平成19年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(山本茂博議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前10時1分開議
○議長(中村裕一君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第153号から議案第177号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 2番山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕(拍手)
○山本茂博君 皆さん、おはようございます。
 議長の許可を得ましたので、初めての一般質問をさしていただきます。
 きょう、このように県議会の壇上に登壇させていただきましたのも、県民の皆様、そして岩出市民の皆様の御支援のおかげであり、感謝申し上げる次第でございます。初心忘れることなく、県民の福祉向上を目指して頑張っていきたいと思います。知事初め職員の皆さん、また県議会の先輩、そしてまた同僚の皆さんにおかれましては、若輩者ではございますが、御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 小泉内閣の後を受けて安倍内閣が発足し、ちょうど1年で福田政権にかわりました。参議院選挙で与党が敗北し、参議院において与野党が逆転したからです。そこには、国民の行政に対する不信感、年金問題、国会議員の不祥事等に加え、格差社会の拡大への警鐘を打った地方の反乱といったものがあったのではないかと思います。
 福田内閣は、新たに「自立」「共生」というキーワードを挙げられております。地域の自立と、1つの自治体ではなく他の自治体と支え合う共生による地方の元気が日本をよくし、地方が主役となる国づくりを目指されております。
 そこで、地方分権と道州制についてお伺いいたします。
 先日、分権型道州制を考えるシンポジウムin関西に参加いたしました。総務大臣のビデオメッセージがあり、増田大臣は地方分権改革担当大臣、そしてまた道州制担当大臣を兼務されております。今までにはなかった動きを感じました。
 道州制の論議は明治時代からありましたが、地域格差の拡大に伴い地方は低迷し、いわゆるシャッター通り、寂れる町並み、流出する人口、低迷する経済、倒産する地方企業など、東京一極集中になっております。そして、戦後の人、物、金、情報が不足する中での大量生産、大量消費が行われ、我が国を1993年には1人当たりGDPを世界一に押し上げたわけであります。
 しかし、今は、1人当たりGDPは14番目となっております。また、1ユーロが98円であったのが、今では168円であります。ユーロから見ると低下しております。国力が低下し、日本がアジアの片隅の国になるのではないかと危惧いたします。
 日本経済がこのように中堅になったのは、経済政策が護送船団方式による政策で行ってきた点、また、教育において辛抱、協調、知識、個性の独創性をなくし、比較大量生産をした結果ではないでしょうか。地域についても、頭は東京、そして手足は地方となっているのではないかと思います。また、結果として会社の本社は東京に移り、文化創造、情報発信についても東京であるわけです。また、多様な知恵でうまく変化に対応できる国にすべきであったのが、何も解決できない国になったと思います。
 4年前、年金100年安心プランをつくられましたが、4年で変わったことにもあらわれていると思います。我が国は、これから少子高齢化の時代であり、社会構造は効率と集中、画一から選択、分散、多様、個性へとシフトする必要があります。90年代から、住民満足度または身近な選択が満たされる社会形成が求められるようになってきていると思います。
 人、物、金、情報を一極集中させるのが今までの中央集権体制の選択でありましたが、今こそ明治以来の開国的発想で中央集権体制を打破することが必要になっているのではないかと思います。中央と地方の権限分与においては主従関係があり、また行政において二重行政、いや三重行政が行われております。また、その結果、責任の所在があいまいになっております。そうして、交付金、補助金などの陳情政治がまかり通っているのが現状であります。地域主権で、国と地域の対等関係、パートナーとならなければならないと考えます。まさに地域主権型道州制が求められているのではないかと思います。
 国においては、地方制度調査会において、昨年2月末に、府県を廃止し、9から13の道州に再編する改革案が答申されたことを受けて、道州制担当大臣の下に道州制ビジョン懇談会を新設されております。また、国民的論議の喚起のため、全国の各ブロックの経済界の方々を構成員とする道州制協議会を設けられております。また、北海道を道州制特区として、今、北海道において計画されており、北海道からの提案が平成20年の春ごろに出てくる動きとなっております。まさに動き始めた感があります。
 しかし、兵庫県の井戸知事などは道州制に異議を唱え、大都市はどうするのか、そしてまた、一国の人口、経済規模にも匹敵する自治体が憲法上抵触しないのか、住民自治の確立をどうするのか、税財源の確保ができるのかという問題点を指摘されております。
 また一方、道州制の受け皿として、河川、道路、空港、港湾等についての広域連合をつくろうという動きもあります。どちらも中央省庁の再編が必要という点では一致しております。
