平成20年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(山田正彦議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前10時1分開議
○議長(中村裕一君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第78号から議案第89号まで、並びに知事専決処分報告報第1号から報第8号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 28番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○山田正彦君 おはようございます。
 平成20年6月定例議会の一般質問の先陣を務めさせていただけるチャンスを与えていただきました。先輩・同僚議員の格段の御配慮に対して、心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 まず、この前、先日起こりました岩手・宮城内陸地震で大変な被害が発生しました。10名の方が亡くなり、12名の方がまだいまだに行方不明ということでありますが、被災に遭われた地域の方々に心からお見舞い申し上げたいと思います。
 一般質問に入らしていただきますまずその前に、各議員も既に御承知のことと存じますが、昨年12月定例会において、「地方議会議員の位置付けの明確化に関する意見書」を議決されました。それ以来、全国都道府県議会とともに、我らが中村議長もその先頭に立って国会議員に対して署名活動するなど、各種要請活動にお取り組みをいただいたおかけで、去る6月10日、衆議院本会議でその案件が議決され、また翌11日、大変厳しい政治情勢の中でありながら──11日と申しますと、福田総理が問責決議を受けた日でありますが──その参議院本会議でも議決され、地方議会議員の議会活動の範囲の明確化に向けての地方自治法の一部を改正する法律案が成立いたしました。その間、特に二階俊博自由民主党総務会長を初め、石田真敏自民党副幹事長、それから県選出国会議員の先生方には、それぞれ要所要所、大きな御尽力をいただいたことを御報告申し上げ、この場をおかりして厚く御礼を申し上げたいと思います。
 今日に至るまでの間、我が和歌山県にあっても、歴代議長の御苦労に対し、我々議員全員が感謝しなければならないと思います。また、急転直下、今回改正案が成立されましたのも、今までの国に対する要望活動だけではなく、政権与党国会議員の有志による議員提案として対処していただきました。そのおかげであろうと思いますが、その道筋をつくっていただいたのは、今のこの中村議長であります。中村議長の大変な御心労もあったかと思いますが、お疲れさまでございました。心から御慰労を申し上げます。
 今後は、我々議員は議会改革検討委員会を中心にして会議規則の改正等をすることになろうと思いますが、我々県議会議員も議会活動や諸活動により一層の責任を再確認し、私たち自身も大いに議会改革に取り組んでいく中で住民の期待にこたえていかなければならないと強く思っているところであります。
 それでは、通告に従い、順次質問させていただきます。
 まず初めに、平成21年度国の施策及び予算に関する提案・要望等について知事の考え方をお伺いしたいと思います。
 今年度は、和歌山県長期総合計画の計画年度の初年度に当たります。知事は、本県の目指す将来像である「未来に羽ばたく愛着のある郷土和歌山」を実現するため、重点的に取り組むべき施策として新政策を定め、鋭意御努力されておりますことは、議会としても、また私も県議会議員の1人として、どのような施策で本県をどのような方向に導こうとされているのか、知事の動向を注視している1人であります。
 知事は、既に平成21年度国の施策及び予算に関する提案・要望を取りまとめられ、県選出の国会議員を初め、総務省、厚生労働省など各省庁、関係省庁に対して精力的に要望活動を実施されているとお伺いしております。
 提案・要望の内容については、我々議員も見させていただきましたが、あらゆる施策実施の基礎となる地方税、財源の確保充実など、県民生活に直接直結した切実な要望が盛り込まれております。和歌山県も、他の多くの自治体と同じく、財政状況が非常に厳しく、知事は見直すべきものは見直し、また厳しい財源をやりくりしながら、目指す将来像に向かって日々御苦労されていると思いますが、いま一度、今回の提案・要望の編成作業を進めるに当たっての知事の思いをお伺いしたいと思います。
 次に、広域連携の推進についてであります。これもまた、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
