平成19年12月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(全文)


県議会の活動

平成19年12月
和歌山県議会定例会会議録
第7号
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議事日程 第7号
 平成19年12月19日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第153号から議案第177号まで、並びに請願5件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第2 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
 第3 特別委員会閉会中継続審査の件
 第4 議員派遣の件
 第5 意見書・決議案
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会議に付した事件
 第1 議会運営委員定数変更の件
 第2 議会運営委員選任の件
 第3 議案第153号から議案第177号まで、並びに請願5件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第4 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
 第5 特別委員会閉会中継続審査の件
 第6 議員派遣の件
 第7 意見書案
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出席議員(46人)
 1番 泉 正徳
 2番 山本茂博
 3番 前芝雅嗣
 4番 浅井修一郎
 5番 吉井和視
 6番 向井嘉久藏
 7番 門 三佐博
 8番 町田 亘
 9番 川口文章
 10番 平木哲朗
 11番 花田健吉
 12番 須川倍行
 13番 大沢広太郎
 14番 谷 洋一
 15番 平越孝哉
 16番 下川俊樹
 17番 岸本 健
 18番 山下大輔
 19番 尾崎太郎
 20番 藤山将材
 21番 新島 雄
 22番 山下直也
 23番 井出益弘
 24番 宇治田栄蔵
 25番 多田純一
 26番 中 拓哉
 27番 角田秀樹
 28番 江上柳助
 29番 山田正彦
 30番 坂本 登
 31番 尾崎要二
 32番 中村裕一
 33番 服部 一
 34番 片桐章浩
 35番 原 日出夫
 36番 藤本眞利子
 37番 長坂隆司
 38番 玉置公良
 39番 小川 武
 40番 冨安民浩
 41番 奥村規子
 42番 松坂英樹
 43番 藤井健太郎
 44番 雑賀光夫
 45番 野見山 海
 46番 松本貞次
欠席議員(なし)
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        原 邦彰
 知事室長       曽根義廣
 危機管理監      杉本雅嗣
 総務部長       小濱孝夫
 企画部長       森 崇
 環境生活部長     楠本 隆
 福祉保健部長     井畑文男
 商工観光労働部長   永井慶一
 農林水産部長     下林茂文
 県土整備部長     茅野牧夫
 会計管理者      小倉正義
 教育委員会委員長   樫畑直尚
 教育長        山口裕市
 公安委員会委員長   大岡淳人
 警察本部長      鶴谷明憲
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     垣平高男
 選挙管理委員会委員長 山本恒男
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       山本庄作
 次長         植野博文
 議事課長       薮上育男
 議事課副課長     土井敏弘
 議事班長       吉田政弘
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      石垣悦二
 議事課主査      瀧川泰治
 総務課長       下出喜久雄
 調査課長       佐本 明
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  午前10時0分開議
○議長(中村裕一君) これより本日の会議を開きます。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前10時0分休憩
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  午後1時0分再開
○議長(中村裕一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 お諮りいたします。議会運営委員定数変更の件を本日の日程に追加し、これより直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 議会運営委員定数変更の件を議題といたします。
 お諮りいたします。議会運営委員の定数につきましては、現行の13人から14人に変更いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 お諮りいたします。議会運営委員選任の件を本日の日程に追加し、これより直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 議会運営委員選任の件を議題といたします。
 お諮りいたします。議会運営委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により山下大輔君を指名いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、山下大輔君を議会運営委員に選任することに決定いたしました。
