平成20年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(角田秀樹議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後1時1分再開
○副議長(新島 雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 26番角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○角田秀樹君 ただいま議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 本日で、当初の議案に対する質問も4日目、13人目でございまして、質問内容につきましては一部重複するところもあろうかと思いますけれども、どうかよろしくお願いを申し上げます。
 まず初めに、1月18日より第169回通常国会で次年度予算が審議されております。特に、道路特定財源の取り扱いについては、本県においても大変重要なことであり、県民ニーズを踏まえ、年度内での成立を願うものでございます。
 仮に道路特定財源諸税の暫定税率など延長されない場合は、県及び市町村の税収が大幅に減少することはもちろんのこと、地方道路整備臨時交付金が廃止となり、道路整備に大きな支障が生じることはもちろん、地方財政が危機的状況に直面することは必然であると思われます。特に、道路特定財源が過去の道路整備の起債償還に充当されていることを勘案すれば、一般財源からの充当を行う必要があり、借入金返済のためのさらなる借り入れという事態や一般財源にも影響を及ぼす上から、福祉や教育といった財源にも圧迫する危機的事態も想定されると危惧するものであります。
 平成15年以来、地方交付税が減額される中、今後の地方自治体の安定的財政運営の確保をすることが最重要であると思います。知事の御見解をお伺いいたします。
 次に、市町村合併と地方行政の今後の見通しについてでありますが、新長期総合計画に関連してお伺いをいたします。
 初めに、今後の地方分権について。
 地方分権改革は、平成12年の地方分権一括法施行後、平成15年の三位一体改革により進められてきました。こういった情勢の中、本県では、50市町村の自治体が現在では9市20町1村の30市町村に再編され、県からの権限移譲事務も、平成19年4月の時点で34法令及び13条例、事務数では238に及んでおります。今後、それぞれの自治体が地域ごとの主体性と個性と特色ある行政執行に期待を寄せるものであります。
 新長期総合計画の地方分権や市町村合併の進展の項目に、税財政面では、地方における税財源の格差是正を図るため、地方消費税の拡充など偏在の少ない地方税体系を構築するよう制度改革が急務とし、本県及び県下市町村は、その財源を地方交付税に大きく依存している状況の中では、所要の地方交付税の総額確保が重要であり、平成の大合併を進める目的の大きな1つに、実は地方の財政基盤の強化があるとされておりました。合併した自治体の財政力はどのように変化してきたのか、また権限移譲についても今後どのような状況なのか、ひとつ総務部長にお伺いをいたします。
 また、田辺市のように、1市2町2村の合併で、面積では近畿で一番大きな自治体ができ上がりました。それぞれ合併後の住民が抱える課題についての分析と2次合併に向けた対策について、これも総務部長にお伺いをいたします。
 次に、各自治体と県との住民への行政サービスを行う上で大変重要な役割を果たしてきました各振興局体制のあり方についてお伺いをいたします。
 本庁の出先機関として、現在、県下に7つの振興局がございます。地方の広域行政のかなめとしてその役割を担ってきたと思いますが、町村合併が進む中、行財政改革をまた遂行する観点から、現行の振興局体制について、知事の御所見をお伺いいたします。
 さらに、本県の人口減少の諸問題について幾つかお伺いをいたします。
 直近の平成17年度の国勢調査では、本県の人口は103万5969人と、過去5カ年で全国ワースト2位となる急速な人口減少となっております。昭和60年をピークとして、人口の減少がとまらないのが現状であります。一昨年の平成18年には7930人と減少したことは、まことに憂慮すべき事態であると思います。
 さらに、人口減少傾向は、本県の経済活動の根幹をなす個人消費に直結したことでもあり、将来に大きな不安を抱くものであります。
 さて、昨年、法律が成立いたしました企業立地促進法に基づき、現在、知事が先頭になって企業立地を推し進めている紀ノ川企業集積ベルト地帯構想にも影響を及ぼしかねないと思う次第でございます。
 本年1月9日に開催されました平成19年度第2回和歌山県地域産業活性化協議会の報告書の基本計画によりますと、平成17年の工業統計調査による集積業種全体の付加価値額3675億円を、平成24年に15%向上させ4227億円とすることを数値目標と定めてあります。それには、産業資本、すなわち人、物、金、わざ等の流入促進が必然であるとも指摘されておりました。すべての物事の成り立ちは、まず人であると思う次第でございます。よい環境に人が集まり、産業が発展し、また、文化も向上していくのではないでしょうか。
 そこで危惧するのは、今後も現在のように人口減少が続くと、地域活性力にも影響を与えかねないと思われますが、知事の基本的なお考えをお伺いいたします。
 また一方、県は各関係機関と連携し、人口転出への歯どめを最重要課題であると位置づけをし、地域経済基盤の構築を目指し、若年層を中心とした人口流出の抑制や、U・J・Iターンによる転入にも積極的に取り組まれております。今後の人口増加への見通しについて、知事にあわせてお伺いをいたします。
