平成20年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(藤本眞利子議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 35番藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕(拍手)
○藤本眞利子君 皆さん、おはようございます。
 当初予算の審議をする重要な当初議会で発言する機会を与えていただきました。ありがとうございます。
 先輩・同僚議員の質問と重複する部分もあろうかと思いますが、御容赦をいただき、議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。御清聴、よろしくお願いいたします。
 まず、今議会に上程されている議案の当初予算から見る三位一体改革の影響と地方分権についてお伺いします。
 県の予算は、歳出規模5112億円、それに見合う歳入予算は5050億円ということで、収支不足62億円を県債管理基金の取り崩しによって補てんするといった大変厳しい予算編成となっています。県の予算規模を見ていくと、平成15年から20年までの5年連続マイナスであります。年々縮小され、20年度は15年度から比べて710億円もの減額です。特に15年度から16年度は、国の三位一体改革によって臨時財政対策債、地方交付税を合わせた286億円が一気に減額されています。その後、臨時財政対策債、地方交付税は毎年減額され、15年度予算に比べると500億円もの地方交付税、臨時財政対策債の額が減りました。
 平成15年度から20年度までの間の県税収入は、所得税から住民税への税源移譲や景気回復による法人2税が増収され276億円増となりましたが、この間、地方交付税等が445億円減らされていますので、差額である170億円は明らかに減収となりました。
 また、本県の財政規模は、残念ながら自主財源が4割、地方交付税、国庫支出金等の依存財源が6割と、国に大きく依存をしています。本年は、6年ぶりに臨時財政対策債と地方交付税がプラスとなりましたが、退職手当債などの増加で県債発行額は3年連続でふえています。
 また、臨時財政対策債も国が手当てをするという条件で借金をしているわけですが、5年経過をすれば順次手当てをするという約束も実行されず、臨時財政対策債の償還のためにまた臨時財政対策債を発行するという、借金を借金で返すということになりました。
 このように地方いじめとも言える三位一体改革は、当時、国と地方の財源配分だけの問題ではなく、真に地方分権改革実現の第一歩となる改革であると主張され、進められたものでありました。その当時、政府は、改革の第一歩は少々苦しくともきちんと税源移譲を行い、中央集権ではない地方分権の政治を進めるのだと国会でも答弁されたと認識をしています。しかし、その後5年が経過をしましたが、地方分権は遅々として進みません。現在の地方自治体の疲弊は目を覆うばかりであります。地方分権は、地方が自由に使えるお金をふやすことなしには成立しません。
 そこで、知事に、過去に行われてきた三位一体改革を現在どのように評価をされているのか、まずお伺いします。
 また、富が東京に一極集中しているという格差の中で、今のままでは地方の予算は縮小していくばかりであります。国に、使い道の決められている予算を下さいと言うのではなく、知事のすべきことは、国と地方の税の配分の是正を求めていく、地方が地方の必要に応じて自由に使える予算の仕組みを求めていくことだと考えます。
 昨年の6月に地方6団体と地方分権推進連盟が求めた、「地方にできることは地方で」といった地方分権についての意見は、ほぼこの言葉に集約されているものと認識をしています。そういったことを前提に、地方分権についてどのように考えられているのか、知事の御見解をお伺いします。
 自主財源の乏しい当県にとって、三位一体の改革でこうむった被害は、まことに深刻であります。国会のほうではまさに暫定税率をめぐる論議がなされているわけでありますが、暫定税率はそもそも期限法であり、暫定を続けるかどうかは期限の切れる時点で真剣に議論されることは当然であります。県として、三位一体の改革でこの5年間で500億円減額され、またぞろ120億円もの予算が減額されるということになれば、いいかげんにしてくれという気持ちになるのは当然であります。しかし、暫定税率にかかわる動きの中で、廃止反対に向けて知事が先頭に行っていることは、まさしく県民に対する━━━ではないでしょうか。
 県が説明しているパンフレットの中身は──これでありますが、(パンフレットを示す)道路特定財源の暫定税率が廃止されれば、それこそ危険な道路の改修も通学路の整備も災害の救助もできない、助かる命も助からない、ビジネスチャンスも生まれない等々、何もできなくなるオンパレードであります。税金で立派なパンフレットを作成し、道路協会が作成したチラシ、市町村によってはこれを広報紙と一緒に全戸配布まで行いました。世論を二分している政策について━━━をかけて人心を惑わすのは、県民の生活を預かる知事としていかがなものでしょうか。
 知事は、和歌山県のホームページで、「いずれにしても、全ての情報を出して国民や県民に正しい判断を期待するのが正道です。一方的な情報(今回の場合は、『税金を下げてガソリン代を下げよう』)だけを流して、その影響を知らない地方の人々を誘導していくというのは邪道です。せめて県政だけは、県民に全ての情報を提供して、偽りのない行政をしたいと思います。」と述べられています。