 日程第1、議案第153号から議案第177号まで、並びに今期定例会の請願4件、継続審査中の請願1件、計5件を一括して議題とし、順次、常任委員会委員長の報告を求めます。
 経済警察委員会委員長藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(藤山将材君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案2件であります。
 委員会は、12月14日、第3委員会室において開催し、公安委員会、商工観光労働部・労働委員会の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第153号及び議案第166号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、公安委員会関係では、親族や家族間における凶悪事件の発生状況について、家庭内問題の相談体制について、銃器の許可状況、事件・事故の発生状況と事故防止対策について、警察犬の育成と競技会の誘致について、飲酒運転の取り締まりについて、商工観光労働部・労働委員会関係では、和歌山市の中心市街地活性化について、海外向け観光プロモーション等について、企業立地促進法に基づく国の支援策と県における基本計画について、わかやま中小企業元気ファンドについて、旧白浜空港跡地の利用計画について、企業誘致に係る情報の共有についてただされました。
 以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○議長(中村裕一君) 農林水産委員会委員長山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(山田正彦君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案1件であります。
 委員会は、12月14日、第4委員会室において開催し、農林水産部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第174号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問事項を申し上げますと、農業試験場の建てかえについて、農産物の輸出振興について、気象変動に対応した試験研究について、紀の国森づくり基金の活用方法について、企業の森の効果と市民参加について、木質バイオマスの利活用について、中山間総合整備事業の実施状況について、紀の川左岸広域農道の事業実施状況について、緑の雇用の今後の取り組み方針について、クエの種苗生産の取り組みについて、新長期総合計画における農林水産業の基本方針について、鳥獣被害防止対策の後継者に対する表彰について、森林吸収源対策の取り組み状況、今後の見通しについてただされました。
 また、このほか、平成15年度の機構改革により、県土整備部に移管した農林道事業を農林水産部へ戻してはどうか、それから、農業試験場の創立──明治40年4月(1907年)に発足した農業試験場が100周年を迎えることについての100周年記念イベントを開催してはどうかとの委員からの意見があり、議論を交わしました。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(中村裕一君) 建設委員会委員長野見山 海君。
  〔野見山 海君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(野見山 海君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案8件、請願は新規受理分1件、前会からの継続審査分1件であります。
 委員会は、12月14日、第5委員会室において開催し、県土整備部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査をいたしました結果、議案第153号、議案第169号から議案第172号まで、及び議案第175号から議案第177号までは全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第5号は採択すべきものと決し、議請第1号は継続審査すべきと決しました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、入札制度改革等について、河川整備計画等について、二川ダムの水利権の更新について、議案第169号訴訟の提起について、紀の川右岸の民家からの地下水噴出について、電線地中化の整備状況について、建築基準法改正後の建築確認について、道路特定財源の暫定税率について、プレジャーボートの対策について、紀の国マイロード事業について、入札参加業者に係る市町村との情報共有について、県道和歌山橋本線、橋本五條線、志賀三谷線、泉佐野岩出線の進捗状況について、高速道路のトンネル内の渋滞、事故対策について、国道480号の府県間トンネルの国交省直轄代行事業と花坂─高野山間のカーブ解消について、紀の川左岸農道の現状と新規採択についてただされました。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願いいたします。(拍手)
○議長(中村裕一君) 文教委員会委員長坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(坂本 登君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案4件、請願は新規分1件であります。
