平成20年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(奥村規子議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 40番奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 議長のお許しを得ましたので、本日最後の質問をさせていただきます。御清聴、よろしくお願い申し上げます。
 まず最初に、新長期総合計画と社会保障について質問をいたします。
 新長期総合計画は、2008年から2017年の10年間を計画期間とし、県政を進める上での指針として提案されています。
 現在、日本の国は、政府が推し進めてきた構造改革路線のもとで貧困と格差の広がりが問題になっています。警察の統計によれば、自殺者が1998年から2006年の間、3万人前後にも上る方がみずから命を絶っています。中でも、中高年の男性の自殺が際立っているということです。和歌山県においても254人の方が自殺されています。そのうち圧倒的に男性が76%、そして自殺率は全国平均を上回っています。年齢別に見ると、40代、50代を合わせると40%近くを占めています。リストラによる失職や借金がその背景にあると指摘をされています。
 一方では、300万人以上もの失業者が出ているにもかかわらず、年間総実労働時間は短縮されず、さらに長時間過密労働になっています。しかし、労働者の賃金水準は徐々に下がる一方で、就職ができても今の初任給では自立した生活がなかなかできません。ホームレスも多数生み出されています。厚労省の概数調査によれば、全国に2万5000人もの人が野宿生活をしているということです。
 格差と貧困が広がり、深刻な状態になったのはなぜでしょうか。その要因には、規制緩和の名で労働法制の改定を次々と進め、正社員を減らし、極端な低賃金や無権利状態に置かれる不安定雇用の労働者を急増させてきたことがあります。また、連続的に進められた税制、社会保障改悪も、貧困と格差の広がりに拍車をかけました。
 県の2006年度労働条件等実態調査報告によると、3分の1がアルバイト、派遣、契約社員という不安定雇用となっています。
 私の知り合いで、県内の大手企業に派遣で勤めている方がいますが、「3年で現職場をかわらなければいけないことになっており、次の仕事があるかどうかもわからないので将来設計も立てられないし、夢を持つこともできない。私ら物扱いや」と言われています。パートは時間契約なので、残業できない分、派遣社員がその残業をカバーすることになり、残業ができなければ派遣会社にも雇ってもらえないとも言います。
 また、税制は所得の再配分という役割を果たしますが、この間進められてきたのは、年金所得者への増税、定率減税の廃止という庶民増税と大企業や大資産家への減税であり、社会的格差を拡大するものとなってきました。社会保障は、医療、年金、介護、障害者支援で連続的な改悪が強行されました。
 資本主義は、本来、優勝劣敗の自由競争を原理としています。そのマイナスの結果を補正しなければ、機会の平等も保てなくなるのではないでしょうか。社会保障とは、本来人間らしい暮らしの支えとなるべきものですが、支えが最も必要な低所得者を逆に社会保障から排除するものになってきていると思います。また、直接税、社会保険料が収入の低下ほどには減少しないために、可処分所得の低下を引き起こしていることも格差拡大の要因になっていると思います。
 日本における社会保障支出の対国内総生産比は、EU加盟諸国全体の26.2%に比べると、8.7%も低い17.5%しか占めていません。社会福祉分野における市場原理を排して、社会福祉利用費負担は応益ではなく応能負担の原則を貫くこと、そして人間らしく、人間らしい生活を保障することが緊急な課題だと考えます。
 そこで、知事にお尋ねいたします。
 厳しい状況のもと、県民の命、暮らしを守るということで県の果たす役割を今回の長計にはどのように盛り込まれたのでしょうか、お答えください。
 2番目に、後期高齢者医療制度について質問いたします。
 この4月から国が実施しようとしている後期高齢者医療制度は、県議会でも見直しの意見書が採択されました。日増しにこの制度に対する怒りの声が大きくなっています。地方議会の意見書の数も、現在で505自治体から出され、全体の28%にもなっています。県内では、県議会と15の市町議会から意見が上がっています。
 今、ようやく各自治体で説明会が行われていますが、多くの県民は、まだ制度の理解ができていないのが現状ではないでしょうか。中でも、説明を聞いた方は、検査を含め十分な治療が受けられるのか、医療内容のことについて説明がほとんどないのでということで不安を抱えています。「長生きせんでええと言われているようで仕方がない」と言っています。