 しかし、知事の述べられていることとチラシの内容には大きな乖離があると考えます。暫定税率の廃止に伴う影響は、もちろんあるでしょう。しかし、経済活動のマイナスは、暫定税率が廃止されることだけで生じるわけではありません。暫定税率が継続されることによる影響も大きいものがあります。ガソリンの高騰や生活用品、食料品の値上げが県民の生活を大きく圧迫していることも事実であります。農業、漁業の1次産業を初め運輸業など、企業活動もさまざまな形で圧迫されています。このままでは消費の動向にも大きな影響が出始めると考えられます。県民に判断を求めるのであれば、論議されている両方の意見を併記することが知事としての見識であると考えます。
 知事は、納税者である県民に対し、納められた税金が適切に使われるような予算の使い方を決めるという大きな権限を持っています。知事の権限は絶大であります。それゆえに知事は、財政の苦しい中でも県民の生活をより豊かに、安心して暮らすことができるようにと知恵を出し、当初予算を組まれたことと思います。行財政改革を積極果敢に取り組まれています。何もできないというのは極論であります。
 県民を━━━のではなく、安心して暮らすことのできる政治を求めていく姿勢こそ示すべきだと考えます。高いガソリン税、自動車税に係るさまざまな税金を納めている納税者に丁寧な説明をすべきです。県民に対して、県として何としても県民の皆さんの生活を守りますとおっしゃるべきです。国には、県民の生活を守るためにしっかり主張すべきことは主張していただきたいと思いますが、県民に対して知事の行われていることは、国土交通省の言い分を代弁しているとしか思えません。
 県民の中には、知事の言動に違和感を持っている方が大勢おられます。私は、県民に選ばれた代表の1人として、県民の皆さんの幅広い意見を聞いていただきたいと思います。知事の見解をお聞きします。
 次に、食の安全についてお伺いします。
 昨年の世相をあらわす漢字は「偽」ということでありました。不二家、ミートホープ、白い恋人、赤福、吉兆と、毎日と言っていいぐらい食品偽装問題に揺れ動き、食品についての信頼は大きく失われたと同時に、県民は食品表示に大きな不信を抱きました。
 このようなことから、県として食品の適正表示についてどのような対策をとられたのか、また、食品偽装のチェックを強化していく必要があると考えますが、今後どのような対策をされるのか、食の安全を所管する環境生活部長にお聞きします。
 次に、今年に入ってもジェイティフーズやCO・OPの中国製ギョーザからメタミドホスが検出され、それに関連した天洋食品の冷凍食品を扱っていた大手企業は自主回収を行いました。またもや食物に関する安全が揺らいでいます。
 食物の安全は県民の命につながる重要なことであり、メタミドホス、ジクロルボスなど有機燐系農薬がいつ、どこで、どのようにして混入されたかは、関係機関の捜査による早期の真相解明を待つものであります。
 我が国の食料自給率は、カロリーベースで39%と多くの食品を輸入に頼っています。市場には、多くの輸入された野菜類や加工食品を初め、ありとあらゆるさまざまな食品が流通しています。野菜については残留農薬、加工食品にあっては食品添加物や遺伝子組み換え作物の使用など、消費者にとっては不安になるところであります。
 このような輸入食品を含め、国内流通食品の問題に対して現在どういったチェックをされているのか、また、健康被害につながる有害な物質が発見されたときはどういった措置をされているのか、またさらに、今後県としてはどのような検査をされるのか、あわせて環境生活部長にお伺いをします。
 食の安全にかかわって、学校給食における食育についてお伺いします。
 県は、19年の3月に食育基本法及び食育推進基本法の趣旨を踏まえ、和歌山県の特色を生かした食育を総合的かつ計画的に推進するための指針として「和歌山県食育推進計画」を策定されています。
 石塚左玄著「通俗食物養生法」の中で、学童を養育する人々は、体育、知育、才育はすなわち食育にあると考えるべきであると食育の重要性を述べており、食育基本法は生きる上での基本であり、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもので、さまざまな経験を通じて食に関する知識と食の選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てるとしています。食育の重要性が示されたのですが、今の時期に食べることについての法律ができるということ自体、食料自給率の問題も含めて食の危機は深いと考えるべきだと考えます。
 朝食を食べないという児童生徒の増加、夕食を塾の帰りにコンビニで済ます、1人で食べる個食の増加等々、子供たちの食の実態は大きな偏りを示しています。県では、食育推進計画を作成し、取り組みを進められていますが、掲げている数値目標のハードルは高いものがあります。
 残念ながら、和歌山県の学校給食実施状況は全国でも低い水準であります。特に中学校の実施状況が低く、全国平均が90.7%に比べ、52.2%と大きく差をあけられています。朝食を食べずに登校し、昼は菓子パン等で過ごし、夕食は塾に行くのにコンビニ弁当で済ますといった実態もあり、成長期の生徒の食は大変憂慮するものがあります。
 学校給食は当該の市町村が責任を負うものでありますが、県教育委員会として見解と、設置されていない市町村に対してどのような支援や指導を行っていくのか、教育長にお聞きします。
