平成19年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(全文)


県議会の活動

平成19年9月
和歌山県議会定例会会議録
第4号
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議事日程 第4号
 平成19年9月20日(木曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第115号から議案第143号まで(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第115号から議案第143号まで(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(46人)
 1番  泉 正徳
 2番  山本茂博
 3番  前芝雅嗣
 4番  浅井修一郎
 5番  吉井和視
 6番  向井嘉久藏
 7番  門 三佐博
 8番  町田 亘
 9番  川口文章
 10番  平木哲朗
 11番  花田健吉
 12番  須川倍行
 13番  大沢広太郎
 14番  谷 洋一
 15番  平越孝哉
 16番  下川俊樹
 17番  岸本 健
 18番  山下大輔
 19番  尾崎太郎
 20番  藤山将材
 21番  新島 雄
 22番  山下直也
 23番  井出益弘
 24番  宇治田栄蔵
 25番  多田純一
 26番  中 拓哉
 27番  角田秀樹
 28番  江上柳助
 29番  山田正彦
 30番  坂本 登
 31番  尾崎要二
 32番  中村裕一
 33番  服部 一
 34番  片桐章浩
 35番  原 日出夫
 36番  藤本眞利子
 37番  長坂隆司
 38番  玉置公良
 39番  小川 武
 40番  冨安民浩
 41番  奥村規子
 42番  松坂英樹
 43番  藤井健太郎
 44番  雑賀光夫
 45番  野見山 海
 46番  松本貞次
欠席議員(なし)
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        原 邦彰
 知事室長       曽根義廣
 危機管理監      杉本雅嗣
 総務部長       小濱孝夫
 企画部長       森 崇
 環境生活部長     楠本 隆
 福祉保健部長     井畑文男
 商工観光労働部長   永井慶一
 農林水産部長     下林茂文
 県土整備部長     茅野牧夫
 会計管理者      小倉正義
 教育委員会委員長   樫畑直尚
 教育長        山口裕市
 公安委員会委員    高垣博明
 警察本部長      鶴谷明憲
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     垣平高男
 選挙管理委員会委員長 山本恒男
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       山本庄作
 次長         植野博文
 議事課長       薮上育男
 議事課副課長     土井敏弘
 議事班長       吉田政弘
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      石垣悦二
 議事課主査      瀧川泰治
 総務課長       下出喜久雄
 調査課長       佐本 明
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  午前10時1分開議
○議長(中村裕一君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第116号から議案第120号まで、議案第125号及び議案第129号は、職員に関する条例案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 日程第1、議案第115号から議案第143号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 1番泉 正徳君。
  〔泉 正徳君、登壇〕(拍手)
○泉 正徳君 おはようございます。
 初めてこの場に立たせていただき一般質問ができますこと、御支援くださいました多くの皆様方に厚く御礼を申し上げたいと思います。
 ことしの春の選挙期間中も、地方分権の時代、これからの10年間が和歌山県にとって重要な時期であり、まず、昨年失われた県政への信頼回復と、分権時代にきっちりと対応できる県行政へのシステムづくりが必要だと訴えてきました。同僚・先輩議員とともに、微力ではありますが、県勢の発展のために仲間に入れていただき、一生懸命頑張っていきたいと思っています。どうか、知事初め当局の皆様方の御指導のほどをよろしくお願い申し上げます。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、早速一般質問をさせていただきます。「難しいこともわかりやすく」というのが私のモットーであります。どうか、わかりやすい答弁をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 まず、地方分権改革に対する今後の県の方針について、2点、知事にお伺いいたします。
 2000年7月には地方分権一括法が成立し、機関委任事務の廃止と並行する形で市町村合併が推進され、合併特例法の改正も盛り込まれました。その後、「地方にできることは地方に」の当時の小泉総理のかけ声のもと、経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003年度、いわゆる骨太の方針で政府の方策として閣議決定されたのが三位一体改革であります。
 税源移譲、国庫補助負担金、地方交付税を一体的に解決しようとするもので、分権改革への備えのできていない小さな自治体は、まるで海図のない海を航海するような不安に駆られながら、行政体制整備のため、また財政面での課題を克服するために、合併協議会の中で関係市町村と厳しい議論を闘わせながらも市町村合併を進め、西高東低と言われた平成の大合併で全国3200余りの市町村が6割の1800近くにまで減少しました。
 今後、第29次地方制度調査会では小規模町村に対する特例についても議論されるのではないかと推測され、昨年12月の地方分権改革推進法の成立により、地方分権時代は新たな1ページを開いたものと理解しています。
 このように、市町村合併で自治体の枠組みに一定の方向が示され、もちろん2次合併等の問題は残されているものの、県民サービスを維持するために今後どのような和歌山県を構築していくかが、県当局はもとより、議員の我々にも課せられた大きな課題であります。
 本県では、既に分権時代に対応すべく行財政改革推進プランを策定し、分権時代にふさわしい行政経営のため改革に取り組まれていますが、財政改革や今後の財政見通しにつきましては、先日、他の議員からも幾つかの質問もございましたので、行財政改革のもう一方の柱である行政改革について質問をいたします。
 御案内のとおり、和歌山県でも、市町村合併により、50あった市町村が30の市町村となりました。各市町村では、一部事務組合や広域圏にも枠組みの変化があり、それと同時に、県の行政区域の一部にも変更が生じました。
 今後の地方自治体は、「住民の負担と選択に基づいた、個々の地域にふさわしい総合的な公共サービスを主体的に提供するという分権型社会システムに転換していかなければならない」と書かれた今回の行財政改革推進プランの中でも、市町村への事務権限の移譲、組織機構の見直し、人材の確保・育成は分権改革の非常に重要な部分を占めています。
 特に、組織機構の見直しについては、「効率的、効果的な新しい行政運営システムの確立に向けた組織機構の構築に取り組んでいく」とあります。今までも、本庁の組織機構の見直しはもとより、振興局においても地域行政課の廃止や県税事務所の創設などの組織改革に取り組まれてきました。
 交通網の整備や情報システムの発達により、県内の移動時間や情報の伝達は見違えるほど速くなりました。しかしながら、南北に長い和歌山県では、県民は県の出先機関である振興局のあり方や今後の存続について興味深い関心事であります。
 市町村合併の進展や市町村に対する事務権限の移譲によりどのように変わろうとしているのか、振興局制度の今後の見通しについて、知事の考えを伺いたいと思います。
 次に、行政改革についてお伺いいたします。
 これからの行政経営は、あらゆる情報の公開とともに、政策意思決定に対しても、その過程をオープンにし、限られた予算の中で何を選択し、どのように効率よく進めていくのかという県民に対する説明責任が求められてきます。
 例えば、行政を経営に置きかえますと、サービスを提供する顧客はだれか、顧客が満足するにはどうしたらよいのか、だれがサービスを提供するのかとなります。
 昨年知事が選挙で言われた5つの目標を達成し、顧客である県民の満足度を高めるためには、今まで以上にサービスの提供者である職員の意識改革や動機づけが必要であります。
 また、労使は緊張感のあるパートナーシップだとも言い、組織は人なりと申します。職員との意思疎通を図り、行政改革を進めるに当たり、職員と一体となってどのように取り組まれていくのか、知事のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 そして、分権改革の大きな柱であります事務権限の移譲は、自治体職員の意識を高めて国と地方の関係を見直し、真の分権改革を進めるためにも、住民に身近な行政サービスを提供するためにも不可欠であります。それぞれ市町村の規模は異なりますが、市町村とも十分協議をして、また県の組織との整合性も図りながら、分権時代にふさわしい権限の移譲を進めていただくことを要望いたします。
 次に、消防の広域化についてお伺いします。
 県内各地域が過疎化、高齢化の進む中、どの消防団においても消防団員の確保が大変困難な事態となっており、また地域ごとに自主防災組織など住民活動組織を結成して住民参加型の地域の防災システムを構築していますが、組織の結成すら困難なところもあり、県民の消防防災体制への目に見えない要求や期待は年々高まっているのが現状です。
 しかしながら、地方交付税の減額など、各市町村とも厳しい財政状況の中で、無線システムのデジタル化への対応や消防施設・機器の充実、職員の訓練や救急救命士などの資格の取得にも多額の費用が必要な状況で、これ以上単独での消防体制の拡充には限度があります。
 そこで、県内の消防の広域化を図り、効率的な運用による素早い対応に大きな期待が寄せられています。
 自治体や消防本部の中にも広域化の必要性を感じているところは少なくないと思われます。しかし、総論での合意は得られても各論となると、それぞれ消防本部の規模や地域の事情もあり、合意形成には時間を要することが想像されます。
 広域化により人員の削減など合理化されるのではないかと不安もあろうかと思いますが、消防防災体制の強化と充実を図ることに主眼を置き、できるだけ速やかに地域の実情をとらえ、県当局がリーダーシップをとり、地域に合った消防体制の確立に向けて計画を進められることを望みます。
 消防広域化に向けての現在までの経過と今後の展望について、危機管理監にお聞かせ願います。
 最後に、河川行政についてお伺いします。
 本県は県土の77%を森林に覆われ、その山々に降り注ぐ雨は多くの渓谷を伝い、川となり、瀬戸内海や太平洋へと流れています。
 紀の川水系、新宮川水系の2つの1級水系には134の1級河川があり、ほかに316の2級河川と89の準用河川を含み、多くの普通河川を有する和歌山県は、川の県と呼べるのではないでしょうか。観光立県を目指す本県にとりましても、瀞峡の観光や観光いかだで有名な北山川、ウ飼いで知られる有田川、今、カヌーなどで脚光を浴びている古座川など、観光の面からもこの河川の豊かな資源は大きな財産であることは間違いありません。
 それぞれの流域では歴史・文化を共有し、時には小説の舞台となり、戦前は広く中国や朝鮮半島にまで出かけて、いかだ流しとして名をはせ、また、近代化を進める国策のために、電力利権の争いは昭和、大正、明治の和歌山県政や地域住民にも多くの波紋を投げかけるなど、人間模様とともに人々は川とともに生きてきたと言っても過言ではありません。
 私の住む田辺市にも、南から、世界遺産に川の道として登録された熊野川を初め、日置川、富田川、日高川という県内でも有数な河川があり、また、川を掘ると湯がわき出る川湯温泉のある大塔川や市内を流れる会津川、芳養川など、大小幾つもの河川があります。人間にも個性があるように、川にもそれぞれ個性があるように感じられるのは私だけではないと思います。
 平成9年には河川法が改正され、河川の持つ多様な自然環境や水辺空間に対する国民の要請の高まりにこたえるため、河川管理の目的として、治水・利水に加え、河川環境──水質、景観、生態系など──の整備と保全が位置づけられ、環境面にも配慮がなされました。
 多くの河川を抱える本県の河川行政について、県土整備部長の考えをお聞かせ願います。
 これら多くの河川は、何度となく豪雨により荒れ狂う濁流となり、特に明治22年の水害では、古代より熊野川の中州に鎮座する熊野本宮大社が流失し、上流の奈良県十津川村では、被害に遭った住民の多くが北海道へ移住するという大惨事に見舞われました。
 また、昭和28年には、県内各地の流域で台風による増水や土石流で甚大な被害が発生しました。熊野川流域でも多くの被害があり、その後、堤防工事や治水工事がなされ、上流には幾つかのダムが建設されましたが、利水を目的としたダムでありますが、ダム操作規程の見直しなどの対策は講じているものの、いまだに浸水に対する住民の不安を解消するには至っていません。
 本県を代表する1級河川紀の川では、平成17年に河川整備の長期的な方針を示す河川整備基本方針が決定し、それに基づき河川の具体的な整備計画となる紀の川河川整備計画が策定中とお聞きしていますが、もう1つの1級河川熊野川では、河川整備基本方針が示されていません。河口から5キロの区間は国の河川管理下にありますが、一日も早く基本方針が示され、熊野川河川整備計画が策定されますよう、県当局の対応についてお聞かせ願います。
 また、日高川を初めとする清流には全国各地から釣り人が訪れ、民宿初め観光面など、地域の経済にも影響を与えています。これらの河川は住民の憩いの場であり、子供たちの大事な教育の場でもあります。しかしながら、森林の荒廃や道路工事など、土砂が流入し、河川環境にも影響を与えるのではないかと危惧する場所も見受けられます。
 一方、市内の河川では、農地の宅地化や開発事業による土砂の堆積や立竹木の侵入により河川本来の機能が損なわれるのではないかと不安を抱えています。
 そこで、河川のしゅんせつや河川内の流木の伐採などの予算に配慮をいただけないか。財政状況が厳しい中、河川改修や堤防改修など治水対策に取り組まれているのは承知しています。しかし、21世紀の世界は水の時代ではないかと言われる今日、最初にも申し上げましたが、川はこれから和歌山県の今まで以上の豊かな資産となります。資源を守り、住民の安全・安心を確保するために、河川の維持管理に対する県土整備部長の所見をお聞かせ願います。
 これで、壇上よりの質問を終わります。御清聴、ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの泉正徳君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、県の組織機構の見直しについて、特に振興局制度のあり方についてお答え申し上げます。
 振興局の役割につきましては、県固有のサービスを現場で執行するための出先機関としての機能と、市町村等の地域振興を図る機能があると考えております。後者については、市町村との日ごろの連絡はもちろんのこと、地域の声を直接吸い上げたり、あるいは県の政策の住民への浸透という面を通じて地域振興を図るということだと考えております。
 これにつきましては、市町村の合併が進展する中で、平成18年4月にその一部を本庁に集約、一元化するというような見直しを行ったところでございます。
 今後も、合併新法による県内市町村の合併状況を注視するとともに、県と市町村との役割を考慮しながら、地域に密着した県固有のサービス水準を維持しつつ、より簡素で効率的な振興局のあり方について検討を行った上で見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。
 次に、行政改革、あるいは職員の意識改革の問題であります。
 県政の持続可能な発展を図るためには絶えず行政改革を継続していかなければなりませんし、また職員の意識改革も必要であることは申すまでもないと思います。
 私は、和歌山県庁の職員はなかなかよくやってくれているというふうに自分では思っています。そういう意味で、これに満足をする誘惑にいつも駆られるわけでありますけれども、議員御指摘のように、我々の一番奉仕すべきは、顧客である県民でございます。そういう意味で、県民が現実にいろいろな問題を抱えているということに対して、我々の仕事が十分に正しい方向にされているかどうか、いつも目配りをしていかなければならないと思います。
