平成20年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(多田純一議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 24番多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕(拍手)
○多田純一君 皆さん、こんにちは。議長のお許しをいただきましたので、早速質問に入りたいと思います。
 本日、2番手でございますので、多少先ほどの御質問とダブる部分があるかと存じますけども、視点を変えて質問さしていただきたいと思います。
 2008年の本年は、円高、株安、原油高騰、環境問題、小麦や大麦など生活関連のものが値上がり、そして追い打ちをかけるように中国製ギョーザによる食の不安という波乱の1月幕あけとなりました。激動の世界、加速度的なグローバル化の中、いやが応でも私たちは、世界の中の日本、国際社会での日本、その中で生きている現実を再認識させられた思いです。特に、中国製冷凍ギョーザによる問題で、日本の自給率がカロリーベースで39%ということについては、他国に依存している現状を正し、食育の推進を進め、今こそ農業王国和歌山として安全・安心な和歌山県産品を大いに売り出すチャンス到来のときでもあります。
 一方、国内に目を転じますと、国の平成20年度予算や関連法案が2月最終日に衆議院を通過、国会はいよいよ衆議院から参議院へ移り、道路特定財源の租税特別措置法をめぐって、今月31日に期限切れとなるガソリン税等の暫定税率を10年延長する与党と暫定税率廃止を主張する野党の対立が激しさを増しています。いわゆる「ガソリン国会」とも言われ、政局になる可能性を秘めているだけでなく、地方、とりわけ和歌山県にとりましては、この道路特定財源の暫定税率廃止による120億円の欠損は、県民悲願の高速道路の整備や通勤・通学路の道路整備に大きな影響を与えるだけでなく、県民の福祉や教育などのサービスへの低下にも影響するもので、5年連続マイナス予算、62億円の収支不足を県債管理基金の取り崩しで何とか予算を計上した和歌山県平成20年度予算にも多大な影響を与えるものと、国会の動きが気になるところであります。
 和歌山県の今年度予算は、仁坂知事が取り組んだ本格的な予算でもあり、今後10年間、和歌山県の方向性を示す新長期総合計画を県民にお示しし、その真価が問われるスタートの年でもあります。
 NHK「その時歴史が動いた」ではありませんが、歴史を振り返ると、そのときの分岐点がわかると言われます。県勢浮揚をなし遂げるためには県民への信頼確保が絶対条件です。県政が低迷している中にあって、そのときから和歌山が変わったと言われるぐらい大事なときを迎えております。就任以来、休む間もないほど動きに動いておられます、その大いなる紀州丸のかじ取りを仁坂知事に期待し、一般質問の本題に入りたいと思います。
 最初に、新長期総合計画についてお尋ねをいたします。
 この問題につきましては、12月定例議会でも若干触れさしていただきました。計画案策定まで骨子、素案、原案と検討精査されて、その過程で有識者の方々にも意見を聴取し、県内各市町村の方にも意見、要望を確認しながら、やっと本案を議会に上程しておられます。
 県民からのパブリックコメントは7名20件となっていますが、県民のための県政と県民からの信頼を得る県政という知事の理念からすると、新長期総合計画に理解を得る上で課題と言えます。知事も、計画は県民の皆さんと共有すべきと語っておられます。いかにすばらしい計画を立てても、県民と共有していかないとうまくいかないと思います。その点について、知事のお考えをお示しください。
 新長期総合計画の中でも、広域的な連携について触れています。歴史的にも文化的にもつながりが深い割には余り連携が今までよろしくなかったのかなあという気がいたしますが、大阪府に橋下知事が誕生し、いち早く関西のトップリーダーを期待して橋下知事に仁坂知事があいさつに行かれたとのこと。そのことで、和歌山の県産品の物産展の応援に答礼として駆けつけてくれたことは、これから連携を深める上で、いいスタートを切ったと思われます。
 大阪を中心とした近畿圏、愛知県を中心とした中部圏、東京を中心とした関東圏、その中で中部圏の躍進が目立ち、県内総生産は、実質連鎖方式による数値によると近畿圏を抜いて関東圏に次ぐ位置にあるということです。それに対し、長らく不況からなかなかきっかけをつかめないまま今日に至っておりましたが、大阪府も大阪市もトップがかわり、またシャープや松下という電子部品デバイス事業の集積が行われてきており、この関連企業の進出等で今後期待感が出てきております。現に和歌山県においても、このシャープの関連として、アルバックマテリアル株式会社、恵和株式会社、ビーウィズ株式会社など企業誘致が決まったのも、この影響と言えます。
 一昨年から始まった関西の2府7県4政令市の知事、市長及び経済団体の関西広域連合は、関西がその特色を生かし、魅力ある地域として自立的に発展するためには、関西にとって望ましい地方分権体制を早期に実現しなければならないとして、権限移譲の受け皿ともなり得る広域自治組織を検討しています。これが道州制への流れともなりかねませんが、近畿のおまけにならないためにも、和歌山県の存在感を示しながら大いに連携を強化していく必要があると思います。この点について、仁坂知事の御見解をお示しください。
 大きな2点目に、過疎集落対策及び情報格差への取り組みについてお伺いしたいと思います。
