平成19年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(角田秀樹議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 27番角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○角田秀樹君 おはようございます。
 改選後初めての質問でございます。しっかりと一般質問をさしていただき、県民、県政のために頑張ってまいる決意でございますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
 まず初めに、去る7月の16日に発生いたしました新潟県沖地震により亡くなられた方々とその御遺族に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、被災されました皆様に心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。
 また、新潟県は3年前の2004年10月23日にも中越大震災が発生し、いまだ仮設住宅での生活を余儀なくされております。
 昨日、18日付なんですが、新潟県中越沖地震に対しまして総務省は復興基金設立へ財政支援を決定したと、こういう記事が載っておりました。復興資金総額で1200億円、財政支援を行うということを決め、基金設立に必要な地方債発行に同意を与えるほか、利子支払い額に対する地方交付税措置をも行うと。当面5年間で、生活支援相談員の配置や住宅再建などに対する利子補給とか雇用対策など行うものであり、事業規模は約90億円程度であるということが発表されておりました。一日も早い復興を願ってやみません。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさしていただきます。
 まず初めに、紀の川大堰建設に関係してお伺いをいたします。
 当初より紀の川大堰建設の目的は、既存の新六箇井堰を改築し、治水、利水、環境の諸目的を達成させることで事業が始まったわけでございます。この新六箇井堰は、昭和32年に農業用水の取水を目的として農林水産省によって建設された固定堰であります。しかしながら、河道断面は計画河道断面の約6割程度であり、洪水疎通の阻害と内水被害が頻発したのでありました。昭和57年8月には台風10号により直川地域を中心として内水被害が発生をいたしました。
 一方、近年は渇水も頻発しており、特に平成2年、6年、7年と相次いで発生し、平成に入ってからも6回も取水制限を行っております。
 私が当時市会議員であった平成7年8月26日の渇水時は、特に強く自分自身も印象に残っております。市内のすべてのプールの使用停止、車の洗車はもちろん、いろんな制限等々、また当時の海南市域では家庭への断水もあり深刻な状況となり、市民生活や社会経済活動にも甚大な影響を与えたのでありました。
 今日まで紀の川の水は、流域の都市用水、農業用水等として広く利用されてきました。私たちが住む和歌山市においても、上水道、工業用水や農業用水として重要な水源となっています。今後も将来にわたって、洪水時の安全な流下、また既得用水の安定取水の確保、そして維持流量の補給と河川環境の保全の向上が求められております。
 以上のことからお伺いをいたします。
 1点目は直川地区等における内水対策について、2点目はJR阪和線六十谷鉄橋のつけかえ工事に伴う県道小豆島船所線の踏切部分のつけかえについて、以上2点について知事並びに県土整備部長にお伺いをいたしたいと思います。
 また、要望として1点だけ申し述べさしていただきます。
 この紀の川大堰建設計画には、当初、紀の川は干ばつ、洪水の差が激しく、河況係数は突出しております。和歌山市の使用水量は日量117万トンで、現在は103万トンではありますが、渇水時における上流ダム群開放から和歌山市への水到着時間48時間を勘案すれば、3日分を貯留することが和歌山市民の生命線であります。当初計画どおり、新六箇井堰の完全撤去と河道掘削によって、紀の川大堰の総貯水量510万トン、有効貯水量380万トンが確保されることで可能となります。
 したがいまして、知事並びに関係当局におかれましては、所期の目的達成のため、今後も強く国土交通省に新六箇井堰の完全撤去への働きかけを強く要望いたします。
 さて、次に防災に関してお伺いをいたします。
