平成19年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(原 日出夫議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十八番原 日出夫君。
  〔原 日出夫君、登壇〕(拍手)
○原 日出夫君 議長のお許しを得ましたので、質問に入りたいと思います。
 一応私も県の十九年度の予算とか今後の財政問題を少し述べようと思いましたが、自民党代表の尾崎先生がきちっと述べられましたので、そのことを省略しながら、まず本題に移っていきたいと思います。
 知事の政治姿勢についてでありますが、知事選挙結果から、知事は県民の意思表示をどう受けとめているのかについてお尋ねいたします。
 「官製談合の再発防止こそ県民の信頼回復」を知事選の争点として戦われ、仁坂新知事が誕生しました。この選挙結果は、県下有権者八十五万四千六百二十八人に対して何と投票者数が三十万九百五人、いわゆる棄権者数が五十五万三千七百二十三人として、投票率が三五・二一%という、最低のというか本当に低投票率で終わったわけでありますが、この意義はどのように知事として受けとめるのか。
 例えば、市民、県民にお伺いしますと、まさに政治不信が多く漂っていたということと、もう一つは、有権者自身が、「朝日新聞」にも書かれておりましたが、いわゆる有権者避難民というか、どこへ行くかわからない、行くところがないという、そういう部分の避難民があらわれた結果ではないかというふうなことも書かれておりました。この結果を素直に受けとめて、新知事・仁坂知事は県民に対してこの結果をどう受けとめているのか、御感想をお尋ねしたいと思います。
 二つ目ですが、今のような選挙結果から見ても、県民は、官製談合防止という問題、裏金問題とか、そういう一連の談合事件に対して本当に今度の新しい仁坂新知事がどのように真相を解明してくれるのかという期待を持っているところであります。ところが、いろいろと見てみますと非常に消極的と見える記者会見の発表を見ましたので、私は改めて今議会で、官製談合防止対策の前にまず裏金問題、一連の談合事件の真相解明を新知事・仁坂知事は真に県民に公表するのかについてお尋ねしたいというふうに思います。
 知事の選挙公約で「清潔で透明な県政」を第一の柱として掲げ、当選されましたが、私たちは県民の声を歩きながら直接聞く場を今持っておりますが、「今度の知事さんはどんな人やろ。談合問題や秘書課の裏金など、ちゃんとけりをつけてくれるんやろか」という声を私は市民から聞きます。だけど、私は、今回初めて知事と対話していくわけでありますが、「まだ話したことないさかいに、この二月議会で質問して知事の姿勢を問うさかい、まあその報告を待ってよ」ということで、ずうっと答えて回っております。
 そういう意味で、県民は、まず今回の事件のすべてを、知事を先頭に県幹部が、秘書課が管理していた六千万円と言われる裏金の真相をきちんと解明し、県民に公開することが新知事の有権者への約束ではないのか。また、IT総合センターBig・Uを原点とした一連の官製談合事件についても、検察当局とは別に県行政としてその実態の真相を解明することを求められていますが、知事、どうでしょうか。
 知事は、談合防止対策として、先ほども述べられていましたが、公共調達委員会に注文したのは、予算の効率性の向上や公共工事の質の確保、天の声の排除、建設業界の健全な発展の四項目を今後の対策の中心として挙げておりますが、県民が今すぐ知りたいのは、前知事時代の不正の真相の解明を求めています。知事のこれに対する姿勢をお伺いしたいと思います。
 次に三つ目ですが、知事も一月議会で述べられておりましたように、県民の各界各層の声を聞くこと、現場の実情を知るための知事の県下の行脚活動を求めたいと思います。
 知事は、県民との対話を多く設け、早い時期に市町村を回るとしています。私は大変ありがたいと思っておりますが、私は、知事をよいしょするところばかりに行かないで、県行政へ厳しい意見を持った人たちとも対話を重ねることを強く要望しますが、いかがでしょうか。いつごろから県民対話に入るのか、お尋ねしたいと思います。
 次に十九年度の予算案について、知事の提案説明について、和歌山県の現状に少し触れながら私の感想を述べて知事の見解をお聞きしたいというふうに思います。
 具体的に私は、和歌山県とりわけ私たちの周りの県下の経済状況、市民生活の実態、これを今の選挙の中でいろんな階層の人と対話しながら、訪問しながら、感じながら、今大変深刻な地方経済、市民生活ということを痛切に感じている中で、知事が元気和歌山をどうつくり出していくのか、私自身にも──知事にははっきりした展望は開けていると思うんですけど、私のような人間にはなかなか、この現状をどんなにして元気和歌山に切り崩していくのかという展望がまだ開けない中で歩いているのよというのが現状であります。県のトップである知事の手腕が問われるからです。
 税源移譲、それから定率減税廃止などによる市民の住民税が大幅に上がり、とりわけ高齢者負担は大変厳しいものです。これほどまでに厳しく受けとめてるのかというふうに感じながら歩いております。
