平成19年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


県議会の活動

平成十九年二月 和歌山県議会定例会会議録 第三号
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議事日程 第三号
 平成十九年二月二十一日(水曜日)午前十時開議
  第一 議案第二十号から議案第三十三号まで、議案第五十三号及び議案第七十八号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
  第二 議案第四号から議案第十九号まで、議案第三十四号から議案第五十二号まで、議案第五十四号から議案第七十七号
     まで、及び議案第七十九号から議案第八十八号まで(質疑)
  第三 一般質問
会議に付した事件
   一 議案第二十号から議案第三十三号まで、議案第五十三号及び議案第七十八号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
   二 議案第八十九号から議案第九十一号まで(当局説明)
   三 議員提出議案第一号(提出者説明)
   四 議案第四号から議案第十九号まで、議案第三十四号から議案第五十二号まで、議案第五十四号から議案第七十七号
     まで、及び議案第七十九号から議案第八十八号まで(質疑)
   五 一般質問
出席議員(四十四人)
     一  番       須   川   倍   行
     二  番       尾   崎   太   郎
     三  番       新   島       雄
     四  番       山   下   直   也
     五  番       小   川       武
     六  番       吉   井   和   視
     七  番       門       三 佐 博
     八  番       町   田       亘
     九  番       藤   山   将   材
     十  番       浅   井   修 一 郎
     十一 番       山   田   正   彦
     十二 番       坂   本       登
     十三 番       向   井   嘉 久 藏
     十四 番       大   沢   広 太 郎
     十五 番       平   越   孝   哉
     十六 番       下   川   俊   樹
     十七 番       花   田   健   吉
     十八 番       前   岡   正   男
     十九 番       小   原       泰
     二十 番       前   芝   雅   嗣
     二十一番       飯   田   敬   文
     二十二番       谷       洋   一
     二十三番       井   出   益   弘
     二十五番       東       幸   司
     二十六番       藤   本   眞 利 子
     二十八番       原       日 出 夫
     二十九番       冨   安   民   浩
     三十 番       野 見 山       海
     三十一番       尾   崎   要   二
     三十二番       中   村   裕   一
     三十三番       浦   口   高   典
     三十四番       角   田   秀   樹
     三十五番       玉   置   公   良
     三十六番       江   上   柳   助
     三十七番       森       正   樹
     三十八番       長   坂   隆   司
     三十九番       阪   部   菊   雄
     四十 番       新   田   和   弘
     四十一番       松   坂   英   樹
     四十二番       雑   賀   光   夫
     四十三番       藤   井   健 太 郎
     四十四番       村   岡   キ ミ 子
     四十五番       松   本   貞   次
     四十六番       和   田   正   人
欠席議員(なし)
 〔備考〕
     二十四番欠員
     二十七番欠員
説明のため出席した者
     知事         仁   坂   吉   伸
     副知事(総務部長事務取扱)
                原       邦   彰
     知事公室長      野   添       勝
     危機管理監      石   橋   秀   彦
     企画部長       高   嶋   洋   子
     環境生活部長     楠   本       隆
     福祉保健部長     小   濱   孝   夫
     商工労働部長     下           宏
     農林水産部長     西   岡   俊   雄
     県土整備部長     宮   地   淳   夫
     教育委員会委員長   樫   畑   直   尚
     教育長        小   関   洋   治
     公安委員会委員長   大   岡   淳   人
     警察本部長      辻       義   之
     人事委員会委員長   西   浦   昭   人
     代表監査委員     垣   平   高   男
     選挙管理委員会委員長 山   本   恒   男
職務のため出席した事務局職員
     事務局長       山   本   庄   作
     次長         植   野   博   文
     議事課長       下   出   喜 久 雄
     議事課副課長     薮   上   育   男
     議事班長       土   井   敏   弘
     議事課主査      石   垣   悦   二
     議事課主査      湯   葉       努
     総務課長       島       光   正
     調査課長       辻       和   良
 (速記担当者)
     議事課主査      中   尾   祐   一
     議事課主査      保   田   良   春
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  午前十時二分開議
○議長(向井嘉久藏君) これより本日の会議を開きます。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十時二分休憩
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  午前十一時四分再開
○議長(向井嘉久藏君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第一、補正予算等議案、議案第二十号から議案第三十三号まで、議案第五十三号及び議案第七十八号を一括して議題とし、順次、常任委員会委員長の報告を求めます。
 農林水産委員会委員長浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(浅井修一郎君) 農林水産委員会における審査の経過並び結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案四件であります。
 委員会は、二月十六日、第四委員会室において開催し、農林水産部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第二十号から議案第二十二号までは全会一致をもって、議案第七十八号は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託議案に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、予算の取り扱いについて、和歌山のトマト契約栽培支援事業についてただされました。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 建設委員会委員長尾崎太郎君。
  〔尾崎太郎君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(尾崎太郎君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案五件であります。
 委員会は、二月十六日、第五委員会室において開催し、県土整備部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第二十号、議案第二十六号、議案第二十七号、議案第三十号及び議案第七十八号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託議案に係る質疑項目を申し上げますと、一般会計補正予算における土木災害復旧費の減額理由についてただされました。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願いいたします。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 文教委員会委員長坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(坂本 登君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案二件であります。
 委員会は、二月十六日、第六委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第二十号及び議案第二十四号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上をもちまして、文教委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 総務委員会委員長花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(花田健吉君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案五件であります。
 委員会は、二月十六日、第一委員会室において開催し、出納室、人事委員会事務局、監査委員事務局、選挙管理委員会、県議会事務局、知事公室、企画部、総務部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第二十号、議案第二十八号、議案第二十九号、議案第三十一号及び議案第七十八号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託案件に係る各委員の質疑項目を申し上げますと、人権課題克服のための調査・支援事業に係る人権課題現況調査について、加太菜園株式会社への企業立地促進奨励金についてただされました。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 福祉環境委員会委員長角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会委員長(角田秀樹君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案三件であります。
