平成20年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(奥村規子議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後1時0分再開
○副議長(新島 雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 40番奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 議長のお許しを得ましたので、質問に入らせていただきます。
 1つ目は、後期高齢者医療制度についてでございます。
 この4月1日から、75歳以上を国民健康保険などから切り離し、別建てにする後期高齢者医療制度が始まりました。ある御夫婦のお話ですが、夫は88歳、妻は86歳で、夫のほうは戦争に2度も召集され、シベリアに抑留されました。妻は従軍看護婦として召集、インドネシアへ抑留され、戦前・戦中はもちろん戦後もお国の復興を願って死に物狂いで働いてきたお2人です。後期高齢者医療の保険証を受け取ったときは、悔しくて涙がとまらなかったと話してくれました。初めてこの制度の中身を知ったとき、「年寄りはもうあんまり医者にかからんでええ、国のために早う死んでもろたら助かると言われているようで仕方がないと思った」と言います。
 今、高齢者の暮らしは大変厳しい状況にあります。国民生活基礎調査によると、高齢者のみの世帯では、その43%が年収200万円以下で、100万円未満も17%に上ります。高齢者はお金持ちといった宣伝もなされていますが、貧困な年金制度のもとで国民年金しか受けていない人で受給額は平均で4万6600円にすぎず、月2万円、3万円、無年金の方もたくさんいらっしゃいます。少ない年金の上に、年金課税の強化、住民税非課税限度額の廃止など、税制改悪が拍車をかけ、さらに介護保険料の天引きに加え、今度は後期高齢者の医療保険料が天引きをされます。
 さきの御夫婦の場合は、足腰が悪いので通院にはタクシーを使わなければお医者さんには行けません。高血圧と骨粗鬆症で窓口負担も要ります。時間があっても楽しみのために使うお金など出てきません。じっと静かに息を潜めて暮らしているのが現状です。「一体何のために生きてきたのか。年をとって大事にされるどころか、国から捨てられた思いがする」と言われていました。この気持ちは決してお2人だけではないと思います。多くの方が感じていることではないでしょうか。
 なぜこんな思いになるのか。後期高齢者医療制度が75歳以上の人を他の世代から切り離し、際限のない負担増と差別医療を押しつける制度だからではないでしょうか。保険料は2年ごとに改定され、医療給付の患者の増加、重症化、医療技術の進歩などで給付がふえれば保険料にはね返る仕組みになっています。長生きを応援するというものではありません。
 4月の診療報酬改定の後期高齢者診療料による包括制の導入、後期高齢者退院調整加算、後期高齢者終末期相談支援料など新設されました。これは、75歳以上の人が1人のお医者さんにしかかかれなくしようとしていることや、入院しても退院支援計画をつくるので、早く退院してくださいよと迫られ、余命が短いと判断された患者さんは、厚労省がひな型としている「終末期医療における希望事項」という1枚の紙があります。その1枚の紙に、点滴や人工呼吸器、蘇生術などを、希望する、希望しないか、それを聞いて印をつけるというものです。これを75歳以上の患者さんに行った場合に、病院に2000円が支払われるという内容のものです。これはさすがに見直しが検討されるようですが、大変乱暴で冷たいやり方ではないでしょうか。お年寄りの命を差別する恐るべきものだと異議を唱えるお医者さんもふえています。また、75歳で線を引くことで健診でも差別され、人間ドックを受けられないなどの問題も起こっています。
 知事に改めてお聞きいたします。
 後期高齢者医療制度が4月から始まった中で、高齢者の皆さんの声をどのように受けとめていらっしゃいますか。国に、75歳で線引きをする後期高齢者制度の廃止を求めるお考えはありませんか。以上、お答えいただきたいと思います。
 次に、後期高齢者医療制度に対する県民からの苦情や対応について、福祉保健部長にお尋ねいたします。
 和歌山民医連という医療機関の連合会があります。そこでは、6月4日から75歳以上の方を対象に約100名の方から聞き取り調査をされたということです。その結果、制度の内容を知らない人が半数近くおられました。保険料が高くなったと答えた方も半数です。県、市町村、広域連合での説明会の開催状況やこの間の苦情の件数、内容はどのようなものがありますか。
 最後に、高齢者の健診について福祉保健部長にお伺いいたします。
