平成20年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(向井嘉久藏議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後1時0分再開
○副議長(新島 雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 6番向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 皆さん、こんにちは。議長のお許しがありましたので、通告に従いまして一般質問を行わさしていただきます。
 私、きょうの一般質問は、県立中学校について、また近代美術館について、それからひきこもりについてということで質問をさしていただきます。
 まず、県立中学校についてでございますが、平成16年4月に向陽高等学校の中に向陽中学校が県立中学校として初めて開校されまして、自来4年が経過しました。平成18年に橋本、田辺両高等学校の中で中学校が誕生いたしました。本年度は、桐蔭高等学校の中に誕生いたしました。20年度には日高中学校が開校する予定でございます。
 私は、開校間もない向陽高等学校を訪ねまして、中学校の運営について幾つか質問をしてまいりました。そういうことを思い出しながら質問を進めてまいりたいと思います。
 平成15年3月に、和歌山県中高一貫教育推進懇談会が結成されまして、「和歌山県における今後の中高一貫教育の在り方について」の報告書を取りまとめてございます。平成16年に県下初の県立中学校が開校して4年。ここで一度振り返ってみて、4年間の実績等を踏まえ検証してみるのも大事かな、こういうふうに思うわけでございます。
 ここに、私の手元に、「向陽高校における併設型中高一貫教育について」ということで、資料がございます。それを少し紹介しますと、「このたび、本県では初めての公立の併設型中高一貫教育を開始することになりました」ということで、向陽高等学校の中に中学校を置くということが書いてますが、一番の目指す教育ということで、豊かな人間性と高い知性を持つスケールの大きな地球市民の育成に努めるんだと、こういうふうにうたってございます。この地球市民の育成に努めるという観点から、少し質問を進めてまいりたいと思うのでございます。
 県立中学校の入学選考等のあり方についてということで御質問いたします。教育長に御質問したいと思います。
 入学選考の時期が小学校6年生であります。今までランドセルを背負ってるかわいいお子さんであります。この年齢の男女の発育過程に、身体的にも学力的にも相当の開きがあります。これは認めざるを得ないわけでございます。女性の優位は顕著であります。県立中学校5校のうち、中でも古佐田丘中学校──これは橋本高校の中にあります──桐蔭の両校は男女比が顕著であります。募集定員は80名であります。本年合格者数は、古佐田丘が女子54人、男子26人、桐蔭は女子52人、男子28人となってございます。男子の中学生にとっては非常に狭き門であるということには間違いございません。
 全国で中学校を2校以上設置の都県の状況を調べてみました。和歌山県を入れて14都県のうち、入学選考における男女調整を行っているのが、栃木県、東京都、長崎県がいずれも男女50%ずつの調整をしております。本県でも入学選考における男女調整をする必要はないのかということをお尋ねいたします。
 ここで少し県下の5中学の本年の入学者の応募率、それから応募数と合格率、倍数を申し上げますと──定員はいずれも80名であります──古佐田丘、志願者数260人、倍率3.25、向陽、507名の志願者、倍率6.34、桐蔭、542名、倍率6.77、田辺、179名、倍率2.23、日高附属、128名の志願者に対して倍率は1.6と、こういうふうになっております。紀南のほうが志願者が非常に少ないということが数字で出ております。子供さんの数が少ないんかなという思いでございます。
 そういうことで、この入学者選考等のあり方について教育長に御質問したいわけでございます。
 続きまして、高校入学者選抜への影響につきまして御質問申し上げます。
 県立中学校の高校進学時には、80名、高校クラスが中学枠として割り当てられるわけです。もう既に向陽中学から高校へ進学したと。4年開校してますから、ことし高校へ入学する1年生が80名あるわけですね。当然、2クラス分の枠をそこで食ってしまうわけです。