 右肩上がりの人口増を前提とした制度や仕組みを続けてきた我が国は、一転して人口減少に立ち向かう構造改革が迫られている事態となっています。その意味で、過疎集落問題は単なる過疎問題だけではない。日本古来の歴史的な遺産である山村風景が喪失し、伝統文化や芸能が廃れてしまい、日本の精神が引き継がれなくなる。そして、人がいなくなることで田や畑の耕作放棄地がふえ、自然環境の悪化となり、下流に渇水や水害をもたらし、新たな都市災害となっています。国土や環境の保全面で最前線の役割を担っていることを再認識し、効果の出る支援策を早急に講じるべきと考えます。
 政府の集落の状況に関する現況把握調査でも、我が国の過疎集落は6万2273に達し、このうち集落機能の維持が困難な集落は2914、4.7%とされています。和歌山県内には、過疎法に基づく過疎市町村は2市10町1村の13市町村に及んでいます。人口では22.3%、面積では67.2%がその対象地域になります。また、山村振興法に基づく振興山村市町村は、17市町村が指定されています。この対象集落として、市街地を除く分として547集落が存在し、そのうち193集落が、65歳以上の比率が50%を超える集落として限界集落に直面していると言われております。
 私たち公明党は、昨年、地域活性化推進本部を立ち上げ、共同体として機能の維持が困難な集落や将来消滅するおそれのある集落について、意識及び実態を把握することを目的に、集落の住民及び集落が所在する行政担当者を対象に全国の過疎集落実態調査を実施いたしました。期間は平成19年11月から12月、対象集落としましては、高齢化率が50%を超え、かつ共同体として機能の維持が困難な過疎集落及び同条件にほぼ該当すると推定される集落、調査事項としましては、集落の人口構成、過疎化の原因、集落の課題、集落所在市町村の集落の数、消滅のおそれ、過疎集落対策、市町村担当者回答数といたしましては261市町村、集落有力者の回答数といたしましては476集落となりました。
 党の集計結果から明らかになった主な点とその対策については、1つ、過疎集落の4割を占める20世帯50人未満の高齢化の高い集落については、共同体の存続・維持に特化した支援を検討するなど、早急な対策が求められる。2、高齢化イコール農林水産業の衰退と受けとめる住民が多い。農林水産業は、国土保全、雇用確保として効果が大きく、森林の荒廃や若者の流出、鳥獣被害、耕作地の放棄など、単なる産業施策としてではなく、過疎対策の重要な柱と位置づけられる。3、過疎集落においては、高齢の地域役員の兼務、継続が大きな負担となるなど、共同体維持のための人的パワーが不足している。このため、若手の人員派遣施策や学生インターンシップや過疎集落青年協力隊など、民間活力の活用も含めた人的支援策が検討されるべきである。4、過疎集落を多数抱える中小自治体は、過疎対策で大きな負担を強いられる一方で歳入も減少する結果、財政余力が弱体化している。過疎法が期限切れとなる平成21年度に向けた過疎地域自立促進法の抜本改正、もしくはこれにかわる新たな過疎対策立法が検討されなければならないと考えられます。
 私も、毎年キャンプでお世話になっております有田川町清水、旧の清水町に行ってまいりました。サンショウの生産が日本一というだけではなく、林業も全国でも有数な規模となっています。温泉が2カ所あり、かつては年間30万から50万人ぐらいの観光客もあったようですが、国道480号線の整備がおくれており、観光ルートからも外れてきているように思われます。幸い、内科医や歯科医ほか医師が頑張っておられることが救いですが、昨年4月現在、人口4627人、高齢化率45.5%となっており、ひとり暮らしのお年寄りも多く、高齢者対策も早急に必要になってきています。旧清水町の26地区すべてが難視聴地区で、2011年7月、地上デジタル放送完全移行後は、アナログでの放送が終了するわけですから、テレビが見れない、そういう事態になってしまいます。
 平成19年9月公表された地上デジタルテレビジョン市町村別ロードマップによれば、和歌山県では、2011年のアナログ放送終了時において地上デジタル放送を視聴できない世帯が、旧清水町を含め7市13町、約1万5000世帯にも及んでいます。これは、全国的に見てもワースト1位の状況です。
 以上を踏まえ、お尋ねをいたします。
 過疎地域の現状認識と待ったなしのこの状況を踏まえ、今後の過疎集落対策について、特に企画、福祉保健、農林水産、県土整備、教育委員会等横断的な取り組みを考え、組織再編を含む強化策が早急に必要ではないかと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。
 県内全域で携帯電話の不感地域の解消とあわせて地上デジタル放送へのスムーズな移行に向けて、この3年計画について、企画部長、お答えいただきたいと思います。
 続いて、3点目の質問に移りたいと思います。元気な和歌山の未来を拓く人づくりについて、以下、教育長にお尋ねをいたします。
 教育委員会の新政策の柱として、きのくに共育コミュニティの形成を上げておられます。ここでの「キョウイク」とは、「共に育てる」と書く「共育」だそうです。基本的に各中学校区単位に、地域や家庭、そしてNPOや企業を巻き込んで地域共育コミュニティを形成していくとなっています。