 冒頭申し上げましたが、新潟県は短い期間で2度の地震災害をこうむり、さきの2004年に発生した災害の復興に向け、2005年3月に中越大震災復興ビジョンを取りまとめ、10年後の2014年までに年次計画で完全復興しようというスタートを切ったところでありました。現在、全国からの支援もあり、県民が力を合わせ復興に取りかかっているとお聞きしております。
 ここ近年、皆様方の記憶にも新しいところでは、1995年の阪神・淡路大震災、2003年の北海道十勝沖地震、2004年の新潟中越地震、2005年の宮城県沖地震、同年には福岡県西方沖地震が発生しております。
 我が本県においても、来る災害に対し、災害対策基本法第40条の規定に基づき、和歌山県防災会議が作成した和歌山県地域防災計画が策定されております。県域における災害に対処し、県民の生命、身体及び財産を保護するため、県、市町村、指定地方行政機関、指定公共機関、また指定地方公共機関等々と連携をとるために策定されております。現在は災害に強いまちづくり、また地域の防災力を高め、減災についてもるる検討、実施されているところであります。
 さて、9月11日、かねてより私どもも待望久しかった防災センターが竣工いたしました。早速、私ども県議団として14日に、御多忙の中、防災職員の御案内によりまして視察をさしていただきました。2階に対策本部がございまして、約80名が一堂に協議・討議できるスペース、また関係各地からの状況がすべて集約されるネットワークシステム等の説明をお聞きいたしたところでございます。さらに、屋上にはヘリポートが設置され、夜間でも発着できる体制が敷かれておりました。万全な体制に大いに期待を寄せるものであります。
 特に地震災害に関しては、皆様御承知のとおり、我が本県は約90年から150年周期で繰り返し発生している海溝型大地震により大きな被害を受けて今日まで至っております。
 現在、昭和の東南海・南海地震が起こってから60年余りが経過し、今後30年以内に東南海地震が60から70%、南海地震が50%の確率で発生が見込まれており、今世紀前半に発生する可能性が極めて高いと言われております。
 また、県が16年、17年度に実施した地震被害想定調査によりますと、東海・東南海・南海地震が同時に発生した場合、県内の被害想定は、死者5000人、うち津波による死者は最大で2100人、また家屋の全壊・焼失は約10万棟に達する見込みとなっています。
 今、喫緊の課題として自助、共助、公助のもと、県民1人1人がどう災害に立ち向かっていくかという意識革命が求められていると思います。
 以上のことから、既に実施されております県内の一般家庭の耐震診断と耐震改修の進捗状況について、県土整備部長にお伺いをいたします。
 また、住宅改修に関連して、県独自の事業として平成13年度より実施しております森を育む紀州材の家づくり支援事業というのがございますが、これまでの実績と今後の推進について、農林水産部長にお伺いをいたします。
 引き続き、津波対策についてお伺いをいたします。
 県は、本年6月に、東海・東南海・南海地震が同時に発生した場合、津波が到着するまでに指定避難場所に逃げるのが困難である地域を8市町、33カ所あると公表いたしました。この地域は、有識者らでつくる「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム検討委員会」で検討されたものであります。
 しかし、我が和歌山県の沿岸地域のほとんどの場所において避難困難な箇所も多々あると言われております。
 一例を挙げさしていただき質問をさしていただきますが、先月、指定地域外であります白浜町の中区に地元自治会の要請で現地調査に行き、区長とともに現場を調査いたしました。
 この自治区は、ことしの5月現在で314世帯、685名、そのうち65歳以上の方は276名住んでおられます。また、すぐ近くに海岸があり、防災に対し意識も大変強く、早くから自主防災組織を設立して定期的に総合防災訓練を実施しております。
 訓練内容は、避難訓練や図上訓練、そしてヘリによる救助訓練、伝言ダイヤルの使用法、非常通信訓練、消火訓練等々を多くの住民参加のもとで真剣に行われております。当地区は、県の浸水予測において、津波到達時間が17分で大部分が浸水しない地域となっているとお聞きしておりますが、実際にこの地区を視察いたしましたが、居住区が海岸に平行し横長なため、河口付近の住民は、初期避難場所である3カ所、南白浜小学校、西山、一徳地蔵まで約30分という相当な時間を要する上、高齢者もあり、非常に心配をされております。
 そこで、地元区民は白浜町に対し、こういった状況にかんがみ、本年2月に455名の署名簿をつけ、避難困難者救済のための避難タワー設置要望を提出いたしました。一方、県は想定を超える規模の津波が発生する可能性もあり、避難困難地域の範囲が拡大する場合もあるとしております。
