平成19年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(藤山将材議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 20番藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕(拍手)
○藤山将材君 4番バッターと言えば聞こえはいいですが、本日のラストバッターを務めさしていただきます。皆さんお疲れのところだとは思いますが、できるだけ質問は簡素につくってきたつもりでございます。当局の皆さんにおかれましては、何とぞ前向きな御答弁、よろしくお願いを申し上げます。
 では、議長のお許しをいただきましたので一般質問に入りたいと思いますが、質問に先立ちまして御報告申し上げます。
 去る10月18日、中村裕一議長を団長に、浅井修一郎議員、花田健吉議員と私は中国陝西省の西安市を訪問してまいりました。その目的は、西安中学の創立100周年記念式典に出席をし、また、翌19日から大連市で開かれるアジア観光博覧会を視察するためであります。
 西安中学校と和歌山県立日高高校は姉妹校となっており、山下眞玄校長御夫妻に記念式典の御案内をいただいたからでありますが、日高高校は中村議長や冨安議員、花田議員の母校でもあり、西安市の要請もあり、同行することになりました。
 そもそもこの西安中学校と日高高校が姉妹校となるきっかけとなったのは、3年前、全国で公募された海外短期留学生の1人に日高高校の女子生徒が選抜され、西安中学校に派遣されたことに始まります。この女子生徒は、成績も大変優秀だったこともさることながら、日本人としての品格や礼儀正しさに西安中学校の関係者が大変驚かれ、高く評価をしてくださり、ぜひ出身校である日高高校と交流を図りたいとの親書が届いたことから始まったとお聞きをいたしております。
 通常、姉妹都市や姉妹校等の提携は、政治、行政上の意図や都合により結ばれることがほとんどではないかと思いますが、まさしくこの姉妹校の提携は、本県の1人の女子高生が心で結んだ友好のきずなであり、大変貴重なケースだと言えます。
 一昨年に締結し、昨年は日高高校の生徒が西安中学校のお世話でホームステイをさしていただき、中国の文化や歴史、生活等、充実した体験学習ができ、すばらしい成果を上げたと聞いております。また、ことしは西安中学校から8名の生徒と教職員が本県を訪れ、友好の輪を広げるとともに、世界遺産である高野山、白浜のワールドサファリ、また和歌山市においては県庁や和歌山城を訪れ、本県のすばらしい自然に感動し、また和歌山の歴史と文化を学んで帰国されました。
 御承知のとおり、西安は、1200年以上も前に高野山金剛峯寺の開祖であります空海上人が遣唐使として派遣され、修行された唐の都・長安の現在の都市名であります。修行された寺は青龍寺と言いますが、空海上人出身の四国4県で復興され、現在、ゆかりの品々が展示をされております。四国八十八カ所を回られる中でも特に熱心な方は、この青龍寺をゼロ番所と位置づけて、まずこの青龍寺を訪れてから四国の八十八カ所を回られるそうであります。ただ、残念だったのは、せっかく弘法大師が開かれた高野山がある和歌山県がこの青龍寺で全然名前をお聞きできなかったのが、ちょっと残念な気持ちでありました。
 私も、1200年の時を超え、空海上人や当時命がけで海を渡った遣唐使と同じ大地に立っていると思うと、非常に感慨深いものがございました。
 私たち一行は北京経由で西安に入りましたので、到着は夕刻になりました。早速、西安中学校の関係者の皆さんに大変御丁重な歓迎を受け、意見交換の場を設けていただきました。そして、翌日の記念式典は午後3時からでありましたので、午前中は中国が誇る世界遺産である秦の始皇帝陵と兵馬俑を見学いたしました。皇帝の墳墓を守るために地中に建設された、その圧倒的な規模と実物大の精巧な兵馬俑に驚嘆をいたしました。
 さて、西安中学校は中国では大変優秀な進学校として有名であり、たくさんの著名な卒業生を多く輩出しております。生徒数は約4000名もあり、近隣の都市ばかりではなく遠方からも優秀な生徒が集まっており、約3800名の生徒は学生寮に入っていると聞きました。校舎も近年建てかえられた大変清潔感のある校舎で、生徒は礼儀正しく、私たち一行の校内見学の案内役を務めていただきましたが、そのきびきびとした対応や丁寧な説明に大変好感を抱きました。
