平成19年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(奥村規子議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 41番奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 議長のお許しを得ましたので、本日最後の質問に入らせていただきます。
 今回は、3点について質問をいたします。
 まず1番目は、少子化対策と、安心して子育てできる社会的環境についてでございます。
 先日、和歌山市内でも、子供が犠牲となる大変痛ましい事件が起こってしまいました。その前には香川県坂出市の3人遺棄事件で子供が犠牲になるという悲しい出来事が起こり、私は和歌山で起こることのないようにと願っていましたが、本当につらく悲しいことです。子供をめぐる事件・事故が後を絶ちません。
 子供を取り巻く環境は、大変厳しいものがあります。1人1人の命が大切にされ、安心して子育てができる社会的環境が求められているのではないでしょうか。
 子供たちにも暮らしの不安がのしかかっています。訪問先での話ですが、小学生の孫が──低学年のお子さんですが──「僕、大きくなっても結婚せえへん」と言っているのです。わけを聞くと、「子供を育てるのにお金がかかって大変だから」ということです。また、別の訪問先でも、子供の家に家庭菜園でできた野菜を送ってあげたところ、小学生の孫が電話口で「おばあちゃん、助かるわ」と言ったというのです。この子も低学年のお子さんだということです。しっかりしてきた孫の成長に目を細め喜ぶ反面、大人たちの家計のやりくりの会話を通して経済的な不安を肌で感じているのではないでしょうか。
 子供たちが安心して自由に将来への夢を持ち、希望を感じることができる社会が求められています。
 日本の出生率は、1973年以来、低下傾向を続け、2005年からは人口も減少に転じています。和歌山県においても、2005年は出生率が戦後最低となりました。昨年は、出生率、出生数ともわずかに増加していますが、少子化問題は深刻です。
 私は、少子化で何を問題としてとらえるかという点では、産みたいけれど産めない現実が問題であり、子供を産みたい人が安心して産み、子育てのできる社会が問われているのではないかと考えます。
 ヨーロッパにおいて、少子化対策という言葉で政策が論議されることはほとんどないと聞いています。
 新長期総合計画素案では、「人口減少や高齢化は、経済成長の鈍化、税や社会保障における負担の増大、地域社会の活力低下などの要因となるおそれ」があると書かれています。その観点から少子化を何とかしたいという発想のように思いますが、いかに子育てがしやすく、人間的な生活を営むことができるかが基本的な視点ではないでしょうか。少子化対策の基本的な考え方について、知事のお考えをお聞かせください。
 県少子化対策推進協議会は、3つの提言をしています。1、子供は宝との観点から子育て機運を醸成し、県民理解のもと、大胆な経済的支援を、2、仕事と子育ての両立可能な仕組みを、3、若年者の就労支援の3点について提言しております。私も、この3つのことは非常に大切なことだと思います。
 まず、若年者の就労支援についてです。
 「労働白書」によれば、この10年間で非正規雇用が急増しています。年収150万円未満の低所得層が15.3%から21.8%へと増加し、こうした低所得層の非正規雇用者は結婚する割合が低く、少子化の原因となっていると考えます。
 2005年3月に策定された紀州っ子元気プランでは、若年者の失業率が2002年12.3%にも上っていることから、それを2007年度には9.5%に下げる目標を持っています。しかし、2006年度末の到達状況を見ると、残念ながらその時点での失業率は把握されていません。
 また、賃金や労働時間などの労働条件も含めた雇用のあり方が結婚や出産に大きく影響してきます。97年の均等法改正で、妊産婦の通院休暇や通院緩和休暇措置、休憩時間延長などが措置されました。安心して妊娠、出産できる職場づくりが重要です。
 商工観光労働部長にお伺いいたします。
 少子化問題と労働施策は密接に関係していると思いますが、労働施策についてどのような取り組みをされていますか、お尋ねいたします。
 次に、環境生活部長にお尋ねいたします。
 提言では、仕事と子育ての両立可能な仕組みについて書かれております。子供を持つ男女の働きやすい周辺環境の整備や精神的支援、企業、地域、行政が一体となって整備する連携施策が必要と述べられています。そのためには、まずは家族、パートナー関係における平等と共生の関係をどうつくっていくのか、大きな課題でもあります。男女平等な家族生活の考え方、男女がともに子育てを担う考え方がどれだけ普及されてきたのでしょうか、お答えください。