 それから、福祉の特別養護老人ホームや老人保健施設に入ってるけど、今までの国民年金だったら最高で七万や、しかし、今までだったらその範囲内で済ましたけども、実際に一昨年の十月の改正に伴い、一人当たり最低十二万の負担になってきたと。この後の差額を家族、身内が負担していかなきゃならないという実態を聞いたときに、本当にいつまで施設に預かっていただけるか、預けていく自信があるかということについての悩みなどをたくさん聞かされました。
 また、住民税負担が介護保険料にはね上がり、国民健康保険料にもはね上がっているという実態を見たときに、こういう状況の中で、本当に市民生活が今──和歌山県を元気にするためにしてほしいという期待は、その裏腹にあると思います。それだけに知事の手腕が問われるというふうに思います。
 もう一つは、公共事業が激減した状況で、土木・建設で働く人たちの失業、再雇用の道はなかなか開けていない。商業・小売業者は、現実では、田辺では新たにまた大型店の進出を含めて、また二十四時間のマートの出店など、商業と小売業者の活力が全く見出せてない。町づくり三法を、本当にそれに耐える体力が、既に失いかけてるというのが実態ではないでしょうか。
 漁業者においては、一本釣りは地球温暖化の現象も影響してるんでしょうと思うんですが、水温が非常に高くて魚種の変化が甚だしいし、一本釣りの漁獲量は年間で百万円ある人は知れたもんです。百万円を下る人たちがほとんどという実態の中で、こういう状況の中でオイル代を払うと、「原さん、三、四十万しか残らんよ」と、こういう実態を見たときに、一体一本釣りの漁業者はどんなにして今後生活していったらいいんでしょうかという疑問を感じました。
 また、まき網に乗っている、乗船している三十代、四十代の若い人の月額は何と六万円という実態であります。常に今でも親のすねかじりで漁業をし続けていかなければならないというのが実態であります。
 最後には、農業が、紀南における一次産業として最も地域経済を支えていた梅産業が、二年間の低価格、非常に低迷する中で実際に農家の収入が、二年間三分の一から、ことしは四分の一に減収するのではないかという実態を見たときに、まともに市内の経済の中での第三次産業であるまじめな地域商業、小売業者に大変な打撃を与えているということも、大きな実態としてあらわれてきております。
 こういった実態の中で、本当に新知事が改めて、そういった下を向いている県民が上を向いて知事の呼びかけにこたえて、県政が本当に元気和歌山にするということを励みにする訴えが欲しかったように私は思うんですが、私自身は、十九年度の予算の歳入を見て、三位一体改革や税源移譲等に伴って、地方交付税は本当に七十億円も、臨時財政対策費は十九億円も減額されています。
 歳入増は、皆さん、法人税では二十六億円ですけど、実際に歳入増の税収の源は個人県民税の百三十億円という税収なんです。これは一体何を示すんでしょうか。住民税の増収によって県が収入を得たということは、一つは、県民は非常に税負担が大きくなって消費が低迷するということです。そういう意味では、県政はむしろ逆に、県税の個人県民税が上がったということは県下の消費税を低下させていく、低迷させていくという根拠にもなっているのが現実ではないでしょうか。
 こういった意味で、日本の県が国からの交付税その他が非常に減っていく、そして地域間格差が都市と地方、そして富む者と貧する者の差がこれだけ厳しい中で、いかにして県民の活力を生み出していくかということが大きな課題だと思います。
 山村地域においては、昨日も国が発表されていましたように、本当に近い将来もう崩壊していく集落がふえていくことも発表されておりました。私たち新田辺市においてもそういうシミュレーションを、私は、字別・年齢別人口を見ますと五年から十年で崩壊する集落がかなりの数とすることをシミュレーションしました。そういう意味でも大変な状況にあるときに、知事に対する期待感は大変大きいと思います。
 そこで、私は、私の感想を述べながら知事の見解をお聞きしたいと思います。
 このように、県民生活、県経済が大変厳しい状況の中で、新知事は元気和歌山づくりを県民に示しました。私は──私の感想ですから、知事、いろいろと誤解しないでほしいんですが──一月の臨時議会、二月のこの当初予算の提案説明は、私にとっても、県民にとっても、この訴えられるものがなかった。薄かった──なかったって失礼に当たりますけど、薄かったと。それは、私は知事に、ただ単にパフォーマンスをしろという意味ではないんです。県民が新知事のやる気を、知事のこの訴えが本当にやる気があるというふうな立場で理解するには非常に中身が薄かったような気がします。
 そこで、私は、一つは、県経済、県民生活が大変厳しい中で、知事は、義務的経費削減のための財政運営プログラムをさらに強化して、知事一期前半・後半でこれだけの何十億、何百億円の削減目標をきちっと示して、そしてそれを県活性化のための投資的経費へやるんだと、その事業の中心はこれとこれだということの訴えが私は欲しかった。
 もう一つは、企業誘致を初め産業活性化と雇用創出プログラムで、知事として一体、一期目の前半・後半で雇用創出目標をどれだけするんだ、企業をこれだけ呼んできて一期四年間ではこれだけの雇用を生み出したいという、そういうことを具体的に示してほしかった。