 老人保健法が廃止され、健診の実施主体は国保などに移り、ここでも75歳以上の高齢者は対象から外されました。75歳以上の高齢者の健診は、県広域連合の場合、自己負担600円で基本健診を実施することになっていますが、糖尿病や高血圧など治療している人は御遠慮くださいと申込書に書かれています。また、医療機関で受けることになっているため、従来のようにバスなどで集団健診が受けられません。健診バスが来たときに、75歳以上の人はだめですということになるわけです。これまでのように集団健診も受けられるように働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。福祉保健部長、お答えください。
 2つ目は、安全・安心の学校給食と実施率の向上についてでございます。
 近年、生活環境の変化などから、食を大切にする心の欠如、栄養バランスの偏った食事や不規則な食事などに起因する生活習慣病の増加、食品の安全性への不安、伝統ある食文化の喪失など、食に関するさまざまな問題が指摘されています。このような状況の中で、国は、生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむことができるようにするため、平成17年7月に食育基本法を施行し、食育を国民運動として推進することとしました。毎月19日が食育の日と定められ、きょうがその日でもあります。
 当県においても、食育推進計画が平成19年3月策定され、計画期間は平成19年度から23年度となっていますが、現在の取り組み状況とこれからの課題について、農林水産部長にお尋ねいたします。
 次に、食育と安全・安心の給食の拡充に向けてお尋ねいたします。
 食品偽装や中国ギョーザ事件など食の安全について関心が高まっている中、カロリーベースでの食料自給率が日本は39%、和歌山県は29%という低さで、食に対する不安が大きくなっています。特に子育て中の保護者の皆さんは、安全・安心の給食を強く望んでいます。
 一方、和歌山県の公立学校給食実施率は、平成18年度で小学校90.7%、中学校51.8%で、特に中学校は全国平均90.8%に比べて大きく立ちおくれています。そもそも学校給食は、戦後の食糧難で不足しがちな栄養を給食で補うことを目的としていましたが、子供の食生活の乱れが指摘され、今後は、給食を通して子供たちに食の大切さや文化、栄養のバランスなどを学ぶ食育を重視するものに転換されています。全く実施されていない和歌山市の中学校の保護者の皆さんから、給食実施を期待する声は大きいと考えます。
 また、食育を重視するなら、栄養職員が献立し、地域の協力も得て地場産品を活用していくこと、そうした取り組みを保障する給食調理場の方式を考えていくべきではないでしょうか。当県として低い給食実施率をどう高めるのか、安全・安心の食材活用と給食調理場方式をどのように考えているのか、教育長にお尋ねいたします。
 また、栄養教諭が紀北、紀中、紀南地域に1名ずつ配置されています。栄養教諭というのは、食に関する指導と学校給食の管理を一元的に行い、学校における食育を推進する役割を担うものとして、平成17年度に文部科学省で創設されたものですが、今後の増員計画を教育長にお尋ねいたします。
 次に、県の食育推進計画には、学校給食における地場産物の使用割合を増加させるとあり、農業振興の1つとしても県産品を大いに活用できるように推進していくことが求められますが、県としてどのように取り組もうとされているのか、農林水産部長にお尋ねいたします。
 最後に、物価高騰と給食費の問題についてですが、原油、食料品の高騰が給食の費用にも大きく響いています。県下の給食費はどのようになっているのでしょうか、教育長にお尋ねいたします。
 3つ目は、妊婦健診の無料化の拡充についてでございます。
 新日本婦人の会が妊婦健診受診に関するアンケートを行っていますが、その結果では、3割の人が出産異常があったと答えています。逆子、早産、貧血、切迫、前置胎盤など複数記入している人も少なくありません。母体だけでなく胎児の異常を記入した人もおり、こうした異常は健診を受けているからこそ発見でき、健診を受けないで出産することの危険性が改めて浮き彫りになってきました。妊婦健診をきちんと受けると10万円前後費用がかかり、2人目のときは余り行かなかったら8カ月目に切迫早産で出産、妊娠後期になるにつれて受診回数がふえるのに、無料健診が終わり毎週のように数千円の費用がかかり、さらに産休などで収入が少なく不安という声が聞かれます。
 そこで、福祉保健部長にお尋ねいたします。
 現在、5回分は公費負担をということで市町村に国から交付税措置をされていますが、県内で実施している自治体の数は全国最下位です。県からも各市町村に働きかけをされていますが、実施できない理由をどのように把握されていますか。第1子から国が言っている出産までの健診の望ましい回数、14回を無料健診できるように、ぜひ検討していただきたいと思います。若い世代に貧困や経済的困難が広がる中、安心して妊娠、出産できる施策の前進が必要ではないでしょうか。