 委員会は、12月14日、第6委員会室において開催し、当局から付託案件等について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第162号、議案第163号、議案第164号及び議案第165号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第4号は継続審査すべきものと決しました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げます。教育事務所の廃止に伴う市町村教育委員会との連携強化について、教員及び派遣主事等の適正配置について、適切な進路指導の徹底について、特別支援教育支援員の適正配置について、少人数学級に取り組む市町村への支援について、海南高校と大成高校の統廃合に伴う教員定数の確保について、特別支援学校の大規模化対策について、管理職の広域人事について、授業料の値上げについて、全国学力調査結果の公表についてただされました。
 以上をもちまして、文教委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(中村裕一君) 総務委員会委員長須川倍行君。
  〔須川倍行君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(須川倍行君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案10件であります。
 委員会は、12月14日、第1委員会室において開催し、出納局、人事委員会事務局、監査委員事務局、選挙管理委員会、知事室、企画部、総務部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第167号は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決し、議案第153号から議案第159号まで、議案第168号及び議案第173号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、人事委員会事務局関係では、職員に関する条例の改正に係る人事委員会の意見について、人事委員会の給与勧告内容について、職員の採用試験について、知事室関係では、知事公舎の使用状況について、企画部関係では、JR和歌山線の活性化について、総務部関係では、職員の給与改定と人事委員会勧告について、議案第167号について、新長期総合計画と財政見通しとの関係について、知事公舎について、津波対策のための水門の遠隔操作について、不正行為等通報の状況について、新たな行財政改革推進プランについてただされました。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願いいたします。(拍手)
○議長(中村裕一君) 福祉環境委員会委員長花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会委員長(花田健吉君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案2件、請願の新規受理分2件であります。
 委員会は、12月14日、第2委員会室において開催し、福祉保健部、環境生活部の順に当局から付託案件等について説明を聴取した後、慎重に審査しました結果、議案第160号及び議案第161号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第3号は継続審査すべきものと決し、議請第6号は採択すべきものと決しました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、福祉保健部関係では、子供を虐待から守る条例について、肝炎対策について、がん対策について、保健医療計画の策定状況について、基準病床数の削減に伴う影響について、療養病床の再編について、後期高齢者医療制度の保険料等について、難病等による入院の際のサポート体制について、里親委託の推進について、福祉保健部所管福祉施設における指定管理者による運営状況について、妊婦健診の公費負担の充実について、医師確保について、インフルエンザ予防対策について、次に環境生活部関係では、橋本市産廃処理場跡地の利用について、県産リサイクル製品の利用促進について、ペットボトルのリサイクル促進について、食の安全性の確保について、HACCP普及の取り組みについて、グリーン購入について、多重債務者問題に係る金銭教育の重要性についてただされました。
 以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(中村裕一君) 以上で、常任委員会委員長の報告が終わりました。
 これより委員長の報告に対する質疑に入ります。
 質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 質疑なしと認めます。
 次に、討論に入ります。
 まず、松坂英樹君から反対討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 42番松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕(拍手)
○松坂英樹君 日本共産党県議団を代表して、議案第167号に対する反対討論を行います。
 議案第167号は和歌山県使用料及び手数料条例の一部を改正する条例案ですが、その主な内容は、県立高等学校などの授業料値上げを提案するものです。これにより、県立高校全日制、県立高等看護学院、県立なぎ看護学校、農業大学校の授業料は、年間11万5200円から3600円アップの11万8800円に、また定時制高校は年間1万8000円が2万1000円に、通信制が1単位170円が200円にそれぞれ値上げされることになります。