 ちょっと例を挙げてお話しさしていただきますと、私の地元の橋本高等学校、20年度は普通科が1クラス減になりました。それで5クラスになりました。21年度には古佐田丘中学から進学80名が出まして、2クラスの枠を食ってしまうわけです。ということは、残される枠は3つしかないということです。120人の枠しか残らないということになるわけです。したがって、市町村立中学校から橋本高校へ進学する場合は、相当厳しい関門、厳しい門になるというふうに思うんです。そうではないでしょうか。
 それで、特に紀南のほうは、もともと子供さんが少ない。そこへ田辺と日高附属に2クラス分、それぞれ4クラス行くわけですから、それでなくても子供さんが少なくなっているのに、市町村立の中学校ではなかなか子供さんが来てくれないという状況になります。
 そういうことで、学校の運営もそうですが、PTAなんかの運営も大変だろうなと。現場の市町村の方々、教育関係者は非常に頭を悩ましてる1つの問題であります。1つのいいことがあったら、別な方向で苦労する人が必ずいるということであります。私は、こういうことで危惧しております。
 例えば、今までは──5つの中学校ですべて3年生まで生徒が埋まったときには、1200名の県立中学校の生徒がふえる。ということは、市町村立の中学校から1200名が減るという、これは事実です。ということは、1200人分の大きな経費の負担を県が抱え込むということも事実であります。
 そういうことで次に質問をさしていただくんですが、県立中学校の施設の整備についてであります。これは、教育長と総務部長にお答えいただきたいと思うんですが、高等学校の空き教室を利用してスタートいたしました県立中学校でございます。走りながら考えるスタートになりました。しかし、実績は上がっております。
 私、向陽高校に初めてお邪魔して話を伺ったときに──これは前にもお話ししました──校長いわく、夏休みに、「あんたとこは来年の4月から中学校開校するで」と言われて、ばたばたしながら、とにかく走りながら開校に何とかこぎつけた。しかし、おかげさまで全国統一の模擬試験も十数位に入るようなすばらしい子供が集まりました。走りながらやった割には非常に成果が上がった、こういうことで話しておりましたが、しかし、残念ながら施設はお粗末であります。現場へ行っても、お粗末であります。当然のことでありまして、空き教室を利用してのスタートであります。
 ほかの県へ研修に行きました。私、行ってきましたら、初めから中学校と高等学校を新しく建てて併設学校をつくっておるということも目の当たりにいたしました。設備がよくなったから学校の質もよくなるんか、そうとは一概には申し上げられませんが、この4年間経過して県立中学校整備のための経費が幾らつぎ込まれたんかよということを聞くときに、実情はいささかお寒い限りであります。
 県立中学校といえども義務教育であります。他の公立中学校に比べ設備が劣っていては、高い理念を掲げ、せっかく船出した県立中学校が、県民の期待とは裏腹に沈没してしまうのではないかと危惧するものであります。
 義務教育は、勉学はもちろんのこと、部活も大事であります。中体連という大きな大会もあります。そこにも参加できないという種目がたくさんあります。中学校で部活としてやっているのは、ほとんどが個人競技であります。高等学校のグラウンドを使って、高等学校でサッカーもやり、硬式野球もやっている、そこで、横で中学校が軟式野球の部活をやろうと思っても、これはできない。サッカーもできない。したがって、個人競技のみやっております。
 そういうことで、私は早急な施設の整備を望みます。ただ、私は、運動場をもう1つつくれとか、体育館をもう1つつくれ、プールをもう1つつくれというふうに申し上げているつもりはございません。私は、あくまでも、中学校設立について、非常にいい結果を残してきたことに対して、「フレー、フレー」ということで応援団であるという立場でお話をさしていただいておりますので、どうぞ間違わんようにお願いしたいと思います。
 次に、高校入学選抜の前・後期についてお伺いします。
 ことしから前期、後期に分けて選抜試験を実施しております。何でこの前期、後期を導入したか。恐らく、前に比べて非常にメリットがあるということでしたんだと思います。したがって、私は、どんなメリットがあるのかなと実施したてんまつをお伺いしたいのと、こんなことがよかったというふうに教えていただきたいなと思いますが、実情はそうじゃない。