 そして、100周年記念式典では、中村議長と山下校長が、数千人の聴衆が見守る中、壇上において来賓として御紹介をいただきました。私たちは、次の目的地であるアジア観光博覧会の会場がある大連市に向かわねばならず、その式典終了後、直ちに空港に向け出発をいたしました。
 大連に着いたのは、もう夜の10時を過ぎており、遅い夕食をとり、翌日の博覧会に備えました。同日の夕刻、その大連市では観光博覧会のレセプションが行われておりましたが、中村議長の到着が間に合わないということで、井出益弘議員が代表で出席をしていただきました。
 翌日、井出議員と合流し、県の職員の皆さんに御案内をいただき、観光博覧会の会場に入り、アジア各国のブースを見学さしていただきました。もちろん、日本各地からも出展されていましたが、和歌山県のコーナーは工夫も凝らされており、大変盛況で、中国を初め各国の見学者の方が次々と訪れてパンフレットを持っていかれる様子を見て、改めて本県の観光資源の豊かさを再認識するとともに、さらなるPR活動を繰り広げることにより、まだまだ多くの人々が和歌山を訪れていただけると確信をした次第でございます。
 その日の午後、私たちは大連市役所を訪問し、大連市人民代表大会常務委員会副主任である劉長徳氏や幹部の方々と懇談し、和歌山県と遼寧省大連市が今後さらに観光や経済を通じてよい関係を深め、相互交流の輪を広げていくことで意見が一致いたしました。夜は、お互いの親睦を図るため懇親会を持ち、大変有意義な1日でありました。
 翌日、井出議員の御案内により、遼寧省の省都であります瀋陽市を表敬訪問いたしました。瀋陽市は、「ラストエンペラー」で有名な清国の首都であり、また満州国の中枢都市で有名であります。しかし、当日は書記長である李克強氏が全国人民大会出席のため北京に行っておられ、副市長ほか幹部の皆さんの歓待を受けました。
 日本に帰って間もなく、次期中国の若手指導者の1人に李氏の名前が世界的に大きく報じられ、胡錦濤国家主席の後継者の1人として今後最も注目されるであろうとの報道に驚きました。
 こうして私たち一行は、無事10月の22日に関西空港に到着をいたしました。
 中国沿岸には数百万単位の都市が数多くあり、その経済発展を考えるとき、本県も農産物や県産品の販売戦略を早急に具体化していかなければならないと強く感じます。仁坂知事初め当局の皆さんには、JAや関係諸団体と連携をとりながら、一刻も早く戦略会議を持ち、具体的な対応を希望するものであります。24時間運航可能な関西空港を武器に大消費地にいかにアプローチしていくかが、今後、本県の発展を左右する大きな要因であると同時に、無限の可能性を和歌山県に与えてくれる地域であると考えます。
 知事も、先般、山東省を訪問されましたが、今後、より一層交流を深めていただけますようお願いを申し上げ、報告を終わり、引き続き質問に入らせていただきます。
 さて、今、報告の中でも触れさしていただきましたが、中国やインドを中心として、アジア諸国の成長は目まぐるしいものがあり、観光、ビジネスともに大きな需要増が見込まれています。ある商社の方から聞いた話によりますと、海外から日本への販路というのはほぼ成熟しているのに比べ、日本のものを中国に売るルートというのはまだまだ未成熟だそうであります。
 8月2日には関西空港第2滑走路がオープンし、24時間眠らない国際貨物ハブ空港として大きく注目されているわけでありますが、この好機を的確にとらえ、関空に隣接する地の利を生かして、農林水産物を初め梅干し、しょうゆなどの加工品のほか、県特産品の海外への輸出を進めていく絶好の機会であると考えます。県としての販路開拓等に係る今後の戦略等について、現在の取り組みも含めてお聞かせください。
 また、国内においては、高い商品開発力と広い販売網を持つ量販店、スーパーとの協働なども実施をしておりますが、先日、観光振興として県発行の「紀州浪漫」を設置していただき、現在お弁当の分野でも協働していただいているあのセブン-イレブンで知事のポスターをお見かけしました。
 お弁当の陳列場所をのぞいてみましたら、競争激しいコンビニ弁当の中で、一番売れ筋が置かれる棚に、空揚げ弁当とかハンバーグ弁当などと並んで置かれていました。以前、テレビで見たんですけども、コンビニの陳列というのは、一番上はおむすびを置いてまして、下に行くほどよく売れるものが置かれるそうであります。一番下の一番のぞき込める棚にそのお弁当が置かれてたわけでございます。