 このため、まず第1に行政改革の推進を行っていかないといけないと思います。とりわけ組織については、私は就任以来、すぐに目についた点につきましては組織改革をさしていただきましたけれども、来年度を目指してもう一度じっくり全体の組織が一番効率的に回るようにいつも見直していきたいと思っておりますし、また、県、市町村、民間の役割を見直しまして、その一部を指定管理者制度とか、あるいは市場化テスト、あるいは業務のアウトソーシングなどの民間活力を導入すること、あるいは市町村に権限移譲することなどにより、より効果的、効率的な行政運営を図ることとしております。
 また、職員の意識改革につきましては、職員に対して、さまざまな行政課題に職員1人1人が常に任務を感じて、自分の仕事はどうしたらいいんだということを感じて仕事を行うように求め、県民のニーズを的確に把握し、最適な施策を選択することにより真に県民のためになる事業を行っているかどうかを見直してくれというふうに言っております。
 私は、和歌山県の職員は、これまでも誠実にみずからの業務を果たしてきたのだと思っておりますけれども、それはともすれば、組織の常として、現在ある仕事に自信を持ってしまうというところもあるかもしれません。そのときに、効果がいま一つであるというときには、みずから自己満足になってないかどうかというようなことを点検して、非効率で無駄な事業はないかどうか、そういうことを見ていく必要があると思います。そういう意味で、私もよく見て指導するようにしておりますし、また職員1人1人がみずから点検をして、直すべきとこは自分で直していこうじゃないかというようなことを申し上げている次第であります。
 今後とも、こうした職員の創意工夫や努力によって、より効果的、効率的な行政運営を行い、県民ニーズ、議員のお言葉で言えば顧客である県民のために、そのニーズにこたえられるように行政改革を進めていきたいと考えております。
○議長(中村裕一君) 危機管理監杉本雅嗣君。
  〔杉本雅嗣君、登壇〕
○危機管理監(杉本雅嗣君) 消防の広域化についての御質問にお答えいたします。
 消防は、災害や事故の多様化、大規模化、住民ニーズの高度化など、消防を取り巻く環境の変化に的確に対応し、住民の生命、身体、財産を守る責務を果たすことが求められております。
 議員御指摘のとおり、小規模な消防本部では組織管理や財政運営で厳しい面がございまして、住民の安全・安心を確保するためには、消防の広域化によって消防防災体制の整備及び確立を図ることが必要であると考えております。
 平成18年6月に消防組織法が改正されまして、同年7月に国におきまして市町村の消防の広域化に関する基本指針が策定されたところでございます。この策定されました基本指針に基づきまして、都道府県が平成19年度中に自主的な市町村の消防の広域化を推進するための計画、この計画を策定することになっております。
 現在、県におきましては、学識経験者などから成る消防広域化推進計画検討委員会、この検討委員会を設置するとともに、すべての市町村長の皆さん方に対しまして消防の広域化に関する意見の聴取を行っているところでございます。
 県といたしましても、地域の実情に応じた消防力の強化を図ることが重要であると考えておりますので、自主的な市町村の消防の広域化を進めてまいりたいと考えております。
○議長(中村裕一君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) 河川行政についての御質問でございます。
 本県におきましては、昭和28年の災害を初め、これまで台風、集中豪雨などによりまして繰り返し災害が発生しており、県民の生命・財産を守る治水事業は重要であると認識しております。
 また、河川は、生活用水、農業用水、漁業活動の場として住民の生活を支えるとともに、平成16年には熊野川が日本で唯一河川として世界遺産に登録されるなど、地域文化における河川の重要性も改めて認識されているところでございます。
 このような背景を踏まえつつ、本県といたしましては、治水、利水、環境の保全を総合的に勘案して適切な河川整備を実施してまいりたいと考えております。
 また、河川堤防や護岸整備などのハードの整備のみならず、洪水ハザードマップや洪水予報、ホームページを通じた雨量情報や河川水位情報の提供など、ソフト面の対策も積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、議員御指摘の1級河川熊野川の河川整備基本方針につきましては、国土交通大臣が策定することとなっており、国において今年度末を目途に策定する予定と伺っております。
 熊野川の河川整備計画につきましては、国が管理する区間につきましては、現在、学識経験者などから成る熊野川懇談会で議論していただいており、県としても、上流側の河川管理者といたしまして参画しているところでございます。
 また、県管理区間の河川整備計画につきましては、国が策定する基本方針と整合を図りつつ、地域の治水上の課題を踏まえ、歴史、文化、景観などにも配慮しながら現在検討を進めているところであり、地元住民で構成します熊野川を考える会での意見も参考にし、早期の策定を目指してまいりたいと思います。
 次に、河川の維持・管理につきましては、流下能力を勘案し、河川利用の状況や周辺の環境面などに配慮しながら、限られた予算の中で堆積土砂の除去や河道内樹木の伐採等を進めているところでございます。
 今後も、財政的に厳しく、すべてを速やかに実施することはかなわない状況ではございますけれども、特に支障となる箇所など緊急性を見きわめ、順次進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再質問を許します。
 1番泉 正徳君。
○泉 正徳君 御丁寧な答弁をいただきましてありがとうございます。
 分権改革につきましては、まだまだ我々の中にも、職員の中にも、国の通達を待っているとか、どうしても受け身な部分があろうかと思いますが、知事が先ほど任務というお話をされました。そしてまた、先日の議会の答弁の中にも行政評価という話もされてございましたので、新しいシステムづくりに一生懸命力を注がれていることを感じました。
 そしてまた、就任して間もない県土整備部長に、大変大きなテーマで河川行政についてお伺いをいたしましたが、河川整備1つをとりましても、環境省との協議、文化庁との協議、いろんな問題を抱えて、これからまた、ある意味では観光面にも配慮して行政を進めていただかなければならないということを要望いたします。
 そして、我々の質問が我々の力量をはかられるのと同じようにして、当局側の答弁が我々にとって、その各部局の熱意が伝わり、今後の姿勢が伝わるものであります。どうか、今後とも前向きな答弁をしていただけることを要望いたしまして、一般質問を終わります。
○議長(中村裕一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で泉正徳君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 28番江上柳助君。
  〔江上柳助君、登壇〕(拍手)
○江上柳助君 皆様、おはようございます。
 思い起こせば、ちょうど昨年のきょうでございました。9月20日は、大阪地検特捜部が強制捜査に入った日でございます。この議場からここにお座りの前知事を見ておりますと、汗をふきふき、答弁はしどろもどろ、上のそらという感じでございました。それからこの1年、激動の1年であったと思います。仁坂知事が誕生して、そして県民の負託にこたえるために一生懸命に、二度とこういった不祥事を起こしてはならない、そしてまた再発防止のためのいわゆる公共入札制度の改革や監察査察監制度の導入など、取り組んでこられました。高く評価をしたいと思います。
 そしてもう1つは、仁坂知事への大きな期待の1つは、何といっても経済産業省におられて、そして通商産業政策のエキスパートとして取り組んでこられたその実績と申しますか、その手腕を和歌山県発展のために生かしてもらいたい、企業誘致に取り組んでもらいたい、和歌山県を活性化してもらいたいというのが県民の大きな期待の1つであろうと思います。
 そういった点も、特にきょうはそういった企業誘致、企業立地という観点からも質問をさしていただきますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさしていただきます。
 最初に、関西国際空港に関する課題についてお尋ねいたします。
 本年8月2日、関空は待望の第2滑走路がオープンしました。これにより関空は、世界の国際空港では常識と言える4000メートル級の滑走路を複数持つ、完全24時間空港となりました。この条件を満たす空港は日本にはなく、関空が初めて世界標準空港の仲間入りを果たすことになりました。
 滑走路が2本になることで何が変わるのか。第1に、朝夕のピーク時のフライトの増便が可能になることであります。第2に、滑走路のメンテナンスを交互に行えることで、完全24時間離着陸ができるようになります。第3に、関空では国際線の4分の1が貨物便で、国際貨物便が大活躍することができます。
 関空では、アジア、そして世界を結ぶゲートウエーとして国際線と国内線の乗り継ぎにすぐれ、首都圏需要も補完できる国内基幹空港を目指すとともに、日本初の国際貨物ハブ空港として、アジアと欧米をつなぐ中継拠点を目指しております。
 成長著しいアジア諸国では、国家戦略として巨大空港が次々と建設され、各国がアジアのハブ空港を目指す激しい空港間競争の時代を迎えております。こうした時代に、世界標準空港の仲間入りをすることで、日本、そしてアジアにおける関空の役割がどのように変わっていくのか、関空のこれからに大いなる期待が寄せられているところであります。
 ところが、今回の第2滑走路のオープンは、航空機が離着陸するために必要不可欠な滑走路や誘導路などの最低限の施設に限定されております。今後、2期空港島全体の施設を整備し、完全供用することで貨物及び旅客の航空輸送機能を強化していくことが大きな課題になっております。本県からわずかの距離に位置するアジアと世界を結ぶゲートウエーが整備されることは県益につながるわけであります。
 国は、施設整備の条件に、今年度13万回程度、来年度13万5000回程度の発着回数の達成を建設条件としております。関空の航空機需要に本県としてどのように貢献していくのか、知事のお考えをお聞かせください。
 次に、国際線、国内線の便数確保についてお尋ねいたします。
 関空の歴史を振り返ってみますと、代々の知事及び県議会は、本県発展のために政治生命をかけて関空の問題、課題に取り組んでまいりました。とりわけ、国内線の便数確保に取り組んできたところであります。
 昭和50年7月、大橋知事は、当時の航空審の中で和歌山県が関係府県として位置づけられていなかったことに対して、当時の木村睦男運輸大臣に、「大臣、和歌山を無視して泉州沖でやれるものならやってみなさいよ」と怒りを爆発。また仮谷知事は、国内線の大幅な確保が県益を左右するとあって、「国内線確保に政治生命をかける」と表明しております。
 一方、平成元年11月、昭和49年8月に出された航空審議会答申の「新しい空港は大阪空港廃止を前提にして」の解釈をめぐって、当時の運輸省航空局の水田飛行場部長は、この答申というものは「仮に廃止しても対応できるようにという意味です」と説明をしたということでございますが、当時の県議会の関西国際空港対策特別委員会、木下秀男委員長らは、「それ前提と言うけれど、それは廃止ということだったんだ。今になって勝手過ぎるじゃないか」と猛反発をしております。
 関空開港当時は国内線の便数は多かったものの、新幹線の運賃の大幅値下げによって航空機がこれに対抗するため、国内線はだんだんと大阪空港にシフトしてまいりました。
 関空は、このような歴史を歩みながら、待望の第2滑走路がオープンしたわけであります。
 7月26日にはマカオ空港の関空─マカオ線の就航、9月14日にはスターフライヤーの関空─羽田線が就航いたしました。今回の就航により関空と羽田空港を結ぶ便は1日15便から19便になり、観光や出張が大変便利になりました。
 今後、国際線や国内線の便数確保に取り組む知事の決意を聞かしてください。
 次に、県産品の関空からの輸出についてお尋ねいたします。
 和歌山県道路懇談会の「和歌山県に真に必要な道路整備への提言」の中で、関西国際空港株式会社代表取締役村山敦社長は、「長く美しい海岸線、豊かな山、温泉、世界遺産があり、紀伊半島一周道路ができれば、関空─中部空港がアジアで話題の観光ゴールデンルートになる。カナダではクリスマスオレンジとして大変人気のあるミカンなどの果物や特産品も、関西空港から上海や北京へ飛ばせば国内より高値で売れるだろう。その上で、優先順位、完成時期を明確にする。地域振興に寄与する紀伊半島一周道路を1番として完成時期を明確化し、集中的に投資すべき」と述べております。日本初の国際貨物ハブ空港の誕生によって、ミカン、柿、桃などの農産物の宝庫和歌山にとっては大きな期待が高まっているところであります。
 9月定例議会に補正予算案として、県産農水産物・加工食品輸出促進として500万円計上されております。本県として農産品の輸出にどのように取り組むお考えか、知事にお伺いいたします。
 次に、関空へのハブ道路の整備についてお尋ねいたします。
 これは私が勝手につけたハブ──いわゆる自転車のハブですね──のように、関空から広がっていくという道路でございます。これを生かして、関空を生かして本県の発展を図っていくには、関空へのアクセス道路を早急に整備すべきだと考えます。
 具体的には、関空から、今申し上げたように放射線状に伸びる第2阪和国道、泉佐野岩出線、泉佐野打田線の府県間道路の整備であります。
 実は、一昨日、泉佐野岩出線で土砂崩れがございまして、おととい2時10分から通行どめ。この道路は、物流道路、産業道路としても非常に活用されておりますし、また朝夕、大阪へ向かう生活道路、いわゆる通勤をされる方の道路でもあるんですね。大変な混乱を来したと伺っております。したがいまして、早急に泉佐野打田線、これも整備すべきであるというふうに私は考えております。ぜひお願いしたいと思います。
 これらの道路を重点的に整備すべきであると思います。これには、大阪府側の協力が不可欠であります。知事を初め実務者間で協議を積極的に進めるべきであると考えます。
 また、関空の村山社長が、紀伊半島一周道路ができれば関西空港─中部空港がアジアで話題の観光ゴールデンルートになると提言されています。府県間道路の整備と紀伊半島一周道路建設に取り組む知事の決意をお伺いいたします。
 次に、企業誘致について知事にお尋ねいたします。
 県内事業所の数は、平成13年の調査時に比べて7.2%減で、全国平均より減少幅が拡大しております。また、従業者数も5.3%減少、県内に働く場所が少ないことがうかがえます。このことは、若者の県内定着率が低くなる原因になり、少子化社会に拍車をかけることになってまいります。
 県では、働く場所を確保し産業構造の転換を図るため、企業立地の促進対策として、投下固定資産に対する奨励金と雇用に対する奨励金を合わせて最大100億円の全国最大水準の優遇制度を用意して企業誘致に積極的に取り組んでいるところであります。
 成果といたしましては、平成18年度で立地件数県内4件、県外6件──いわゆる県内というのは県内にある企業がその規模を拡張されたという意味でございます──雇用数401人、19年度が立地件数県内2件、県外2件でございます。雇用数が106人となっております。なお、雇用数はあくまでも予定であります。企業立地奨励金は今日まで約28億円交付されております。企業用地が少ない、また地形的に都市部から遠く離れているといった悪条件の中、企業立地課の皆さんは大変な御苦労をされております。
 企業誘致は、開発許可や融資、環境対策、道路や下水道、情報ネットワークなどのインフラ整備が伴ってまいります。本県への企業進出を希望する企業から条件を提示されたり、また「この道路、何とかならんか」といったそういう相談を持ちかけられたりすることがあるわけですね。そのとき担当者は、恐らく、「検討します」「考えます」とおっしゃるでしょう。しかしながら、県の縦割り行政の中で、じゃ、県土整備部に行って、「この道路何とかなりまへんか」「いや、うちの県土整備部、予算ないんや」、そういうことに陥ってしまうんではないだろうか。そういった意味で、結果的に断る──「検討します」と言ったことが断る口実と受け取られる場合があるわけであります。
 そこで、企業誘致は企業立地課だけの対応ではなくて、縦割り組織から組織横断的な企業立地プロジェクトチームを編成して体制を強化する必要があると考えます。
 特に、コスモパーク加太用地への企業誘致は遅々として進んでおりません。平成16年3月にカゴメのトマト栽培施設が誘致されただけであります。約220ヘクタールがそのままであります。県庁所在地の中核市にこれだけ広大な企業用地を所有している県はどこにもありません。いろんなホームページ、企業立地ナビゲーターとかいろんなもんを見ましても、これだけのもの、広大な土地を県庁所在地に持った県はどこにもございません。したがいまして、一日も早くコスモパーク加太用地再生会議などのプロジェクトチームを編成して、企業誘致を積極的に進めるべきであると考えます。企業立地プロジェクトチームの編成とあわせ、知事の御見解を承りたいと思います。
 次に、医療体制の充実強化についてお尋ねいたします。
 最初に、がん対策についてお尋ねいたします。