 また、多くの企業が本県に拠点を置き事業展開を図るとき、人材確保といった問題が生じてくると思われますが、知事にお伺いをいたします。
 続いて、本県の出生率につきまして、本県も全国的な推移と同様で減少をしております。
 今年度予算に、少子化対策の強化として紀州3人っこ施策の予算が計上されております。3人以上の子供を産み育てようとする家庭に対する経済的負担を軽減するため、平成20年度より新たに3歳未満児の保育料を無料化、また、就学前児童の一時預かり等の利用料助成や、3人目を出産する際の妊婦一般健診費の原則無料化は継続するといった内容でございます。安心して子供を産み育てられる環境の整備と女性の就業環境の整備を進める上で、大変喜べる制度であると評価するところであります。今後の拡充策と各市町村への働きについて、福祉保健部長にお伺いをいたします。
 次に、県民の健康についてお伺いをいたします。
 初めに、大きく社会問題となっています肝炎対策についてお伺いいたします。
 我が国において、国民病とも言われる多くのウイルス性肝炎の患者がおられます。感染経緯についてはさまざまではありますが、その大半が輸血やフィブリノゲンを初めとする血液製剤の投与、予防接種による針、筒の不交換などの不潔な医療行為による感染、すなわち医原性によるものと言われております。
 B型肝炎については、集団予防接種によるB型ウイルス感染被害者が国を被告として損害賠償を求めた訴訟の最高裁判決が昨年6月に言い渡され、国の行政責任が確定いたしました。
 また、C型肝炎についても、血液製剤の投与によるC型肝炎ウイルス感染被害者が国と製薬企業を被告として損害賠償を求めた薬害肝炎訴訟の大阪地裁判決が同6月に、福岡地裁判決も同8月に、いずれも国の行政責任と製薬企業の不法行為責任を認めた判決を言い渡したのであります。
 司法の場で、ウイルス性肝炎の医原性について、国の施策の過ちが明確に認定されたわけであります。
 一方、国においても、一連の判決を重要視し、議員立法にて本年1月8日に衆院、そして1月11日に参院で、それぞれ全会派一致で救済法が可決いたしました。そして、薬害C型肝炎の被害者を救済する特別措置法が1月16日に施行されたわけでございます。その前日には、同訴訟の原告団と国との間で和解の枠組みをまとめた基本合意書が交わされました。それを受け、2002年10月から全国10カ所の裁判所で続けていた訴訟は、本年の2月4日から順次和解、そしてまた成立し始めました。
 この法律は、汚染された特定血液製剤を投与されC型肝炎に感染した患者、相続人に対し、症状に応じた給付金を支給することなどが柱となっております。具体的には、肝硬変、肝がん、死亡の場合は4000万円、慢性肝炎には2000万円、未発症の感染者には1200万円が支払われる法律であります。給付金の請求期間は、法施行から原則5年間ではありますが、10年以内に症状が進行した場合、医師の診断書を提示することで追加の給付金が受けられます。投与や因果関係の有無、症状については、カルテなどをもとに裁判所が認定していくが、既に廃棄されているケースも多いことから、カルテ以外にも医師や本人の証言なども考慮して、幅広く救済を行う予定であるということであります。
 薬害肝炎問題につきましては、我が党も、いち早く一律救済を主張してまいりました。昨年12月19日には、福田総理に直談判も行ったところでございます。それを受け、福田総理は23日、議員立法による救済を決断し、実現に至ったわけでございます。
 最初の提訴から5年余りを経て、訴訟はこれで一区切りの体をなしたと言えますが、今後は、インターフェロンの治療費助成を機縁にして、訴訟の外にいる被害者のための救済が不可欠となってきます。国として製薬製造の承認を行った以上、当然のことであり、それが行政の責務であります。
 新聞報道によりますと、今回の原告以外の薬害肝炎の被害者は、三菱ウェルファーマ──旧ミドリ十字社でございますが──2002年3月、厚生労働省に提出した報告書によりますと、血液製剤フィブリノゲンの場合、1980年以降、01年12月末まで、約28万3000人に投与され、このうち約1万600人が肝炎に感染したと推計されております。しかしながら、年月の経過とともに、カルテなどの証拠文書が破棄されているケースも多く、投与を証明できる患者は一部と見られると言われております。
 厚生労働省は、04年12月、80年以降にフィブリノゲンを購入した全国6611医療機関を公表いたしました。本県においても、和歌山県立医科大学附属病院を含み96医療機関が公表されております。
 当初、投与期間は平成6年以前の約30年間、このうち何人がC型肝炎に感染したかは不明ということで、医療機関から事実を伝えられた人は41%の3632人にとどまっております。しかし、2月15日の報道によりますと、厚生労働省は、これまで血液製剤フィブリノゲン投与の事実が確認された患者数は全国で8896人に上ると発表いたしました。2月29日には、血液製剤の購入医療機関1757施設でカルテなど投与当時の資料が残っており、9176人への投与が確認されたとの新たな情報が報道されました。
 前回の調査では患者数までは確認しておらず、厚生労働大臣は記者会見で、きちんと調べていれば患者数がわかったはずと同省の対応の不十分さを指摘いたしました。
 今回判明した患者に対し、医療機関を通じ、ウイルス検査を呼びかける考えを明らかにし、前回の調査結果で投与が確認されたにもかかわらず本人に伝えていない理由として、投与後に死亡1711人(19%)、連絡先不明が1696人(19%)、その他が1857人(21%)。保存されていた資料の内訳は、手術記録や出産記録1288カ所、カルテ1213カ所、処方せん116カ所でありました。