 生活保護受給者を除く75歳以上すべての人が強制的に加入させられる後期高齢者医療制度は、今加入している健保や国保から抜けて加入しなければなりません。健保など被用者保険の扶養家族になっていた場合は、新たに保険料の負担がふえることになります。障害者や寝たきりの人、人工透析患者さんは65歳以上から対象になっています。死ぬまで保険料が年金から天引きされ、2年ごとに自動的に値上げされる仕組みです。
 一方、低所得者に対する保険料の軽減は、国保と同様に世帯の所得が算定基準になり、わずかな年金収入しかなくても保険料の減額対象にならない人もいます。65歳から74歳の方の国保料も、年金から天引きになります。そうなると、今まで支払い猶予や分納をしていた人は、それができなくなり、負担が重い上に、さらに支払い困難となります。
 現在、75歳以上の高齢者には資格証の発行が禁止されていますが、この制度では、保険料を滞納すれば資格証明書が発行されます。1年6カ月滞納すれば保険給付の一時差しとめになります。保険料が天引きでない年金収入年18万円以下の人も対象です。今までは、高齢者を医療から排除することは、命に直結する問題として、資格証の発行を禁止していたはずです。その高齢者から保険証を取り上げることは憲法の精神を損なうことではないでしょうか。
 福祉保健部長に、5点についてお尋ねいたします。
 1つ目は、4月から実施の後期高齢者医療制度を中止し、国に抜本的見直しを求めるお考えはないでしょうか。
 2つ目は、今までの国保保険料の負担より重くなるのではないでしょうか。県はどのようにお考えですか。健診費、審査料、葬祭費は保険料のみで充当することになっていますが、これを県として負担し、保険料軽減を図ることなどを考えてはいかがでしょうか。
 3つ目は、診療報酬改定の問題です。
 75歳以上の診療報酬は、外来、入院、在宅、終末期のすべての分野で74歳以下と差をつける項目が盛り込まれています。外来医療では後期高齢者診療料が新設され、慢性疾患を管理する医療機関を1カ所に限り、検査や画像診断を含む診療料を月6000円に制限することになります。ある医師は、自身の病院の場合で計算すると、この値段では現行の半分相当の治療しか行えないことになると言っています。
 入院をめぐっても、75歳以上だけ別建ての体系をつくっています。後期高齢者退院調整加算は、退院困難な要因のある高齢者に退院支援計画をつくって、退院させた病院への支払いを1000円ふやすというものです。
 こうした別建ての診療報酬により、後期高齢者の医療費の伸びを2025年には5兆円抑制しようというものです。お年寄りにとって診療抑制につながらないか、危惧しています。この点についていかがお考えでしょうか。
 終末期医療についても、75歳以上の患者だけに対する後期高齢者終末期相談支援料2000円を新設しました。回復見込みが難しいということを判断した場合、医師が患者家族と話し合い、その内容を文書や映像で記録したときに1回に限って支払われます。
 お年寄りは、家族に迷惑をかけたくないという思いで毎日過ごされています。意思表示や治療中止を強制することになりかねません。
 4つ目は、健診の問題です。
 2008年4月で老人保健法が廃止され、特定健診、特定保健指導が実施されます。40歳から75歳未満の方は保険者に義務づけられたが、後期高齢者の健診は広域連合が医療機関に委託して行い、努力義務になって、特に数値目標もないため、保健予防活動の低下につながらないでしょうか。集団健診も受けられるようにすべきだと考えます。
 5つ目は、制度導入に当たって、県としても1人1人丁寧に相談が受けられるように相談体制をつくることが必要と考えますが、いかがでしょうか。
 以上、福祉保健部長、お答えください。
 次に、保健医療計画と医療サービスの確保について質問いたします。
 和歌山県保健医療計画について改定案が出されていますが、以前の計画からどのように変えようとしているのでしょうか。
 また、地域では、今まで議会で何度も議論されてきた産科の問題や子供の救急、医療、福祉、介護の基盤整備不足の問題など、緊急な課題が横たわっています。医師不足の深刻さを抱えながら地域の目線に立って圏域単位で切れ目のない医療サービスを確保するために、県はどういう役割を果たしていこうと考えられているのでしょうか、お聞かせください。
 最後に、若者の不安定就労について質問いたします。
 さきにも述べましたが、2006年度の労働条件等実態調査報告書によりますと、県内の労働者のうち、アルバイト、派遣、契約社員などの非正規雇用が33%となっています。2月末に2007年の全国労働力調査結果が発表されましたが、正規雇用が48万人減り、非正規雇用が281万人ふえ、非正規雇用の占める割合が過去最高となりました。正社員から非正社員へ置きかえが依然として続いています。
 非正規の不安定雇用が急増し、中でも労働者派遣法の改定を繰り返して、以前は原則禁止されていた派遣労働を合法化し、規制緩和を繰り返すことで派遣労働を急増させてきたことが雇用の不安定化、労働条件の劣悪化の中核をなす問題となっています。派遣労働者は全国で321万人、うち、極めて不安定な登録型派遣は234万人に達しています。