 また、学校給食の中でも、食品の安全についての危惧の声が広がっています。成長期にある子供たちが毎日食べる学校給食に、地元でとれた安全な食材を使っていただく地産地消が強く求められています。
 紀北地域は、食料自給率が60%を超える地域であります。その中で、紀の川市を中心に有機農業生産者の方々の積極的な働きかけの中で、学校給食にいち早く地産地消が取り入れられています。私も打田中学校に視察に行かせていただき、給食の様子を見せていただくとともに給食をいただきました。大変おいしかったです。使われている野菜はだれそれのおじいさんであるとか、きょうの献立は栄養的にはこういったことであるとか、給食の情報がきちんと提供され、生徒たちは給食をとても楽しみにしている様子でした。生産者の顔が見える、食材と調理する人の顔が見える、献立を決める人の顔が見える給食が実施されていました。
 そこで、教育長にお伺いします。
 全県の市町村で地産地消を推進していくべきだと考えますが、教育委員会として計画をお示しください。
 次に、国体をきっかけにしたスポーツ振興について教育長に何点かお伺いします。
 県では、平成27年度開催予定の第70回国民体育大会を見据え、競技力の向上と生涯スポーツの振興、さらに学校体育の充実、子供の体力向上、スポーツ施設の整備等を図るため、10年間を見通した基本計画をしています。
 国体開催を目標に、当初予算にも青少年の体力・競技力向上の予算が上程されています。中学校に専門コーチ、選手育成強化合宿に強化コーチの招聘、高校にもエクセレントコーチ、ゴールデンキッズの発掘プロジェクトと、昨年の倍の予算が組まれました。競技力向上のための選手を育成するのに指導者が必要なことは言うまでもありませんが、どの競技の指導者がどこで指導を行うのかということを視野に入れる必要があると思います。
 新たに招聘する指導者をどういった形でどのように活用しようと考えているのか、お伺いします。
 教育委員会は競技会場の確保を進めるよう準備をしていますが、皆さん御存じのとおり、本県公共スポーツ施設の老朽化は著しく、現有施設では到底対応できません。施設を新たに整備する場所は、国体終了後も地域住民のスポーツ活動の拠点として広く活用していく配慮が必要と計画の中にも明記されています。
 そこで、現有施設では対応できない競技について、県として具体的に新たな施設の建設をどのように考えているのか、また、現有施設では対応できない、予算的な面で建設は無理であるとする競技についてどのように対応するのか、お聞きをします。
 平成18年のスポーツ生活実態調査によると、スポーツをしない理由について、「どこで何をしているのか知らない」、「身近に施設や場所がない」というのを合わせると、20代から70代まで平均して3割から4割の比率です。国体に向けての準備をきっかけに、県民がスポーツに親しみ、スポーツ人口の広がりと競技の幅の広がりにつながるような取り組みをしていただきたいと考えるものです。
 県民の皆さんが身近でスポーツが行えるような取り組みをどのように進めていかれるのか、お伺いします
 学校教育の中での体育のあり方についてお聞きします。
 県の体力調査によると、子供の体力は1985年ごろをピークに各種目とも低下してきており、先日、多田議員が指摘されたように、本県の低下の状況は全国に比べて深刻な状況になっています。
 また、学力の格差も問題でありますが、同時に体力格差も大きくなっています。日常スポーツ活動をしている児童生徒としていない児童生徒では大きな差が生じています。外遊びが少なくなり、室内や野外でもゲーム等で遊ぶことが多くなっており、全体的に基礎的な運動能力の低下も顕著であります。ゴールデンキッズ発掘プロジェクトも、ある意味必要な取り組みと考えますが、児童生徒の体力の底上げも大変重要です。子供の体力の現状と今後の取り組みについてお聞きします。
 以上、教育長、よろしくお願いいたします。
 雇用問題についてお伺いします。
 少子化の出生率の問題ですが、2005年の1.26から2006年の1.32というふうに少し出生率は上昇したものの、低迷を続けています。少子高齢化の波はとまりそうにありません。少子化対策として子育て支援は進めなければなりませんが、少子化対策の前に、結婚できない若年層の広がりが少子化の原因だという指摘をしている本もあります。
 県の平成17年度の就業状況調査による推計値として、15歳から34歳までの若年者の就業状況の推計は、アルバイトやパートなどフリーターと呼ばれる非正規雇用で働く人数は1万4000人余り、ニートは5000人余りと推計されています。およそ2万人余りが不安定な就業形態となっており、県の15歳から34歳の住民基本台帳人口1割に当たります。安定した仕事が保障されてこそ将来への生活設計が成り立ちますが、今よく言われている年間所得が200万円以下では結婚も出産も夢のまた夢であります。
 雇用問題は、日本の社会の将来の問題であります。このまま推移していけば、後10年後、20年後、少子化はますます進み、高齢者と税金を納めることのできない県民がふえ、年金どころか、将来の社会設計ができなくなります。
 国ではフリーター25万人常用雇用化プランを進めており、いわゆる年長フリーターについて、トライアル雇用から正社員に採用した場合、若年者雇用推進特別奨励金が事業者に落ちる仕組みになっています。この制度で15歳から34歳までの人口のフリーターは若干減少していますが、全体的にフリーターと呼ばれる非正規雇用者はいまだ増加傾向が続いており、抜本的な救済になっていません。