 調査については、被害者の立場に立って、今後とも対応を丁寧にしていただきたいものであるということを訴えておきます。
 一方、私どもにも複数の方から現在問い合わせがございます。
 例えば、御坊市にお住まいの女性の方は、結婚をいたしまして御坊市に在住、そして昭和59年に出産のため出身地の鳥取県は八頭郡智頭町の病院で治療を受けました。そのとき、輸血が必要となり、止血剤として投与されたようであります。以降、本人はその内容につきましてはわからず、46歳のときに子宮がんで和歌山労災病院に入院、手術のため検査を受けた際に初めてC型肝炎であると診断をされました。その後、現在に至り、インターフェロン治療で病気と闘っておられます。もとの肝臓にはなれないけれども、今はその治療方法しかない、時間と体力と気力で頑張っていきますと、こういうふうにもおっしゃっておりました。
 また、和歌山市内の男性のケースは、地元の県立医大で昭和61年に手術を受け、約3カ月間入院、昭和62年の約1年間のしばらくの間、医大に通院をいたしました。その男性の方は、医大に対し、入院時のカルテの開示を求めております。初診時と通院時のカルテはあるが、入院手術のカルテがないということであります。私もそのお話をお聞きいたしましたが、いかんせん納得いかないというふうに思う次第でございます。その男性は、この2月の後半に肝臓がんの手術のために、県外の別の医療機関にて治療を現在受けているところであります。
 今後は、こういったことが大いに想定されるところから、県としての今後の対応策についてお伺いをいたします。
 第1点は、県として、患者支援の立場から、専門の相談窓口を設置し、関係機関とともに情報の共有を図りながら迅速な対応が必要であると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 第2点は、肝炎患者の多くは自覚症状が余りなく、発症と同時に重症的な事態に陥ることが危惧されます。現在の検査体制と今後の取り組みについて、福祉保健部長にお伺いをいたします。
 第3点は、新年度予算で、肝炎対策として、経済的な負担を軽減するとともに、治療を効果的に促進するため、インターフェロン治療に要する医療費の助成やウイルス検査のための予算が計上されております。現在、県下の患者数及び今後の検査対象について、福祉保健部長にお伺いをいたします。
 第4点は、去る2月の19日、我が公明党県議団といたしまして申し入れをさせていただきました肝炎対策について、県下30市町村との情報提供も含めた協議会設置が必要と思いますが、福祉保健部長のお考えをお伺いいたします。
 次に、かねてより心配されております鳥インフルエンザについての対応をお伺いいたします。
 近年、家禽の高病原性鳥インフルエンザが世界的に流行している現況から、我が国は本年1月25日現在、55カ国・地域からの輸入を制限しております。そういった中、新型インフルエンザの発生に備えた対応が世界的に急務となってきております。
 一方、国連環境計画の移動性野生動物の種の保全に関する条約、事務局長のロバート・ヘップワース氏は、このほど国連大学で高病原性の鳥インフルエンザ、いわゆるH5N1の流行がおさまらない状況について、「最大の要因は、渡り鳥ではなく家禽の取引にある」と語り、一方的な渡り鳥の運び屋説に反論をしております。
 「鳥インフルエンザ対策に貢献するため、国際機関などと協力して鳥インフルエンザの特別委員会を2005年に設立し、調査研究の結果わかったことは、大陸から大陸への拡散の多くは、実は家禽の取引が原因であった。有名なのは、06年のアフリカ・ナイジェリアで確認された例である。当時、感染経路は欧州からの渡り鳥とされたが、実際はアジアからの輸入した鳥のひな鳥であった。エジプトでも同様に家禽に広がったのは、中国からトルコなどを経由して輸入されたひな鳥であった」と記者に語っております。
 ここで重要視しなければならないことは、実は他人事ではないということであります。この新型インフルエンザは、東南アジアを中心に鳥インフルエンザが鳥から人に感染する事例が増加しているということであります。2月の19日の報道によりますと、インドネシアにて、新たに鳥インフルエンザの感染により2名死亡、累計死亡者103人に達した。感染総数はそれ以上であり、ベトナムの死者の48人を大きく上回り、世界最悪を更新し続けておる。中国でも、2月の18日の報道で、湖南省の22歳の男性が感染して死亡と伝えられております。オリンピックにも影響はしないのかと危惧する面も出てきております。
 この新型インフルエンザは、鳥などの動物に流行するインフルエンザウイルスが変異し、人から人への感染力を強くしたものであります。したがって、ほとんどの人はこのウイルスに対して免疫を持たないため、大きな健康被害を受けることになる可能性があります。今日も、人類は幾度かのウイルスと戦い、生存を勝ち取ってきました。過去10年から40年周期で出現しては、世界的な流行を繰り返してきたスペイン風邪とかアジア風邪などが例として挙げられます。
 鳥インフルエンザの人から人への感染も報告もされておりますが、幸いにして数例にすぎず、発生場所も東南アジアなどに限定されています。しかし、先ほども申し上げましたが、隣国の中国で人から人への感染が確認されている現状から、専門家の間で時間の問題とされてきた新型が、いよいよ現実味を帯びてきたと指摘されております。