 2番目に、提言で指摘された大胆な経済的支援の問題です。
 子育ての深刻な状況は、さきにも述べたように、親の生活実態が非常に不安定になっていることです。そうした世帯の子育てを社会的にバックアップする仕組みが問われています。しかし、バックアップの仕組み自体がどんどん政策的に後退しているのが現状です。
 そして、子育てには大きな費用がかかるという問題があります。知り合いの高校生を持つお母さんが、「来春、2番目の子供が高校に行くのだが、1カ月1万円以上もの授業料を納めるのも大変。それ以外にもいろいろとお金が要ってくるし」と頭を痛めています。
 子育て費用の試算では、中学、高校が公立で国立大学を卒業するまでで、基本的養育費と教育費の合計が1人当たり3000万円かかるということです。
 御存じのように、内閣府の少子化社会対策に関する子育て女性の意識調査によると、子育て世代の女性が望んでいる少子化対策のトップは経済的支援です。提言にもあるように、本当に子供は宝と思えるようにしていくことが国、自治体に問われることではないでしょうか。
 そこで、福祉保健部長にお聞きいたします。
 安心して産み育てるために早急に解決すべき課題は、保護者の経済的負担の軽減を図ることです。
 そのために、1、乳幼児医療費無料化を小学校卒業まで拡充する考えはありませんか。
 2、保育料や障害児の通所施設の利用料の負担を軽くし、子育てしやすい環境づくりを推し進めることが必要です。市町村では保育料の多子家庭負担軽減制度がありますが、第2子が障害を持っている場合、障害児通園施設の利用料の軽減制度がありません。対象者も多くないと思われますので、できるところから早急に対応策を考えていくべきではないでしょうか。
 最後に3つ目は、妊産婦健診の公費負担の拡充です。健診費用や出産にかかる費用も若い世代にとって負担が重く、2人目、3人目とはならない現状です。厚生労働省のことし1月の通達には、「妊婦健康診査の公費負担の望ましいあり方について」ということで、妊婦が受けるべき健康診査の回数について、14回程度行われることが望ましいが、そのうち各市町村が5回程度の妊婦の公費での実施を行うことと、公費負担の状況調査を県に求めました。県下の市町村の実施状況はいかがでしょうか。市町村が実施に踏み切るよう、県としてどのようなアプローチをお考えでしょうか、お聞かせください。
 次に、障害者自立支援法と小規模作業所の問題についてお聞きします。
 障害者自立支援法は、昨年4月の施行後、障害を持つ人と家族に応益負担という過酷な負担を押しつけることで深刻な矛盾があらわれています。政府は昨年末に軽減策をとらざるを得なくなりましたが、事態は1年たっても何ら改善されませんでした。日本共産党は9月に実態調査を行いましたが、月額1万円以上の負担増になった人が6割に上りました。事業所の収入も1から2割減少したところが6割以上に上り、障害福祉の現場から離職者が出ています。
 こうした状況の中で、応益負担の撤廃を求める障害を持つ人や家族の粘り強い運動が広がっています。この声が政府・与党を動かし、先日、与党のプロジェクトチームが障害者自立支援法の見直し方向をまとめ、負担軽減策や作業所の経営安定化を図る改善措置などを行うことで合意しました。応益負担と作業所の報酬日割り方式には固執をしておりますが、ここまで見直しが必要になっているのですから、応益負担と日割り方式の廃止に踏み出すべきだと思います。
 こうした中で、自立支援法の問題が大きくあらわれている分野について、福祉保健部長にお聞きいたします。
 まず、小規模作業所の問題です。
 小規模作業所は、現在16カ所になっていると聞いていますが、利用人数も多いところでは30人から、少ないところでは5人の方が利用されているところです。
 小規模作業所は、障害を持っている方と家族、地域など、皆さんが悩みながら力を合わせて育ててきた施設です。「県民の友」12月号──今月号ですが──その1面に大きく「すべての人が安心して暮らせる社会をめざして」と書かれていました。どこに住んでいても安心して暮らせる、まさに小規模作業所は障害を持つ人たちに居場所をつくり、障害を持っている人が仕事や創作活動などを通して社会への道を切り開く貴重な役割を果たしてきました。今後も身近なところできめ細かな施策を行う上で大変重要だと考えています。