 就職氷河期の世代プラス規制緩和による派遣労働枠の拡大によって生じた非正規雇用の若年者の存在は、いわゆる社会や政治が生んだ社会問題だと考えるべきだと思います。
 今こそ非正規雇用を正規雇用に切りかえる抜本的な対策が必要です。フリーターと呼ばれる非正規雇用者の雇用の安定について、商工観光労働部長にお聞きします。
 もう1つ、ニートの問題なんですが、ニートの問題はフリーターの問題と若干違いがあるかと思います。県内には5700人いると推計をされています。全国的には、ニートはその4割が不登校を経験していると言われています。
 教育委員会の調べによると、小学校で不登校になった児童は、中学校においても登校できず卒業する確率が大変高いという状況であります。中学校卒業時では、全日制や定時制に進学をする生徒は66%。25%の生徒が進学も就職もしていないというのが実態です。基礎的な学力をつける、人間関係をつくる、社会性を養うといった小中学校時代を不登校という形で集団生活を送れていない人が、社会に出て出会う困難は想像にかたくありません。
 また、ニートの中には、ひきこもりであったり発達障害であったりと、人間関係の構築が大変難しい状態の方もおられます。
 平成18年度からニート対策として厚生労働省が地域若者サポートステーション運営を始めていますが、議会でも、これは多田議員の質問の回答の中で、設置について鋭意検討を進めるというふうに議会では答弁をされています。
 サポートステーションは、ニートの方の就労支援を基本に運営されると聞いています。しかし、就労の意欲を高めるためには1人1人に合った相談活動や人間関係づくりが大変重要であると考えます。せっかくのサポートステーションがニートの皆さんの支えになるような存在にしていただきたいと思いますが、商工観光労働部長に進捗状況をお聞きします。
 また、ニート対策は雇用推進課だけの問題ではなくて、ニートの4割が不登校を経験しているということですから、教育委員会との連携も必要だと思います。また、青少年課ではひきこもりの居場所づくりや社会体験の実施などを通してニート問題に取り組んでいます。情報の共有や効果的な取り組みのためにも縦割りでない横の連携が必要と考えますが、今後の対策についても商工観光労働部長にお伺いをします。
 最後に、障害者雇用についてお伺いします。
 障害者自立支援法の改正により、障害者の就労支援の充実に向けての施策が始まっています。厚生労働省は、福祉から雇用へ推進5カ年計画を示し、就労支援事業の全国展開をするとともに、全国都道府県において工賃倍増5カ年計画による福祉的就労の底上げも図っていくとしています。
 県の産業技術専門学院の総合実務課で4月入校生の卒業生を送り出しますが、全員の一般就労が予定されているということで、大変私は喜んでいます。しかし、それは障害者のごく一部であり、多くの皆さんは就職の道を閉ざされています。全国的には、養護学校の卒業生1万2000人のうち55%の方が福祉施設へ入所し、そのうち就職のために施設を出た人は年間1%という状況です。和歌山県においては0.46%、全国ワースト2位です。
 企業の法定雇用率の取り組みは、平均すると一応クリアしているものの、法定企業の半数が障害者雇用をしていません。それに加え、精神障害、知的障害の方々の雇用はもっと厳しいものがあると聞いています。障害者雇用の問題は、福祉で手当てをし送り出す部分と、雇用促進を進める部分と、ハローワーク的な部分と、それぞれの役割が機能できるようにしなければなりません。
 そこで、商工観光労働部長に、県として障害者雇用を進めるためにどのように取り組みをされているのか、現状と今後の対策をお聞きします。
 以上で、第1問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの藤本眞利子君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、三位一体の評価及び地方分権の推進についてお答え申し上げたいと思います。
 まず、三位一体の改革の評価についてでございますが、私は、その意気込みは地方の自立性を高めるものであったというふうなものでありましょうけれども、実は地方の裁量を高めるという点では十分ではないと思いますし、削減された補助金に見合うだけの税収が得られない本県のような地方自治体に対して、さらに財源保障機能を果たすべき地方交付税が大幅に削減された結果、全国どこの地域に暮らしていても日本国民として受けるべき必要最小限の行政サービスの提供ですら和歌山県においては支障を来しかねない状況に至っているという認識をしております。
 次に、地方分権についての見解でございますが、その実現には、まず国と地方との役割分担の徹底した見直しを行って、国が責任を持つべき分野と、それから地方が責任を持つべき分野、これを明確にするということが大事だと思います。それとともに、国が責任を持つ分野については地方に負担をかけずに遂行する一方、地方が責任を持つべき分野については責務に見合った財源が確実に保障される制度設計が必要であると考えております。
 全国の知事会などとも連携し、県民にとってどの地域に暮らしていても勇気と希望が持てるような、そういう地方分権改革となるように、今後とも必要な主張を行ってまいりたいと考えております。
 次に、道路特定財源あるいは暫定税率に関する問題につきまして、私の知事としての立場が問題ではないかというようなお話がございました。それについてお答え申し上げたいと思います。
