平成20年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(川口文章議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 9番川口文章君。
  〔川口文章君、登壇〕(拍手)
○川口文章君 本日4人目となりまして、ちょっと上がっております。きのうの新島議員より少し時間をお許しいただいて、一般質問をさしていただきたいと思います。
 私も、議員生活、1年4カ月過ぎまして、今まで答弁する立場でございましたが、今回は質問さしていただく立場となりまして不安がよぎってございましたが、やっとこの政治の世界に溶け込んでいきそうな感じがしてございます。これからは、先輩諸氏のなお一層の御指導をいただかなければならないと思いますので、高いところでございますが、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問さしていただきます。
 まず、第1点の旧和歌山県会議事堂「一乗閣」の修復保存についてお伺いをいたします。
 旧和歌山県会議事堂は、和歌山県の県政史の象徴として和歌山市一番丁に明治31年(1898年)に建設され、建築当時は洋風建築が主流の中で、和風木造2階建てで東西36.8メートル、1階面積が937.1平方メートル、延べ面積が1523.1平方メートル、軒高が12.03の威風堂々とした建物であったと言われてございます。しかし、昭和13年──1938年でございますが──県庁舎が現在の小松原通に移転されたのを機にJR和歌山駅前に移築されました。この当時は東和歌山駅と呼ばれており、現在の農協会館のところに移転されたのを、この議場の皆様の中で覚えておられる方がおられると思います。まことに古い話でございますが、チンチン電車が走っていた時代でございます。
 その後、当時の岩出町の平野町長が、歴史的な建物を解体処分すべきでないということから、根来寺と話し合いの結果、現在の根来寺境内に2度目の解体移転されたのであります。しかしながら、2度目の移転をしていることから建物の傷みが甚だしく、老朽化が著しい状況であり、このまま歴史的な建造物が埋もれてしまってよいのでしょうか。
 また、旧和歌山県会議事堂「一乗閣」は、明治44年(1911年)、日本を代表する文豪、夏目漱石先生が「現代日本の開化」と題した講演をされたと言われている由緒ある歴史的建造物でもございます。
 このような過程の中で、当時の岩出町観光協会の有志が署名活動を行い、当時の和歌山県知事、和歌山県会議長、岩出町長に修復保存の要望活動をした経過があり、以来、中芝岩出市長が住民要望を受けて一乗閣の修復保存を県に対して要望してまいりました。このような状況の御理解をいただき、発起人に、当時の宇治田栄蔵和歌山県議会議長、島正博県商工会議所連合会会長、伊藤孝文県文化協会連合会会長、西達司県文化財研究会会長、稲葉信隆根来寺睨下、梅田善彦根来寺総代の皆様が発起され、中芝岩出市長も発起人として、会長に当時の宇治田栄蔵和歌山県議会議長の御就任をいただき、「旧和歌山県議会議事堂(一乗閣)修復保存『緑のサポーター』募金推進会」が設立され、県御当局の協議を重ねた結果、文化国際課に事務局を設置されたのであります。
 当時、岩出町は本会の趣旨に賛同し、積極的に本事業の推進のため、当時の岩出町議会、町民、各種団体、企業に呼びかけ、和風を凝らした木造建築であること、また紀の川流域の観光振興、観光資源にぜひとも必要であること、また紀州材の利用促進の立場から、寄附金は修復の際の天井、羽目板、床材等に充てることなどの御理解をいただき、当時の岩出町民の多くの皆様から御寄附をいただきました。
 寄附金額は、岩出市で約1200万円、推進会の寄附金を合わせると約5000万円と聞いております。件数にして、個人、団体、企業を合わせて約4500件と報告を受けております。もちろん、議員個人の寄附行為は禁止されておりますので、当時の県議会の議員互助会からも協力をいただいていると聞いており、寄附金は多くの皆様の善意であって、税金より重いものであると私は思います。御理解いただいた皆様の寄附行為を大事にすべきであると私は認識するものであります。
 旧和歌山県会議事堂「一乗閣」の現在までの経過の概略を説明さしていただきましたが、明治時代の建築物の洋風化が普及する時代の中で和風を凝らした木造建築であり、独立した議事堂は文化財的な価値が高く、和歌山県にとっても重要木造建築物であると確信するものであります。
 私の地元、岩出市の市民の多くの皆様から、「一乗閣修復保存『緑のサポーター募金』はその後どうなってるんよ」と質問をされますが、答えるのに困っている状況であります。