 しかし、今、小規模作業所は、自立支援法の中で、法定の施設としてやっていくか、それとも地域活動支援センターとして存続していくか、選択を迫られています。ある作業所では一般の棟続きのアパートの1室を借りており、このままでは新事業に移行はできず、場所探しに苦労されていたり、また作業所では補助金は年2回に分けて受け取っていますが、年度初めにはおりてこないため、新しく物品を購入したり新しいことに取り組みたくてもできないなど、困っています。ある作業所では、利用者さんに渡せる給料が月5000から6000円です。昼食代のお弁当に350円、これだけでもうなくなってしまいます。その上に、通所するための交通費、利用料を合わせると、とても自立した生活が成り立ちません。事業所職員の給与も2万から3万円しか出せない現状です。県としての小規模作業所への支援状況をお聞かせください。
 次に、障害児施設における応益負担の考え方についてお聞きします。
 「障害があっても、まず子供として見てほしい」、「障害があるからこそ、できるだけ早く療養を受け、安心して子育てがしたい」、保護者の皆さんの当たり前の思い、それが、切実に願わざるを得ないところに非常に胸が痛みます。
 自立支援法は、本来なら感じることの要らない障害児を産んだ悲しみと責任を押しつけています。子供は成長し、発達するものであり、障害を固定的に見るのではなく、日々の働きかけで改善することも事実です。しかし、適切な働きかけがなければ改善しません。つまり、自立支援法のもとでは、お金がなければサービスを受けられないという仕組みには大きな問題があります。私は、憲法13条の幸福権の追求に沿って根本から改めるべきだと思います。いかがお考えでしょうか。
 次に、通所施設における運営の問題です。
 施設にとって、利用者が休めば収入が減ってしまうという日額単価の実績方式のため、利用者側も気を使って、しんどくても休めないという状況があります。運営に当たって、絶えずお金のことを考え、びくびくしていなければいけないという現状で、本当に職員がやりがいを持って働けるようにするには、安定的に運営できるようにすることが大事です。どのようにお考えでしょうか。
 最後に、3番目の質問です。原油価格高騰にかかわる緊急対応策について御質問いたします。
 ひとり暮らしで70歳の年金生活のOさんを訪ねました。Oさんは、障害者の子供さんを施設に預けて働いてきました。息子さんのことで指導員の先生から褒められることを唯一心の支えにして毎日頑張っています。御自分は糖尿病の治療を続けています。「歯医者や目医者にも行きたいけど、とても年金だけでは食べていかれへん」と言っています。ことしは住民税も上がり、介護保険料、国保料もはね上がりました。さらに負担が重くのしかかっています。
 県民の暮らしは、来年度も年金課税の強化や、ことし6月にも住民税が上がり、国保、介護保険料の負担がふえました。来年もさらに負担がふえることになっています。定率減税も廃止されました。生活保護世帯の高齢者加算の廃止、母子家庭の母子加算の段階的廃止が進み、生活扶助基準の引き下げが進められようとしています。そこへ、重油価格の高騰により、石油関連商品、生活必需品の値上げラッシュが始まっています。便乗値上げなども憂慮される状況です。
 障害者施設など福祉の現場では、送迎の燃料費や作業所の経費、燃料代の増大に悲鳴が上がっています。一刻も早い対応が求められています。学校給食などにも影響があらわれています。中小企業、サービス業、飲食業者など、産業への影響も深刻です。また、県経済や県民生活への影響が大きいと考えます。
 それぞれ関係部長にお尋ねいたします。
 環境生活部長には、県民生活への影響についてどのようにお考えでしょうか。
 商工観光労働部長には、中小企業への支援策をお尋ねします。
 けさのニュースで、湯たんぽが売れ、出荷が間に合わないと報道されていました。灯油を使わないで暖をとる方法など、庶民はいろいろと工夫し、節約に必死なことがうかがえます。今ある制度を十分活用していくことも大事だと考えます。例えば、軽油引取税の免税軽油利用状況はいかがでしょうか。総務部長、お答えください。
 以上、1回目の質問を終わります。(拍手)
○副議長(新島 雄君) ただいまの奥村規子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 少子化対策の基本的な考え方についてお答え申し上げます。
 和歌山県の出生数は30年前の半数以下まで減少しておりまして、人口減少や急激な少子高齢化社会の進展に伴う地域社会の活力低下が懸念されているところであります。
 こうした中、子供を持ちたい人が安心して子供を産み育てることができる社会を実現することが重要と考え、本年度から第3子以上を妊娠している妊婦の健診費の助成等を中心とする紀州3人っ子施策など、少子化対策に重点的に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、子供を産み育てようとする家庭への一層の支援、充実を図るとともに、仕事と出産や育児が両立できる環境整備などの施策を展開し、子育て環境ナンバーワン和歌山を実現すべく取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(新島 雄君) 商工観光労働部長永井慶一君。
