平成20年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(奥村規子議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後1時0分再開
○議長(大沢広太郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 40番奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 議長のお許しを得ましたので、3つの項目にわたって今回質問をさせていただきます。
 第1の項目は、高齢者が安心して暮らせるためについてです。
 ちょうど昨日は国民の休日、敬老の日でした。ある新聞の読者の川柳欄に「色褪せるどころか消えた『敬老日』」とありました。改めて、高齢者の皆さんがどのような気持ちで過ごされているのか、思わずにはいられませんでした。
 今、県民の暮らしは、生活必需品の値上げが続き、大変です。その上、9月からは電気料金も値上がりしました。大半の人は賃金が減り、雇用は不安定、その上に年金、介護などの社会保険料の引き上げや定率減税の廃止など、増税負担の重さに耐えられなくなってきています。高齢者にとっても一層高負担の時代になっており、生活状況も大変厳しいことになっています。
 県が行った高齢者一般意向調査──回答数が1669──それでは、本人の年間収入額50万円未満が10人に1人あります。100万円未満35.3%、300万円未満44.5%、合計すると300万円以下が8割を占めています。内閣府の高齢者の経済生活に関する1996年度意識調査では、1番は「子供と同居、子供に助けてもらう」、次に「生活費を節約して間に合わせる」、3番目が「貯蓄を取り崩して賄う」ということでした。ところが、2002年調査で、1番が「生活費節約」35.4%、次に「貯金取り崩す」27.1%、「子供と同居、子供の援助」26.4%で3番目に下がっています。経済不況が続く中で、子供の家計も厳しく、頼るわけにいかず、貯蓄を取り崩してもまだ足りない。我慢と節約を一番の選択肢として生活を切り詰めて暮らしている実態が浮かび上がります。
 訪問介護のヘルパーさんにお聞きすると、訪問先で食事をつくろうと思っても、冷蔵庫の中にほとんど食材が入っていなかったり、野菜くず1つ捨てるのも気を使うと言っていました。しおれ切ったニンジンの切れ端があったので、声をかけると、「お湯につけてふやかすとまだ食べられる」と言われ、本当に生活を楽しむにはほど遠い暮らしぶりに心が痛むと言っています。
 さきに高齢者の低収入の実態を挙げましたが、高齢者の生活を支えている収入は、7割近くが公的年金等です。25年前、高齢者の医療費一部負担金が導入され、その後もさまざまな形で負担がのしかかってきました。2000年には、介護保険料の年金からの天引きが始まりました。さらに、3年後、介護保険制度の見直しで保険料引き上げ、2年後、介護施設入所者の食費、居住費の全額自己負担になりました。翌年の06年には介護保険料が再び引き上げられ、その上、ことし4月より、後期高齢者医療制度の導入で保険料の天引きが始まりました。来年は3度目の介護保険制度の見直しです。
 これ以上の負担は過酷です。貧しい年金収入、医療や福祉の負担増が次々と押しつけられ、今、低所得の人が福祉サービスや医療から排除されるような事態まで起こっています。
 そこで、知事にお尋ねいたします。
 負担がふえ続ける高齢者の暮らしをどのようにお感じになられていますか。また、低所得世帯への支援策についてお答えください。
 次に、介護保険の問題について福祉保健部長にお尋ねいたします。
 来年4月には、介護保険は3年ごとの見直しを迎えます。06年度からの第3期の事業計画では、介護保険料は引き上げられましたが、介護報酬が引き下げられ、これが介護の人材不足や事業者の経営難のもとになりました。また、要支援1、要支援2という介護区分が設けられ、介護予防サービスが導入されるとともに、訪問介護やデイサービスなど在宅サービスの回数制限、車いすや特殊寝台など福祉用具の貸与がされず、軽度介護者へ厳しいサービスの抑制となってきました。施設入所者には、食費や居室料の自己負担を求めました。特別養護老人ホームの在宅待機者は解消されずに、県内では今2372人に上っていると聞いています。
 幾つかの事例を紹介いたします。
 80歳の男性が週4日の通所介護を利用していました。脳梗塞の後遺症による軽い右半身の麻痺があり、リハビリを意欲的に行っていましたが、06改定後の認定調査の結果、要支援2となり、週2回しか利用できず、その結果、次第に筋力の低下、拘縮が著しくなり、尿失禁するまでになってしまいました。