 和歌山県の財政状況を見たときに、社会保障の問題、災害復旧・防災対策の問題、地域整備の問題、教育の問題等々の多くの課題を抱え、財政状況の厳しい中で修復保存は非常に難しいことは、私にも身にしみてわかっております。旧和歌山県会議事堂「一乗閣」の修復保存は、長年に至る岩出市民の願いであり、また和歌山県にとっても、和歌山県議会にとっても歴史的な文化財価値が高い重要木造建築物で、紀の川流域の観光資源としても重要であると確信いたします。
 過去何カ年にわたり要望してまいりましたが、文化財的価値の面、また財政的な面等を考慮して、現在の敷地に新築または修復保存するか、移転して新築または修復保存するかなどの協議が調わず、現時点では実現してございませんが、今年度予算におきまして旧県会議事堂保存整備事業として約2300万円を計上していただいておりますが、仁坂知事のもと、一日も早く旧和歌山県会議事堂「一乗閣」の修復保存をされますよう、よろしくお願いするものであります。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 旧和歌山県会議事堂「一乗閣」の修復保存について、知事の御決意のほどお伺いいたします。
 また、修復保存する場所につきましては何らかの進展があったと聞いておりますが、今後の修復保存に向けた事業の方針につきまして教育長にお伺いをいたします。
 次に、2点目の未改修県管理1級河川の改修計画についてお伺いいたします。
 近年の地球温暖化の問題は各分野にわたり大きな影響を与えていることは、生活の上でも体で感じていることと思います。中でも、異常気象は例外なく日本にも大きい影響を与えています。世界各国では、近年にない異常気象により、異常な勢力を持った台風の発生、またかつて予想できない集中豪雨が日本各地を襲っております。集中豪雨は別名「ゲリラ豪雨」とも言われておりますが、これが原因での堤防決壊、洪水による住宅の流出、床上・床下浸水、また農地・農作物の被害が甚大であり、また、原油高騰の影響の要素も加わり、食料不足など、日常生活の中でもじわじわと経済状況に影響が出ております。県民は、率先して地球温暖化問題に取り組むことが重要であるとともに、県としても災害に強い和歌山県をつくることが先決問題ではないでしょうか。
 集中豪雨とは、限られた地域に短時間で多量に降る雨であって、明確な定義がないそうでありますが、目安として、直径10キロから十数キロの範囲に時間雨量50ミリを超える場合と言われております。
 昨年の7月に大阪府富田林市で時間雨量120ミリ、堺市、和泉市では110ミリ、奈良県宇陀市では110ミリの集中豪雨があり、甚大な被害を与えました。最近の集中豪雨は、昨年を上回る予想できない積乱雲が発生し、短時間で時間雨量100ミリを超える集中豪雨が日本各地を襲っております。住民のとうとい命を奪い、大きな被害を与え、住民に非常な不安を与えているのであります。しかし、現在の気象技術では正確な気象予報を知り得ることが困難であると言われております。
 本県においては、河川における急激な増水が想定される箇所への対応策として、浸水整備され、急流部に設置されている河川については、警報のための放送設備の整備、注意喚起のための看板の設置を急流部10カ所に、また樋門1カ所をフラップゲートの設置をするとの報告をいただいておりますので、四季に関係なく予想できない異常気象の中でできるだけ早い機会に設置されることを願うものであります。
 昨今、いつ発生するかわからない地震対策として、県有建物のうち昭和56年5月以前に建築された461棟のすべてが耐震診断を実施され、305棟が震度6強以上で危険であると診断されております。県は、厳しい財政状況を勘案しながら優先順位をつけ、県庁舎、警察署、学校などは平成22年度まで、その他の建物は平成26年度末までの耐震化を目指すとの計画がされてございます。
 地震対策、集中豪雨による災害も同じ災害であると私は考えます。地震対策として、建物は平成26年度末までの耐震化を目指すとの計画がされているのであれば、集中豪雨による災害に備えての未改修河川の改修計画があって当然のことと思います。
 集中豪雨による過去の遊水地帯は、当然浸水はいたしますが、開発が進み、農地が減少している地域では、流域面積は変わらないものの、集中豪雨時の雨水の到達時間が早く、考えられない地域で浸水し、床上・床下浸水の被害が相次いでおり、とうとい人命も奪われております。もちろん、河川の増水による堤防決壊の悪条件が重なる場合は被害がさらに大きくなるのは確実であります。