 ある派遣労働者の青年の話を聞きました。この人は派遣会社に雇われている人ですが、1カ月ごとの契約を更新しながら派遣先の会社で1年以上働いていた人です。いつも来月更新できるかわからない状態で働いています。派遣先の職場では、正社員が事務をして、機械を扱う仕事は派遣社員がやっており、危険な作業でも、手順書もなく、指導もないまま作業に入っています。そのことで失敗も多く、仕事への不安が強い。派遣会社から委託されている相談員に相談しても、実務に関することは派遣先の上司か派遣元の営業担当に言ってほしいという回答で、派遣先に言えば契約を絶たれるかもしれず、派遣元に言っても派遣先企業に対して強いことは言えないのではないかと、結局だれにも相談できないという状況です。会社に社員食堂があるが、正社員と派遣社員では値段が違い、交通費は定期代の3分の1程度しか出ないということです。
 そもそも労働基準法、職業安定法では、人貸し業というのは厳しく禁止されており、政府が、派遣労働を導入するときに臨時的、一時的な場合に限る、常用雇用の代替、正社員を派遣に置きかえることはしてはならないという条件をつけています。しかし、この派遣労働者の例でもわかるように、通常の業務を連続的にする仕事を派遣労働者がさせられています。しかも、危険な作業や熟練が必要な仕事も突然させられる、そういう状況があるわけです。
 さらに、登録型派遣、日雇い派遣という形態になりますと、もっと深刻な状況になっています。日雇い派遣は、あすは来ないから目いっぱいへとへとになるまで使う。人間として気遣われることもない。行ってみたら冷凍倉庫だった。半日で両手とも凍傷になったが、それでも翌日は別の人が来るから改善されない。こうした人間性を否定した労働実態が起こっています。しかも、月のうちどれだけ仕事があるかわからず、極めて不安定な収入しか得られない状態です。
 県内の青年の失業率が2002年に12.3%、8人に1人が失業しているという状況になりました。県は、雇用創出計画をつくり、次世代育成支援行動計画では、若年者の失業率を2007年度には9.5%にするという数値目標も持って取り組んできています。しかし、今も正社員の有効求人倍率は全国で0.64倍。正社員としての就職を望みながらも採用がないため派遣労働者として働いている若者が多くいます。
 現在の派遣労働者の急増の中で、若者の正規雇用の拡大、不安定で無権利な派遣労働を規制することが急がれます。商工観光労働部長にお尋ねいたします。
 今、求められているのは、これ以上の雇用と労働のルール破壊や雇用の不安定化、生活保護水準以下の低賃金で働くワーキングプアなどの雇用格差の拡大を許さず、その是正のため実効ある取り組みをすることだと思います。いかがお考えでしょうか、お答えください。
 以上で、第1問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(新島 雄君) ただいまの奥村規子君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 先ほどの御質問につきまして、私に対する県民の暮らしと社会保障についてということについてお答え申し上げたいと思います。
 本県では、全国に先行して人口減少、高齢化が進展しておりまして、また最近、経済面で明るい兆しも大分見えてきておりますけれども、これまでの長期にわたる経済低迷の影響で、県民の暮らしにもまだまだ厳しいものがあると認識しております。
 新長計におきましては、1つの柱として、県民に安全・安心の気持ちを与えるために、生涯現役で元気に暮らせる社会を実現しようということを目標にいたしました。一方、その前提として暮らしを支える職場づくりも必要でございます。そのために、もう1つの柱として、国際競争力のある産業をつくるということもまた目標としております。
 すなわち、例えばパートの問題を御指摘になりましたけれども、パートをいかんと言って批判ばっかりしておりますと、企業が、それじゃもう和歌山にいないと言ってどっかへ行ってしまうというと余計問題が深刻になるという可能性もあります。ここは、何といっても産業を呼んできて、あるいは産業を育てて、雇用をふやして、それでそのパートを雇っていた企業が常雇用にしないともうやっていけないというような囲い込みをしなきゃいけないというぐらいの力をつけるというのが制度ではないかと思っております。
 そういう意味において、まずその後者についてでございますが、和歌山全体の元気の創造に向けて、農林水産物の販売促進、あるいは観光の振興、あるいは産業の振興、地域特性を踏まえた農林水産物の加工とかそういうもの、それから企業誘致、そういうありとあらゆる政策を動員しまして働く場所の確保に取り組むということが必要であると長計では指摘しておりますし、また前者につきましては、高齢者や障害のある人等の中で真に社会保障が必要な人には安心のある生活が送れるように、例えば医療、介護、見守りサービス等の連携による地域ケア体制の確立とか、あるいは障害の状態に応じた適切なサービスを提供する生活支援体制の整備など、いろいろなセーフティーネットの充実を図って、だれもが安心して暮らせる社会づくりに努めていくんだというような、そういう考え方で長計を編集しております。
