平成19年2月 和歌山県議会定例会会議録 第9号(全文)


県議会の活動

平成十九年二月 和歌山県議会定例会会議録 第九号
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議事日程 第九号
 平成十九年三月七日(水曜日)午前十時開議
  第一 議案第四号から議案第十九号まで、議案第三十四号から議案第五十二号まで、議案第五十四号から議案第七十七号
     まで、及び議案第七十九号から議案第九十一号まで、並びに請願四件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
  第二 議員提出議案第一号(委員会付託省略・討論・表決)
  第三 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
  第四 特別委員会中間報告の件
  第五 特別委員会閉会中継続審査の件
  第六 議案第九十二号(委員会付託等省略・表決)
  第七 議員提出議案第二号(委員会付託等省略・表決)
  第八 意見書・決議案
会議に付した事件
   一 議案第四号から議案第十九号まで、議案第三十四号から議案第五十二号まで、議案第五十四号から議案第七十七号
     まで、及び議案第七十九号から議案第九十一号まで、並びに請願四件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
   二 議員提出議案第一号(委員会付託省略・討論・表決)
   三 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
   四 特別委員会中間報告の件
   五 特別委員会閉会中継続審査の件
   六 議案第九十二号(委員会付託等省略・表決)
   七 議員提出議案第二号から議員提出議案第五号まで(委員会付託等省略・表決)
   八 意見書・決議案
出席議員(四十四人)
     一  番       須   川   倍   行
     二  番       尾   崎   太   郎
     三  番       新   島       雄
     四  番       山   下   直   也
     五  番       小   川       武
     六  番       吉   井   和   視
     七  番       門       三 佐 博
     八  番       町   田       亘
     九  番       藤   山   将   材
     十  番       浅   井   修 一 郎
     十一 番       山   田   正   彦
     十二 番       坂   本       登
     十三 番       向   井   嘉 久 藏
     十四 番       大   沢   広 太 郎
     十五 番       平   越   孝   哉
     十六 番       下   川   俊   樹
     十七 番       花   田   健   吉
     十八 番       前   岡   正   男
     十九 番       小   原       泰
     二十 番       前   芝   雅   嗣
     二十一番       飯   田   敬   文
     二十二番       谷       洋   一
     二十三番       井   出   益   弘
     二十五番       東       幸   司
     二十六番       藤   本   眞 利 子
     二十八番       原       日 出 夫
     二十九番       冨   安   民   浩
     三十 番       野 見 山       海
     三十一番       尾   崎   要   二
     三十二番       中   村   裕   一
     三十三番       浦   口   高   典
     三十四番       角   田   秀   樹
     三十五番       玉   置   公   良
     三十六番       江   上   柳   助
     三十七番       森       正   樹
     三十八番       長   坂   隆   司
     三十九番       阪   部   菊   雄
     四十 番       新   田   和   弘
     四十一番       松   坂   英   樹
     四十二番       雑   賀   光   夫
     四十三番       藤   井   健 太 郎
     四十四番       村   岡   キ ミ 子
     四十五番       松   本   貞   次
     四十六番       和   田   正   人
欠席議員(なし)
 〔備考〕
     二十四番欠員
     二十七番欠員
説明のため出席した者
     知事         仁   坂   吉   伸
     副知事(総務部長事務取扱)
                原       邦   彰
     知事公室長      野   添       勝
     危機管理監      石   橋   秀   彦
     企画部長       高   嶋   洋   子
     環境生活部長     楠   本       隆
     福祉保健部長     小   濱   孝   夫
     商工労働部長     下           宏
     農林水産部長     西   岡   俊   雄
     県土整備部長     宮   地   淳   夫
     教育委員会委員長   樫   畑   直   尚
     教育長        小   関   洋   治
     公安委員会委員長   大   岡   淳   人
     警察本部長      辻       義   之
     人事委員会委員長   西   浦   昭   人
     代表監査委員     垣   平   高   男
     選挙管理委員会委員長 山   本   恒   男
職務のため出席した事務局職員
     事務局長       山   本   庄   作
     次長         植   野   博   文
     議事課長       下   出   喜 久 雄
     議事課副課長     薮   上   育   男
     議事班長       土   井   敏   弘
     議事課主査      石   垣   悦   二
     議事課主査      湯   葉       努
     総務課長       島       光   正
     総務課主任      中   井   圭   子
     総務課主事      今   本   祐   輔
     調査課長       辻       和   良
     調査課総括調査員   太   田   裕   幸
     調査課主査      仮   谷   弥   生
 (速記担当者)
     議事課主査      中   尾   祐   一
     議事課主査      保   田   良   春
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  午前十時一分開議
