平成20年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(泉 正徳議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前10時0分開議
○議長(大沢広太郎君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第100号から議案第117号まで、並びに知事専決処分報告報第9号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 1番泉 正徳君。
  〔泉 正徳君、登壇〕(拍手)
○泉 正徳君 皆さん、おはようございます。
 2日目のトップバッターということで登壇をさしていただきます。
 早速、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。
 本年4月に新長期総合計画「未来に羽ばたく元気な和歌山」が策定され、その中でも観光の振興については、和歌山県の持つ海、山、川など豊かな資源、多彩な食材や温泉、高野・熊野という世界遺産に代表される歴史・文化、これらの豊富な観光素材の魅力を磨き、売り出すと言い、観光産業の発展は、直接関連する産業だけではなく、農林水産業や商工業にも波及効果をもたらし、県経済発展の大きな原動力となると位置づけています。
 また、基本計画に基づき作成される観光振興アクションプログラム2008では、本年の戦略的な観光振興施策をまとめて取り組んでいます。
 そこで、和歌山県の観光振興について商工観光労働部長に伺います。
 平成16年7月、高野・熊野が「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録され、地域の先人たちが守り続けてきた生活環境や文化がすぐれた文化的景観として認められたもので、世界遺産という大きなプレゼントを現在に生きる我々に下さったものと喜ぶ反面、これらの遺産を保全・活用し、いかに後世に伝えていくかという課題も残されています。今回は、世界遺産を観光に生かすという観点から、高野と熊野を訪れる観光客に対する情報発信について伺います。
 高野・熊野両地域とも、県内有数の観光地であることは言うまでもありません。特に世界遺産登録後、多くの観光客を迎えています。しかし、同じ和歌山県というだけで、特に個人や少人数で来られる観光客の中には高野・熊野の位置関係が認識されていなく、高野と熊野は近いと思っている人が多く見られます。このような観光客に対して、両地域を結ぶ公共交通機関の案内や、冬季は高野龍神スカイラインのルートが通行どめになるなどの情報発信をどのようにしているのか、お聞かせください。
 次に、地域間の連携について伺います。
 観光を初め地域振興を目的として、西牟婁振興局管内を対象とした南紀エリア観光推進実行委員会と、東牟婁振興局管内を主に対象とした熊野地域活性化協議会という2つの会が約10年前から結成されて現在に至っています。それぞれのホームページ1つを取り上げても、「南紀ほんまもん王国」「熊野大辞典」に分かれていて、エリア地図や情報も、主に関係市町村でとどまっています。今後の観光施策として和歌山を広く発信していくためには、東西牟婁2つのエリアの連携を図り、熊野古道で結ばれる地域の情報発信をしていくことが望ましいと思いますが、当局の考えをお聞かせください。
 熊野を題材としたNHKの朝ドラ「ほんまもん」が放映されたのが、早いもので7年前になります。そのころから県内で取り組んできたほんまもん体験も、すっかり和歌山に定着してきました。昨年9月議会で山下議員が取り上げた着地型旅行も各地で多く聞かれるようになってきました。特に近年、旅行形態の多様化は顕著になってきており、日本観光協会の調査でも、団体旅行が減少し個人旅行が増加して家族や友人と数人で旅行に行くという旅行形態の主流は一段と進行しているのが現状であり、県内各地でも、カヌーや沢登り、農業体験や漁業体験など、体験型観光も好調に推移しているようです。
 ことしのアクションプログラムの中にも、体験型観光のプログラムをふやして取り組まれているようですが、地域で企画したいわゆる和歌山産の着地型旅行を取り扱う県内旅行関連事業者のネットワークを構築して、特色ある幾つかの地域を結んで滞在型観光に発展させていく必要がありますが、現在の取り組みをお聞かせください。