 以上のことから、津波避難困難地域指定の方法と県内33カ所以外での対応について危機管理監にお伺いをいたします。
 次に、視覚障害者施策についてお伺いをいたします。
 現在、全国に視覚障害者の方は約30万人以上おられるとお聞きしております。主な原因は、糖尿病が多く、また緑内障、さらには交通事故、労働災害などの事故の場合もあります。近年、中途失明者の増加により、点字利用する視覚障害者は全体の約10%であり、活字文書への情報アクセスが非常に困難な状況であります。特にプライバシー情報、生活情報の入手については、自立した生活と社会参加を行うために欠かせない情報源であります。
 こういった実情を勘案し、厚生労働省は平成18年度補正予算に、障害者自立支援対策臨時特例交付金制度の中に視覚障害者等情報支援緊急基盤整備事業を組み入れました。趣旨は、公共機関の窓口で適切な対応ができるよう、情報機器の整備を行うための事業であります。
 この事業の役割は、役所の窓口や病院の受付、図書館のカウンターやホール、劇場の受付等で視覚障害者等に的確な情報伝達ができるよう点字プリンターや読書機、活字文章読み上げ装置──仮に、これ、SPコードを専用の機器に当てるだけで音声で内容を照会できるものであるということで(資料を示す)、これがテルミーと言われているものですね。SPコードというのは、こういう小さい、この枠の中に約800字が入っておりまして、これが独立行政法人国民センターが「くらしの豆知識」ということで、目の悪い方用にこういうふうに一つ一つ、1ページごとにこういうふうな黒いマーク、SPコードというんですが、こういったものをつけております──通信装置等を配備するための予算であります。
 元来、公共機関は、障害者を含め、すべての住民を対象にしています。その中で、障害者の方への、情報の受け取り手段が健常者とは異なるため、それぞれに適した方法で補う必要があったわけであります。
 今日まで人的サービスで補うのが最も優しい対応と言えますが、常時常駐の体制を維持することに無理があったと思われます。しかし、科学技術の進歩により、活字文章を読み上げる音声読書機、点字プリンターシステムなど、今では情報のかなりの部分を補うことのできるすぐれた情報機器が存在しています。自治体における障害者に対する情報バリアフリーを一層促進すべきであると考えます。
 以上のことから、3点お伺いしたいと思います。
 1点目は、県内の視覚障害者の点字を活用されている割合について。
 2点目は、昨年度の補正予算以後の視覚障害者に対する県の取り組みについて。
 3点目は、音声読書機導入に対する県内市町村への啓発はどう取り組んだのか。
 以上、福祉保健部長にお伺いをいたします。
 次に、腎不全等で人工透析をされている方への支援策についてお伺いをいたします。
 2005年12月末の我が国の慢性透析療法の現況報告によりますと、慢性透析患者数は全国で約25万7000人となり、年間増加数は約1万人となっています。このうち10年以上の透析歴者は24.8%と約4分の1に達し、最長透析歴者は38年間続けていると言われております。一方、本県でも透析を受ける方が年間約100人の増加傾向にあり、昨年の時点で約2700人の患者数となっています。
 近年、高齢化と糖尿病性腎症から透析導入者の割合が高くなってきていると言われております。そのような状況の中、本県では医療費の面で身体障害者児への医療費助成事業により、患者負担の軽減が図られてきました。しかし、患者の多くは、就業面において週3回の透析が重くのしかかり、職域の制限を余儀なくされているのが現状であります。また、週3回の透析は必然的なものであり、一生この生活リズムは、現代の医学では、普遍であると思われます。
 臓器移植の分野も少しは進んできてはおりますが、提供者があって初めて施される医術であり、まだまだ課題もあると言われております。
 以前移植手術をされた和歌山市内の鳴滝地区にお住まいのある男性の方とお会いする機会があり、お話をお聞きしました。術後約3年でふぐあいが生じ、現在はまた透析を行っていると、まあ元気そうなお顔で言っておられました。
 こういった患者さんのためにも、今後も日常の透析治療の安全と質的な向上、腎不全の根治療法である腎臓移植を初めとする臓器移植医療体制と普及啓発の強化、また、これ以上透析患者をふやさないための糖尿病対策を含めた施策が求められております。
 以上のことからお伺いをいたします。
 1点目は、新規65歳以上の透析患者に対する医療費助成制度の拡充について。