 また、ある人は、頑張ってリハビリをした結果、介護度が軽くなって要支援となり、福祉用具の貸与が受けられず、つらい思いをしています。
 97歳のMさんは、18年前に長男を御巣鷹山の日航機事故で亡くしました。ひとり暮らしで、最近、下肢の力が弱まっています。特別養護老人ホームへの入所を希望していますが、なかなか入れません。
 高齢者の皆さんは戦火をくぐり抜け、また今の日本を支えて生きてきた方々です。県が策定しているわかやま長寿プラン2006にあるように、健康で長寿を喜び合える社会としたいと願うものですが、この進捗状況と評価について、そして同時に来年度のわかやま長寿2009における施設及び在宅ケア体制の整備についてお答えください。
 次に、訪問介護サービスについてもお尋ねいたします。
 この間、和歌山市の幾つかの事業所を訪問させていただきました。そこで、同居家族がいる場合、生活援助の制限がきつく、事業所、利用者の皆さんが大変困っているという意見をお聞きしました。77歳の女性で息子さんと2人暮らしの要介護2の方です。昼間は1人で、福祉用具やデイサービスなど、いろいろなサービスを利用しながら何とか在宅で過ごしています。しかし、息子がいるという理由で生活援助が受けられず、非常にショックを受け、体調を悪くしました。
 そもそも介護保険制度の基本理念は、高齢者の自立支援、尊厳の保持ということであり、個々の状況に応じた適切なサービスが提供されるよう、利用者の皆さんを不安や失望に陥れることのないようにすべきと考えます。改めて、県として、同居家族がいる場合における訪問介護サービスの生活援助の考え方についてお聞かせください。福祉保健部長、お答えいただきたいと思います。
 最後に、介護職の深刻な人材不足の問題についてお尋ねいたします。
 介護を担う現場の皆さんは、利用者の信頼、笑顔、「ありがとう」の言葉に、介護や福祉の仕事をしていてよかったと思うと言われています。毎日くたくたになりながら何とか働いているのが現状です。人並みの生活ができない低賃金。子育てをしようと思ったら転職せざるを得ない。介護福祉士の養成校では定員割れが激しいと聞いています。また、事業所が介護職を募集しても応募がないなど、介護を提供する体制が非常に不安定になっています。
 日本医療労働組合連合会は、介護・福祉労働者の労働実態調査を行いました。和歌山県も含め、7000名を超える回答が集約されています。調査では、半数以上の人が仕事をやめたいと思ったと回答しています。その理由として、「賃金が安い」50.3%、「仕事が忙し過ぎる」45%となっています。1割近い人たちが10万円未満の賃金しか得られていません。
 安定的な人材確保の条件を確立し、専門職にふさわしい教育・研修制度を保障することが大事だと考えます。県としても介護報酬の引き上げを国に要望していますが、今すぐに、正規、非正規を問わず、賃金に一定額の上乗せをするように国へ働きかけることや報酬改定を前倒しして引き上げるなど、喫緊の対策を講じるべきではないでしょうか。県として、人材不足の原因や県民の求める介護にこたえるためにも、資質の向上にどのように取り組むのか、お考えをお聞かせください。
 県は、2006年10月時点で2893床ある医療・介護療養病床を、2012年度末で1551床にすることを目標とする医療費適正化計画を策定しました。06年度の医療改定で、全国で38万床を15万床にするという削減計画を打ち出したことに基づくものですが、この計画は数値目標が先にありきの机上の空論であったことを当時の厚労省の担当者が明らかにするなど、実態を無視した医療費抑制のねらいをむき出しにした計画であり、全国的にも大きな批判が上がりました。
 厚労省は、その後、全国でつくられた計画を積み上げて、さすがにこの数値目標を事実上撤回し、介護の療養病床は廃止されますが、医療療養病床は現状をほぼ維持するものになってきています。しかし、療養病床に入院する患者のうち、医療の必要性が低いと判定された人の入院費に対する診療報酬を減額し、病院経営の面からも病床削減を進め、その結果、高齢者が病院から追い出される異常な事態も起こっています。
 介護保険制度においても、その導入で、それまで介護に占める国庫負担の割合が50%だったのを25%に引き下げました。そこから、介護サービスの改善を求めれば高齢者の保険料負担にはね返るという事態が起こっています。介護療養病床も、発足時には国が奨励して全国各地で生まれたものでしたが、2011年度末まで、わずか12年で廃止するというものです。医療費や介護保険への公費負担を抑制し、高齢者を医療現場や病院から追い出すというのは、この間、大きな問題になっている後期高齢者医療制度と一体の考え方です。