○議長(向井嘉久藏君) これより本日の会議を開きます。
  この際、暫時休憩いたします。
  午前十時一分休憩
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  午後一時二分再開
○議長(向井嘉久藏君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第一、議案第四号から議案第十九号まで、議案第三十四号から議案第五十二号まで、議案第五十四号から議案第七十七号まで、及び議案第七十九号から議案第九十一号まで、並びに今期定例会の請願一件、継続審査中の請願三件、計四件を一括して議題とし、順次、常任委員会委員長及び予算特別委員会委員長の報告を求めます。
 農林水産委員会委員長浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(浅井修一郎君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案三件であります。また、平成十九年度当初予算関係議案のうち当委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 委員会は、三月二日、第四委員会室において開催し、農林水産部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第七十七号は賛成多数をもって、議案第五十八号及び議案第八十九号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。調査依頼のありました予算関係議案につきましては、適当である旨、議長に報告いたしました。
 なお、当委員会から、「日豪EPA交渉に関する意見書(案)」を提出する運びとなっておりますので、よろしくお願いします。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、森をはぐくむ紀州材の家づくり支援事業について、ひき縄、まき網不漁原因と今後の資源管理方策について、次世代につなぐ水産業チャレンジ支援事業について、農作物の鳥獣害防止対策について、紀の国森づくり基金活用事業について、森林整備予算について、施設園芸の省エネ対策について、農薬飛散防止遮へいシートに対する支援について、持続する農業の推進事業について、農林水産振興資金特別会計に係る条例について、農林水産部の十九年度予算の考え方について、高病原性鳥インフルエンザに対する本県での対応方針についてただされました。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 建設委員会委員長尾崎太郎君。
  〔尾崎太郎君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(尾崎太郎君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案十四件、請願継続審査分一件であります。また、平成十九年度当初予算関係議案のうち当委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 委員会は、三月二日、第五委員会室において開催し、当局から付託案件等について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第五十九号から議案第六十三号まで、議案第七十七号、議案第八十一号、議案第八十二号及び議案第八十六号から議案第九十一号までは、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第二号は継続審査すべきものと決しました。調査依頼のありました予算関係議案につきましては、適当である旨、議長に報告いたしました。
 次に、所管に係る各委員の主な質疑項目を申し上げますと、高速道路みなべ─田辺間の供用に伴う周辺道路の整備について、京奈和自動車道紀北西道路の整備について、県道和歌山橋本線の道路改修の現状について、すさみ以南の高速道路の取り組みについて、道路整備における効率的な地震・津波対策について、道路の適正管理について、桜谷川の改修について、中谷川の改修について、堂田川の改修について、柘榴川の改修について、きのくに木造住宅耐震化促進について、田辺市扇ケ浜の整備計画について、県立情報センターBig・Uの入札疑惑について、平成十九年度当初予算における具体的な事業内容についてただされました。
 なお、県立情報交流センターBig・Uの入札疑惑、地盤沈下の原因について、企画部、県土整備部といった組織にとらわれず、究明すべき問題として認識し、今後とも取り組むことを確認いたしました。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 文教委員会委員長坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(坂本 登君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表記載のとおり、議案七件、請願、前会から継続審査分二件であります。また、平成十九年度当初予算議案のうち当委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 委員会は、三月二日、第六委員会室において開催し、当局から付託案件等について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第七十号は賛成多数をもって、議案第六十六号、議案第六十七号、議案第六十八号、議案第六十九号、議案第七十一号及び議案第八十九号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第十六号及び議請第十七号は継続審査すべきものと決しました。次に、調査依頼のありました予算関係議案につきましては、適当である旨、議長に報告いたしました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、前期選抜入学試験について、県立高校再編整備について、和歌山北高校の体育施設の整備充実について、小・中学校教員の休憩時間について、県立中高一貫について、中学入試時期における授業への出席状況について、小・中学校の適正規模化について、廃校舎の利用について、卒業式における国歌斉唱について、道徳教育について、専修学校・各種学校の説明会の実施について、いじめ問題についてただされました。