 東京都杉並区立和田中学校では、民間人として校長に就任した藤原校長が提唱し、地域の大人も参加して実施される「よのなか」科の授業が注目されております。学校を使って夜間に塾を開くことで有名になった中学校です。学校で教わる知識をどう使えば世の中で使える知恵や技術に変えられるかを学ぶ授業を「『よのなか』科」と呼んでいます。土曜寺子屋、英語アドベンチャーコースなど、公開授業に参加した多数の協力者が支援ネットワークを構成し、図書室の自主運営化に伴う本好きのPTAネットワーク化、校庭芝生化に伴う芝生の保護活動を担うグリーンキーパーズの発足など、地域総がかりで学校を変えていると、そういう事例です。
 和歌山県としてお考えのこのきのくに共育コミュニティの形成、その新政策と進め方についてお聞きしたいと思います。
 教育の2点目に、県内の小中高校生の体力・運動能力は、ボール投げと長座体前屈以外はほとんど全国を下回ってるとの県教育委員会の報告書がこのほどまとまり、発表されました。お手元の配付資料にありますが、図-1は本県と全国を比較した体力・運動能力調査の年次推移となっています。小学校は96種目、青線です。中学校は赤線。高等学校は緑の線。中学校、高等学校は、それぞれ54種目。その種目の合計が全国平均値と同じか上回る種目数が占める割合のグラフとなっています。つまり、グラフを見ていただいて小学校の部分の72%という意味は、96種目のうち全国平均より下回るのは28%だったということでございます。
 小中学生では平成14年をピークに、高校生は、平成16年に少し持ち直しましたが、ここ数年間では小中学生以上に急落していることがわかりますし、小学生、中学生、高校生と進むにつれて全国との差が広がってきています。高校生では、54種目中93%、ほとんどが全国平均を下回っているという事実を示しています。
 図-2は国民体育大会の9年間の総合順位表です。何が言いたいかおわかりいただけると思います。最近では、平成13年が29位で一番よかったわけですが、先ほども触れました、小中学校でも平成14年がピークで、後は落ちていくわけですので、似ているように思います。国民体育大会での総合優勝を目標として、才能のあるアスリートの養成も大事ではありますけども、全体を底上げすることがポスト国体を考える上で、より堅実な取り組みと申せます。
 資料その2の図-3をごらんください。これは、加齢に伴う各種目ごとの県平均値と全国平均値との比較になっております。青い線が男子、赤い線が女子、点線が全国、実線が県内となっています。例えば左上の握力でいうと、小学校6年ぐらいから全国との差が開いてきていることがわかります。敏捷性や筋持久力を示すと言われている反復横跳びやそれ以外の種目でも、およそ男女とも小学校1年生から全国との差が開いてきているのがよくわかります。長座体前屈やソフトボール以外は全国との差がはっきりしています。とりわけ、小学校低学年から体力・運動能力の向上を図ることが喫緊の課題と言えるのではないでしょうか。
 そこで、これまで体力・運動能力が低下してきたその原因と今後の対応について、教育委員会としてのお考えをお示しください。
 この体力維持に関連して、健全なる精神、健全なる体力、健康の増進のため、食育の推進をますます進めていく必要があると考えます。朝食欠食率ゼロ、そして確かな食の安全・安心を求めて県産品の地産地消をふやす、そのお考えについてお答えください。
 教育の最後に、少子化や先ほど申し上げました過疎化に伴い、学校規模の適正化を目指し、学校の統廃合を支援してきています。小学校、中学校での今後の統廃合について、教育長のお考えをお尋ねいたします。
 続いて、文化芸術振興とその活用、保存についてお伺いします。
 文化で地域を元気にするという講演会が以前にありました。英語で「デプレッション」という言葉があり、抑うつ症、憂うつという意味や、または経済での不景気、不況という意味もあります。臨床心理学者でフルートも奏でた文化庁長官だった河合隼雄氏が長官をお引き受けになるとき、「経済の不況は僕には直せないけど、心の落ち込みなら文化芸術の力で元気にすることができる」と、そのときの心境を語っておられました。
 2001年12月7日に施行された文化芸術振興基本法の第4条、地方公共団体の責務について示された条文には「地方公共団体は、基本理念にのっとり、文化芸術の振興に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」と明記されております。また、その前文には「文化芸術を創造し、享受し、文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは、人々の変わらない願いである(中略)人々の創造性をはぐくみ、その表現力を高めるとともに、心のつながりや相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するものである」とあります。
 文化芸術は、1人1人の持つ創造性を開き、多様性を尊重する社会をつくるための大切な要素であり、また青少年の豊かな心をはぐくむためにも重要な分野であると同時に、物の豊かさから心の豊かさへ価値観の転換を促すことでもあります。
 アメリカのルーズベルト大統領が、1930年代、アメリカの大恐慌を乗り切るためニューディール政策を行ったことは有名な話です。ダム建設など土木工事事業を中心とする公共工事でした。しかし、もう1つの大きな柱がフェデラル・ワンとして知られる文化芸術の政策でした。徹底した文化芸術政策を遂行し、暗く厳しい時代だからこそ次の時代に向けて豊かな心をはぐくみ、心のエネルギーの準備をしていく。それがブロードウエーのミュージカルを確立し、ハリウッドの巨大映画産業の成長の基礎を築いたと言われております。不景気で沈んでいたアメリカの国民の心に明るさを取り戻し、勇気を奮い起こさせました。それも文化芸術の持つ力です。