 本県は、がん死亡率が全国平均に比べて高く、肺がんによる死亡率は、この5年間のうち4年間は全国第1位であります。がんの種類別の死亡率を見ますと、胃がんが全国第4位、大腸がんが第8位、乳がんが33位、子宮がんが10位となっております。
 本年4月、国のがん対策基本法が施行され、6月には、75歳未満のがん死亡率を10年以内に20%減らす、患者・家族の苦痛を軽減して生活の質を上げるを2本柱とするがん対策推進基本計画が閣議決定されました。この基本計画に基づいて、県ではがん対策推進計画の策定が義務づけられております。
 私は、これから策定される県のがん対策推進計画の基本方針として、予防と治療と研究にわたるがん対策の先進県を目指す、県内どこに住んでいても高度ながん医療が受けられる体制づくりの推進、患者や家族の視点に立ったがん対策の実施の3点を柱とすべきであると考えます。
 また、国から、がん診療連携拠点病院に指定されております県立医科大学初め、日本赤十字社和歌山医療センター、紀南病院、南和歌山医療センター、橋本市民病院の5病院の拠点病院の放射線療法や外来化学療法の体制整備、痛みや息苦しさといった不快な症状をできるだけ緩和する緩和ケアチームの育成、20歳未満の小児がん対策などを盛り込む必要があると考えます。
 そして、何よりも県民が、県のがん医療は変わったと実感できることが重要であると思います。そのかぎを握るのが、まさに基本計画をもとに策定されるがん対策推進計画であります。
 国の基本計画では、「策定に当たっては、がん患者及び家族または遺族の視点も踏まえることが重要である。このため、関係者の意見の把握に努めるものとする」としております。地域のがん医療をどうしていくのか。患者、住民が医療関係者らとともに計画づくりに参加することで意識を高めるきっかけにもなります。地域のがん医療格差の解消は県の取り組みにかかっていると言っても過言ではありません。
 県は、がん対策推進計画の策定にどのように取り組むお考えか、知事にお伺いいたします。
 次に、ドクターヘリコプターの夜間照明設備と夜間運航体制についてお尋ねいたします。
 本県のドクターヘリコプターは、平成15年1月運航開始以来、1511回空を飛び、無事故で多くの救急患者の命を救ってまいりました。救急救命センターには、篠崎教授以下25名の医師、それから看護師などの、また別にスタッフが常時待機しております。懸命に救急患者の治療に当たっております。これだけの救急医療体制は全国でもトップレベルであろうと私は思うわけであります。もちろん、近畿圏ではトップであります。なぜならば、ドクターヘリコプターがある県は、近畿では和歌山県だけであるからであります。まさに本県はドクターヘリコプター先進県であります。
 さきの通常国会で、私ども公明党が推進してまいりました救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法が成立いたしました。6月27日に公布され、このドクターヘリ法に基づき全国的な整備が進められることになっております。来年1月からは、大阪大学医学部附属病院を基地病院として運航が開始されます。4年前からドクターヘリが導入されている本県では、救命率が大幅に向上し、感動的な救命のドラマが私のもとにも届けられております。
 本年2月、和歌山市小倉で農作業をしていた男性が耕運機に巻き込まれ、太ももに耕運機の刃が刺さり、刃を耕運機から外して、そして太ももに刃が刺さったまま止血をしてドクターヘリコプターで搬送され、命が助かりました。5月には、紀の川市で57歳の男性が、軽トラックと10トントラックとの接触事故で内臓破裂、出血性ショックに対し、ドクターヘリで医大へ搬送、救急手術で救命。また、先月末でございますか8月末に、かつらぎ町の建設現場で約8メートルの高さから転落された作業員が、転落したとき19ミリ──約2センチですね──の鉄筋が腹に刺さり、背中から腹部に貫通していたのをヘリコプターで運ばれまして救急手術で救命されました。
 さらに、大阪から白浜に来られた86歳の男性観光客が8月5日に白浜のリゾートホテルのプールでおぼれ、意識不明の重体で南和歌山医療センターに救急車で搬送されました。意識不明でございまして、南和歌山医療センターの川崎先生のほうから篠崎教授のほうに相談があって、「じゃ、すぐ搬送してくるように」ということで、医大にドクターヘリで搬送いたしました。これが8月の8日でございました。それは意識不明の状態で、それから6日たって8月の14日に意識が回復いたしました。それからその後、22日には大阪に搬送したわけでございます。当初はヘリコプターで運ぶかということで、医大の基地病院のいわゆるドクターヘリは使うわけにいきませんので、予備機、有料で行こうかと。予備機は今修理中だということで、「じゃ、民間のヘリコプターやったら60万かかる」「いや、それでも行こう」と言っておりましたが、フライト許可が出ないとかいろんな難しいことを言われて、最終的には寝台タクシーで搬送されて無事大阪に送り届けた次第でございます。
 こうした観光客の皆さんにも、和歌山に来てもこのドクターヘリがあるから安心だと、大丈夫だということは私は大いにアピールできるんじゃないかと思うんですね。
 実は、ここにおられます尾崎要二先輩議員のお父さん、別院兵治さん、一昨年7月5日、農作業車が転倒し、下敷きになり、右2ないし5──2、3、4、5、4本ですね、肋骨──左2、3、4、5、6、5本、9本の肋骨骨折で重体のところを海南市消防本部の救急救命士の適切な判断でドクターヘリを要請しました。医大へ搬送して救急手術で助かりました。
 実は、ここに機関誌「救急ヘリ病院ネットワーク」2006年冬号がございます。(資料を示す)ここに紹介されているんですね。それで、どうおっしゃってるかと言いますと、「日暮れ前、ドクターヘリが飛ぶことができるぎりぎりの時間、私は本当に幸運でした」と、「救急ヘリ病院ネットワーク」という雑誌でドクターヘリに救われた人として紹介をされておりますね。このように目まぐるしいドクターヘリの活躍でございます。
 これらは、ほんの一部であります。とうとい人命を救い、救命率向上に尽力をされております医科大学救命救急センターの篠崎教授以下、医師、スタッフの皆様に敬意を表するとともに、医科大学周辺地元の皆様には、ドクターヘリの騒音に御理解と御協力をいただいておりますことに心から感謝を申し上げます。
 現在、ドクターヘリの運航は、有視界飛行であるため、夏時間で朝8時から6時までとなっております。東南海・南海地震が叫ばれておりますが、地震などの災害が夜中に起きた場合、ドクターヘリで救急患者を運ぶことはできないわけであります。もちろん、平時でも夜間の救急患者を運ぶことはできません。
 平成15年度の県の調査によりますと、夜間──夕方の午後5時から朝の9時にドクターヘリがもし運航されているとするならば要請されていたと想定される件数は、現場救急、病院間搬送を合わせて453件であります。15年度の昼間のドクターヘリ出動件数265件の約1.7倍に上っております。18年度では昼間の出動件数は347件でありますから、夜間にドクターヘリが要請されたであろう想定件数はもっと多いと思われます。
 夜間運航想定件数の47%は、何と4割は午後5時から9時までとなってるんですね。要するに、夜の早い時間帯に救急患者が発生をする、夜間の早い時間帯で救急患者が集中してることが容易にうかがわれるわけでございます。
 ドクターヘリは有視界飛行が原則でありますが、安全確認ができれば技術的には可能であります。晴天時に海岸線を目視して、視認して、夜間照明の設置されている場所との定期飛行はできるわけであります。
 そこで、夜間の離発着が可能なヘリポートが必要になってまいります。夜間照明のあるヘリポートは、白浜空港、新宮紀南へリポートのみであります。和歌山市及び紀の川筋の紀北部には夜間照明設備の整ったヘリポートはありません。ドクターヘリ基地病院の医科大学にも夜間照明設備がないわけであります。特に、夜間の地震などの災害に対応するため、早急に医科大学に夜間照明設備を整備すべきだと考えます。
 そんなにお金はかからないんです。この間、防災センターを視察さしてもらってヘリポートを見まして、「これ、夜間照明幾らかかるんですか」「いや、そんなにかかんないですよ。わずか500~600万ぐらいでいけるん違いまっか」というような話でございます。それすらないという現実でございます。したがいまして──また、救急患者が集中するいわゆる午後5時から9時まで4割ですね。4割集中する時間帯での夜間運航を開始すべきだと私は考えます。いかがでございましょうか。
 次に、ドクターヘリの病院間搬送についてお尋ねいたします。
 現在も救急患者の病院間搬送は行われているわけでありますが、もっと積極的に行うべきだと考えます。医師及び看護師、医療スタッフも病院に運ぶことも必要であると思います。
 日赤医療センターの本部棟建設がいよいよ始まります。本部棟にはヘリポートも設置されると聞き及んでおります。日赤医療センターは第3次医療機関で、救命救急センターでもあります。医科大学附属病院は、救命救急用のベッドは26床。医科大学26床、救命用がですね。日赤医療センターのベッド数は約3倍ありますね。医科大学から医師、看護師を乗せ飛び立ったドクターヘリが現場に急行して救急患者を乗せて日赤医療センターにも運び込むことも考えたらどうか。ドクターヘリの病院間搬送の充実とあわせお答えいただきたいと思います。
 次に、防災ヘリの医療用への積極的な活用についてお尋ねいたします。
 現在、防災ヘリは白浜に常時待機しております。防災用でありますが、本県では医師と看護師を乗せ、医療用としても活用がなされているところであります。
 本県の地形は半島に面し縦に長く、ドクターヘリを運航しても、新宮市までドクターヘリ基地病院のある医科大学から往復1時間かかるわけであります。白浜から防災ヘリを活用すれば、新宮─医大間は15分短縮されます。45分程度で行けるわけでございます。田辺市の救急救命センター間でしたら、わずか30分、35分で救急患者を運び込むことができるわけであります。防災ヘリは白浜から新宮まで15分から20分で救急患者のもとに到着します。初期治療が重要でございます。本来ならば、紀南にもう1機ドクターヘリコプターが欲しいところでありますけど、これは財政的にかないません。許せないと思います。
 そこで、紀南方面の救急患者を救命するために、防災ヘリを医療用として、今も本当に活用されておりますけれども、もっと紀南方面はこの防災ヘリでカバーするんだというくらいの意気込みで積極的に活用すべきであると考えます。いかがでしょうか。
 次に、ドクターカーの導入についてお尋ねいたします。
 現在、ドクターカーの運行は、平成5年から大阪府済生会千里病院千里救命救急センターで開始されております。当センターのドクターカーは、病院間搬送も含め年間1500件以上と、我が国トップレベルの出動回数を誇っております。また、千葉県船橋市では、平成5年から、市の医師会、消防局、市立医療センターのスタッフが特別救急隊を編成してドクターカーを運行しております。さらに、札幌市立病院救命救急センターでは平成7年にドクターカーが運行されております。
 ドクターカーには救急の医師が同乗しているため、現場に着いたその瞬間から治療が始まります。近年、救急医療に対する関心の高まりから、病院外における救命救急士の医療行為の質を保証するというメディカルコントロールの充実が叫ばれております。ドクターカーシステムは、医師が現場に出動して傷病者を治療するとともに救急隊の指導も行うという、メディカルコントロールの中では最も重要な要素の1つであり、欠くことのできないものであると考えます。
 本県においても、救急患者の救命率を上げるために、遠くにはドクターヘリを活用する、そして近くには医師、看護師を同乗させたドクターカーを導入すべきだと考えます。
 これは何も新しい機材を購入してというんじゃなくて、救急車に医師と看護師が乗り込めば、それで済むことなんですね。実は、もう医大の救命センターのほうと和歌山市消防局、そして市長との間でも話が進められていると聞き及んでおります。早急にこのドクターカーを導入すべきであるというふうに考えます。御見解を承りたいと思います。
 次に、医療体制の充実強化の最後になりました。医科大学附属病院の病床、手術室の拡充についてお尋ねいたします。
 このたび、知事を初め関係者の御尽力によりまして、深刻な医師不足を解消するため、医科大学の入学定員は25名増の85名となりました。大変喜ばしいことであります。これに伴って、この本定例会に補正予算案として医科大学基礎教育棟整備のための基本・実施設計に要する経費2500万余が計上されているところであります。
 一方で、医科大学附属病院の病床、手術室が手狭になってきております。高齢化社会を迎えて患者の数が増加したことにも起因するでありましょうか。ドクターヘリや救急車で救急患者が毎日のように運び込まれております。吉田教授の整形外科では手術は予約がいっぱいであります。半年先まで予約が入っております。これからがん治療、がん対策が充実されていきますと、ますます医大の病床、手術室、厳しくなってまいります。
 医大の稼働している手術室は12ですね。日赤医療センターは、本部棟が建設されますと22。医大の約2倍になります。患者はどんどん日赤医療センターにシフトしていくんではないかと危惧するものであります。手術症例数の減少というものは医療水準の低下にもつながりかねません。
 今、医大の病床及び手術室の拡充に取り組まなければならないと考えます。どのような対策を講じるお考えか、お聞かせください。
 最後に、プレジャーボートの放置艇対策についてお尋ねいたします。このテーマにつきましては、本会議で何回か質問さしていただきました。これで、私、4回目だと思います。
 本県においては、プレジャーボートの数は約6000隻が確認されております。このうち、マリーナなどの係留・保管施設を利用しているものは、公共施設、民間施設合わせまして約1000隻。したがって、約5000隻は放置艇となるわけであります。放置艇割合は80%。近畿地区では最も高い割合を示しております。
 こうした中、港湾や河川などに無秩序に係留されたプレジャーボートのため、漁船など他の利用船舶の係留・保管の阻害、港内の安全航行に支障が生じ、一部の心ない利用者によるごみの投棄や違法駐車、住民からは、早朝からのエンジン音など苦情も寄せられております。
 このように、地域社会にさまざまな問題を引き起こしております。また、河川などの不法係留の壊れた船──難破船ですね──これは景観を悪くし、河川のしゅんせつなどへの大きな障害になっております。
 地震による大津波、津波の被害は、海岸沿いだけではなく、河川沿いでも起きるわけであります。津波の高さが3メーター、5メーターとなってまいりますと、一気に河口から津波が逆流してまいります。それも、上流に行けば行くほどその津波の勢いが増してまいります。無秩序に係留された放置艇は、一気に物すごい勢いで川の上流まで押し上げられます。プレジャーボートの放置艇が大災害を引き起こすという事態が十分考えられるわけであります。
 この不法係留、放置艇問題は、本県にとって緊急の課題であり、地震・津波による防災上の観点からも、一日も早く改善しなければならないと思うわけであります。
 新聞報道によりますと、強制撤去の可能性も盛り込んだ条例制定の議論がなされているようであります。県は、港湾法に基づいて係留や放置の禁止区域を定めることができるとしておりますが、河川への係留はどのようになるのか。
 この問題は、プレジャーボートの係留施設が不足して、一定のルールのもとに水域や施設の利用が行われていないことにも大きな要因があると考えます。プレジャーボートの放置艇対策についてお伺いいたしまして、私の第1問といたします。
 御清聴、大変ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの江上柳助君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、関西国際空港についてでございます。
 関西国際空港の航空機需要への貢献につきましては、去る8月2日に第2滑走路がオープンいたしまして、本県の発展に寄与するものと大変喜んでおります。今後、第2ターミナルなどさらに整備を進めるためには、航空機需要を拡大し、発着便数をふやすことが不可欠であります。
 関空が元気であれば、和歌山県もその恩恵を必ず受けますし、和歌山県が発展すれば、私は関空の発着回数がふえることに貢献できると思っております。本県が関空から至近距離にある、一番近い和歌山県のメリットを最大限に生かし、国内外の観光客の誘致、あるいは県産品の輸出、企業誘致等により一層積極的に取り組みまして航空機需要の創出に努めてまいりたいと思っております。(「白浜空港、忘れるなよ」と呼ぶ者あり)白浜空港もあわせて大事でございまして、これについても頑張ります。
 あわせまして、今度は便数確保の問題でありますけれども、議員御指摘のとおり、関空につきましては、誕生から歴代知事や県議会を初めとして、本県が強く深く関与してきたところであります。国際線では、エアポートプロモーションを関空会社等と連携して行い、ことしの7月には過去最高の週771便を達成しております。最近も企画部計画局長を団長とする関西のミッションを中国に派遣して、空港プロモーションに励んでまいったところであります。
 特に国内線につきましては、羽田便などの国内線ネットワークの拡大を国に引き続き要望しているところでありまして、平成17年以降3カ年で伊丹から関空へ19便のシフトがありましたし、9月14日の関空─羽田線の増便などは成果の1つであると考えております。