 前期、後期に分けて募集枠を決めております。全部一遍に出さない。小出しにする。前期で本来一発でやってもろたら、定員募集枠いっぱいの合格者がその場で決まるわけです。ところが、前・後期に分けてやると半分ぐらいの受検者は必ず不合格になる。そうすると、学校へ帰ったら、だれがあかなんだというのはわかるわけ。そうすると、後期に合格するまでの間は、受検者にとって、また家族にとって非常に厳しい期間を強いられる。これを考えてやってもらいたい。
 いやいや、そうじゃない、その厳しい環境にも増してこんないいことがあるんやよということがあったら教えてほしい。私は、即刻廃止すべき、もとへ戻すべきだと考えております。あしきは速やかに廃止すべし、こういうことで、この質問をさしていただいております。
 続きまして、県立近代美術館についてお伺いします。
 「県立近代美術館はだれのもんですか」と尋ねられたら、当然、「県民のもんですよ」、だれも言います。設立に際しては広く県民に愛され利用されることを基本としてつくりますと、当時の西口知事が申しておりました。しかし、残念ながらそうでもなさそうなんです。
 県民から広く作品を募り、優秀作品を展示する、その作品の展示を近代美術館は頑固に拒み続けております。これは、私は県展の話をしています。60年の歴史があるんです。再優秀作品には知事賞も出ております。また、議長賞も出ております。玄関上がってもろたとこに議長賞を去年受賞した作品を展示さしていただいております。あの女性の絵ですが、あの非常にええ絵、あれを展示さしていただいとる。出展数も、毎年大体180点から190点と聞いております。知事賞、議長賞を出して表彰もしてる。関係筋から漏れ聞く話として、県展に出されてる──ちっちゃい声で言いますが──県展に出されてる、来る作品は県立近代美術館に展示するほどの作品ではない、こんなに聞こえてくる。
 そら世界の一流の作家がつくった作品と比べたら当然落ちるのは当たり前です。しかし、県民の本当に作品をつくる能力を持った人が一生懸命つくり上げた作品を、和歌山県の最高レベルの、まあ言うならば美術館の甲子園です。甲子園へ出たいと思って一生懸命やって、甲子園へ出る資格を得たら紀三井寺の球場でやれと言われたら、やっとった人はがくっ。こういうことが今起こっとる。したがって、私は、近代美術館に出展をしてもらいますよということで、この和歌山県の美術の底上げをねらってもらいたい、こういうことをお願いしたいわけでございます。
 県立の美術館と理解するならば、また入場者数の増加につながる催しをしなければなりません。今、県展は県内4カ所を巡回して県民に広く見ていただいていますが、各会場で相当な人がそれを見に来ております。そういう意味から、私は、県展はぜひ県立美術館で開催してほしいな、こういうふうに思うんですね。
 それで、たまたま去年が60回の記念、節目になっておりまして、その県立美術館で展示さしてもろたんですが、私は事あるごとにそういうことを言ってまして、県展を美術館でとうとうしてくれるようになったということで私もテープカットに行きまして喜んでやったら、その年だけやった。残念なことです。
 開館してからの入場者数についてお知らせください。また、展示開催はどのように、だれが決定しているのか。これも教えてほしいなと思うんです。
 それから最後に、県展の開催に向けて教育委員会は前向きに検討していただきたい。だめよという検討じゃなしに、するにはどうしたらええんかという検討をお願いしたいと思います。
 それから、最後になってまいりましたが、ひきこもり対策について、知事と、それから福祉保健部長にお伺いいたします。
 今、日本人の心は至るところで病んでおります。一見健康そうに見えても、昔の人のように他人を気遣う優しい心とか、また企業家、商売人の良心、すべての人々の心にその病がついてしもとる。生きていくことの難しさ、苦しさが蔓延しておると思います。
 かつて日本は、敗戦当時、みんなが貧しかった。「ひきこもり」といった言葉も、ここ15年くらい前から出てきたようにも思うんです。毎日食事するにも事欠く、生きるのが精いっぱいであったあのころは本当にみんなが元気であった、このように思います。この貧しさから抜け出したいと頑張って、今豊かになって、すると、思いもよらぬ心を病む人たちが多くなった。このことは、病んでいる人たちの責任でもなく、無論日本を豊かにした人たちの責任でもありません。飽食の陰につきまとう陰の部分のようにも思うのでございます。今後も豊かさを求め続けていくとするならば、陰の部分にも手を差し伸べる必要があるのではないでしょうか。