 経済的理由などから授業料の減免を受ける家庭が増加傾向にあり、平成18年度は7.8%にも達しています。同様に、授業料未納者、小中学校での就学援助世帯もふえてきています。また、PTA会費を初めとする諸会費、入学時の納入金、クラスでの集金など、学校で集金する各種の保護者負担も多額に上り、値上げ傾向にあります。
 保護者の経済状況を見れば、長引く不況と格差社会の影響による貧困のすそ野が広がっており、子育て世代の収入は低下し、一層の子育て支援策が望まれている状況です。加えて、この冬は原油高騰による石油製品の値上がり、食料品を初めとする諸物価の高騰が家計を一層圧迫しています。
 また、看護学校や農業大学においては、看護師不足のもとでの看護師養成、県内農業後継者の育成などの点からも賛成できません。
 以上述べましたように、このような厳しい経済状況を考慮すれば、3年ごとに値上げをするというような機械的な授業料値上げはやめるべきであり、本議案には反対をするものです。
 以上で、反対討論を終わります。(拍手)
○議長(中村裕一君) 次に、中拓哉君から反対討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 26番中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)
○中 拓哉君 公明党県議団を代表しまして、議案第167号和歌山県使用料及び手数料条例の一部を改正する条例に反対の立場から討論させていただきます。
 この条例は、和歌山県立高等学校、和歌山県立高等看護学院、和歌山県立なぎ看護学校及び和歌山県農業大学校の授業料の額の改定を行おうとするものであります。
 議案第167号の県立高等学校の授業料等の値上げで県民負担は明らかに増加し、県民生活を圧迫することは決して好ましいことではございません。
 県統計課の毎月勤労統計調査によりますと、本県の勤労者の現金給与総額は年々減り続けております。事業所規模5人以上の現金給与総額は、平成17年と18年を比較した場合、マイナス3.5%となっております。さらに、県統計課の「県民経済計算年報」によりますと、県民所得の雇用者報酬の中の賃金、俸給も年々減少しております。また、総務省統計局の「家計調査年報」によりますと、特に和歌山市の勤労者世帯の世帯主収入は、平成15年、月額で45万6000円であったものが平成17年では37万5000円と、8万1000円もの減収となっております。平成19年度の「和歌山県のすがた(100の指標からみた和歌山)」でも、1世帯当たりの年間収入は、94年、全国36位であったものが04年で全国39位となっております。
 長引く不況のもとで、家計の困窮により、自治体の多重債務対策に関する全国調査の授業料被免除生徒の割合を見ますと、本県の県立高校生徒の8.5%が授業料の減免を受けており、全国第11位であります。1位は大阪府であります。減免を希望しても収入面で基準を満たさず認められなかった生徒も多数います。また、毎月の授業料が滞りがちな家庭も必死の思いで頑張っています。今回の授業料値上げは家庭にさらなる負担を求めるものであり、現在の厳しい家計の状況を思いやると到底認められないのであります。
 全国で一番授業料の安いのは鳥取県であります。鳥取県は、平成12年の鳥取県西部地震で授業料が据え置かれておりましたが、昨年、年間授業料を全日制11万1600円、定時制3万1200円、通信制1単位290円にそれぞれ値上げしましたが、県民所得の伸び率などを勘案して、98年度から据え置いた上で、教室の冷暖房完備など設備投資との関係で受益と負担の公平の確保の観点から見直しが必要になったとして圧縮しているのであります。
 今日、高校進学率が97%を超え、半ば義務教育の状況に近くなっているもとで、県立高等学校の授業料の免除制度がこの4年間で2061人から2217人と156人の増加になっていることを見れば、授業料免除制度の充実・拡充を図り、子供たちの学習権の保障こそ大切であります。
 県立高等学校の授業料の料金改定は、諸般の情勢から検討することが十分できるところでございます。改定料金は必要最低限を旨として、生活関連料金の据え置き、また生徒、社会的に弱い立場にある人々への配慮、段階的対応措置等を含めて具体化するとともに、県民所得が年々減少する中で家計への負担を考慮すべきであると考えます。今こそ地方自治の本旨に立ち返り、きめ細かい、ぬくもりのある対応措置を講ずるべきだと思います。
 今回のこの使用料改定では、高等看護学院、なぎ看護学校、農業大学校も県立高等学校と足並みをそろえて授業料の値上げを上程されていますが、地財計画上算定の対象となるのは高校のみとのことでございますから、高等看護学院、なぎ看護学校、農業大学校を高校と同列に扱い、年3600円の負担増を強いる必然性はございません。その証拠に、同じく授業料を徴収すべき産業技術専門学院の授業料、入学金はそれぞれ11万5200円、5650円と据え置かれたままであります。
 和歌山県使用料及び手数料条例第1条「行政財産の使用及び施設の利用又は特定の者のためにする事務については、(中略)この条例の定めるところにより、使用料及び手数料を徴収する。」と規定する条文に照らせば、県が管理する施設を県民である高校生が利用し提供を受けるサービスと同じ対応で同じように利用する産業技術専門学院の利用者が別の料金でよしとする正当な理由は見当たりません。負担の公平の原則に背き、県民への説明責任を果たせません。
 したがって、議案第167号和歌山県使用料及び手数料の一部を改正する条例案に反対することを表明し、反対討論といたします。(拍手)
○議長(中村裕一君) これをもって討論を終結いたします。
 これより採決に入ります。