 今後とも、関西経済連合会、関係自治体などで組織する関西国際空港全体構想の促進協議会を中心に、関西が一体となって取り組み、国内外へのエアポートプロモーションや集客・利用促進活動などを実施し、増便に努めてまいりたいと考えております。
 引き続きまして、関空に関する県農産品の輸出でございます。
 県農産品の輸出につきましては、関西国際空港を利用した本県農産品の輸出が大変有効であると考えております。
 JAグループを中心に、既に台湾向けに桃が、昨年実績で申しますと42トン、本年で50トン輸出されております。こういう動きをもっともっと拡大していかないといけないというふうなことだと思っております。
 特に近年、東アジアなど近隣諸国では、経済発展に伴う富裕層ができてきております。そういう富裕層は、日本食文化あるいは日本自体への関心が大変高いわけでありまして、日本に対する、日本の食品に対するあこがれもあります。
 したがって、こうした機会をとらえ、和歌山県の誇る農産品の輸出促進へ積極的な取り組みが重要であるということを常々考えているところであります。このため、今議会に補正予算をお願いしているところでございまして、今後、これをてこに、県内生産者団体初め流通関係者や学識経験者等で構成する輸出促進協議会を設置いたしまして、県内での輸出促進セミナーの開催、あるいは柿、ミカン等の農産物や加工食品の台湾、香港でのフェアの開催などに取り組むこととしてございます。
 その際、とりわけ、議員のお話のように、本県にとって利便性が高い、かつまた24時間稼働の国際物流ターミナルとしての機能を有する関西国際空港を最大限に活用しながら農産品輸出に力を入れ、本県農業の活性化につなげてまいりたいと考えております。
 次に、この関空と道路との関係でございます。
 第2阪和国道や、あるいは泉佐野岩出線等の府県間道路は、関西国際空港へのアクセスを強化するとともに、京奈和自動車道と一体となりまして関西都市圏を拡大し、和歌山県のみならず関西全体の経済を活性する重要な道路であります。そういう意味で、議員御指摘の言葉でありましたが、関空を中心とするようなハブ道路というような、そういう整備が大事だと思っております。
 これまでも、大阪府と連携を密にして、このようなものの整備、特に府県間道路の整備を推進することに努めてきたところでございまして、本年になりまして、未着手区間でありました第2阪和国道の府県境部が直轄国道事業の和歌山岬道路として新規事業化されたところでございます。まだまだ残されたところもありますので、引き続き頑張っていきたいと思っております。
 また、紀伊半島を一周する高速道路は、和歌山県人が日本人として暮らすためのナショナルミニマムとして、また企業立地における機会の平等、あるいはポテンシャルを生かした観光や農林水産業の発展について不可欠な道路であります。さらに、国際的な観点から、関西国際空港の効果を最大限活用した広域的な国際観光ルートとなり得る道路だとも思っております。このため、これら道路の整備を、必要性を国に対して強く訴えるために和歌山県道路懇談会を設置し、提言をいただくとともに、県内各界の御意見をいただきながら和歌山県道路整備中期計画の中間取りまとめを行い、既に国及び関係機関に強く働きかけているところでございます。
 今後とも、府県間道路の早期整備、紀伊半島を一周する近畿自動車道紀勢線の早期実現、それから京奈和道路の早期完工に向け、国に対し強く働きかけてまいりたいと思っております。
 次に、企業誘致についてでございます。
 議員御指摘のとおり、企業誘致を円滑に進めていくためには、多くの法令手続や適合性の確認、あるいはインフラの整備など、これらを所管する私ども県庁の庁内部局及び外部の関係機関との一致団結した取り組みが必要であります。県におきましては、企業へのスピーディーな対応を可能にするために、企業立地課がワンストップサービスの窓口として、各種手続のみならず、当該企業のニーズに応じた対応を講ずるよう心がけております。
 今後とも、庁内部局及び関係機関との連携を密にし、体制の強化に努めてまいりたいと思っております。
 これにつきましては、経済産業省のアンケートがございました。これで、実は和歌山県は、企業が企業立地を打診するためのワンストップサービス制についてはどうかという点については、現在ではかなり高い合格点をいただいております。一方、立地企業へのアフターサービス、いろいろな問題点が生じていることについてちゃんと対応しているかという点については、あんまりいい点をいただけていませんでした。そこで、この間御説明申し上げましたように、県庁の担当者をそれぞれの産業別に張りつけて、それで企業の方々に「現在うまくいってますか」とか、そういうような話を情報収集するように回らせているところなのでございます。
 また、案件に応じ、関係市町村及び関係機関とプロジェクトチームを結成するなど、問題解決に当たっての地域一丸となったきめ細かな対応に今後とも万全を期してまいりたいと考えております。
 また、このような中、特に大事なコスモパーク加太につきましては、これについて一応の処理策が私の就任前に議会にお認めいただいて決定されているところでございますが、企業用地として有効に活用する場合、法令手続やインフラの充実など、多くの課題をまだまだ抱えていると思っております。
 プロジェクトチーム及びワンストップサービスなど既存の体制をもって対応に当たるのみならず、その利活用に向けた取り組みを私はさらに強化せなければいけないというふうに認識しているところであります。
 具体的には、このような問題も含めまして、私みずから企業誘致のトップマネジメントを行うということを強化していくとともに、インフラの強化など誘致企業の、あるいは誘致営業の確度を高める必要な措置のあり方を検討してまいりたいと考えております。
 次に、がん対策でございます。
 このがん対策につきましては、議員御指摘のとおり、本県のがんの死亡率は非常に高いということを私も意識しております。これまた議員御指摘のとおり、和医大を初めとして県の医療機関の士気は大変高いと私は思っております。それなのにおかしいなあというのが実は正直な気持ちであります。したがいまして、一刻も早くこの原因を究明し、その原因に合った対策を打っていくということが県民に対する大事なサービスではないかというふうに思っております。
 既に、がん診療連携拠点病院の機能強化を初めとした対策は進めているところなんでございますけれども、以上のような問題意識を持ちまして、本年4月に施行されましたがん対策基本法及び本年6月に国に定められたがん対策推進基本計画を踏まえ、県においてもがん対策推進計画を本年度中に策定することとしております。このため、がん医療に携わる各分野の専門家にとどまりませず、がん患者の代表の方にも加わっていただきました和歌山県がん対策推進委員会、これを設置いたしまして現在御議論いただいているところでございます。
 先般、その主要なお医者さんの方々とお会いして問題の所在などをお聞きしたところでございますが、一層の検討をお願いしたいと思っているところであります。
 また、ただいま県の計画に係る基本方針として、議員から3点の柱、第1に予防と治療、あるいは研究の先進県になってもらいたい、それから、県内どこにいても高度ながん治療を県民が受けられるようにしてもらいたい、あるいは患者や家族の拠点の視点に立ったがん対策をやってもらいたい、こういうようなお話がありました。これについて御意見を踏まえて、計画を策定する上で、こういうことは大変重要な視点として取り入れていけばいいというふうに考えております。
 今後、計画策定に当たりましては、今申し上げましたことを踏まえ、県民の視点に立脚した総合的かつ効果的な計画となるよう、がんの克服に向けた戦略の第一歩として全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、プレジャーボートの放置艇対策につきましてでございます。
 これにつきましては、まさに御指摘のとおり、船舶航行の障害、あるいは流水の阻害、景観の悪化等による問題の発生に加えまして、和歌山県が直面するかもしれない津波のときに、あるいは高潮のときに2次被害の懸念が大変強いということで、早急に取り組むべき課題であると認識しております。
 このため、係留施設整備等におけるコスト縮減における裏づけ、受け皿づくりのスピードアップを図るということも考えておりますが、これは単に取り締まるだけじゃなくて、一方ではこのプレジャーボートというのは、ある意味では和歌山県の雇用にもつながるし、観光の振興にもなるし、それから市民の方々が実は利用が多いんですが、この方々の楽しみという点も奪ってはいけないというところもございますので、今申し上げました受け皿づくりということも同時に行って、かつ受け皿づくりも行うからといって、ぐずぐずしないで平成20年の議会にこれを処理するための総合的な条例案を提案させていただきたいと思っております。加えて、法令等に基づく放置等禁止区域等の設定を行うことによりまして規制の強化に取り組み、また、それを非常にいい形でプレジャーボートを楽しんでいただくような環境もつくり、ハード・ソフトの両面から具体的な対策に取り組んでいきたいと考えております。
 それから、河川におきましても係留施設の整備を進めなければいけません。もっとも、同時に悪質な放置艇に対しては、行政代執行による撤去を視野に入れた取り組みも行わなければいけません。それから、秩序における水辺利用と災害に対する安全性の向上を図りたいと考えております。これにより、美しい和歌山の海や川を取り戻し、それから健全な水上レクリエーションの基地として和歌山を栄えさしたいと、こんなふうに思っております。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) 医療体制の充実強化に係る御質問のうち、ドクターヘリの夜間照明設備と夜間運航についてお答え申し上げます。
 議員御指摘のとおり、本県のドクターヘリの稼働実績は、平成15年1月から運航を開始して以来、平成19年8月までの累計で1511件に上っており、救命率の向上と後遺症の軽減に大きな成果を上げているところであります。この間、平成18年4月からは運航開始時間を1時間早め、朝8時から運航するなど、ドクターヘリによる救急医療の充実に努めてまいりました。
 ドクターヘリの夜間運航につきましては、安全面を最優先するという観点から、現在は、ドクターヘリを導入しております本県を含む10道県──北海道プラス9県でございます──10道県においても、日中の運航のみ行っているのが実情でございます。県立医科大学附属病院の入院患者や地域住民への騒音による影響、経費面や人的体制等の課題も残されており、夜間照明設備の設置も含め、特に安全性の担保など、検討課題であると考えてございます。
 次に、ドクターヘリの病院間搬送の充実についてでございます。
 ドクターヘリにより救急現場から患者を搬送する病院は、基本的には基地病院である県立医科大学附属病院となっておりますが、患者の容体等考慮の上、基地病院以外の病院にも搬送しているところでございます。
 県下で限りある高度な救急医療を行う病床を最大限有効活用することは重要であると認識しており、当該病床を有する日赤和歌山医療センターへのドクターヘリによる患者搬送につきましては、既に搬送実績もございますが、今後、日赤和歌山医療センターの建設計画にあわせ、日赤和歌山医療センター及び関係者、関係機関・団体と協議を行いつつ検討してまいります。
 最後に、ドクターカーについてでございます。
 議員御指摘の大阪府済生会千里病院千里救命救急センター等において現在稼働しているドクターカーにつきましては、新生児に限らず一般成人までも対象としたものであり、積極的に現場まで出動して、病院に到着する前に応急治療を行うことで救命率の向上を図るものであると承知してございます。
 なお、本県では、新生児の病院間の救急搬送を目的といたしまして、県立医科大学附属病院と社会保険紀南病院にドクターカーを導入しているところであり、平成12年4月から搬送を開始して以来、本年8月までの累計で153件の実績がございます。
 今後、広域的に、またより広い対象者に対してドクターカーを運用することにつきましては、消防機関の協力体制いかんや現在の新生児を対象とした取り組みをしている中での課題等の検証を行った上で、医師、看護師、救命救急士等の確保と資質の向上、ドクターヘリによる搬送や消防機関による一般的な救急搬送との役割分担等を踏まえながら、関係機関と十分協議を行いながら適切に推進してまいりたいと、そのように考えてございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 危機管理監杉本雅嗣君。
  〔杉本雅嗣君、登壇〕
○危機管理監(杉本雅嗣君) 防災ヘリの医療用への積極的な活用についての御質問にお答えいたします。
 防災ヘリコプターを医療用に活用することは、災害や急病発生時の傷病者の救命率の向上を図る上で大変効果的であると考えております。
 防災ヘリコプターは、救助、救急患者の搬送及び山林火災の消火など、各種防災活動のため整備したものでございまして、平成18年度の緊急運航は、救助活動32件、救急活動29件、火災防御活動など5件、計66件となっております。
 また、山間地などにおける救急救助活動での救命率の向上を図るため、医師が同乗して現場で傷病者の治療、処置などを行う和歌山県防災ヘリコプター医師等同乗救助活動、この活動を国立病院機構南和歌山医療センターの全面的な御協力をいただきまして、平成19年4月1日から実施しているところでございます。なお、活動を開始いたしました4月から8月末までの実績は4件となっております。
 今後とも、航空消防・防災体制の充実強化に努めまして、積極的に災害防御及び傷病者の救命率の向上を図ってまいります。
○議長(中村裕一君) 総務部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○総務部長(小濱孝夫君) 県立医科大学の病床、手術室の拡充についての御質問にお答えいたします。
 平成18年4月から公立大学法人としてスタートいたしました和歌山県立医科大学は、現状の800床を前提とした6年間の中期計画を策定し、病床管理センターを設置し、病床の効率的な利用、手術室の効率的な運用による手術件数の増加など、収入確保を図るとともに、患者が安心して治療を受けられる体制の確保、サービスの向上など積極的な改善策により、法人の初年度である平成18年度において一定の成果を上げたところでございます。
 今後とも、県民医療の確保という視点に立ったサービスの提供、法人としての経営改善になお一層取り組んでいくところでございます。
 御提言のありました病床及び手術室の拡充につきましては、公立大学法人において、大学附属病院としての水準の向上、人員体制の整備及び収入の見通しなど、まず多角的に考えていく必要があります。県といたしましては、その結果を踏まえ、公立大学法人及び庁内各関係部局等と協議・検討してまいりたいと考えております。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再質問を許します。
 28番江上柳助君。
○江上柳助君 ただいま知事並びに関係部長から御答弁いただきまして、ありがとうございました。
 私、いわゆる企業誘致に関連しまして、なぜ横断的なプロジェクトチームの編成をということをしつこく申し上げたかと申しますと、実は、私の先輩で昔一緒に仕事をした先輩が、愛知県の一宮市で合成樹脂プラスチックの成形加工の仕事をされております。これは、電気部品、それからあと機械部品等、愛知県で100名の従業員です。中国にも進出しております、50名。そして、昨年の秋に高知県に進出したというんですね。
 和歌山出身ですから、「何で和歌山にならないんですか」と、もう再三にわたって聞いたんです。私も、もう1時間近く押し問答やりました。そこでおっしゃるのは、「和歌山県で『検討します』と言ったら、それは断る言葉やないか」と。いわゆる「『検討します』ということが検討せえへんやないか」と。それで私、考えたんです。縦割りやから難しいんかなと。「一遍、静岡県の湖西市、豊田佐吉──トヨタ自動車の創始者──並びに本田技研の本田宗一郎の生まれたところに行ってみろ。そらもう検討といったら、ねじり鉢巻で夜を徹してやってる」という話を聞きました。「それは昔のことや。今は一生懸命頑張ってるから頼むよ」というふうに再三申し上げました。
 したがいまして、やはりそうした「呼ぶ」とか、そういう「検討します」といったことについては本当に汗をかくという姿勢が──私は、企業立地課の皆さん、一生懸命されておりますから、そういうことないと思います。今はそういうことはない。しかし、これは全庁的にも通じることだと思います。県民に対して、「検討します」「考えます」と言ったことは、しっかりとひとつ誠意を持って取り組んでいただきたい。これは要望1つ。
 もう1つは、私、1問で申し上げました。大変な期待を知事に、この企業立地にしてるわけですね。私も、いろんな知事の通商政策局の審議官のころの講演、さらには座談会、全部読ましていただきました。そうしますと、ちょうど今から6年前、2001年、WTOに中国が加盟をしたんですね。これは、世界貿易機構に加盟した、画期的なことだったと思うんですね。それを受けての講演ございましたね。