 和歌山県長期総合計画では、関西圏はすぐれた歴史・文化遺産を持ち、人口やGDPではヨーロッパの中規模国に匹敵するほどの規模を有するなど、数多くの特色を持つ地域でありながら、ネットワークでつながっていないため、地域全体としての魅力を十分発揮できていないと指摘されております。私もそのとおりだと思っておりますし、こういった観点からも、府県間道路の整備促進も県当局に訴えてきたところであります。
 関西圏全体の発展のため、とりわけ和歌山県の発展のためには、公共ネットワークのインフラ整備はもとより、防災、環境、観光、医療分野など広域的な視点に立って、関西の府県が連携をとって取り組むことが必要であります。その意味で、関西の自治体と経済団体で構成する関西広域機構を設立し、広域課題の解決に取り組んでいるということは、大変意義のあることだと思っております。
 さて、現在、関西広域機構において、これまでの取り組みを一歩前へ進めて、地方自治法に基づく特別地方公共団体である広域連合制度の活用の議論が進んでいるとお伺いしているところでありますが、私は、今回の議論には、広域行政の効果的な推進という観点では大いに期待しておりますが、それに加えて、広域連合を国からの事務権限の移譲の受け皿とすることで将来の道州制へのステップにしようという意向もあるのではないかと感じております。私自身、この道州制については多少の異論を持っております。
 そこで、知事、広域連合設立の意義など、この問題に関する考え方をお伺いいたします。
 次に、情報基盤整備について企画部長にお伺いいたします。
 今回の政府要望にも、地上デジタル放送への円滑な移行という項目が盛り込まれております。これは、2011年、平成23年7月までに、地上テレビ放送がデジタルに完全移行するということで、和歌山県の場合、その難視聴対策が喫緊の課題となっていますから、国の責任による対策を要望するのは当然のことだと思っております。
 また、その他の情報通信手段についても、平成19年末現在の総務省の調査によれば、全国的には54.7%の世帯が高速ブロードバンド回線でインターネット利用されていて、また、携帯電話の普及率も78.7%に達しているとお伺いしております。こういった数字を見ますと、インターネットや携帯電話も今や日常生活に欠かせない情報ツールになっています。これに対し、和歌山県の状況はどうかというと、それぞれが44.5%、69.7%と、全国平均から10%程度低い数値になっております。
 昨年度、例えば私の地元の紀の川市で、デジタルデバイトと言われている地域約950世帯を対象にして、県、市と一体となった取り組みの中で、光ファイバーケーブルを整備されました。情報基盤の整備も少しずつ進んでいるように思いますが、やはりまだまだ県内には携帯電話や高速インターネットを使いたくても使えない地域がたくさんあるのが現実であろうと思います。
 今どき、テレビが映るのは当然のことでありますし、携帯電話が使えたりブロードバンドが利用できる環境整備は、県民生活とともに、地場産業の活性化、企業誘致や観光振興、あるいは地域間交流を進めるための必要条件であります。今後、和歌山県として、こうした情報通信格差を解消するためにどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、お尋ねいたします。
 次に、岩出市に水栖大池というのがありますが、そこからあふれた水による浸水被害についてお伺いいたします。
 先月、5月24日から25日にかけて紀の川筋において局地的な豪雨があり、特に岩出市では時間雨量72ミリという集中豪雨がありました。この雨により、県で実施しておりました県営ため池等整備事業、水栖大池の工事現場から水があふれ出し、下流の住宅団地46戸、農地約3ヘクタールに及ぶ浸水被害が発生したものであります。
 過去の計測値によりますと、岩出市で平成7年、5月としては時間雨量35ミリというのが最大記録としてあるそうでありますが、想定外の豪雨でその対策が間に合わなかったというふうにお聞きしていますが、直接的には、今回の工事で池の堤が開削されていた──大きくカットされていたということなんですが──そういうために、一時的な雨水があふれ出したことによる浸水被害であります関係で、これは自然災害とはいえ、結果責任として県がその責務を速やかに果たすべきであると思います。
 私も、事故直後、すぐ現地に行って被害状況を確認いたしました。知事も、被害が発生した当日、早速現地に行って、被害の大きさやその被害に遭われた方々と直接お会いいただいて、原状回復を約束されたとお聞きしていますが、被害状況の迅速な把握と敏速な対応をされているのかどうか、その進捗状況を農林水産部長に、また結果責任として、県は補正予算を組んでの対応となると思うんですが、いずれにいたしましても、被害に遭われた方々の一刻も早い原状回復を最優先に対応すべきと望むものでありますが、知事の考え方をお伺いしたいと思います。