○副議長(新島 雄君) 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) 後期高齢者医療制度についての5点の御質問にお答え申し上げます。
 まず、制度実施の中止、見直しについてでございますが、後期高齢者医療制度につきましては、和歌山県議会からの意見書提出などもあり、国において被用者保険の被扶養者の一定期間の保険料凍結が設けられるなど、保険料負担にもさまざまな配慮がなされており、県といたしましては、4月の全国一斉実施に向け、制度の運営開始が適切に行われることが重要であると、そのように考えてございます。
 次に、保険料の負担軽減についてでございますが、後期高齢者医療制度の保険料には、国民健康保険制度と同様に軽減措置などがあり、低所得者に配慮された制度になっております。
 国民健康保険の保険料は、市町村により保険料率等が異なり、また世帯構成などによっても異なることから、後期高齢者医療制度の保険料と一概に比較することは困難であり、1人1人の状況によって異なってくるものと考えてございます。
 なお、後期高齢者医療制度においては、保険料軽減分の補てん、高額医療費への支援、財政安定化基金の設置など、新たな県負担が生じることになってございまして、医療給付以外の県単独でのさらなる負担は県財政の現状から困難でありますので、御理解を賜りたいと思っております。
 続きまして、診療報酬改定と診療内容についてでございますが、後期高齢者医療における診療報酬体系につきましては、中央社会保険医療協議会において検討が進められ、過日、厚生労働大臣に答申され、本日告示されたところでございます。今回の改定では、後期高齢者の心身の特性に合った生活や安心を重視した医療を実現することが打ち出されてございます。
 議員御指摘の後期高齢者診療料は、例えば高血圧などの慢性疾患をお持ちの方が御希望に応じて御自身で選んでいただいた担当医から外来診療を受けられるものであり、後期高齢者の方の病状を総合的かつ継続的に把握することが重要であることから新たに導入されるものであると、そのように認識してございます。
 次に、健診と保健予防活動についてでございますが、後期高齢者の方は既に医療機関で受診されている方も多いことなどもあり、健診は後期高齢者医療広域連合の努力義務とされたところでございます。ただし、後期高齢者の方にも、糖尿病等の生活習慣病を早期発見するための健診は重要であることから、和歌山県後期高齢者医療広域連合において、希望者の方全員に健診を受けていただけるよう準備が進められているところでございます。県といたしましても、健診の機会が十分確保され、高齢者の方の保健予防の低下につながらないよう、広域連合に対して助言を行ってまいります。
 続きまして、制度導入に当たっての相談体制についてでございますが、後期高齢者医療制度についての住民からの相談につきましては、各市町村、後期高齢者医療広域連合及び県において対応しているところでございます。また、診療報酬に関しましては、社会保険事務局及び県が相談窓口となってございます。現在、広域連合と各市町村が連携を図り、県内全世帯にリーフレットを配布するなど、制度周知の広報に取り組んでおります。
 県といたしましては、今後も住民、県民からの相談については親切かつ丁寧に対応するとともに、この点についても、市町村、広域連合に対して助言を行ってまいります。
 最後に、保健医療計画と医療サービスの確保についてでございますが、保健医療計画は、これまで基準病床数制度による病床の量的規制を主眼としていましたが、今回の改定では医療の質に着目し、がんや脳卒中など主要な疾病や小児医療や周産期医療などの事業ごとにどのような連携体制を構築していくかについても記載することといたしました。また、患者や住民の視点に立ち、わかりやすい計画とするため、医療機関の持つさまざまな医療機能についても記載することといたしました。
 このたびの計画改定に当たっては、各保健医療機関において、保健所が中心となり、地域の医療機関、市町村、医療関係団体、消防等の関係者とともに医療連携体制構築を目指した協議を行ったところであり、今後もこうした協議の場を設定し、機能分担と連携により切れ目のない医療サービスの提供体制の構築を目指してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 商工観光労働部長永井慶一君。
  〔永井慶一君、登壇〕
○商工観光労働部長(永井慶一君) 若者の不安定就労についての御質問にお答えいたします。
 議員御指摘のように、労働者の所得格差の是正や安定した雇用の確保は重要な課題であると認識してございます。国におきましては、生活保護との整合性の観点から最低賃金法を改正するとともに、パートタイム労働者と正社員との均衡な待遇や正社員への転換等を促進するためのパートタイム労働法も改正いたしました。また、労使間での基本的なルールを定めた労働契約法が3月1日から施行されるなど、雇用の格差是正に向けた法整備が進められてございます。さらに、厚生労働省では、新年度から正社員化の促進のため、中小企業に対し、新たな助成金を支給する制度をスタートさせることとなってございます。