 委員会は、二月十六日、第二委員会室において開催し、環境生活部、福祉保健部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第二十号、議案第三十二号、議案第五十三号は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託議案に係る各委員の主な質疑項目を申し上げますと、環境生活部関係では、合併浄化槽の整備推進についてただされました。次に福祉保健部関係では、障害者自立支援法の円滑な運営及び法施行に伴う支援について、重度心身障害者医療費補助について、小児科・麻酔科医確保対策についてただされました。
 以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 経済警察委員会委員長須川倍行君。
  〔須川倍行君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(須川倍行君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案四件であります。
 委員会は、二月十六日、第三委員会室において開催し、公安委員会、商工労働部・労働委員会の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第二十号、議案第二十三号、議案第二十五号及び議案第三十三号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、公安委員会関係で、恩給及び退職年金と退職手当について、団塊の世代に当たる警察職員の退職等の状況についてただされました。
 以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 以上で、常任委員会委員長の報告が終わりました。
 これより委員長の報告に対する質疑に入ります。
 質疑はありませんか。──質疑なしと認めます。
 次に、討論に入ります。
 村岡キミ子君から反対討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 四十四番村岡キミ子君。
  〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 議長のお許しをいただきましたので、早速討論いたします。
 日本共産党県議団を代表いたしまして、議案第二十号、二十三号、二十五号、七十八号に反対の立場から討論を行います。
 補正予算案の大きな特徴は、県税収入が当初の見込みより八十二億円ふえ、基金からの繰入金が八十六億円減少していることです。歳出では、十七億円を財政融資資金に繰り上げ償還を行っています。基金にも七十億円の積み立てを行いました。この結果、各種基金の残高合計は、十七年度末の七百六十九億円から八百十四億円に、四十五億円の増加となりました。こうした財政状況は、連続して行われている職員給与のカットや県単老人医療費のこの間の大幅な削減など、県民、職員の犠牲の上に成り立っていることを指摘したいと思います。
 議案第二十号は、平成十八年度一般会計補正予算で、歳入・歳出それぞれ百十二億二千七百八十万五千円を減額するものであります。
 民生費・社会福祉総務費において、重度心身障害児(者)医療費支給が二億一千四百六十二万八千円減額されております。この事業の当初予算は約十八億二千万円でありましたが、減額補正額は一二%の削減にもなります。
 申し上げるまでもなく、県は、昨年八月一日から、六十五歳以上で新たに重度心身障害者となった人をこの制度から除外する制度改悪を行いました。その影響額は約六千万円とされていましたが、それをはるかに超える減額補正は、制度改悪を行わなくても財源的には全く問題がなかったことを示しています。
 また、老人医療費県単独支給においても一千百九十五万円を減額補正していますが、当初予算額六千百九十万円の一三%です。この制度では、かつては三万人以上いた受給対象者が所得制限の強化によって千人強にまで減少し、多くの方が対象者から外されてしまいました。障害者や高齢者に多大な負担を強いるこうした制度改悪の見直しを求めるものであります。
 こうした点からも、補正予算を認めることはできません。
 なお、同じ社会福祉総務費において、障害者自立支援特別対策として四千五百五十万円が計上されています。これは全額が国庫負担ですが、二十五カ所の障害者小規模作業所に、一カ所当たり百十万円を緊急支援するものであります。
 日本共産党県議団は、去る二月、六月、九月県議会において自立支援法の問題点を指摘し、自立支援法の施行によって応益負担という名で障害者には利用料の重い負担が課せられ、利用をやめたり回数を減らす人がふえています。また作業所には、県の補助がなくなるという中で運営が困難を来していることから、県の支援を求めてきたところです。しかし、県は、かたくなにこれを拒否してきました。
 今、国も自立支援法に重大な問題点があるということを認め、障害者の負担上限額を見直す事態になっているのですから、県として応益負担の廃止を国に求めること、同時に、働いて受け取る賃金よりも支払う利用料の方が高いという根本的な問題点を解消するために利用料負担の軽減策に踏み出すことを強く求めたいと思います。
 議案第二十三号は、中小企業振興資金特別会計で一億一千二百四十万一千円を減額補正するものです。この特別会計は、九十二億円の同和高度化資金の滞納を抱え、将来の県民負担が心配されるところです。県が償還指導室を設置し、償還に努めていることは認めるところですが、なぜこうした事態を招いたのか、真摯な反省と原因解明なしには県民の理解は到底得られないと考えます。
 議案第二十五号は県営競輪事業特別会計補正予算であり、公営ギャンブルに頼らない町づくりを求める立場から、議案第七十八号は建設事業施行に伴う市町村負担金であり、市町村負担金の廃止あるいは負担率の軽減を求める立場から反対をするものであります。
 以上で、討論を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) これをもって、討論を終結いたします。
 これより採決に入ります。
 まず、議案第二十号、議案第二十三号、議案第二十五号及び議案第七十八号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(向井嘉久藏君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、議案第二十一号、議案第二十二号、議案第二十四号、議案第二十六号から議案第三十三号まで及び議案第五十三号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(向井嘉久藏君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時二十二分休憩
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  午後一時三分再開
○議長(向井嘉久藏君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第三十八号から議案第四十五号まで、議案第四十七号、議案第六十六号、議案第六十七号、議案第六十九号及び議案第七十二号は、いずれも職員に関する条例案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 次に、報告いたします。
 議案の追加提出がありました。
 お諮りいたします。ただいま報告の議案第八十九号から議案第九十一号までを本日の日程に追加し、これより直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 議案第八十九号から議案第九十一号までを一括して議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず当局の説明を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいま上程されました議案について、御説明申し上げます。
 議案第八十九号から第九十一号は、平成十八年度予算のうち、用地取得の遅延等により本年度内に完了することが困難と見込まれる事業につきまして、平成十九年度に繰り越して使用することをお願いするものでございます。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようにお願い申し上げます。
○議長(向井嘉久藏君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 次に、報告いたします。
 議員提出議案の提出がありました。
 お諮りいたします。ただいま報告の議員提出議案第一号を本日の日程に追加し、これより直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 議員提出議案第一号和歌山県行政に係る基本的な計画の議決等に関する条例案を議題といたします。
 議員提出議案はお手元に配付しておりますので、まず提出者の説明を求めます。
 三十二番中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 議員提出議案第一号和歌山県行政に係る基本的な計画の議決等に関する条例につきまして、提案者を代表して、提案理由及びその趣旨を御説明申し上げます。
 昨今の地方分権のさらなる進展と三位一体改革により、地方公共団体の権限と役割は大きく拡大してまいりました。同時に、自己決定、自己責任の範囲が増大し、財政の自立性が求められたところであります。
 このような状況下、県当局は時代の要請する多種多様な要求を限られた財源で実現するためには、よほど民主的、合理的な手法を用いて、すなわち各分野において中長期的な基本計画とでも言うべき計画を策定し、その計画に基づいて日常的に行政を執行しなければなりません。
 一方、私たち県議会は、二元代表制による住民の代表機関として知事と対等の立場にありますが、多様な民意を反映する合議制の議決機関として、知事等の執行機関に対する監視、審議、修正を行い、積極的な政策提案をすることが使命として課せられています。そのため、基本計画の策定に当たっては、県議会が参画することにより知事とともに県議会も責任を持ち、透明性の高い県行政を推進することが必要であると考えました。
 そこで、昨年六月定例会中に行われた会派代表者会議において全会一致で基本計画議決条例検討会を設置し、昨年八月から主な会派の議員十三名で約半年間、八回にわたり大いに検討、議論を重ねてきた結果、その総意として本日の提案に至ったものであります。
 本条例は、地方自治法第九十六条第二項の規定に基づき、県行政に係る基本的な計画の策定や変更、廃止に議会の議決が必要とする条例を設けるものであります。主な内容としては、総合計画や分野別の基本計画を策定、変更、廃止するときには、議会の議決を要するとともに計画の立案段階で事前に議会に報告・協議するよう求めております。