 以上をもちまして、文教委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 総務委員会委員長花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(花田健吉君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案二十三件であります。また、平成十九年度当初予算関係議案のうち当委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 委員会は、三月二日、第一委員会室において開催し、出納室、人事委員会事務局、監査委員事務局、選挙管理委員会、県議会事務局、知事公室、企画部、総務部の順に当局から付託案件等について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第三十七号及び議案第四十二号は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決し、議案第三十四号から議案第三十六号まで、議案第三十八号から議案第四十一号まで、議案第四十三号から議案第四十八号まで、議案第六十四号、議案第六十五号、議案第七十六号、議案第七十九号、議案第八十号、議案第八十三号、議案第八十五号及び議案第八十九号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また、調査依頼のありました予算関係議案につきましては、適当である旨、議長に報告いたしました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、選挙管理委員会関係では、選挙啓発の経費について、県議会事務局関係では、事務局費の増額理由について、知事公室関係では、熊野学研究推進事業について、知事・副知事等の交際費について、秘書、一般事務事業の増額理由について、前知事の私的な親睦団体と県行政とのかかわり等について、文化振興について、企画部関係では、地球深部探査船「ちきゅう」について、総務部関係では、交付税の見通しについて、三位一体改革における本県としての総括等について、和歌山県職員定数条例の一部を改正する条例について、業務のアウトソーシングについて、知事・副知事の退職手当について、不動産の売り払い収入の主な内訳についてただされました。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 福祉環境委員会委員長角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会委員長(角田秀樹君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案八件、請願の新規受理分一件であります。また、平成十九年度当初予算関係議案のうち当委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 委員会は、三月二日、第二委員会室において開催し、福祉保健部、環境生活部の順に当局から付託案件等について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第四十九号から議案第五十二号まで、議案第五十四号から議案第五十六号まで及び議案第八十九号は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第二十四号は継続審査すべきものと決しました。調査依頼のありました予算関係議案につきましては、適当である旨、議長に報告いたしました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、福祉保健部関係では、タミフルの購入備蓄について、重度身体障害者住宅改造助成について、和歌山県高齢者居宅改修補助について、理学療法士養成所設置に伴う理学療法士の需給見通し等について、無憂園の耐震診断の経過と今後のあり方について、自治医大卒業医師の派遣等について、介護保険料について、障害者就業・生活サポートセンターについて、精神科救急医療システムについて、精神障害者退院促進支援について、社会福祉施設の会計について、チャレンジド工賃水準倍増計画について、生活保護世帯に係る母子加算について、医療費適正化事業についてただされました。次に環境生活部関係では、和歌山県地球温暖化対策条例について、県立自然公園の指定見直しについて、県産認定リサイクル製品の普及促進について、地球温暖化対策に伴うアイドリングストップの促進について、紀南地域における廃棄物の最終処分場について、世界遺産地域内におけるバイオ燃料の活用について、和歌山CO2削減実践モデル事業について、県産認定リサイクル製品を用いたモデル工事に要する繰越明許費について、男女共同参画の推進についてただされました。
 以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 経済警察委員会委員長須川倍行君。
  〔須川倍行君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(須川倍行君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案七件であります。また、平成十九年度当初予算関係議案のうち当委員会所管分について、議長から調査依頼がありました、
 委員会は、三月二日、第三委員会室において開催し、商工労働部・労働委員会、公安委員会の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第五十七号、議案第七十二号から議案第七十五号まで、議案第八十四号及び議案第八十九号は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また、調査依頼のありました予算関係議案につきましては、適当である旨、議長に報告いたしました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、商工労働部関係では、議案第八十四号の権利の放棄について、南紀白浜─東京羽田便における「特便割引7」の導入について、部の名称変更について、友好姉妹都市提携と観光客誘致等について、起業家創出支援事業及びインキュベーションマネジャー設置事業について、公安委員会関係では、高齢の運転免許保持者への交通安全対策について、和歌山市内における通行危険箇所対策について、警察関係施設の耐震対策等についてただされました。
 以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願いいたします。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 予算特別委員会委員長井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○予算特別委員会委員長(井出益弘君) 予算特別委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案十六件であります。
 委員会は、まず二月二十八日に第一・第二委員会室において開催し、総括質疑を行い、質疑終了後、直ちに議長を通じ各常任委員会に対し部局別質疑・調査を依頼したところであります。その調査結果の報告を受けて、三月六日に第一・第二委員会室において委員会を開催し、慎重に審査いたしました結果、付託を受けました議案第四号、議案第六号、議案第十号は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決し、議案第五号、議案第七号から議案第九号まで、議案第十一号から議案第十九号までは全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、総括質疑での付託議案に係る各委員の主な質疑項目を申し上げますと、近畿自動車道紀勢線について、紀伊田辺駅のバリアフリー化について、観光振興について、鳥獣被害について、平成十九年度予算について、県立中学校における教科書の採択について、企業誘致について、人口減少問題について、マニフェストと長期総合計画について、副知事の二名制について、元気で楽しい和歌山の実現について、財政運営について、安心・安全の確保について、県土整備について、スポーツ競技力向上対策について、体験型修学旅行誘致について、放置艇対策についてただされました。