 三つ目は、和歌山一次産業の農業、林業、水産と観光を連携さした観光人口並びに交流人口を私はこれだけふやす、そのために県民力を合わせて協力してください、こういう訴えが私は欲しかったと。
 厳しい中でこそ県民は、上を向いて、新知事のもとに団結して県勢、和歌山を元気にする展望を示してほしかったように思うんですが、感想を聞かせていただきたいと思います。
 次に、全く今度は今の展開と──具体的な問題で御質問したいと思います。
 十九年度予算の具体的な点で問題提起をしたいと思うんですが、一つは、私、いろいろと緑の雇用事業について今まで質問してきました。これも、選挙で私が山村地域を歩いていく中で感じたことを具体的に当局の見解を求めたいと思います。
 これまで県が進めている緑の雇用事業は、雇用面でも仕事面でもIターン者を専門にしており、そのため、従来熟練の山林就業者の仕事が減ってきてるのが現状であります。これは、私自身が全く多くの人の見解を聞きました。それで改めて、当局はそういう立場ではないのか、そうでなくて、そういう従来の熟練の山林就業者に対してそのようなことをしていないのか、県のお考えを聞きたいと思います。
 次に、緑の雇用による仕事が森林組合中心に振り向けられてきた中で、地域の建設業で働く人々にも森林整備に参入できるシステムをつくる必要があるということも、たびたび私は述べてきました。しかし、いまだに改善されておりません。できないのであれば、その問題点は何でしょうか。農林水産部長にお尋ねしたいと思います。
 次に、公共投資依存からの脱却と雇用の創出についてであります。
 公共投資依存からの脱却と雇用の創出ということは、これは国も早くから、バブルがはじけた以降、これを述べられております。和歌山県も、私もこの問題については、平成十五年だったと思いますが、問題提起をしながら県当局に対して、こういう公共投資に依存してきた県下六千五百業者の土木・建設業が一番打撃を受けることであり、しかも地方経済の基幹部分を占めてきたことは、土木・建設業者だけでなく、ここで働く人たち、またその公共事業が地方経済を大きく支えてきたこと、この事実に立って、とりわけそこで働いている人たちは中高年者ですし、そのほとんどの人たちは雇用保険は適用されておりません。
 そこで、私は県に対してお尋ねしたい。県は、これに対する対策を今までどうとってきたのか。その成果はどの程度進んでいるのでしょうか。
 次に、その要望ですけども、事業者対応だけでなくて、そこで働く人たち、働いている人たちへの雇用保険もない人たち、そういう人たちの雇用対策の相談を含めた対応策について、今後、県当局としてその窓口を、商工労働部に置くのか、建設部に置くのかはわかりませんが、ぜひともそういう窓口をつくっていただきたい。このことを要望したいと思います。
 次に、地域医療支援体制の果たす役割についてであります。
 これについては、知事の予算説明では、「地域の公立病院等における医師不足解消に向けましては、昨年十月から県立医科大学に委託している地域医療支援体制づくり」としていますが、国においては、二〇〇二年に新医師確保総合対策で示された、医師不足を解消するためには地域医療支援体制の組織をいかに強化するかが問われております。和医大と県行政と地域公立医療機関が年に何回か集まって会議をするだけでは、現実に医師確保は到底望めないと思います。
 和歌山県は、全国的水準の医師確保を充実していると言ってますが、それは和歌山市に集中しているからです。県下に適正な医師の派遣機能の役割は、この地域医療支援体制の役割が今必要です。県当局としてこの組織を生かし、医師の適正配置と医師確保をどう考えているのでしょうか。このことについてお尋ねしたい。
 例えば、がん死亡率ワースト五位の和歌山として、知事の説明がありました。がん診療連携拠点病院の機能を強化して診療体制の整備充実を図るとしていますが、その拠点病院が専門医不足で本来の機能を果たせない実態になったときにはどうなるのでしょう。地域医療支援体制機関が事前にそれに対応できるシステムになっているのでしょうか。福祉保健部長にお尋ねしたいと思います。
 次に、農業・林業振興での県行政の果たす役割についてであります。
 日本の農林業を取り巻く状況は大変厳しいものがあります。生鮮食品や加工食品、外食業の最終消費量のうち、国内で生産されるのは一三%で、八七%は輸入に依存していますし、林業は八割が外材で、二割が内地材です。
 しかし、この状況を打開するため、今、全国的にも県下的にも、みんなが努力しています。和歌山の農産物や林業産地では、ただ単に生産するだけでなく、付加価値をつける加工、ブランド化をして、生産地、生産者の顔の見える販売戦略へと変革しています。農業・林業を中心とした生産産地の地域づくりは、ただ単に生産するだけでなく、農林業の生産、加工、付加価値を加えた販売、そしてその生産地と都市を結ぶグリーンツーリズムであり、地域観光と結んだ地域活性にトータル的な政策が今求められています。
 また、この産業は、リサイクル、バイオマス事業というテーマでの持続的産業としても拡大されているものです。和歌山県は果樹王国日本一、森林面積七七%を占める中で、地域と行政が協力してどう構築していくかが今問われています。
 そこで、お尋ねします。