  〔永井慶一君、登壇〕
○商工観光労働部長(永井慶一君) まず、少子化における労働施策についてお答えいたします。
 少子化の進行の中で、育児中の労働者の負担を軽減し、働きながら子供を育てやすくする環境を整備していくことは重要な課題であると認識してございます。
 平成18年度の和歌山県労働条件等実態調査では、育児休業制度の規定を設けている事業所は63.8%で、育児休業の取得率は、男性が0.9%、女性が89.5%であり、男性の育休取得率などまだまだ十分とは言えず、男女ともにさらなる子育てに関する意識の向上と育児休業等を取得しやすい職場の環境づくりが必要であると考えてございます。
 そこで、県といたしましては、事業主等を対象に育児休業等をテーマとした仕事と家庭の両立に関するセミナーの開催や中小企業労働施策アドバイザーの巡回訪問等により、子育て支援に対する意識が向上するよう鋭意取り組んでいるところでございます。
 また、育児をしながら安心して働けるように、育児の支援を受けたい人と支援をする人がともに会員となり、地域において助け合うファミリーサポートセンターの設置促進を図っているところでございます。これまでに和歌山市、田辺市、橋本市と海南市の4市が設置し、平成18年度の会員は約1500名、活動件数は約5300回で、年々その活動が充実してきてございます。
 今後とも、仕事と家庭の両立が図れるよう積極的に取り組んでまいります。
 次に、原油価格高騰にかかわる中小企業者への支援についてお答えいたします。
 原油価格につきましては、冬の需要期も相まって、ここ数カ月、急激に高騰しており、地場産業やトラック運送業などへの影響が顕著になってきておりますが、コスト上昇分を価格に転嫁できないなど、中小企業者が苦境にあると認識してございます。
 そのため、県の相談窓口を初め商工会連合会、和歌山商工会議所や政府系金融機関などに特別相談窓口を設置し、中小企業者の相談に応じているところでございます。
 また、県では中小企業者向けに信用保証制度による低利融資制度を設けてございますが、今般の原油価格の高騰で、運送業などセーフティーネット対象となる業種の方々にはより低利の設定をし、中小企業者の負担軽減を図っているところでございます。
 今後とも、原油価格の推移を注意深く見守りながら適時適切に対応してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 環境生活部長楠本 隆君。
  〔楠本 隆君、登壇〕
○環境生活部長(楠本 隆君) 2点の御質問がございました。
 まず、家族生活における男女平等の意識についてお答えを申し上げます。
 平成18年度に実施をいたしました男女共同参画に関する県民意識調査におきまして、仕事と家庭に関する男女の役割分担についてお尋ねをいたしましたところ、性別による分担をせずに夫婦に合った形で役割分担をする、また、男女とも仕事を持ち家庭においても男女で協力することが理想であると考えられておられる方が全体の約6割を占めております。しかしながら、一方で、実際の生活では理想と一致している方は約2割と、理想と現実には大きな開きがあるという結果が出ております。
 こうした調査結果を踏まえまして、ことし3月に改定をいたしました本県の男女共同参画基本計画では、施策の方向の1つに仕事と家庭の両立支援を位置づけまして、男女共同参画を推進する事業者の登録制度等によりまして、男女がともに働きやすい職場づくりのための事業者の取り組みを支援しております。
 また、女性の社会参画を進めていくためには、これまで仕事中心の生活をしてきました男性が子育てや介護等の家庭生活にも積極的に参画し、その責任をともに担うことが重要であることから、本年7月に子育てに活かすコミュニケーション講座を開催するなど、意識啓発を行ったところでございます。
 今後とも、関係部局との連携を密にいたしまして、男女共生社会実現のため、積極的に取り組みを行ってまいる所存でございます。
 次に、原油高騰価格にかかわる緊急の対応策のうち、県民の暮らしへの影響についてお答えを申し上げます。
 原油価格高騰に伴いましてガソリンや灯油などの石油製品価格が値上がりをしており、県民生活への影響も懸念をされているところでございます。
 昨日、議論がございました農林水産業あるいは御指摘の中小企業への影響のみならず、各家庭におきましてもこれから暖房を利用する季節を迎えることから、その影響は大きいものと認識をしております。
 ガソリン等の石油製品の価格状況につきましては、私どもにおきましても毎週把握をしているところでございますが、現時点で全国平均あるいは近畿府県との価格と比べて特に突出をしている状況にはございませんが、今後、不当な価格のつり上げ、あるいは便乗値上げなどのおそれもございます。これらに対しましては適切に対応してまいりたいと考えております。