 和歌山県において、今年の5月25日未明の予期できなかった集中豪雨は、和歌山市では145ミリ、紀の川市では142ミリ、また和歌山市では時間雨量46.5ミリの激しい雨を記録いたしました。防災課のまとめでは、和歌山、岩出、紀の川市では12棟の床上浸水、和歌山、岩出、紀の川、橋本市、かつらぎ町では200棟が床下浸水、特に岩出市では87棟が床下浸水の被害がございました。また、紀の川市では、ため池の堤防が崩れ決壊するおそれがあるとして避難勧告が出されました。現状の現地の被災状況につきましては、仁坂知事がいち早く視察されたとおりであります。
 災害に強い和歌山県をつくるための防災対策は、地震に対する耐震対策、津波対策、集中豪雨に対する未改修河川対策、危険ため池の対策、遊水地帯の排水対策、急傾斜地区の対策、また孤立集落の解消対策等の多くの施策が急がれております。このような対策を実施するためには、国が実施すべきもの、県が実施すべきもの、各市町村が実施すべきものに区別されますが、それぞれの分野で協議を重ね、重要懸案事項として優先的に進めていただきたいと存じます。
 そこで、私は、県管理未改修河川に絞って県土整備部長にお伺いをいたします。
 水防計画書では1級河川の重要水防箇所が指摘されていると思いますが、年度別で見ても、毎年ほぼ同じ箇所が重要水防箇所として列記されていますが、河川の整備改修計画はなされているのでしょうか。特に私の地元、岩出市では、県管理1級河川根来川の上流には民間による大規模な土砂採取地があり、また近年の開発が進み、本年5月、紀北地域での集中豪雨で短時間に水位が上がり、結果、民家のそばまで護岸が崩壊し、非常に危険な状況でありました。根来川は毎年しゅんせつをしていただき、何とか持ちこたえておりますが、ことしのような集中豪雨に耐えるだけの能力はございません。
 また、県管理1級河川住吉川は、典型的な天井川でございまして、河川改修計画により順次進めていただいております。上流には開発公社が造成した紀泉台団地があり、かなりの面積の未開発の開発公社の所有地がございまして、未利用土地としてそのまま放置の状態になってございます。この未利用地の開発を進めるためには、地元流域の関係者皆様との話し合いを重ねた結果、住吉川の改修を強く要望しており、改修を条件としてございます。現在でも、天井川である住吉川の堤防が決壊すれば甚大な被害があることを恐れているのであります。また、流域下水道終末処理場建設に伴う要望事項の1つともなってございます。
 県御当局は、年次計画的に改修を進めていただいております。これは感謝申し上げます。非常に財政状況の厳しいときでありますが、一年でも早く両河川の改修計画を進め、住民の不安を早く解消していただきたいと存じます。各市町村から、改修計画を早く進めていただきたい、また危険河川の改修計画の要望が出されていると思いますが、今後の根来川、住吉川の河川改修計画はいかがでしょうか、お伺いをいたします。
 次に、3点目の中高一貫教育についてお伺いをいたします。
 私は、昨年の12月議会で質問をさしていただきました。また、ことしの6月議会でも同僚議員の岸本議員が同様の質問をされました。しかし、私はあえて地元保護者の要望を受けて質問さしていただきますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 教育長は、「和歌山県中高一貫教育推進懇談会の報告を受けるとともに、パブリックコメント等、県民の意見を受けて策定した。また、全県的なバランスや地域の実情を考慮して積極的に取り組みました。その結果、連携校3校、併設型5校を開設した。また、地元市町村や学校等の意見を聞き、今後の高等学校再編整備計画の中でそのあり方について総合的に検討してまいります。なお、県内すべての地域の要望を満たしていない」との御見解を示しておられます。
 さらに、「小学校の児童数に対する募集人員は、全国的にも高い割合になっている」との御答弁もいただいてございます。和歌山県は高い水準であるというのを自負するのではなく、長期総合計画にもあります次代の和歌山県を担う人づくりのためには、全国トップでいいのではないのでしょうか。
 なお、教育長は「今後の高等学校再編整備計画の中でそのあり方について総合的に検討してまいります」と御答弁をいただきましたが、議員の質問等に対する措置状況では、地元の市町村や学校等の意見を聞きながら研究していくという報告がございました。一般質問は「検討」、報告書の「研究」では、一般質問の答弁との大きな開きがあると私は思っております。
 さきの和歌山県長期総合計画策定に際し、市町村長等の意見聴取の会議を開催された折、岩出市長が紀の川市長と協議をして、ぜひとも那賀地域に中高一貫校を開設していただきたいとの意見を出されたと伺っております。岩出・紀の川両市民、保護者の皆様が強く要望しているからであります。
 先般、9月4日に那賀地方PTA連合会進路対策部との懇談会をお持ちいただいたことに御礼を申し上げます。この懇談会の中でも、那賀地方PTA連合会進路対策部から中高一貫校の設置要望があったことも御承知いただいていることと存じます。