 ビジット・ジャパン・キャンペーンがスタートした平成15年から、外国人観光客の増加には目をみはるものがあります。特に近年のアジア諸国の経済成長は、日本への多くの観光者を迎える要因となっています。関西空港に近接し、アジアから近い観光地として、これからの外国人観光客誘致への積極的な対応が課題となります。関西圏でも京都、奈良といった知名度のある観光地に対抗するには、他の地域にはない和歌山の特色を生かした情報発信も必要となります。外国人観光客誘致への取り組みについてお聞かせください。
 次に、地域を誇れる教育について教育長に伺います。
 昨日の質問にもありましたが、全国学力・学習状況調査結果につきましては、今後の学校教育現場に十分生かされるよう期待をいたします。また、調査結果に一喜一憂することなく、長期総合計画にあるように、変化の激しい社会に対応できる生きる力をはぐくむ教育、自分の住む故郷を愛し誇れる教育に力を注いでほしいと思います。
 今回は、自然や地域との関係が希薄化する中で、子供たちが体験活動を通じて自然や地域とのかかわりを経験して心豊かに成長していくことを望み、そのためには、青少年を育てていく土壌となる地域や家庭の教育力の向上にどう取り組まれるのか、また教育母体である教育委員会の連携をどうしていくのか、この3点について伺います。
 地域を誇り愛するという心をはぐくむことは、子供たちの将来に大きな影響を与えるものだと思っています。ある講演で、「西洋では、ウィリアム・テルが町で悪代官ゲスラーを退治し、そして故郷の森に帰っていきました。眠れる森の美女も、最後は物語が森のお城で完結します。しかし日本では、一寸法師はおわんの船にはしのかい、都に上って立派になり、山で育った金太郎も都に上っていき、立派になりました。都と立身出世で物語が完結することが多いのではないか」というお話がありました。地域を愛し、誇りを持つためには、子供のころから地域を愛する教育の必要性を感じました。
 今から10年ぐらい前でしょうか、IQからEQへと、職場でも、頭はよいのだが人づき合いが下手だとか、自分の感情をコントロールできないとか社会性の問題が取り上げられ、教育の場でも、「いらいらする」「キレる」などという言葉が多く聞かれるようになりました。知能や知識だけではなく感情を上手にコントロールできる力、相手を理解し、思いやる心を育てるにはどうすればよいのか。知能指数から感情指数へということが言われました。子供たちの豊かな感性を高めるためにも、自然や社会に触れ合う体験活動は不可欠です。
 「百聞は一見にしかず」と言います。星は美しいと何度も教えるより実際の星空を見せたほうが子供たちは感動するでしょうし、核家族化により、大人といえば自分の親か、せいぜい親戚の人しか知らない子供たちにとって、奉仕活動など、地域で多くの大人たちから学ぶことは大きな意義があると思います。学校教育の中でも、体験活動により、どのように取り組まれているのか。また、地域にかかわりを持つことが地域を愛し、地域に誇りの持てることにつながるのではないかと考えますが、地域とのかかわりのある活動はどのようになされているか、お聞かせください。
 2点目は、子供たちをはぐくむ地域や家庭の教育力について伺います。
 野菜づくりも米づくりも、それを育てる土づくりが大事なことは言うまでもありません。親の背を見て子は育つと申します。また、大人の行動を常に興味深く見ながら子供は成長しています。家庭や地域の教育力を向上させることは子育てのための土づくりをするようなもので、地域に住む大人が子供を地域の宝として育てていく取り組みが必要です。同世代の人と交わる学校教育と違い、年齢や職業の違う社会人と触れ合うことによって子が地域から学ぶ、また反面、子供たちと行動することで大人が子供たちから学ぶことも少なくないと思われます。
 先般も、本宮で、和歌山大学の堀内教授がコーディネーターとなり、本宮地域共育フォーラムが開催されていましたが、皆さんが真剣に地域の教育について、よいところや弱いところを語り合っていました。子供たちを育てる土壌である家庭や地域の教育力の向上にどのように取り組まれているのか、お聞かせください。
 3点目は、市町村教育委員会との連携ですが、各学校が抱えるいじめや不登校、暴力行為などの問題を初め、教育関連法の改正や学習指導要領の改訂など、教育のあり方が変化する中では、今まで以上に市町村教育委員会との連携が必要になると思われます。もちろん、市町村教育委員会の主体性は大切にしなければなりませんが、学校教育方針でもお互いの理解が必要ですし、市町村合併などで教育エリアの変更があった地域などでは、教員の配置などにも十分な連携が必要です。教育事務所の廃止後の現状と取り組みについてお伺いします。
 最後に、障害者自立支援法の施行後の状況について福祉保健部長にお伺いします。