 今、県民が非常に困っていることの1つに、病気になっても、急性期や重症期の治療はこの病院、集中的な治療が終われば次の病院を探さなければいけないという状況にあることです。何カ所も受け入れ先を探さなければいけないということをよく聞きます。医療、介護、福祉が総合的に機能するような仕組みが求められていると思います。
 県は、国が言う数値目標どおりの療養病床削減計画を推進するのではなく、医療・介護難民を出さないよう、状況に応じて療養病床を確保し、地域の中での医療、介護、福祉施設を守り拡充するための支援を強く求めていくことこそ必要だと考えます。その点を強く要望するものです。
 次に、「障害のある子供の放課後活動の保障を」という項目2についてです。
 子供の成長発達や保護者の就労支援、レスパイト実現の観点から、障害のある子供の放課後や長期休暇中の支援の保障・拡充を求める声が強まっています。
 障害のある子供の放課後活動は、特別支援学校での学童保育、地域の一般の学童保育事業での障害児受け入れなども広がっていますが、児童デイサービスや障害児タイムケア事業での学齢期障害児の受け入れ数が大きく増加しています。ところが、障害者自立支援法施行に伴って、学齢期障害児を支援してきた経過措置型の児童デイサービスが廃止されるのではないかと不安の声が上がっています。
 障害のある子供の放課後活動の支援のあり方について、地域の学童保育事業への受け入れも含めて、今後、本格的な保障に取り組んでいくことが必要かと考えますが、県として安心して放課後を保障するため、どのような支援策をお考えですか、お聞かせください。
 最後の項目、道路の安全整備について2点お尋ねいたします。
 和歌山市内で、住民の皆さんが、町並みウオッチングということで、日常生活でなくてはならない身近な道路を実際歩きながらチェックをしました。特に学校の通学路や医療機関、公共施設周辺などを見て回りました。その中で、溝ぶたにすき間がある、信号時間が短く車いすやお年寄りが渡り切れない、道路標示がほとんど消えかかっているなど、危険な道路箇所が明らかになりました。
 県としてもパトロールをされていることですが、子供やお年寄り、障害のある人の目線でパトロールをすることが大事と考えますが、いかがでしょうか。
 県の道路関係経費の状況を見ますと、生活道路の維持・補修などの経常経費が年々減少しています。1990年度予算を見ると、道路橋梁費の経常的経費は63億円ですが、2006年度では34億円と半減しています。こうしたことが保守点検や維持・補修をおくらせているのではないかと心配するものです。
 県土整備部長にお尋ねいたします。
 路面標示が大変すり減って消えている状態の箇所もありますが、安全上の問題、町並みの美観の問題など考え、速やかに書き直すこと、側溝の補修など、どのように行っているのかお聞かせください。
 以上、第1質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(大沢広太郎君) ただいまの奥村規子君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいまの御質問のうち、高齢者世帯の経済的に低所得である、そういう世帯への支援策につきまして御答弁申し上げます。
 本県の高齢化は全国に先行する形で進行しておりまして、10年後にはおよそ3人に1人が高齢者になることが予想されていることから、皆さんにいつまでも元気でお暮らしいただくようにいろんな政策を考えていかないといけないと考えております。また、医療や介護が必要な方や、将来必要となっても、しっかりと対応できる和歌山県をつくっていきたいと考えております。このことは、さきに策定いたしました長期総合計画の中でも重要な柱として位置づけております。
 現在、高齢者を取り巻く主要な生活問題は、福祉保健部長から聞いたんですが、「5K」と言われておると。健康、介護、家族、孤独、それに経済だということだそうでございます。経済問題も1つの課題となってることは承知しております。先ほど、貯金の取り崩しということはありましたけれども、貯金のない人とか、あるいはいろんな医療等々に費用がかかる、そういう方でも安心して暮らせるようにするというのが大事なことではないかと思います。
 昨今の経済情勢が大変厳しい状況の中にあっても、先般実施した高齢者一般意向調査からは、自分や家族の健康や病気に気を使い、子や孫との団らんや友人、知人とのつき合いに生きがいを感じながら社会奉仕、ボランティア活動などにも意欲を燃やしている高齢者の姿がうかがわれ、感銘を受けたところであります。また、高齢者の中には、今までに培った経験や知識をもとに、地域に役立ちたいというお考えの方も多くいらっしゃるように感じております。今後、こうした就労等による生きがいの場を広げることも大切なことではないかと考えております。