 最後に、4つ目の地球温暖化防止対策についてでございます。
 まず、知事にお尋ねいたします。
 昨年のIPCCの第4次評価報告書での警告などにより、気候変動が人類の未来を奪いかねない問題だという認識が急速に広がり、2050年には世界全体の温室効果ガス排出量を半減させるという目標が世界の合意となりつつあります。このもとで、日本が当面の京都議定書での第1約束期間の目標を達成するための緊急対策をとることや、さらにその後の中期目標を設定し、責任ある対応をとることが求められています。
 県では、地球温暖化対策条例、2010年度を目標年度とする地域推進計画を策定していますが、その目標達成に向けての取り組みと、さらにその後の計画策定が求められていると思います。知事は、昨年2月議会でこの京都議定書の改定に政府の一員として参加し、この問題に関する危機意識も大変あると答えられていますが、この問題についての基本的立場をお示しください。
 環境生活部長にお尋ねいたします。
 この推進計画の目標が、温室効果ガス排出を90年度比3.9%減、森林吸収量6.7%を含めて10.6%削減としていますが、現在の排出状況はどうなっていますか。排出量の把握はどのようにしていますか。環境生活部長、お答えください。
 日本全体では、温室効果ガスの8割は産業部門での排出であり、県内でも2003年度の排出実態を見ると、家庭系は自動車を含めても約14%で、圧倒的には産業部門からの排出です。3月末に地球温暖化対策推進法に基づく温室効果ガスの大口排出事業所ごとの排出実態が初めて公表され、県内では対象となる74事業所の2006年度の温室効果ガス排出量が明らかとなりました。しかし、このうち住友金属和歌山製鉄所と海南工場は非開示とすることを経済産業大臣に請求し、公開されませんでした。
 環境市民団体の気候ネットワークが、この非開示とした事業所33の排出量を推定していますが、それによれば、住友金属は多量排出者の中でも飛び抜けて多いものです。その推定値を当てはめてみると、この多量排出事業所による排出量が、県内の産業部門の排出量のおよそ97%を占めるほどになっています。つまり、温室効果ガス削減では産業部門、中でも多量排出者の削減をどう進めるか、このことがかぎとなっています。これにどう取り組んできたのか、また、今後の方向をどう考えているのか、お聞かせください。
 また、県条例により、多量排出事業者に排出状況、削減計画、実績報告の提出を義務づけています。全国の算定、報告、公表制度に関して、全国知事会エネルギー環境問題特別委員会地球温暖化対策専門部会というところが政府に要望を出していますが、この中で、この制度が国の事務となっているが、地方自治体としても温暖化対策をきめ細かく推進するため、事業者ごとの報告データを県に提供するとともに公表することと要望しています。多量排出事業者のデータが地方自治体の温暖化対策にとって必要であるから、これを提供し、公表せよという要望です。
 和歌山県は、既に条例によって県内の多量排出事業者の計画・報告制度をつくっており、国に頼らなくてもわかるわけです。温暖化対策を考える上で、また国民的な課題ですから、まず今の排出実態がどうなっているのか情報を公開することが必要で、県全体を左右するような多量排出者を含めて、その排出実態と各事業者の削減目標に対する到達状況を公表すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 日本全体でも、県でも、総排出量削減の目標を担保するためには、多量排出者の削減を公的協定で決めるといったことが必要ではないかと考えます。さきに挙げた知事会専門部会からの要望でも、削減目標の定量化及び協定等による実効性の担保など抜本的な方策を講じることを求めています。これまで自主計画任せにしてきたために、むしろ排出量がふえているのが実態です。県でも各事業者との間で目標の設定とその推移を明らかにするよう求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 最後に、企画部長にお尋ねいたします。
 温暖化防止対策として、新エネルギーの導入も必要です。先日、御坊市にあります日高港新エネルギーパークを訪ね、太陽光発電や風力発電などの設備を視察してまいりました。また、県内でも風力発電の設置も進んでいるようですが、県として新エネルギーの導入に向け、どのような目標でどう取り組んでいくのか、お聞かせください。
 以上、第1問を終わらせていただきます。(拍手)
○副議長(新島 雄君) ただいまの奥村規子君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、後期高齢者医療制度についてでございます。