 この多くの福祉分野に、国、地方自治体は手を差し伸べておりますが、ひきこもり者に対しては、国、地方自治体は無関心をとり続けております。国は、法的な整備を怠り、地方自治体の対策をおくらしております。
 今、全国でひきこもり者が100万人と推定されております。この100万人の数字は和歌山県の人口に匹敵するものであります。和歌山県にも7000~8000人のひきこもり者がおられるというふうに言われております。これは、あくまでも推定の数字であります。かつて、広島市が個々にひきこもり者の調査をいたしました。そのときの率を出したものを掛けたのが、日本国では大体100万人、和歌山県では7000~8000人ということでありましょうか。
 こんなにも多くのひきこもり者がいるのに、国や自治体が動こうといたしません。あなた方は本当に何を考えているのかと言わざるを得ないと思います。もっと真剣に悩める人々の声なき声を、家族の声を真摯に聞いていただきたいと思うのであります。
 家族の方々とお話ししますと、ほとんどの家族の方は1回や2回、この子と一緒に死にたい、こういうふうに思ったという方が必ずいます。それだけ大変なんですね。国は早急にひきこもり者対策の法的整備を行うことを強く要請したいのであります。また、和歌山県議会としても、このことについて意見書の提出をすべく検討するよう、強く強くお願い申し上げておきたいと思います。
 ひきこもり者福祉に、国の厚い壁に風穴をあけたいのであります。和歌山県下を見ると、和歌山市、田辺市の2カ所で、ささやかではありますが、民間で作業所を開設しております。県もこの施設に対して補助金を支出しておりますが、「やっています」と言えるものではございません。
 そこで、今後の県の対応についてお伺いしたいと思います。
 ひきこもり者の居場所づくりについて、福祉保健部長にお伺いいたします。この施設、居場所は、ひきこもり者の家族の心のケア、それから相談、ひきこもり者の宿泊所というような施設でございます。
 もう1つ、ひきこもり者を支援する人材の育成についてでございます。福祉保健部長にお伺いします。
 国の法整備ができなくても、和歌山県では各保健所に専門員1名ずつ配備してくれております。また、ビッグ愛に家族会も結成されております。また、田辺市では専門員が1人おりまして、積極的に対応してくれてますが、自分とこのことが精いっぱいで、とても他のほうに手が回るというものでもないというふうに聞かされております。7000~8000人と言われているひきこもり者に対しまして対応するには、余りにも人材が少な過ぎます。ましてや市町村に至っては、辛うじて田辺市で1名の相談員がいるのみで、県は速やかにひきこもり者や家族に対して精神科医も含め人材の育成に取り組むことを強く切望いたしまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(新島 雄君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ひきこもり対策について、私に御質問でございましたので、お答えをさしていただきます。
 県では、先ほど議員から御指摘がありましたように、和歌山市と田辺市におきまして、ささやかにと議員がおっしゃいましたけれども、国に先駆けてひきこもり対策に取り組んでおります。
 私は、心を元気にするということが和歌山を元気にする究極の課題であるというふうに思っております。議員御指摘のように、豊かになった社会の陰の部分、これを解決しなければならないということは、まことに御指摘のとおりだと考えております。その意味で、このひきこもりというのは、現象として、事実としてそこにある話でございますので、県としてもこれは放置できない問題だというふうに考えております。
 国のレベルにおきましては、残念ながら、ひきこもりに対する適切な支援方法あるいは対策、具体的な方法、こういうものについての取り組みがおくれているというか、まだやられてないというか、そういう状況にあります。和歌山県の対応につきましても、これでいいのかどうかというようなことについては今後とも検討していかなければならないと思っております。