 低所得世帯への支援策といたしましては、介護保険制度を初めとしたそれぞれの分野で既に取り組んでおりますけれども、生活保護制度なども最終的なセーフティーネットとして重要であろうと思っております。私は、高齢者が生きがいを持ち、不安なく安全・安心に暮らせる社会を守ってまいりたいと考えております。
○議長(大沢広太郎君) 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) まず、わかやま長寿プラン2006の進捗状況と評価についてお答え申し上げます。
 わかやま長寿プラン2006における平成19年度末の介護給付対象サービスの進捗状況でございますが、居宅サービスでは、訪問介護の平成19年度の目標数、約169万回に対する供給量が約217万回で約129%の達成率となるなど、おおむね計画どおりのサービスが要支援者、要介護者の方に提供されてございます。
 次に、地域密着型サービスでございますが、認知症対応型共同生活介護では、目標利用者数1カ月当たり1196人に対して997人の利用者で約83%の達成率であるものの、他のサービスでは50%を下回るサービスもございます。これは、デイサービス等を実施する事業者が既に存在するため、地域によっては参入する事業者が少なかったことなどが理由として考えられるところでございます。
 続きまして、介護保険施設でございますが、特別養護老人ホームは、目標整備数4829床に対し整備済み数が4603床で、整備率が約95%、介護老人保健施設は、目標整備数3338床に対し整備済み数が3287床で、整備率は約99%となり、今年度の整備予定を含めますと、いずれもほぼ目標どおりの整備が達成できるものと考えてございます。
 次に、わかやま長寿プラン2009における施設及び在宅ケア体制の整備についてでございますが、わかやま長寿プラン2009における平成21年度から平成23年度の間の第4期介護保険事業支援計画は、国の定めます介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本指針に即して策定することが介護保険法で規定されてございます。
 この基本指針では、第4期計画は、第3期計画において設定した団塊の世代が高齢期を迎える平成26年度の目標に至る中間段階として位置づけられており、本指針によりますと、介護老人福祉施設である特別養護老人ホームや介護老人保健施設等介護保険3施設及び認知症高齢者グループホーム等介護専用の居住系サービスの適正な整備といたしまして、平成26年度における要介護2から5の認定者数に対する施設・居住系サービス利用者の割合は37%以下であること等が参酌標準として定められております。これらを目安とした上で、本県の特別養護老人ホームの待機者数等、特に要介護度重度者への重点化を考慮に入れながら、市町村初め関係機関と十分協議を行い、次の計画で整備を進めてまいりたいと考えてございます。
 なお、療養病床再編に伴う医療療養病床から介護老人保健施設等への転換分につきましては、計画の目標値の外数として別途整備を進めてまいります。
 次に、在宅ケア体制の整備でございますが、今後、需要の増加が予想されます訪問介護、訪問リハビリテーション等の訪問系サービスや通所リハビリテーション等の通所系サービスの充実を図り、在宅介護サービスの基盤整備を進めるとともに、地域における見守りサービス等の充実を図ってまいりたいと考えてございます。
 次に、訪問介護での同居家族がいる場合の生活援助の考え方についてでございます。
 家族等と同居している利用者であっても、家族等の障害、疾病等の理由により家族等が家事を行うことが困難な場合、訪問介護の生活援助サービスを御利用いただけることとなってございます。同居家族の障害、疾病のほか、障害や疾病がない場合であっても、一律かつ画一的に判断すべきものではなく、同様のやむを得ない事情により家事を行うことが困難な場合には適切なサービスが利用できることが適当であると考えてございます。具体的には、個々の利用者の状況に応じて、保険者である市町村及び介護支援専門員や介護サービス事業者が協力して判断すべきものであると考えてございます。
 このことにつきましては、同様の趣旨の通知が国からも出されており、市町村に通知するとともに、サービス事業者にも周知しているところでございますが、今後とも、適切な介護保険制度の運営とサービスの提供につきまして、市町村及び事業者の指導に努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、介護職員の人材不足の原因と対策及び資質の向上についてでございます。