 以上をもちまして、予算特別委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 以上で、常任委員会委員長及び予算特別委員会委員長の報告が終わりました。
 これより委員長の報告に対する質疑に入ります。
 質疑はありませんか。──質疑なしと認めます。
 次に、討論に入ります。
 まず、玉置公良君から反対討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 三十五番玉置公良君。
  〔玉置公良君、登壇〕(拍手)
○玉置公良君 新生わかやま県議団を代表しまして、簡潔に反対討論を行います。
 まず、議案第四号平成十九年度和歌山県一般会計予算については、基本的には賛成でありますが、歳入の紀の国森づくり基金並びに歳出の紀の国森づくり基金活用についてのみ反対であります。
 理由については、皆さんも御承知のように、今までの議会の中で十分述べてきていますので、ここでは省略をいたします。
 二つ目であります。副知事二名とする議案第四十六号和歌山県副知事定数条例であります。
 反対の理由については、まず一つに、県内の市町村の自治体を見てみると、市町村合併において首長が五十人から三十人になり、また助役も置かずに頑張っておられるところが六自治体あり、助役の一人体制は、近畿一広い田辺市も含めて二十二の自治体があります。つまり、厳しい財政状況を考え、一人体制で頑張られています。もう一つは、全国都道府県の状況を見ますと、お隣の三重県も一名であり、特に談合汚職事件、出直し知事選挙を行った三つの県を見ますと、福島県や、今全国で話題になっています東国原知事の宮崎県でも、定数一名で頑張っておられます。
 今申し上げたことや厳しい県の財政状況を考え、また談合汚職事件で失った県民の信頼を一日も早く取り戻すためにも、今はその時期ではないと考え、反対討論といたします。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 次に、村岡キミ子君から反対討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 四十四番村岡キミ子君。
  〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 日本共産党を代表して、反対討論を行います。
 反対する議案は、第四号、六号、十号、三十七号、四十二号、五十七号、七十号、七十七号であります。
 今、県民の暮らしは、住民税の大幅増税や国民健康保険税(料)、介護保険料の引き上げ、毎年値上げされる国民年金などで、大変厳しい状況が続いています。そういうときに、県が新年度の予算で厳しい財政の中でも県民の暮らしと福祉を守るためにどれだけ頑張るのか、その姿勢が問われるところです。また、仁坂知事の初めての予算であり、県民からも大変注目をされているところです。
 地方税財政の三位一体の改革が二〇〇六年度で一応終わりました。その全体の影響は、国庫補助負担金が約二百五十億円削減をされ、税源移譲された額は百七十五億円です。この間の地方交付税の削減は三百四十三億円でありました。トータルいたしますと、四百十八億円のマイナスの影響が出ているところです。三位一体と言いながら地方切り捨てそのものであったことがはっきりいたします。今後も地方交付税の計算方法が変えられようとしており、国に対して地方の立場を強力に主張していくことを強く求めたいと思います。
 さて、新年度予算では、障害者自立支援法に係る国からのお金をもとに、事業者への激変緩和助成や施設改修費、小規模作業所への緊急支援は、私もこれまで幾度となく県に求めてきたところであります。評価したいと思います。また、地域生活支援事業の利用者負担の上限額を超える分についての助成を実施されることも歓迎をするところです。
 しかし、授産施設などでの利用者負担軽減については、田辺市周辺自治体に続いて、御坊市周辺自治体や和歌山市でも利用者の負担軽減を進めておられます。県も踏み込んだ助成を実施されることを求めたいと思います。
 また、子育て支援対策として、不妊治療への助成や、第三子からという点では不満でもありますが、妊婦健診の公費負担に踏み出したことは第一歩として、今後の拡充を期待したいと思います。
 次に、コスモパーク加太計画推進事業として六億六千万円が計上されております。これは、関西国際空港の二期事業のための土取りが終わった土地を県土地開発公社から新たに借り上げ、借り上げ費用を含め、土地開発公社への補助金の性格が濃厚なものであります。その中には加太菜園に原価を割り込んで貸している用地も含まれており、問題と考えるところです。
 人権現況調査の予算も上げられています。この調査は、昨年六月にアンケートの方法で実施が計画をされ、旧同和地区とその周辺、それ以外などとを、地域を区切って調査するとしたものでした。しかし、この調査に対して県の人権施策推進審議会が「今回行おうとする実態調査は、いかなる課題が予想され、これに対していかなる行政施策を施す必要があるものとして行うのか、調査目的が明白でない」と指摘され、実施する必要性がどこにあるか疑わしいとの意見が厳しく出されたものです。このように、必要性のないと厳しく指摘された調査を行うことには賛成できません。
 今、県民の半分近くが加入している国民健康保険料(税)が高くなり、払いたくても払えないという人もふえています。保険料(税)の滞納者は、昨年六月時点で三万四千人、全体の一四・四%にも上っています。新年度の予算で国保関連は九十七億円という多額なものになっています。これは、二〇〇三年から設けられた保険者支援分の負担金が二億六千万円、高額医療費の交付金が四億五千万円、また二〇〇五年度から都道府県調整交付金制度が設けられ、保険給付費の七%を県が負担するようになり、その負担額だけで新年度は五十億円にも達します。また、二〇〇四年度までは保険料の法定軽減分の半分を国が負担をしていましたが、二〇〇五年度からは県が四分の三を持つようになり、その負担額は何と三十五億円にも上ります。
 こうした国が本来責任を持つ社会保障制度である国民健康保険事業において、国の負担が減らされる一方で、県の負担が大幅に増加をしています。国は、その財源として地方交付税でカウントしているとの説明であるようですが、和歌山県の地方交付税は、この三年間合計で三百四十三億円の減少をしています。また、県独自の福祉医療制度である県単老人医療費補助制度や重度心身障害者医療費助成制度などの実施を口実に、国は四億六千万円もの負担金カットをペナルティーとして行っています。国のこのような横暴を絶対に許してはならないと考えるわけですが、しかし、和歌山県が行っている市町村への支出金は、この国のペナルティーを補てんするものにはなっておらず、乳幼児医療費とひとり親家庭への医療費助成分に対する国のカットについては、全く補てんを行っていません。
 今、県内の国保加入者で資格証明書と保険証の窓口留保によって七千世帯近くが保険証を持っていません。県が厳しい財政事情の中であっても、県民の命の綱である国民健康保険制度を守るために、さらなる市町村国保への助成を求めるものです。
 今年度から、五年の期限つきではありますが、県民税の中に紀の国森づくり税が施行されました。この新税については、この議場でも討論が交わされてきましたが、新たな税を課すには、税金を負担する人への周知の徹底と納得が必要なことは言うまでもありません。和歌山市議会、御坊市議会に続き、海南市議会などでも廃止を求める決議が上げられている中で施行されるこの税については、賛成することはできません。