 検討会では、当初、県においてどのような計画があるのか調査したところ、長期総合計画はあるものの放置された状態にあり、個別分野においては基本計画のない分野もあったことから、果たして県行政は何を指針に政策決定を行っているのか、大変疑問に思いました。改めて、本条例の意義を強く感じた次第であります。
 また、漏れなくどの分野においても基本計画が必要であるとの認識で条例案を設計しておりますが、折しも仁坂知事からは、一月臨時議会において、新たに長期総合計画を策定し、その中に各分野の基本構想を盛り込むとの表明がありましたので、まず長期総合計画を対象とし、各分野の基本計画を指定する必要があるかどうかは、新たな長期総合計画の内容を見た後に判断することにいたしました。
 議員各位におかれましては、提案の趣旨にどうか御理解、御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げ、提案理由の説明を終わります。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 以上で、提出者の説明が終わりました。
 次に日程第二、議案第四号から議案第十九号まで、議案第三十四号から議案第五十二号まで、議案第五十四号から議案第七十七号まで、議案第七十九号から議案第八十八号まで、及び追加提出議案議案第八十九号から議案第九十一号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 三十一番尾崎要二君。
  〔尾崎要二君、登壇〕(拍手)
○尾崎要二君 大変暖かい気候が続いております。もう少したちますと、桜のシーズンを迎えるわけであります。桜のシーズンと言えば、私どもにとりまして戦いの時期にもなるわけであります。
 振り返ってみますと、「若い力を県政へ」の声に励まされて、苦節四年、念願の県議会壇上において初めて質問に立たせていただいてから、はや二十年の歳月がたとうとしております。あっという間の二十年でありました。二十年という一つの節目を迎え、今日まで温かい御支援をいただいた多くの皆さんに感謝の気持ちを持ち、また今後、微力でありますけれども、県勢発展のために最大限の努力を重ねてまいりたいという気持ちで質問をさせていただきたいと思います。
 質問に入る前に、この議場には、今期をもって勇退の決断をされた先輩・同僚の議員の先生方が何名かおられます。今日まで賜りました温かい御友情に対し、心から感謝と、そして熱心に県政に取り組んでこられたその姿に敬意を表したいと思います。
 それでは、質問に入ります。
 まず、平成十九年度当初予算についてお伺いをいたします。
 我が国の経済は、バブル経済の崩壊後、長期にわたる停滞から脱却し、戦後最長と言われるほど景気の拡大期間が継続する一方で、本県では、昨年十一月の鉱工業生産指数が二カ月ぶりに対前年を上回り、また同月の有効求人倍率が前月よりもわずかでありますが上昇するなど、生産動向や雇用動向に持ち直しの動きが見られるものの、いまだ本格的な景気回復を実感するには至っていない状況であります。
 一例として、二月十七日付「毎日新聞」の朝刊によると、昨年十二月末現在の高校生の就職内定率についてでありますが、都道府県別に見てみますと、一位が富山県の九二・八%、二位が愛知県、三位が岐阜県、ワースト一位が沖縄県の五二・四%、二位が北海道、ワースト三位が本県となっておりました。平均八一・五%に対し七三・九%であるとのことであります。気がかりな数字でございます。
 国においては、昨年十二月には国と地方の役割分担の見直しに向けた地方分権改革推進法が成立し、地方分権改革推進計画に基づき、平成二十二年をめどに権限を国から地方に移すための具体的な内容を盛り込んだ地方分権改革一括法が制定される見通しとなるなど、第二期地方分権改革が新たな一歩を踏み出そうとしております。
 しかし、かけ声は「権限及び財源を国から地方に移すため」と言ってはおりますが、油断をしていると、仕事は地方に移すが、財源や権限については、省庁の中央集権的な意識のもと、決して手放そうとはしていないのが実情であります。特に地方における裁量権が認められていないような事業について、押しつけてくるような姿さえ見受けられます。
 大都市と地方の格差が大きく広がりつつある状況の中、それゆえに国の流れをよく見きわめ、全国知事会や全国議長会などを通じて厳しい状況に置かれている地方の声を力強く国に物申すことが必要であり、特に財源については、消費税についても踏み込んで地方にということを求めるべきであります。
 あわせて、本県にあっては、かつてのような力強い経済発展を取り戻すとともに、地方分権時代にふさわしい自律的な財政基盤を構築することがこれまで以上に求められております。そのためにも、「ふるさと和歌山を元気に」を目標に掲げる知事の手腕や県政のかじ取りに注目するとともに、期待をするものであります。
 さて、仁坂知事は昨年十二月に就任され、平成十九年度当初予算は、実質的に一月余りという極めて短い期間での編成を余儀なくされました。予算編成に先立ち、各部局からの所管事項の説明や予算編成の知事査定は休日返上で実施し、残業は深夜まで及んだという新聞報道に接し、私は、知事の県政に対する責任感、情熱と意気込みを感じたところであります。
 平成十九年度一般会計当初予算は、予算規模五千百七十九億円、対前年比マイナス〇・六%で四年連続の緊縮予算でありますが、知事が公約で掲げられた「清潔で透明な県政の実現」「職づくり、人づくり、地域づくり」「安心・安全の確保」「和歌山の美しさを活かした観光の振興」「楽しい和歌山の実現」という五つの政策目標を実現するため、新規事業八十六事業、三十三億円、継続事業を含めれば全体では二百九事業、総額千三百二十五億円に及ぶ事業が盛り込まれております。
 この予算案についての感想を率直に申し上げますと、派手さこそありませんが、少子化対策関連予算や防災対策関連予算などに代表されるように、和歌山元気づくり予算に向かって苦心の跡がうかがえるというのが私の印象であります。
 そこで、仁坂知事にお尋ねいたします。
 知事は、就任後初めての当初予算編成について、その発表の席上、「仁坂カラーを出すことができたし、現時点では非常に満足している」と述べられました。知事は、このように評価をされる平成十九年度予算の編成に当たって、どのような方針で臨まれたのか。
 次に、今後の財政運営についてお伺いいたします。
 平成十九年度予算編成に当たり、職員の定数削減や給与カットの継続実施などによる人件費総額の削減、県の果たすべき役割など事業の抜本的な洗い直しを行う事業の仕分けの反映、事業費予算に職員給与を加えたトータルコスト予算分析によるアウトソーシングの推進など新手法の導入による事業の見直し、インターネットを利用した県税収入率向上対策や未利用県有財産の売却による歳入の確保など、財政健全化のためのさまざまな取り組みがなされております。
 このように、歳入・歳出両面にわたる財政健全化対策を講じられたにもかかわらず、平成十九年度予算は前年度に比べると九十二億円多い百五十一億円もの収入不足が生じることとなり、この収入不足を基金の取り崩しで補充した結果、平成十九年度末の財政調整基金、県債管理基金の残高は百九十一億円で、昭和五十六年以来の二百億円を割り込む低い水準となる見込みとなりました。平成十九年度のように、これからも収支不足が生じるとすれば、財源の不均等を調整する機能を果たすべきこの二つの基金は、わずかあと一、二年で枯渇するのではないかと私は非常に危惧しているところであります。
 本県にあっては、今後も医療費や介護保険などの社会保障関係費、団塊の世代の大量退職に伴う職員の退職手当や公債費など義務的経費の増加が見込まれています。
 また、先ごろ招致を正式決定した平成二十七年度開催予定の国民体育大会については、その開催費用が過去十年で平均約四百七十億円に上ると聞いております。本県での国体の開催に際して、一部の競技を近隣府県の施設を利用して実施するといった本県独自の簡素化、効率化を図るにしても、相当の財政負担が必要になると思われます。
 このように、本県財政はますます厳しさの度合いを増していくことが十分予想されますが、私は、本県の経済を活性化するためには、萎縮することなく、県勢の発展につながる施策に積極的に取り組むことが必要であると考えております。
 このような状況にあって、知事はどのように財政を展望し、財政の健全化に取り組まれるのか、お尋ねをいたします。
 次に、談合防止と地元業者の育成についてお尋ねいたします。
 県民の信頼回復に向けた談合の再発防止に向け、現在、公共調達委員会において検討中であるとお伺いをしておりますが、知事説明にもあったように、効率性の向上、公共事業の質の確保、天の声の徹底排除と県庁の規律の確保、本県の建設業の健全な発展について指摘をされておられます。県民の信頼を得られる制度を一刻も早くつくってもらえるように強いリーダーシップを知事に求めるものであります。臨時議会でもお聞きしておりますが、再度、知事の決意をお伺いいたします。
 最近、局部的な集中豪雨等の異常気象現象が頻繁に発生しており、昨年の九月には、日高地方で最大時間雨量九十二ミリ、累計雨量三百七十九ミリの豪雨により二百棟を超える家屋浸水があり、多くの道路の土砂崩れや冠水など被害に見舞われました。このような災害のときにおける土砂の撤去や安全施設の設置等、地元の従業員を雇用し建設機械を保有している地元建設業が身の危険を冒しながらも迅速な対応をしてくれたおかげで、通行どめの早期解除や安全の確保ができたと聞いております。
 公共事業の減少、価格競争の激化で経営が苦しいにもかかわらず、従業員を雇用し、建設機械を保有し、地域に貢献するまじめな建設業が報われるようにしてほしいと思います。特に、いつ発生するかもわからない東南海・南海地震のときなど、人命救助、輸送道路の確保、ライフラインの早急な復旧には、こういった建設業の存在が必要不可欠であります。
 しかし、公共事業の減少、価格競争の激化で、建設業者として最低限の従業員や建設機械を持たない、いわゆるペーパーカンパニーが多くなり、従業員を雇用し、建設機械を保有し、地域に貢献するまじめな建設業者の経営が圧迫されている現状があります。
 そこで、県土整備部長にお尋ねをいたします。
 一番目として、従業員を雇用し建設機械等を保有する建設業者よりも何も持たないペーパーカンパニーの方が評価点数が高くなることがあると聞いておりますが、これについてお尋ねをいたします。
 二番目は、災害などの応急対策等の地域貢献をしている建設業を優遇できないか、お尋ねをいたします。
 三番目に、談合とダンピングの両面から防止対策を進める必要があると考えますが、現在の風潮では落札率が何%以上であれば談合であるなどと騒がれていますが、設計額の一〇〇%で請け負っても赤字になる工事もあると聞いておりますが、県における設計額の積算体系はどうなっているのか、お聞かせをください。
 次に、二巡目国体について質問をいたします。
 今定例会の知事説明において、「楽しい和歌山の実現」のところで、「スポーツ振興も県民に元気と自信を呼び込む重要な要素であり、さきの臨時議会では、平成二十七年度の第七十回国民体育大会を本県に招致する決議がなされたところであり、トップアスリートの育成など、競技力向上のための取り組みを計画的に進めてまいります」と述べられております。