 まず、県民の苦情等々についてどう認識しておるかということでありますが、これにつきましては、いわゆる後期高齢者医療制度、長寿医療制度の施行前から、市町村と後期高齢者医療広域連合、県が連携いたしまして、我々としては広報紙への掲載とか、あるいは県内の全世帯にリーフレットを配るとか、市町村において住民への説明会を開催するなど、周知に努めてまいりました。地区住民や団体等への説明会は、実はたくさん行われておりまして、広域連合、県が実施したものと合わせて数えてみますと206回になっております。
 また、被保険者等からの市町村等々につきまして、後で福祉保健部長から御説明があると思いますけれども、これについては我々としては十分やってきたというつもりなんです。しかしながら、現にそれが報いられていないというところも事実であって、現に、そんな話は聞いてなかったぞとか、何ちゅうことだというような話がいろんなところから出ているということも、また事実だろうと思っております。そういう意味では、この努力が不十分であったかなというような感じもいたしますし、それから現在出てる制度、いろんな問題点、お気持ち、そういうものについてもちゃんと酌んでいかないといけないのかなというふうに思います。
 一方、これについて制度を廃止するということにしてはどうかと、あんた、賛成しろというお話でございました。これについては、いろんな苦情があると、あるいは情けないというお気持ちもあるということは十分承知しておりますけれども、一方、責任のある者、これは何も県知事だけじゃなくて、国政を議論する方々もみんなそうだと思いますけれども、これをやめたらどうなるかということについてちゃんとした答えがないと、なかなか話は前に進まないということではないかと思います。
 したがって、私に関しましては、午前中、中議員に申し上げましたように、これについては、こういう形にすれば人々の心ももっとよくなり、それからその制度も維持できるということについて、自分としては確信が持てていないので、ああせい、こうせいということは差し控えたいと思っておる次第でございます。
 一方、本件の問題が大変な重要なことであるということも認識しておりますし、それから、国のほうでもこれは改善していこうということについての検討も進んでいくというふうに聞いておりますので、基本的にはそれを注視し、必要があったら何か発言していこうと思っております。
 それから、温暖化対策でございますけれども、温暖化対策に対する基本的な考え方については、気候の変動をもたらし、生態系への悪影響や人間への健康被害、自然災害の増加など、その影響の大きさ、深刻さから見て、人類の生存基盤にかかわる最も重要な問題の1つでありまして、喫緊に取り組むべき課題であると考えております。言うまでもなく、地球温暖化の問題は、一国や一地域、あるいは一企業、そういうものだけで解決できるものではなくて、全世界が協働しなければ成功を望めるものではありません。全員参加型の枠組みをつくるということが何よりも大切であり、その上で実効性のある仕組みをつくっていくということが必要な状況にあると考えております。
 全員参加という点では、地球規模でもそのとおりでありますけれども、本県といたしましても、我が県の中で全員参加型の対応が図られるように県民の皆様方に働きかけてまいりたいと思っております。
○副議長(新島 雄君) 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) 後期高齢者医療制度についてお答え申し上げます。
 まず、県民の苦情と対応についてでございますが、本年4月からの長寿医療制度の施行前から、市町村と後期高齢者医療広域連合、県が連携し、広報紙への掲載や県内の全世帯にリーフレットを配布、全市町村において住民への説明会を開催するなど周知に努めてまいりました。地区住民や団体等への説明会は、先ほど知事から答弁させていただきましたが、広域連合、県が実施したものも合わせまして206回行ってございます。また、被保険者等からの市町村、広域連合、県への相談や苦情などのお問い合わせ件数は、4月1日から5月16日までの間で7972件となっており、内容的には、被保険者証に関すること、制度に関すること、年金からの保険料徴収に関することなどでございます。
 次に、高齢者の健診についてでございますが、後期高齢者の方にも、糖尿病等の生活習慣病を早期発見するための健康診査は重要であることから、後期高齢者医療広域連合において健康診査が実施されます。広域連合から各被保険者に健康診査の案内文書が送付されており、希望者は、広域連合が契約してございます県内641の医療機関において健康診査を受けることができます。契約している医療機関は県内すべての市町村をカバーしており、県内契約医療機関のどこでも受診することができることとなってございます。