 県内の介護職員の人材不足は、平成19年度の介護関係の有効求人倍率が2.55倍と、県全体の有効求人倍率の0.90倍に比べて非常に高くなっていることからも、人材不足が生じているものと認識してございます。
 人材不足の原因といたしましては、仕事内容がハードであるにもかかわらず賃金が低いことが大きな1つの要因であると考えてございまして、このことから、去る6月、国に対して、来年4月の介護報酬の改定に当たっては、介護労働者の確保に主眼を置いた適切な介護報酬の引き上げを要望したところでございます。
 介護報酬の改定につきましては、現在、国におきまして介護事業経営実態調査を踏まえ、検討されているところでございますが、引き続き、機会をとらえて適切な介護報酬の設定について働きかけてまいりたいと考えてございます。
 また、先ごろ出されました国の概算要求では、新規事業といたしまして、福祉・介護人材確保のための緊急的な支援50億円及び地域における人材の確保5億3000万円が要求されており、今後、国の予算編成の動向にも注視しながら、国の施策の活用も含め、介護職員の新規確保や現在従事されている方々へのサポートなど、介護職員の人材不足に資する施策について検討してまいりたいと考えてございます。
 なお、介護職員の資質の向上につきましては、利用者に質の高い介護サービスを提供し、介護保険制度の充実を図るためにも重要であるとともに、介護職員の人材不足対策にも資するものであると考えてございます。このことから、事業所に従事する介護職員を対象に、介護技術の向上を図る研修を介護普及センター等で実施するなど、必要な知識、技能の向上に努めているところでございます。
 今後とも、介護職員の資質の向上を図るため、各種研修の充実を図ってまいりたいと考えてございます。
 最後に、障害のある子供の放課後支援についてでございます。
 現在、学齢期の障害児を対象に集団療育を行う経過措置型児童デイサービスの実施や、市町村地域生活支援事業である日中一時支援事業により、障害のある主に中高生等について日中活動の場の提供を行っているところですが、今後とも実施主体である市町村と連携し、事業の推進を図ってまいりたいと考えております。
 また、放課後児童健全育成事業──学童保育のことでございますが──保護者が就労等により昼間家庭にいない主に小学校低学年の児童を対象に遊びや生活の場を提供し、子供の健全育成を図っているところでございますが、障害のある子供の利用についても、専門的知識のある指導員の配置やバリアフリーの施設改修の実施など、実施主体である市町村と連携しながら、可能な限り受け入れ体制の推進に取り組んでまいります。
 なお、経過措置型児童デイサービスにつきましては、今回、平成21年度の障害者自立支援法の見直しが行われる中で、そのあり方についても検討がなされているところでありますが、本県では多くの障害児が経過措置型児童デイサービスで必要な療育支援を受けている現状にかんがみ、当該事業を新たな事業体系とするなど、より多くの障害児が必要な療育支援を受けることができるよう、制度整備について近畿府県一体となって国に対して強く要望しているとこでございます。
 以上でございます。
○議長(大沢広太郎君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 子供やお年寄り、それから障害のある人の目線でパトロールをということでございますが、道路パトロールについては、道路管理を行う上で大変重要なことだと認識しており、県管理の道路全路線について定期的にパトロールを月1回から4回実施しております。これ以外にも、季節による臨時パトロールも地域の実情に応じて実施し、自動車や自転車の通行の安全確保に努めております。
 また、御指摘の子供やお年寄り、障害のある人の目線での道路点検につきましては、自治会からの要望、小学校、障害者の団体等との話し合いや現地調査により、歩道や通学路区間等の状況の把握に努めております。
 今後も、特に歩道や通学路区間について、より一層の注意を持って道路の点検を実施していく必要があると認識しております。
 次に、路面標示や側溝などの補修についてでございますが、交通量の多い道路のセンターライン、外側線や交差点マークは磨耗が激しく、薄くなっているところがございます。また、側溝のふたにつきましても、歩道内で車が多く横断する乗り入れ部に損傷が発生し、歩行者や車いすの通行に支障を来す場合がございます。このような箇所の補修につきましては、パトロール結果や、自治会、住民などからの連絡などの情報を受け、現地を確認し、早期に対応が必要な箇所から順次補修を実施しているところでございます。
○議長(大沢広太郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 再質問を許します。