 次に、回収困難となった高度化資金のことについてであります。
 さきの2月議会におきまして継続審査となっております、中小企業高度化資金に係る5組合、26億4200万円の権利放棄の件でありますが、当局の説明では、担保物件等、組合資産をすべて売却し、連帯保証人及び相続人の資産調査を実施して回収可能な資産等はすべて回収した案件であると我々説明を受けておりましたが、貸付金額に対して債権放棄額が非常に大きいことから、慎重な審議を要するため継続審査になったものであります。
 2月議会以降において、県当局が一連の貸付手続の精密な調査を行うと聞いておりましたが、その後の状況について商工観光労働部長にお伺いいたします。
 最後に、公共調達制度改革についてであります。
 県当局は、過去の一連の不祥事を払拭すべく、平成19年1月に和歌山県公共調達検討委員会を設立し、平成19年6月、公共調達制度改革なるものを発表して以来、不良不適格業者の排除、工事における品質の確保、県内優良業者の育成を柱にして、入札参加資格審査を新業者審査制度によりランク分けをして、いよいよこの6月から、原則すべて条件つき一般競争入札が実施されることになりました。
 我々自民党県議団も、当時から私もそのメンバーの1人に加えていただき、吉井議員を座長とする自民党公共調達検討委員会を立ち上げ、各議員のおのおのの地元業者、建設業者やあらゆる業者からの数多くの御意見や要望をお聞きしながら、また議員として独自のいろんな提案を積極的に申し上げながら、当局とのたび重なる協議をしてまいりました。結果として、パブリックコメントとして取り上げられた、幾つか採用された部分もありますが、総論としては、我々検討委員会としても余り大きな意見の相違はなかったかと、そう思うんでありますが、各論といいますか、実際に際しての運用面では、まだまだいろいろ意見、見解の相違があることは事実であります。
 が、しかし、実施されるということは、もう既に6月からという、決まっておりますので、議会としては当分見守るしか手はありません。が、しかし、今後、不都合が生じないとも限りませんし、また、その時々の状況を検証し、我々検討委員会とも柔軟に対応、協議していただき、弾力的に運用すべきことを強く望むものでありますが、県土整備部長に新公共調達制度への取り組みについての考え方をお伺いして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの山田正彦君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいまの御質問のうち、まず第1に、平成21年度の国の施策及び予算に関する提案・要望等についてお答え申し上げます。
 和歌山県長期総合計画の目指す将来像の実現に向けて、毎年度、本県がどういうふうにやっていったらいいか、そういうような検討を行うために新政策というプロセスを導入しておりまして、今年度も春先から全庁挙げて議論を行っております。それを分類いたしますと、自分でやることと、それから国に頼まないといけないことと、その2つが当然あるわけでございます。その中で、国の支援協力あるいは制度改正、そういうものについてお願いをしようといたしますと、国における検討のタイミング、それと合わして効果的にやっていかないといけないということでございます。
 したがって、この新政策、最終的には県議会におかけする条例や予算ということにつながっていくわけでございますけれども、それを待っていては手おくれになりますので、先に国に対する要望だけは取り出しまして、それで、このタイミングで国に対して要望活動を積極的にやってきているところでございます。
 今回の要望活動におきましては、できるだけ具体的な内容で要望しまして、あるいは我々もよく考えて提案をして、地方の直面する課題を切実に訴えてまいったつもりでございます。
 内容は、県議会の皆さん、それから一般にも公開しておりますが、県行財政の継続に重要な、例えば県行財政の継続に非常に重要な地方税財源の確保・充実とか、そういう一般論、それから個々の話、両方入れております。それで、前者につきましては、我々は、行革プラン、新行革プラン、次々に実施してまいりました。それで、まあ何とか、大きな波が来なければ、努力すれば乗り切れるかなという計画は立てておりますけれども、もうぎりぎりのところでございます。したがいまして、和歌山県は、県当局だけじゃなくて市町村もあるし、他県のことを言うとはばかられますけれども、和歌山県よりももっと大変な県もあります。そういう意味では、どうもこの地方財政について抜本的な財源の確保・充実をお願いしないと、もうもたないんじゃないでしょうかというようなことを訴えてまいりました。