 ふだんは派手な弁当を好む私でありますが、試しにその「紀州産しらすと梅煮しめのお弁当」を食してみました。派手さこそありませんが、コンビニで売られるお弁当にしてはおかずはかなり多く、聞いてみますと実際よく売れているそうで、和歌山限定販売だったのが最近県外でも販売されるようになったというのも、うなずける話でありました。素材のよさはもちろんでありますが、知事のトップセールスを初めとする各方面への働きかけの成果を実際見て感じることができたわけでありますが、今後、新たな取り組みなどについて、先ほどの項目とあわせて知事にお伺いをしたいと思います。
 次に、2次元バーコード(QRコード)を活用した販路拡大についてお尋ねをいたします。
 QRコードというのを御存じでない方もいらっしゃるかもわかりませんけども、今、新聞とか週刊誌とかそういったたぐいのもん、またいろんなポスターみたいなもんに、四角い中にモズクみたいなぐちゃぐちゃとなったようなもんがプリントされてるんをよく見かけるんですけども、簡単に言えば、それを携帯のカメラで撮って、そこに含まれてるその情報を映し出すというんですか、インターネットにすぐアクセスできるとか、今までみたいに「http」みたいな形で一々打たんでもすぐアクセスできるという便利なもんを今よく見かけるんでありますけども、販路開拓等を進める上での一工夫について私なりに提案さしていただきたいと思います。
 高度情報化の現在、インターネットはもちろん、契約者数が1億人にも迫り、「携帯電話依存症」と言われる言葉ができるほど携帯電話というのは私たちの生活になくてはならない存在になりました。町や電車の中でも、メールやインターネットをされているんだと思いますが、携帯電話とにらめっこをしている人がどれほど多いことか。
 現在、和歌山県の携帯電話用のホームページ、いわゆるモバイルサイトでありますが、この和歌山県情報館というモバイルサイトでありますが、そのどこを探しても観光とかの情報──桜の見ごろとかそういうのは載っているんですけども、本県の県産品を紹介するような情報というのはどこにも掲載されておりません。
 販路開拓を図っていく上でインターネットの活用は当然のことでありますが、例えば県が推奨する優良県産品であることを示すシール──銀色のシールに和歌山の青い字で県推奨品、和歌山のデザインされた張ってるやつなんですけど──そこにそのQRコードも一緒に載せて携帯電話のカメラで読み取れるようにして、県が中心になって設けたモバイルサイトに簡単に接続できるようにすれば、直接消費者に対して県産品の認知や購入機会の拡大につながっていくと思いますが、いかがでしょうか。
 そのほかにも、ちょっとした工夫で販路拡大につながることがあると思いますが、県として新たなアイデア等があればお示しをいただき、あわせてこのQRコードを活用する手法の導入について商工観光労働部長にお尋ねをいたします。
 また、QRコードは農水産物等の販売促進においても非常に有効であると考えております。一部の農園などでは、QRコードに生産者自身の住所や氏名、顔写真に至るまでの情報を入れることにより、現在、産地偽装などが後を絶たず食に対する不信感が強まる昨今、より食の安全を求める消費者ニーズにこたえるべく、既に取り入れたりされています。ぜひとも県が中心になって運営していますインターネットショッピングモールであるふるさと和歌山わいわい市場での活用について、これは農林水産部長にお尋ねをさしていただきます。
 3つ目、地球温暖化対策について2点お尋ねをさしていただきます。
 去る10月に発表されました本年度のノーベル平和賞の受賞者は、「不都合な真実」の著者であるアメリカ元副大統領のアル・ゴア氏と国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)でありました。この「不都合な真実」は、ゴア氏が温暖化へと突き進む地球を憂い、温暖化によって引き起こされる数々の問題を説くもので、後に映画化され、アメリカで公開されるや否や、ドキュメンタリー映画史上に残る記録的大ヒットとなった話題作でありました。文部科学省特選作品でもありましたが、私はあいにくこの映画を見損ねてしまい、本を買って読んでみました。