 一つは、十九年度予算では農林の個々の施策は示されていますが、生産、加工、付加価値、販売を初め、持続させる循環型事業、観光が、その地域産業の特性をトータル的に農業、林業、工業、そして商業観光として政策化し、地域活力支援の県行政の共同プロジェクトとしての組織が必要ではないのか。それをトータル的に保証する予算が求められていると思うんですが、いかがでしょうか。
 まず、核となる農業において、生産、加工、流通、販売に至る総合的な推進が必要であると思いますが、いかがでしょうか。
 二つ目は、地球温暖化による農林水産業に与える影響と対策についてであります。
 二十一世紀末は地球の平均気温は最大六・四度上昇すると予測した国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告は、温暖化によって植生気候帯が大幅に北上してきていることによって農産物の産地の変化、既存作物への影響が既に起こっています。私は、平成十五年の二月議会において、植生気候帯の変化と農産物への影響調査をテーマに、各試験場で研究体制に入ることを提言いたしました。
 農林水産省は、ことしのその一月の国連のIPCCの報告を受けて、地球温暖化が農林水産業に与える影響とその対策について、対策推進本部を開き、温暖化の影響を詳しく分析する、作付時期の変更や品種転換の可能性を探るなどの具体策をまとめるとしています。県として、和歌山の基幹産業である農林水産業を振興させるため、地球温暖化による農林水産物への影響を研究テーマに、これらの主要な柱として積極的に取り組むべきと考えますが、農林水産部長にお尋ねします。
 次に、地場農産品についてと企業誘致であります。──時間がございませんので。
 和歌山ブランド農林水産物を生かし、関連する食品加工・飲料メーカーと提携した企業誘致を進めることが、企業城下町でなく、地元資源を生かした企業として定着するものと私は考えます。
 今、例えば紀南農協は、梅のしょうちゅうを限定品としてつくりました。紀州南高梅を原料にして、製造は九州宮崎県でされました。少し残念ですけど。梅酢から塩分を取り除いたエキスは食料メーカーに提供されています。ほかにもいろんな地場産品を生かした研究開発もされています。そういう意味では、地場産品と食品・飲料メーカーが提携すれば新しい商品開発を初め企業立地が進むのではないかと私は考えるのですが、商工労働部長にお尋ねいたします。
 林業振興についてでありますが、紀州木材の最上の需要先は木造住宅であります。したがって、紀州材の販路拡大のためには、住宅を建てる工務店や建築士の方々がどんな製品を望んでいるのかということの実態をどう把握し、その需要にこたえるためにどう対策を講じていくのか、また試験研究機関をどう有効に活用していくのか、お尋ねしたい。
 また、小規模森林所有者が約八〇%を占める現在の和歌山県の森林所有者、これに対してほとんどが放棄される実態であります。県はどう対応していくのか、農林水産部長にお尋ねします。
 次に、私が今このテーマで非常にひしひしと身に感じている地球温暖化防止対策についてお尋ねいたします。
 地球温暖化防止は、県行政の柱であります。和歌山地方気象台によりますと、一月の平均気温は七・二度。平年時の五・九度を一・三度も上回る暖かさで、一月の平均気温としては、昭和四十七年の八・三度、平成元年の八・〇度に次ぐ過去百二十七年の観測統計で三番目の暖かさでありました。雪不足や野菜のとれ過ぎによる値下がりなど、この冬は日本列島は各地で歴史的な暖冬異変に見舞われております。
 本県においても例外ではありません。地球温暖化は農産物の栽培適地、とりわけ温州ミカンの栽培が約五十年後には南東北の沿岸部にまで北上するのではないかという現在の適地問題も指摘されております。
 先ほど述べました気候変動に関する政府間パネル(IPCC)会議はフランスのパリで開かれ、地球温暖化の実態と今後の見通しについての自然科学的根拠に基づく最新の知見がまとめられました。
 元アメリカ副大統領のゴア氏の映画「不都合な真実」が国際的な反響を呼び、またせんだっての一月二十四日には、世界経済フォーラム年次総会ダボス会議は、本当に地球温暖化問題に集中したこと、しかもIPCC会議の地球温暖化の科学的根拠が認識され、経済最優先、つまり化石燃料、石油依存への警告がなされました。それほどに、今や気候変動ではなく気候崩壊、温暖化防止コストの方が被害に伴うコストよりもはるかに安いと世界経済フォーラムで指摘されたところであります。
 二十一世紀末の地球の平均気温は二十世紀末比最大六・四度上昇すると予想するとともに、北極海の流氷が二十一世紀後半では完全に消滅するということも、今、新しい見解が述べられました。地球温暖化による危機は現実に近づきつつあり、その影響は拡大してると思います。
 私は、地球温暖化がそういう意味で一地方の取り組みだけでは解決できない問題であるとは十分承知していますが、人類存亡の危機が感じられる今、将来の世代が和歌山で健康で豊かに暮らしていくため、私は地球温暖化防止を県行政の柱として積極的に取り組むべきだと考えますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。