 次に、各論になっていきますけれども、道路整備に関しましては、都市部が先行されて地方への投資はやっとこれからという状況にあることを指摘した上で、近畿紀勢線をすさみまでとか、あるいは京奈和自動車道について、平成27年国民体育大会まで県内で全線供用をぜひお願いしますというようなことをお願いをし、本県の発展の基礎となる道路整備を早期に進めるべきことを強く訴えてまいりました。
 また、地上デジタル放送の移行につきましては、国の責任において対策を講ずべきであるという原則を改めて主張するとともに、県内すべての難視地域の解消について着実に支援をしてくれ、というようなことをまとめております。
 国の制度設計が県財政あるいは県民生活に直接大きな影響を与える医療・福祉分野におきましては、特に介護労働者確保のための介護報酬のアップ、あるいは、現在大議論になっております長寿医療制度の見直しに当たっては、それが見直しされるとしても、地方自治体の負担を「はい、じゃ、やってください」というふうにこれ以上負担をかけられると、もうせっかく行財政改革やってるとこがまた吹っ飛んでしまうので、そういうことのないように、地方自治体に新たな負担を増加させないようにぜひ設計をしてくださいというようなことをお願いしてまいりました。
 このほかにも、県民の安全・安心を確立するために至急対応すべき東南海・南海地震対策、あるいは公立小中学校の耐震化、地球温暖化防止の推進、中国市場開拓支援のために知的所有権制度を守ってくださいとか、あるいは、検疫についてよろしくお願いしますとか、そういうような県政のあらゆる分野にわたって必要な要望をしてきたところでございます。
 元気な和歌山を実現するためには、どの項目も私は大変重要なものであると思っております。今後とも継続的に働きかけを行ってまいりたいと考えておりますので、議員の皆様には、どうぞ要望項目の実現に対して一層の御協力と支援を賜りまして、それぞれの立場で御尽力いただきますようにお願い申し上げたいと考えております。
 続きまして、広域連携の推進についてでございます。
 現在、関西広域機構において検討しております関西広域連合には、第1に関西における広域行政を効果的、戦略的に推進することを、第2に国の事務・権限の移譲の受け皿としての役割を担うことを期待していることは事実でございます。
 議員御指摘のように、検討に参加している府県、例えば知事さんとか当局、あるいは財界人の中には、広域連合に国から事務・権限の移譲を受けて、それで実績を積み重ねることで将来の地方分権型道州制につなげようと考えているところもあるようであります。しかし、このことが必ずしも共通認識になってるわけではありません。
 私は、関西の各地域が豊かな個性を連携しながらスケールを広げ、首都圏と異なる多様な価値が集積する日本のもう1つの中心核として関西圏が発展していくことが大事であり、それがまた本県が発展していくためには不可欠であると考えておりまして、積極的に議論に参加していきたいと考えてきたところです。
 今後とも、本県といたしましては、広域的な課題を解決することで元気な関西圏づくりにつなげていくという、それ自体大事な観点から積極的に議論に参画してまいりたいと考えております。
 次に、水栖大池につきましてでございます。
 岩出市からのこれにつきましては、要請もありまして、老朽化したため池の堤体改修を行う、それから地域住民の憩いの場としてうまく活用する、そういうことで平成18年度から21年度を工期とする県営事業として実施しております。
 今回の工事は、ため池の設計指針に基づき行っておりましたが、5月という雨の少ない時期だと思っておりましたところ、指針の想定を上回る予想外の降雨がありまして、工事による開削部──これは、V字的にこう切って、下のところで利水のためのパイプを改修してたわけですが──その開削をしているところから雨水があふれ出しまして、結果的に下流に被害を及ぼすことになったものでございます。私も、「ああ、これは大変だ」ということで、被害の重大性を認識しまして、浸水被害の発生当日、現地に赴きまして応急処置の指示を出し──これはため池だけじゃなくて根来川なども含まれますが──これに万全を期すような指示を出すとともに、被害を受けられた方々と直接お会いいたしまして、それで議論をさしていただきました。
 一般論を申し上げますと、本件のような議論は、法律論を申せば、多分、その天然災害による不可抗力の部分というのが考慮されて、全額補償というのはなかなか難しいのかもしれないというふうなことは思います。しかしながら、これは何といっても、県が工事をしていた、開削をしていたことに伴って実際に起こったことでございますので、したがって、県としては原状回復はお約束するというふうに、もう、ちょっと勇気を持って私は申し上げました。それで、本工事は県営工事でありまして、工事の指導監督の立場から、現在、浸水被害に対して、岩出市など関係機関の協力を得ながら全力を挙げて原状回復に取り組んでいるところでございます。