 この問題につきましては、現在、国におきましても緊急対策を講じる方針であると承知をしておりますが、一方では、化石燃料への依存をできるだけ少なくするという意味からも省エネルギーのより一層の推進も図ってまいらなければならないと、かように考えている次第でございます。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) 少子化対策と安心して子育てできる社会的環境に関連いたしまして、乳幼児医療費の無料化の拡充という議員の御提案についてでございますが、少子化対策の一環として、昨年10月に、他府県の実施状況や本県の財政状況を勘案の上、通院にかかる対象年齢を拡充し、入院、通院とも義務教育就学前の児童までとしたところでございます。
 本県の乳幼児医療費助成制度は、全国的に見ても高い水準にあるものと認識しており、現行で御理解を賜りたいと思っております。
 次に、保育料、利用料の軽減についてでございますが、保育所は保育に欠ける乳幼児を保育することを目的とし、一方、知的障害児通園施設は、障害のある幼児に対し、療育訓練を通して発達を促すことを目的とするもので、施設の役割や保護者負担制度などの相違がございますが、保育料、利用料の軽減につきましては、国に対して、障害児施設等に入・通所する就学前児童も対象にするなど、多子家庭に対する軽減措置の一層の充実を図るよう、近畿府県とともに要望しているところでございます。
 また、障害の子供を持つ御家庭の負担を軽減するため、特別児童扶養手当や税の軽減措置などの支援制度もございます。
 また、障害児施設の利用者負担につきましては、過大な負担とならないよう低所得者の方への減免措置がなされていましたが、本年度から、さらなる負担軽減措置としまして、月額の上限額の引き下げや軽減対象世帯の拡大などの措置が講じられているところでございます。
 3点目の妊婦健診の公費負担の拡充につきましては、議員御指摘のとおり、安全な分娩と健康な子の出生のためには妊婦健康診査は重要であり、出産に至るまで14回程度の健診の受診が望ましいと考えられています。
 現在の実施状況につきましては、県内全市町村におきまして、すべての妊婦に対して、妊婦の前期、後期に各1回の合わせて2回、さらに1市──これは海南市でございますが──本年度から、さらにプラス1回の合わせて3回、公費による健診を実施しています。
 国においては、平成19年度より妊婦健診の充実を含めた地方財政措置の拡充がなされたところであり、県といたしましては、市町村に対し、機会あるたびにその拡充を働きかけているところでありますが、今後ともさらなる妊婦健診の充実に向け、積極的な取り組みが推進されるよう働きかけてまいります。
 また、県におきましても、少子化対策として、第3子以上を産み育てようとする夫婦に対し妊婦健診にかかる費用を原則無料とする市町村に対し、その経費の2分の1を補助する制度、紀州3人っ子施策を創設し、経済的負担の軽減を図っているところでございます。
 次に、障害者自立支援法と小規模作業所への支援についての3点の御質問にお答え申し上げます。
 まず、小規模作業所への支援の状況についてでございますが、障害者自立支援法に基づく新たなサービスへの移行に向けて調整段階であったり、直ちに移行できない小規模作業所に対して、県では経過的な措置として、市町村が行う運営補助に対し、2年間に限り助成する新たな支援を行っているところでございます。
 今後、小規模作業所につきましては、新事業体系の中にある就労継続支援事業などの自立支援給付事業への移行や市町村が実施いたします地域活動支援センター事業への移行となることから、引き続き関係市町や作業所と個別に協議を行ってまいりたいと考えてございます。
 次に、障害児施設における応益負担の考え方についてでございますが、障害児施設につきましては、昨年10月から利用者本位の契約の仕組みに見直すのに合わせまして、障害者のサービスと同様、サービスの利用に応じた負担をお願いしてございます。
 ただし、一般の子育て世帯との均衡から、応能負担である保育料程度の負担水準となるよう軽減され、さらに19年度からは、障害児のいる世帯は若い世帯が多く、負担感が大きいといったことから、もう一段の利用者負担軽減措置が──これは経過措置でございますが──講じられているところでございます。
 障害児支援につきましては、国において、法施行後3年を目途に施設、サービス体系等について検討が行われることになっておりますので、国の動向について注視してまいりたいと、そのように思っております。