 次に、温暖化対策に果たす県民の役割についてですが、地球温暖化は我々が石油や石炭などの化石燃料を使用することで生じたということで、私たち一人一人がその原因者としての側面を持ち、そのため、一人一人がこれまでのライフスタイルを見直し、新たな行動規範を示すことが重要であり、その意味で、地球温暖化対策は政府任せということでなく、地域から、市民レベルからの幅広い取り組みが極めて重要と考えております。
 昨年三月に県が策定しました和歌山県地球温暖化対策推進計画では、県民、事業者、行政がみずからの役割に努めるとともに各主体間の連携が重要であり、県民の役割は、みずから省エネルギーの活動を行うとともに、周囲に地球温暖化に関する知識や取り組みについて広げていくことが述べられています。その延長として、今議会に提出されている和歌山県地球温暖化対策条例は、時宜を得たものとして高く評価したいと思います。
 しかし、県民、企業、行政が具体的な地球温暖化防止のための実践目標を立て、地域でいかに日常的に取り組むかが大切ですし、その輪を広げていくことがかぎだと考えています。温暖化対策に果たす県民の役割について、環境生活部長にお尋ねします。
 最後に、津波対策では一点だけです。
 昭和南海地震で実際被害を受けた住民の声を聞いてください。避難路──まず逃げるということは皆さんも自覚しています。避難路、避難場所の確保、逃げ切れない地域は避難タワー、堤防をかさ上げする、それはよく言われておりますが、それでも市民は大変不安に感じています。
 そこで、どの地域にどのような対策をいつまで実施するかという具体的な津波対策についての計画を、そういう一番被害をこうむった地域、市民、県民にきちっと提示する時期に来ているんではないかということ。そのことによって安心感を覚え、いつ来るかわからない、何も対策が講じられていない不安の中で毎日を過ごしている人たちに、あなたの地域は、いつ、このような対策を立てていきますよという展望をぜひ示してほしいということをお願いしたいわけです。これについても当局の見解をお聞きしたいと思います。
 以上で、第一回の質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの原日出夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 昨年の選挙期間中、多くの方から、「霞ケ関の人に期待していたのに、前知事に裏切られた。あなたは裏切らいでしょうね」ということを言われました。このような県政に対する信頼を失った方々が何人か棄権されたことが、投票率が低かった原因の一つと私は思っています。こういった気持ちから投票しなかった皆さんには、私の県政で実績を示して納得していただくように努めたいと考えております。
 先月の臨時県議会の冒頭に申し上げましたとおり、私を含め、県庁職員が一丸となって懸命に働くことで県政の信頼を取り返すということを図っていく所存でございます。
 次に、官製談合防止、あるいは議員のおっしゃる裏金問題、そういうことについてのお話でございます。
 まず、木村前知事の私的な懇親会あるいは親睦会の資金の管理に県の職員がかかわったということでございますが、前知事が職員にこういうものに関与させたということは公私混同として許されないものであると私は思います。この点がこの問題の最大の問題点であると考えております。私は、そうした私的なことを職員にさせるつもりは絶対にありませんが、今後、こうしたことについても十分対応できるような制度をつくってまいりたいと考えております。
 次に、今回の談合事件の解明についてでございますが、現在、検察庁が徹底的に事実関係の調査を行っている、それで公判になるというところでございます。いずれ司法によりこの問題が解明され、明らかになるものと考えております。
 県といたしましては、既に御承知のように、談合をなくし、清潔で透明な県政を実現するため、一月早々に有識者から成る公共調達検討委員会を設置しました。この公共調達検討委員会では、県の公共調達制度の検証を進め、談合の再発を防止するとともに、最も効率的かつ効果的な公共調達制度の構築について御提言をいただくことになっています。
 私といたしましては、公共調達検討委員会からの御提言を受け、これを、議会を初めとする県民の皆さんの意見を聞きながら、だれが運用してもきちんとできるような、あるいはああいうことが二度と起こらないような、そういうシステムをつくることが一番大事だと考えております。
 次に、意見を聞くことについてでございます。
 机上の理論だけではなくて、全市町村を訪問し、県民から直接意見を聞くという現場主義が非常に大事だというふうに私は考えておりまして、一月の臨時会でも申し上げたとおりであります。
 御指摘の県民対話につきましては、既に開始しております。既に多くの方の意見をお聞きする中で、県行政に対する厳しいお話もいただいております。今後も、さまざまな意見に対し真摯に耳を傾けて、県民の皆さんと率直な意見交換を行いながら県の実情について現場から学んでいこうと考えております。
 今月に入り、県民対話の一環として紀の国いきいきトークを始めました。さらに、もっともっと多様なやり方で精力的に各市町村を回りまして、できるだけ多くの方の生の意見をお聞きしてまいりたいと考えております。
 それから、予算案に関連いたしまして、数値目標のお話がありました。