 平成18年4月の障害者自立支援法の改正以来、和歌山県でも基本指針に沿った和歌山県障害福祉計画を策定しました。計画についても多くの議員からの質問があったかと思いますし、施行後の運用にも多くの問題点が指摘され、私にとって初めての議会であった昨年6月定例会以降も、毎議会でこの問題については何名かの議員が質問をされています。利用者や関係者にとっては、それほど重要な問題でありますので、現状と問題点について質問をさせていただきます。
 当初から、利用者の負担が大き過ぎるという問題が指摘され、特に在宅の障害者や障害児世帯での負担が大きいと言われていましたし、交通費や給食費の問題なども残されています。作業所や入所施設では、月払いから日払いに変更され、報酬単価の低さゆえに経営が圧迫され、このことが雇用形態の悪化につながり、職員の確保にも大きな支障を来していますし、介護保険の要介護認定調査項目を基本として判定を行う障害程度区分にも多くの問題点の指摘があります。法施行後3年の見直しが現在行われていると伺っていますが、さきに述べた点以外にも多くの問題が指摘されていますので、関係者の意見を広く聞いて、国への要望を初め、きめ細かな障害福祉サービスが提供できるように取り組んでいただきたいと思います。
 次に、小規模作業所の新体系移行についてお伺いします。
 入所者の地域生活の移行には、就労支援体制の確立は言うまでもありません。そのためには小規模作業所などの新体系への円滑な移行が必要となってきますが、支援体制づくりに必要な基盤整備には施設の増改築等の経費が必要である一方で、作業所では、受注できる仕事の確保や諸物価の高騰など厳しい経営を強いられる情勢の中で、効率化が図られずに苦労しながら経営をしている作業所も少なくないのが現状です。このようなことから、小規模作業所の新体系への移行について、現状と県の支援についてお伺いします。
 最後に、市町村地域生活支援事業について伺います。
 障害のある方にとって地域で生活するためには身近で必要な事業であり、日常生活には欠かせないさまざまなサービス提供がなされており、障害のある方々にとっては、ニーズに合った積極的な事業の推進が切に望まれる事業でありますが、この事業を推進するためには、国、県、市町村の負担が生じることであり、事業推進のための予算の確保は非常に重要であると考えています。市町村の財源確保について、国に対してどのような活動がなされているのか、お聞かせください。
 以上、壇上よりの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(大沢広太郎君) ただいまの泉正徳君の質問に対する答弁を求めます。
 商工観光労働部長永井慶一君。
  〔永井慶一君、登壇〕
○商工観光労働部長(永井慶一君) 観光振興についての4項目につきまして、一括してお答えをさしていただきます。
 まず、高野・熊野の情報発信についてでございますが、議員御指摘のとおり、両地域の詳細な位置関係や移動に要する時間など、周知徹底を図っていかなければならないと認識してございます。
 観光情報の発信に際しましては、インターネットなどを通じて、タクシーやレンタカー等の利用も含め、少しでも効率的な旅行日程が組めるよう御案内するとともに、高野・熊野は何度も来ていただきたい魅力のある観光地でございますので、機会あるごとにそれぞれの地域を訪れていただけるよう、高野・熊野双方の魅力を積極的にPRしてまいりたいと考えてございます。
 次に、東牟婁・西牟婁地域の連携につきましては、広域的な観光スポットや名物料理、体験観光メニューやその時々のイベントなど、相互に正確かつ丁寧に御案内できることが観光地としての魅力向上につながるものと考えてございまして、観光客に対するサービス向上の観点からも情報の共有は非常に重要であると認識してございます。具体的には、熊野古道で結ばれる両地域の大辺路と中辺路を歩く観光ルートについて、ホームページ等を活用して共同でPRするなど、今後さらに密接な連携が図られるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、県内旅行関連事業者のネットワークの構築についてでございますが、着地型観光におきましては、地域の観光資源を熟知している地元の旅行業者の果たすべき役割は、議員お話しのよう、大いに期待できるものと考えてございます。このため、県といたしましては、これまでに県内旅行業団体と連携しながら、研修会の開催や体験プログラム実施者との情報交換など、県内旅行業者に対する着地型観光推進に向けた支援を鋭意行っているところでございます。