 まず、藤本議員は、これは県民に対する━━━ではないでしょうかとおっしゃいました。それから、パンフレットなどで危険な道路の改修も通学路の整備も災害の救助もできない、助かる命も助からない、ビジネスチャンスも生まれない等々、何もできなくなるのオンパレードであるというふうにおっしゃいました。議場からは、そのとおりやないかというようなお話もありましたが、━━━をかけて人心を惑わすのは県民の生活を預かる知事としてはいかがなものでしょうかというふうにおっしゃいました。
 私は、間違ったことを言って人を惑わすということは絶対にいけないと思います。だけども、私が申し上げていることのどこが間違っているんでありましょうか。正しいことを県民にお伝えしなきゃいけないというのは知事としての責務であると私は思います。
 第2に、せめて県政だけは全ての情報を提供して偽りのない行政をしたいと思いますと、私が実は「県民の友」に書かせていただきました。本当にそう思っております。チラシの内容には大きな乖離があるというふうに考えますとおっしゃいましたけれども、どこに偽りがあって、それで、すべての情報を私は提供しようとしているのに、どこにその偽りがあるのか、ぜひお教えいただきたいというふうに考えております。
 それから3番目に、ガソリンの高騰や生活用品、食料品の値上げなどで県民の生活が圧迫されていると。そのとおりであります。和歌山の県民は、なかなか長い不況がありました。なかなか皆さん苦しいわけです。みんな、生活にあえいでいる方が多い。そういうときに、じゃどういうふうにしたらいいのか。それに対してガソリン税の値下げがすべてであるというような感じのことを、これは感じでございますが、というふうに聞こえました。それに対して、それはまた一方的なことだけ申し上げますと、正しき問題ですから、すべてのことを申し上げますと、確かに生活が苦しいですから、ガソリン税の値下げをいたしますと、消費者の方々は何がしかの追加的な所得があると思います。その結果、一般的な経済は、消費需要が喚起されると思いますので、その分だけ浮揚すると思います。ところが、経済学の教えるところによれば、有効需要というのは、消費だけではなくて、当然投資もあります。
 我々の試算によれば、それはもう公表しておりますが、実は私どもは、その減税された分、マイナスになったお金、そのマイナスにならなかった部分を実は県債等々でずっと昔から膨らまして、それで投資に充てております。したがって、消費がふえる分よりも投資が減る分のほうが大きいわけであります。仮に、消費と同じように減税によって行われる消費の拡大と、それから投資が減る部分とが同じであったとしても、経済学の教えるところによれば、それはその一体分だけ景気が悪くなるということなのであります。
 したがって、和歌山県の困っている県民は喜んで景気がよくなると思ったら、実は景気がもっと悪くなってしまうということもまた申し上げなきゃいけない事実なのであります。真実を語って何が悪いのか、そういうことを申し上げたいと思っております。
 また、運輸業などで困っておられる人のことを考えないのかというような感じのお話がございました。私は、困っておられる方は物すごくたくさんあると思います。しかしながら、もし仮に燃料代が安くなってコストが下がったときに、そのコストが果たしてその中小企業の運輸業者の手元に残るでありましょうか。
 経済の取引というのは市場で行われています。例えば、荷主のほうがもうちょっと力が強かったときに、「おまえ、コストが下がったんやね。ほんなら値下げしてくれへんか」と言われてどういうことになるでありましょう。これは中小企業も同じであります。それが、まだ力のない和歌山県にとっては悲しい現実じゃないかなというふうに思います。そのときにだれがその問題を補償してくれるんでありましょうか。そういうことも考えておかないといけない。甘い言葉だけで県民を惑わしてはいけない、というのが県知事としての責務ではないかというふうに思います。
 次に、高いガソリン税や自動車に係るさまざまな税金を納めている納税者に丁寧な説明をするであります。まさに丁寧な説明をしているのであります。どこが丁寧ではないのでありましょうか。25円値下げできますとしか言わないチラシを配る人よりもずっと丁寧ではないかというふうに私は思います。
 それから、どんなことがあっても県として何としても県民の皆さんの生活を守りますというのが筋ですとおっしゃいました。暫定税率が廃止されてもそういうふうにおっしゃれと言うのでありましょうか。県民に偽りを言えとおっしゃるんでありましょうか。私は、かけ声だけの無責任な知事ではありません。方針のために真実に口をつぐむような知事であってはいかんと思います。
 今の東京都なら、私はそれができると思います。なぜならば、最近、法人事業税ががばっと入りましたから、随分懐は豊かです。何年間ぐらいは特定財源が来なくても、それはつないでみせるということは言えます。だけど、一昨日御報告申し上げましたように、和歌山県は大変な財政危機にあって、それでこれから5年間に県の職員を1000人ぐらい切らないといけないと。切るというのは言葉が悪いですが、人員削減をしなきゃいけない。こういうような状況にございます。どういう気持ちでああいうことをしなければいけないと、そういうことをやろうとしているのかということをぜひちょっと考えていただきたいと私は思います。そういうときに、良心のある人が、私は、何としても、どんなことがあっても県民の皆さんの生活を守ります、すなわち道路もちゃんとつくってあげます、ほかのとこへ影響出ません、大丈夫ですと、どうしてそういうふうに言えるんでありましょうかということでございます。