 まず、議案第167号を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(中村裕一君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第153号から議案第166号まで及び議案第168号から議案第177号までを一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(中村裕一君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、請願5件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。本請願をいずれも委員長の報告のとおり決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、本請願はいずれも委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に日程第2、常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件を議題といたします。
 お諮りいたします。お手元に配付しております「継続審査を要する所管事務調査件名表」及び「継続審査を要する担任事務調査件名表」のとおり、それぞれ閉会中の継続審査として付議することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に日程第3、特別委員会閉会中継続審査の件を議題といたします。
 お諮りいたします。人権・少子高齢化問題等対策特別委員会、防災・環境問題等対策特別委員会、行政改革・基本計画等に関する特別委員会、半島振興・交通・産業振興対策特別委員会、予算特別委員会及び議員定数等検討特別委員会に付議されたそれぞれの問題について、さらに閉会中の継続審査とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に日程第4、議員派遣の件を議題といたします。
 お諮りいたします。本件については、会議規則第113条の規定により、お手元に配付しております文書のとおり議員を派遣いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に、日程第5に入ります。
 まず、和議第13号「地方議会議員の位置付けの明確化に関する意見書(案)」を議題といたします。
  〔退場する者あり〕
○議長(中村裕一君) 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、提出者の説明等を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 和議第13号を採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(中村裕一君) 起立全員であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
  〔入場する者あり〕
○議長(中村裕一君) 次に、和議第14号「新テロ対策特別措置法の早期制定を求める意見書(案)」及び和議第15号「道路特定財源の暫定税率の維持と道路財源の確保を求める意見書(案)」を一括して議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、いずれも提出者の説明、質疑及び委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に、討論に入ります。
 藤井健太郎君から反対討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 43番藤井健太郎君。
  〔藤井健太郎君、登壇〕(拍手)
○藤井健太郎君 日本共産党県議団を代表して、和議第14号、和議第15号について反対の立場から討論いたします。
 和議第14号は、「新テロ対策特別措置法の早期制定を求める意見書(案)」であります。
 新テロ対策特別措置法は、テロ対策特別措置法が失効したことを受け、政府が新たに国会に提出したもので、衆議院で可決、現在、参議院で審議が進められているものです。私たちは、この法案は、日米同盟を最優先させ、米国の進めるテロ報復戦争への支援であり、憲法で禁じる集団自衛権の行使に当たるとして反対の立場を表明してきました。
 政府は、インド洋でのテロ対策海上阻止活動を行う艦船に限定して燃料などの補給を行うと言ってまいりましたが、国会審議の中で、複数の任務につく米軍艦船への補給を除外しないと答弁、米軍のあらゆる作戦についての活動支援につながるものとなっています。テロは許せない暴挙でありますが、テロ根絶に有効な手段となっているのかどうか、疑問に思うところです。
 この6年間、テログループに対し、空爆など戦争で対応したことにより、罪のない多くの市民が傷つきました。そのことがアフガン情勢の泥沼化をつくり出しています。現在、アフガンでは、テロリストではない反政府勢力との政治的対話への道が模索され、アフガン国会は軍事作戦の中止を決議しました。日本の国際支援のあり方として、軍事作戦への支援ではなく、和平の方向の支援を強めていくことが必要だと考えます。
 したがって、テロ報復戦争の支援につながる立法化には反対するものです。
 次に、和議第15号「道路特定財源の暫定税率の維持と道路財源の確保を求める意見書(案)」についてです。
 道路は、言うまでもなく、地域の産業や文化、住民の生活を支える社会資本、公共資本であり、整備の促進が求められています。和歌山県は、一般国道、県道、市町村道の道路改良率が平成14年4月で40.4%と、全国46位と立ちおくれた状況となっています。また、高速道路など県内の基幹道路建設のおくれが、医療機関への搬送のおくれや、災害時には地域の孤立化を招く要因となることもあります。県内の道路整備を初め、公共交通を守り発展させるための総合交通政策の推進が必要です。