 11月11日の日本経済新聞社の都市と地方に関するアンケート調査によりますと、道州制について8割の人が賛成であり、また福田政権に期待する地域振興策として、地方分権の推進が38.7%で最も多かったとあります。国民が道州制、そして地方分権を必要であるという認識をされていると考えます。
 新地方分権一括法を3年以内に国会に提出予定で、総務大臣は6カ月前倒ししたい意向であり、知事会、そして地方6団体も地方分権改革推進委員会に期待を寄せていましたが、11月30日の中間報告が出され、地方共有税の導入や地方行財政会議の法律による設置などは触れられておりませんでした。しかし、私は分権改革の道が見えてきたなと思います。またさらに、分権の後には道州制の議論が進むと思います。今まさに動き出した構造変化の波に取り残されることなく、自治体はこれから素早い対応に迫られると思います。
 そこで、和歌山県と和歌山県民の代表である知事に、地方分権に係る所見と将来の分権社会の確立に向けてどう取り組まれていくのか、お伺いいたします。
 また、木村前知事の官製談合事件は和歌山県民への裏切りであり、その行為は非難されるものがあります。しかし、前知事は、全国知事会議の平成16年の道州制研究会会長、そして平成17年、道州制特別委員会委員長をされております。道州制に対して全国的にリードされた面があります。こうした業績には私は評価したいと思います。
 職員も道州制について勉強されたと思います。政治は継続されるものです。前知事の道州制に対してその総括をどのように考えているのか、知事にお伺いいたします。
 次に、地方法人2税についてお伺いいたします。
 いわゆる地方法人2税、つまり法人事業税と法人住民税であります。和歌山県において、平成18年度決算において337億円で、県税に占める割合は35.4%であり、主幹税の1つであります。都市と地方の格差是正のため、法人2税の見直しが政府によって検討されております。
 私は、コンビニエンスストアを経営しておりますが、フランチャイズ店において、営業利益の一部はロイヤルティーとして本社に納め、法人事業税は東京に納められております。しかし、道路などの公共施設の利用や警察による治安、保健衛生などの各種のサービスは地方自治体から受けております。私は、利益の一部を地方自治体に還元すべきであると思いますし、法人2税の見直しは絶対必要だと考えます。また、利益に対してかかる税金が東京などの本社事業所に納められ、税収の地域間格差が広がっていると思います。
 今、総務省案によると、都会に集中しがちな法人2税の一部を国税に移すかわりに、都道府県の小売年間販売額などに応じ再配分し、地域間の隔たりが少ない地方消費税をふやすというものがあります。また、財務省案によると、法人2税を国が一括徴収し、自治体で分配するとあります。
 また、国の法人事業税の4分の1、約1兆3400億円を東京が占めております。平成18年度の緊急処置として3000億円の規模の配分見直しを行いたいということであります。
 一方、地方分権委員会においては、地方交付税の総額確保と地方共有税の導入を提言されております。政府においては、地方分権委員会とは乖離した点があるとは思います。
 このように、国税、地方税をめぐり、国、政府においてさまざまな議論が行われているところであります。和歌山県として、財政安定化のために国に対して地方の声を要望していく必要があると思います。知事に所見をお伺いいたします。
 次に、和歌山県における財政の見通しについてお伺いいたします。
 和歌山県の18年度決算を見ますと、自主財源である県税、諸収入が伸びており、国庫支出金の減少はありますが、17年度に比べて増加しております。経常収支比率は89.6%で、前年度より2.2%改善されております。類似団体と比べるといいように思いますが、財政の硬直化が危惧されます。財政力指数も0.304と、0.3以下の4グループ14県から抜け出すこととなったわけで、少しは財政改革が進んだ結果だと思います。
 しかし、県債及び基金の状況は、18年度末における一般会計と特別会計を合わせた県債現在高は7989億円、17年度は7776億円、16年度は7655億円で、約100億円ずつふえております。19年度当初予算は151億円の収支不足となり、財政調整基金、県債管理基金を取り崩して対応されておりますが、19年度末残高では191億円の収支不足であり、長期的に見ると29年度では2637億円の収支不足になると予測されております。基金が枯渇され危機的状況に陥る、そういう危惧をいたしております。
 日本の政治情勢は混迷の度合いを強めております。アメリカの衰退、中国、インドの台頭、そしてグローバル社会が加速する中で、日本の経済は本当に難しいかじ取りであると思います。
 経済情勢は今までと違った動きがあり、アメリカのサブプライムローンの問題、原油価格の高騰等により自主財源がこれから伸びるとは限らないと思います。
 平成27年には和歌山国体が開かれます。1回目の和歌山国体は、国体道路の建設、各競技施設の整備等、財政支出がなされました。今回は1回目とは違って財政支出は少ないとは思いますが、多少の出費はあると思います。そのような中で長期総合計画が策定されようとしておりますが、財政に対する認識がないように思います。
 そこで、県として、現在の財政状況を踏まえ、将来的な財政をどのように考えているのか、知事にお伺いいたします。
 次に、県の未利用地利用についてお伺いいたします。