 三年前の埼玉国体において本県選手団の成績が全国最下位だったことから、県議会においてもスポーツ振興議員連盟を発足させ、全会派より議員が参加のもと、今日まで活動をしてまいりました。二巡目国体の招致についても、昨年の十二月二十日に議員連盟の役員会を開き、第七十回国民体育大会招致を議会において決議することを、全役員賛成のもと、決定をしております。
 十二月二十二日には、自由民主党県議団の東京の予算要望の機会に、二階俊博国会対策委員長にそのことについて話をさせていただいたところ、すぐに伊吹文明文部科学大臣に電話を入れていただき、すぐに会うとのことでありましたので、二階先生の御案内のもと、先輩の下川議員と一緒に文部科学省に出向き、伊吹大臣、樋口文科省スポーツ・青年局長にお会いし、国体招致の要望をしてまいりました。
 一月十七日の臨時議会においては、全議員の賛成のもと、国体招致の決議がなされております。その日の記者会見において仁坂知事より招致についての正式表明がなされ、また一月十九日には、近畿府県及び中部各県十四府県の体育協会長あてに同意の送付をしたと報告を受けております。
 今月二月七日には、内閣広報官であります世耕弘成参議院議員に御案内をいただき、元総理大臣で日本体育協会会長であります森喜朗先生にもお会いし、第七十回国民体育大会招致と今後の支援について要望してまいりました。二月十四日には、知事、教育長、県体育協会長から、文部科学大臣、日本体育協会会長へ開催要望書が提出されております。
 このように、議会と当局が力を合わせ一つの目標に向かって進んでいくことも大事であり、平成二十七年に予定しております和歌山国体に向かって、今後も議員連盟としても全力で頑張れればと思っております。
 まず、今後のスケジュールについてどのように考えているかを知事に尋ねたいと思います。
 そして、予算のところでも触れましたが、苦しい財政の中ではありますが、施設整備と選手の育成強化が大きな課題となってまいります。平成十八年度予算編成において、選手の強化費については、それまで全国最低の金額を二倍以上に引き上げ、新たに教育委員会では優秀な指導をしている教員についてエクセレントコーチとして指名をする制度が導入されております。
 エクセレントコーチの県立和歌山商業高等学校陸上部顧問の高橋恭代先生率いる女子駅伝チームが県内で初めて全国高等学校駅伝競技大会において八位入賞を果たしており、多くの県民に感動を与えました。選手の強化に情熱を持って指導し、すぐれた手腕を発揮する指導者の役割は大変大きなものがあり、さらにエクセレントコーチの拡充強化が必要であると思います。
 他の競技においても、せっかく有望な中学生がおりながら県外の高校へ進学するということがよく見受けられ、県内の各競技団体にとって歯がゆい思いをしております。今後の施設整備と選手強化といった競技力向上対策について、当局の対応を教育長にお聞きしたいと思います。
 最後に、地域団体商標についてお聞きしたいと思います。
 「地域ブランド」という言葉をよく耳にするようになりました。以前から夕張メロン、関サバ、関アジなど、地域名と商品名がくっついて、産地の努力において高い評価を受けてまいりました。その名前を登録し、保護する動きの中で生まれたもので、特許庁において制度化され、その目的は、地域ブランドをより適切に保護することにより事業者の信用の保護を図り、産業競争力の強化と地域経済の活性化を支援することとなっております。最初の登録が昨年の十月であるとお聞きをしております。
 全国各地から三百七十四件の出願が特許庁にあり、その中から五十二品目が選ばれております。都道府県別では、京都府が第一位で百二十品目余りの出願の中から八品目、第二位が本県であり、七品目中すべての七品目が登録されております。
 ちなみに、商標名は、「有田みかん」「紀州みなべの南高梅」「紀州うすい」「和歌山ラーメン」「紀州備長炭」「しもつみかん」「すさみケンケン鰹」の七件であります。私自身、本県が全国で二番目に多いという結果を聞かせていただいたときに、大変感動をいたしました。そして、出願に当たり努力をされた事業組合を初め、手続等お世話をされた県ブランド推進課や関係各課に高い評価をし、大きな拍手を送りたいと思います。
 国内外の厳しい産地間競争を戦い抜くためには生産者の努力が第一でありますが、それをいかに組織化し、PRしていくかが大きな課題であります。この点について、県庁内の取り組みが大きな成果を生んだものと思います。
 県内には、九度山の富有柿や荒川の桃などすばらしい産品が数多くあり、今後も地域団体商標の登録を多くし、地域経済の活性化を図ることが重要であります。知事自身のトップセールスについてお尋ねをいたします。そして、今後の対応については商工労働部長に答弁を求めます。
 これで、一回目の質問を終わります。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの尾崎要二君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、平成十九年度当初予算の編成方針についてでございます。
 平成十九年度予算案の編成に当たりましては、行財政改革の断行により捻出した財源を活用いたしまして、公約で掲げました五本柱に重点配分するとともに、特に県民生活に直結する少子化対策、防災対策、ネットワーク関連道路整備の三分野に十分意を用いたところでございます。
 なお、今後生じる新たな行政需要に対しては、補正予算で対処するなど、適切に対処してまいります。
 次に、県財政の展望と健全化に向けた取り組みについてでございます。
 本県財政は、国体開催という新たな財政圧迫要因が加わる中、議員御指摘のように、財政調整基金、県債管理基金があと一、二年で枯渇する見通しであります。このように本県財政は厳しい状況でありますが、今後とも和歌山を元気づける政策に積極果敢に対応していくためにも、中長期的な視点から持続可能な財政を目指して行財政改革を強力に推進してまいります。
 あわせて、税源の偏在の是正など地方税財源の拡充について、県議会の皆様にも御協力をいただきまして、連携しながら国などに対し強く訴えてまいりたいと考えております。
 次に、談合の再発防止と効率的かつ効果的な公共調達制度の構築について、再度述べさせていただきます。
 自分自身は、あのような事件に巻き込まれることはないという自信があります。しかし、個人の問題で終始することなく、システムの問題として対処する必要があると考え、二度とあのようなことが起こらない、また起こさせないシステムづくりに最善を尽くすことが何より大切だと考えております。
 そのため、既に御承知のように、去る一月十日、有識者から成る公共調達検討委員会を設置し、四つの法益、すなわち効率性の向上、公共工事の質の確保、いわゆる天の声の徹底排除と県庁の規律確保、それから和歌山県の建設産業の健全な発展を踏まえまして検討いただき、談合の再発防止とともに、最も効率的かつ効果的な公共調達制度の構築についての御提言をお願いしているところでございます。
 現在、さまざまな角度から御議論をいただいておるところでありまして、その前提として熱心にヒアリングを行っていただいているところであります。なるべく早い時期に提言をお受けいたしまして、県議会を初めとする県民の皆様からの御意見も聞き、早急に実施し、談合の再発防止と清潔な県政の実現を進めることを改めて述べさせていただきます。
 次に、第七十回国民体育大会に係る今後のスケジュールについてお答えいたします。
 去る一月の臨時県議会において平成二十七年の国民体育大会の本県への招致が決議されたのを受けまして、このほど、主催者である財団法人日本体育協会及び文部科学省へ開催要望書を提出いたしました。また、この間、尾崎会長を初めとする県議会スポーツ振興議員連盟の皆様方には、第七十回国民体育大会招致について、この両者を訪問して直接御要望いただくなど、絶大なるお力添えを賜っているところであり、感謝をしている次第でございます。
 今後、三月の日本体育協会国体委員会での審議を経て、理事会において本県開催についての内々定を受け、開催五年前の平成二十二年には内定、三年前の平成二十四年には正式決定をお受けする運びとなっております。当面、和歌山国体実施に向け、早急に組織体制を整えるとともに、開催基本方針等を策定するため準備委員会を設立する計画であります。
 国体に関連するスポーツ施設につきましては、県内の既存施設や近畿各府県の施設を有効に活用することを前提に、本県の大変厳しい財政状況にかんがみ、今後、計画的かつ効率的に施設整備を図ってまいりたいと考えております。
 これに並行いたしまして、競技団体及び各市町村などとの緊密な連携のもとに、競技種目、実施会場地の選定や競技力向上に取り組んでいくこととしております。
 スポーツの振興は、「楽しい和歌山」の実現に向けて欠かせないものであると考えております。国体終了後も、大会開催を一過性のものにいたしませず、これを起爆剤として地域を活性化し、県民が活力に満ちた生活を営むことができるよう、今後ともスポーツ振興に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、地域ブランドについての、とりわけトップセールスについてのお尋ねでございます。
 いわゆる地域ブランドにつきましては、果樹を初めとする本県のすぐれた農産品や加工品、あるいは工芸品、工業製品などを全国に広くアピールし、販路拡大や売り上げの向上に大いに役立つものと考えております。
 こうした考え方のもと、去る二月十六日に大阪市で開催いたしましたわかやま産品商談会では、会場内に地域団体商標に登録された商品の展示コーナーを設け、私も参加して、多くのバイヤーの皆様方に和歌山の地域ブランドを紹介させていただいたところであります。
 県としての、または県知事としての機能は出展者を元気づけるということも重要でありまして、私は全ブースを回りました。しかしながら、単にはっぴを着て会場にいるだけではありませんで、バイヤーの方々に多く会場に来ていただくということが一番本質的な問題であると考えております。よって、私も県職員と協力して、これに指示を出しまして、バイヤーの数をふやすことに努力いたしました。その結果、十日前ぐらいには七十社でありましたバイヤーの数が百十七社にふえました。それも、食品流通のランキングに入っているような企業にも参加してもらうことができました。
 これからも、このような機会をとらまえて、機会あるごとにこうした展示やPRを行いまして、私も先頭に立って積極的に売り込みを図ってまいりたいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 地元業者の育成について、三点お尋ねがありました。
 まず、建設業者の評価についてお答えをいたします。
 建設業者の評価は、建設業法に基づく経営事項審査による客観点数と地方基準点数による総合点数で行うこととなっております。法に基づく客観点数につきましては、全国一律の経営規模、経営状況、技術力、社会性等の四つの評価項目に基づき業者点数を算定するものであり、一方、地方基準点数は、建設業者の施工能力、雇用力、地域貢献等を数値化し、県独自で加点するものであります。