 次に、通所施設における安定的な運営についてでありますが、利用実績払い――日払い方式でございますが――の導入に伴い、一定限度内であれば定員を超えての受け入れや通所施設の開所日数をふやすことなど、弾力的な運営が可能となっております。
 また、障害者自立支援法円滑施行特別対策において、従来の報酬額の90%保障するなどの事業者に対する激変緩和措置が講じられております。
 今後、激変緩和措置後の影響等を見ながら、その上で改善すべきところは国に対して働きかけてまいりたいと、そのように考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 総務部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○総務部長(小濱孝夫君) 軽油引取税の減免状況と周知徹底についてでございますが、本県における軽油引取税の免税状況につきましては、平成18年度実績では、免税軽油使用者は2932名、免税軽油数量は2万4821キロリットル、免税額は約8億円となっております。
 免税制度につきましては、小冊子「県税のあらまし」の配布や県のホームぺージでの掲載によりまして周知を図っているところでありますが、今後、県税事務所の窓口や農協、漁協など関係機関を通じて周知をしてまいりたいと考えております。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ございません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(新島 雄君) 再質問を許します。
 41番奥村規子君。
○奥村規子君 御答弁、ありがとうございます。
 しかし、少子化問題の基本的考えについてというところで、知事は少し元気がないように思いました。子育てナンバーワン和歌山を目指す、そういったところでは将来にも非常にかかわる問題で、私自身、今回この問題を、なぜ基本的な考えを問いたかったかと申しますと、新長期総合計画素案というものが出されている、その素案の間に、いろんな計画のベースになる、やはり人間を大切にする、和歌山の1人1人の方がこの長期総合計画を見て本当に元気になっていく、そういうものをつくっていかなければいけないなと思ったからです。
 先ほど前段に申し上げました、今、本当に人間の命が軽んじられている、そういう状況の中で、まずはやはりすべての人が安心して住める、そういう制度を確立していく、そういうことが──国の制度だけでなくって県自身、自治体が補完していく、そういったことが非常に大事だと思います。
 そういう点でも、少子化問題については、特に今回、労働施策との関係ということでは、やはりいろんなアンケートの中でも、安心して経済的に安定する、そこのところが非常に子育てしていく上での大きな要求にもなってると思います。
 そういった面で、やはり8時間労働制をきっちり守ることとか、生活を豊かに送っていける、そういった賃金の問題などが非常に関係してくると思っていますので、そういった点で、今後とも元気な和歌山ということの前に1人1人が元気の出る和歌山にしていく、その施策を本当に考えていかなければと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、自立支援法の問題で、この県議会に来させていただいてこれだけは私はどうしても理解ができないという問題は、障害を持つことによって、そのサービス、お金を払わなければいけない、そのことがどうしても理解ができないんです。特に子供、障害を持って生まれたお子さんが成長、発達していくために適切な療養や医療や福祉が提供される、そのことが先進的な国ではないかと思うんです。そういう意味でも、ぜひ今度、見直しという中でそのことについても大きく取り上げて、県が国にやはり働きかけていただきたいと思うんです。
 最後に、原油問題のことでは、この間、農林水産とか商工、いろんなところに関連してるということで答弁もいただきました。そういう意味では、今、県民の生活が非常に毎日毎日──深夜、室温をはかってみたんですけど、やはり10度以下なんですよね。その中で、私はまた心配してるのは、ひとり暮らしのお年寄りや高齢者の方、いろんな方が凍死するということ、本当にそういう事件が起こらないか心配なんです。
 そういう意味でもぜひ、各部局でするということがなかなかこの問題は困難だと思うんですが、そういった形では、やはり適切な対策で、対策本部を設置するなど、ぜひお考えいただきたいなあと思います。そのことを申し上げて、要望といたします。
○副議長(新島 雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で奥村規子君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時38分散会

このページの先頭へ