 行政運営は、スリムで柔軟さが求められます。財政の格言に「入るをはかりて出るを制す」とあります。歳入を的確に推計し、その範囲内で歳出を定めることです。財政においては、我々は歳出の方に目を向けがちでありますが、歳入について目を向ける必要があると考えます。
 和歌山県では、歳入において、財政健全化のために未利用地の財産処分をされております。また、東京都においては、先進的に税金滞納の物納品または不動産をインターネット公売で成果を上げておられます。
 和歌山県においてインターネット公売を行っていると聞いておりますが、まずその現状について、総務部長にお伺いいたします。
 次に、岩出市の元那賀高校実習田跡地についてであります。
 この跡地は、インターネット公売の対象の中に入っているとお聞きしております。この跡地は国道24号線沿いにあり、また南に隣接の岩出警察署、そして那賀振興局があります。西側には那賀高校といったぐあいに県施設が集積しております。交通の便もよく、600メートル南には岩出駅があります。このように、岩出市のこの跡地は中心地にあります。現在、1万平方メートルの真四角の雑種地となっております。
 かつて岩出市民は、那賀高校、いわゆる公共施設ができるということで土地の提供等いろいろな点で協力した経過があると思います。岩出市民からは、教育施設、官公庁関係の施設等の誘致を期待する声が聞こえてきます。公共施設のみならず、少なくとも岩出市民のためになる施設の誘致が求められているのではないかと考えます。
 例えば、9月議会において、我が自民党の花田議員の一般質問に対して、知事はPFI事業を検討していくと答弁されております。県において、財政緊迫している中、民間活力を導入したPFI事業の推進は欠かすことのできない手法であると考えます。私は、和歌山県で開催される平成27年の国体に向けて、老朽化した施設をPFI事業で再活用することができないものか検討すべきであると考えます。
 また、岩出市は平成18年に市制施行され、人口増加率も県内で1番の市で、都市化が進む中、一方では市民の健康づくりや憩いの場となる公園の整備がおくれているように思います。
 新潟地震の被災地に震災10日後に視察に行きました。本当に大変だなと、そしてこれからどうなっていくんだろうという気がいたしました。公民館に多くの住民の方が避難されて、一刻も早くプライバシーの保護、また行政負担を少なくするという点から仮設住宅の建設が必要だなと思いました。このように、災害時には住宅の建設地の確保が緊急に求められるわけであり、公園などはまさしく最適地であると思います。
 こうしたことから、元那賀高校実習田跡地の活用について、都市公園のPFI事業の可能性も含め、その考えを総務、企画部長にお伺いいたします。
 次に、自殺対策についてであります。
 地域社会において非常に関心の高い自殺についての課題、また自殺予防について質問させていただきます。
 昨今において、松岡農林水産大臣の自殺、またこの人はと思う有名人の自殺、インターネットを通じた集団自殺など、社会問題化しております。
 警察によりますと、平成18年度中における国内の自殺者数の総数は3万2150人で、交通事故による死者数の5倍になっています。また、OECD主要加盟国の自殺率は日本の自殺率の半分以下という国が多く、日本は先進国の中では際立って多い状況であります。自殺大国と言っても過言ではないと考えます。
 また、人口動態調査によりますと、県内の自殺者は、平成17年には267人、平成18年には255人で、10年連続して250人を超えております。県人口10万人当たりの自殺者数は24.9人と、全国平均23.7人を上回っているのが現状です。憂慮される事態です。景気回復のおくれが和歌山県の中小企業、零細企業を直撃し、倒産という事態に追い込まれて、また社会情勢の悪化による自殺が懸念されます。
 自殺は、個人が自己決定する事柄であるから行政として公的部門がかかわるべき問題ではない、いわゆる個人的な悩みをどう解決するかということだから自殺は個人の問題であるという意見もあります。しかし、果たしてそうでしょうか。自殺の原因は個人的な問題にかかわっていることが多いと思いますし、自殺の要因はさまざまで、いわゆる社会的要因が複雑に絡まっていると思います。
 例えば、警察庁による遺書をもとにした自殺の原因・動機別統計によりますと、健康問題、経済・生活問題、家庭問題、勤務問題、男女問題、学校問題、いじめ、介護の疲れ、子育ての悩み、被虐待、多重債務、連帯保証債務等、平成19年から分類が行われているところであります。
 NHKの「クローズアップ現代」を拝見いたしまして、自殺は個人の問題ではなく、明らかに社会問題であると認識いたしました。例えば、倒産して借金を抱えた経営者が家族や債権者に迷惑をかけないように生命保険を当てにして自殺するという話、また周囲に頼る人のいない年老いた夫婦の一方が寝たきりになり看病疲れの結果自殺するという話、本当にだれにでも起こる話だなと思いました。また、自殺が社会の関心事になってきたなという思いと総合的な対策の必要性を改めて認識させられました。
 平成18年に自殺対策基本法が成立いたしました。
 政府の自殺総合対策大綱によりますと、「人の『命』は何ものにも代えがたい。また、自殺は、本人にとってこの上ない悲劇であるだけでなく、家族や周りの人々に大きな悲しみと生活上の困難をもたらし、社会全体にとっても大きな損失である。国を挙げて自殺対策に取り組み、自殺を考えている人を一人でも多く救うことによって、日本を『生きやすい社会』に変えていく必要がある」としております。「今後、大綱に基づき、地方公共団体をはじめ、医療機関、自殺の防止等に関する活動を行う民間の団体等との密接な連携を図りつつ、自殺対策を強力に推進する」とあります。