 特に、議員御指摘のとおり、職員を雇用し経費が多い場合や、建設機械を保有し自己資本に対する固定資産の比率が高い場合について、客観点数が低下する傾向にあるため、昨年六月からこうした点を補完し、真に技術力、経営力、意欲のある建設業者の育成を図り、地域の実態に即した企業評価とするため、地方基準点数として、新たに建設機械所有状況、労働安全衛生法関係資格者の雇用人数等を点数加算することとしております。今後も、こうした課題に対して、和歌山県として独自の取り組みに努めるとともに健全な建設業の育成を図ってまいります。
 次に、地域貢献している建設業者の優遇についてお答えをいたします。
 災害時の迅速な対応は建設業の方々の協力なくしては不可欠なものであり、地域の建設業の果たす役割は重要なものと考えております。このため、大規模災害時における災害協定を県と締結している協力業者につきまして、先ほど申し上げました地方基準点数を加算することにより地域貢献に対する評価を行っているところであります。
 次に、設計価格の積算体系についてお答えをいたします。
 工事の設計価格積算に当たっては、標準的な工事価格を算定できるよう、国土交通省が実態調査を行い制定をしている歩掛かりなどの積算基準、及び県が市場調査した資材単価等をもとに適切に積算を行っております。今後とも積算精度の向上に努めてまいります。
 なお、業者により工事分野に得意・不得意があるのは事実であり、不十分な見積もり等によって安易な受注が行われることがないよう、適切に指導してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 商工労働部長下  宏君。
  〔下  宏君、登壇〕
○商工労働部長(下  宏君) 地域ブランドについての今後の対応についてでございますが、いわゆる地域ブランド、地域団体商標につきましては、議員から御紹介のありました有田みかんなど七件が去る十月二十七日に登録を認められたところですが、その後も「紀州箪笥」「紀州梅干」が新たに出願を行い、現在、特許庁において審査中であるほか、他の幾つかの団体において出願の準備をしていると聞いております。
 県におきましても、特許庁とともに地域団体商標に関する講習会等を各地で開催し、生産者の方々への制度の周知を図っているほか、昨年発行いたしました「県民の友」十二月号に地域ブランド特集を掲載したり、セミナーや商談会などの際に展示コーナーを設けるなど、さまざまな方法で和歌山の地域ブランドのPRに取り組んでいるところです。
 今後は、こうした取り組みをさらに強化するとともに、農林水産部等とも連携を密にしながら、各種のフェアや展示会、商談会などの機会を通じて地域ブランドの商品の知名度の向上を図るほか、マスメディア等を有効に活用して、これらの商品の人気の定着を図ってまいりたいと考えてございます。
○議長(向井嘉久藏君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 第七十回和歌山国体に向けての競技力向上対策についてお答えいたします。
 少年の部につきましては、今年度スタートしたゴールデンキッズ発掘プロジェクトを通して、将来、国体やオリンピックを初めとする国際競技大会で活躍できる競技者に育てることとしており、三段階にわたる選考を経て、来月末には第一期ゴールデンキッズを認定することになっております。
 また、従前から取り組んでおります学校運動部活動の重点強化策であるハイスクール強化校指定及びジュニアハイスクール指定等の事業により、中高の一貫した指導体制の中で競技力向上に努めることとしております。
 スポーツ指導者につきましては、本年度、県内各学校の運動部活動の活性化並びに本県の競技力向上のため、すぐれた指導力と熱意のある現職及び退職した教職員等がより幅広い場で活躍できるよう、きのくにエクセレントコーチ制度を創設いたしました。来年度はこの制度の拡充を図るとともに、より円滑で実効あるものとなるよう努めてまいります。
 成年の部の強化につきましては、県内各企業の御理解を得ながら企業のクラブチームの設立支援に努めるとともに、地域におけるスポーツクラブの活性化を支援することなどを含めた総合的な施策を講じながら、トップレベル競技者の確保並びに育成強化を促進してまいります。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 以上で、尾崎要二君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十八番原 日出夫君。
  〔原 日出夫君、登壇〕(拍手)
○原 日出夫君 議長のお許しを得ましたので、質問に入りたいと思います。
 一応私も県の十九年度の予算とか今後の財政問題を少し述べようと思いましたが、自民党代表の尾崎先生がきちっと述べられましたので、そのことを省略しながら、まず本題に移っていきたいと思います。
 知事の政治姿勢についてでありますが、知事選挙結果から、知事は県民の意思表示をどう受けとめているのかについてお尋ねいたします。
 「官製談合の再発防止こそ県民の信頼回復」を知事選の争点として戦われ、仁坂新知事が誕生しました。この選挙結果は、県下有権者八十五万四千六百二十八人に対して何と投票者数が三十万九百五人、いわゆる棄権者数が五十五万三千七百二十三人として、投票率が三五・二一%という、最低のというか本当に低投票率で終わったわけでありますが、この意義はどのように知事として受けとめるのか。
 例えば、市民、県民にお伺いしますと、まさに政治不信が多く漂っていたということと、もう一つは、有権者自身が、「朝日新聞」にも書かれておりましたが、いわゆる有権者避難民というか、どこへ行くかわからない、行くところがないという、そういう部分の避難民があらわれた結果ではないかというふうなことも書かれておりました。この結果を素直に受けとめて、新知事・仁坂知事は県民に対してこの結果をどう受けとめているのか、御感想をお尋ねしたいと思います。
 二つ目ですが、今のような選挙結果から見ても、県民は、官製談合防止という問題、裏金問題とか、そういう一連の談合事件に対して本当に今度の新しい仁坂新知事がどのように真相を解明してくれるのかという期待を持っているところであります。ところが、いろいろと見てみますと非常に消極的と見える記者会見の発表を見ましたので、私は改めて今議会で、官製談合防止対策の前にまず裏金問題、一連の談合事件の真相解明を新知事・仁坂知事は真に県民に公表するのかについてお尋ねしたいというふうに思います。
 知事の選挙公約で「清潔で透明な県政」を第一の柱として掲げ、当選されましたが、私たちは県民の声を歩きながら直接聞く場を今持っておりますが、「今度の知事さんはどんな人やろ。談合問題や秘書課の裏金など、ちゃんとけりをつけてくれるんやろか」という声を私は市民から聞きます。だけど、私は、今回初めて知事と対話していくわけでありますが、「まだ話したことないさかいに、この二月議会で質問して知事の姿勢を問うさかい、まあその報告を待ってよ」ということで、ずうっと答えて回っております。
 そういう意味で、県民は、まず今回の事件のすべてを、知事を先頭に県幹部が、秘書課が管理していた六千万円と言われる裏金の真相をきちんと解明し、県民に公開することが新知事の有権者への約束ではないのか。また、IT総合センターBig・Uを原点とした一連の官製談合事件についても、検察当局とは別に県行政としてその実態の真相を解明することを求められていますが、知事、どうでしょうか。
 知事は、談合防止対策として、先ほども述べられていましたが、公共調達委員会に注文したのは、予算の効率性の向上や公共工事の質の確保、天の声の排除、建設業界の健全な発展の四項目を今後の対策の中心として挙げておりますが、県民が今すぐ知りたいのは、前知事時代の不正の真相の解明を求めています。知事のこれに対する姿勢をお伺いしたいと思います。
 次に三つ目ですが、知事も一月議会で述べられておりましたように、県民の各界各層の声を聞くこと、現場の実情を知るための知事の県下の行脚活動を求めたいと思います。
 知事は、県民との対話を多く設け、早い時期に市町村を回るとしています。私は大変ありがたいと思っておりますが、私は、知事をよいしょするところばかりに行かないで、県行政へ厳しい意見を持った人たちとも対話を重ねることを強く要望しますが、いかがでしょうか。いつごろから県民対話に入るのか、お尋ねしたいと思います。
 次に十九年度の予算案について、知事の提案説明について、和歌山県の現状に少し触れながら私の感想を述べて知事の見解をお聞きしたいというふうに思います。
 具体的に私は、和歌山県とりわけ私たちの周りの県下の経済状況、市民生活の実態、これを今の選挙の中でいろんな階層の人と対話しながら、訪問しながら、感じながら、今大変深刻な地方経済、市民生活ということを痛切に感じている中で、知事が元気和歌山をどうつくり出していくのか、私自身にも──知事にははっきりした展望は開けていると思うんですけど、私のような人間にはなかなか、この現状をどんなにして元気和歌山に切り崩していくのかという展望がまだ開けない中で歩いているのよというのが現状であります。県のトップである知事の手腕が問われるからです。
 税源移譲、それから定率減税廃止などによる市民の住民税が大幅に上がり、とりわけ高齢者負担は大変厳しいものです。これほどまでに厳しく受けとめてるのかというふうに感じながら歩いております。
 それから、福祉の特別養護老人ホームや老人保健施設に入ってるけど、今までの国民年金だったら最高で七万や、しかし、今までだったらその範囲内で済ましたけども、実際に一昨年の十月の改正に伴い、一人当たり最低十二万の負担になってきたと。この後の差額を家族、身内が負担していかなきゃならないという実態を聞いたときに、本当にいつまで施設に預かっていただけるか、預けていく自信があるかということについての悩みなどをたくさん聞かされました。
 また、住民税負担が介護保険料にはね上がり、国民健康保険料にもはね上がっているという実態を見たときに、こういう状況の中で、本当に市民生活が今──和歌山県を元気にするためにしてほしいという期待は、その裏腹にあると思います。それだけに知事の手腕が問われるというふうに思います。
 もう一つは、公共事業が激減した状況で、土木・建設で働く人たちの失業、再雇用の道はなかなか開けていない。商業・小売業者は、現実では、田辺では新たにまた大型店の進出を含めて、また二十四時間のマートの出店など、商業と小売業者の活力が全く見出せてない。町づくり三法を、本当にそれに耐える体力が、既に失いかけてるというのが実態ではないでしょうか。
 漁業者においては、一本釣りは地球温暖化の現象も影響してるんでしょうと思うんですが、水温が非常に高くて魚種の変化が甚だしいし、一本釣りの漁獲量は年間で百万円ある人は知れたもんです。百万円を下る人たちがほとんどという実態の中で、こういう状況の中でオイル代を払うと、「原さん、三、四十万しか残らんよ」と、こういう実態を見たときに、一体一本釣りの漁業者はどんなにして今後生活していったらいいんでしょうかという疑問を感じました。
 また、まき網に乗っている、乗船している三十代、四十代の若い人の月額は何と六万円という実態であります。常に今でも親のすねかじりで漁業をし続けていかなければならないというのが実態であります。
 最後には、農業が、紀南における一次産業として最も地域経済を支えていた梅産業が、二年間の低価格、非常に低迷する中で実際に農家の収入が、二年間三分の一から、ことしは四分の一に減収するのではないかという実態を見たときに、まともに市内の経済の中での第三次産業であるまじめな地域商業、小売業者に大変な打撃を与えているということも、大きな実態としてあらわれてきております。