 次に、妊婦健診の公費負担の拡充についてでございますが、市町村事業であります妊婦健診については、これまでも機会あるたびにその拡充を働きかけてきたところでありますが、本年度から、実施予定を含め6町が5回分の公費負担を実施することとなってございます。しかしながら、本年4月の国の調査によりますと、全国の市町村における公費負担の平均実施回数5.5回に比べ、本県では2.6回と低い水準にとどまっており、今後、より一層の拡充を図る必要があるものと認識してございます。
 平成19年度から国において地方財政措置の拡充がなされているところでありますが、県内の多くの市町村では財政事情が非常に厳しいことを実施できない理由としてございます。県といたしましては、人口減少や少子高齢化社会が進展する中で、地域に活力を与えるためにも少子化対策の充実は大変重要な課題であると認識してございまして、市町村にも課題認識を共有していただき、少子化対策を進め、母体や胎児の健康安全確保を図るためにも、少なくとも妊婦健診5回分については公費負担を行っていただくよう、今後とも粘り強く各市町村に働きかけてまいります。
 なお、第1子からの健診の無料化を拡大することについてでございますが、現時点では5回分の公費負担を県内市町村で実施していただくことが先決、肝要であると、そのように考えてございます。
 以上です。
○副議長(新島 雄君) 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 安全・安心の学校給食に関する質問でございますが、まず第1点の食育の推進状況についてでございます。
 本県におきましては、地産地消を進めるという観点から、平成16年に食育推進協議会を設置いたしまして、食育に取り組んできてございます。その後、食育基本法が制定されたことに伴いまして、平成18年の9月に県条例に基づきます県食育推進会議を設置いたしまして、昨年の3月に「食べて元気、わかやま食育推進プラン」を策定いたしてございます。現在、この計画に基づきまして、関係部局、あるいは教育委員会、それから各種団体等と連携をとりながら、学校給食などさまざまな取り組みを進めてございます。
 例えば、この間、10月を食育推進月間と定めてございまして、昨年は「県民の友」での特集記事、あるいはテレビ、ラジオなど広報媒体を利用した啓発等を集中的に行ったほか、18年から3カ年かけまして、県下延べ188の小学校において、県特産のミカンのポット苗を配布いたしまして、その栽培の体験を行っていただくなど、子供たちに和歌山の農産物や、また食に関する知識、あるいは関心を広げてもらう取り組みを行ってきてございます。
 今後、こうした取り組みに加えまして、すべての市町村において食育推進計画が作成、実践されるよう支援をするとともに、食育ボランティアの方々や、また関係団体との一層の連携を図って、幅広い県民運動として食育を推進してまいりたいと考えてございます。
 次に、学校給食への地場農産物の供給拡大ということでございますが、既にこの地場産品を積極的に活用する新しい取り組みも見られるようになってきてございます。例えば、紀の川市におきましては、地元でつくった安全・安心な野菜や果物を子供たちに食べさせたいという生産者グループの思いもございまして、給食センターへの地元食材の供給が始まりました。また現在、生産者あるいはJAなどとの協力によりまして、学校におきまして、子供たちの米あるいは野菜づくり体験等の指導も行われてございます。また、和歌山市内におきましては、全市立の小学校に県内産の米を供給するとともに、生産者などが地場産の野菜などを小学校に供給をいたしてございます。また、長期総合計画におきましても、地域の資源を生かした食育を推進するということを記載してございます。
 今後も、生産者はもちろんですが、JAとか、あるいは学校、教育委員会等との連携を図りながら、学校給食への地場農産物の供給拡大に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 環境生活部長井口悦治君。
  〔井口悦治君、登壇〕
○環境生活部長(井口悦治君) 4番、実効ある温暖化防止策についてのうち、まず目標に対する総排出状況についてでございます。
 議員御指摘のとおり、本県では平成18年3月に和歌山県地球温暖化対策地域推進計画を策定し、2010年度の温室効果ガスの県全体での排出量を、基準年度である1990年度比で3.9%削減する目標を掲げ、太陽光発電を初めとする新エネルギーの導入など積極的に取り組みを進めてございます。本県における2004年度の総排出量は約1756万トンと、国全体では基準年度比約7%程度増加しているのに対し、0.8%の削減と試算をしてございます。