 そのとき、その後来るのがFTA、すなわち自由貿易協定なんですね。これは、中国と結ばれると、いわゆるバリアがとれますから、どんどん中国の製品が入ってくると。知事は、ここでこうおっしゃってるんですよ。日本証券経済倶楽部での講演です。この末尾に、要するに「経済環境の激変から苦しい状況と言える農業関係者、中小企業者の方々の多くを選挙区に抱えている国会議員の先生方も、内心ではこの流れ、自由貿易協定の流れというものをせきとめることはもはや難しいことは十分に認識しておられ、最終的には御理解いただけるものと思っている」と。
 これ、攻守所を変えますと、知事はやっぱり和歌山県民の県益を考えなきゃいけません。農業関係者、いっぱいいらっしゃいます。まあ幸い果樹等多いわけですけど。近郊農業の野菜とかあるわけですからね。(「時間過ぎとるよ、1時間」と呼ぶ者あり)──じゃ、そういうわけで、ひとつ県益のためにしっかりと取り組んでいただくことを強く要望いたしまして、私の2問といたします。
 ありますけど、1時間というのがちょっと私も、出発時間がわかりませんでしたんで、大変失礼をいたしました。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) ただいまの質問は要望でありますので、以上で江上柳助君の質問が終わりました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時40分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(新島 雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 37番長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕(拍手)
○長坂隆司君 皆さん、こんにちは。
 議長のお許しをいただきましたので、以下、通告に従いまして3点一般質問をさせていただきます。
 1つ目に、和歌山県の農産物の食品加工戦略についてであります。
 和歌山県の農産物、特に果樹については、ミカン、柿、梅、それに桃、キウイ、イチゴ等々、全国でもトップレベルの生産量とともに、品質がトップクラスであり、従来より営々と果樹王国を築いてまいりました。和歌山県農林水産総合技術センター、その中の農業試験場、果樹試験場、かき・もも研究所、うめ研究所など、また和歌山県農業大学校等々、生産技術の研究開発について和歌山県はまさに押しも押されぬトップの地位を確保していると言っても過言ではありません。
 また、今年度より県農林水産部内に食品流通課を創設され、従来の商工労働部のブランド推進課の業務をそのまま引き継ぎながら、新たに市場を通じた農産物の販路拡大に関する業務などを加えて、農産物を初めとする県産品の輸出入を含めた販路拡大、流通対策に関する業務を総合的に実施されているとのことです。いよいよ本格的な販売戦略に乗り出されたということで、トップクラスの生産技術に加えて、今後の展開が非常に期待が持てます。
 加工については、今議会において新たに加工食品の流通対策も提案されておりますが、せっかくの恵まれた高品質の農水産物資源をまだまだ生かし切れていないような気がします。品質の争いだけでは、やがて他県に追いつかれてしまいます。機能性や加工技術を付加していかないと和歌山県のブランド維持は到底難しいと思われます。今から打てる手は打っておくべきであります。
 そこで質問ですが、1つ目、他の都道府県においては、多くのところで、地域でとれる農産物活用のための食品の加工研究開発の取り組みがなされております。
 あの東国原知事の宮崎県では、もともと工業技術センターから独立した食品開発センターがあり、食品の分野において、県内の食品企業、地域の食品加工グループ等への支援を使命とし、食品にかかわる研究開発、指導、依頼分析等を行っています。
 福井県では、農林水産部の中に農業技術経営課があって、その研究機関として食品加工研究所があり、食品加工技術の研究と開発並びに研修、指導、情報交流などを通じて福井県の農林水産業の高度化と食品産業の振興を図っています。
 その他、富山県食品研究所、北海道立食品加工研究センターなど、独立した研究開発機関があります。
 また、県の工業あるいは産業技術センターや試験場内に、福岡県、熊本県、秋田県や長野県などに加工食品の開発研究センター、あるいは石川県では工業試験場の中に食品加工技術研究室を持ち合わせているところもあり、どこもみずからのふるさとの特産品づくりに躍起であります。
 和歌山県において、もちろん県内企業の商品開発によるところも大きいと思いますが、県の農業が大きく飛躍するためにも、加工食品あるいは機能性食品の研究開発に中核となる機関が必要ではないでしょうか。
 大学における研究者の先生方もよく指摘しておられることですが、和歌山県でも、生産と販売の間の中流域とも言うべき食品加工、機能性研究のために、既設の公共機関を連結させ、企業の協力を得ながら食品加工に特化した研究開発機関、あるいは食品加工クラスターをつくれないものでしょうか。農林水産部長、いかがお考えですか。
 2番目、せっかく食品の販売流通のエキスパートとも言うべき食品流通課をつくっていただきました。大手スーパーなどがどういうものを売りたいのか、どんな販売戦略を持っているのかというところから逆算して、どんなものをつくればよいか、農産物にどんなものを付加、どのように加工すればいいのかといった、生産からエンドユーザーへの販売までの大きな戦略を立てることが必要であります。そこに、食品加工、食品の機能性開発研究は大きな意味を持ってくる、すなわち和歌山県の持っている恵まれた農林水産物資源が無尽蔵のビジネスチャンスをもたらすことになってくると思います。
 アグリから派生するビジネスの分野で県経済をもっと活力あるものにすべく、和歌山県ならではの農水産物をさらに活用するための県の食品加工戦略について、知事、お聞かせください。
 2点目に、和歌山県内の医師確保と開業医についてであります。
 厚生労働省は、医師不足や地域偏在への対応策として、開業医と病院の勤務医との格差是正に踏み込もうとしています。
 新聞報道によれば、高齢化社会の進展に伴い、在宅診療を進めるため、開業医の時間外診療や往診の報酬を引き上げて、そのかわり開業医の初診・再診料の引き下げを検討しているとのことです。開業医の収益源を見直して夜間診療などへの取り組みを促して、病院の勤務医の夜間の患者集中による過大な負担のために患者に手が回らないようなケースが起こらないよう、また過労状況を改善することを目指しているようです。
 確かに、過重労働を理由に開業医に転身する勤務医も少なくなく、日曜・祝日を含めた24時間体制の病院の勤務医不足に拍車がかかっている現状があります。さらに、新たに開業医になる条件として、僻地や小児救急医療の経験を資格要件にするといった案も浮上していると聞きます。
 なるほど、地域の基幹病院の医師不足は深刻であり、開業医に協力を求めていくことしか当面医師不足の解消は考えられないと思います。医師には人命を守り健康な生活をもたらす崇高な使命があり、その達成のためには相応のボランティア精神も必要になるでしょう。病院の当直にも協力いただければ現在の危機的状況は打破できるかもしれません。
 しかし、開業医からすれば、勤務医を経て開業した方も少なくなく、当然、平均年齢は病院の勤務医より高いと思われます。日ごろの診療に加えて、時間外診療、往診、そして日曜日の救急センター当直は、そうたやすくできるものではないかもしれませんし、そんな勤務医が嫌で開業した人もいます。開業医の医者としての士気にかかわるような義務づけも現実的には厳しいものがありましょう。
 開業医は、かかりつけ医として地域で不意の呼び出しにも応じられる役割を担っております。また、和歌山県全体からしても医師の地域偏在はあって、和歌山市、岩出市、そして紀の川市などで特に多く、開業医数は全国でも上位クラスであります。全県的に医師の地域偏在にならぬよう、基幹病院に専門医がいない科が発生しないよう、開業医も病院側も双方納得の上で病・診、すなわち病院と開業医とがうまく連携がとれればと望むものであります。
 医師不足のため産科を閉鎖する病院が出てきておりますが、日本の子供の約半数は開業医のところで生まれてくるのであります。
 同じく、厚生労働省の医師不足への対応策として、専門分野に偏らない総合的な診療を担う総合科の創設が検討されていると聞きます。
 社会的背景として高齢化社会の到来があります。日本人の疾病構造も変化して、心筋梗塞、糖尿病、脳卒中、そしてがんなど、生活習慣病がますますふえてくるでしょう。長期療養が必要なお年寄りを自宅などで総合的に診る医師が必要とされてくるし、専門医志向が強くて、他の科の病気を診察できない医師がふえている現実もあります。
 患者側として、医療サービスを受ける側としては、身近に風邪からがんの早期発見まで総合的にいろんな病気を安心、信頼して診ていただけるのはまことにありがたいことでありますが、でも、医師たるもの、この病気のことなら任せてくれ、絶対治してみせるんだといった専門性は持ち合わせてほしいし、でも、何でも診させていただくという医師としての使命感を持ち合わせていただきたいものであります。
 総合診療医が中途半端な何でも屋さんにならないよう、医師としての技量と、さきに述べた使命感を持った総合診療医を養成していくことも医師不足の解消の1つになると思います。
 県当局において、和歌山県全体を見渡したバランスのとれた地域医療を展開できるよう、地域偏在にならないように医師を確保するため、開業医と勤務医との連携による県の医療システムを今こそ構築いただきたいと思いますが、いかがですか。福祉保健部長にお伺いいたします。
 3点目に、学力向上とゆとり教育についてであります。
 去る9月11日の安倍晋三前首相の突然の辞任には、実際驚きました。安倍氏の重要課題に掲げていた教育再生について、今後、教育再生会議がどうなっていくのか注目されます。
 昨年10月に、前首相の肝いりで教育再生会議が17名の有識者を集めて設立されました。ことし1月には、ゆとり教育の見直しを初め、厳格な教員免許更新制度の導入や教育委員会制度改革などを盛り込んだ第1次報告が安倍前首相に提出されました。6月1日に出された第2次報告では、徳育の新設や学力向上のための土曜授業の復活、国立大学の9月入学、まためり張りのある教員給与体系の4点を安倍氏は総会で強調したと聞いております。
 この教育再生会議の報告を参考にした形で、8月30日、文部科学省は学習指導要領の改訂案として、小学校において総合的な学習の時間を、小学校3年以上で週3時間行われていたのを1時間ずつ削減し、国語、社会、算数、理科、体育の総授業数を約1割ふやし、高学年で英語活動を週1こま程度設けるといったところが示されました。中央教育審議会は年度内の改訂を目指しており、早ければ2011年春からの施行となるそうです。まさに、ゆとり教育の象徴であった総合学習が半ば否定されたことになります。
 授業内容はまさしく教師の指導力に左右され、場合によっては遊びの時間になりかねない部分もあったと聞きます。しかし、今回の改訂も生きる力の育成が理念としてなお打ち出されており、総合学習で目指していた能力の育成を他教科にも求める内容になっています。また、思考力や意欲などを育てるため、書くことを全教科で重視しており、その実現のために授業時間をふやすことが必要だとしています。書くことによって覚えることにも役立つし、表現力もみずから身につくし、みずから考える気持ちにつながります。これは評価したいと思います。しかし、土曜授業の復活には踏み切らず、週5日制は堅持されております。
 国の方針をとやかく言っても仕方ないかもしれませんが、ゆとり教育の導入と完全週5日制に伴う授業時数2割カット、授業内容3割カットで生きる力を育てるのだと鳴り物入りで施行されたときも反対が非常に多く、私自身も、学力の低下は必ず起きるだろうし、土曜の休みも子供たちに有効には作用せず、むしろ休日が続いて月曜日の学習意欲にも影響するし、子供たちが本当にゆとりが持てるのかと反対の意をこの壇上で述べたこともありましたが、まさにそのとおりになっているわけで、初めからこの揺り戻しが予想されていたことであります。
 学習内容については、昭和50年代のピーク時より実に半減しているのであります。しかし、今回も体裁を繕っているのか、結局、土曜授業に踏み込めず、平日の授業時数を約1割ふやして、総合学習を3分の1減らしただけという小手先の改革で終わろうとしているところに、文部科学省の方々も相変わらず教育現場をしっかり見ていただけてないなと感じざるを得ません。本当に日本人は、今もはや勤勉な国民と言えなくなっています。ゆとり、ゆとりと言っている場合ではありません。本当に真剣に小学校の時代から自然に机に向かえる時間を多くすることを考えなければいけないと思います。
 ゆとり教育では、暗記よりも自分で調べ、問題を解決できる力を重視するとありますが、最低限覚えること、暗記すべきことはあります。暗記する時間を減らしたからといって、思うように応用力なんて簡単に育つものではありません。暗記は詰め込みではありません。
 9月14日の「産経新聞」の社説におもしろい記事が掲載されておりました。ゆとり教育で消えてしまった学習内容として、「小学校6年生の現行の社会教科書には縄文時代がなく弥生時代から始まっている」、また「小学校の指導要領で教えるのは自分たちの市町村などに限定され、47都道府県名は不要とされ、平成17年公表の学力調査で、小学校5年で日本列島の北海道を知らない児童が半数もいた」とか、「小学校の算数で小数点第2位以下の計算が消え、台形の面積計算の公式も消えている」ということになっています。「せめてもの基礎知識くらい持っておかないと、学問のおもしろさや、その先を知り、探究したいという好奇心、学習意欲もわいてこない」と結んでいますが、まさにそのとおりであります。
 文部科学省や中教審の小手先改訂に惑わされず、和歌山県においては自分のふるさとに愛着、誇りを持てる教育を、そして常識と良識のある和歌山県人を育てていただきたいと思うものであります。
 そこで質問ですが、1つ目、2002年度から始まったゆとり教育について、きちんとした検証はすべきだと思います。私は、ゆとり教育に反論を唱えるものですが、和歌山県において実施されてきたゆとり教育について、教育長の御所見を伺います。
 2番目、今回の改訂で総合的な学習の時間が3分の1減少される分、他の教科に、みずから学び、考え、主体的に判断する力を育てるべく反映していくというねらいがあるようですが、本県における総合学習の教育現場における実態はいかがなものでありましょうか、教育長にお伺いいたします。
 3番目、減少し続けていた授業時間数が1977年の学習指導要領以来、今回30年ぶりにふえるということでありますが、土曜授業の復活は盛り込まれておりません。公立小学校で、地域の方々の主導で土曜日の子どもセンターや土曜教室も開催されておりますが、今は休日になっている土曜日の子供たちにとっての効果的活用について、教育長のお考えを聞かせてください。
 4番目、今回の改訂案には、体力低下も今の子供の抱える大きな問題ということで、他の主要教科に加えて体育も1割授業時間をふやしていただけるということには歓迎するものでありますが、本県も8年後に国体を控え、小中学校生徒はまさにゴールデンキッズ、金の卵であります。今後、県教育委員会として小中学校における体力向上に向けた基本方針について、教育長にお伺いいたします。
 以上3点、1回目の質問を終わらせていただきます。御清聴、ありがとうございました。(拍手)
○副議長(新島 雄君) ただいまの長坂隆司君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 和歌山県の農産物の食品加工戦略についてでございますけれども、最近の消費の実態を見ますと、安心・安全や機能性を求める傾向にあり、若者の果物離れとあわせて、大きく変化している状態にあります。今後、消費者ニーズに対応した商品開発など、食品加工分野での取り組みが地域の農業の将来を左右するのではないか、あるいは雇用の将来を左右するのではないか、そんなことを考えております。
 このため、食品に係る流通、加工、販売の一元化を基本に組織統合を行いまして、新たに食品流通課を新設いたしました。また、7月には農産物の加工販売促進に関するアクションプログラム2007を策定いたしまして、鋭意これに基づき取り組みを進めているところでございます。
 議員お話しの農産物加工につきましては、それぞれの地域において生産者と食品加工業者の連携が大切でありまして、その推進母体としての地域協議会の立ち上げに取り組む一方、地域団体商標登録に結びつくよう、サプライヤーとしてマーケット側からの提案等も取り入れた商品開発に努めるなど、恵まれた和歌山の地域資源を活用した、すそ野の広い産業としての農業を育てていくことにしていきたいと思っております。
 議員御指摘の「売りたい」と企業が考えるようなものをつくる、提供するということについて同感でございまして、1つの例が、大手スーパーと組みまして、最近発表さしていただきましたが、ミカンジュースを出さしていただきました。このような試みを、県、それから企業の方々、あるいは農業者、農業団体の方々と精いっぱい緊密な連絡をとりながら進めてまいりたいと考えております。
○副議長(新島 雄君) 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 食品加工戦略に関連をいたしまして、食品加工に特化した研究開発機関、あるいは食品加工クラスターの創設についての御質問でございますけれども、果物の消費というのが近年減少傾向にございまして、今後の農業振興を考える上におきまして、単に生産したものを出荷ということだけではなくて、食品産業との連携による加工品づくりを進めまして新たな需要の創出に努めていく必要があるというふうに考えてございます。