 日本にこの新型が上陸したならどういうふうになるか、都市部を中心に瞬く間に全国に広がると予測されております。厚生労働省は、国内で最大2500万人が感染して病院を受診、約64万人が死亡すると推定しております。2次的被害として、経済・社会活動の停滞、低下が大きく懸念されており、その損失は約20兆円にも達すると試算されております。しかも、その影響は数年間にわたって続くとも言われており、事前の備えが重要であることは言うまでもありません。我が国の行動計画に沿って、重症化を防ぐためのタミフルなどの治療薬や、流行初期に接種するワクチンの備蓄などが進められております。
 昨年は、人から人への感染が確認された段階で、行政や医療機関、企業、個人がとるべき具体策をまとめたガイドラインがつくられたほか、治療薬やワクチンの確保など種々の対策強化が図られることになりました。国においては、流行に備え、国内への流入を防ぐための法整備も進んでいると聞き及んでおります。
 新型が一たん流行したならば、健康被害をゼロにすることは不可能と言われております。それゆえ、いかにして初期段階で感染拡大を封じ込め、被害を最小限にとどめるかが基本であると思われます。今後の健康危機管理について、福祉保健部長にお伺いをいたします。
 次に、環境保全の観点からお伺いいたします。
 我が和歌山県は、平成16年7月に、高野・熊野の自然を背景に、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されました。いにしえの時代から自然と人が調和し、今日まで歴史を積み重ねてきたと言われるゆえんであります。
 また、本県は我が国最大の半島である紀伊半島に位置し、リアス式の海岸線は約650キロに及び、半島の先端である潮岬は本州最南端にあり、その眺望は日本一であると思う次第でございます。
 さて、1957年(昭和32年)に、日本のすぐれた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、もって国民の保健、休養及び教化に資することを目的とする法律として自然公園法が制定されました。国立公園、国定公園、都道府県の県立自然公園の3種類の自然公園を定め、土地所有関係にかかわらず、民有地についても公園区域として指定し、風致景観を保護するといった観点から、一定の行為について規制があり、地域性方式がとられております。
 自然環境の保護と快適な利用を目的として、全国に392カ所の国立・国定公園、そして自然公園が指定され、本県には国立公園並びに国定公園、そして県立自然公園が10カ所あり、14カ所が指定されております。公園面積は4万2885ヘクタールで、県土面積の47万2625ヘクタールに対し9%の占有であります。
 各都道府県から対比すれば少ないようにも思えますが、県の全体面積の77%が森林であり、緑豊かな県であります。現在の県立自然公園も、県民の憩いの場所として多くの人々にいやしの空間として親しまれております。本年度予算に、その県立自然公園の抜本的見直しに係る予算が計上されております。現行の10カ所を、グランドデザインによりますと13カ所にするというものであります。
 その1つに、皆様もよく御承知の日高郡由良町に位置する白崎海岸県立自然公園がございます。自然公園の中心地には、氷山を思わす石灰岩の岬や、立巌と言われる岩門を思わす奇怪な岩があり、万葉公園には2首の歌が石碑に刻まれ、訪れた人々をしばし心落ちつかせてくれます。その自然公園内にある白崎青少年の家で、観光や体験学習等を楽しむ子供たちの利用も少なくありません。
 また、隣接する自然公園の南に位置する阿戸という地区がございますが、ここは煙樹海岸県立自然公園の北端にも当たり、以前より、この地区において、土砂砕石場が県の許可のもとに岩石採取が行われております。
 隣接する自然公園を含めた景観の保全と自然を守るという観点から、今後、この地区の土砂砕石等の跡地復旧及び緑化計画についてお伺いをいたします。
 次に、住友金属和歌山製鉄所の新高炉建設に関連してお伺いをいたします。
 皆様も御承知のとおり、住友金属は和歌山県及び和歌山市の基幹産業の1つとして今日まで多大な貢献をしてきた企業であります。ちょうど私が中学生のころ、昭和42年の3月、新炉としてできた第4高炉が、当時のソビエト連邦の製鉄所にある高炉を上回る快挙を打ち立て、世界一の製鉄高炉として大きな話題となりました。
 昭和40年代から50年代にかけ、当時、住友金属は年間最大920万トンの粗鋼生産を誇り、成長を続け、地域の活性化と大勢の人が流入し、住宅建設も、また商店街もにぎわい、大変活況したのであります。小学校の増設や、また、それに伴い道路整備も頻繁に行われるようにもなりました。
 当時は、高度成長時代として、日本全体が経済至上主義的な価値観で突き進む時代背景もあり、住民は劣悪な環境の中においても日々過ごしてきたわけであります。
 このような状況から、住友金属工業は、昭和42年4月に鹿島工場の建設本部を設置し、翌43年12月に鹿島製鉄所が発足し、今日に至っております。しかしながら、依然変わらない環境状態の中、社会的問題として公害への関心が高くなりました。コークス炉の煙突から出る降下ばいじんで地域住民が苦しんだことも事実であります。また、公害という言葉が出始めたのもこのころからであります。
 そこで、全国の企業の環境破壊に対し、公害対策基本法が昭和42年8月3日に初めて制定されました。法の目的は、「国民の健康で文化的な生活を確保するうえにおいて公害の防止がきわめて重要であることにかんがみ、事業者、国及び地方公共団体の公害の防止に関する責務を明らかにし、並びに公害の防止に関する施策の基本となる事項を定めることにより、公害対策の総合的推進を図り、もつて国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的」として制定とあります。そして、現在、環境基本法の施行に伴い、1993年には公害対策基本法は廃止されました。