 2点目は、障害者の就労面において県主導で支援策をとるべきであると考えるが、いかがでしょうか。
 3点目は、臓器提供意思表示カードの普及啓発に県としてどのような取り組みをなされるのか。
 以上3点につきまして、福祉保健部長にお伺いをいたします。
 最後に、緑の雇用事業についてお伺いをいたします。
 前知事が鳴り物入りで取り組み、和歌山発として全国に波及を起こした緑の雇用対策事業がございます。平成14年の補正予算において緑の雇用担い手育成対策事業がスタートいたしました。また、平成18年度より研修内容を充実させた新たな緑の雇用担い手事業を実施しております。森林の中で働く意欲を持った方を支援する事業であります。対象地域等は、緊急雇用対策に積極的に取り組んでいる地域のうち全国80カ所程度で実施することとし、都道府県有林や市町村有林のほか、協定等に基づいて地方公共団体が公的に管理することが担保されている私有林についても研修フィールドとすることができます。
 また、都会など他地域からのU・Iターン者を優先しながら、緊急雇用対策により新たな森林整備の担い手として地域に定着して本格就業する意思を有する者を対象として緑の雇用担い手リストを作成し、この中から都道府県からの推薦により本事業を受託する認定林業事業体による選考会において研修生として初めて採用をされているのが現状であります。
 先ごろ、他府県より来られた、そこで従事されている方より御相談がありました。実は、和歌山県内の各地域によって森林組合の対応の違いに対して疑問を抱いているということであります。こういった疑問に対して、これまで採用された方々の定着人数と、また定着率についてお伺いをいたします。
 また、諸待遇の格差が要因となって問題が発生しているとも考えられるところから、森林組合に対する県の指導、また監督についてどのように行っているのか農林水産部長にお伺いいたしまして、第1問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(中村裕一君) ただいまの角田秀樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 紀の川大堰の建設関係、とりわけ直川地区等における内水対策についてお答え申し上げます。
 紀の川大堰事業につきましては、昨年、特定多目的ダム法に基づきまして基本計画が変更されて、その結果、直川地区等の内水被害軽減の効果が減少する見通しとなりました。別の言葉で言うと、当初想定していたよりももう少し洪水時に被害が大きくなるということがわかりました。
 これでは困るということでありまして、当初計画に見込まれていた内水対策と同等の被害軽減がぜひ実現されるようにしてもらわないと困るということをことしの初めから国土交通省に対して申しておりまして、国においても内水対策を講じることを国と県との間で確認をいたしておるところであります。すなわち、紀の川大堰の効果に加えて、プラスアルファで直川の内水対策を行うことによってこの効果を当初の想定どおりにしようということであります。
 また、当該地区には、和歌山北インターチェンジの設置がことし決定したところでありますし、和歌山市の企業用地が整備されるようにも聞いております。したがって、今後の重要な開発拠点と考えております。
 今後ともこういうことがきちんとできますように、国、県、それから和歌山市で緊密に連携しながら内水対策に取り組んでまいりたいと思っております。
○議長(中村裕一君) 県土整備部長茅野牧夫君。
  〔茅野牧夫君、登壇〕
○県土整備部長(茅野牧夫君) まず、先生お尋ねの紀の川大堰の建設関係、直川地区等における内水対策について具体的に御説明いたします。
 直川地区における内水対策につきましては、国、県、市、地元自治会で構成いたします紀の川大堰に係る内水対策協議会で検討を進め、去る8月末に開催されました第7回目の協議会において具体的な対策内容が合意されたところでございます。
 その内容は、高川河口への排水ポンプの設置、それから鴨居排水樋門の改築等については国で実施し、七瀬川改修については県で実施するということにしております。
 今後、紀の川大堰事業の完成までに必要な対策が実施されるように国に対して働きかけていきますとともに、七瀬川改修については、用地買収など、地元の協力を得ながら進めてまいります。御理解をいただきたいと思います。
 それから、もう1つ、紀の川大堰事業に伴います県道小豆島船所線のつけかえ工事につきましては、河川管理者でございます国土交通省と道路管理者でございます和歌山県とで費用負担を行いまして、JR紀の川踏切区間のアンダー化に取り組んでおるところでございます。今年度より工事着手し、紀の川大堰の完成にあわせて供用を図ってまいる予定でございます。