 「県民の友」に知事のメッセージが載っていました。ある和歌山出身のバイオリニストの話です。和歌山出身であることを誇りとして活躍されておられるそうです。その高名なバイオリニストを育てたのが数人の和歌山の篤志家だったそうです。文化や芸術への理解、それを大事にする豊かな心が和歌山にはあります。詩歌の天地、万葉のふるさと和歌山で詠まれた歌は約130首と言われておりますが、和歌山の自然そのものが文化であり、芸術であります。いやしのふるさと熊野古道、そして、和歌山県域には国指定等文化財537件、県指定文化財508件の文化財があり、国宝の数は全国第6位に位置しています。文化の県です。
 そこで、お尋ねします。
 新長期総合計画には、文化芸術振興条例を策定するとなっています。公明党議員団として長年要望してきた条例でもあります。その方針をいつ実現されるのか、手順も含めて知事室長にお尋ねをいたします。
 文化遺産の保護という観点から、国指定建造物等の文化財、その地震、火災等、防災への備えはどのようになっているのでしょうか、教育長にお尋ねします。
 そして、県民に親しみやすい文化芸術への工夫について、知事室長にそのお考えをお聞きしたいと思います。
 最後に、カジノエンターテインメント構想についてお聞きしたいと思います。
 今年度予算、新政策事業の中に、誘致可能性検討事業として200万円計上しています。この事業は、県民の理解を深めるとともに誘致の可能性について検討するとなってます。
 カジノの誘致に関しては、前知事のとき、平成15年2月に東京、大阪、神奈川、和歌山など6都道府県の研究会が発足しており、和歌山県でもその研究会も開催されております。現在は地方自治体カジノ協議会に変わっていますが、いずれにしても推進派として今日に至っています。カジノ特区の構想を政府に打診するなど、水面下の動きもあったようです。13の市町並びに商工会や商工会議所が参加してのカジノ・エンターテイメント研究会が発足しており、講演会なども行っています。国内外からの集客効果による経済活性化や雇用の創出が期待され、世界では既に120カ国近いカジノを合法化しています。
 御存じのように、カジノは刑法第23章「賭博及び富くじに関する罪」に該当し、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律においても規制の対象となっています。しかし、賭博及び富くじに関する罪に該当するものであっても特別法を制定し合法化されてるのが、競馬、競輪、競艇、オートレース、宝くじ、サッカーくじtotoなどの公営ギャンブルとなっています。法制度上の問題だけでなく、ギャンブルへの抵抗感や治安への不安、青少年、住環境への影響など、課題も少なくありません。
 一方、国においても自民党基本方針が発表され、カジノ合法化を目指す法案への動向もあるやに仄聞されます。全国の中でも、近畿圏では大阪府や、近くでは堺市なども熱心な取り組みが見受けられます。県民の合意が大前提ですが、それこそ、先ほど申し上げましたように、広域連携の中で近畿の役割分担という大きなコンセンサスも必要ではないでしょうか。県民意識調査などを行うための準備のための予算とされていますが、カジノエンターテインメントへのお考え、最終的には住民の判断をどういう方法で確認するおつもりなのか、最後に知事にお尋ねして、最初の質問を終わります。御清聴、ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの多田純一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、新長期総合計画につきまして、計画をいかに県民と共有していくかという御指摘、御質問であったかと思います。
 まさに議員御指摘のとおり、県民に夢と希望を与えるというためには、県民1人1人とその意識を共有していくということが大事ではないかと思います。そのために、県民1人1人の理解と自主的な取り組みを得るためには常に県民の目線を意識して県民が新長計を読んでわかりやすく理解していただくということが大事だということを念頭に置きまして、原案の作成に取りかかったところでございます。
 今後、長期総合計画を県民と真に共有できるように、テレビや広報紙などの県の広報手段の活用を初め、各地域における説明機会を積極的に創出するなど、県民に向けて情報発信をし、より具体的にわかってもらえるような方策を打ち出していく必要があると考えております。特に、具体的にその内容として打ち出していく必要がある個別の分野につきましては、アクションプランを策定したりいたしまして長期総合計画に基づく政策をしっかりとアピールしてまいりたいと考えております。
 それから、広域連携への取り組みということでございます。
 本県の発展は、関西における本県の果たす役割を明確にいたしまして、関西全体の発展と歩調を合わせながら推進していくということが重要であると考えております。具体的には、県境を超えた広域的なネットワークを構築し、関西全体のスケールを拡大すると同時に、関西の魅力をより一層高めるために、本県が持っております豊かな自然や歴史、あるいは特色ある産業、医療分野でも広域的な貢献などの強みを積極的に生かすということで、本県の位置づけを高めながら関西全体の発展を図ってまいるということが大事ではないかと考えております。