 では、その財源をどこに求めるのか。意見書案は、10年間、暫定税率を延長し、道路財源として確保することを求めています。
 道路整備のための道路特定財源は、国道と都道府県道の舗装率が5%しかなかった半世紀前に臨時措置法としてスタートしています。現在では舗装率が97%を超えており、目的は一応達したこととなります。道路整備のための特定財源方式が継続されることにより暫定税率が上積みされ、今日に至っています。暫定税率の維持と原油高騰も相まって住民生活や中小商工業者の経営が直撃されてるときに、今後10年間、暫定税率を維持し続けることについては、県民の理解を得られるものではありません。
 地方での特定財源は、本県においては97億円で、国庫支出金、臨時交付金を合わせて254億円となっています。これは道路経費の半分にも満たず、道路経費の53%は一般財源が担っています。また、これまでの道路整備の状況を見てると、特定財源方式が地方の道路整備の拡充にストレートにつながっていないことも指摘できます。
 国の道路予算では、三大都市圏環状道路の整備が最優先され、大都市への人口や富の一層の集中を招き、地方都市での道路建設や道路改築、維持補修などが減らされ、地域の生活に密着した道路予算が削減されています。
 道路特定財源は、国が3兆4000億円、地方で2兆2000億円が確保されていますが、国の公共事業予算の抑制で特定財源が余り、政府自身が見直しを言い出してる中で、このたび国土交通省が発表した道路の中期計画では税収を超える事業計画となって、税収に合わせた道路づくりが今後も続けられる仕組みとなっています。これまでに、本州四国連絡橋公団が抱える3兆5500億円の債務のうち1兆3400億円を国の負担で返済するという過大な事業計画が招いた赤字の穴埋めにも使われてまいりました。
 この道路特定財源のあり方、使われ方こそが問題であり、道路特定財源方式と暫定税率がこのまま続かなければ和歌山の道路整備は成り立たないという論法では、現行特定財源下での本県の道路整備のおくれは説明がつきません。真に必要とする道路整備の予算は一般財源とし、本県が必要とする道路予算について、道路特定財源の枠にこだわらず国の措置を求めるとともに、地方財政を切り捨てる構造改革路線の転換を求めていくことが必要だと考えます。
 以上で、反対討論を終わります。(拍手)
○議長(中村裕一君) これをもって討論を終結いたします。
 これより採決に入ります。
 まず、和議第14号を採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(中村裕一君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
 次に、和議第15号を採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(中村裕一君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
 次に、和議第16号「いじめ・不登校対策のための施策を求める意見書(案)」、和議第17号「『地域安全・安心まちづくり推進法』の早期制定を求める意見書(案)」、和議第18号「『水質汚濁防止法による排水基準を定める省令』の対象業種から旅館業を取り除くよう求める意見書(案)」、和議第19号「防災対策の強化を求める意見書(案)」、和議第20号「漁業用燃油価格の高騰に対する緊急対策を求める意見書(案)」、和議第21号「偏在する地方税財源の格差是正を求める意見書(案)」及び和議第22号「割賦販売法の抜本的改正に関する意見書(案)」を一括して議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、いずれも提出者の説明等を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 和議第16号から和議第22号までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。本案をいずれも原案のとおり決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、和議第23号「国民皆保険制度等に関する意見書(案)」及び和議第24号「改正建築基準法の施行の円滑化を求める意見書(案)」を一括して議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、いずれも提出者の説明、質疑及び討論を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 和議第23号及び和議第24号を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。本案をいずれも原案のとおり決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 御異議なしと認めます。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 以上で、今期定例会に付議された諸案件の審議はすべて終了いたしました。
 年末多端の折、各位の連日の御精励を心から感謝いたします。
 どうか健康に留意され、来る年も県勢発展のためにますます御活躍されますことを心からお祈り申し上げます。
 これをもって、平成19年12月定例会を閉会いたします。
  午後1時39分閉会

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