 ひきこもり問題の重要性、多分今後ますます増加すると考えておりまして、国に対しては総合的なひきこもり者の支援を求めて要望していきたいと思っております。
 来年度に向けまして国に対して要望していく、そういうプロセスがあるかと思いますので、そのタイミングを見計らって、ぜひこれはちゃんと正面から取り上げてもらいたいというようなことを私は言っていきたいと思いますし、また県独自の対応につきましても、まさに国のモデルになるようなものをどうやったらつくっていけるのか、そういうことについて、議会の方々とも御相談を申し上げながら今後検討してまいりたいと考えております。
○副議長(新島 雄君) 総務部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○総務部長(小濱孝夫君) 県立中学校の施設整備につきましてお答えをいたします。
 県立中学校の運営に当たりましては、教室の改修や教材・備品の整備など、その都度必要経費について措置してきたところでございます。
 今後とも、県立中学校の施設整備につきましては、生徒の勉学等に支障を来さないように、教育委員会と十分協議しながら適切に対応してまいります。
○副議長(新島 雄君) 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) ひきこもり対策について一括してお答え申し上げます。
 県では、平成16年度から全国に先駆けて、ひきこもり者に対し、相談、居場所の提供及び家族支援を行っているNPO法人を社会的ひきこもり者社会参加センターとして県内で2カ所指定いたしまして、その所在する市とともに、センターに対する運営に補助する支援を行ってございます。
 ひきこもり対策については、国においては、地域保健福祉の分野に携わる人に対してひきこもりの対応指針であるガイドラインを示していますが、抜本的な対策がまだ明示されてございません。県では、先ほど申し上げた支援を行っているところでございますが、専門的、技術的はもとより財政的にも限界があることから、国に対してひきこもり者支援を早期に実施するよう引き続き要望するとともに、先ほど知事からも答弁させていただきましたように、今後とも国の対応を踏まえつつ、県としましても県の単独施策についてどのようなことがやっていけるか検討してまいりたいと、そのように考えてございます。
 ひきこもりの原因はさまざまであり、ひきこもりからの回復のためには、ひきこもり者やその家族に対して支援のできる人材の育成が必要でございます。県では、保健所及び精神保健福祉センターにおいて、ひきこもりの相談窓口を設置した上で、ひきこもり者支援相談者の養成や資質向上を図るため、ひきこもりサポーターの養成研修やひきこもり者相談従事者研修会を開催してございます。今後は、ひきこもり者やその家族からの相談のみならず、直接支援ができる人材の育成にも努めてまいりたいと、そのように考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 教育関係、県立中学校の入学者選考についてお答えいたします。
 県立中学校の志願者は、学校説明会やリーフレット等を参考に、それぞれの学校の目標や特色を理解し、目的意識を持って出願しておりまして、この時点から男女数の差が見られます。
 入学者選考では、性差に関係なく志願者1人1人の意欲や適性等を多面的、総合的に判断しております。その結果として、学校によっては男子の多い学年、女子の多い学年があることは承知してございますが、それは6年間を見通した教育課程の特色が反映していることが考えられます。各校とも、全教職員が生徒の実態に合わせた指導を展開するなど、魅力ある充実した教育活動に努めているところでございます。
 今後とも、さまざまな観点から、よりよい選考のあり方について研究してまいりたいというふうに存じます。
 県立中学校を併設する高等学校の募集定員につきましては、小中学校卒業児童生徒数の推移ですとか地域の状況及び進学率等を踏まえまして、総合的な観点に立って決定をしております。その際、県立中学校の設置によって高等学校の入学者の枠が圧迫されることのないよう配慮してきたところでございますので、御理解をいただきたいと存じます。
 今後も、市町村立中学校及び県立中学校の卒業者や地域の状況、ニーズ等を考慮しながら慎重に検討を行ってまいりたいと考えます。