 こういった実態の中で、本当に新知事が改めて、そういった下を向いている県民が上を向いて知事の呼びかけにこたえて、県政が本当に元気和歌山にするということを励みにする訴えが欲しかったように私は思うんですが、私自身は、十九年度の予算の歳入を見て、三位一体改革や税源移譲等に伴って、地方交付税は本当に七十億円も、臨時財政対策費は十九億円も減額されています。
 歳入増は、皆さん、法人税では二十六億円ですけど、実際に歳入増の税収の源は個人県民税の百三十億円という税収なんです。これは一体何を示すんでしょうか。住民税の増収によって県が収入を得たということは、一つは、県民は非常に税負担が大きくなって消費が低迷するということです。そういう意味では、県政はむしろ逆に、県税の個人県民税が上がったということは県下の消費税を低下させていく、低迷させていくという根拠にもなっているのが現実ではないでしょうか。
 こういった意味で、日本の県が国からの交付税その他が非常に減っていく、そして地域間格差が都市と地方、そして富む者と貧する者の差がこれだけ厳しい中で、いかにして県民の活力を生み出していくかということが大きな課題だと思います。
 山村地域においては、昨日も国が発表されていましたように、本当に近い将来もう崩壊していく集落がふえていくことも発表されておりました。私たち新田辺市においてもそういうシミュレーションを、私は、字別・年齢別人口を見ますと五年から十年で崩壊する集落がかなりの数とすることをシミュレーションしました。そういう意味でも大変な状況にあるときに、知事に対する期待感は大変大きいと思います。
 そこで、私は、私の感想を述べながら知事の見解をお聞きしたいと思います。
 このように、県民生活、県経済が大変厳しい状況の中で、新知事は元気和歌山づくりを県民に示しました。私は──私の感想ですから、知事、いろいろと誤解しないでほしいんですが──一月の臨時議会、二月のこの当初予算の提案説明は、私にとっても、県民にとっても、この訴えられるものがなかった。薄かった──なかったって失礼に当たりますけど、薄かったと。それは、私は知事に、ただ単にパフォーマンスをしろという意味ではないんです。県民が新知事のやる気を、知事のこの訴えが本当にやる気があるというふうな立場で理解するには非常に中身が薄かったような気がします。
 そこで、私は、一つは、県経済、県民生活が大変厳しい中で、知事は、義務的経費削減のための財政運営プログラムをさらに強化して、知事一期前半・後半でこれだけの何十億、何百億円の削減目標をきちっと示して、そしてそれを県活性化のための投資的経費へやるんだと、その事業の中心はこれとこれだということの訴えが私は欲しかった。
 もう一つは、企業誘致を初め産業活性化と雇用創出プログラムで、知事として一体、一期目の前半・後半で雇用創出目標をどれだけするんだ、企業をこれだけ呼んできて一期四年間ではこれだけの雇用を生み出したいという、そういうことを具体的に示してほしかった。
 三つ目は、和歌山一次産業の農業、林業、水産と観光を連携さした観光人口並びに交流人口を私はこれだけふやす、そのために県民力を合わせて協力してください、こういう訴えが私は欲しかったと。
 厳しい中でこそ県民は、上を向いて、新知事のもとに団結して県勢、和歌山を元気にする展望を示してほしかったように思うんですが、感想を聞かせていただきたいと思います。
 次に、全く今度は今の展開と──具体的な問題で御質問したいと思います。
 十九年度予算の具体的な点で問題提起をしたいと思うんですが、一つは、私、いろいろと緑の雇用事業について今まで質問してきました。これも、選挙で私が山村地域を歩いていく中で感じたことを具体的に当局の見解を求めたいと思います。
 これまで県が進めている緑の雇用事業は、雇用面でも仕事面でもIターン者を専門にしており、そのため、従来熟練の山林就業者の仕事が減ってきてるのが現状であります。これは、私自身が全く多くの人の見解を聞きました。それで改めて、当局はそういう立場ではないのか、そうでなくて、そういう従来の熟練の山林就業者に対してそのようなことをしていないのか、県のお考えを聞きたいと思います。
 次に、緑の雇用による仕事が森林組合中心に振り向けられてきた中で、地域の建設業で働く人々にも森林整備に参入できるシステムをつくる必要があるということも、たびたび私は述べてきました。しかし、いまだに改善されておりません。できないのであれば、その問題点は何でしょうか。農林水産部長にお尋ねしたいと思います。
 次に、公共投資依存からの脱却と雇用の創出についてであります。
 公共投資依存からの脱却と雇用の創出ということは、これは国も早くから、バブルがはじけた以降、これを述べられております。和歌山県も、私もこの問題については、平成十五年だったと思いますが、問題提起をしながら県当局に対して、こういう公共投資に依存してきた県下六千五百業者の土木・建設業が一番打撃を受けることであり、しかも地方経済の基幹部分を占めてきたことは、土木・建設業者だけでなく、ここで働く人たち、またその公共事業が地方経済を大きく支えてきたこと、この事実に立って、とりわけそこで働いている人たちは中高年者ですし、そのほとんどの人たちは雇用保険は適用されておりません。
 そこで、私は県に対してお尋ねしたい。県は、これに対する対策を今までどうとってきたのか。その成果はどの程度進んでいるのでしょうか。
 次に、その要望ですけども、事業者対応だけでなくて、そこで働く人たち、働いている人たちへの雇用保険もない人たち、そういう人たちの雇用対策の相談を含めた対応策について、今後、県当局としてその窓口を、商工労働部に置くのか、建設部に置くのかはわかりませんが、ぜひともそういう窓口をつくっていただきたい。このことを要望したいと思います。
 次に、地域医療支援体制の果たす役割についてであります。
 これについては、知事の予算説明では、「地域の公立病院等における医師不足解消に向けましては、昨年十月から県立医科大学に委託している地域医療支援体制づくり」としていますが、国においては、二〇〇二年に新医師確保総合対策で示された、医師不足を解消するためには地域医療支援体制の組織をいかに強化するかが問われております。和医大と県行政と地域公立医療機関が年に何回か集まって会議をするだけでは、現実に医師確保は到底望めないと思います。
 和歌山県は、全国的水準の医師確保を充実していると言ってますが、それは和歌山市に集中しているからです。県下に適正な医師の派遣機能の役割は、この地域医療支援体制の役割が今必要です。県当局としてこの組織を生かし、医師の適正配置と医師確保をどう考えているのでしょうか。このことについてお尋ねしたい。
 例えば、がん死亡率ワースト五位の和歌山として、知事の説明がありました。がん診療連携拠点病院の機能を強化して診療体制の整備充実を図るとしていますが、その拠点病院が専門医不足で本来の機能を果たせない実態になったときにはどうなるのでしょう。地域医療支援体制機関が事前にそれに対応できるシステムになっているのでしょうか。福祉保健部長にお尋ねしたいと思います。
 次に、農業・林業振興での県行政の果たす役割についてであります。
 日本の農林業を取り巻く状況は大変厳しいものがあります。生鮮食品や加工食品、外食業の最終消費量のうち、国内で生産されるのは一三%で、八七%は輸入に依存していますし、林業は八割が外材で、二割が内地材です。
 しかし、この状況を打開するため、今、全国的にも県下的にも、みんなが努力しています。和歌山の農産物や林業産地では、ただ単に生産するだけでなく、付加価値をつける加工、ブランド化をして、生産地、生産者の顔の見える販売戦略へと変革しています。農業・林業を中心とした生産産地の地域づくりは、ただ単に生産するだけでなく、農林業の生産、加工、付加価値を加えた販売、そしてその生産地と都市を結ぶグリーンツーリズムであり、地域観光と結んだ地域活性にトータル的な政策が今求められています。
 また、この産業は、リサイクル、バイオマス事業というテーマでの持続的産業としても拡大されているものです。和歌山県は果樹王国日本一、森林面積七七%を占める中で、地域と行政が協力してどう構築していくかが今問われています。
 そこで、お尋ねします。
 一つは、十九年度予算では農林の個々の施策は示されていますが、生産、加工、付加価値、販売を初め、持続させる循環型事業、観光が、その地域産業の特性をトータル的に農業、林業、工業、そして商業観光として政策化し、地域活力支援の県行政の共同プロジェクトとしての組織が必要ではないのか。それをトータル的に保証する予算が求められていると思うんですが、いかがでしょうか。
 まず、核となる農業において、生産、加工、流通、販売に至る総合的な推進が必要であると思いますが、いかがでしょうか。
 二つ目は、地球温暖化による農林水産業に与える影響と対策についてであります。
 二十一世紀末は地球の平均気温は最大六・四度上昇すると予測した国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告は、温暖化によって植生気候帯が大幅に北上してきていることによって農産物の産地の変化、既存作物への影響が既に起こっています。私は、平成十五年の二月議会において、植生気候帯の変化と農産物への影響調査をテーマに、各試験場で研究体制に入ることを提言いたしました。
 農林水産省は、ことしのその一月の国連のIPCCの報告を受けて、地球温暖化が農林水産業に与える影響とその対策について、対策推進本部を開き、温暖化の影響を詳しく分析する、作付時期の変更や品種転換の可能性を探るなどの具体策をまとめるとしています。県として、和歌山の基幹産業である農林水産業を振興させるため、地球温暖化による農林水産物への影響を研究テーマに、これらの主要な柱として積極的に取り組むべきと考えますが、農林水産部長にお尋ねします。
 次に、地場農産品についてと企業誘致であります。──時間がございませんので。
 和歌山ブランド農林水産物を生かし、関連する食品加工・飲料メーカーと提携した企業誘致を進めることが、企業城下町でなく、地元資源を生かした企業として定着するものと私は考えます。
 今、例えば紀南農協は、梅のしょうちゅうを限定品としてつくりました。紀州南高梅を原料にして、製造は九州宮崎県でされました。少し残念ですけど。梅酢から塩分を取り除いたエキスは食料メーカーに提供されています。ほかにもいろんな地場産品を生かした研究開発もされています。そういう意味では、地場産品と食品・飲料メーカーが提携すれば新しい商品開発を初め企業立地が進むのではないかと私は考えるのですが、商工労働部長にお尋ねいたします。
 林業振興についてでありますが、紀州木材の最上の需要先は木造住宅であります。したがって、紀州材の販路拡大のためには、住宅を建てる工務店や建築士の方々がどんな製品を望んでいるのかということの実態をどう把握し、その需要にこたえるためにどう対策を講じていくのか、また試験研究機関をどう有効に活用していくのか、お尋ねしたい。
 また、小規模森林所有者が約八〇%を占める現在の和歌山県の森林所有者、これに対してほとんどが放棄される実態であります。県はどう対応していくのか、農林水産部長にお尋ねします。
 次に、私が今このテーマで非常にひしひしと身に感じている地球温暖化防止対策についてお尋ねいたします。