 また、けやき大通り第一種市街地再開発事業について、一言申し上げます。この事業は、十四階建ての分譲住宅及び十一階建てのホテル、六階建ての商業棟を建設するもののうち、ホテル以外の建設事業を補助対象として、一般用の分譲マンションや商業用ビルの建設に、県と国、和歌山市合わせて十二億七千百万円を補助するものです。もちろん、中心市街地の活性化を望むものではありますが、厳しい財政事情が強調されるもとで営利を目的とする分譲マンションなどの建設に貴重な県民の税金二億円以上も投入することがふさわしいのかどうか、疑問を持たざるを得ません。
 次に、生活保護の母子家庭への加算カットが、高齢者加算のカットに続いて行われています。十六歳から十八歳未満の子供を持つ母子家庭への加算は既にカットをされ、新年度からは十五歳未満の子供を持つ母子家庭でも加算が減額、三年後には廃止をされることになっています。一年間でわずか三百五十二万円程度の県費負担です。県が国負担分を肩代わりしてでも母子家庭への支援を行ってもらいたいと願うものであります。
 重度心身障害者医療費助成事業では、六十五歳を超して障害者となった方が昨年八月に助成対象から外されています。今後、高齢者の増加が一層見込まれる中で、この制度を早くもとに戻すことを求めるものです。
 県職員の定数削減が行われてきていますが、実質的な職員数は条例定数をさらに下回っているのが実態です。アウトソーシングや業務委託ということで正職員から安価な労働力に置きかえることは、行政が低賃金労働者を生み出していることになります。
 次に、知事の退職金が減額されていることは一歩前進として評価できるものですが、一期四年間で約四千万円という退職金は依然として高過ぎると考えるものです。
 土地造成事業特別会計については、今回は賛成するものですが、しかし、遊休地の積極的な活用、販売の促進を一層強化していただきたいと求めるものです。
 中小企業振興資金特別会計については、百億円を超える滞納をつくりながらその要因が明らかにされず責任も明確になっていないことは、到底県民の納得を得られるものではありません。
 県立学校定数条例で公立学校に複線化を持ち込み、県立中学校をさらにふやしていくことには賛成できません。
 建設事業に伴う市町村負担金については、毎年少しでも軽減策が前進することを求めるものです。
 競輪事業については、ギャンブルに頼らない町づくりを多くの住民が望んでいるということを申し上げたいと思います。
 以上で、反対討論を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 次に、冨安民浩君から賛成討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 二十九番冨安民浩君。
  〔冨安民浩君、登壇〕(拍手)
○冨安民浩君 お許しをいただきましたので、本二月定例議会に提案されている平成十九年度当初予算関係議案並びに諸議案に対し賛意を示す自由民主党県議団、公明党県議団、県民クラブ、民主党県議団を代表し、賛成の立場から討論させていただきます。
 まず、平成十九年度当初予算案でありますが、歳入面を見ますと、税源移譲や景気回復等により税収は百六十三億円の増となるものの、その一方で、税源移譲までの臨時的な措置として交付されていた所得譲与税の廃止により百七十五億円の減、さらには臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税が八十九億円の減となるなど、国の地方財政制度改革の進展により県の裁量で使途を決められる一般財源が大幅に削減される中で、歳出面においても社会保障関係経費や団塊の世代の退職に伴う退職手当等が大幅に増加するなど、財政状況の厳しさが増す中での苦労の多い予算編成であっただろうと推察するところであります。
 こうした状況下の中で、人件費総額の抑制により四十七億円、事務事業見直しにより二十億円を削減するなど、財政健全化に向けた最大限の行財政改革を断行し、財源を捻出しながら仁坂体制初の予算を「和歌山元気づくり予算」と銘打って、喫緊の課題や新たな行政需要に積極的に取り組まれようとする姿勢は評価すべきものと考えます。
 具体的に申し上げますと、「清潔で透明な県政の実現」「職づくり、人づくり、地域づくり」「安全・安心の確保」「和歌山の美しさを活かした観光の振興」「楽しい和歌山の実現」といった五本の柱を打ち出され、その中でも特に少子化対策、地震防災対策、ネットワーク関連道路など、県民生活の向上や県土の均衡ある発展に綿密に関連する施策に限られた財源を重点配分された結果、全体としてめり張りのきいた予算案となっており、県勢の発展にかける仁坂知事の強い意気込みが感じられる内容であるものと認識しております。
 また、その他の諸議案につきましても、行財政改革推進プランを着実に実行するための職員定数の削減にかかわる条例改正や地球温暖化対策条例案など、いずれも時代要請にかなう必要かつ適正なものであります。
 この上は、これら諸議案に盛り込まれた各般の施策を迅速に執行し、成果を上げることが県民の負託にこたえる上で最も肝要であると確信するところであります。
 我々、自由民主党県議団を初め賛意を示す各会派といたしましては、以上申し上げた認識のもと、今議会に提案されている平成十九年度当初予算関係議案並びに諸議案について原案どおり成立することを期するものであることを申し上げ、賛成討論とさせていただきます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) これをもって、討論を終結いたします。
 これより採決に入ります。
 まず、議案第四号を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(向井嘉久藏君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第四十六号を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(向井嘉久藏君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第六号、議案第十号、議案第三十七号、議案第四十二号、議案第五十七号、議案第七十号及び議案第七十七号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(向井嘉久藏君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、議案第五号、議案第七号から議案第九号まで、議案第十一号から議案第十九号まで、議案第三十四号から議案第三十六号まで、議案第三十八号から議案第四十一号まで、議案第四十三号から議案第四十五号まで、議案第四十七号から議案第五十二号まで、議案第五十四号から議案第五十六号まで、議案第五十八号から議案第六十九号まで、議案第七十一号から議案第七十六号まで及び議案第七十九号から議案第九十一号までを一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(向井嘉久藏君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、請願四件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。本請願をいずれも委員長の報告のとおり決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、本請願はいずれも委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、日程第二、議員提出議案第一号を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 本案について質疑はありませんか。──質疑なしと認めます。