 内容をまとめると、地球は、二酸化炭素を初めとするさまざまな温室効果ガスにより、大気中に太陽熱を閉じ込めることで自然に地表を温めています。その恩恵を受けて生き物は地球に住むことができますが、森林の伐採に始まり、化石燃料の燃焼などにより、産業革命以降、人類は大気中の二酸化炭素濃度を劇的に増加させており、地球の気温は上昇を続けています。それが自然現象ではなく、私たち人類の活動に起因するものだということは論をまちません。
 氷河は解け出し、動植物は生息地を追われ、熱波や干ばつ、集中豪雨などが増しております。例えば、アメリカで災害史上最悪の被害をもたらしたカトリーナ級のハリケーンの発生数が過去30年でほぼ倍増しておりますし、マラリアの生息地がアンデスなどの高原にも広がり、グリーンランドの氷河の流出量が過去10年間で2倍以上に増加をしています。このまま温暖化が進めば破壊的な事態が予測されるとして、次のようなことを挙げています。
 グリーンランドと南極大陸の棚氷の消失により海面が大幅に上昇するため、世界地図を書きかえなければならないほどに海岸線が変化をいたします。熱波の頻度と激しさが増し、干ばつや山火事も増加をします。2050年までには夏の北極海から氷が消え、100万種以上の動植物が絶滅をします。2100年には、地球の肺と言われる地球上の淡水の20%をたたえるアマゾンや東南アジアの原生林も砂漠と化してしまう。こうした異変はすべて温暖化が原因であるとされております。
 そういった今の状況の中で、ゴア氏が人々の意識改革に乗り出すべく地球と人類の危機を訴えてきたというような内容でありました。この「不都合な真実」は、さまざまな科学者の意見を集約したものであり、決して大げさなものではないようであります。
 一方、IPCCも温暖化の実態と今後の見通しについての報告書を発表しておりますが、その根拠となるのは横浜市にある地球海洋機構の地球シミュレーターというスーパーコンピューターの計算によるものであります。
 先々月、上京した折に訪れてまいりました。体育館2つ分ほどのとても大きなコンピューターで、行ったからといって何が見えるというものではありませんでしたが、お話を伺うと、普通のコンピューターが丸1日かかる計算をたった1秒でやってのける世界有数のスーパーコンピューターだそうで、海と大気を1億1000個の格子に分け、そこに気温や風、海流などの情報を入力し、本物そっくりの仮想地球をつくり上げ、そこにCO2濃度などを入力していくと未来の地球の姿がわかるというもので、天気予報のように、いつ、どこに雨が降るというものを予想するものではありませんが、近未来、100年先までの気候をシミュレーションできたのだそうであります。
 半信半疑で聞いておりましたが、地球シミュレーターが計算を始めてまだ間もないころ、南大西洋の温帯で低気圧が発達するさまを仮想地球が示したそうであります。気候学者たちも何かの間違いだと思ったそうでありますが、事実、その数年後、台風、ハリケーン、サイクロンといった、それまで呼び名すらなかった大西洋上で猛烈に発達した低気圧によりブラジルで4万棟を全壊させる被害が出たことにより、皮肉にもそれが地球シミュレーターの実力をあらわす1つの結果になったそうであります。
 その地球シミュレーターの予測によると、2100年ごろの東京の気候はといいますと、今よりも温暖化が進み、紅葉の見ごろは1月にまでずれ込みます。4月、桜の季節には初夏を思わせる日差しが照りつけ、5月の端午の節句には海開きが開かれるようになり、30度を超える真夏日は現在の45日から100日程度にまでふえ、1年の半分が夏になるそうであります。気候だけでなく、例えば今は台湾の南部が北限で、人間を死に至らしめることもあるデング熱を媒介する熱帯シマカの生息地域などにもなってしまうそうであります。そうなると、もはや温帯とは言えません。
 この報告書を受けて、日本の科学者たちは、温暖化が人間社会に及ぼす影響は重大であり、そのような未来を子供たちに残してはいけない、政府はもちろんのこと、都道府県や市町村も低炭素社会に向けて大きな責務があるわけであり、積極的に対応をすべきであると緊急メッセージを発しております。
 これらの情報を目の当たりにしてみますと、私たちが生きている今のこの時代から子供たちの時代に確実に世界的に大変な事態が起こることが想定され、決して遠い未来の出来事であったり映画の中での話ではないと、身につまされる思いで帰ってまいりました。