 地球温暖化防止は、県行政の柱であります。和歌山地方気象台によりますと、一月の平均気温は七・二度。平年時の五・九度を一・三度も上回る暖かさで、一月の平均気温としては、昭和四十七年の八・三度、平成元年の八・〇度に次ぐ過去百二十七年の観測統計で三番目の暖かさでありました。雪不足や野菜のとれ過ぎによる値下がりなど、この冬は日本列島は各地で歴史的な暖冬異変に見舞われております。
 本県においても例外ではありません。地球温暖化は農産物の栽培適地、とりわけ温州ミカンの栽培が約五十年後には南東北の沿岸部にまで北上するのではないかという現在の適地問題も指摘されております。
 先ほど述べました気候変動に関する政府間パネル(IPCC)会議はフランスのパリで開かれ、地球温暖化の実態と今後の見通しについての自然科学的根拠に基づく最新の知見がまとめられました。
 元アメリカ副大統領のゴア氏の映画「不都合な真実」が国際的な反響を呼び、またせんだっての一月二十四日には、世界経済フォーラム年次総会ダボス会議は、本当に地球温暖化問題に集中したこと、しかもIPCC会議の地球温暖化の科学的根拠が認識され、経済最優先、つまり化石燃料、石油依存への警告がなされました。それほどに、今や気候変動ではなく気候崩壊、温暖化防止コストの方が被害に伴うコストよりもはるかに安いと世界経済フォーラムで指摘されたところであります。
 二十一世紀末の地球の平均気温は二十世紀末比最大六・四度上昇すると予想するとともに、北極海の流氷が二十一世紀後半では完全に消滅するということも、今、新しい見解が述べられました。地球温暖化による危機は現実に近づきつつあり、その影響は拡大してると思います。
 私は、地球温暖化がそういう意味で一地方の取り組みだけでは解決できない問題であるとは十分承知していますが、人類存亡の危機が感じられる今、将来の世代が和歌山で健康で豊かに暮らしていくため、私は地球温暖化防止を県行政の柱として積極的に取り組むべきだと考えますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。
 次に、温暖化対策に果たす県民の役割についてですが、地球温暖化は我々が石油や石炭などの化石燃料を使用することで生じたということで、私たち一人一人がその原因者としての側面を持ち、そのため、一人一人がこれまでのライフスタイルを見直し、新たな行動規範を示すことが重要であり、その意味で、地球温暖化対策は政府任せということでなく、地域から、市民レベルからの幅広い取り組みが極めて重要と考えております。
 昨年三月に県が策定しました和歌山県地球温暖化対策推進計画では、県民、事業者、行政がみずからの役割に努めるとともに各主体間の連携が重要であり、県民の役割は、みずから省エネルギーの活動を行うとともに、周囲に地球温暖化に関する知識や取り組みについて広げていくことが述べられています。その延長として、今議会に提出されている和歌山県地球温暖化対策条例は、時宜を得たものとして高く評価したいと思います。
 しかし、県民、企業、行政が具体的な地球温暖化防止のための実践目標を立て、地域でいかに日常的に取り組むかが大切ですし、その輪を広げていくことがかぎだと考えています。温暖化対策に果たす県民の役割について、環境生活部長にお尋ねします。
 最後に、津波対策では一点だけです。
 昭和南海地震で実際被害を受けた住民の声を聞いてください。避難路──まず逃げるということは皆さんも自覚しています。避難路、避難場所の確保、逃げ切れない地域は避難タワー、堤防をかさ上げする、それはよく言われておりますが、それでも市民は大変不安に感じています。
 そこで、どの地域にどのような対策をいつまで実施するかという具体的な津波対策についての計画を、そういう一番被害をこうむった地域、市民、県民にきちっと提示する時期に来ているんではないかということ。そのことによって安心感を覚え、いつ来るかわからない、何も対策が講じられていない不安の中で毎日を過ごしている人たちに、あなたの地域は、いつ、このような対策を立てていきますよという展望をぜひ示してほしいということをお願いしたいわけです。これについても当局の見解をお聞きしたいと思います。
 以上で、第一回の質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの原日出夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 昨年の選挙期間中、多くの方から、「霞ケ関の人に期待していたのに、前知事に裏切られた。あなたは裏切らいでしょうね」ということを言われました。このような県政に対する信頼を失った方々が何人か棄権されたことが、投票率が低かった原因の一つと私は思っています。こういった気持ちから投票しなかった皆さんには、私の県政で実績を示して納得していただくように努めたいと考えております。
 先月の臨時県議会の冒頭に申し上げましたとおり、私を含め、県庁職員が一丸となって懸命に働くことで県政の信頼を取り返すということを図っていく所存でございます。
 次に、官製談合防止、あるいは議員のおっしゃる裏金問題、そういうことについてのお話でございます。
 まず、木村前知事の私的な懇親会あるいは親睦会の資金の管理に県の職員がかかわったということでございますが、前知事が職員にこういうものに関与させたということは公私混同として許されないものであると私は思います。この点がこの問題の最大の問題点であると考えております。私は、そうした私的なことを職員にさせるつもりは絶対にありませんが、今後、こうしたことについても十分対応できるような制度をつくってまいりたいと考えております。
 次に、今回の談合事件の解明についてでございますが、現在、検察庁が徹底的に事実関係の調査を行っている、それで公判になるというところでございます。いずれ司法によりこの問題が解明され、明らかになるものと考えております。
 県といたしましては、既に御承知のように、談合をなくし、清潔で透明な県政を実現するため、一月早々に有識者から成る公共調達検討委員会を設置しました。この公共調達検討委員会では、県の公共調達制度の検証を進め、談合の再発を防止するとともに、最も効率的かつ効果的な公共調達制度の構築について御提言をいただくことになっています。
 私といたしましては、公共調達検討委員会からの御提言を受け、これを、議会を初めとする県民の皆さんの意見を聞きながら、だれが運用してもきちんとできるような、あるいはああいうことが二度と起こらないような、そういうシステムをつくることが一番大事だと考えております。
 次に、意見を聞くことについてでございます。
 机上の理論だけではなくて、全市町村を訪問し、県民から直接意見を聞くという現場主義が非常に大事だというふうに私は考えておりまして、一月の臨時会でも申し上げたとおりであります。
 御指摘の県民対話につきましては、既に開始しております。既に多くの方の意見をお聞きする中で、県行政に対する厳しいお話もいただいております。今後も、さまざまな意見に対し真摯に耳を傾けて、県民の皆さんと率直な意見交換を行いながら県の実情について現場から学んでいこうと考えております。
 今月に入り、県民対話の一環として紀の国いきいきトークを始めました。さらに、もっともっと多様なやり方で精力的に各市町村を回りまして、できるだけ多くの方の生の意見をお聞きしてまいりたいと考えております。
 それから、予算案に関連いたしまして、数値目標のお話がありました。
 提案説明に数値目標を設定すべきではないかという御質問でございますが、私は、行政のみで、あるいは行政の力のみで解決が困難な分野についてまで数値目標を設定するということは、説明責任という観点から、必ずしも常に適当であるというふうには考えておりません。本県の今後の方向を示すビジョンとして、既に御提案申し上げておりますように、長期総合計画を策定するように考えております。この中で、必要に応じまして県政の目標もお示ししていきたいと考えております。
 それから、地球温暖化防止対策についてでございます。
 地球温暖化問題は、その影響の大きさ、深刻さから見て人類の生存基盤にかかわる最も重要な問題の一つでありまして、喫緊に取り組むべき課題であると認識しております。このような考え方のもと、今議会に和歌山県地球温暖化対策条例案を提出させていただいておりますが、環境問題を県行政の柱の一つとして位置づけ、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 農林水産部長西岡俊雄君。
  〔西岡俊雄君、登壇〕
○農林水産部長(西岡俊雄君) 緑の雇用事業につきましては、山村地域における森林整備の担い手が減少し、高齢化が進む中、U・Iターン者の受け入れなど、都市部からの人口流動を図り、若い担い手づくりを進めてまいったところでございます。
 その結果といたしまして、森林作業員数は百二十名増加いたしてございまして、県全体で約七百名、そのうちU・Iターン者につきましては約百七十名でございまして、平均年齢につきましても四十七歳と、十歳若返りを見たところでございます。こうした担い手全体の定着を図るという観点から、従来の森林整備事業に加えまして、必要な事業量確保に努めてきたところでございます。
 今後は、森林作業員の技術・技能の向上、また林業事業体の強化等による林業の再生を図るなど、雇用の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、建設業に従事する方々の森林整備への参入についてでございますが、森林整備を進める上で、技術面また森林所有者との調整といったことから、森林組合が中心となって実施をしてまいりました。今後は、低コスト林業を推進する中で、作業道整備等におきまして、地域の建設業の方々の技術活用、こういったものも必要と考えてございます。
 次に農業振興について、まず一点目、農業における生産から加工、流通、販売に至る総合的な施策の推進についてのお尋ねがございました。
 議員御指摘のように、農業を核とした地域振興を実現するためには、生産から加工、流通、販売までを総合的に視野に入れた戦略を立てていくことが重要でございまして、昨年十月には、豊かな農業経営に向けた施策を推進するための和歌山県農業振興指針を作成・公表いたしまして、関係機関と連携して取り組みを進めてきておるところでございます。
 それに加えまして、現在、県産農産物の販売を促進するための具体的な戦略を立てるべく、流通経路及び市場の実態、また加工による販売促進の可能性についての調査も含めまして、生産、加工、流通、販売の各方面から総合的に検討を加えているところでございまして、そのための体制づくり、こういったものも進めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、地球温暖化に着目した試験研究に関する御質問がございました。
 議員御指摘のように、農業分野におきましても、地球温暖化に伴い、農作物の栽培適地の変化、また新たな病害虫の発生といった影響が大変懸念されているところでございます。こうしたことから、本県におきましては、十六年度から順次ではございますが、温州ミカン、米、梅、実エンドウ、スターチスといった作目につきまして、温暖化に対応した試験研究に着手・実施しているところでございます。
 議員のお話にもございましたが、農林水産省におきましても、これまでの取り組みに加えまして、実際に温暖化が進んだ場合に備えた具体策、こういったものの検討に着手したと聞いているところでございます。こうした国における検討状況の把握に努めるとともに、試験研究の重要な柱として地球温暖化に着目した課題、こういったものに取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、林業振興についてのお尋ねでございます。