 今後とも、本県が全国に誇るほんまもん体験を取り入れた着地型観光の推進に向けて、県内旅行関連事業者と一緒になって積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 最後ですが、外国人観光客誘致への取り組みについてでございますが、海外からの観光客の誘致は、本県の観光振興のための大きな柱の1つでございます。県といたしましては、誘致対象となっている国ごとの嗜好傾向や本県の認知度などのマーケティングに基づき、積極的な誘客活動を展開しているところでございます。
 東アジア地域に対しましては、現地の旅行会社やマスコミへ積極的に働きかけ、本県の知名度の向上を図るとともに、教育旅行や個人・小グループ旅行など、新たな市場開拓に取り組んでいるところでございます。
 また、歴史や精神文化に強い関心を持っておられる欧米向けには、観光セミナーへの参加や旅行会社へのプロモーション、メディアの招聘などにより、世界遺産高野・熊野の魅力発信に取り組んでございます。来月、田辺市で開催されます第10回国際合気道大会などの機会をとらまえまして、田辺市熊野ツーリズムビューローなども連携いたしまして、熊野からヨーロッパに向けて情報を発信してまいりたいと考えてございます。
 今後とも、各市町村や民間事業者の方々とも連携しながら、より一層効果的なプロモーション活動を展開し、外国人観光客の誘致を促進してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(大沢広太郎君) 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) 障害者自立支援法の施行後の現状と問題についてお答え申し上げます。
 平成18年4月に障害者自立支援法が施行以来、さまざまな方面から御意見をいただきました。特に利用者負担については、在宅の障害者や障害児の世帯では負担が大きいという御指摘が多い中で、平成19年4月、平成20年7月の2度の見直しによりまして、低所得世帯の負担上限月額の水準を当初の8分の1から10分の1程度に大きく下げる一方で、軽減対象についても、障害者で年収約600万円、障害児では年収約890万円の世帯まで大きく拡大され、さらに成人の障害者の場合は、本人及び配偶者のみの収入で判定することとなってございます。
 また、障害福祉サービスの費用が月額払いから日額払いへの変更により減収となった事業所に対して、障害者自立支援対策臨時特例基金の特別対策により、従来の事業費の9割を保障しております。また、通所施設については、今年度、報酬単価が4.6%引き上げられるとともに、現在、国において平成21年4月からの報酬単価の見直しが検討されており、県においても事業所の経営状況を踏まえた報酬単価の改正がされるよう、国に対し強く要望しているところでございます。
 また、障害程度区分についても、調査項目や認定基準が個々の障害特性を適切に反映していないとの御意見がある中で、現在、国において関係団体等のヒアリングを行いながら見直しの検討が、さらに、その他障害児支援のあり方や障害者の範囲等も含め、現在、障害者自立支援法の見直しが検討されているものと承知してございます。
 次に、小規模作業所の新体系への移行についてでございますが、法的な位置づけのない小規模作業所が、障害者自立支援法の施行により社会福祉法人以外の法人でも事業所設置が認められたことから、NPO法人等、法人格を取得することで、自立支援給付事業への移行や、あるいはまた市町村が実施する地域活動支援センター事業への移行が可能となりました。
 このため、県では、小規模作業所が移行する場合に必要となる施設の改修、増築等を対象に助成を行う障害者自立支援基盤整備事業を活用するとともに、各種の経営アドバイスを行うなど、ハード・ソフト両面から支援を行っているところでございます。その結果、県が補助金を交付してございました小規模作業所29カ所のうち、23カ所は既に移行してございまして、残りの6カ所についても今年度中に移行する予定であります。
 最後に、市町村地域生活支援事業についてでございます。
 市町村地域生活支援事業は、障害福祉サービスとあわせて障害のある方々の地域での生活を支えていく重要な事業であり、市町村においては、さまざまな工夫をしながら事業展開をしているところです。市町村地域生活支援事業を積極的に展開し、障害のある方々が安心して地域で生活していただくためには市町村に対する財源の確保が非常に重要であるとの認識のもと、近畿府県が一体となって国に対して、地域生活支援事業の補助金でございます統合補助金の予算確保について強く要望してるところでございます。