 このような認識のもとに、新長期総合計画においては「第3章 計画の推進」の中で広域的な連携について明記しておりまして、その新長計の計画の実現を広域的な連携の中で図っていくんだというようなことを強調しているところでございます。
 次に、過疎集落への取り組みでございます。
 過疎地域への現状認識と今後の過疎集落対策についてお答え申し上げたいと思います。
 少子高齢化の進行など我が国の社会情勢の変化や、古くからの基幹産業でありました和歌山県の林業の不振、こういうことによりまして、和歌山県では特にこの過疎集落の問題が大変厳しい現状にあると認識しております。さきに本県が実施しました集落調査でも、一部の集落においては、冠婚葬祭など地域住民が相互に助け合う生活扶助や、あるいは草刈り、道普請などの共同活動、また耕作放棄地の増加や、あるいは祭りの継承などについて集落機能の低下が見られると、こういういろいろな問題点が指摘されるところでございます。
 県におきましては、これまで集落間に最低限の道路をつけたり、あるいは林業の再興を図るためにさまざまな工夫をしたりしてまいりました。また、集落道あるいは簡易給水施設等の生活環境整備、こういうことにも力を入れてまいりました。それから、産業を盛んにするということもまた大事でございますので、先ほど申し上げました林業の再興、復活ということとともに、紀州備長炭、あるいはユズ、ジャバラ、サンショウ等の地域特産物の生産支援、そういうものにも支援をしてまいったつもりでございます。
 また、ほんまもん体験観光という、県としてはヒットの商品といいますか、そういうプロジェクトがございまして、主としてこういう人口の少ない地域をターゲットにいたしまして、都会のこういうことにあこがれている人たちを県が中心になって呼んでまいりまして、地元の方々と交流をしていただくというようなことをやってまいりましたし、あるいは緑の雇用政策などで都会の人たちを移住させる、あるいは地方における協議会などを利用して移住交流を促進する、そういうことで過疎地域の振興に取り組んでまいりました。
 今後とも、この問題は大変大事な問題でございますので、過疎集落対策を県政の重要な柱として位置づけまして、地域資源を生かした産業の育成に努めるとともに、道路・交通・情報ネットワークの整備、あるいはまた地域医療体制の充実、移住者のマンパワーを活用した新たなコミュニティーづくりなど、ソフト・ハード両面から施策を実現してまいりたいと考えております。
 また、県といたしましては、地域の実情や住民の意向を十分踏まえ、市町村と連携しながら集落の維持のための収入確保対策、生活基盤整備などさまざまな政策を、これは総合的に実施する必要があると認識しております。そういう意味で、今後、議員御指摘のようなそういう縦割りの弊害にならないような組織、横断的な取り組みができるような体制づくりに努めてまいりたいと考えております。
 次に、カジノ問題で、カジノエンターテインメント構想についてでございます。
 現在行われておりますこのことを合法化するということに向けた議論の中では、カジノだけではなくて、テーマパーク、劇場、スポーツ施設などを備えた、老若男女だれでも楽しめるようなそういう複合施設であって、地域の振興に貢献するものが想定されております。本県におきましても、カジノエンターテインメントへの理解を深めるため、昨年、市町村等の参加を得てカジノ・エンターテイメント研究会を立ち上げ、勉強会などを行ってまいりました。
 カジノ設置には、ともすれば犯罪組織、地域の風紀や青少年への悪影響などの諸懸念もございます。ただ、これらをうまく克服することで地域の雇用や経済活性化に資する有効な手段になると考えられますので、本県への誘致の可能性もまた検討してまいりたいと考えております。
 カジノエンターテインメントの設置については、何よりも県民の理解が重要であります。県民の理解のためには十分な情報の提供ということも大事だろうと思います。したがって、来年度は県民意識調査を実施するとともに県民向けの講演会を開催する、あるいは委員会を開いて県民の方々の意識を喚起し、関心を高めて現状、事実をよく知っていただくということをやってまいりたいと考えております。
○議長(中村裕一君) 企画部長森 崇君。
  〔森 崇君、登壇〕
○企画部長(森 崇君) 携帯電話不感地域の解消と地上デジタル放送へのスムーズな移行についてお答えいたします。
 携帯電話は、今や快適で安全・安心な生活のためになくてはならない通信手段となっております。県といたしましても、不感地域の解消は喫緊の課題であると受けとめておりまして、昨年3月、「和歌山県携帯電話つながるプラン」を策定し、県内146カ所の不感地域を平成19年度から22年度の4年間ですべて解消するとの目標を設定いたしました。このプランに基づきまして、県、市町村及び携帯電話事業者が連帯して取り組みを進めた結果、平成19年度中に43カ所で新たに携帯電話が利用可能となる見込みでございまして、今後も引き続き「つながるプラン」を強力に推進し、不感地域解消に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、地上デジタル放送に関しましては、国の責任で対応すべきとの立場で、議会の皆様方とも歩調を合わせながら、知事みずからも国に対し支援制度の拡充を要望してまいりました。その成果として、国の平成20年度予算案には、共聴施設の改修・新設に対する支援制度の拡充など大幅に改善された内容が盛り込まれることとなりまして、また県におきましても、国の支援制度をより活用しやすくするために、地上デジタル放送の受信状況に関する調査事業を当初予算案に計上させていただいております。