 国の政策として、自殺予防の対策、被害者家族の支援などを盛り込み、また平成28年までに平成17年の自殺死亡率を20%以上削減するという数値目標を定めております。また、内閣府に特別機関として自殺総合対策会議を設置し、自殺や精神疾患の正しい知識と普及を図るとともに、偏見をなくすため、9月10日の世界自殺予防デーに絡んで、毎年9月10日から1週間を自殺予防週間として、国、地方公共団体が連携し、啓発活動を推進するとしております。
 知事は自殺に対してどう認識されているのか、お伺いいたします。
 こうしたことを踏まえ、自殺予防対策についてお伺いいたします。
 さて、和歌山県においてはどうか。私は、自殺対策が立ちおくれているのではないかと思います。
 10月10日の「紀伊民報」によりますと、NPO法人自殺対策支援センターライフリンクが全国の都道府県と政令指定都市を対象に行った調査で、自殺対策の実施状況を5段階評価のアンケートを実施したとあります。それによりますと、対策を進めるための自殺対策協議会の設置の有無やその内容についてを20点、遺族の支援については10点、自殺対策に取り組む民間団体の支援については5点、啓発活動の状況について5点、個性的な取り組みについては10点と、以上50点満点で評価し、各都道府県の取り組み状況をAからEまでの5段階に分けたとあります。結果、和歌山県が得た点数は8点であります。奈良県、山形県とともに最低レベルのEランクでした。
 評価を見ると、啓発活動の項目で、シンポジウムを開くなどしているものの、厚生労働省が設置を求めている協議会が設置されていないことや、自殺をした遺族への支援が不十分などとして、調査時点で協議会を設置していないのは全国の都道府県で和歌山県を含む4県だけだったとあります。調査を行ったライフリンクの代表は、「地方自治体には自殺対策をとる責務があるという自覚が欠けていると言わざるを得ない。一刻も早く協議会をつくり、対策の一歩を踏み出してもらいたい」と指摘されております。
 さて、自殺件数の一番多い県として秋田県があります。汚名返上のため、秋田県においてさまざまな対策がとられており、ランクはAランクで、評価点数は44点です。平成13年から4年間で47%も自殺者が減ったと言われております。早い取り組みが自殺者を減らすことにつながるということです。
 秋田県において、秋田県健康推進条例が制定され、健康増進法では定められなかった心の健康の保持及び自殺の予防を入れたとお聞きしております。この条例によって、自殺予防が県の施策として正式に位置づけられると思います。
 我が和歌山県としても、自殺予防の観点も含めた健康推進施策のより一層の充実が求められます。仮称「県自殺予防対策推進会議」の内容について、福祉保健部長にお伺いいたします。
 最近の研究から、自殺はうつ病と関係が深いことがわかってきました。うつ病は、何らかの原因で気分が落ち込み、生きるエネルギーが乏しくなって、その身体のあちこちに不調があらわれる病気です。日本人の5人に1人が一生のうちで一度はうつ病にかかると言われております。
 うつ病の症状は、身体の症状と心の症状にあらわれるわけです。自殺の予防には、うつ病に対して正しい知識を持ち、早期に対処することが重要です。理解の普及と啓発を徹底し、うつ病のサインに気づき、周りの人が声をかけることが重要であります。そして、専門家の先生に診てもらうシステムづくりが大事であります。
 また、平成14年厚生労働省の患者調査によりますと、うつ病を含む気分障害の患者数は71万人でありました。また、うつ病にかかっている人のうちで医療機関を受診している人は4分の1にすぎず、4分の3は受診されておりません。
 心の病であるうつ病の人の数を減らすことは、緊急の課題であります。うつ病の人を専門医に診察・診療してもらう、かかりつけ医と精神科医の連携、病院におけるうつ病の治療の充実など、医療体制の確立が求められていると思います。いかがでしょうか。また、県民に向けた一層の啓発等が求められると思いますが、いかがでしょうか。あわせて福祉保健部長にお伺いいたします。
 次に、職員のケアについてお伺いいたします。
 さて、県の職員は、教育部門を入れると約1万2000人の職員がおられます。和歌山県にとって大企業と言っても過言ではないと思います。今年度から監察査察制度ができ、職員の分限違反者に対して処分を下されております。職員の分限違反者は、その人なりに問題があった人であったと思いますが、その違反者がうつ病という問題を抱えていなかったのか疑問ですし、また県職員の中には休職されている方もおられると聞いております。休職されている方の中に心の病を抱えている人がおられないか心配です。
 また、教育現場においては、他県において、校長先生、また新人教員の中にも自殺される痛ましい出来事が報道されております。財団法人労働科学研究所が行った教職員の健康調査によりますと、教員の67%が強い不安やストレスを抱え、抑うつ感を覚える教員は一般労働者の1.3倍になると言われております。特に、学校教育の中で子供のいじめによる自殺等問題となっている中で、うつ病にかかった先生が生徒の指導ができるのか疑問であります。子供にとっても悲劇であると思います。
 そこで、現在休職されている方は何名で、うつ症状の方はおられないか、もしおられるならどういう心のケアをしているのか、総務部長、教育長にお伺いいたします。