 公害問題は、産業の発展に伴い、経済合理性の追求を目的とした社会・経済活動によって、人々の生命、健康、生活環境を侵して害を与える「社会災害」とも言われております。
 過去、日本が歩んだ負の遺産の1つに、熊本県の水俣病、また新潟県における水俣病と、ともに水銀による病気でございました。また、富山県神通川の流域では、第2次世界大戦のころから発生したイタイイタイ病、これはカドミウムが原因であります。四日市のぜんそくは、石油化学工場から出たばい煙の中に含まれる亜硫酸ガスによる空気の汚れ、同様のぜんそくは、川崎市や尼崎市などでも発生したとされております。
 以上が、代表的な4大公害裁判としても余りにも有名な事件でありました。いずれも、地域住民が犠牲になったことは否めない事実でもあります。
 和歌山においては、地域住民の公害防止に対する要望を受け、発生源とされていたコークス炉等の沖出しが検討され、当時の県、市、事業者、地元住民らの意見調整が行われ、公有水面である西防波堤沖に高炉の沖出しを目的として建設用地の埋め立てが進められたのであります。また、平成4年のこの埋め立ての中におきまして、第1工区、第2工区、第3工区として、それぞれ公有水面を埋め立てていきました。そして、住友金属用地は第1工区、そして第2工区は関西電力、また第3工区は現在県が所有となっております。
 昨年、住友金属は、鉄鋼需要が好調であるため粗鋼生産の増産を決め、新高炉の建設の計画を発表いたしました。続いて、新たな高炉建設の計画も発表しております。
 以上のことから、関係部長にお伺いをいたします。
 第1点は、住友金属が関係すると思われる地域での現在の大気汚染、水質汚濁の状況についてお伺いをします。
 第2点は、新高炉建設計画に伴う環境負荷について、どう予測されているのか。
 第3点は、当初の計画に工場敷地と住民地域との緩衝緑地が協議されているが、その進捗状況はどうなっているのか。
 第4点は、関西電力が購入した西防埋立用地にLNG火力発電所の計画があるが、現在どうなっているのか。
 以上、4点については、関係部長にそれぞれお伺いをいたします。
 最後に、障害者自立支援法の抜本的な見直しに向け、緊急措置についてのお伺いをいたします。
 現在、我が国の障害者福祉は大きな転換期にあり、障害者福祉の骨格を形成してきた3法、いわゆる身体障害者福祉法と知的障害者福祉法、そして精神保健及び精神障害者福祉に関する法律が、2005年に制定され2006年に施行されました障害者自立支援法に統合され、障害の種別を越えた援護サービスが始められております。
 そして、昨年より、障害者自立支援法について、抜本的な見直しを検討するとともに、障害福祉基盤の充実を図るとされたことを受けて、障害者自立支援法施行後3年目の見直しを見据えながら、昨年の12月に緊急措置がとられました。
 障害者自立支援法は、施行後1年半が経過し、改革に伴うきしみに丁寧に対応するため、国費1200億円の特別対策を決定し、利用者負担のさらなる引き下げや、事業者に対する激変緩和措置等を実施されるものであります。
 このことは、抜本的な見直しの全体像を提示した上で、基本的な課題とその方向性を明示することなど、また、当事者や事業者の置かれている状況を踏まえ、特に必要な事項について緊急措置を実施するものであります。
 抜本的な見直しの視点として、介護保険との統合を前提とせず、障害者施策としてのあるべき仕組みを考査する、また、利用者負担については、低所得者の負担をさらに軽減するなど、負担の応能的な性格を一層高めるとともに、特に障害児を抱える世帯の負担感や子育て支援の観点を考慮するとあります。
 さらに、障害福祉サービスの質の向上、良質な人材の確保、事業者の経営基盤の安定を図るため、障害福祉サービス費用、いわゆる報酬の額の改定の実施を明記されております。
 さらに、障害福祉サービスについては、障害者が地域で安心して暮らせる社会の実現に向けて、地域の受け皿づくりや、入所施設の拠点的な役割を重視した基盤整備を含め、利用者の立場に立って、簡素でわかりやすい制度体系を目指すと明記されております。
 以上のことから、このたびの緊急措置の内容については、どういったものなのか、福祉保健部長にお伺いをいたしまして、第1問を終わります。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○副議長(新島 雄君) ただいまの角田秀樹君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、道路特定財源の暫定税率が延長されない場合の県及び市町村財政への影響についての御質問にお答え申し上げたいと思います。
 この問題につきましては、平越議員の御質問に対して御答弁申し上げたとおり、本県にとっては大変重要な問題であります。
 県財政全体から見て、現在、提案さしていただいております平成20年度当初予算は、暫定税率等の延長に関する関連法案が成立する前提で編成しておりまして、仮に法案が成立しなかった場合は、20年度予算におきましては、約110億円もの巨額の歳入欠陥が発生することになります。
 さらに、これまで地方財政の窮状を訴えてきたことが実を結びまして、地方再生対策費の算入等によって、臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税が5年ぶりに増額されるなど、地方が安定的な財政運営を確保できる一筋の光明が見えかけた──完全に見えておりませんが、見えかけたやさきのことでありまして、暫定税率の廃止による歳入欠陥は、到底受け入れられるものではございません。