 そこで、教育長にお伺いいたします。
 初めに、和歌山県下を眺めたときに、県の人口が減少している中で──人口要件だけでは判断できないと思いますが──人口増加の傾向にある、公立高校が3校もあります那賀地方に中高一貫校の開設計画がないのは不思議に思っております。県立高等学校再編整備計画第1期プログラムの中には、平成18年度から平成20年度までの中高一貫教育の設置計画が記されておりましたが、このプログラムが終了した平成21年以降、中高一貫教育校の設置についてどのように取り組んでいかれるのか、教育長のお考えをお伺いいたします。
 次に、「今後の高等学校再編整備計画の中でそのあり方について総合的に検討してまいります」ということの答弁をいただきましたが、報告書では「研究」とあるのはどのようにとらえていいのか、お伺いいたします。私は、県教育長が中高一貫校の開設について後退しているように思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
 次に、中高一貫校の開設について、地元市町村や学校等の意見を聞いたのか、まだ聞いていないのか、聞いているのであればどのように検討されたのかをお聞きしたいと思います。
 以上3点について、第1回目の質問を終わらしていただきます。(拍手)
○副議長(山田正彦君) ただいまの川口文章君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいまの御質問のうち、一乗閣の修復保存について決意を述べよということでございます。
 和歌山県の近代化と県政の象徴といたしまして、御指摘のように明治31年に和歌山市一番丁に建築されました旧県会議事堂は、木造和風2階建ての歴史的意義のある建物でございまして、和歌山県議会の歴史を今に伝える貴重な歴史的建造物でございますとともに、現存する木造議事堂として私は最も古いのではないかというふうに思っております。そういう意味で、日本の県政史を物語るような歴史的建造物だと考えております。
 現在は根来寺境内の中に移築されておりますけれども、2度の移築を経ているということもありまして、移築から大分時間もたっております。建物の傷みが激しく、閉鎖されている状況であるために、根来寺や岩出市の協力を得ながらしっかりと修復保存をいたしまして、紀北地域の観光面における拠点として、また県議会の歴史を伝える文化財として、和歌山の県政かくあったということを後世に残してまいりたいと考えております。
 いろいろ、耐震の問題、地域の問題、場所としての耐震の問題、どこがよろしいかとか、地元の調整とかいろんなものがありましたが、ほぼ片づいておりますので、これについては着々とこれから進めてまいりたいと考えております。
○副議長(山田正彦君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 水防計画書にある重要水防箇所の改修計画についてでございますが、重要水防箇所は、想定している大規模洪水に対して川幅や堤防の高さが不足している箇所、漏水の履歴がある箇所等を指定するものでございます。この重要水防箇所を、水防管理団体である市や町と連携を図り、円滑な水防活動を行えるよう、県が策定する水防計画書や地域防災計画書に記載して周知しているところでございます。特に、河床の深掘れや堤防の漏水等、河川管理上支障のある箇所につきましては、根固めや堤防強化等、早急な対策により地域住民の不安解消に努めてまいります。
 次の御質問、1級河川根来川、住吉川の改修計画についてでございますが、根来川につきましては、平成10年度から拡幅工事を実施しております。ことしの5月25日の集中豪雨により、工事中の現場が損傷いたしましたが、この箇所では既に応急対策を完了しております。
 なお、来年の出水期までに本格復旧を完了し、上流側についても引き続いて拡幅工事を進めてまいります。
 また、住吉川につきましても、平成16年度から拡幅工事を実施しております。根来川と同様、5月25日の集中豪雨により工事中の現場で護岸が崩壊しましたが、この箇所も既に応急対策を完了しております。本格復旧は出水期明けの10月に着手し、来年3月に完了できるように進めております。
 なお、今後とも治水効果の早期発現を考慮しつつ、河川改修を進めてまいります。
 以上でございます。
○副議長(山田正彦君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 一乗閣の修復保存についてお答えいたします。
 旧県会議事堂は、残存する県会議事堂としては全国で2番目に古く、議員御指摘のとおり貴重な県指定の文化財でございます。また、根来寺境内の現在地で寺の施設として活用されてきた経緯がありまして、そのため、現在まで残存してきたということが言えるわけでございます。