 また、例えばうつ病の早期発見と普及、啓発を図るため、インターネット上に自己診断が可能となるストレス度合いスクリーニングテストを開設するなど、だれもが気軽に利用できる仕組みを取り入れることが有効と考えます。
 職員や教員の心の病を予防するための相談や研修など、メンタルヘルスに係る体制はどうなっているのか。あわせて総務部長、教育長にお尋ねいたします。
 次に、中国山東省報告をさせていただきます。
 去る11月19日から21日まで、知事並びに中村議長、井出議員、山田議員、玉置議員、岸本議員、さらに和歌山大学システム工学部部長、環境保護分野で先進的な取り組みをされている民間企業の代表の方々とともに、本県の友好提携先であります中国山東省を訪問いたしました。
 19日午前に関西空港を出発し、直行約3時間で山東省の東部沿岸地域における青島市に到着。まず、山東省の莱陽市にあります山東朝日農場を訪れました。
 ここは、付加価値の高い農産物を生産することを目的に、我が国のアサヒビール、住友化学、伊藤忠商事3社共同出資により、山東省の協力のもと設立した農業法人であります。中国では、経済成長による生活水準の向上に伴い、食生活に対する安全・安心、高品質というニーズが高まるとともに、食に対する諸課題が叫ばれております。ここでは、農産物の栽培から物流、販売まで一貫したシステムを構築し、新たな農業経営モデルを示し、中国の食に対する問題解決の一翼を担っております。
 20日には、山東省済南汚水処理第2工場を視察いたしました。
 この施設は、2002年に完成の80平方キロメートルの大規模な汚水処理施設で、1日に20万キロ立方メートルもの汚水を処理しているとのことであります。済南市の人口の約3分の1をこの処理場でカバーしております。当処理場の陶俊木代表によりますと、済南市民に対し、よりよい科学技術でよりよいサービスを提供できる企業を目指して努力していきたいということでありました。
 山東省の大規模なスーパーであります銀座商城や泉城広場、そして済南市内の施設でありますしゃく突泉を視察いたしました。
 その後、山東省政府のトップである姜大明省長との会談に臨みました。
 この会談では、両県省のトップクラスの相互訪問と対話の継続、経済貿易交流のさらなる推進、環境保護分野における交流の重視、促進、観光分野の交流促進による双方の観光市場開発の推進、農業・林業分野での新たな協力の模索、文化・芸術・スポーツ分野での交流、人的交流の推進など、今後の具体的な成果が期待できる実質的な交流の展開について突っ込んだ話し合いが行われました。
 特に、中国でも国家的な課題となっております環境保護対策に係る具体的な国際協力プログラムを進めることで合意を得、また済南─関西空港の直行便について山東省側の積極的な協力の姿勢を引き出せるなど、実りのある会談であったと思います。
 その後、場所を移し、我々立ち会いのもとに、仁坂知事と姜省長による「和歌山県・山東省友好交流関係の発展に関する覚書」の調印が行われた次第であります。
 この会談は、本県と山東省が新しい時代を迎え、これまでの交流に加え、環境分野での人的交流や直行便運航の検討など、さらに実質的な交流を展開していくことが確認されました。
 また、この会談に先立ち、両県省の産官学の方々が参加して環境対策国際セミナーが行われ、活発なセッションが行われたと伺っております。その結果、山東省側の強い要望で年明けには山東省の訪問団来県が予定され、第2回目のセッション開催と企業施設の視察を行う方向で協議が継続されているとのことであります。
 翌21日には、中国共産党山東省委員会の李建国書記を表敬訪問の後、和歌山県・山東省企業商談会2007の開幕式典に出席し、本県から参加の11社14名の方々を激励させていただきました。ここでも、山東省からの参加企業140社210名に及ぶ方々との間で活発な交流が行われております。
 行程が2泊3日と強行スケジュールの訪中でした。しかしながら、今回話し合われた内容は、両県省の新しいトップが一堂に会し、また日中国交正常化35周年の記念の年に本県と山東省との交流が新たな段階に達したという意味においては、まことに有意義な訪問であったと思います。
 以上で、報告並びに一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの山本茂博君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、地方分権と道州制についての見解ということでございます。
 私は、地方分権とは、地方に住む我々、者が自分たちのあり方を自分たちで決められるというようにする大変崇高なものであると思っております。そのためには、責任を一方ではとらないといけない。また、自己責任と、一方ではその地域に住んでいる人たちの日本国民としての最低限のものが保障されなきゃいけない。まあナショナルミニマムというふうに言うべきだと思いますが、そういう2つを達成しながらやっていくという作業だと思っております。
 これを進めるためにも、すなわち和歌山県でいえば和歌山県の人たちのナショナルミニマムをちゃんと守って、それで和歌山県が責任のある行政ができるかということを考えていくときに、地方の権限と、それから責任に見合った財源をきちんと保障するということもまた大事だと思います。どの地域に暮らしていても勇気と希望がもたらされるような豊かな自治が実現されなければ、それはただの観念的な産物になってしまうということだと考えております。