 私も現場へ行って、いろいろ聞きました。職員は被害を食いとめるために走り回って、夜通し走り回って、関係業者なども動員して、まあ頑張りました。しかしながら、予想外の災害ということも、予想外の降雨量ということもありまして、結果的には見通しが甘くて、近隣の方々に迷惑をかけたということでございます。このことと、それからその補償も入れますと、これはまた県全体に対して財政的な損害をかけたということでございますので、私は県当局を代表して謝罪を申し上げないといけないというふうに思っております。
 これにつきましては、個々の方々と原状回復の話し合いを今やっておりまして、これを鋭意進め、結果的にかかったお金につきましては、財政全体を見ながら、また補正予算等々お願いせざるを得ないかと思いますが、大変当局として申しわけなかったと思っております。今後、こうしたことが二度と起こらないように再発防止──今回のことを教訓に生かしまして、いろんな想定をちょっと強くするとか、それからこういうときはこうなるぞというようなことをマニュアルなどに十分残して、同じような被害が二度と起こらないように頑張ってやっていきたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 企画部長前硲健作君。
  〔前硲健作君、登壇〕
○企画部長(前硲健作君) 情報基盤整備についてお答えをいたします。
 議員御指摘のとおり、今や、テレビ、携帯電話、インターネット、これはもう社会生活のために欠かせないものとなっておりまして、県といたしましても情報通信格差の是正を喫緊の課題として取り組んでいるところでございます。
 まず、テレビのデジタル化につきましては、国の責任による対応、これを原則としつつ、これまでの県、市町村などの取り組みをさらに円滑に進める目的で、難視予想地域ごとの対策と対策時期の目安を取りまとめた地上デジタル放送難視解消ナビゲーターというものを本年5月に公表したところでございます。現在、対策がまだ未定の県内399カ所、2万6736世帯の難視予想箇所につきましては、市町村と連携して早期に具体策を確定するように取り組み、対策の実施に当たっては国の支援を要望してまいりたいと考えております。
 また、携帯電話不感地域につきましては、携帯電話つながるプランというものを平成19年3月に、インターネットにつきましては、ブロードバンド基盤整備5カ年計画というものを平成18年5月に策定いたしまして、それぞれ平成22年度末を目標として積極的に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、地上デジタル放送、携帯電話、ブロードバンド整備、これにつきまして各プランを強力に推進し、完全デジタル元年と言われる平成23年にはすべての県民が地域間格差なく情報通信の恩恵を享受できるよう全力で取り組んでまいります。
○議長(中村裕一君) 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 岩出市のため池からあふれ出た水によります浸水被害となりました降雨につきましては、先ほど議員お話しのように、3時間で130ミリ、時間雨量では72ミリという記録的な集中豪雨でございました。この豪雨による被害の状況につきましては、被害が想定される地域の192戸に対しまして聞き取り調査を行ってございます。その調査によりますと、浸水による被害件数は46件、うち床上は2戸、床下は27戸、また自動車やバイクの浸水被害が37台と、さらにそのほか農地の被害等2.9ヘクタールなどとなってございます。
 県といたしましては、振興局内に対策プロジェクトチームを編成いたしまして、被害が起こりました5月の25日の早朝より、まず応急対策に全力を挙げて取り組んでございます。例えば、仮住居の確保や浸水家電の点検修理、それから浄化槽等のくみ取り、また床下の消毒・殺菌、それから、ことしの田植えができるような農地の復旧作業を行ってございます。
 現在、原状の回復に向けまして、被害に遭われました住民の方々との話し合いを鋭意精力的に進めているところでございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 商工観光労働部長永井慶一君。
  〔永井慶一君、登壇〕
○商工観光労働部長(永井慶一君) 回収困難となった高度化資金についての御質問にお答えいたします。
 今議会におきまして、引き続き高度化資金並びに設備近代化資金に係る権利放棄の議案をお願いしているところでございますが、県民の貴重な税金を投入した融資がこのような結果を招くことになったことに対しまして真摯に受けとめてございまして、改めまして深くおわび申し上げる次第でございます。
 議員御質問の高度化資金における2月議会後の取り組みにつきまして、御説明をさせていただきます。