 現在の日本の温室効果ガスの排出量は増加する一方であり、本県もまた2010年に達成すべき目標数値に及ばず、増加をしております。これまでも温暖化対策や環境問題については、先輩・同僚議員からさまざまな質問、提案がなされてまいりましたが、科学の進歩で何とかなるなどと楽観することなく、これまで以上に本気になって温室効果ガスの抑制、すなわち低炭素社会に向けた対策を講じていかなければならないと考えます。
 そこで、以上御説明申し上げた現状や数値についての感想や御所見、環境立県をうたう本県が目指す方向性について知事にお伺いをさしていただきます。
 最後に、温室効果ガス排出抑制の取り組みとCO2排出軽減に寄与するLED照明の導入についてお尋ねをさしていただきます。
 先月、岡山県を訪れたときのことであります。路線バスに乗っておりましたら、夜だったのでたまたま気づいたのですが、少し変わった歩道照明を見かけましたので、バスが信号待ちで停車した際によく見てみますと、光源にLEDを用いた照明でありました。
 御承知のように、LEDは、炎、電球、蛍光灯に次ぐ第4世代の光と言われ、明るさ、長寿命もさることながら、エネルギー効率が非常に高く、環境負荷が少ないため、今では携帯電話、自動車のブレーキランプやインパネのメーター類、看板、球場やビルの大型ディスプレー、そしてこれからの時期、私たちの目を楽しましてくれるクリスマスのイルミネーションなど、今では大変身近なものになっております。
 調べてみますと、大阪府は全国に先駆けLED道路照明を導入し、横浜市も、行政課題解決型技術革新事業の一環で、民間企業に助成をしてソーラーバッテリーと組み合わせたものを開発し、昨年の4月から設置をしております。こちらの方は、何と10年間メンテナンスフリーでいけるんだそうであります。まだ本県では道路照明や歩道照明などには導入されていないようでありますが、信号機は現在すべてLED式の仕様とされ、順次整備されております。
 もともとはLEDの持つ視認性を生かし、西日対策として導入されたそうでありますが、耐用年数が電球の1年というのに比べLEDは8年から10年ということや、消費電力が4分の1で済み、信号機自体のコストは電球式の約2倍というものの後々負担が少なくなるとともに、発電に伴う二酸化炭素の排出を低減し、結果として温暖化防止に寄与しているものと言えます。これは、信号と同じく県下に数多く設置されている道路や歩道、トンネルなどの照明のたぐいにも同じことが言えるのではないでしょうか。
 そこで、県土整備部長にお尋ねをいたします。
 京都議定書の発効に合わせて改正されました地球温暖化対策推進法の第20条に基づき、本県でも平成18年3月に和歌山県地球温暖化対策地域推進計画を策定し、具体的な取り組みとして、グリーン販売、グリーン購入の推進、また省エネルギー型電気機器等の優先的な使用の促進というのを挙げておられますが、これまでに進められてきた環境に対する配慮や温室効果ガス抑制に対する取り組みなども含めて、LED照明の導入についてのお考えをお聞かせください。
 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(新島 雄君) ただいまの藤山将材君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 農産物、加工食品等の販路開拓についての御質問について申し上げたいと思います。特に、海外戦略と国内の取り組みについてお答え申し上げます。
 本県には、御承知のように全国1位を占めるミカン、柿を初めとする安全でおいしい農水産物や加工食品が数多くありまして、元気な和歌山を実現していくためにはこれらの販売促進が大変重要であると考えております。そこで、県では7月に販売促進のためのアクションプログラム2007を作成し、販売促進へのさまざまな取り組みを始めたところでございます。
 この中で、海外戦略につきましては、議員お話しのとおり、近年、中国を初めとするアジア諸国は著しく経済成長を遂げておりまして、富裕層もできております。したがって、和歌山にとりましても大変魅力的な市場であります。このため、輸出に関する専門的な知識を有する商社OBをアドバイザーに迎えるとともに、10月には農水産業の生産者団体や輸出に取り組む企業等を構成メンバーとする和歌山県農水産物・加工食品輸出促進協議会を設立いたしまして、10月から11月にかけては台湾、香港で、それからマレーシアなども含めまして和歌山フェアを開催するなど、大いに和歌山の産品をPRしてきたところでございます。