 議員お話しの食品加工の研究開発機関といたしまして、県と県の農協連合会、それから県内の全農協が出資をいたしまして、社団法人和歌山県農産物加工研究所が昭和57年に紀の川市の桃山町に設置をしてございます。
 この研究所におきましては、これまで農協等からの依頼によります新たな加工品の開発とか、また農産物の持つ機能性等に関する研究などを行っておりまして、多くの成果も上げてございます。また、平成17年からは、果樹試験場、県立医大、近畿大学との連携のもとに、ミカン、それから柿、梅といった本県を代表する果物を用いまして、柿酢入りミカンドリンク等の新たな機能性飲料の開発に取り組んでございます。
 今後、同研究所あるいは県果樹試験場などの研究機関を核にいたしまして、工業技術センターとの連携を一層密にするとともに、食品製造業者等で組織をされております和歌山県食品産業協議会がございますが、これらとの協力をしながら地域の特色を生かした加工品づくりというものについて積極的に推進してまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) 開業医と勤務医との連携による県の医療システムの構築についてお答え申し上げます。
 議員御指摘のとおり、医師の地域偏在や開業志向等により、地域の基幹病院における医師不足は深刻な状況であると認識してございます。県といたしましては、わかやまドクターバンク制度や地域医療支援事業など、さまざまな医師確保対策を実施しているところでございます。
 さらに、安心・安全の救急医療体制を確保するため、開業医と勤務医が連携して、圏域を超えた広域の救急医療体制を構築する地域医療連携モデル事業の補正予算案を今議会に上程しているところでございます。この事業は、新宮市立医療センターが実施いたします日曜及び祝日の救急日直において、新宮市医師会、東牟婁郡医師会及び三重県の紀南医師会に所属する開業医が同センターの勤務医のかわりに診療を行い、当該勤務医の負担軽減を図るとする取り組みであります。
 今後の取り組みにつきましては、第一義的には、地域の救急医療を担う病院と地元の医師会や開業医との協力、連携に負うところが大きいわけでありますが、県といたしましても、新宮市立医療センターにおけるモデル事業の評価を行った上で、関係者、関係機関との協議を行いながら、必要と考えられる地域に対しても導入を検討してまいりたいと、そのように考えてございます。
○副議長(新島 雄君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 学力向上とゆとり教育についてお答えいたします。
 まず、いわゆるゆとり教育についてでございますが、現行の学習指導要領は、子供たちに、ゆとりの中でみずから学び、みずから考える力などの確かな学力を育成し、生きる力をはぐくむということをねらいとしてございます。本県におきましても、その趣旨を踏まえ、学習指導において、じっくり学習に取り組んだり体験的な活動を有効に取り入れたりすることにより、子供たちの実感を伴った理解が深まったものと認識をしております。
 一方、学力の状況を把握するために実施をいたしました県の学力診断テストの結果では、各教科ともおおむね良好であったものの、読解力や思考力などに課題が明らかにされてきております。いわゆるゆとり教育は、その趣旨が十分に生かされなかった面があることも指摘されているところでありますので、今後こうした学力に係る課題を解決し、教育本来のねらいを十分に達成するため、より一層指導方法の工夫・改善に努めてまいりたいと考えます。
 また、総合的な学習の時間につきましても、当初、ねらいに沿った取り組みが十分でない状況も見受けられました。そのため、モデル校の実践の普及や各市町村教育委員会への指導を充実させることにより、小学校での英語活動や防災教育、環境教育、ふるさと教育など、地域や学校の特色を生かした多様な取り組みが多くの学校で展開されるようになってまいりました。
 総合的な学習の時間は、生きる力をはぐくむ教育の中核をなすものでありまして、本来の学びを取り戻し、真の学力の向上につながるものであります。今後もこの趣旨を大切にしながら教育現場への指導の徹底を図ってまいりたいと存じます。
 次に、土曜日の効果的な活用につきましては、土曜日等休日を子供や大人にとって意義のあるものにするため、家族や地域の人々との触れ合いや子供の体験活動を豊かにし、家庭や地域での子育てを推進することが大切でございます。こういった趣旨から、県市町村では、放課後子ども教室を活用して週末や放課後に子供たちの安全・安心な活動拠点を設け、地域の方々とともに勉強やスポーツ・文化活動、交流活動等を実施しております。また、県立近代美術館や博物館等におきましては、子供料金をいつでも無料にして、子供や保護者が有効に利用できるよう取り組んでございます。
 現在、国においても土曜日の活用について弾力的な取り扱いが検討されておりますので、子供の発達段階や学校のニーズに応じて幅広い観点から特色ある取り組みが展開されるよう、市町村教育委員会とも連携して取り組みを推進してまいります。
 次に、体力向上に向けての基本方針につきましては、多様でバランスのとれた運動の機会を多く設けるとともに、子供たちに体力づくりの必要性や合理的な運動の仕方を理解させ、生涯にわたって主体的、積極的に運動に親しむ資質や能力を培うことが大切であると考えてございます。そのため、小、中、高等学校合同での体育研究会を実施するとともに、昨年度は新たに小学校におきましても体育主任者会を開催するなど、体力向上の核となります学校における体育指導の充実・向上を目指し、工夫と改善に努めているところであります。
 また、昨年度から家庭の協力を得るよう元気アップ親子セミナーを実施し、加えて、本年度は県内の小学生や園児を対象に、インターネットを活用したきのくにチャレンジランキングを創設し、本年8月1日にホームページを開設・運用を開始したところでございます。
 今後とも、本県の子供の体力向上に向けまして、多様で着実な施策を積極的に展開してまいりたいと考えます。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(新島 雄君) 再質問を許します。
 37番長坂隆司君。
○長坂隆司君 御答弁いただきました。
 まず、県内の医師確保と開業医についてでありますが、開業医には、まず県民1人1人が信頼できる、総合的に診療できるかかりつけ医として、その地域的、社会的使命を担っていただきたいのですが、その上での御負担になるのですが、医師不足、医師の地域偏在の解消にも御貢献いただくべく、広域の救急医療システムの中にもぜひ参画いただきたいわけであります。
 御答弁いただいた新宮市立医療センターのような取り組みを他の医療圏域にも広げていただいて、開業医の皆様のやる気をうまく引き出していただきますように、県当局におかれましては、病院、医師会とも調整いただいて、引き続き御尽力お願いいたします。
 教育についてでありますが、2002年度導入のゆとり教育が早くも見直し改訂へと。御答弁いただいたように、確かな学力があってこそ生きる力がはぐくまれると思います。
 本来、ゆとりを持って教えるには、より時間がかかるはずです。ゆっくりとだれにもわかるように指導するには時間と労力がかかります。だから、確かな学力をつけるには土曜日も有効に使うべきだと思います。そして、日曜、祝日は教師も子供も完全にフリーで休み。私自身は、教育にはめり張りが一番大事であると信じております。
 定期的に子供たちの登校時の交通安全指導をさせていただいておりますが、土日2日も休んだ後の休み明けの子供たちの登校時の顔の表情や物腰、これ、きりっとしてれば問題ないんですけれど、さにあらずであります。これをいま一度当局にもよくチェックしてみていただきたいと要望させていただきます。
 さて、和歌山県の農産物の食品加工戦略についてでありますが、再質問さしていただきたいと思います。
 大学の研究者の先生方には、他の大学から転勤してこられた方、また企業で技術者として御活躍された方など、いろんな方がいらっしゃいます。地域社会の中で、その地方のため、例えば和歌山県のため、自己の持つ専門研究、ノウハウを生かして、いい物づくりをして地域を発展させたいという気持ちをお持ちの方が少なくありません。この情熱を県に受けとめていただきたい。むしろ、大いにそれを利用していただきたいわけであります。そのための受け皿になるのが、和歌山県で言えば、例えば食品加工研究開発センターのようなものだと思うのです。
 今までは、食品加工を直接扱う担当課というものを県も明確にしておられませんでしたが、先ほど答弁いただきましたように、今回、食品流通課もつくっていただきました。
 知事、和歌山県の持ち得る資源を生かすとしたら、豊富な栄養価、また、健康によいと言われる要素を持った果樹を初めとする農産物資源の加工研究開発の強化に一層取りかかる時期が到来していると思います。どうかひとつ、企画、商工、農林の垣根を超えた取り組みを実践してみてはいかがでしょうか。知事に再質問さしていただきます。
○副議長(新島 雄君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 企画、商工、農林の垣根を超えた、特に食品加工に関連する試みということでありますが、まさにそういうふうに部局を超えて協力をしながら事を進めるというのが、これからの県庁に求められる大きな要素ではないかと思っております。
 その試みは、食品流通課もそうでありますけれども、例えば平成16年1月にわかやま産業振興財団テクノ振興部に農林水産総合技術センターから研究員を派遣しまして、近畿大学、和歌山大学等との連携のもとに共同研究に取り組むなど有用な試みもしております。
 それから、実はバイオテクノロジー、農業と絡めたバイオテクノロジーの振興といいますか研究開発を国の競争的研究資金を導入して、数年間にわたって今やっとるんでありますが、これも、担当は企画部でありますけれども、農林水産部と非常に協力をしながらやらしているところでございます。
 一般に、どうしても官僚は縦割りになりがちであります。その結果、隣の部局がやってることは知らないというようなことが、まあたまには発生します。そういうことがありますと困りますもんですから、実は県庁ではヘッドクオーター制というのをつくっておりまして、特にこういう弊害が私はちょっと目立つなと思うようなところは、特定の責任者をヘッドクオーターにしまして、それで横の連絡もきちんととらせるようにしました。
 食品流通及び食品加工については、今のところ食品流通課が企画やあるいは商工と非常によく連絡をとっていまして、今のような研究開発や、あるいは議員御指摘の研究者の方々、特に現在ある近畿大学の生物理工学部とか、和歌山大学のシステム工学部の環境の方々とか、和歌山県立医大の方々とか、たくさんの立派な方々が和歌山県にはおられるし、食品加工業でも、酒とかあるいは梅干しとか、そういう資源がたくさんあるわけです。そういう方々を全部糾合して、これからも研究開発と、それから農業と、それから食品加工業の振興を3つ合わせて、ぜひ元気な産業をつくっていきたいと思っております。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(新島 雄君) 再々質問を許します。
 37番長坂隆司君。
○長坂隆司君 御答弁いただきました。ありがとうございました。
 農林水産部長が述べていただいた社団法人和歌山県農産物加工研究所も、せっかく県が一部出資されているのですから、農協さんともっと調整して活用いただいた上で、今後、県農林水産部食品流通課を主管課、核として、各部局緊密な連携のもとで、和歌山県の一番手っ取り早い産業振興のため、食品加工専門の研究センターの創設、あるいは食品加工研究に取り組む集合体、クラスターづくりをどうか前向きに御検討いただきたいと要望さしていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
○副議長(新島 雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で長坂隆司君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 11番花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○花田健吉君 ただいま議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 まず最初に、ことし7月、参議院議員選挙が行われました。社保庁の年金記録漏れの問題や政治家の事務所費の収支に関する問題が取り上げられ、それらが選挙結果に影響を与えたことも確かではありますが、もう1つ大きな国民の意思として、東京と地方の格差や大企業と中小企業の格差を是正してもらいたいという意思が大きなうねりとなって選挙結果にあらわれ、今後取り組まなくてはならない我が国の大きな政治課題として位置づけられました。
 確かに、バブル崩壊後、日本経済が急速にデフレスパイラルに落ち込む中で小泉政権は構造改革を旗印に経済の復興をなし遂げましたが、それにより都市と地方、大企業と中小零細企業の間で経済格差が生まれ、ひいては個人の格差を広げてしまいました。
 私は、6月議会において、仁坂知事に地方の窮状を、ふるさと納税構想に伴い地方の言い分を発信してほしいと訴えました。図らずも、このたびの選挙結果を踏まえ、国政も地方に対して、また中小零細企業に対して、もう少しぬくもりのある政策をしていかなければならないという議論が各所で論じられることは、大変喜ばしいことであります。
 私は、日高郡に在住をいたしておりますので日ごろ郡内各地にお伺いをいたしますが、それらの地域はもう瀕死の状況と言っても過言ではありません。特に日高郡内でも、山間地域に参りますと、「限界集落」と大変不名誉な名称で言われる地域がたくさん点在いたしますが、もう限界を超えて消滅の危機に瀕している集落もかなりあります。
 このような地域に対して、すぐに起死回生の具体的な政策がないことは十分承知をいたしております。しかし、このような地域に対しても何か活力を取り戻す方法がないのか、多くの過疎地域で政治にかかわる者は心を痛めていますが、歴史の大きな流れの中で、最近は無力感にさいなまれることもしばしばであります。
 しかし、このたびの参議院選挙を通じて、地方がこんなにもはっきりと国政に対して意思表示した例は歴史上大変珍しいことだと思います。和歌山県内においても、当然多くの地域で過疎化が進み、大きな政治課題となっています。
 仁坂知事は、就任後、県内各地を訪問され、その現状を目の当たりにされたことと存じますが、大変驚愕されているのではないかと思います。
 そこで、まだ知事に御就任されて1年足らずで大変恐縮な質問になりますが、私たち中紀や紀南に住む者から見れば、和歌山市も都会に見えます。そこにお住まいの知事は、こうした限界集落と呼ばれるような過疎の地域についてどのような認識を持っておられるのか、お考えをお伺いいたしたいと思います。
 過疎地域は高齢化が年々進み、独居老人世帯がふえ続け、一方、若者の働ける場が少ないので人口を補充できない、まさしく消滅寸前の限界集落について、今後どのような対応、施策が必要とお考えなのか、お伺いいたします。
 以上のことを踏まえ、今後、国政で大きく取り上げられた都市と地方の格差の是正について、地方の実情を発信するまたとない機会であると考えますが、地方から国に対してどのような施策を提言し、再生の道筋を訴えていくのか、知事のお考えをお伺いいたします。
 次に続く質問も、常に過疎からの脱却を目指した内容ですので、よろしくお願いいたします。
 次に、我が県において、遊休農地や放置された農地等の登録制度を当局が中心となって一元管理し発信するシステムが必要ではないかということについて質問をさせていただきます。
 御承知のとおり、現在、世界的規模で急速に食糧を取り巻く状況が激変しつつあります。原因には、異常気象が世界的に続き、地球的規模で食物の不足が懸念されていること、そして人口がアジアを中心に爆発的にふえていることによるものと考えます。もうすぐ地球規模で食糧不足、食糧危機が到来するのではないかと心配されています。
 しかし、我が国の農業は、高度経済成長と反比例して、地方から都市への人口流出による農家の減少、また農業従事者の高齢化が進む中、後継者不足で大変厳しい状況が続いています。その結果、国内食料自給率が30%台に割り込み、世界の先進国の中では極端に低く、近い将来、アメリカや中国、欧州で大干ばつや大洪水の異常気象により農作物が壊滅的打撃をこうむった場合、我が国は食糧危機に陥るのではないかと考えるのは私1人ではないと思います。
 食糧の生産は世界的に大きな政治課題であり、外交戦略としても重要なカードなのですから、我が国もいま一度農産物の生産体制に政治的戦略を持つ必要があると考えます。
 そこで、地方の再生のかぎとなるかもしれないと期待を込めて、農業立県としての必要な農業政策についてお尋ねをいたします。