 県では、修復保存場所については、根来寺の協力を得て、寺の境内地での修復保存を考え、根来寺、岩出市、県教育委員会の3者で協議を進めてまいりました。最近になって、根来寺の大駐車場の西側の参道に隣接する土地を移築候補地として根来寺から提供いただき、修復保存を図っていくということで協議が調った次第でございます。
 今後の方針といたしましては、今年度、移築候補地の地質調査のためのボーリング調査及び埋蔵文化財確認調査を実施いたしまして、支障がなければすぐに移築工事に着手して修復保存を進め、議場の部分を復元するとともに、修復保存の意義を損なわない範囲で観光部局と連携を図りながら、紀の川緑の歴史回廊事業のインフォメーション機能などを備えた中核施設として活用してまいりたいと考えてございます。
 次に、中高一貫教育についてでございます。
 まず、第1期実施プログラム終了後の考えと市町村の意見聴取についてでございますが、中高一貫教育校の設置につきましては、県立高等学校再編整備計画の中で、全県的なバランスや学校・地域の状況等に配慮し、計画的に設置するとしておりまして、第1期実施プログラムでは、既設の向陽中学校に加え、橋本、田辺両高等学校に併設型中学校を併設、平成19年度及び20年度については全県的なバランス等を考慮しながら設置を決定することとしておりました。
 議員御指摘のとおり、那賀地方の市長などからも御要望をいただいておりますが、第1期実施プログラムが終了する平成21年度以降につきましては、既設校の教育内容やそのあり方について、一定の時間をかけて評価、分析を行います。その後、その結果を踏まえて、今後の第2期実施プログラムの中で地元市町村や保護者、学校関係者等の意見を幅広く多角的に伺うとともに、地域の実情やニーズ等を勘案し、未設置の地域について総合的に検討してまいりたいと考えております。
 次に、昨年度の12月議会一般質問答弁におけます「検討」と、この3月の措置状況報告における「研究」の違いにつきましては、県立高等学校再編整備計画の中で総合的に検討するためには、既設校の教育内容やそのあり方、市町村立中学校への影響等について多面的に研究していく必要があると考えまして、措置状況の時点ではまず「研究」とした次第でございます。ここでの成果を踏まえて今後の検討を進めてまいりますので、決して答弁から後退しているものではないことを御理解いただきたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(山田正彦君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(山田正彦君) 再質問を許します。
 9番川口文章君。
○川口文章君 1番目の旧和歌山県会議事堂「一乗閣」の修復保存についてでありますが、知事は、県議会の歴史を伝える文化財として、紀北地域の観光の拠点として後世に残すために修復保存をしますとの決意をいただきました。本当にありがとうございます。岩出市長を初め、岩出市民の長年の願いがかなったことに感謝申し上げます。
 また、教育長は、ボーリング調査及び埋蔵文化財確認調査の結果に支障がなければすぐに着手するとの御答弁をいただきましたので、一日も早い時期に完成するよう、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 2問目の未改修河川管理についてでありますが、いつ起こるかわからない自然災害から県民を守るため、県民の不安を解消するためにも計画的な河川改修をお願いするものであります。
 また、根来川、住吉川は典型的な天井川でありますので、現在、計画的に改修を進めていただいてございますが、昨今の異常気象から、流域市民の災害からの不安を解消するため、また災害に強い和歌山県の一日も早い実現をお願いするものでございます。
 また、3点目の中高一貫校の開設についてでありますが、教育長は後退していないとの答弁でありますので、岩出、紀の川両市長、保護者の皆様も安心されたことと思います。今後は、地元の皆様の意見を尊重され、第2期実施プログラムの中に位置づけされ、ぜひとも那賀地域に開設されますようお願い申し上げます。
 以上3点、お礼と要望をさしていただきまして、私の一般質問は終わります。ありがとうございました。
○副議長(山田正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で川口文章君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時24分散会

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