 また、市町村財政への影響についても、現時点では全体像が定かではありませんが、過去の決算からの推計値によりますと、道路特定財源について、約48億円の減収が見込まれることから、県と同様の事態に陥ることは明らかであります。
 したがいまして、市町村とも連携し、関連法案が年度内に成立するよう、強く関係方面に訴えてまいりたいと考えております。
 第2に、市町村合併が進む中での振興局体制のあり方についてお尋ねがございました。
 振興局につきましては、市町村合併の進展等により、平成18年4月に、それまでの振興局が担ってきた市町村行財政運営への助言業務あるいは商工会への指導業務などを本庁へ集約・一本化するとともに、税務部門の広域化を図るなど、内部の組織体制の簡素化、効率化を図ってきたところでございます。
 とはいえ、地元からの情報収集あるいは県政策の普及等の面で、振興局の持つ意味も大きいと考えております。そういう意味で、もう少し機能が強化できないかという点で、現在、工夫を凝らしたいと思って検討を進めているところでございます。
 そうしつつも、新行財政改革推進プランでも記述しておりますように、一層の行財政改革に取り組むということにしておりますが、その中には、振興局を含めた地方機関のあり方全体について検討してまいりたいと考えておるところでございます。
 その次に、市町村合併に絡みまして、将来の人口見通しと人材確保についてということでございます。
 議員御指摘のとおり、急激な人口減少は本県活力の低下に影響を及ぼすおそれがありまして、その減少に何とか歯どめをかけたいということを考えてるところでございます。大変重要な問題であると思っております。
 新たな長期総合計画におきましては、子育て環境ナンバーワン和歌山を目指す少子化対策の取り組みや、あるいはその雇用の前提になる地域の特性を踏まえた重点的な産業振興や企業誘致による働く場の確保、さらには本県の豊かな自然や温暖な気候等を生かした大都市等からの移住促進などを積極的に推進することにより、本県の人口減少を何とか食いとめ、計画最終年度には、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口から算出した、これは推計人口92万8000人ということになっておりますが、それを上回る97万5000人になるようにしたいというふうに見込んでいるところでございます。
 今後、本計画の実現に向け、これら施策の着実な進展を図ってまいりたいと考えております。
 なお、誘致企業等に対する人材確保といたしましては、就職面談会の開催あるいは東京、大阪でのUIターンフェアなど、今年度は15回実施いたしました。延べ3000人の参加をいただいたところであります。その中で、今年度面談会等に参加があった誘致企業のうち、現在までの集計では、求人数に対して70%の方が内定したと聞いております。
 また、誘致企業の意向も踏まえまして、3月22日には誘致企業就職説明会の開催を予定しているところでありまして、県内誘致企業への就職希望者を登録するきのくに人材バンクの情報を随時提供するなど、きめ細かい対応を行っているところでございます。
 今後とも、誘致企業が事業を円滑に行うため、また、県内にもともといる企業が業績を伸ばして、そのために必要な人材確保対策をきちんとやっていくということに全力で私どもとしては努めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、県民の健康対策、特に薬害肝炎の相談窓口の拡充の問題でございます。
 C型肝炎ウイルスの感染被害を受けられた方々に対しましては、国においては、早期一律救済の要請にこたえるべく、議員立法により、特定C型肝炎ウイルス感染被害者救済特別措置法、これが1月16日に施行され、給付金が支給されることになったところであります。
 また、肝炎の早期発見あるいは早期治療のために検査受診を勧める政府広報が再度出されたことから、県におきましては、従前から設置しております関係課、すなわち健康対策課及び薬務課及び各保健所の相談窓口で、県民の皆様方からの検査とか、あるいは救済等に関して、相談を現在受けているところでございます。特に、政府広報が出されましてからは、約3300件の相談を受けまして、国等関係機関と連携し、必要な情報をそういう方々に提供しているところでございます。
 県におきましても、肝炎対策は大変重要な課題と位置づけておりまして、無料で受けられる肝炎ウイルス検査体制の拡大と、新年度からインターフェロン治療に対する医療費助成を実施してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 総務部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○総務部長(小濱孝夫君) 市町村合併に関する2項目の御質問に一括してお答えいたします。
 まず、市町村合併後の自治体の財政力の変化と権限移譲についてでありますが、合併団体におきましては、市町村建設計画に基づき、合併特例債等を活用しながら積極的に新市町のまちづくりに取り組まれ、一時的に歳出が増加している一面がありますが、スケールメリットによる効率化の効果などにより、中長期的に財政基盤の強化が図られていくものと考えております。
 権限移譲につきましては、本県においては、法令上、県が処理する事務の市町村への移譲は、全国的な状況を見ますと進んでいるとは言えないのが実情でありますが、第2期地方分権改革によって県事務の市町村への移譲がさらに進められていくものと考えております。
 次に、住民の抱える課題の分析と2次合併に向けた対応についてであります。