 提案説明に数値目標を設定すべきではないかという御質問でございますが、私は、行政のみで、あるいは行政の力のみで解決が困難な分野についてまで数値目標を設定するということは、説明責任という観点から、必ずしも常に適当であるというふうには考えておりません。本県の今後の方向を示すビジョンとして、既に御提案申し上げておりますように、長期総合計画を策定するように考えております。この中で、必要に応じまして県政の目標もお示ししていきたいと考えております。
 それから、地球温暖化防止対策についてでございます。
 地球温暖化問題は、その影響の大きさ、深刻さから見て人類の生存基盤にかかわる最も重要な問題の一つでありまして、喫緊に取り組むべき課題であると認識しております。このような考え方のもと、今議会に和歌山県地球温暖化対策条例案を提出させていただいておりますが、環境問題を県行政の柱の一つとして位置づけ、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 農林水産部長西岡俊雄君。
  〔西岡俊雄君、登壇〕
○農林水産部長(西岡俊雄君) 緑の雇用事業につきましては、山村地域における森林整備の担い手が減少し、高齢化が進む中、U・Iターン者の受け入れなど、都市部からの人口流動を図り、若い担い手づくりを進めてまいったところでございます。
 その結果といたしまして、森林作業員数は百二十名増加いたしてございまして、県全体で約七百名、そのうちU・Iターン者につきましては約百七十名でございまして、平均年齢につきましても四十七歳と、十歳若返りを見たところでございます。こうした担い手全体の定着を図るという観点から、従来の森林整備事業に加えまして、必要な事業量確保に努めてきたところでございます。
 今後は、森林作業員の技術・技能の向上、また林業事業体の強化等による林業の再生を図るなど、雇用の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、建設業に従事する方々の森林整備への参入についてでございますが、森林整備を進める上で、技術面また森林所有者との調整といったことから、森林組合が中心となって実施をしてまいりました。今後は、低コスト林業を推進する中で、作業道整備等におきまして、地域の建設業の方々の技術活用、こういったものも必要と考えてございます。
 次に農業振興について、まず一点目、農業における生産から加工、流通、販売に至る総合的な施策の推進についてのお尋ねがございました。
 議員御指摘のように、農業を核とした地域振興を実現するためには、生産から加工、流通、販売までを総合的に視野に入れた戦略を立てていくことが重要でございまして、昨年十月には、豊かな農業経営に向けた施策を推進するための和歌山県農業振興指針を作成・公表いたしまして、関係機関と連携して取り組みを進めてきておるところでございます。
 それに加えまして、現在、県産農産物の販売を促進するための具体的な戦略を立てるべく、流通経路及び市場の実態、また加工による販売促進の可能性についての調査も含めまして、生産、加工、流通、販売の各方面から総合的に検討を加えているところでございまして、そのための体制づくり、こういったものも進めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、地球温暖化に着目した試験研究に関する御質問がございました。
 議員御指摘のように、農業分野におきましても、地球温暖化に伴い、農作物の栽培適地の変化、また新たな病害虫の発生といった影響が大変懸念されているところでございます。こうしたことから、本県におきましては、十六年度から順次ではございますが、温州ミカン、米、梅、実エンドウ、スターチスといった作目につきまして、温暖化に対応した試験研究に着手・実施しているところでございます。
 議員のお話にもございましたが、農林水産省におきましても、これまでの取り組みに加えまして、実際に温暖化が進んだ場合に備えた具体策、こういったものの検討に着手したと聞いているところでございます。こうした国における検討状況の把握に努めるとともに、試験研究の重要な柱として地球温暖化に着目した課題、こういったものに取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、林業振興についてのお尋ねでございます。
 まず、紀州材の販路の拡大につきましては、工務店や建築士との連携が必要であると認識してございます。このため、今年度、製材・住宅業界等の参加を得まして、紀州材・家づくりフェアを開催いたしまして、これら業界の交流を進めるとともに意見交換会を実施したところでございます。今後は、需要と供給の情報が共有できるネットワークの構築を進めるとともに、需給のマッチングがなされるよう推進してまいりたいと思ってございます。
 また、林業試験場におきましても、民間企業や建築士などが参画する協議会、こういったものを設けてございまして、その場でさまざまに提言をいただいているところでもございます。今後ともこうした民間ニーズを試験研究に反映するよう努めてまいります。