 こうした支援制度の改善により、来年度から県内でも本格的に共聴施設の改修などの地上デジタル放送対策の進展が期待されておりますが、県内の地上デジタル放送が見えない、いわゆる地上デジタル放送難視の計画的な解消に対しましては、各市町村との綿密な情報交換と連携が重要であり、県といたしましては、和歌山県地上デジタル放送推進連絡会等の場において各市町村との協議を行った上で、今後の進め方を検討してまいります。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 知事室長曽根義廣君。
  〔曽根義廣君、登壇〕
○知事室長(曽根義廣君) 文化芸術振興とその活用、保存についての2点にお答えいたします。
 まず、文化芸術振興条例についてでございますが、本議会に提案しております和歌山県長期総合計画(案)にお示ししているとおり、県民の皆様の文化芸術活動を振興し、文化で元気な地域づくりを図るために県が取り組んでいく施策の基本方向を明らかにし、関連事業を総合的に進めていくための新たな文化振興の条例を平成20年度中に策定したいと考えております。策定に当たっては、多くの皆様方の御意見をいただきながら、本県の多様で豊かな文化資源を生かした独自性のある条例づくりに努めてまいります。
 続きまして、県民に親しみやすい文化芸術への工夫についてでございます。
 本県では、これまで県民文化祭開催事業や県美術展覧会事業など、県内各地において実施する文化振興事業を通じて県民の皆様に文化芸術の鑑賞機会を提供してきたところでございます。さらに、平成19年度からは、こうした事業を県民参加型事業へと切りかえるなど、より親しみやすくなるよう取り組んでおります。平成20年度におきましては、民間団体や県民の皆様との連携により事業を企画実施する新たな制度も導入する予定でございます。
 このような取り組みにより、県民の皆様の文化芸術活動の支援と環境づくりをさらに進め、県内全体が文化の薫りあふれる地域となるよう努めてまいります。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 教育関係、まず、きのくに共育コミュニティの形成についてお答えいたします。
 社会が著しく変化し、住民の価値観が多様化する中、子供の規範意識や道徳性の低下、いじめや不登校、学力や体力の課題等、さまざまな教育課題が提起されておりまして、学校だけでは解決できない状況や、家庭や地域の教育力が低下している状況もございます。
 これまでの学校、家庭、地域の3者は、どちらかといえば個々の会議や行事を実施するために集まるという関係がほとんどでありました。これからは、それぞれがお互いに学び合い、育ち合うという新しい関係づくりが必要であるということから、3者の意識やあり方が変わっていくための基盤といたしまして、きのくに共育コミュニティを形成してまいります。お互いが共通理解を図り、同じ方向に向かって大人と子供がともに育ち、育て合うことを願い、「キョウイク」は「共に育つ」という漢字を当てたいと思います。
 本県では、こうした取り組みを先進的に進めている例として田辺市がございます。田辺市では、市内11カ所で学校、家庭、地域、PTA等各種団体、NPO、公民館等の関係者が集まりまして地域シンポジウムを開催し、不登校の克服なども含め、現状や課題を共有し合い、解決の方向を見出し、学校と地域が一体となった取り組みを始めてございます。このような先進的な事例を参考にしながら、全県的に展開をしてまいりたいと考えております。
 具体的には、学校、家庭、地域の願い、思い、あるいは悩みを出し合い、課題を共有するために、県内全市町村において共育フォーラムを実施いたします。また、各地域には子供に熱心にかかわってくださっている方が必ずおられます。こういった方に学校と地域との連絡調整を図るコーディネーターをお願いし、3者が共同して、通学路の安全確保や地域人材を活用した授業、豊かな体験活動等、さまざまな教育活動を推進していきたいと考えます。
 この共育コミュニティの取り組みを通して、学校と地域双方の活力を高め、郷土への愛着と誇りを持ち、自信と夢のある子供を育てる関係を実現してまいりたいと考えます。
 次に、子供の体力についてお答えいたします。
 体力低下の原因には、さまざまな要因が考えられます。大きな要因の1つに、運動する機会の減少が考えられます。都市部では、子供が安全に活動できる空間の減少や、子供の安全面を考慮して車での送迎が増加傾向にあります。地方においてもスクールバスでの登下校が増加するなど、子供たちの1日に何歩歩いたかという総歩数が以前と比べてかなり減少をしております。また、学校体育において、子供たちへの意識づけや運動の指導に不十分さがあるのではないかということも懸念してございます。
 そこで、本県では、平成16年度から3年間、モデル地域を選定いたしまして、子どもの体力向上実践事業として、学校、家庭、地域が連携し、子供の運動機会の充実や保護者の体力に対する意識改革を図る取り組みを実施いたしました。その結果、体力向上プログラムを実践した学校とそれ以外の一般校の比較において、明らかに実践校に体力の向上が見られたため、この成果を県内の体育主任者会議等で実践例と提示をいたしました。
 また、幼児を対象とした体力づくりのための調査研究を本年度からスタートさせるとともに、体力づくりに主体的に取り組めるよう、きのくにチャレンジランキング事業を本年度創設いたしました。加えて、元気アップ親子セミナー等を開催し、親と子が一緒にセミナーや運動に参加する機会を提供しまして、運動習慣の確立を図ってございます。