 我が県は、幸いにして果樹生産においては気候にも恵まれ、国内でも有数の産地でありますし、米はもちろん、野菜や花卉類においても諸条件は整っています。また、大阪や名古屋の大消費地とも近く、高速道路等の整備により物流においても昔ほどハンディがあるとは思えません。さらに、最近、日本の農産物は世界に輸出できるほど環境も整ってまいりました。関西国際空港の第2滑走路がオープンし、日本初の24時間空港から和歌山県産品が、世界各地に輸出することも夢ではありません。
 しかし、最近、紀南地域や中山間部において休墾地や放棄された農地が数多く見受けられるようになりました。さきの小泉内閣では、全国に特区制を用いて法人が農地を借り入れ、農業に参加できるようにいたしました。成果の上がっているところばかりではないと思いますが、NPO法人や福祉の団体等による農業も注目されています。
 農業は無限の可能性を秘めており、作物を育てると同時に人を育て、環境を守り、水を循環させ、また土に返すという循環型社会の見本とも言える産業であります。
 しかし、現在の農地法によると、一般に農業をしようと思っても、農家以外は農地を持つことができません。また、新たに農家になろうとしても、新しい山などを開発して農地として登録するか、最低5反の農地を一括購入しないと農家として農地を持つことができません。一般の方が農業を始めたいと思っても、まず農地の確保に困ってしまうというのが現状ではないでしょうか。
 昨年から、県内外で団塊の世代と言われる皆さんが定年退職を始めました。そういう方々の中には、残りの人生で農業をしてみたいと思われている方もかなりあるという統計が出ていました。しかし、不動産屋さんも農地を扱っていますが、極めて限られた市場でしか流通していないのが現状です。
 原因は、農地取得を取り巻く条件が整備されておらず、情報システム化されていません。宅地や商工業地、店舗等の売買や賃貸については、不動産業者はもとより、テレビ、新聞、雑誌、広告等、あらゆる媒体を通じて情報提供が行われています。しかし、農地は売買や賃貸物件として取り扱われるのは非常に限られており、地域も限定され、一般に情報が流通していません。特に賃貸ともなりますと、複雑な人間関係や将来にわたる細かい契約事項等により、隣近所でも容易に行われません。
 しかし、最近では、高齢化により農地を管理できない農家は貸してもいいという環境が整い始めてまいりました。そこで、県内全域で農地の賃貸情報の一元管理や発信、他府県からの問い合わせに対しても的確に情報提供ができ、安心して相談できる安全な窓口が必要となってくると考えます。
 そこで、当局が中心となって、現在使っていない農地や、近い将来後継者がいないため耕作できない農地を「和歌山県農地バンク」とでも銘打って登録していただき、新たに農業を始めたいと思っている方や、さらに大規模に農業をするため農地を必要としている農家、また新たに参画しようとしている企業や法人にも、インターネットやマスコミ等を通じて強く情報発信するシステムを構築すべきではと思います。
 発信する情報の中身は、賃貸の希望価格や田畑の状況、それらを取り巻く水利権や交通手段、入植者には住宅情報、もし若いI・Uターンの方であれば小中学校までの距離や規模等のさまざまな情報を提供し、JA農協の協力もいただきながら和歌山県の農業のすそ野を広げることが大切であると考えます。これらすべての状況に対応でき、一括して情報管理、提供できるシステムをつくれるのは県当局以外にないと思います。
 そこで、農林水産部長にお伺いいたします。
 農地という特殊性の高い土地の賃貸制度について、当局が農地バンク制度を設立することにより情報を管理し、強く内外に農業立県和歌山を発信し、農地の活用を積極的に勧めていくべきだと思います。現在、農業に従事したいと考えておられる方が県内外におられるとして、その方が農地の賃貸情報を得たいとすればどのような方法がありますか。同時に、県内の農家で所有している農地を貸したいと思っておられる方はどうですか。
 農地の賃貸はお見合いみたいなものですから、双方の希望が合わなければ成立いたしません。そこで、今後ふえ続けると予想されるそれらの遊休農地に関する賃貸情報を確実に双方に届けるためのシステムをどう構築するのか。賃貸農業の今後の見通しも含めてお考えをお聞かせください。
 農地の耕作は、災害に強い県土を少ない予算で保全・整備してくれますし、また地球温暖化等の環境保全にも大切な施策であると考えます。顕在化している遊休地や放棄地、休墾地等について今後どのような対応を考えておられるのか、お考えをお伺いしたいと思います。
 次に、全国各地で注目を浴びているPFI事業(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)について、知事並びに当局の御見解をお伺いいたしたいと思います。
 御承知とは存じますが、PFI事業とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金と経営能力及び技術的能力を活用して行い、国や地方公共団体が直接実施するよりも事業コストを削減し、効率的かつ効果的に、より質の高い公共サービスを提供するという新しい手法であります。
 我が国のPFI法は、平成11年7月に民間資金等の活力による公共施設等の整備等の促進に関する法律として制定され、平成12年3月にPFIの理念とその実現のための方法を示す基本方針が民間資金等活用事業推進委員会(PFI推進委員会)の議を得て内閣総理大臣によって策定され、PFI事業の枠組みが設けられました。
 PFI事業は、当然のことながら次のような性格を有していなくてはなりません。まず、公共性のある事業であることが大前提であります。そして第2に、民間の資金、経営能力や技術を活用することであります。3番目に、特定事業の選定、民間事業の選定において公平性が保たれること、4番目に、特定事業の発案から終結に至る全過程を通じて透明性が確保されること、5番目に、各段階での評価決定について客観性があること、6番目に、公共施設等の管理者等と選定事業者との間の合意について明文により当事者の役割及び責任分担を明確にすること、7番目に、事業を担う企業体の法人格上の独立性または専門分野の区分、経理上の独立性が確保されること、以上が求められます。もちろん、地域住民の同意は言うまでもありません。
 PFIの対象事業は、道路、鉄道、港湾、空港、河川、公園、水道、工業用水等の公共施設や庁舎、宿舎等の公用施設、公営住宅、教育文化施設、廃棄物処理施設、医療施設、社会福祉施設、更生保護施設、駐車場、地下街等の公益的施設や情報通信施設、熱供給施設、新エネルギー施設、リサイクル施設、観光施設、研究施設等が事業対象となります。また、事業化のプロセスは、民間事業の発案から、その事業内容がPFI事業として適合性が高く、国民のニーズに照らして早期必要性があるかを判断し、公平性、透明性に配慮した実施方針を策定、手続に入ります。また、必要な許認可や適用可能な補助金、融資等を具体化していきます。さらに、特定事業として民間事業者を募集し、その評価・選定の後に協定等の締結をし、事業が行われます。
 私がこのPFI事業に関心を持ったのは、ことし山口県美祢市の美祢社会復帰促進センターがオープンしたという記事でありました。28ヘクタールの整備された広大な敷地を利用して、法務省によるPFI事業が認められ、セコムほか12社が事業を遂行、完成し、現在、管理運営をいたしております。収容者は、刑期の軽い初犯者のみ1000名、従業員数250名のうち公務員120名、民間から雇用が130名だそうです。この施設の誘致のメリットは、職員とその家族や受刑者による人口増、それに伴う交付税の増額、市民税の増額、関連する産業の雇用創出、遊休地の有効利用等が挙げられています。全国で大変な反響を呼び、誘致合戦が激化し、現在、島根県、栃木県、兵庫県がPFI事業により取り組んでいます。
 また、PFI事業は、全国各地で国土交通省や国立大学、地方自治体が取り組み、事業化をしています。和歌山県においてはまだ具体例はありませんが、今後どうしても必要な公共事業において検討してみる価値が大いにあると思います。コスモパーク加太の広大な造成地の利用についても有効な手段ではないかと考えます。例えば、このたび省に昇格した防衛省による自衛隊の災害時の訓練施設及び教育研究施設として利用できないのだろうかと考えます。
 我が県には、美浜町や由良町、串本町に陸海空の自衛隊が配置され、日ごろ地域住民の信頼を得て御活躍いただいております。近い将来、東南海・南海地震は必ずやってきますし、近年は台風等による自然災害が全国各地で多発しています。地震や自然災害時の自衛隊の活躍は目を見張るものがありますが、私たちをいつも守ってくれる隊員さんの皆さんが安心して体を鍛え、災害に対する知識や経験を深めるための訓練施設として提案してはと考えます。また、消防隊員や警察官の災害訓練施設としても利用できると思います。
 県は、土地開発公社から緊急災害時の拠点地として借りているのですから、災害時のプレハブやトイレ、簡易ふろ等の緊急施設や資材、薬品の備蓄としても活用すれば、災害時、即座に対応でき、県民の期待にこたえることになると思います。
 きょうは、たまたま「産経新聞」で出ておりましたので、陸自、有事に備え着々と。知事、ごらんになったかもわかりませんけども、東南海・南海地震に備え、航空・衛生両部隊による実動訓練が行われたと。ここでもあるんですけども、中部方面隊では、現在、大量輸送を目的とした大型機を含むヘリコプター70機を所有しているそうです。どのような災害にも対応できる数であると広報は申されておりますが、権限のある自治体が平時から避難場所と自衛隊の展開場所とを割り振っておく必要があるが、なかなか実施されてないのが現状と、航空隊長の弁が出ております。
 こういうことからしましても、ひとつ検討してみてはどうかと思いますし、先ほど午前中、江上議員からもプレジャーボートの話もありました。こんなプレジャーボートなんかにもPFI事業は使えないのかどうか。そういうのも広く考えていただきたいなと思います。
 また、PFI事業は、県内のそれぞれの市町村において抱えているさまざまな諸問題の解決方法としても有効ではないかと考えます。地上デジタル放送が間もなく開始されようとしていますが、和歌山県のように地形的に難視聴の地域を多く抱え、かつ財政的に豊かでない自治体において情報通信格差の是正は悲願であると同時に、絶対解決しなくてはならない重要課題であります。また、新エネルギーの開発等にも適用されますので、風力発電の誘致等にも有効な手段であります。
 そこで、知事にお伺いをいたします。
 和歌山県ではまだPFIによる事業は行われていませんが、PFI事業の必要性や有効性についてどのようにお考えですか。
 企画部長にお伺いいたします。
 コスモパーク加太のような広大な土地を企業進出等だけで解決するにも、大変なインフラ整備に予算を費やさなくてはなりませんし、時間もかかると考えます。コスモパーク加太について今後PFI事業を活用できないか、可能性についてお聞かせください。
 また、PFI事業の市町村への普及について、勉強会や研究会等を通じて認識を深めていただきたいと考えますが、当局の対応をお聞かせください。
 教育長にお伺いをいたします。
 ことしは、全国で観測史上最高気温を記録した地域もあり、また熱中症で亡くなられた方も出たほど暑い夏でありました。当然、県庁も市町村役場も、その他公共施設において、ほとんどの施設にはクーラーを設置しています。今クーラーを設置していない場所を探すのは困難なほど普及していますが、県内の多くの小中学校にはクーラーがありません。
 そこで、教育長は各市町村の小中学校のクーラーの設置率の低さについて御存じでしょうか。学校施設のクーラー普及率が、同じ公共施設でありながら、なぜ極端に低いのか、御見解をお伺いいたします。
 私の住んでいる町の小中学校にもクーラーは設置されていません。そこで小中学校の教育環境の改善についてお尋ねいたしたいのですが、市町村の財政状況等の問題がありますので安易に推進を奨励するのも難しいのかもしれませんが、何かお考えがあればお聞かせください。
 当局にお聞きいたしますと、京都市では、ことしPFI事業でクーラーを設置する事業を始めたとお伺いいたしました。また、このたび四日市市は、市内小中学校の耐震補強を含む整備事業をPFI事業により採択し、東海地震に備えるとお聞きをいたしました。我が県も共通の課題に直面していますが、その対応策をお答えください。
 PFI事業は打ち出の小づちではありませんが、民間会社の協力と関係者の理解が得られるならば、あらゆる分野での有効な政治課題の解決の手段の1つと考えます。今後、当局の取り組みに大いに期待をいたします。
 最後に、去る8月28日から31日まで、県議会から、ベトナム社会主義共和国──以下、「ベトナム」と呼ばせていただきますが──ホーチミン市に、向井嘉久藏団長を筆頭に、平越孝哉議員、吉井和視議員、新島雄副議長、山田正彦議員、浅井修一郎議員、須川倍行議員と私とで訪問いたしました。
 主な目的は、地球温暖化が世界的課題となっている現在において、これから飛躍的に経済成長が予想される東南アジア、中でもドイモイ政策により発展著しいベトナムの工業実態と環境対策について調査するためであります。また、現在進出している日本企業の皆さんからも現地の状況等をお聞きし、将来、和歌山県からベトナムに進出したい企業があればそのお役に立ちたいとの思いから、情報収集を兼ねて調査することも目的に加えました。
 私たち一行は、28日午前9時、関西国際空港ロビーに集合し、ベトナム航空941便にて一路ホーチミン市を目指し飛び立ちました。ホーチミン市には約5時間半のフライトの後、現地時間2時30分に到着いたしました。
 ここで、訪問先のホーチミン市の概略を少し紹介させていただきたいと思います。
 気温は年平均28.1度、平均湿度78%で、雨期は5月から10月、乾期は11月から4月と分かれ、乾期の終わりが一番暑く、40度近くになります。
 人口は全国で約8300万人ですが、ホーチミン市は約760万人が住んでおり、何と平均年齢が25歳と大変若いのですが、1人当たりのGDPは1950ドル、約23万円であり、ちなみに公務員の給料が約1万円程度だそうで、日本の1960年初めのころと水準が同じだそうです。
 日系企業は623社進出しており、日本語を習っている人も市内で1万8000人おり、対日感情も大変友好的だと伺いました。
 行政機構は、中央政府の下に中央直属の市と省があり、直属市の中には、さらに市、県、区が置かれ、その下に町、村が配置されています。省の中にも直属市と市、県があり、その下に町、村が配置されています。
 工業は、ホーチミン市を中心とする南部地区は工業生産高が毎年平均17.25%増加し、全国の5割を占め、輸出額は2005年には259億ドルで、ベトナム総輸出額の8割を占めています。
 教育は、初等教育5年、基礎中等教育4年、中等普通教育3年の義務教育と4年制の大学から成り、識字率は94%と高く、大変勤勉な国民であります。
 日本からの経済協力は、私たちが到着した、完成したばかりのタンソンニャット国際空港のターミナルビル建設事業や、ホーチミン市水環境改善事業、サイゴン東西ハイウエー建設事業等のプロジェクトに支援しているとお伺いいたしました。
 ベトナム及びホーチミン市の紹介はこれぐらいにして、私たちは、早速、南北統一会堂を視察いたしました。
 御承知のとおり、ベトナムは1976年に統一され、ベトナム社会主義共和国となりましたが、この統一会堂は旧南ベトナムの大統領府であり、南北統一の調印をした部屋や会議室、ホーチミン氏の胸像が置かれている大応接室等、現地の方の説明を受けながら当時の複雑な国政情勢に思いをはせた次第であります。
 その後、ベンタン市場を視察しベトナム国民の暮らし向きや生活の一端を知りたいと考え、視察日程に入れておりましたが、残念ながら市場は午後5時までしか開かれておらず、あきらめてホテルへと向かいました。
 今回、ベトナム訪問は和歌山県議会にとって初めてのことであり、所期の目的達成に一抹の不安もございましたが、二階俊博代議士にお骨折りをいただき、外務省アジア大洋州局南部アジア部南東第一課、市原一宏外務事務官を御紹介いただき、現地日程等で何かとお世話になりました。おかげさまで、ベトナムでの訪問先について、私たちの目的に沿う有意義な視察を行うことができました。
 そして、到着翌日、目的の1つである日系進出企業を視察するため、ビエンホア第2工業団地に進出している富士通コンピュータ・プロダクツを訪問いたしました。現地社長の山下さんにお出迎えをいただき、会社説明の後、工場の視察を行いました。
 山下社長さんは和歌山大学の御出身で、和歌山県からの訪問に大変喜んでいただき、懇切丁寧に、ベトナムでの仕事の内容や工場の規模、生産工程や商品説明、また文化の違う国での苦労話等、熱心に御説明をいただきました。4万平方メートルにも及ぶ広大な工場でしたが、隅から隅まで全工程のそれぞれの部署を丁寧に御案内いただきました。
 午後は、ホーチミン市の人民評議会を表敬訪問し、ホーチミン市人民評議会の副議長、フイン・タイン・ラップ氏と意見交換をできる機会を得ました。彼は、評議会議員であると同時に第12期国会議員でもあり、私たちの訪問目的の地球環境問題についても大変憂慮されており、ベトナムにおいても今後環境問題が大きな政治課題の1つであることを指摘されていました。
 向井団長から、我が国が高度経済成長期に起こした公害問題がいかに人々を苦しめたかを訴え、環境が大切な国家的財産であると同時に、私たちの後世に地球環境を保全し引き継いでいかなければならないということを申し上げました。フイン・タイン・ラップ副議長も大変感銘を受けられ、ホーチミン市では15分野に環境保全のスタッフを配置し、ごみ、農業、交通、食品等について取り組んでおり、特に大きな課題はごみ処理問題であり、環境に配慮してバイオ発電に利用できないか等検討しているとの御説明がありました。