 それから、防災に関しまして、先生から県内一般家屋の耐震診断、耐震改修の進捗についての御質問いただきましたが、この問題は極めて重要な問題であると認識しております。その上でお答えいたしますが、県では平成18年度に住宅・建築物耐震化促進計画を策定し、耐震化率の向上に取り組んでいるところでございます。平成17年時点で県下の住宅38万戸のうち、昭和56年5月以前に建設されました耐震化が必要な住宅戸数は約12万7000戸ございまして、自己資金での建てかえや耐震改修なども含めまして、平成27年度末での耐震化率85%を目指しておるところでございます。
 県が補助事業を開始した平成16年度から18年度末までの進捗状況は、耐震診断をいたしましたのが5287戸、耐震改修いたしましたのが123戸となっております。
 耐震化の促進のために、県では平成18年度から、倒壊いたしましても生存空間を確保できる程度の簡易補強にも補助を可能といたしました。また、平成19年度には、耐震改修工事に対します県民の不安解消と悪徳リフォーム業者対策のために、耐震補強工事や工事費が適切かどうかなどを無料で審査する制度をつくったところでございます。
 今後も、耐震改修促進のために、工務店向けの研修会や一般県民への啓発活動にもより一層積極的に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 農林水産部長下林茂文君。
  〔下林茂文君、登壇〕
○農林水産部長(下林茂文君) 防災に関連をいたしまして、「森を育む紀州材の家づくり支援事業」のこれまでの実績と今後の推進ということでございますが、本事業につきましては、平成13年度にスタートいたしまして、これまで1592件の応募に対しまして946件を採択いたしてございます。その間、2億1200万円を補助いたしますとともに、紀州材として1万5000立米が使用されたところでございます。
 紀州材につきましては、すぐれた強度性能があると言われてございまして、防災面において住宅資材として積極的に活用されるよう、今後ともより効果的な事業の推進に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、緑の雇用事業に関連をいたしまして、森林組合に対する県の指導監督はどうかということでございますが、緑の雇用事業に関しましては、これまで県外から本県に就業された方は436名でございまして、このうち現在も県内で就業されている方が252名ということでございまして、定着率は58%となってございます。
 また、就業者に対する森林組合の雇用についてでございますが、基本的に雇用計画に基づいて行われているということでございますけども、議員お話しのように、組合によりましては経営状態が異なるということ、また地域間による賃金の若干の格差等もございます。
 県といたしましては、よりよい就業環境となりますよう、就業条件の改善等も含めまして森林組合の経営体質の強化に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 危機管理監杉本雅嗣君。
  〔杉本雅嗣君、登壇〕
○危機管理監(杉本雅嗣君) 防災に関係いたしまして、津波避難困難地域指定の方法と県内33カ所以外での対応についての御質問にお答えいたします。
 津波避難困難地域につきましては、現在の状況で津波到達までに安全な場所への避難が困難な地域と定義いたしまして、一定の条件のもとで各沿岸の市や町において抽出、決定されたものでございます。県では、8つの市や町、合わせて33地区の避難困難地域を取りまとめまして、本年6月に公表したところでございます。
 現在、関係の市や町と連携をいたしながら「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム検討委員会」において、それぞれの避難困難地域を解消するための方策を検討しているところでございます。
 また、県内33カ所以外の地域、いわゆる津波避難困難地域以外の地域につきましても、今回設定した以外のさまざまな条件を勘案の上で沿岸の市や町が津波避難タワーを必要とする場合においては、それらの市や町と十分協議をしてまいります。
○議長(中村裕一君) 福祉保健部長井畑文男君。
  〔井畑文男君、登壇〕
○福祉保健部長(井畑文男君) 視覚障害者への施策についての3点の御質問について、一括してお答え申し上げます。