 なお、先日公表された国全体の2006年度の温室効果ガス排出量は基準年度比で6.2%増加しておりまして、その内訳は、産業部門が4.6%減少しているのに対し、運輸部門16.7%、業務その他部門39.5%、そして家庭部門が30%それぞれ増加している状況であり、本県も同様の傾向を示しているものと考えてございます。
 次に、多量排出事業者の排出削減及び多量排出企業の排出業者の届け出制度と公表についてでございます。
 本県では、平成19年9月に和歌山県地球温暖化対策条例を施行し、多量に排出する事業者に対し、温室効果ガス削減の排出抑制計画、排出状況報告の提出を義務づけ、産業部門についても積極的な地球温暖化対策に取り組んでいるところでございます。この条例によりまして、現在6月末までを期限として、初めての排出状況報告書等の提出を受け付けているところでありますが、今後とも多量排出事業者の取り組み動向を注視するほか、温室効果ガスの排出削減の実現を図ってまいりたいと考えてございます。
 また、個々の事業所ごとの公表ということにつきましては、地球温暖化対策条例において制度としての定めはございませんが、定期報告の届け出等により収集した資料などをもとに、県全体での温室効果ガスの排出量把握に努め、今後ともその概要を公表してまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○副議長(新島 雄君) 企画部長前硲健作君。
  〔前硲健作君、登壇〕
○企画部長(前硲健作君) 新エネルギー導入の取り組みについてでございますが、県といたしましては、長期総合計画におきまして、太陽光発電や風力発電、それからバイオマスエネルギーなどの新エネルギー利用を今後10年間で2倍にすると、そういう目標を掲げまして取り組んでいるところでございます。具体的には、太陽光発電の導入促進を行うため、今年度、住宅用太陽光発電設備導入促進補助制度を創設いたしました。また、木質バイオマスの活用につきましては、原料の運搬コストがかさみ、採算性の確保が困難と、そういう大きな課題がございますが、他府県の事例も参考にし、実用化に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
 引き続き、新エネルギー導入促進に取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(新島 雄君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 学校給食につきまして、児童生徒の心身の健全な発達を願って、学校教育活動の一環として実施しているところでございます。この学校給食をおいしく楽しいものにすることによって、子供たちや保護者の食育への関心がより一層高まるものと考えております。
 学校給食の実施率につきましては、昨年度、田辺市と紀の川市において実施校が拡大するなど徐々に向上はしてきております。引き続き、設置者である市町村教育委員会に働きかけてまいりたいと存じます。
 また、調理方式につきましては、自校給食、共同調理場方式、それから全面委託方式等がございまして、それぞれのメリット、デメリットを踏まえ、各市町村が実情に応じて採用しております。なお、いずれの場合も、学校給食法に基づく学校栄養職員を配置いたしまして、安心・安全な学校給食の実施に努めているところでございます。
 栄養教諭につきましては、配置校において食育の中心として授業を行ったり、農業体験や生産者との交流を企画するなどいたしまして、教職員や保護者、児童生徒の食に対する意識の向上といった成果を上げております。今後とも、厳しい財政状況の中ではございますが、各市町村や学校のニーズにこたえられるよう努力してまいりたいと存じます。
 次に、県内の給食費の状況についてですが、本年4月に調査いたしましたところ、10の市町において、一部または全部の学校で値上げがございました。各市町村あるいは学校では、食材や献立の工夫等により努力をしていただいておりますけれども、原材料費の高騰でやむを得ない状況がございます。給食費の動向につきましては、今後とも注意深く見守ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(新島 雄君) 再質問を許します。
 40番奥村規子君。
○奥村規子君 後期高齢者医療制度について、知事に再度質問をさせていただきます。
 県民の声をどのように受けとめているかという点で、先ほどは苦情が7000件以上あったということで部長からの答弁もいただいたんですが、その中で、やはり何といっても多かったのが保険証の苦情が多いと、そういうふうに言っていただいたんですが、その怒っている苦情というのか、そういう怒っていることに対して、やはり知事も保険証の何が怒ってるということで受けとめているんでしょうか。