 次に、県立中学校の施設整備につきましては、議員お話しのように空き教室等を普通教室に改修するとともに、高校の特別教室や備品等を有効に活用しながら中学生の興味や関心に応じた専門の科目に対応できるよう、新たに技術教室の設置や中学校専用の職員室あるいは保健室を設けるなど、施設の整備に努めてきたところでございます。
 今後とも、より一層各学校と連携をとりながら、特色のある教育活動が実施できるよう工夫をするとともに、その充実に努めてまいりたいと存じます。
 次に、高等学校入学者選抜についてお答えいたします。
 以前行っておりました推薦入学につきましては、推薦を受ける生徒が一部に限られるため、すべての受検生に複数の受検機会を与えるべきではないかなど、中学校及び保護者からの要望を受けまして、平成19年度入試から前・後期制を導入したものでございます。
 現在のところ、余り頻繁に入試制度を変えることは混乱を招くとの中学校長会等の意見を踏まえまして、当面は継続する必要があるかと考えますが、今後、中学校、高等学校の校長会やPTA等の意見を聞きながら、よりよい入試のあり方を研究してまいりたいというふうに考えます。
 次に、県立近代美術館についてお答えいたします。
 県立近代美術館における入館者数は、平成6年の開館以来、81万人余りの方々に御来館をいただきました。近年、来館者数も増加傾向にございまして、本年度は現時点で既に昨年度実績を約2万9000人上回る8万9000人の方々に御来館いただきました。
 また、展覧会の開催につきましては、海外美術の秀作の紹介、和歌山ゆかりの作家の紹介、日本近代美術の再評価、同時代の美術という開催方針に基づき、諮問機関である美術館協議会の御指導もいただきながら、県民のための博物館施設として県民の皆さんに喜んでいただける企画開催に努力をしているところでございます。
 そういった状況の中で、県展を近代美術館で開催すべきではないかとの御指摘につきましては、これまでも平成12年度から美術館1階に和歌山のアートコーナーを設置しまして、県展の受賞作約35点を毎年御紹介しておりまして、また平成18年度には、県展60周年を記念した特別事業といたしまして「和歌山の美術を担う作家たち展」を開催し、県展創設時の審査員を紹介する部門を併設しまして、県展の歴史を振り返るなどの企画も提供してきたところでございます。
 なお、県展を近代美術館で開催することにつきましては、近代美術館のあり方に沿いつつ、県展の新しい形も含め、開催に向けて前向きな姿勢を持って関係部局と協議を重ねているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(新島 雄君) 再質問を許します。
 6番向井嘉久藏君。
○向井嘉久藏君 御答弁いただいたわけでございますが、近代美術館で前向きに検討してまいるということでありましたので、ありがとうということでございますが。
 高校入試の前・後期の制度を取り入れたということ。まあ確かに、今つくってまた改変ということはいかがかなということでございますが、それじゃ、やっぱり──今、父兄も、何よというので非常に戸惑っておるわけですね。教育委員会としたら、これはいい制度やと、そういう理念で導入していただいたんですが、現実、それを導入した結果が出ております。結果が出たら、何よという。確かに前期で落ちた人は後期でもう一遍という2回のテストの機会は与えられるわけでございますが、しかし、受検者の心を傷つける。これは、まあはっきり言うて、何かをするのに2回もプレッシャーをかけてやるなという、私はそういう思いで今質問しとるわけですね。
 それで、1回、たまたま不合格になったとしても、どこかで補欠の募集はあるわけです。そこへ応募はできるわけですから、やっぱりプレッシャーは1回だけにしたってほしいと。これは、家族のプレッシャーも大変ですし、学校の中での生徒間の話の中でもそれが出てくるらしい。そういうことを考えたら、いいと思ってやっても、そういう片方でデメリットが、非常に大きな、人の心を傷つけるようなことが起こってきつつあるんであれば、これは速やかに改めるべきが最善ではなかろうかな、こういうことでございますので、前向きというんか、とにかくもとへ戻してもろたら非常にありがたいと、こういうことを強く要望して質問を終わります。
○副議長(新島 雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。

このページの先頭へ