 それから、国土交通省の言い分を代弁しているとしか思えないとおっしゃいました。閣議決定をひっくり返して和歌山県立医大の定員を国からとってまいりました。それから、地デジで総務省を震撼させております。国の責任だと言って。そういう知事に言う言葉でありましょうか。
 それから、違和感を持っている方も多いとのお話でした。実は、これはそうだと私は思っています。党利党略で違和感を持っている人ばかりでは決してないと思います。というのは、やっぱり言われたくない、もっと甘い言葉を言ってもらいたいという気持ちが県民の皆さんみんなにおありだと思います。だけど、甘い言葉を言ってても、もしそれが真実であるとすれば、いつか現実になって我々の生活にはね返ってきます。それをこういうふうになると思いますよと言って事実をお伝えするのは、県としての私の責務ではないかと思います。
 それから、幅広い意見を聞くのはいかがですかということをおっしゃいました。それはそのとおりであります。幅広い意見はいつでも歓迎をいたしております。
 私は和歌山県を愛しておりますけれども、党利党略はありません。私の知らない真実があれば、それは私がその真実の部分を受け入れるということは全くやぶさかではないのでございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 環境生活部長楠本 隆君。
  〔楠本 隆君、登壇〕
○環境生活部長(楠本 隆君) 食の安全に関する3点の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、食品表示につきましては、我が国では食品衛生法やJAS法など複数の法律により表示が義務づけられておりますが、事業者にとりましても複雑な規定となっております。
 議員御指摘のように、昨年から頻発した食品の偽装表示によりまして消費者の食品に対する信頼が著しく損なわれたことから、食品関係事業者等への注意喚起を行い、施設監視指導におきましても適正表示を指導いたしております。また、食の安全タウンミーティングあるいはシンポジウム等で消費者への情報提供に努めているところでございます。
 新年度からは、JAS法の所管を現在の農林水産部から私ども環境生活部に移しまして、食品表示に対しましては一括して対応をしてまいりたいと考えております。また、各事業者に対しまして、食品表示に精通をした食品表示推進者を養成していただく新たな制度を創設いたしまして適正な表示を促すことといたしております。
 次に、輸入食品の検査についてでございますが、輸入食品の検査は、国が検疫所におきまして書類審査や抜き取りによるモニタリング検査、あるいは違反の蓋然性の高い食品につきましては検査命令により輸入業者に検査を実施させているところでございます。
 しかしながら、国の検疫所における検査、18年度では輸入総件数が約185万件のうち、検査をいたしましたのがその1割程度の20万件にとどまっている実情でございます。このため、現在、国におきましては、その件数を少しでも増加をさすべく体制整備等の検討に入ってると伺っております。
 県におきましては、輸入食品を含めまして、県内で流通をしております食品について、食品衛生監視指導計画に基づきまして残留農薬や食品添加物等の検査を実施しているところでございます。20年度では970検体、1万8350件の検査を予定しております。そのうち輸入食品につきましては、検査割合を現在の1割程度から2割ないし3割程度に引き上げるとともに、適正かつ迅速に検査を実施できる体制整備にも努めてまいりたいと考えております。
 また、違反を発見した場合、当該食品の廃棄あるいは回収等の措置を業者に行うとともに、名称等を公表いたしまして健康被害の拡大防止に努めております。
 今後とも、県民の皆様の食の安全確保のため、より一層の取り組みを行ってまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 商工観光労働部長永井慶一君。
  〔永井慶一君、登壇〕
○商工観光労働部長(永井慶一君) まず、若年者雇用の2点について、まとめてお答えさせていただきます。
 フリーター等若年者の雇用の安定につきましては、県経済の活性化や少子化対策などを図る上で大変重要であると認識しており、新長期総合計画におきましても教育委員会との連携を図りながら対策を進めていくこととしてございます。
 現在、県ではジョブカフェ・わかやまを若年者の就職支援拠点として、ワンストップでさまざまなサービスを提供しているところでございまして、本年度は新たにジョブナビゲーターを配置し、巡回相談の充実を図っているところでございますが、新年度におきましてもインターネットを活用した支援体制の強化に努めてまいりたいと考えてございます。
 さらに、県立産業技術専門学院における職業能力開発や和歌山労働局等関係機関と連携した各種企業面談会の開催などを通じて、若年者の雇用の安定に努めているところでございます。
 次に、地域若者サポートステーションについてでございますが、近年、社会問題となっておりますいわゆるニートと呼ばれる若者を就労へ誘導するための支援拠点として設置するものでございまして、若者の自立促進のための有効な手法であることから、新年度の重点施策と位置づけ、開設に向けて取り組んでいるところでございます。
 また、運営に当たりましては、民間団体や教育、保健・福祉等の関係行政機関によるネットワークを構築し、1人1人の状況に応じた継続的な支援を行ってまいりたいと考えてございます。