 今後は、海外バイヤーを招聘しての商談会を開催するとともに、中期的な視点に立って対象国ごとの品目を明確にするなど、新しい輸出戦略の構築に向け、積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 さらには、中国については、現在、リンゴとナシ以外は検疫の関係でなかなか持ち込みにくいというところもございます。農林水産省及び外務省に交渉していただかないといけないのでございますけれども、これについては、さらに積極的に後押しできるように努力をしてまいりたいと思っております。
 国内対策につきましては、東京、名古屋、大阪といった大消費地のトップセールスや量販店でのフェアなどのほか、来年2月には大阪市で和歌山産品商談会を本年に続きまして開催するとともに、3月には幕張メッセで開催されます世界的規模の食品・飲料展示会であるFOODEX JAPAN2008に──これは10万人ぐらいのバイヤーが来ると言われておりますが──国内自治体としては最大規模の陣容で出展をするなど、本県農水産物、加工食品を大いに売り込んでまいりたいと考えております。
 とりわけ、生の青果に加えまして、加工品はこういうプロモーションに大変有効であると思います。特に本県では、有名なモンドセレクションで全国の何と10分の1もの最高金賞、金賞を獲得してる企業がたくさんあるわけであります。それ以外の企業も十分有望だと思います。最近では、ある県議さんに御紹介いただいて、新しいタイプの押しずしを発売するんだという非常に立派な企業がお見えくださいまして、非常に力強い思いをしたところでございます。県内でも、県のこういう取り組みにこうしてだんだんと「よし、一発頑張るか」というような感じが出てきてるんじゃないかと期待しているところでございます。
 それで、今後とも生産者や関連企業とも協働して、工夫を凝らしながら、県産農水産物や加工食品の販路開拓にぜひ取り組んでまいりたいと思っております。
 続きまして、地球温暖化対策でございます。
 議員御指摘のとおり、地球温暖化問題は気候の変動をもたらし、生態系への悪影響や人間への健康被害、自然災害の増加など、その影響の大きさ、深刻さから見て人類の生存基盤にかかわる最も重要な問題の1つだと考えております。喫緊に取り組むべき課題であると考えております。
 このことから、本県でも昨年3月に和歌山県地球温暖化対策地域推進計画を策定いたしまして、京都議定書による温室効果ガスの6%の削減を上回る、森林による吸収6.7%を含む最大10.6%の削減を目指すとともに、本年3月には和歌山県地球温暖化対策条例を皆様の御議決により制定し、大規模事業者を対象として温室ガス削減の中で中長期計画の提出等の義務づけを行うなど、さまざまな施策を実施してまいったところであります。
 今後とも、環境対策、とりわけ地球温暖化対策を県行政の柱の1つとして位置づけまして、環境先進県和歌山を目指して、行政による温室効果ガスの排出抑制の推進のみならず、あらゆる主体が地球温暖化対策や資源等の循環的利用などに積極的に取り組んでいけるよう県行政を推進してまいりたいと、そういうふうに考えております。
○副議長(新島 雄君) 商工観光労働部長永井慶一君。
  〔永井慶一君、登壇〕
○商工観光労働部長(永井慶一君) 優良県産品推薦制度での2次元バーコード、いわゆるQRコードの活用につきましてお答えいたします。
 優良県産品の推薦制度につきましては、現在、関係部局を交えて、現行の優良土産品推薦制度を発展させる形で検討を進めてございます。新しい制度では、従来の加工食品と工芸品に生鮮物も加え、すぐれた県産品を広く消費者にPRしていくこととする予定でございます。
 年内にも携帯電話の契約台数が1億台を突破すると言われている今日の情報化社会において、議員御提言のQRコードの活用につきましては、消費者に県産品を紹介する極めて効果的な手法の1つであり、現在検討中の新たな制度におきまして取り入れてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 2次元バーコード、いわゆるQRコードを活用した販路開拓についてでございますが、先般、大手量販店で実施をいたしましたみかん船プロジェクト、ここにおきまして、そのQRコードを用いまして、ことしのミカンの作柄とかできばえ、また観光情報などを入れまして消費者に提供し、販売促進につなげる取り組みを行ってございます。
