例えば、ことし創設をいたしました県の県産品推奨制度のプレミア和歌山等を活用したブランド化への取り組みを初めといたしまして、県内量販店での県産品フェアへの出店などを計画的に進めまして、紀州うめどりの認知度を高めてまいりたいというふうに考えてございます。
 また、レストラン等での利用につきましては、これもお話ございましたように、この秋、和歌山市内6ホテルでの共同企画ランチとして、うめどりを取り上げていただいてございます。そういう新しい動きもございまして、県としては、こうした新たな取り組みを支援するとともに、県ホテル業協会等に対しまして、現在、新規メニュー化について働きかけを行っているところでございます。今後も、紀州うめどりのブランド化推進協議会を中心といたしまして、その連携を図りながら、ブランド化に向けた取り組みとして生産拡大、また販売促進に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。
○議長(大沢広太郎君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 高校入試のあり方につきましてお答え申し上げます。
 平成19年度より導入いたしました前期後期制につきましては、議員を初め各方面から、前期で多くの不合格者が出るといった御意見をいただきました。これを真摯に受けとめまして、本年4月、和歌山県立高等学校入学者選抜改善協議会を設置いたしまして、現在まで計7回協議会を持ち、その都度、課題をPTA、校長会等所属組織に持ち帰り、そこで集約された御意見をもとに協議する形で検証と検討を重ねてまいりました。
 その中で、21年度の選抜制度を変更することについては、既に準備を始めている中学3年生に対して混乱を招くとの指摘を受けまして、21年度については前期後期制を維持しながら、前期の募集枠を拡大して行うということを6月に発表させていただいたところでございます。22年度以降につきましては、小川議員の御質問にお答えしましたとおり、各方面からの意見や全国の実施状況等を参考に、前期後期制を廃止する方向で検討を進めているところでございます。
 新しい入学者選抜制度は、従来の選抜制度のよい点を残しつつ、受検生にとって心理的な負担が少ないものとなること、加えて、各高等学校・学科がそれぞれ特色ある選抜が可能であること等を趣旨とした改善を図ってまいりたいと考えております。また、受検生やPTA、中学校、高等学校に理解され、よりよい制度として長く定着するものとなるよう検討しているところでありまして、年内できるだけ早い時期に新しい制度の概要をお示しし、周知を図ってまいりたいと存じます。
 次に、県立近代美術館の運営についてお答えいたします。
 まず、県民により親しまれる美術館にする方策についてでございますが、議員御指摘の企画等につきましては、従来から学校、団体の受け入れや、ミュージアムトーク、講演会等の教育普及活動を実施してまいりました。また、児童生徒や一般の方々を対象として各種のワークショップにも力を入れ、平成19年度からは、一般公募のバックヤードツアーといたしまして実施をしております。美術館の裏方探検や展示作品に触れて音を楽しむ展覧会も開催し、好評いただくとともに、今年度につきましては、児童生徒がコレクションに親しめるような和歌山独自の教材を開発する事業を進めてございます。
 音楽会等の企画につきましては、友の会と共催でミュージアムコンサートを毎年開催するとともに、美術館、博物館の敷地内におきまして、県警たそがれコンサート、舞踏、シャンソンの夕べなどの催しを開催していただいてございます。このように、県民の皆さんにコレクションと美術館に親しめる新たなプログラムや印刷物、機会を今後さらに提供して、県民の皆様により親しまれる施設を目指すものでございます。
 次に、入館者をふやす努力についてでございますが、県立近代美術館における入館者数は、平成6年の開館以来、84万人余りの方々に御来館をいただき、平成17年度は5万3032人、18年度は5万9969人、平成19年度は9万3052人と推移してございます。昨年度は竹久夢二展で御好評をいただきましたように、今後とも県民の皆さんに喜んでいただける展覧会企画や、メールマガジンを初めとする積極的な広報等、入館者をふやす努力を続けてまいりたいと存じます。
 また、県立近代美術館での県展の開催につきましては、昨年来、県及び関係団体において、県立近代美術館での県展開催を前提とした改革案について協議を続けていただいておりまして、この改革案の動向を見守りながら協力をしてまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○議長(大沢広太郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 再質問を許します。
 6番向井嘉久藏君。
○向井嘉久藏君 ここでちょっと確認、再質問でございますが、確認をしておきたいと思うんです。企画部長にお願いします。
 仮に、各協力していただいてた団体と話し合いがついたとしますわな。県が言われとるような形で開催するとしますわな。そうすると、毎年実施しとるその補助金というのは600万だったんですね、毎年。今、県が言うとんのは1800万でやると言うとんですな。聞く人によったら、3年分合わしての話ですか、3年に1回のことになるんですかというようなことを考える人がおるんですね。県展は毎年、62回やってきて、県の美術家の皆さん方がそれを目標にして一生懸命やっとる。ところが、仮に3年に1回になったら、やる気というのはしなしなっとなってしまいますわな。そやから、その辺の確認をもう一度したいと思います。
 それと、ペレットをつくるための材料でございますが、各地域にそれぞれ、紀南でしたら梅の剪定、それから桃山町へ入ったら桃の木の剪定、橋本のほうへ来たら柿の木の剪定、それぞれ剪定した木がたくさん出ます。そういうのを集めてやれば十分できるわけで、農家の方々に持ち込んでもらえればできるわけですから、その辺のことも一工夫する、また森林税の使用も考えたらいかがか、こういうことを、これは要望しておきます。
 ひとつ、毎年、今まで同様、実施する気持ちなんですかということをお尋ねします。
○議長(大沢広太郎君) 以上の再質問に対する答弁を求めます。
 企画部長前硲健作君。
  〔前硲健作君、登壇〕
○企画部長(前硲健作君) 再質問にお答えいたします。
 向井議員おっしゃられた数字、たまたま私、ちょっと具体的なデータを持ち合わせておりませんので、論評、コメントを差し控えたいと思いますけれども、3年に1度になるのかということに関しましては、よほどの天変地異がない限り毎年実施していきたいと、その方針には変わりはございません。(「はい、わかりました」と呼ぶ者あり)
○議長(大沢広太郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 以上で、向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問は、これをもって終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
 次に日程第3、議案等の付託について申し上げます。
 ただいま議題になっております全案件のうち、議案第116号平成19年度和歌山県歳入歳出決算の認定について及び議案第117号平成19年度和歌山県公営企業決算の認定についてを除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
 次に日程第4、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
 なお、常任委員会の会場はお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 お諮りいたします。9月22日及び24日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 御異議なしと認めます。よって、9月22日及び24日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、9月25日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時6分散会

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