 以上でございます。
○議長(大沢広太郎君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 地域を誇れる教育についてお答えいたします。
 まず、体験活動や地域学習に関しまして、自然のすばらしさや大切さを実感したり、さまざまな生活の営みや人とのかかわりを直接体験することは、みずから学び、みずから考える力、豊かな人間性などの生きる力を育成していく上で、大変重要であると考えております。各小中学校におきましては、地域の豊かな自然や人々との触れ合いなどを取り入れた特色ある学習活動が行われ、大きな成果を上げております。
 教育委員会といたしましては、こうした体験活動のより一層の充実と幅広い展開を目指し、豊かな体験活動推進事業などを実施し、その中で、本年度から始めました子ども農山漁村交流プロジェクトでは、生産者の民家に宿泊をしまして、地域の人々と交流する中で、農業、林業、漁業などの体験を行ってございます。平成23年度から完全実施されます小学校の新学習指導要領におきましては、ボランティア活動や自然体験活動に加えて集団宿泊体験の記述が加えられたことからも、今後一層こうした取り組みの充実が図られていくものと考えております。
 また、すべての公立中学校において、地域の企業や商店などの協力を得ながら「和歌山を元気にする職場体験」を実施しておりまして、社会性とともに望ましい勤労観や職業観をはぐくむ取り組みを行ってございます。さらに、地域の方に授業や講話、実技指導などを行っていただく出あい・ふれあい・学びあい事業を実施し、学校での地域学習を支援しているところでございます。
 このような体験活動や地域学習を推進することにより、学力の基礎となるみずみずしい感性やたくましさ、ふるさとを愛する心をはぐくんでいきたいと考えております。
 次に、地域や家庭の教育力についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、地域や家庭の教育力の向上は大変重要な課題であると考えております。
 地域の教育力の向上につきましては、放課後や週末等の安全・安心な居場所を設け、学習やさまざまな体験活動を行う放課後子ども教室推進事業や、子供が公民館などで一定期間寝食をともにし、そこから学校に通う通学合宿等を実施しまして、地域の大人が積極的に子供たちにかかわる取り組みを進めてまいりました。
 家庭の教育力につきましては、本年度、県内3地域におきまして、家庭教育、子育て支援のための基礎講座やスキルアップ講座等の子育てコミュニティ再生事業を実施するなど、家庭教育の学習機会の提供や家庭教育を支援するリーダーの養成とそのネットワークの構築、相談体制の充実に努めているところでございます。さらに本年度からは、重点施策といたしまして、学校、家庭、地域がともに支え合う地域共育コミュニティの形成に取り組んでおります。この取り組みを推進するため、市町村教育委員会とともに、地域の教育課題等について住民や教職員が話し合う共育フォーラムの全市町村での開催に取り組んでございます。
 また、現在、17市町19地域で学校と地域を結ぶ地域共育コーディネーターを配置しておりまして、地域住民が学校を支援したり教育の課題を解決したりする活動の促進に取り組んでいるところでございます。これらの取り組みを通しまして、学校、家庭、地域がそれぞれの役割と責任を自覚し、相互の連携・協力が推進されるものと考えております。
 次に、市町村教育委員会との連携につきましては、御指摘のように、大きな教育改革の流れの中で、また国民体育大会が7年後に近づく中で、これまで以上に重要になってくると考えております。
 昨年度、文教委員会で実施いただきました6地方での懇談会では、廃止されました教育事務所にかわる支援機能を望む意見が多く聞かれました。このため、本年度新たに伊都、日高、東牟婁の各地方に教育指導室を設置し、担当指導主事を週当たり3日程度駐在させるとともに、県内6つのブロックにおける教育長会、指導主事会での指導助言や学校訪問の充実など、連携の強化ときめ細かな支援に努めているところでございます。
 今後とも、教育指導室の効果的な活用を図りつつ、市町村教育委員会とのつながりを大切にしながら各種教育施策を推進してまいります。
 以上でございます。
○議長(大沢広太郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 以上で、泉正徳君の質問が終了いたしました。

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