 次に、障害者の雇用対策についてお答えいたします。
 県では、障害者就業・生活支援センターを計画的に整備し、障害者の求職活動支援や企業に対する雇用管理に関する助言など、身近な地域で職業生活を継続できるよう、生活面を含めて一体的に支援しているところでございます。
 なお、センターにつきましては、本年度、伊都地域と東牟婁地域に設置したことにより県内5地域となり、障害者がひとしくサービスを受けることができると考えてございます。
 また、障害者の自立に向けた職業能力向上への取り組みといたしまして、障害者の態様に応じた職業訓練の実施や技能競技大会アビリンピックを開催しているところでございます。
 今後とも広く啓発活動を実施し、社会の理解と認識を高め、障害者の雇用促進に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) まず、学校給食につきましては、児童生徒の心身の健全な発達に資し、食生活の改善に寄与するということを目的に学校教育活動の一環として位置づけられてございます。
 子供たちは、毎日の給食の時間を通して食事のマナーや栄養バランスのとれた食事のとり方などを習慣づけることができ、この学校給食を生きた教材として活用することで子供たちに望ましい食習慣が身につくと考えております。
 給食未実施の中学校につきましては、これまでも設置者であります市町村に実施を呼びかけてまいりまして、その結果、昨年から田辺市や紀の川市でも開始をされるなど、徐々に広がってきております。今後も、さらに学校給食の意義を啓発し、実施率の向上につなげていきたいというふうに考えてございます。
 次に、学校給食への地場産物の活用は、児童生徒が食材を通して地域の自然や文化、産業等への理解を深めたり、生産に携わる人々の苦労に触れ、食に対する感謝の気持ちをはぐくむ上で大変重要であると考えてございます。
 これまでもこうした観点から積極的な活用を啓発してきたところであり、地元農家等と連携した給食に取り組む学校や給食センターもふえてきております。「食べて元気、わかやま食育推進プラン」におきましても、学校給食における地場産物を使用する割合を平成23年度までに40%に増加させると、こういう目標を掲げておりまして、今後も積極的な地場産物の活用を推進してまいりたいと考えます。
 次に、国体をきっかけにしましたスポーツ振興についてお答えいたします。
 第70回国民体育大会に向けての指導者の確保、活用につきましては、今月中に設置する予定の競技力向上対策本部の中に強化育成・指導者専門委員会を組織しまして、優秀な指導者の養成・確保を進めていくこととしてございます。
 議員御指摘のとおり、指導者の活用につきましては、地域における強化拠点の整備を進めまして、スポーツに対する熱意と指導力のある人材を広く県内外から招聘し、学校運動部や地域のスポーツクラブなどにおきまして強化拠点を定め、効率的な育成強化活動を行うとともに、小・中・高の一貫した指導体制によりまして計画的な指導者の配置を行っていくこととしてございます。
 国体に向けての施設整備につきまして、昨年9月の準備委員会で承認された競技施設整備基本方針では、可能な限り県内の既存施設や近畿各府県の施設の有効活用に努め、施設整備を行う場合は、県として喫緊に必要な施設に限定するとともに、国体後においても地域住民に広く活用されるよう配慮することとしております。
 今後、県と市町村及び民間が連携、協力し、適切な役割分担のもとに競技施設の整備を進めていく予定でありますが、老朽化した県有施設の改修等、あるいは国体の競技施設として活用できる県立学校の体育施設の整備計画を具体的に策定していくこととしてございます。
 次に、国体開催を契機とした県民スポーツの振興につきましては、スポーツに対する気運を高め、スポーツの実施率を向上させるため、いつでも、どこでも、だれでも身近な地域でスポーツに親しめるよう総合型地域スポーツクラブの設立、育成を推進してまいります。
 総合型クラブにつきましては、現在、13市町村において25のクラブが活動中ですが、今後、全市町村に少なくとも1つを設立し、地域の実情に合った活動が展開されるよう積極的に推進することとしてございます。
 また、スポーツ参加の機会を知らせるということが重要でありますので、ホームページの充実や広報紙など各種のメディアを通じて県内の身近なスポーツ情報を発信してまいります。
 なお、「我が町のスポーツ」として、各市町村が地域の活性化などを目指し、それぞれの地域で推進する特色あるスポーツに親しむことができる環境を整備していく予定でございます。
 次に、学校教育の中での体育のあり方につきましては、子供の体力を向上させることとスポーツを好きにさせるということが基本的な体育の使命であると思っております。県では、毎年、児童生徒の体力・運動能力テストを実施しております。その中で、平成17年度は55.1%であったテストの実施率が本年度はほぼ100%となっております。そこで、その結果等を有効活用するとともに、特別活動など学校教育全体でその特質に応じた指導を行うよう、体育主任会等で助言をしております。
 さらに、教員の指導技術の向上を図るため、小学校、中学校、高等学校の教員を対象に毎年実技指導講習会を県内数カ所で開催をし、その充実に努めてございます。
 また、きのくにチャレンジランキング事業ともつなげまして、早い時期から運動に親しむ習慣を育て、元気でたくましい子供の育成に努めてまいりたいと考えます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再質問を許します。