 今後も、学校を核とした体力づくり、体力に対する意識改革、学校、家庭、地域、行政が連携した運動機会の提供、この3つを柱として子供の体力向上に取り組んでまいりたいと考えます。
 続きまして、食の安全・安心と地産地消についてでございます。
 子供たちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身につけていくためには、何よりも食が重要であると考えます。
 県食育推進計画におきましても、子供の朝食の欠食率ゼロを目指すとともに、学校給食における地場産物を使用する割合を平成23年度までに40%に増加させるという目標を掲げて取り組んでおります。具体的には、モデル地域において、生産者等の協力のもと、学校給食に地場産物や米飯を積極的に取り入れ、これらを生きた教材として食に関する指導実践を行ってきたところでございます。また、生活習慣に基づく食育アンケート調査を実施しまして、朝食欠食ゼロに向けた取り組みも行っております。平成20年度には、和歌山市において栄養教諭を中心に子どもの健康を育む総合食育推進事業を実施する予定となってございます。
 今後も、新政策のきのくに共育コミュニティの形成の中で、学校、地域や家庭が連携した食育の課題も取り入れ、食育を推進してまいりたいと考えます。
 次に、小中学校の統廃合についてお答えいたします。
 近年の少子化に伴う小中学校の統廃合などにより県内の学校数は減少してきておりまして、過去10年間に減少した公立の小学校は32校、中学校では10校となってございます。来年度は、新たに小学校で9校減少する見込みでございます。
 小中学校の児童生徒数は過去10年間で約2万人減少し、また、今後10年間で約1万人減少するということが見込まれております。これに伴いまして小中学校数も引き続き減少することが予測されますけれども、統廃合につきましては、小中学校の設置者である市町村が地域住民と協議をしながら決定していくということでございますし、児童生徒数や通学の利便性などについても、各地域での状況が異なるため、統廃合の予測を具体的にお示しすることは難しいと存じます。
 県教育委員会としましては、公立小中学校の適正規模化について、教育的な視点から検討する必要があるということを示しまして、市町村が積極的に小中学校の適正規模化に取り組む際には、今後も引き続き支援をしていくこととしてございます。
 次に、文化財の火災に対する備えについてでございますが、県内で国宝、重要文化財として国指定されております建造物は、石づくりのものなどを除き、対象となる木造建造物は73件でございまして、警報設備につきましては、71件に設置され、未設置は2件となっております。また、消火設備につきましては、69件に設置され、未設置は4件となってございまして、ほぼ設置が進んでいると把握してございます。
 なお、未設置の建造物につきましては、現在、修復保存事業を行う中で設置を進めているものもあり、今後とも、所有者に対しまして設備の改修も含め、設置を働きかけてまいりたいと考えてございます。
 次に、地震対策につきましては、阪神・淡路大震災以降、根本的な修理を行う際には耐震補強に配慮することとなってございまして、震災以降、これまでに5件の国指定建造物が耐震に配慮した補強を実施済み、または実施中でございます。また、そのほかにも解体修理などを行ったものにつきましては、一定の耐震性能の向上が図られたものと考えられ、県内では約8割の国指定建造物が解体修理等を実施済みまたは実施中でありますが、対策としてはまだ十分ではないと把握してございます。
 しかしながら、他の耐震補強が実施されていない国指定建造物につきまして、耐震診断方法や具体的な補強方法が確立されていない現状である上、所有者の相当な負担も見込まれるということから、早急に耐震補強を進めにくい状況でもございまして、対応に苦慮しているところでございます。
 今後は、文化庁による耐震診断のための補助事業の活用を視野に入れながら、文化財としての価値を損なうことのない補強方法について、文化庁初め関係機関と協議しながら、建造物等の文化財の耐震、防災対策を粘り強く推進してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再質問を許します。
 24番多田純一君。(拍手)
○多田純一君 るる御答弁いただきました。その中で、過疎集落の対策ということで再質問さしていただきたいと思います。
 過疎集落の対策として、待ったなしの状況下に置かれてるということは、もう十分認識していただいていると思うんですけども、よりスピーディーなというんでしょうか、早急な強化策を再度お願いしたいと思います。
 そして関連して、地上デジタル放送、2011年問題ですけども、あと3年しかないんですね。2008年度予算で、先ほど御説明ありましたように、調査費が計上されていますということです。調査は、現在電波が届いている地域だけの調査になっていくんですね。届いてない地域は2009年度以降の調査ということになってしまいますんで、先ほど御紹介さしていただいた旧清水町なんかは届いている地域なんですけども、総務省の計算では、難視世帯は1420世帯ということになっております。でも、現地では2017世帯全部が対象になるんじゃないかというふうに認識をされてるようです。その精査等も今後しなけりゃいけないと思います。