○副議長(新島 雄君) 以上の再質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいまの御質問に対する直接のお答えになってるかどうかわかりませんが、具体的に私の考えを申し上げますと、具体的には、その保険証の発給の仕方とか、そういう手続の話というのがたくさん来てます。その手続について、発給の仕方が例えばわかりにくいとか、そういうような問題が1つあるということに加えて、聞いておられませんけども、ちょっと申し上げますと、その制度全体に対する理解の不足みたいなのが反感になってるということを先ほど申し上げた次第でございます。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(新島 雄君) 再々質問を許します。
 40番奥村規子君。
○奥村規子君 手続のことでということで言われたんですが、私は、怒っているのは、やはり75歳で線をなぜ引くのかという点で怒っていると思うんです。保険証の問題も含めてですが、先ほどの健診の問題でも、75歳以上になれば、今まで自治体で行っていたのを、ことしは何とか広域連合でするとか、そういうことがありますし、先ほどの診療報酬の問題でも、75歳以上の人に対する診療報酬制度を別建てにつくるとか、そういったことが、なぜ75歳で区切るのか、そこのところに非常に人間としてやはり個々の、75歳でも非常にお元気な方もいらっしゃるし、また80歳、90歳の方も本当にお元気に頑張ってる方もいらっしゃいますし、人の命、人のことというのはそれぞれに、個々にそれぞれ個性もありますし、別々だと思うんです。それを75歳で線を区切る、そこのところに対する怒りがあるんじゃないかと思ってるんです。
 そういう中で、今度、そういったことが本当に県民の気持ちに立って怒っている──これは歓迎する制度やよと言う方もいらっしゃるかもしれませんが、そういった中で、非常に7000以上の方のお気持ちを含めて、今国会の前でも、やはりこの制度はおかしいということで座っている状況もあるんですから、そういった人の命に対して粗末にしている、そういったところの点について、どうお感じになってるかということを私はお聞きしたかったんです。その点について、ぜひ御答弁いただきたいと思います。
○副議長(新島 雄君) 以上の再々質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず第1に、質問の最初に、あなたは手続について問題があるというふうにお答えですがとおっしゃいましたが、議事録をチェックしていただきますと、聞かれてもいないのですが申し上げますとといって、違うことをお答えしておりますので、手続については苦情が多かったことは事実だけれども、多分お気持ちとしては、制度全体に対する理解の不足によって、制度全体に対する反感というのがお気持ちじゃないかというふうに申し上げたつもりでありますので、まずそれを御確認の上、申し上げたいと思います。
 その次に、75歳のところの話がありました。制度というのは、何かどっかで線を引かないといけないもんですから、その75歳というのが今回の制度の1つの区切りになってます。しかしながら、だからといって、この制度が75歳以上の人を全く見捨てるとか、そういうことを考えた制度であるとは私は思いません。それは、奥村さんはそう思っておられるかもしれませんが、私はそうは思いません。
 ただ、制度というのは、例えばお年寄りがどんどんふえていく中で、今の社会保険、健康保険の制度というのは、若い世代が払って、それでお年寄りのほうがたくさん使うというような、どうしても事態になってるということは事実であって、それを若い世代がこれ以上負担できるかなというようなことを考えて、全体をあの姿にしてみたというのが今の姿だと考えています。それについて、制度をつくるときも議論があり、その後、制度についての理解も、我々も求めてきたつもりでありますけれども、これについて現に「あ、聞いてなかったぞ」という人がたくさんいるということは、我々の説明不足も少しあったかなと。
 それから、全体として、与党も野党も政府も含めていろいろな手直しは必要だというふうに考えておられるようですから、その議論に我々も参加して、それで皆さんのお気持ちが何となくまとまり、それから制度が持続可能であるということになるようなものを日本国全体としてつくっていくということに我々も協力していきたいと、そんなふうに思っている次第であります。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(新島 雄君) 以上で、奥村規子君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後1時58分散会

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