 視覚障害者のうち点字を活用されている割合につきましては、都道府県ごとの数値は発表されてございませんが、平成13年度の国の実態調査によりますと、国全体で10.6%となってございます。
 昨年12月に、障害者自立支援法の特別対策として、障害者自立支援対策臨時特例基金事業の中で、音声読書機を初めとして視覚障害者や聴覚障害者の皆さんに対する情報支援機器を自治体や公的機関の窓口に設置するための事業が補助対象となってございます。
 この事業については、県内市町村に対して、平成18年12月末での市町村説明会及び本年4月に開催いたしました障害福祉担当課長会議において、事業内容の説明とあわせ、積極的な取り組みを行うよう周知徹底を図ってございます。
 また、県におきましても、県庁舎のみならず公共施設全般について、どこにどのような機械を置くべきかということについて、関係者の皆さんの御意見を参考にしながら、また市町村の計画とも整合性をとりながら計画を立てて実施に当たってまいりたいと考えてございます。
 次に、人工透析患者に対する支援についてでございます。
 まず、新規65歳以上の透析患者に対する医療費助成制度の拡充についてでございますが、人工透析に係る医療費については、高額療養費制度や自立支援医療制度により、自己負担額が所得や市町村民税額に応じて月額2万円を限度として段階的に軽減されてございます。また県では、県単独の重度心身障害児(者)医療費助成制度として、65歳までに重度障害になられた方に対して医療費の自己負担額を助成しているところでございます。
 県といたしましては、65歳以上で新たに人工透析患者を含めて重度障害になられた方の医療費助成については、県の厳しい財政状況の中で、重度障害のある方々が安心して医療を受けられるためには現行の重度心身障害児(者)医療費助成制度の持続が何よりも肝要であると考えており、他の県単独医療制度全体の中で総合的に検討していく必要があるものと考えてございます。
 次に、障害者の就労面における取り組みについてですが、障害者の就業意欲が高まる中、改正障害者雇用促進法及び障害者自立支援法が施行され、障害の種別にかかわらず、障害者の雇用機会の確保が求められているところであります。このため、福祉施策と雇用施策との連携を強化し、現在、県内に4カ所の障害者就業・生活支援センターと1カ所の障害者就業・生活サポートセンターを設置し、職業面と生活面における一体的な支援を県内どの地域においても受けられるよう整備してございます。この支援センターを核といたしまして、福祉施設や公共職業安定所、障害者職業センター等とのネットワークを構築して、効果的な就労支援を行ってまいりたいと考えてございます。
 また、県民や企業等に対し、障害者雇用に対する理解を一層深めていただくよう、9月の障害者雇用支援月間を初め、さまざまな機会を通じて啓発等の取り組みを行っているところでございます。
 最後に、臓器提供意思表示カードの普及啓発についてでございますが、平成18年11月の内閣府臓器移植に関する世論調査によりますと、臓器提供意思表示カードを持っている方は約8%であり、また、そのカードに臓器提供する意思を記入されている方は、そのうちの57.4%でございます。
 県といたしましては、毎年10月の臓器移植普及推進月間を中心に「県民の友」での広報、県内各地で街頭啓発を行い、意思表示カードの所持と意思の記入について普及啓発に努めているところでございます。また、臓器移植に対する理解を深めるため、学校や企業に臓器移植コーディネーター等を派遣いたしまして啓発講座を開催することといたしてございます。
 今後とも、あらゆる機会を通じて臓器提供意思表示カードの普及啓発に努めてまいります。
 以上でございます。
○議長(中村裕一君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村裕一君) 再質問を許します。
 27番角田秀樹君。
○角田秀樹君 知事並びに関係部長より御答弁をいただきまして、まことにありがとうございました。
 2問につきましては要望とさせていただきますが、一番初めの紀の川大堰建設の関係、これはやはり当初計画どおり、今後とも国のほうへ強き働きかけを重ねてお願いをしておきたいと思います。
 戦後最大というふうなああいう表現になりましたけれども、今現在、やはり新六箇井堰は固定堰でございますので、どうしてもその分だけ、流水の分について洪水という危険性がやはり伴ってくると。
 確かに内水対策については、一定の理解と、またその企業用地の利活用という面におきましても非常に理解はできるんですけども、当初の計画はやっぱり当初計画どおり速やかに履行をお願いしたいということを強く要望しておきます。