 また、分権型社会は、地方が相互に競い合うという状態をつくり出しますので、地域の自力を育てておくということも肝要であろうと思います。そのためには、企業誘致を初め県産品の販売促進、観光振興などに戦略的に取り組むことで地域の経済力向上を図るとともに、経済活動の基本的なスタンス、基本的なチャンスを保障し、地域間競争の条件を平等にするという観点から、今度は高速道路ネットワーク形成、それから通信インフラ、そういうものの必要性を国に訴えるなど、他地域に比べて劣っている基盤整備、これに取り組んでいるところでございます。
 次に、道州制に関しましては、私は大きく分けて2つの流れがあると思います。
 1つは、特に国の財政再建を考える、あるいは効率性を考える、もっと端的に言うと、経済界にこういうことを言う人が大変多いのですが、今の47都道府県というのは多過ぎる、知事なんか例えば近畿地方で1人でよろしい、議会の人たちもこんなにたくさん要らん、それでそれぞれの県庁の役人がいっぱいレッドテープばっかりしてるから面倒くさくてしようがない、そういうようなことを考えて、効率的な行政体制をつくれ、こういうような流れが1つあると思います。これは、1つは思想的な問題ではありますけれども、もう1つは、例えば時間距離がどんどん短くなっているという現状を考えると、不可避的な1つの流れではないかということも考えられます。
 一方では、地方分権がなかなか進まないので、地方分権を進める手段として道州制を考えて、大きくまとまれば、国は地方になかなか権限や財源を渡そうとしないけれども、大きく分けると分けざるを得ないかなと、それによってなかなかいい地方分権ができるのではないかというような考え方もあると思います。私は、この考え方にも実は賛成であります。ただ、その具体的な中身については、県単位でなかなかできないということを道州制でまとめればすぐできるのかということもまた、何も筋道がついていないというような事態であります。
 実はもう1つ、私が考えなければいけないと思いますのは、私は今、和歌山県の知事であります。和歌山県の100万人の人々、ここに住んでおる人々に責任を持っているし、その子々孫々が和歌山で立派に暮らせるということをどうやってこの制度改革の中で保障していくかということが私に課せられた任務であると思っております。
 したがって、前の知事がどのような考え方でやっておられたか、私は余り──インタビューをしておりませんので実はわかりませんけれども、多分2番目に言った考え方に即してやっておられたんではないかというふうに思います。
 ただ、例えば3番目の私が言った懸念について言えば、県というのは、今、近畿地方の中で、県があることによって、例えば基礎自治体に対して、県道をつくるとか、県としての共通の行政を提供するとか、河川や港湾に責任を持つとか、そういうことで結構実は国の資源をより和歌山の方へ持ってきているというメカニズムがあることも事実であります。したがって、この県という単位がなくなって一気に近畿地方というようなものができてしまったときに、果たしてその地域間のバランスをとるための調整が今までと同じようにきちんとできるかということを考えておかなけりゃいけないというのが、多分私が申し上げなきゃいけないポジションではないかとずっと思っております。
 ただ、驚くべきことは、これを全国知事会で申し上げたときに、変なことを言うやつがいるなというふうにみんなから思われたということも事実であります。ただ、賛成する方も徐々にふえてきましたので、今だんだんそういうふうに流れておりますけれども、こういう、私に言わせると3つの流れを総合的に考えながらこれから道州制というのが固まるときに、私としては和歌山の方々の幸せを第一に考えてこの議論に参加していきたいと、そういうふうに思っております。
 それから、その次に、和歌山県の行財政改革、特に地方法人2税の見直しということでございます。
 これは、税源の偏在の是正策として、地方法人2税の一部と消費税の一部を交換する案とか、あるいは地方法人2税の一部を国税として再分配すると、いろいろ政府・与党及び全国知事会などでさまざまな議論がなされているところでございます。
 私としては、地方法人2税の見直しを初めとする税の偏在の是正や、さきの三位一体改革により大幅に削減された地方交付税の充実強化などについてしっかりと議論をしていただきまして、何よりも大事なことは、本県のような地方圏の団体の歳入総額が実質的にふえるというような制度にぜひしてもらいたい。
 いろいろな理論的なことを申しましても、それによって実質的に我が県が今大変な苦境にあえいでいると。これはほかの県もそうでございますが、そういうこともまた事実です。そういう状況を何とか打開する方向に、一歩でも二歩でも三歩でも百歩でも進めていただくような、そういう方向を後押ししていきたい。方法論は、これでなきゃいかんということを言いますと、かえってその流れにさお差す可能性もありますので、慎重に実利を追求していきたいと。私としては、志が低いようですが、和歌山県のためにはそう考えざるを得ないというふうに思っております。
 もちろん、その議論においては、結論を先に申し上げましたけれども、偏在性の少ない地方税体系を構築するというようなことのほうが和歌山にとっては絶対に有利であります。地方交付税も、ぜひふやしてもらうように工夫してもらうというのが有利でございます。そういうことを、議員各位の御協力も得ながら、今後とも粘り強くやっていきたいと思っております。