 40番奥村規子君。
○奥村規子君 御答弁をいただいたんですが、知事に再質問をお願いしたいと思います。
 先ほど、高齢者施策全体に、元気な就労も含めて生きがいを持って過ごされている方や、また、そういった生きがい対策も含めて施策をお話ししていただきましたが、私としては、やはり先ほどの質問の中で、よく地域を回って聞かせていただくんですけど、生活保護基準以下の暮らしをされている、その方の声というのも結構多いんです。それが、やはりその方の中では、先ほども50万円以下とか100万円以下の収入の方、そういった方は、あすどうしていけばいいのか、また、病気になったらどうしたらいいのかと絶えず不安を抱えている。そういったところの施策の点でも、やはり今の生活の実態をぜひ調査をするなどしていただけないか、そのように思うんですが、いかがでしょうか。
 次に、これは要望なんですが、2009年の介護保険の見直しということで、介護保険というのは、お年寄りの暮らしにとって、どのような暮らしをしていけるかという大変重要な制度であると思うんですが、その制度が2009年に見直しされると。それが一方では、やはり各市町村も財源に頭を悩ませているんだと思うんですが、サービスの要求がふえれば保険料が上がっていくというような、そういった状況になっていくと、やはり十分な老後や介護生活ができない、そういったように思うんですが、そこのところで、やはり県として財源──国が国庫負担をさらに多くしていくということも含めて、あわせて2009年の計画のときには要望を強くしていっていただきたいな、県民に介護保険料の引き上げで負担がふえるということのないようにしていっていただきたいなというふうに思います。
 あと、障害のある子供の学童の問題なんですが、先ほどの答弁の中でも、和歌山県として、近畿の中でも、お母さんの努力や県の対応の努力によって進んでいる面というのも確かにあると思うんです。これを全体として、やはり一番何といってもこの学童保育をやっていくという中で非常に難しいことが、教育としてやっていくということにもならないと思いますし、ただ、子供の成長発達とかそういったことを考えると、障害を持っている子供さんが支援学校へ行くということになれば──普通は、小学校や中学校というのは地元の近くの地域で育っていくわけですけど、そういった中で、支援学校へバス通学も含めて通われている、地域から離れていると。そういう中で、放課後をどう過ごしていくかという問題では、やはり地域の中で障害のある子供、障害のない子供も含めて、地域の触れ合いとしてそういった放課後を過ごせていけるような、そういうものをお母さん方もやはり望んでいる面があるんじゃないかと思います。
 そういった体制をしていくのにも、やはり専門的な、すごく柔軟性を持った対応できる方が必要になってくると思うんですが、そういったことも含めて、今後非常に取り組んで検討していただきたいことだなあと思っていますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 以上、質問と要望です。
○議長(大沢広太郎君) 以上の再質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいまの奥村議員の質問と要望が──私の理解に従って、ここは質問だなということで申し上げますが、違ったらまた言ってください。
 私は、質問が、実態の調査をもっとやったらどうかというようなことだと思っております。これについては、もとより私ども、そういう実態を知らずして行政などをすべきではないと思っております。そういう意味で、今から改めて実態調査をしますというような、そういうのんきなことで行政をやってるつもりはないんでございますけれども、さらに実態の把握については、もう全県を挙げて取り組みながら──これはこの問題に限らず、すべてそうなんでございますけれども──すべて実態に即した行政をしていくように努力する、その前提として、実態把握に全県挙げて取り組むという趣旨は徹底してまいりたいと考えております。
○議長(大沢広太郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ございません」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 再々質問を許します。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢広太郎君) 以上で、奥村規子君の質問が終了いたしました。

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