 昨年8月に実施した合併団体へのアンケート調査において、例えば田辺市では過疎化・高齢化が進む周辺地域の活性化などを課題として上げられており、その解決に向けて鋭意取り組まれているものと考えております。
 最後に、2次合併に向けた対応につきましては、各地域に設置されている研究会や勉強会などにおいて、地方分権改革の検討状況を初めとする地方行財政を取り巻く情勢など、市町村が合併を検討する上で必要な情報の提供に努めているところであります。
 以上です。
○副議長(新島 雄君) 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) 人口減少への対応策等についてのうち、安心して子供を産み育てやすい環境整備等に関する御質問にお答え申し上げます。
 少子化対策といたしましては、紀州3人っこ施策の拡充等、安心して子供を産み育てられる環境整備に努めてまいりたいと考えてございます。
 最近の厳しい少子化の現状にかんがみれば、今後とも子育て環境の充実強化を進めるとともに、子育てに関する身近な行政サービスを提供いたします市町村との協働が不可欠であります。このため、新長期総合計画案にも記載しております経済的負担の軽減のほか、子育てと仕事の両立支援など、幅広い取り組みが必要であると考えており、引き続き市町村にも積極的な取り組みをお願いし、連携して少子化対策を進めてまいります。
 次に、薬害肝炎の対策について、3点の御質問でございますが、まず肝炎ウイルス検査につきましては、県立保健所において、早期発見、早期治療を目的に無料で実施するとともに、検査実施日をふやすなど、検査機会の拡大を図ってきたところでございます。
 また、医療機関での検査につきましては、県と和歌山市、それぞれが実施することとしており、県の事業といたしましては、この3月5日から、医療機関で無料で受けられることができる体制を整備しております。現在、505の医療機関において受診できるようになってございます。
 今後は、感染が判明した方につきまして、適切な治療につながるよう受診の勧奨を行うなど、医療機関等と連携して対策を進めてまいります。
 次に、インターフェロン治療に伴う医療費助成につきましては、患者さんの経済的負担を軽減し、治療を受けやすくする観点から、このインターフェロン治療に伴う医療費を助成するものでございます。
 なお、本県のインターフェロン治療対象者となる患者の方は、平成17年度の国の患者調査等から、約6800人と推定されてございます。
 また、医療機関での無料検査の対象といたしましては、市町村や職域で受診の機会がある方については、その健診機会を優先させていただくこととした上で、肝炎の感染の心配のある方については対象としているところでございます。
 次に、県内自治体への情報提供等についてでございますが、市町村代表者を含む肝炎対策協議会を既に設置し、検診、検査、診療のネットワークの構築に向けて情報交換等を行っているところでございます。
 今後は、さらに市町村等と連携し、ウイルス性肝炎に関する正しい知識の普及啓発等にも努めてまいります。
 次に、鳥インフルエンザへの感染対策と健康危機管理についてでございます。
 現在、世界各地で発生している高病原性鳥インフルエンザウイルスが、人に対して感染しやすい新型インフルエンザウイルスに変異することが懸念されてございます。
 国においては、新型インフルエンザを入院、検疫等の措置の対象となる感染症とするほか、新型インフルエンザにかかっている疑いのある方に対する蔓延防止策の拡充を図るなど、関係法律の改正法律案が提出されているところでございます。また、国会においては、プロジェクトチームを立ち上げられ、治療薬やワクチンの備蓄状況等について、現行での対策が十分かどうか検討されているものと認識してございます。
 県といたしましては、平成17年12月に和歌山県新型インフルエンザ対策行動計画を策定し、緊急事態を想定した訓練を実施するなど、対策を進めるとともに、海外の状況についても注意をしているところでございます。さらに、国の動きや国会における議論、検討状況にも十分注視しながら、適切に対応してまいります。
 最後に、今回の障害者自立支援法の抜本的な見直しに向けての緊急措置の内容についてでございますが、詳細については、一部未定の部分がございますが、大きく分けて3つございます。
 まず1つ目は、利用者負担について、在宅の障害者及び障害児について、低所得世帯の利用者負担上限月額を現在の約半分に軽減、障害児を抱える世帯について、軽減対象を年収がおおむね890万円程度の世帯まで拡大、成人の障害者について、利用者負担上限月額の所得階層区分を世帯単位から個人単位とするもので、これらの見直しについては、平成20年7月から施行予定でございます。
 次に、通所サービスについて、報酬単価を約4%引き上げるとともに、受け入れ可能人数について、さらなる弾力化を図ります。入所サービスについては、入院・外泊時の支援について拡充されます。
 また、障害者自立支援対策臨時特例交付金による特別対策事業に新たな事業が追加され、これらにより、事業者の基盤強化が平成20年4月から図られる見込みであります。
 最後に、現在、県内約1万300人の知的障害者、精神障害者のうち407人が78カ所あるグループホーム、ケアホームで生活されていますが、障害者の地域移行を促進するため、平成20年度から、グループホーム等の整備について、社会福祉施設整備費補助金等の対象とし、さらなる整備促進を図られる見込みとなってございます。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 環境生活部長楠本 隆君。
  〔楠本 隆君、登壇〕