 お諮りいたします。本案については、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に、討論に入ります。
 まず、前岡正男君から反対討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 十八番前岡正男君。
  〔前岡正男君、登壇〕
○前岡正男君 和歌山県行政に係る基本的な計画の議決等に関する条例案に反対する立場で討論をさせていただきます。
 反対の理由の第一は、基本計画については、その実効性、機動性、整合性を保持する上から、その決定を専ら長の権限に属するものとする方がよいと考えるからであります。計画的行政の重要性は、ここで改めて述べる必要もないと思います。計画的行政を進めるために、行政は諸分野において計画を立てております。それを住民に公表して、いわば行政側の公約として、これこれのことを実行します、実現しますと意思表明を行います。これによって、住民は行政の目指している方向がわかるわけであります。そしてまた、行政の組織に神経が通うわけであります。いわば計画は行政のハートに当たります。
 ところが、地方行政は、その政策を実現する手足の部分、予算と条例を議会の議決にゆだねることにより制肘を受けております。また、監視的権限によって議会からさまざまな形で監視監督を受けております。その上でなお、ハートである計画の部分まで議会の議決事項とすることによって縛る必要があるのかと、私は疑問に思うのであります。
 地方政府は、長と議会の二元代表制であるとよく言われます。つまり、長と議会は時に矛盾する民意を代表して対立することが想定されております。二つの意思が対立して、それを乗り越えていくダイナミズムが地方政府の命だと思います。それをあらかじめ意思の明示まで長から奪ってしまうことになりかねないのがこの議決条例だと思うのです。
 古くは、青島東京都知事、田中長野県知事、現在では嘉田滋賀県知事等、少数与党のもとで行政を運営しなければならないケースはしばしばあります。そのときに、基本計画等が議決案件になっていることにより、長が代表している民意が基本計画として表明できないとなると問題であります。あるいは、前任者のつくった基本計画が改廃されない状況では、新たな長が選挙の公約を実現できないということになるのも不合理なことであります。長の一元的な意思のもとに整合性のある施策の実行を促すという点で、計画は行政側の責任において決定させたらいいと思うのであります。
 また、行政の計画というものは、これまで策定に労力をかけた割には活用されないといううらみがありました。それは、計画がしばしば総花的で優先順位がつけられていない、数値目標などの具体性に欠けることに理由があるように見受けられます。議員や圧力団体、行政各部局に気を遣い、あれもこれもと盛り込んでポイントがはっきりせず具体的記述に欠ける場合、計画は行政の本当の意味での指針とはなりがたく、策定した後はきれいに印刷して書庫にしまわれて終わり、そういう事例がしばしば見られるわけであります。議会の議決事項とすることによってその傾向がさらに顕著になりはしないかと、私は危惧いたします。
 議会は一つの機関と言いましても、内実は多数の党派、個人の集合であり、なかなか一つの意思にはなりがたいところであります。その議会の意見を計画に反映させようとすると、どうしても総花的、抽象的にならざるを得ない。すると、行政を導く計画の力が弱まると思うのであります。また、計画を議決することによって行政と議会の政策目標が同じになるということは、政治責任を問う立場からはどうなるんだろうと思います。計画の達成度、またその結果に関する責任を議会が問う立場に立てるんでしょうか。二元を無理やり一元にすることにより自己的なチェックが緩むのではないかと危惧いたします。
 そういう事態を避けるためには、計画を一元的に決定する方が私はよいと思います。したがって、計画は議決事項とせず、現状のまま行政の決定にゆだねるというのがよいと思うのであります。
 反対の第二の理由は、議会においては、現在規定されている議決事項と権限の範囲で、より行政への監視を強め、また住民の声が反映されるように改革を進めるべきであると考えるからであります。
 本県を含めた全国の自治体において談合事件、不適切な公費の使い方等不祥事が続出し、首長を初めとして職員や関係者の訴追も相次いでおります。そのことに対する住民のふんまんの矛先は、議会にも向かっております。「なぜ議会はチェックできんのよ。そんな議会なら要らんやないか」、こういう声が市井では聞こえるわけです。また、行政においては、財政難から、また地方分権と住民参加の流れに合わせて行政改革に取り組んでいるところもたくさんありますが、議会の改革はなかなか進まない。むしろ議会が住民参加の流れを阻む抵抗勢力と映ることがしばしばであります。それに対して、本県の議会は十分にこたえているか、時代に合わせ、また県民の声を聞いて改革に取り組んでいるかと問うた場合、甚だ心もとないのであります。
 今期、議会の皆様は、議会改革検討委員会を設置され、各派からの提案に基づいて審議してこられました。その結果、議会事務局体制の強化充実、費用弁償の改善、「県議会だより」の改善、議会公用車の縮減を実現されました。また、政策条例に取り組むということで紀の国森づくり税を議員提案して成立させ、そしてまた、この条例の提案があるわけであります。平成十五年度以来、議員報酬のカットも行っているところであります。
 しかし、これらは、今住民から求められている議会への脱皮ということを考えると、余りに小さな改革、取り組みであります。議会の日々の審議の様子はというと、形式的で活発とは言いがたい。今期の議会の四年間で、本会議で否決された当局提出の議案は、住民直接請求を受けた定数削減条例の二案だけで、あとはすべて可決であります。事前の協議であらかじめの合意があるということもあるかもしれませんが、これでは住民の目からはノーチェックと見られても仕方がないし、議会での審議が形式化していると言われても仕方がない状況であります。
 その当局提出の議案に基本計画等を加えようというのが本条例の趣旨であります。議会の議決事項を加えるわけですから、議会の権限の拡大であります。議会審議の形式化に対して、議会側が対策を講じないで権限だけ拡大していいのかと思うのです。従来の予算審議や条例審議と同じように形式的な審議が続くなら、議決事項に加えても同じではないかと思うのであります。そして、この権限を加えることは、場合によっては、むしろ生き生きとした行政を殺し、そしてまた行政と議会との緊張関係を緩めることにもなりかねないと危惧するものであります。
 以上の理由から、この条例には、県民の立場から言って、現時点においては行政をよくする可能性よりも悪くする危険性が高いと判断し、私は反対いたします。
 以上、御清聴を感謝いたします。