 まず、紀州材の販路の拡大につきましては、工務店や建築士との連携が必要であると認識してございます。このため、今年度、製材・住宅業界等の参加を得まして、紀州材・家づくりフェアを開催いたしまして、これら業界の交流を進めるとともに意見交換会を実施したところでございます。今後は、需要と供給の情報が共有できるネットワークの構築を進めるとともに、需給のマッチングがなされるよう推進してまいりたいと思ってございます。
 また、林業試験場におきましても、民間企業や建築士などが参画する協議会、こういったものを設けてございまして、その場でさまざまに提言をいただいているところでもございます。今後ともこうした民間ニーズを試験研究に反映するよう努めてまいります。
 最後になりますが、小規模森林所有者の問題につきましては、先ほども申し上げました低コスト林業を推進する中で、所有者の理解と協力を得ながら施業の集約化、また団地化を進め、森林の適正な管理等がなされるよう努めてまいりたい、このように考えてございます。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 公共投資依存からの脱却と雇用の創出についてというお尋ねがありました。
 建設産業は、地域の経済や雇用を支えるとともに、災害時には欠かすことのできない基幹産業であります。しかしながら、建設投資額の大幅な減少に伴い過剰供給構造となっており、今後とも公共投資につきましては抑制されることが予想される中、経営環境はさらに厳しい状況になると思われます。
 このため、県では、技術力、工事遂行能力の向上とともに、意欲のある建設業者の経営多角化及び新分野への進出を支援するため、平成十七年一月、各振興局建設部に建設業相談窓口を設置し、進出相談、情報の提供等を行うとともに、講演会などを開催し、新分野進出の機運を高めるべく努めております。
 また、中小企業診断士などの専門家を派遣するアドバイザー派遣事業も実施しております。現在までの相談件数は、農業、福祉、環境などの分野で計三十八件、アドバイザー派遣件数は七社、延べ十一回実施しております。
 なお、新年度予算案にアドバイザー派遣やセミナー開催のための所要の予算を計上しており、新分野進出に取り組む建設業者の支援を行ってまいります。
 今後も、地域の雇用を支える建設業者の健全な発展・育成を図るため、経営基盤の強化、研究開発の促進にも取り組んでまいります。
○議長(向井嘉久藏君) 福祉保健部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○福祉保健部長(小濱孝夫君) 地域医療支援体制の果たす役割についてお答えいたします。
 地域における医師不足を解消するためには、医師を養成する県立医科大学、医師を受け入れる医療機関及び行政の三者が連携して取り組んでいく必要があります。県におきましては、地域医療を担う医師の養成・確保や効率的な配置等の対策の方向性が示された医療対策特別委員会中間報告に基づき、県立医科大学等の関係機関と連携を図りながら、医師の確保や地域偏在、診療科偏在の解消に向け、さまざまな施策を実施しているところであります。
 さらに、医師不足が深刻化する中で早急な対策が必要であるため、十九年度予算案におきまして、引き続き県立医科大学に効率的、効果的な地域医療支援体制づくりを委託することとしております。県といたしましては、この事業を活用して、医師不足により診療体制の維持が困難となった地域の中核的医療機関に対し、県立医科大学と連携しながら、緊急避難的な医師供給や医師派遣の調整などを通じて地域における診療体制の維持に努めてまいります。
○議長(向井嘉久藏君) 商工労働部長下  宏君。
  〔下  宏君、登壇〕
○商工労働部長(下  宏君) 地場農産品を生かした企業誘致についてでございますが、本年度の企業誘致戦略において、企業の設備投資状況や関西空港への近接性、港湾施設など本県の持つ強みと各地域、用地の特性などにより誘致対象業種を定めているところであります。
 議員御提言のように、和歌山県には豊かな農林水産物があり、これらの活用が可能な食料品製造業や木材・木製品製造業についてもターゲットとして誘致活動を展開しているところでございます。今後につきましても、本県の特性や強みを生かした企業誘致に取り組んでまいります。
○議長(向井嘉久藏君) 環境生活部長楠本 隆君。
  〔楠本 隆君、登壇〕
○環境生活部長(楠本 隆君) 地球温暖化対策に果たす県民の皆様の役割についてお答えを申し上げます。
 地球温暖化対策の推進には、県民の皆様方の地域における幅広い取り組みが大変重要であると考えております。具体的には、各家庭でお一人お一人がみずから省資源・省エネルギー活動を実践することや、資源の再利用あるいは分別・リサイクルによる廃棄物の削減などを行うとともに、地域で地球温暖化防止に取り組む輪を広げていくことが必要と考えております。
 県といたしましては、既に委嘱をしております百十六名の地球温暖化防止活動推進員の皆様方とともに地域や家庭での取り組みを強化することが重要であると考え、地方公共団体と住民の皆様方が一体となって地球温暖化対策を推進する地球温暖化対策地域協議会の設立を支援してまいりたいと考えております。
 また、温室効果ガスの排出がふえている家庭部門での着実な削減を進めるため、地域での講習会等に地球温暖化防止活動推進員を派遣する新たな事業を行うほか、引き続き推進員の養成・委嘱に取り組み、地域リーダーの育成に努めてまいります。
 もとより地球温暖化対策は、県、事業者、県民の皆様それぞれ一体となって取り組むことが何よりも大切であります。今後とも環境と経済が両立した持続可能な社会の構築に向け、より一層積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 危機管理監石橋秀彦君。
  〔石橋秀彦君、登壇〕
○危機管理監(石橋秀彦君) 津波対策についてお答え申し上げます。
 東南海・南海地震の津波対策につきましては、現在、和歌山県地震防災対策アクションプログラムや防災に関するさまざまな事業など、ハード・ソフト両面で総合的な対策を行っているところでございます。
 議員御質問の具体的な津波対策につきましては、限られた予算の中で効率的に事業を実施していくため、県土整備部と危機管理局が連携して、本年一月に学識経験者等から成る津波から「逃げ切る!」支援対策プログラム検討委員会を立ち上げたところでございます。本委員会では、県で実施した津波被害予測結果などに基づき避難困難地域の抽出を行うとともに、その解消等を目的とした防潮堤のかさ上げや避難路・避難地の整備など、地域ごとに最も有効な対策メニューや優先順位等のルールづくりの検討を行っており、本年十月を目途に津波から「逃げ切る!」支援対策プログラムを策定し、平成二十年度より順次事業に着手してまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十八番原 日出夫君。
○原 日出夫君 知事から、いわゆる秘書課が預かった裏金の──私は金額ははっきりしませんが、あくまでもマスコミでは六千万と言われているお金が、どう取り扱われていったのかと。ただ、知事個人という意味での会がやったんであれば僕は別に問題ないと思うんですが、秘書課職員が公の立場でそれを取り扱い収支に関係してきたという部分では、これは避けて通れんと思うんですね。公的責任を負うてるんですから。
 だから、それに対して──知事の答弁はそれでよくわかります。私はこういうことでやっていきたいし、こうしたいと、そういうことはあり得ないと、こう言ってるんですから、それを私は信頼したいと思うんですが。ただ、その時点で、前知事がやったその事実については、私たちの全員協議会が、ここで行ったときに、庁内いわゆる県庁内で内部調査委員会をつくって、その事実の真相をきちっと解明しますということを、我々全員協議会全議員が申し入れたことに対して、その答弁をいただいているんですよね。そのことについての真相解明を我々は期待してるわけです。
 だから、そのことについて私は置き去りにされてるんではないかと。だから、その点を、やっぱりいずれにあっても当局が、この問題についてこうであったと、こういう事実であったと、そういうことをきちっと県民に明らかにしていかないと、私は、知事がせっかくこれからやろうということに対しても、一定の総括があってこそこれからの方針があるんですから、その点をぜひともお願いしたいと思うんです。
 後でまた質問もあると思うんで、これは、私は私の見解として述べておきたいと思います。
 次に地域医療の支援体制ですけど、知事も言うてるように、県が和歌山医大に対して委託してたということなんですけど──地域医療支援体制の業務についてですよ。私は、それを和医大にだけ委託してこういう協議会をつくっていこうとしても、過去のデータを見ますと──各医師、各病院のデータの本、ちょっと取り寄せたんですけど、それだけではなかなか進んでないんです。何かというと、やっぱり県が主導して事務局的責任を負いながら和医大や、それに困っている地域公立病院の希望を聞いて県がきちっと指図せなんだら、うまいこといけてないんです。
 それと、地域によっては医師が非常に不足してきた、地方において非常に医師不足だというたときに、和医大だけ頼るという今までのシステム──結局、医大の医局が、国公立病院の医局が、非常にもう力が今までのようにはなくなってきたと。ある若い医師に、あそこへ行け、ここ行けという時代ではなくなってしまっていると。だから、そういう意味では、非常にそういう今までの学閥、派閥というんですか、京大出、阪大出、和医大出であれば、その人が地方の院長なり医者におれば引っ張ってこれるという時代はもう既に終わったと。そういう意味では、そのためには、地域医療機関のこの支援機関が果たす以外、もうなくなってきたんです。
 それが、先進的なところでは、今まで、我々、和医大へ委託したけども、和医大だけでは医師が確保できない場合は他の医局、大学病院の医局にもお願いをするという立場を県行政はとらなかったら、例えば関西で言えば阪大とか京大とか、そういう分野にも枠を広げた形でのこの支援体制でなかったら、なかなか口だけで言っても成功しないと思う。その体制も枠を超えた体制をぜひとっていただきたいと、こういうことを希望したいと思います。
 最後になりますけど、津波対策について、私、これでもう非常に自信持ちました。やっぱりこういうふうにして津波から逃げ切ることによって、あなたのとこは平成二十年ですよ、二十五年ですよ、二十七年ですよというふうに具体的に、本当に時間はかかってもその時期来たらやってくれるんやという展望、きちっとした目標があれば、非常に自信として持てると思うんです。それまではいつ起こっても自分が逃げ切ると、こういう部分での意識の中で県行政を信頼しながらこの防災対策に取り組んでいけるんではないかと思います。
 以上で終わらしていただきます。ありがとうございました。
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で原日出夫君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時四十八分散会

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