 最後になりますが、小規模森林所有者の問題につきましては、先ほども申し上げました低コスト林業を推進する中で、所有者の理解と協力を得ながら施業の集約化、また団地化を進め、森林の適正な管理等がなされるよう努めてまいりたい、このように考えてございます。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 公共投資依存からの脱却と雇用の創出についてというお尋ねがありました。
 建設産業は、地域の経済や雇用を支えるとともに、災害時には欠かすことのできない基幹産業であります。しかしながら、建設投資額の大幅な減少に伴い過剰供給構造となっており、今後とも公共投資につきましては抑制されることが予想される中、経営環境はさらに厳しい状況になると思われます。
 このため、県では、技術力、工事遂行能力の向上とともに、意欲のある建設業者の経営多角化及び新分野への進出を支援するため、平成十七年一月、各振興局建設部に建設業相談窓口を設置し、進出相談、情報の提供等を行うとともに、講演会などを開催し、新分野進出の機運を高めるべく努めております。
 また、中小企業診断士などの専門家を派遣するアドバイザー派遣事業も実施しております。現在までの相談件数は、農業、福祉、環境などの分野で計三十八件、アドバイザー派遣件数は七社、延べ十一回実施しております。
 なお、新年度予算案にアドバイザー派遣やセミナー開催のための所要の予算を計上しており、新分野進出に取り組む建設業者の支援を行ってまいります。
 今後も、地域の雇用を支える建設業者の健全な発展・育成を図るため、経営基盤の強化、研究開発の促進にも取り組んでまいります。
○議長(向井嘉久藏君) 福祉保健部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○福祉保健部長(小濱孝夫君) 地域医療支援体制の果たす役割についてお答えいたします。
 地域における医師不足を解消するためには、医師を養成する県立医科大学、医師を受け入れる医療機関及び行政の三者が連携して取り組んでいく必要があります。県におきましては、地域医療を担う医師の養成・確保や効率的な配置等の対策の方向性が示された医療対策特別委員会中間報告に基づき、県立医科大学等の関係機関と連携を図りながら、医師の確保や地域偏在、診療科偏在の解消に向け、さまざまな施策を実施しているところであります。
 さらに、医師不足が深刻化する中で早急な対策が必要であるため、十九年度予算案におきまして、引き続き県立医科大学に効率的、効果的な地域医療支援体制づくりを委託することとしております。県といたしましては、この事業を活用して、医師不足により診療体制の維持が困難となった地域の中核的医療機関に対し、県立医科大学と連携しながら、緊急避難的な医師供給や医師派遣の調整などを通じて地域における診療体制の維持に努めてまいります。
○議長(向井嘉久藏君) 商工労働部長下  宏君。
  〔下  宏君、登壇〕
○商工労働部長(下  宏君) 地場農産品を生かした企業誘致についてでございますが、本年度の企業誘致戦略において、企業の設備投資状況や関西空港への近接性、港湾施設など本県の持つ強みと各地域、用地の特性などにより誘致対象業種を定めているところであります。
 議員御提言のように、和歌山県には豊かな農林水産物があり、これらの活用が可能な食料品製造業や木材・木製品製造業についてもターゲットとして誘致活動を展開しているところでございます。今後につきましても、本県の特性や強みを生かした企業誘致に取り組んでまいります。
○議長(向井嘉久藏君) 環境生活部長楠本 隆君。
  〔楠本 隆君、登壇〕
○環境生活部長(楠本 隆君) 地球温暖化対策に果たす県民の皆様の役割についてお答えを申し上げます。
 地球温暖化対策の推進には、県民の皆様方の地域における幅広い取り組みが大変重要であると考えております。具体的には、各家庭でお一人お一人がみずから省資源・省エネルギー活動を実践することや、資源の再利用あるいは分別・リサイクルによる廃棄物の削減などを行うとともに、地域で地球温暖化防止に取り組む輪を広げていくことが必要と考えております。
 県といたしましては、既に委嘱をしております百十六名の地球温暖化防止活動推進員の皆様方とともに地域や家庭での取り組みを強化することが重要であると考え、地方公共団体と住民の皆様方が一体となって地球温暖化対策を推進する地球温暖化対策地域協議会の設立を支援してまいりたいと考えております。
 また、温室効果ガスの排出がふえている家庭部門での着実な削減を進めるため、地域での講習会等に地球温暖化防止活動推進員を派遣する新たな事業を行うほか、引き続き推進員の養成・委嘱に取り組み、地域リーダーの育成に努めてまいります。
 もとより地球温暖化対策は、県、事業者、県民の皆様それぞれ一体となって取り組むことが何よりも大切であります。今後とも環境と経済が両立した持続可能な社会の構築に向け、より一層積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 危機管理監石橋秀彦君。
  〔石橋秀彦君、登壇〕
○危機管理監(石橋秀彦君) 津波対策についてお答え申し上げます。
 東南海・南海地震の津波対策につきましては、現在、和歌山県地震防災対策アクションプログラムや防災に関するさまざまな事業など、ハード・ソフト両面で総合的な対策を行っているところでございます。