 次に、県財政の将来見通しとその対応策でございます。
 議員御指摘のとおり、県財政は大変厳しくて、平成19年度当初予算、これは私が就任した直後に最終的な知事査定がございました。そのときには、一昨年策定されました行財政改革プランでほとんど全体的な予算ができていました。それは、私は踏襲をいたしまして、それで中身の組みかえを若干やったということであの予算案を提出させていただいたところなんでございます。
 そのときの考え方におきましては、基金の取り崩し予定額が、実は151億円でありました。その結果、平成19年度末、来年の3月末の──これは19年度当初の見通しですが──基金残高は191億円になるということでございました。
 この基金残高は、平成4年度末がピークでありましたが、このときに和歌山県は952億円という基金残高を持っていました。これに比較すると、大変財政状況は厳しい、しかもこれだけ行財政改革をやっているにもかかわらず、実はまだ基金を取り崩さなければいけない、それも単年度じゃなくてずうっと取り崩さなきゃいけないかもしれないというのは、実は先般公表させていただきまして議会にも提出されました、現状のままでいったときの行財政見通しなんでございます。これでは持続可能な財政が営めないということでございますし、せっかく新しい長期総合計画を議決していただいても、財政難からこけてしまうというか実施できない。そういうことになると大変でございます。したがって、それがきちんとできるようにやっていかなきゃいけない。そこで、国に対して引き続き地方税財源の拡充に向けた制度改正を強力に働きかけていくことはもちろんのことでありますけれども、さらなる行財政改革を同時に強力に推進しなきゃいけないということだと思っております。
 本県では、繰り返しになりましたが、これまでも行財政改革に懸命に取り組んでいます。新たな行財政改革への取り組みは、そういう意味では大変厳しいものになるということでございます。ただ、事情が事情でございますので、聖域を設けることなく、現行の行財政改革推進プランで行っている人員の削減あるいは組織のスリム化、民間活力の導入、選択と集中による事務事業の見直し、未利用県有財産の処分等あらゆる手段を総動員いたしまして、本年度当初予算における151億円の財政収支不足額を今後段階的に解消して、ソフトランディングできるようにしてまいりたいと思っております。
 議員の皆様におかれましては、大変申し上げにくいことを申し上げてるんでございますが、どうぞよろしく御協力のほどお願い申し上げます。
 それから、自殺問題でございます。
 全国で年間3万人、和歌山県では260人の方々がみずから命を絶っておられる。これは、交通事故死者数の5倍に当たる驚くべき数字であると思います。議員御指摘のように、これは大変だと。それから、自殺を図ったものの幸い命を助けられた人は、実際に自殺をされた方の10倍もあるということだそうです。
 それから、自殺をされますと、本人ももちろん命がなくなるわけですが、その周りの方々にいろんな精神的打撃を与えると思います。そういう意味で、研究報告によると、最低でも5人ぐらいの方はとんでもない精神的打撃を受けるというふうに言われております。
 みずから命を絶つ人だけの問題ではございませんで、家族や周囲の者にとっても深刻な問題であります。私は、自殺を考えてる人を1人でも多く救うために自殺対策を進めてまいらなきゃいけないと思います。
 御指摘のように、和歌山県の対策がおくれているのではないかという点については、どうもそのような評価に反論が難しいという点もございます。山本議員がおっしゃるように、これから大いに取り組みを強化すべく努力をしていきたいと思います。
 内容については、既にもう手をつけておりますけれども、井畑福祉保健部長にお尋ねでありましたので、部長から答弁をさせたいと思います。
○議長(中村裕一君) 総務部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○総務部長(小濱孝夫君) 県有地のインターネット売却の状況について、それから那賀高校実習田跡地とPFI事業の活用についてお答えいたします。
 県有財産の有効活用につきましては、平成18年3月に公表した行財政改革推進プランにおいて、歳入確保策の1つとして未利用県有財産の処分を掲げ、インターネットオークションを利用した売却等により計画的な処分を図っているところでございます。
 県では、全国初のインターネットオークションを利用した公有財産売却システムをヤフー株式会社と共同開発し、平成19年1月に本県を初め10自治体の参加により実施いたしました。
 本県の実績といたしましては、出品した7物件のうち6物件が落札され、予定価格の1.2倍の約1億8000万円の歳入確保を図りました。また、今月5日から申し込み受け付けを開始しております19年度の第2回目の入札におきましても、8物件を出品しているところであります。
 議員御指摘の那賀高校実習田跡地につきましては、平成3年に用途廃止され、現在、普通財産として管理しておりますが、県の処理計画において、処分すべき財産の1つとして位置づけをしております。
 当該地は国道に隣接する約1万平方メートルの整形地であり、県の施設が集積する地域に位置する財産であります。売却も含めて、その利活用については慎重に検討する必要があると認識しておりまして、地元自治体など関係機関とさらに協議をしてまいりたいと思っております。