 次に、この六十谷の鉄橋なんです。ここの分も、当初、いつも朝夕ラッシュ時期にはあそこの踏切で非常に混雑して、地元の方々の要望がありまして、とにかくアンダー方式にやっていただきたいと、こういう希望もたくさんありました。ちょっと時間がかかると、もう全くもって10分や20分ぐらいあっという間に──もうすぐに六十谷の橋詰めには信号がございまして、これをアンダーにしていただくということで非常に喜ばれておりますので、供用開始を心待ちにしたいというふうに思います。
 次に、白浜町の防災という観点なんですが、あの現場へ行かせていただきました。あそこの護岸、昭和の南海地震後に実は堤防ができたんですけれども、その堤防の建設、幾つかの業者がずうっとされたというふうにお聞きしまして、その業者の施工後40年たってから、その工事の丁寧さと、手を抜くといったらおかしいんですけども不丁寧さが如実にやっぱりあらわれてるんですね。一部ではやはりコンクリの部分に亀裂が入ってるところもあれば、またまだしっかりとしてる部分もたくさんございました。そういったものを現場で見せていただく中、やはり当時の海岸の形態と、そして今の現状の形態との違い、ここらをつぶさに見る限り、住民の方々約455人のこの署名というのは非常に重いものであるというふうに感じますので、また関係の町とも協議をしていただきたいということをば要望しておきます。
 次に福祉関係についてでありますが、この18年補正の予算で──これ、18、19、20年、3カ年の予算なんです。これ、10分の10で、国が全面的に音声読書機という、SPカードをしっかりと読んでいくという、目の悪いというか視覚障害者の方とか、また聴覚障害者の方々、やはり普通の公共施設、また公なところで同じように享受できるという、そういうやはり権利があろうかと思うんです。この部分も和歌山県下30市町村へしっかりと啓発していただきまして──たしか1自治において100万円を上限だというふうにお聞きしております。これ、全く負担ありませんので、県がそこを先行していただきまして、県の図書館とかそういったところで設置していただいて、こういうふうに利用できるんですよということの姿を見せていく中で、やはり福祉というのが啓発に大きく邁進するんではないかなというふうに考えておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
 あと、人工透析患者の件なんですが、今回ちょっと若干震災が膨らんでしまって質問の中に入れることができなかったんですが、震災と、またこの人工透析というのは非常に共通点がございまして、水道の関係で、水がなかったら透析というのはできないんです。だから施設の確保とその水源の確保というのは非常に大事でございまして、特に家屋の倒壊とか古い病院とか、人工透析を今されてるそういった施設とも、よく関係機関と連携をとっていただきまして、これはもう待ったなしでございます。
 これ、新潟は、3年前に地震が起こってから、一たん透析をストップして、そして7~8分以内に屋外に一たん避難をしてと、そういったところまでこの人工透析患者の方々への訓練は実は行ってるんです。そういうふうな先進的な例もございますので、できましたら、こういったものも取り入れて要望をしておきたいと思います。
 最後に緑の雇用対策事業ですが、これは、森林組合によっては非常に待遇が違っておるんですね。先ほども答弁いただきましたが、58%の定着率というのは、約半分の方が和歌山へ来られて、そして、またどちらかのほうへお帰りになったのかと。
 この間、ファクスも、現地の働いている方からもいただいてはおります。非常にゆゆしき問題の部分もありますので、もう少し私自身も精査しなければならないというものがありますけれども、せっかくこういった形で和歌山の森に入って、そして間伐をし、森を育ててやっていこうという、そういう気概で来られた方もたくさんおいでになったというふうに私自身は思っておりますので、今後とも和歌山のこういった推進している部分についてしっかりと、上級官庁であります県の農林水産部長におかれましてはよく内実を確認した上で適切な御指導をいただければありがたいというふうに思いまして、要望とさしていただきます。ありがとうございました。
○議長(中村裕一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で角田秀樹君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時20分休憩
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