 貸し付け手続及び貸し付け審査の適正執行につきましては、案件ごとに貸付事務要領に基づく一連の手続の妥当性に着眼し、審査体制や診断方法等を再確認するとともに、当時の関係職員への事情聴取を加えて実施したところでございます。
 再調査結果につきましては、審議を付託されている常任委員会の場で詳細に御説明をさしていただきたいと考えておりますが、事業計画の提出から貸し付け実行までの一連の手続を審査したところ、全体を通して県の規則等に違反した事実は確認できませんでした。また、組合の総勘定元帳にせんべつとして、県庁職員3名、合計15万円との記載がございましたので、組合側6名及び平成8年4月1日付で人事異動のございました県職員9名からヒアリングを実施しましたところ、本当に渡したかどうか、及び該当者は確認できませんでした。
 県といたしましては、政策金融という制度を考慮しつつ、今後とも貸し付けにつきましては、事業計画の妥当性及び貸付金額の正当性等はもとより、利益相反的な取引が含まれるおそれのある案件につきましては、とりわけ厳正な審査を行い、また債権保全につきましても、不動産鑑定等による評価を受けた担保の徴求を行えるよう、貸付事務要領を改正し、貸し付け実行することと考えてございます。
○議長(中村裕一君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 新公共調達制度への取り組み姿勢につきましてでございます。
 今月から、建設工事及び建設工事に係ります委託業務につきましては、原則、すべて条件つき一般競争を実施しているところでございます。この条件つき一般競争を導入するに当たりましては、不良不適格業者の排除、品質の確保、県内優良業者の育成の観点から、新業者評価制度の導入、最低制限価格等の算定方法の見直しなどを行ってまいりました。
 また、これらの制度につきましてはパブリックコメントを実施するなど、広く県民、事業者、そして県会議員の皆様方からの多くの意見をちょうだいして、その内容を十分精査し、反映したものであります。
 今般、これら制度の円滑な実施に向けまして、問題点の把握とその解決を図るために新公共調達制度推進委員会を設置したところでございます。
 今後とも、県議会を初め、県民、事業者の皆様方から制度につきましての御意見等を幅広くお伺いするとともに、さまざまな角度から入札の実施状況を検証、評価いたしまして、議員御指摘のように、必要に応じまして制度の改善を行うなど、よりよい制度となるよう取り組んでまいる所存でございます。よろしくお願いいたします。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再質問を許します。
 28番山田正彦君。
○山田正彦君 いろいろ申し上げましたが、精力的によろしくお願いしておきます。
 1点だけ要望といいますか、皆さんにも御認識をいただくなり、県当局に要望しておきたいと思うんですが。
 水栖大池の災害の日、5月24日から25日の日、同じく紀の川市の桃山町というところで、利水用のため池、松池、桜池というのがあるんですが、これも岩出へお見えいただいたとき、知事もいち早く現場へ来ていただいたということで、ありがとうございました。
 それは、岩出では72ミリという雨だったんですが、桃山も1日当たり168ミリ、あの当時の時間当たり37ミリという、それこそ集中豪雨も発生して、その堤が大きく崩壊した被害でありました。たまたま地元の消防団がその状況、朝の3時とか4時とかにいち早く察知されて、消防団員の皆さんを中心にして、本当に早朝から翌日まで寝食を忘れて不眠不休の排水作業をされましたおかげで、堤防は首の皮1枚で助かって、被害が最小限度に食いとめられた。しかも、下流域65世帯あるんですが、その方々、実際は54名だったと思うんですが、桃山小学校の体育館へ一時避難されて難を逃れました。その間、紀の川市にあっても、現場のすぐそばに対策本部をつくられました。紀の川市長を先頭に、それこそずっと復旧──復旧というんですか、被害解除のための作業をされました。これについては、本当に頭の下がる思いであります。
 そういうことで、これからは、今、仮復旧してるんですが、本復旧に向けて農政局とも折衝をするということになってるんですが、災害が起きたときのことを思いますと本当にほっとしてるとこなんですが、これから紀の川市も事務的にそういう県を通じてのいろんな協議があろうと思いますので、これも県当局として最大限のサポートもしてあげていただきたいな、そういうことを特にお願い申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(中村裕一君) ただいまの発言は要望であります。
 以上で、山田正彦君の質問が終了しました。

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