 また、居住区にある2000社以上の工場は、2020年までには法規制により原則郊外の工業団地に移転させ、住民の住環境の保全にも力を入れていくとも話しておられました。また、30年前からマングローブの森を4万ヘクタール植林し、その結果、いろいろな小動物も生息できるようになったそうです。
 また、環境問題とは異なりますが、将来労働力不足等予想される日本への労働者の派遣にも大変関心が高く、現在日本において不足している介護ヘルパーなどは緊急の課題でありますが、それぞれの国において良好な関係を構築し、協力し合い、両国の発展につなげることを誓い合い、訪問を終えました。
 そして、夕食時となりましたが、ここで思わぬ歓待を受けることになりました。ベトナム大使館ホーチミン領事館内で、水城幾雄総領事御夫妻の主催によります和歌山県議団とホーチミン日本商工会のそれぞれの分野の役員9名の皆さんとの懇親会を催していただき、ベトナムのすばらしいところや、まだまだ改善していかなくてはならないところなど、大変有意義な懇談会となりました。
 地方議会の私たちがこのような歓迎を受けることになったのは、もちろん二階俊博代議士のおかけでありますが、商工会の皆さんと楽しい充実した意見交換ができたことにより、ホーチミン視察が一層実り多いものになったと感激をした次第であります。
 最終日は、私の知人の紹介でFPTソフトウエア社を訪問いたしました。このFPTソフトウエア社は、1988年に創立され、1999年にソフトウエアアウトソーシングビジネスを開始し、アメリカIBMや日立グループ、日産自動車、野村総合研究所、パナソニック、三洋グループ、セイコーエプソン、新日鉄ソリューションズほか多数の日本を代表する企業のソフト開発や保守、品質保証テスト、マイグレーションサービス、組み込みシステム開発等、ソフトウエアサービスを提供しています。もちろん、日本にもPFTソフトウエア・ジャパン有限会社を設け、大阪にも事務所を開設しています。社員が約1800名、年商のうち51%が日本市場であります。
 社員の方も日本語が流暢で、細かい打ち合わせはテレビ通信で行い、距離感を感じさせません。何よりも、インドの2分の1、中国の3分の1、日本の10分の1のコストでソフトのシステム開発や管理・保守点検を行い、企業秘密に関するセキュリティーも万全であると申されていました。和歌山県の企業でソフト開発を計画中の方や関心のある方にぜひ御紹介したいと思いながら社内見学をさせていただきました。
 午後は、さきのベトナム戦争において貴重な資料を保管している戦争証跡博物館を視察訪問いたしました。玄関の門をくぐると、中庭に当時の戦車や戦闘機が展示されていました。館内に入ると、皆さんもよく御承知の、枯葉剤を散布したことによる悲惨な戦争のつめ跡が生々しく展示されていました。改めて戦争の悲惨さや人民の苦しみを考えるとき、不戦の誓いを心に刻んだ次第であります。
 その後、ベトナムの国民の生活や文化に触れるため市街地見学を行い、夜11時35分発の航空便で帰国いたしました。
 このたびのホーチミン視察で感じたことは、市街地はまだまだ煩雑としていますが、若者の生き生きとしたエネルギーを感じました。環境についても、おくれているインフラ整備や住民意識の向上に日本がODA等を通じて協力することが大切であると思いました。
 以上で、第1問とベトナム視察の報告を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(新島 雄君) ただいまの花田健吉君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、過疎地域の認識と今後の対応、それから政策あるいは施策の提言という点でございます。
 とりわけ和歌山県の過疎地域は、半島部にあって国土軸から乖離しているということや、古くからの基幹産業であった林業の不振などにより高齢化が一層進み、いわゆる限界集落が出現してくるなど、議員お話しのとおり大変厳しい状況にあると考えております。
 選挙のとき、それにもかかわらずたくさんの方が出迎えてくださって、県政について期待を寄せられ、あるいは愛情を持って接してくれた、そういう方々も、実はこういうところに住んでおられる人であったなあというふうに考えております。そういう方々がおっしゃった「もうあんた、悪いことをせんといてよ」という言葉とか、あるいは「子供や孫が働く場所をつくってや」というようなことは、実は私の県知事としての仕事の原点になっております。
 第2に政策でありますけれども、本県では、これまでも道路網等交通通信体制など生活基盤の整備や、あるいは農林水産業を初めとする産業振興、とりわけ最近では林業の再興のためにさまざまな手をとらしていただいております。また、都市との交流などにより地域を元気づける新ふるさと事業の振興などを一生懸命やっておりまして、いろいろな過疎地域対策に取り組んでまいりました。
 これらとともに、あるいはこれらを受けて、恵まれた自然環境など豊かな地域資源を生かし、例えば北山村のジャバラとか観光いかだなどの村おこしの取り組みが各地で展開されているところであります。また、地域の住民あるいは自治体の努力もありまして、例えば日高川町など一部の地域で、Iターンの人々を温かく迎えて新しいコミュニティーをつくっていこうというような試みもなされているところであります。
 今後とも、県庁を挙げてこのような対策に取り組んでいきたいと思っております。
 次に、地方から国に向けた施策提言につきましてでございますが、地域の課題を把握していただく手段としてこの重要性は語り尽くせないもんだというふうに思っております。人口減少・高齢化社会に突入した我が国が今後とも真に豊かな社会としてあり続けるためには、都市だけではなくて、都市と地方が相互に補完・共生する関係を構築する必要がございます。本県でも、全国知事会、あるいは私が会長をしております半島地域振興対策協議会──この間ありましたけれども──などを通じて、中山間・過疎地域に対する支援策を提言してまいりたいと思っております。
 そのうちの1つのターゲットが道路であります。国において道路整備の中期計画の作成が年内に予定されておりまして、真に必要な道路以外は一般財源に道路特会を回すことあるべしということになっております。そういうところで大いに危機感を持ちまして、本県では道路懇談会を設け、我々の計画をローカルにつくるだけではなくて、本来道路はどうあるべきか、日本国民が生きていくためにはどうしたらいいんだというようなことを議論していただいて、和歌山県から国政への発信をしているところであります。
 また、医師確保に対する国のこれまでの政策にチャレンジいたしまして、当県に破格の好意的な決定をしていただいたということもございます。
 議員御指摘のとおり、今が国政に対する有効な提言を行える時期というふうに認識しているところでありまして、今後とも関係者の意見に十分耳を傾けながら県民の意見を吸い上げて、過疎地域の問題を初めとする地方の課題について、国の、例えば税制の検討とか、あるいはいろんな施策の形成とか、そういうことも十分踏まえて施策提言を行ってまいりたいと考えております。
 次に、PFI事業でございます。
 PFIについては、民間事業者のノウハウを活用して、行政の負担軽減や質の高い公共サービスの提供などが期待できることから、本県においても大変有効な手法と考えております。
 本県におきましては、現行の行財政改革推進プランにおいて、今後計画される大規模な公共施設等の整備についてPFI手法を検討すると既に位置づけておりまして、県の財政状況が今後一層厳しくなることも予想される中で、建設や改修が必要となる施設等のうちPFIによる利点が発揮できる案件については積極的にPFI手法の検討をしてまいりたいと考えております。
 先ほど、和歌山県ではまだ実績がないというお話がありました。私は、PFIについては、将来の収入が見込まれる、それから将来の公共施設が確実に見込まれる案件であって、公共団体、地方公共団体等々が、手元は現在不如意であるというようなときに有効であるとともに、民間の経営ノウハウが生かせるという場合には大変有効だと思っております。
 では、どうして進まないのかということでございますけども、1つの要因としては、将来の支出というのを公共団体が確実に保障できないというような財政状況にあるということが1つと、それからもう1つは、現在既につくられたものが結構たくさんあって、それは指定管理者制度などを使ってとりあえず賄ってしまっておるというか、そういうこともあるなというふうに思っております。
 ただ、余り従来あるような大物だけをPFIでやるというふうに画一的に考えることじゃなくて、民間のノウハウなどを生かせるものについては、できるだけこれを探し出して、それで必要に応じて民間の知恵をかり、つまり提案をしてもらいながらやっていくということは大変有意義なことであると思っておりますので、引き続きその可能性を県としては探っていきたいというふうに思っております。
○副議長(新島 雄君) 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 農業政策に関連をいたしまして、遊休農地の有効活用と一元的情報発信についてお答えをいたしたいと思います。
 まず、第1点目の農地情報を貸し手、借り手双方に確実に届けるシステム構築についてでございますが、これまでは市町村の農業委員会や県の農業会議での農地情報をもとにいたしまして農地の流動化策を進めてまいりましたが、高齢化の進展とか担い手の減少の中で遊休農地が現在増加をいたしておりまして、その中で、お話しのように新たな仕組みづくりというのが必要になってきているというふうに思ってございます。
 このため、1つには、傾斜地が多く、農地の貸借が非常に進みにくい条件にある果樹園に適した流動化方法といたしまして、農協の選果場等を単位とする新たな組織が仕組めないか、そういうことについて現在検討を行ってございます。また、農業公社からJA紀南管内に地域のコーディネーター役として派遣をいたしてございます地方駐在員がございますが、こういった制度といいますか、これを県下各地に拡大をいたしまして流動化を一層推進してまいりたいというふうに考えてございます。
 県内外への情報の発信についてでございますが、現在、国におきまして農地政策改革に向けた論議がなされてございます。この中で、農地情報を一元化するための新たな機関として、県段階で農地情報センター──仮称でございますが──の設置について検討がされているというふうに聞いてございます。
 今後、個人情報等に配慮しながら農地関連情報の収集を図りまして、利用者が活用しやすい仕組みづくりについて努めてまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、2点目の顕在化する遊休農地等への対応についてでございますが、現在の農振農用地区域内における遊休農地につきましては、全国平均の3.5%を上回る4.5%のような実態でございまして、面積的に申し上げますと1443ヘクタールというふうになってございます。
 これまで、県におきましては、集落協定に基づきました中山間地域等直接支払制度などの国庫事業等の活用を初めといたしまして、遊休農地を解消し、農業生産を行う農業者等への県単独支援など、その発生防止に努めてきたところでございます。
 農地につきましては、農業生産の基盤であると同時に国土・環境保全等を図る上で重要な資源であるということでございますので、現在、国において、先ほど申し上げましたように、農地政策改革ということの中で5年後を目途にその解消を図るということでその支援策も検討されているというふうに聞いてございます。
 県といたしましては、こうした国の動き等も十分注視をいたしまして、今後予想されます都市住民の田舎暮らしとか、あるいは就農希望、また企業等による農業参入など多様なニーズがございますけれども、これらに対応いたしまして遊休農地等を含めた農地の活用に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○副議長(新島 雄君) 企画部長森 崇君。
  〔森 崇君、登壇〕
○企画部長(森 崇君) PFI事業の活用についてお答えいたします。
 まず、コスモパーク加太へのPFI事業活用の可能性についてでございます。
 コスモパーク加太につきましては、調停に代わる決定に基づき、県土地開発公社所有地の一部108.8ヘクタールを県が賃借し、地域経済活性化につながる企業誘致を進めるとともに、危機管理局と防災対策用地としての活用について検討をしているところでございます。
 現在、カゴメの子会社であります加太菜園が操業しており、商工観光労働部と連携しながら新たな企業の誘致活動を行っているところでございます。そうした中、PFI事業につきましても、地域と共生し、地域の活性化につながるものについて活用を検討してまいりたいと考えております。
 それから、市町村への普及についてでございます。
 議員御指摘のとおり、本県では、市町村を含めてPFIの活用事例はございません。しかし、PFIの手法が適する事業には積極的な活用を図ってまいりたいと考えております。
 県では、昨年、日本PFI協会から講師をお招きして、市町村や民間の方々を対象にセミナーを実施いたしましたところ、多くの方々に参加していただきました。また、市町村に対しては、国や他府県の動向、国等における研修案内など、常に情報提供を行っているところでございます。
 今後とも情報収集に努め、PFIが有効活用されるよう情報提供などを行ってまいりたいと考えております。
○副議長(新島 雄君) 教育長山口裕市君。
  〔山口裕市君、登壇〕
○教育長(山口裕市君) 小中学校の教育環境の改善についてお答えいたします。
 県内小中学校における普通教室の冷房設備の設置率が2.9%と低いことにつきましては、空調設備に係る国の補助制度が平成15年度から始まったところでございまして、市町村の財源が非常に厳しい状況の中、耐震改修を優先させていることなどが原因になっているかというふうに考えられます。
 そうしたことから、議員御指摘のPFIの活用につきましては、今後、他府県の状況等の調査を行い、設置者である市町村において適切に判断していただけるよう情報提供等を行ってまいりたいと考えています。
 以上でございます。
○副議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(新島 雄君) 再質問を許します。
 11番花田健吉君。
○花田健吉君 知事並びに当局の皆さん、大変懇切丁寧に御答弁をいただきましてありがとうございました。
 私は、6月議会にも知事に御答弁を願いましたが、地方の言い分を発信していただきたいと強く要望いたしました。
 ふるさと納税や法人2税の是正などの矛盾や目的税である道路特定財源を一般財源に組み入れる議論などは、都市の一方的な理論の上に立ってると思っています。なぜなら、ふるさと納税のときは、税の居住者の応益負担を東京都知事などがテレビに出て口角泡を飛ばして、目をつり上げて主張していましたが、事、揮発油税になると一般財源化には反対をいたしません。
 そもそも公共交通機関の整備された都市で個人でガソリンを消費している比重は、自家用車がないと生活できない我々のような地方の者にとって比重が重いということは当然のことであります。ちなみに、ガソリンが今1リッター140円台に高騰していますが、このうち税金は48.6円含まれています。
 都市住民は、電車や地下鉄やバス等で通勤、通学、買い物等利用できますが、地方ではできません。都市と地方の賃金格差が言われる中、家庭の財布に大きな打撃を与えております。その揮発油税などで集めた貴重な道路特定財源が、6000億円財源に余裕があるというので一般財源に組み入れるということですが、揮発油税を納め続けて、やっと自分たちの地域に、順番待ちしていた地方にとって、高速道路の紀伊半島一周を悲願としている我が県にとっても理解しがたい議論であります。議会としても意見書を何度も政府に送りました。
 知事には、和歌山県の代表者であると同時に、全国の地方の代弁者として地方の主張をしていただきたいと強く望むものであります。宮崎県知事のようなマスコミを使った一過性のパフォーマンス政治は我が県には必要ありません。まさしく地に根を張り、しぶとく、したたかに、知事が品格の備わった方であるとは御承知しておりますが、あるときは怒りをあらわにしてでも政策を主張して闘っていただきたいと思います。
 私は御信頼申し上げておりますが、知事も30年以上東京を中心に活躍され、和歌山においても中核都市和歌山市にお住まいでありますので、本当に地方の悲哀がおわかりなのかと、ちまたの声もたまにお聞きをいたします。どうか全国の地方知事の先頭に立って、地方の生活を、暮らしを守るため御尽力をいただきますことを心からお願いを申し上げまして、要望とさせていただきます。
 以上です。終わります。
○副議長(新島 雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で花田健吉君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時32分散会

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