○議長(向井嘉久藏君) 次に、藤山将材君から賛成討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 九番藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕(拍手)
○藤山将材君 議員提出議案第一号和歌山県行政に係る基本的な計画の議決等に関する条例に、賛成会派を代表して討論をさしていただきます。
 この条例の趣旨については、本県の基本計画を策定、変更及び廃止するに際して、議決という形で議会が参加をし、責任を果たすことであり、これによりさらに透明性が高く、計画的な県行政を推進することにあります。
 提案説明にもございましたが、近年、地方分権が進んだことで地方公共団体の権限と役割は大きく拡大いたしております。同時に、自己決定、自己責任の範囲が増大し、財政の自立性が求められています。
 このような状況下において、私たち県議会は二元代表性による住民の代表機関として知事と対等の立場にありますが、多様な民意を反映する合議制の議決機関として、知事等の執行機関に対する監視、審議、修正を行い、積極的な政策提案をするという役割と責任がますます増大していると言えます。
 しかしながら、従来、県の意思決定ともいうべき基本計画は、議会がほとんど関与することなく策定されてきたのが現状であります。その中には、当然知事の専属権限といったこの条例の対象とならないものもありますが、計画の策定過程における議員の参画はごく限られた範囲のものであり、その結果、報告のみ行うことが常態化していたところであります。拡大した地方の権限に基づいて政策決定が行われ、そのもととなる基本的な計画の策定等に際して議会が関与する範囲は今までのままでよいのかと考えるとき、この条例は本県にとって必要なものでないかと思います。
 複雑で変動の速い現代社会において、知事一人だけでなく、多様な民意を反映させることができる議会が計画づくりに参画することによって、透明性があり、民意を反映した計画が民主的かつ合理的にできるものと考えます。このような県政こそが、今、県民から求められている県政ではないかと考えるわけでございます。
 最後に、本条例が今日の地方議会の持つ重要な役割を担うものであることを強く訴えるとともに、基本計画議決条例案検討会に参画され、精力的に検討、協議いただいた先輩・同僚議員の熱意に対し敬意を表し、どうか御賛同賜りますようお願い申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) これをもって、討論を終結いたします。
 議員提出議案第一号を採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(向井嘉久藏君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
 次に日程第三、常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件を議題といたします。
 お諮りいたします。お手元に配付しております「継続審査を要する所管事務調査件名表」及び「継続審査を要する担任事務調査件名表」のとおり、それぞれ閉会中の継続審査として付議することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に日程第四、特別委員会中間報告の件を議題といたします。
 人権問題等対策、関西国際空港対策、防災等対策及び半島振興過疎対策の各特別委員会から中間報告が文書をもってなされておりますが、これらはいずれもお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 次に日程第五、特別委員会閉会中継続審査の件を議題といたします。
 お諮りいたします。人権問題等対策、関西国際空港対策、防災等対策、半島振興過疎対策及び予算の各特別委員会に付議されたそれぞれの問題について、さらに閉会中の継続審査とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に日程第六、議案第九十二号を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 本案について質疑はありませんか。──質疑なしと認めます。
 お諮りいたします。本案については、委員会付託等を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 議案第九十二号和歌山県教育委員会の委員の任命につき同意を求めるについてを採決いたします。
 この採決は、無記名投票をもって行います。
 議場を閉鎖いたします。
  〔議場閉鎖〕
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの出席議員数は、議長を除き四十三人であります。
 お諮りいたします。立会人に、十六番下川俊樹君、二十九番冨安民浩君、三十三番浦口高典君、四十一番松坂英樹君の四君を指名いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、立会人に以上の四君を指名いたします。
 なお、この際、白票は無効といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、白票は無効とすることに決定いたしました。
 投票用紙を配付いたします。
  〔投票用紙配付〕
○議長(向井嘉久藏君) 配付漏れはありませんか。──配付漏れなしと認めます。
 投票箱を改めます。
  〔投票箱点検〕
○議長(向井嘉久藏君) 異状なしと認めます。
 念のため申し上げます。投票は無記名であります。投票用紙に、本県教育委員会の委員に山口裕市君を任命するにつき同意することに賛成の諸君は「賛成」と、反対の諸君は「反対」と記載の上、点呼に応じて順次投票願います。
 点呼いたします。
  〔氏名点呼・投票〕
○議長(向井嘉久藏君) 投票漏れはありませんか。──投票漏れなしと認めます。
 投票を終了いたします。
 議場の閉鎖を解きます。
  〔議場開鎖〕
○議長(向井嘉久藏君) これより開票を行います。
 立会人の立ち会いをお願いいたします。
  〔開票〕
○議長(向井嘉久藏君) 投票の結果を報告いたします。
   投票総数     四十三票
     うち有効投票     四十三票
     有効投票中
       賛成       四十二票
       反対         一票
 以上のとおり、賛成多数であります。よって、議案第九十二号はこれに同意することに決定いたしました。
 次に日程第七、議員提出議案第二号和歌山県議会委員会条例の一部を改正する条例案を議題といたします。
 なお、この際、追加提出された議員提出議案第三号議会の議員の報酬の特例に関する条例の一部を改正する条例案、議員提出議案第四号議会の議員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例案及び議員提出議案第五号和歌山県政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例案を本日の日程に追加し、あわせ一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 議案は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、いずれも提出者の説明等を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 議員提出議案第二号から議員提出議案第五号までを一括して採決いたします。