 また、その調査、それから精査をしながら各地域ごとに、ケーブルテレビがいいのか、また、その医療など遠隔操作ができるような、可能な光ファイバーがいいのか、これもそれぞれの集落ごとにヒアリングを行うということで、そのヒアリングを行って初めて予算化し、やっと工事に着手できると、こんなふうに思うんですね。2011年待ったなしということであれば、県としても国に強く働きかけるべきだと思いますし、その御意思を再度確認したいと思うんです。
 知事もこれまでみずからいろんな形で国に対しても働きかけてきたと存じますけども、県民が安心できるような知事の御答弁をお聞かせいただきたいと思います。
 それから、子供の体力・運動向上の問題ですけども、先ほどいろいろ図表をお示しさしていただきました。これは県教委のほうがおつくりいただいた資料でございますので、十分把握していただいてると思うんですけども、このままではいかんということなんです。体力・運動能力が低下してくると気力まで低下しますし、学力への影響も、これは必至だというふうに思います。すべてに影響してくるということが懸念されますし、先ほど新年度、新施策としてきのくに共育コミュニティというのを今年度、平成20年度の柱というふうにお話しされていました。
 その中で言うと、やっぱり地域とか、またPTAとか保護者の方とかいうことで巻き込みながらということはわかるんですけども、そのためには情報提供、どういう状況になってるのか、各学校ごとの課題はどうなのか、学力はどうなのか、体力はどうなのか、いじめとか不登校の状況はどうなのかという問題については、これは何度も御指摘さしていただきましたけども、なかなか情報を提供されてないということがあると思うんですね。
 山口教育長が就任されてからはや1年たちますけども、県内を回り、教育上の課題や問題点がはっきりしてきておられると思いますんで、ぜひこの諸課題について強い意思を持って改革をお願いしたいと思います。これは要望とさしていただきます。
 それから3点目に、文化財保護の観点からお聞きしました。国指定建造物76件、そのうち5件が耐震補強を実施済み、あとの71件については十分ではないし、これから診断、補強も未定ということでございます。全国的にもこの問題につきましては懸念されておるところでございますけども、国との協議を一日も早く急いでいただいて早く検討をしていただくように、強くこの点も要望さしていただきます。
 以上、要望2点と、再質問1点、知事にお答えいただきたいことを申し上げまして、質問とさしていただきます。
○議長(中村裕一君) 以上の再質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 地上デジタル放送への移行に関しましては、これは明らかに国の政策転換によって発生したものであると。国が責任を持って対応すべきである、そういうふうに強く私も思っております。と申しますのは、アナログからデジタルに移る、これを決めたのは国でございますし、それからアナログはもう打ち切ってよろしいというふうに決めたのも国であります。したがって、ようやくアナログ波が見えるようになった、そういう山間部の住民の方にまた新しく過大な負担を強いるということは、国の立場としておかしいであろうというようなことを思いまして、たまたま議員御指摘のデータが出たときに、急いで総務省や財務省に要望活動を行ってまいった次第でございます。
 ただ、それは国の責任でとはいえ、和歌山県あるいは市町村もそれぞれ自分の持ってる資源、あるいは持ってる資産で御協力をして、一緒にやらしていただくということにはやぶさかではありませんということも申し上げました。
 こういう基本的な立場は、増田大臣を初め総務省あるいは財務省の方々もよく理解していただけたんではないかと思います。増田大臣に関しては、具体的に2人で話し合ったときに「よくわかってる」というふうにおっしゃっていました。その結果、平成20年度予算では、先ほど森部長から答弁がありましたとおり、19年度と比べると物すごい差のあるような助成策、支援策に大幅な改善があったというふうに認識しております。
 今後は、この改善された各支援策が県内における難視対策に確実に活用できるように、国の支援も得つつ市町村とも連携しながら早急に取り組んでいくということが必要ではないかと思います。
 また、最後のところ、これはもうじき期限が来ますので、それを一生懸命我々も努力をしてやった結果、最後のところをどうしようもなくなるというようなときには、これはまた国の責任で最後はきちんとやってくださいよというようなことはもう既に申し上げておりますが、改めてそれも申し上げて、地方あるいは地方に住んでいる住民、この方々が過大な負担を強いられるということがないように努力してまいりたいと思います。
 こういう取り組みによりまして、県内のあらゆるところでテレビが見られなくなるということをぜひ防ぎたいというふうに私としては考えております。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 所定の時間が参りましたが、再々質問されますか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 以上で、多田純一君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後3時3分散会

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