 次に、職員の状況とケア並びにメンタルヘルス体制についての御質問にお答えいたします。
 最初に、職員の状況についてでございますが、知事部局における病気休職者は現在13人であり、このうちメンタル系疾患による休職者数は9人であります。
 次に、職員に対するケア及びメンタルヘルス体制といたしましては、本庁及び各振興局等に産業医を配置するほか、専門家であるカウンセラー2名を委嘱し、本庁及び西牟婁振興局においてストレス相談を実施するとともに、地方機関への巡回相談、新規採用職員に対するふたば相談をあわせて行い、心の病の予防や早期発見等、心のケアに努めているところであります。
 また、メンタルヘルスに関する知識の普及、啓発といたしましては、管理監督者を対象といたしましたメンタルヘルス講座の開催や、職員研修にメンタルヘルス関連の講義を組み込むなどの取り組みを行っております。
 議員から御指摘のありました職員のメンタル面での健康管理につきましては非常に重要なことと認識しておりまして、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。
○議長(中村裕一君) 企画部長森 崇君。
  〔森 崇君、登壇〕
○企画部長(森 崇君) PFIの活用についてお答えいたします。
 本県には市町村も含めてPFIを活用した事業はございませんが、行政負担の軽減や質の高い公共サービスの提供ができるなどのメリットがありますので、公共施設を整備する場合は1つの有効な手段と考えております。
 県では、現行の行財政改革推進プランにおきましてPFI手法を検討することがうたわれており、メリットが大きい案件につきましては、他府県での公園事業や体育施設などの事例も踏まえ、積極的に検討してまいります。
 また、市町村事業においてもPFIの活用を検討していただきたいというふうに考えております。このため、県では、昨年度に引き続き、本年度も市町村や民間の方々を対象としたセミナーや相談会の実施を計画しているほか、PFIの活用事例や研修会などの情報を提供し、周知を図ってまいります。
○議長(中村裕一君) 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) 自殺予防対策についてでございますが、自殺は、健康問題、経済・生活問題、家庭問題などのさまざまな社会的要因が関係しており、自殺予防対策の推進に当たっては、多角的な検討と総合的な対策が必要であると考えております。
 このため、県では、医師会、弁護士会、大学、精神科病院協会、教育庁、県警本部、労働局、いのちの電話協会、臨床心理士会、商工会議所連合会等の関係機関で構成する和歌山県自殺対策連絡協議会を本年12月20日に発足し、自殺予防対策にかかわる機関の相互の連携や情報交換を行い、具体的な取り組みの方向性を協議してまいりたいと考えてございます。
 次に、自殺対策に関連いたしまして、うつ病対策についてでございます。
 自殺がうつ病と精神疾患との関連性が高いことから、それについての正しい知識の普及啓発を一層進めるとともに、うつ病等の早期発見、早期治療のためには、かかりつけ医師の診断技術の向上や専門医との連携が重要であり、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応を図ることができる人材の育成を図る必要があります。
 また、不幸にして自殺されました遺族の方々等に対する相談窓口を精神保健福祉センターに設置し、心のケアに当たっているところでございます。
 さらに、自殺予防対策は、自殺の要因が、議員御指摘のとおり精神保健の要因に限られるものでなく、さまざまな社会的要因が複雑に絡まっていることもあり、他の関係機関と密接に連携しながら包括的な取り組みをしていく必要があることから、先ほどもお答え申し上げましたように、県自殺対策連絡協議会におきまして今後の施策を具体的に検討してまいりたいと、そのように考えてございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 教職員のメンタルヘルスについての御質問にお答えいたします。
 本年11月現在、県内公立学校で休職中の教職員は60名、そのうち約6割が精神疾患によるものでございます。
 こうした課題への対策として、現在、学校長等の管理職、県及び市町村教育委員会の人事担当者や健康教育担当者を対象に教職員メンタルヘルス研修会を実施するとともに、和歌山市、田辺市、那智勝浦町の3会場で、教職員を対象にストレス相談を行っております。
 さらに、労働衛生の推進、個人の健康・安全の増進を目的として設置しております総括安全衛生委員会では、昨年度から県立学校教職員に対しまして、生活状況アンケートと健康状態自己チェックを始めたところであります。これらの結果を先ほどの研修会や相談に有機的につなげて、防止に役立てていきたいと考えております。また、こうした県立学校における取り組みを市町村教育委員会にも周知し、普及するよう働きかけているところでございます。
 議員御指摘のとおり、子供たちの成長に大きな影響を与える教職員のメンタルヘルスケア対策は大変重要であることから、今後ともその充実に努めてまいりたいと考えます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 以上で、山本茂博君の質問が終了いたしました。

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