 本案をいずれも原案のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(向井嘉久藏君) 起立全員であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
 次に、日程第八に入ります。
 和議第六十一号「日豪EPA交渉に関する意見書(案)」及び和議第六十二号「ヨハネス・クヌッセン機関長の遺徳を顕彰する決議(案)」を一括して議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、いずれも提出者の説明等を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 和議第六十一号及び和議第六十二号を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。本案をいずれも原案のとおり決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 以上で、今期定例会に付議された諸案件の審議はすべて終了いたしました。
 この際、知事から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私の方から一言ごあいさつを申し上げます。
 平成十五年から今日に至る四年間の任期で、最終の議会が終わろうとしております。これまで皆様方には、県勢発展、県民生活向上のため各般にわたり御尽力を賜り、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。
 私は、昨年末の知事就任以来、県政史上未曾有の難局を乗り切り、故郷和歌山に信頼と誇りを取り戻すことがみずからに課せられた最大の使命であると考えております。このため、県民一人一人の声に耳を傾けることをすべての出発点に、元気な和歌山を創造していくため、県の総力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 こうした中、皆様には、住民の代表として和歌山県の発展のために、また地域の振興のために格段の御努力を賜っておりますことは、私を初め県民の皆さん、地域の皆さん、だれもが認めるところでございます。
 また、今議会では多数の重要案件につきまして御審議をお願いしたところでございますが、今般御賛同賜りました予算によりまして、和歌山をいかに元気にするかを命題として、五つの目標の具現化に向けて、より誠心誠意、全力を尽くしてまいる所存であります。
 さて、来る四月八日には、統一地方選挙が行われます。県議会議員選挙に出馬される皆様方には、見事勝利の栄冠を獲得され、元気な和歌山県づくりに再びお力添えを賜りますように心から強くお願い申し上げる次第であります。
 また、今議会を最後に御勇退される皆様方には、今日の日を迎えられ、感慨もひとしおかと存じます。それぞれ今日に至るまでいろいろと御苦労があったことと存じますが、和歌山県の発展という一つの目標に向けて情熱を傾けられ、御尽力を賜ってまいりました。ここに、深く敬意と感謝の意を表するものであります。県議会から離れられましても、健康に御留意され、貴重な御指導、御提言を賜りますようお願い申し上げます。
 また、この任期半ばにして御逝去されました大原康男議員に対し、改めて哀悼の意を表したいと存じます。
 最後になりましたが、皆様方のますますの御健勝と御活躍を心からお祈り申し上げ、お礼のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 次に、閉会に当たり一言ごあいさつを申し上げます。
 平成十五年の春、私ども議員は県民の厳粛なる審判を受け、地域住民の代表としてこの議場に臨んでよりはや四年、過ぎ来し方を思いつつ、まことに感慨深いものがあります。
 昨年は、幹部職員に続き前知事までもが逮捕されるという県政史上例を見ない不祥事がありました。県議会といたしましても、この事態を厳粛に受けとめるとともに、県民の信頼を回復し、二度とこのようなことが起こらないよう、仁坂知事とともに新しい県政の構築に向けてスタートを切ったところであります。
 顧みますと、我が国の経済は緩やかな景気回復を続けているものの、その実感は乏しく、本県におきましても、中小企業の経営環境や若者を中心とする雇用情勢など、県政は依然として厳しい状況にあります。
 そのような中、本県が全国に先駆けて実施していた緑の雇用事業の実績が認められ、緑の雇用担い手育成対策事業として平成十六年度より政府予算案に計上され、国の本格的な施策となりました。そして、平成十六年七月には「紀伊山地の霊場と参詣道」が念願の世界遺産登録を果たし、また平成十七年十一月には串本沿岸海域がラムサール条約に登録され、国内外からたくさんの方々が本県を訪れ、観光立県を大きくアピールすることができました。
 さらに、東南海・南海地震等の大災害に備えた危機管理体制の配備や近畿自動車道紀勢線のみなべまでの延伸、京奈和自動車道橋本道路及び第二阪和国道の一部開通等、交通網の整備が進んでおりますことは、まことに喜ばしいことであります。
 また、平成の大合併と言われる市町村合併により、本県においても、昭和三十九年以来五十の市町村が三十となり、地方分権の推進が図られました。
 議会でも、平成十七年十二月定例会において、本県議会初の議員提案による政策条例を制定するなど、地方分権の推進とともに議会の改革に取り組んでまいりました。
 そして、スポーツ面におきましては、平成十九年一月に開催されました臨時会において、平成二十七年の第七十回国民体育大会を本県に招致することを決議いたしました。今後とも、本県のスポーツの振興並びに活力に満ちた和歌山県づくりの推進のため、開催に向けて努力してまいる所存でございます。
 さて、いよいよ議員改選時期が目前に迫ってまいりました。多くの議員各位には既に立候補を決意され、必勝を期しておられることと存じますが、どうか、御健闘の上、見事御当選の栄冠をかち取られ、再びこの議場で相まみえることを心よりお祈り申し上げます。
 一方、今期を最後に御勇退を決意されております議員各位には、ひたすら県勢の発展を願い、議論を重ねてこられたこの議場を去られるに当たり、胸に去来するものが多く、万感の思いがあろうかと存じます。皆様方の長年にわたる御精励と多大の御功績に対し、深く敬意と感謝の意を表しますとともに、今後の御健勝とますますの御活躍をお祈り申し上げます。
 また、任期半ばで残念にも帰らぬ人となられました那賀郡選出の大原康男議員に対し、改めて議員各位とともに追悼の意を表する次第であります。
 なお、四年間の任期満了を前にして、この議場を去るに当たり、知事を初め当局の皆様方に対し、私どもの議会活動に御理解と御協力を賜りましたことを、ここに議員一同を代表して厚く御礼申し上げますとともに、今後とも県勢発展のためなお一層の御尽力を賜りますようお願い申し上げます。
 最後になりましたが、私は、昨年の六月定例会において、議員各位の御推挙をいただき、伝統ある和歌山県議会議長に就任させていただきました。自来、今日まで議員各位の御協力を賜り、大過なく責務を全うさせていただきましたことにつきましても、あわせて厚く御礼申し上げ、閉会に際してのごあいさつといたします。
 これをもって、平成十九年二月定例会を閉会いたします。(拍手)
  午後二時二十四分閉会

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