 35番藤本眞利子君。
○藤本眞利子君 答弁をいただきました。大変丁寧な答弁、御苦労さまでございます。
 暫定税率の問題について少し再質問をさせていただきます。
 暫定税率の問題については、これは、今、国会の中で国を二分するような論議をされているわけであります。県民の皆さんの意見の中には、与党の言い分をよしとする人、また野党の言い分をよしとする人、そういった意見の違いがあるかと思うんですね。どういった社会、どういった税の使い方を選択するかというのは、それはもう県民、国民の選択によるものでありますし、これは国民主権の社会の民主主義のあり方だというふうに私も思っています。あえて今回これを取り上げさせていただいたのは、そういった問題についてきちんと県会の場で論議をする必要があるというふうに考えたためであります。
 また、知事にはいろいろ悩まれていろんな説明会に行っていただいていますけれども、ただ、どんな政策でも100%という政策はないかと思うんですね。例えば、高速道路ができたら、それによって疲弊する地方もあるわけです。地方によっては、もう高速道路ができて過疎が進んだというとこは幾らもありますし、また人口減少と少子化がこれほど予想以上に進行している中で、立派な道路ができてもそこに住む人がいないというふうなことでは、何のための道かわかりません。また、高規格道路でなくても、品質のいい一般道路で賄えるところなんかもあるわけです。
 政策というのは、そういったふうに費用対効果とかプラス・マイナスとか常に考えながら選択をしていくものだというふうに私も思っています。
 ただ、今回、いろいろと議論をされていく中で、県民は道路特定財源の使われ方について大きな不信感を持っているわけです。国会では、官僚の天下りであったり、天下り先の無駄遣いであったり、過剰なまでの高品質の道路であったり、それから多額の費用が使われているような調査であったり、もうそういうことが次々に明らかになっております。というのは、世論調査でもそういった税金の使い方はいかがなものかということで、6割もそういった道路特定財源は一般財源化したらいいんじゃないかというふうな世論もあるわけです。それはなぜかというと、自分たちが納めた税金が無駄に使われてるんじゃないか、また、使い道に納得のいく説明がされてないからだというふうに私は思います。その点について、知事に少しお考えをお聞かせください。
 それから、地方分権について、国が責任を持つべき分野と地方が持つべき分野を明確にというふうな答弁をいただきました。
 この道路特定財源というのは、それこそ中央集権の象徴というようなもので、もう使い道が決められておりまして、地方が地方の裁量で、これは道路に使いたいよ、これは、もういっこも教育予算削られてばっかりやから教育にもとか、そういう自主財源の拡充をやっぱり今後求めていくべきだと私は思うんです。
 だから、そういった意味で、知事には、そういった県民の2つの意見があるという中で、知事としてどういった判断をされるのか、県民の声も今後しっかり聞いていかれるということですので、その点は強く要望いたしまして、道路特定財源のことについて御意見を聞かせてください。
 以上で、終わります。
○議長(中村裕一君) 以上の再質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 手短に答えさしていただきたいと思います。
 例えば、2つ論点があったと思います。天下りとか無駄とかそういうのが次々と明るみにと、こういうお話がありました。そういう問題があれば、それは議会のチェックの問題であるので、国会でも県会でも、どこがどういうふうにおかしいとか、そういうことはどんどんおっしゃったらいいと思います。
 ただ、私は、事実の問題として、あるいは相場観、あるいは常識の問題として、例えば無駄を少し省いた。無駄を省くことは、私はいいと思います。1センチでも余計、和歌山の道路をつくってもらいたいと。その無駄があるんならね。そういうふうに思っております。
 ただ、その無駄を省いたとしても、例えば県の場合でいうと10分の1、あるいは正確に言うと9分の1ぐらいですが、9分の1の財源で今までと同じような道路をつくれと言われても、それはできないでしょうと。無駄を省いてもそれはできないと思いますということを申し上げているし、それから、最近発表されたある政党の理論によれば、実際に国の財源が5分の1ぐらいになってしまう。5分の1ぐらいになって、我々が長年希求していた紀伊半島一周の道路とか京奈和の道路とかが、本当にその無駄を省くことによってだけで同じように達成できるのかということについては、私は疑問に思いますという事実を申し上げているだけなんであります。
 それから、常にどんどん意見を言ってもらいたいというのは説明会でもいつも申し上げておりまして、むしろ意地悪質問もやってねというようなことを言いながら、いろんな意見を聞きながらやっていきたいと思っております。
 どうもありがとうございます。
○議長(中村裕一君) 所定の時間が過ぎておりますが、再々質問されますか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 以上で、藤本眞利子君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時44分休憩
────────────────────

このページの先頭へ