 議員御質問の具体的な津波対策につきましては、限られた予算の中で効率的に事業を実施していくため、県土整備部と危機管理局が連携して、本年一月に学識経験者等から成る津波から「逃げ切る!」支援対策プログラム検討委員会を立ち上げたところでございます。本委員会では、県で実施した津波被害予測結果などに基づき避難困難地域の抽出を行うとともに、その解消等を目的とした防潮堤のかさ上げや避難路・避難地の整備など、地域ごとに最も有効な対策メニューや優先順位等のルールづくりの検討を行っており、本年十月を目途に津波から「逃げ切る!」支援対策プログラムを策定し、平成二十年度より順次事業に着手してまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十八番原 日出夫君。
○原 日出夫君 知事から、いわゆる秘書課が預かった裏金の──私は金額ははっきりしませんが、あくまでもマスコミでは六千万と言われているお金が、どう取り扱われていったのかと。ただ、知事個人という意味での会がやったんであれば僕は別に問題ないと思うんですが、秘書課職員が公の立場でそれを取り扱い収支に関係してきたという部分では、これは避けて通れんと思うんですね。公的責任を負うてるんですから。
 だから、それに対して──知事の答弁はそれでよくわかります。私はこういうことでやっていきたいし、こうしたいと、そういうことはあり得ないと、こう言ってるんですから、それを私は信頼したいと思うんですが。ただ、その時点で、前知事がやったその事実については、私たちの全員協議会が、ここで行ったときに、庁内いわゆる県庁内で内部調査委員会をつくって、その事実の真相をきちっと解明しますということを、我々全員協議会全議員が申し入れたことに対して、その答弁をいただいているんですよね。そのことについての真相解明を我々は期待してるわけです。
 だから、そのことについて私は置き去りにされてるんではないかと。だから、その点を、やっぱりいずれにあっても当局が、この問題についてこうであったと、こういう事実であったと、そういうことをきちっと県民に明らかにしていかないと、私は、知事がせっかくこれからやろうということに対しても、一定の総括があってこそこれからの方針があるんですから、その点をぜひともお願いしたいと思うんです。
 後でまた質問もあると思うんで、これは、私は私の見解として述べておきたいと思います。
 次に地域医療の支援体制ですけど、知事も言うてるように、県が和歌山医大に対して委託してたということなんですけど──地域医療支援体制の業務についてですよ。私は、それを和医大にだけ委託してこういう協議会をつくっていこうとしても、過去のデータを見ますと──各医師、各病院のデータの本、ちょっと取り寄せたんですけど、それだけではなかなか進んでないんです。何かというと、やっぱり県が主導して事務局的責任を負いながら和医大や、それに困っている地域公立病院の希望を聞いて県がきちっと指図せなんだら、うまいこといけてないんです。
 それと、地域によっては医師が非常に不足してきた、地方において非常に医師不足だというたときに、和医大だけ頼るという今までのシステム──結局、医大の医局が、国公立病院の医局が、非常にもう力が今までのようにはなくなってきたと。ある若い医師に、あそこへ行け、ここ行けという時代ではなくなってしまっていると。だから、そういう意味では、非常にそういう今までの学閥、派閥というんですか、京大出、阪大出、和医大出であれば、その人が地方の院長なり医者におれば引っ張ってこれるという時代はもう既に終わったと。そういう意味では、そのためには、地域医療機関のこの支援機関が果たす以外、もうなくなってきたんです。
 それが、先進的なところでは、今まで、我々、和医大へ委託したけども、和医大だけでは医師が確保できない場合は他の医局、大学病院の医局にもお願いをするという立場を県行政はとらなかったら、例えば関西で言えば阪大とか京大とか、そういう分野にも枠を広げた形でのこの支援体制でなかったら、なかなか口だけで言っても成功しないと思う。その体制も枠を超えた体制をぜひとっていただきたいと、こういうことを希望したいと思います。
 最後になりますけど、津波対策について、私、これでもう非常に自信持ちました。やっぱりこういうふうにして津波から逃げ切ることによって、あなたのとこは平成二十年ですよ、二十五年ですよ、二十七年ですよというふうに具体的に、本当に時間はかかってもその時期来たらやってくれるんやという展望、きちっとした目標があれば、非常に自信として持てると思うんです。それまではいつ起こっても自分が逃げ切ると、こういう部分での意識の中で県行政を信頼しながらこの防災対策に取り組んでいけるんではないかと思います。
 以上で終わらしていただきます。ありがとうございました。
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で原日出夫君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時四十八分散会

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