○環境生活部長(楠本 隆君) 環境保全に関する御質問のうち、まず県立自然公園の保全についてお答えを申し上げます。
 県立自然公園内における土石の採取につきましては、県立自然公園条例に基づきまして、第1種特別地域あるいは植生の復元が困難な地域を除きまして許可をしております。
 議員御指摘の箇所につきましては、申請者から提出された採取及び跡地整理に関する計画を審査いたしまして、緑化等を含めた跡地の整理を適切に行うということを条件に許可を行っております。
 既に県立自然公園内での土石の採取は完了しておりまして、跡地の整理工事も7割程度進捗をしているところでございます。
 引き続き、緑化状況等について定期的に報告を求めるなど、適切な指導を行ってまいります。
 また、県立自然公園につきましては、現在、抜本的な見直しを進めているところでございますが、今後とも貴重な自然環境の保全が図られるよう、適切な運用を行ってまいりたいと考えております。
 次に、住友金属の新高炉建設に関する2点の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、現在の大気汚染、水質汚濁の現状についてでございます。
 県が和歌山市とともに住友金属工業和歌山製鉄所との間で締結をしております環境保全協定では、大気汚染や水質汚濁などについて協定値を設けるとともに、周辺環境や発生源の排出状況についての監視、測定について取り決めを行っております。
 平成18年度の結果で見ますと、大気関係のうち周辺環境につきましては、浮遊粒子状物質など自然的要因に起因すると思われるものを除きまして、二酸化硫黄、二酸化窒素、降下ばいじん等は、いずれも基準値を達成している状況にございます。また、硫黄酸化物、窒素酸化物などの製鉄所からの時間当たりの総排出量につきましても、すべて協定値を下回り、その80%程度の数値で推移をしている状況でございます。
 水質関係につきましては、各排水口における汚濁物質の濃度あるいは負荷量、総排水量とも協定値を下回っておりまして、公共水域の港口、いわゆる港の口でございますが、環境基準を満足しております。
 次に、新高炉建設計画に伴う環境負荷についてでございます。
 新2号高炉は、既設の5号高炉に比べまして規模が大きくなることから、硫黄酸化物や窒素酸化物などに係る排出量の増加が予想されます。しかしながら、新高炉への高性能集じん機の設置あるいは環境保全対策に万全を期すことはもちろんのこと、既存の施設においても、脱硫、脱硝効率の強化を図るなど、その他の設備への対策を講じることによりまして、製鉄所全体としての総排出量を抑制し、環境保全協定に基づく基準値の遵守について問題のないよう指導、監視をしてまいります。
 また、今回の新2号高炉建設計画に当たりましても、事業者に対し、自主的な環境アセスメントの実施を促しまして、周辺環境への影響について、支障のないよう指導をしてまいります。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 煙樹海岸県立自然公園に隣接します砕石場の跡地復旧及び緑化についてでございますけれども、当該岩石採取事業につきましては、先ほど御説明ありました和歌山県立自然公園条例に基づく許可にあわせまして、採石法に基づき採取計画を認可しているところでございます。
 この採取計画では、跡地復旧につきまして、盛り土の上、緑化、植栽等による整備が行われることとなっております。
 今後、この跡地整備が確実に実施されるよう、引き続き採石業者を指導監督してまいります。
 それから、河西緩衝緑地につきましては、昭和57年に都市計画決定され、県と企業で共同して整備に努めてまいりました。県実施分につきましては、全体面積の83%で、平成16年度をもって終了、企業実施分につきましては、全体面積の17%で、平成19年度末には安治川緑地の部分竣工を予定しており、順次整備が進んでおります。
 平成19年度末時点での全体の進捗率は98%となっております。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 企画部長森 崇君。
  〔森 崇君、登壇〕
○企画部長(森 崇君) 関西電力LNG発電所についてでございます。
 関西電力和歌山発電所の建設は、近年の電力需要の伸び悩みに伴い、運転開始時期が繰り延べられておりまして、平成19年度関西電力グループ経営計画におきましては、着工準備中であり、運転開始時期を平成29年度以降とされております。
 今後の電力需要動向を見守りながら、事業者への対応をしてまいりたいと考えております。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(新島 雄君) 再質問を許します。
 この際、申し上げます。所定の時間が過ぎておりますので、簡素にお願いをいたします。
○角田秀樹君 じゃ、端的に1点だけ、要望という形でお話しさせていただきます。
 西防波堤の第2工区につきましては、平成3年に、当時の住友金属が沖出しをやめやということで、関西電力さんのほうへという、こういうお話が唐突に出たわけでございまして、今、和歌山県が企業誘致並びに企業の立地について、大変知事先頭に頑張っておられると。今、目の前に第2工区の電力発電所の用地がある、こういうことを現実に踏まえて、できれば関西電力さんに企業の誘致ということにも、目の前にあるんやから、早いことつくっていただけるように、ひとつ御尽力をいただきたいということを要望して質問とさせていただきます。
 終わりです。
○副議長(新島 雄君) 以上で、角田秀樹君の質問が終了いたしました。

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