 携帯電話やインターネットを活用した電子商取引につきましては、今後ますます拡大していくということが予想される中でございまして、平成13年に設置をいたしましたインターネットでのショッピングモール、いわゆるふるさと和歌山わいわい市場の運営におきましても、変化するネット環境への適切な対応と、そういうことを図っていく上において、システムの再構築を視野に入れて運営改善の検討を行うこととしてございまして、その中で、お話ございましたようにQRコードを活用して携帯電話から手軽にわいわい市場にアクセスできるような検討も行ってまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 議員お尋ねの温室効果ガス排出抑制の取り組みとLED照明の導入についてでございます。
 まず、道路における温室効果ガス抑制の取り組みといたしましては、走行速度の向上が不可欠でありますので、バイパス整備、交差点のボトルネック対策、交通渋滞の緩和・解消を図っておるところでございます。
 また、省エネルギー型の機器等の導入も重要な課題であり、御指摘のとおり、道路照明におけるLEDの導入も有望な候補の1つであります。
 LEDは、消費電力が従来型の照明に比べまして少ない一方で、現段階ではまだコスト面で課題もあると聞いております。
 本県といたしましては、今後、価格の動向も踏まえ、検討してまいりたいと考えております。県営住宅、それから県営都市公園につきましても、道路照明と同様、製品の開発動向等を踏まえ、検討してまいりたいと考えております。
 なお、本県では、平成18年3月に地球温暖化対策地域推進計画を取りまとめたところであります。その中で、例えば物流の効率化、資源の循環利用などを推進することといたしておりまして、今後ともこうした課題に積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 以上です。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(新島 雄君) 再質問を許します。
 20番藤山将材君。
○藤山将材君 御答弁いただきました。
 LED照明についてなんでありますが、御答弁いただいた中で、知事は、環境先進県和歌山を目指して取り組んでいくという御答弁いただいたんですが、LED照明については、「コスト」「価格の動向」「コスト」と3回──CO2削減のための取り組みでお話しさしていただいてるのに、ちょっとコスト意識がすごい強いなというふうな自覚を非常に受けました。
 もう少し研究していただいたらおわかりになると思うんですけど、(「ランニングコストは安くなんのやな。わかってるか」と呼ぶ者あり)いや、それで、研究していただいたらわかると思うんですけども、例えば道路照明というような大きな容量を持たれる分に関しては、まだまだランニングコスト的なもんも含めて合わないと思うんですけども、ただ、身近なもんでいけば、例えば蛍光灯のたぐいであるとか、そういったものというのはどんどん取りかえていくわけですよね。
 それで、今であれば、ざっと40ワットとかそれぐらいであれば、大体普通の蛍光灯であれば1000円、LED式であれば3000円。これ、もう電気代は、大体40ワットであれば15ワットぐらいでおさまりますんで、もう十分コスト的にも元とれる話でありますんで、やっぱりそのCO2を削減していく、県として取り組んでいくという1つの県民の目から見てもわかるようなことで──今回、県土整備部長にお尋ねしましたけども、やっぱりこういうCO2削減に向けての取り組みというのをぜひ全庁挙げて取り組んでいただきたいと思います。要望です。
 以上です。
○副議長(新島 雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で藤山将材君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時35分散会

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