 県といたしましても、これら関係法令や制度の周知徹底に努めるとともに、派遣労働者などを含むすべての労働者が安心して働くことのできるよう、適切な労働条件の確保、改善に向けて鋭意取り組んでまいりたいと考えてございます。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(新島 雄君) 再質問を許します。
 40番奥村規子君。
○奥村規子君 答弁ありがとうございます。
 知事に、新長期総合計画の中で、社会保障がどう位置づけられてきたかというところでお伺いをしましたが、やはり先ほど答弁の中にも、「高齢者や障害のある人などの真に社会保障が必要な人には」ということで、「安心ある生活」ということでおっしゃっていただきました。
 そういった中で、今先ほど、前段が非常に長かったんですが、国の今の状況、社会保障をやはり縮小、後退させていっているという状況の中で、地方自治体にとっても大変な苦労があると思うんですが、また、その長計の中でも、そのことで大変ないろんな論議がされたと思いますが、実際にこの4月から後期高齢者医療制度をする中で、非常に皆さんに不安の声がまだいっぱい実際にあります。
 その中で、先日も新聞の中であったんですが、ちょっと読ませていただいたら、「後期高齢者医療制度は、知れば知るほど怒りが募ります。ひとり暮らしも困難になっている94歳の母のわずかな年金からも保険料を取るとは、親に長生きしてほしいと言えないような制度は本当に考えてほしい」というような声も実際にはございます。
 こういう中で、やはりお年寄りへの医療の問題、安心して暮らせるということと、また障害を持っている方の応益負担の問題も何度か議会でも申し上げてきましたが、そういった中で、そこをカバーするということでは、非常に自治体も大変なところがあると思うんですが、今のこういうカバーしていくという中で、具体的にセーフティーネットの充実を図りということでいけば、具体的に何かあるのであれば、ぜひお答え願いたいなというふうに思います。
○副議長(新島 雄君) 以上の再質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) どういうことをお答えすると一番よろしいかというのがちょっとわかりませんでしたけれども、安心・安全というのはやっぱり一番大事なことだと思うんです。そういう意味で、社会保障が不必要に効率性の観点からだけで議論されるということになると、これはいかんというふうに思っております。
 また、地方公共団体としては、きのう申し上げましたように、なかなか財政的に大変な状況にあって、国が簡単に肩がわりだけしてちょうだいというのも、またこれは我々としてはあんまり好ましくないし、反対しなきゃいけないことだと思います。
 そういう意味で、いろいろな問題がたくさん出てくると思います。例えば、障害福祉の問題にしても、その理想の1つの考え方としては、障害者をどんどん社会に出していこうという考え方は別に間違ってないと思いますが、それに対していろんな問題は発生する。いろんな問題が発生すると、またそれぞれによく考えて、国にお願いするものはお願いするし、県で補わなきゃいけないものは補うというようなことをこれからきめ細かくやっていく必要があるのかなと思いながらいつも行政をやっておりますが、そんなお答えでよろしゅうございますでしょうか。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(新島 雄君) 再々質問を許します。
 40番奥村規子君。
○奥村規子君 済みません。今答弁いただいたので、ありがとうございます。
 最後に派遣労働、商工観光労働部長に答弁いただいた件で要望なんですが、なかなか和歌山県の実態ということではつかみにくいところがあると思うんですが、ぜひいろいろと検討していただいたりしながら、そういった派遣労働の若い人たちの実態をまたつかんでいただきたいなというふうに思います。
 前にも要望しました、若い人たちが本当に基本的な労働法の知識というのもなかなか得るところがなくて、それを知らなくていろいろ悩んでしまったりとかという点もありますので、そういったパンフレットもまたお考えいただきたいということもありますし、それをぜひ活用を──若い人たちの目につくところに置いていただけたらなと思います。
 これは要望で、よろしくお願いします。ありがとうございます。
○副議長(新島 雄君) 以上で、奥村規子君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時31分散会

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