平成18年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


県議会の活動

平成十八年十二月 和歌山県議会定例会会議録 第三号
────────────────────
議事日程 第三号
 平成十八年十二月八日(金曜日)午前十時開議
  第一 議案第百六十六号から議案第百七十六号まで、報第九号から報第十一号まで、議員提出議案第五号、請願三件、
     並びに議案第百六十号及び議案第百六十一号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
  第二 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
  第三 特別委員会閉会中継続審査の件
  第四 議員提出議案第六号及び議員提出議案第七号(委員会付託等省略・表決)
  第五 意見書・決議案
会議に付した事件
   一 議案第百六十六号から議案第百七十六号まで、報第九号から報第十一号まで、議員提出議案第五号、請願三件、
     並びに議案第百六十号及び議案第百六十一号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
   二 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
   三 特別委員会閉会中継続審査の件
   四 議員提出議案第六号及び議員提出議案第七号(委員会付託等省略・表決)
   五 意見書案
出席議員(四十四人)
     一  番       須   川   倍   行
     二  番       尾   崎   太   郎
     三  番       新   島       雄
     四  番       山   下   直   也
     五  番       小   川       武
     六  番       吉   井   和   視
     七  番       門       三 佐 博
     八  番       町   田       亘
     九  番       藤   山   将   材
     十  番       浅   井   修 一 郎
     十一 番       山   田   正   彦
     十二 番       坂   本       登
     十三 番       向   井   嘉 久 藏
     十四 番       大   沢   広 太 郎
     十五 番       平   越   孝   哉
     十六 番       下   川   俊   樹
     十七 番       花   田   健   吉
     十八 番       前   岡   正   男
     十九 番       小   原       泰
     二十 番       前   芝   雅   嗣
     二十一番       飯   田   敬   文
     二十二番       谷       洋   一
     二十三番       井   出   益   弘
     二十五番       東       幸   司
     二十六番       藤   本   眞 利 子
     二十八番       原       日 出 夫
     二十九番       冨   安   民   浩
     三十 番       野 見 山       海
     三十一番       尾   崎   要   二
     三十二番       中   村   裕   一
     三十三番       浦   口   高   典
     三十四番       角   田   秀   樹
     三十五番       玉   置   公   良
     三十六番       江   上   柳   助
     三十七番       森       正   樹
     三十八番       長   坂   隆   司
     三十九番       阪   部   菊   雄
     四十 番       新   田   和   弘
     四十一番       松   坂   英   樹
     四十二番       雑   賀   光   夫
     四十三番       藤   井   健 太 郎
     四十四番       村   岡   キ ミ 子
     四十五番       松   本   貞   次
     四十六番       和   田   正   人
欠席議員(なし)
 〔備考〕
     二十四番欠員
     二十七番欠員
説明のため出席した者
     知事職務代理者・副知事
                小 佐 田   昌   計
     知事公室長      野   添       勝
     危機管理監      石   橋   秀   彦
     総務部長       原       邦   彰
     企画部長       高   嶋   洋   子
     環境生活部長     楠   本       隆
     福祉保健部長     小   濱   孝   夫
     商工労働部長     下           宏
     農林水産部長     西   岡   俊   雄
     県土整備部長     宮   地   淳   夫
     教育委員会委員長   樫   畑   直   尚
     教育長        小   関   洋   治
     公安委員会委員長   大   岡   淳   人
     警察本部長      辻       義   之
     人事委員会委員長   西   浦   昭   人
     代表監査委員     垣   平   高   男
     選挙管理委員会委員長 山   本   恒   男
職務のため出席した事務局職員
     事務局長       山   本   庄   作
     次長         植   野   博   文
     議事課長       下   出   喜 久 雄
     議事課副課長     薮   上   育   男
     議事班長       土   井   敏   弘
     議事課主査      石   垣   悦   二
     議事課主査      湯   葉       努
     総務課長       島       光   正
     調査課長       辻       和   良
 (速記担当者)
     議事課主査      中   尾   祐   一
     議事課主査      保   田   良   春
────────────────────
  午前十時一分開議
○議長(向井嘉久藏君) これより本日の会議を開きます。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十時一分休憩
────────────────────
  午後一時一分再開
○議長(向井嘉久藏君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第一、議案第百六十六号から議案第百七十六号まで、知事専決処分報告報第九号から報第十一号まで、議員提出議案第五号、継続審査中の請願三件、並びに前会から継続審査中の議案第百六十号平成十七年度和歌山県歳入歳出決算の認定について及び議案第百六十一号平成十七年度和歌山県公営企業決算の認定についてを一括して議題とし、順次、常任委員会委員長及び決算特別委員会委員長の報告を求めます。
 建設委員会委員長尾崎太郎君。
  〔尾崎太郎君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(尾崎太郎君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案七件、請願は前会からの継続審査分一件であります。
 委員会は、十二月七日、第五委員会室において開催し、県土整備部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第百六十九号及び議案第百七十一号から議案第百七十六号について、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第二号は継続審査すべきものと決しました。
 なお、当委員会から「地方の課題解消に不可欠な道路特定財源制度の堅持を求める意見書(案)」が提案される運びとなっていますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、道路特定財源の堅持に対する具体的な取り組みと地方の連携について、一・五車線道路整備の現状について、県営住宅の家賃滞納対策について、官製談合問題と入札制度改革について、県立情報交流センターBig・U建設工事についてただされました。
 なお、このたびの知事逮捕に至る官製談合問題は県立情報センターの設計疑惑に端を発していると推察されること、これまでの当局の検証については、知事が談合に関与していたことが明らかになった以上、疑義が残ることなどから、当委員会は当局に対し、県立情報センターの一連の入札を再度検証するよう要請をいたしました。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な決定をお願いいたします。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 文教委員会委員長坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(坂本 登君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、請願文書表に記載のとおり、前会から継続審査となっております請願二件であります。
 委員会は、十二月七日、第六委員会室において開催し、当局から現況について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第十六号及び議請第十七号は継続審査すべきものと決しました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、いじめ問題について、高等学校における未履修問題について、旧下津町地区における小中一貫教育について、大学のアドミッションオフィス入試に対する考え方について、頑張っている子供たちに対する支援と広報についてただされました。
 以上をもちまして、文教委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 総務委員会委員長花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(花田健吉君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案五件、知事専決処分報告二件であります。
 委員会は、十二月七日、第一委員会室において開催し、出納室、人事委員会事務局、監査委員事務局、選挙管理委員会、知事公室、企画部、総務部の順に当局から付託案件等について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第百六十六号から議案第百六十八号まで及び議案第百七十号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また、議員提出議案第五号の附則第二項を除く総務委員会所管部分について慎重に審査いたしました結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。知事専決処分報告報第九号及び報第十一号は、全会一致で承認されました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、選挙管理委員会関係では、知事選挙について、知事公室関係では、談合事件の真相及び公務員の責務について、前知事の親睦団体の管理について、企画部関係では、Big・U内の県立情報交流センターに係る指定管理者について、関西国際空港における中部空港、神戸空港開港の影響について、人口対策について、総務部関係では、報第九号平成十八年度和歌山県一般会計補正予算の歳入について、出納長の役割について、談合事件による地方交付税への影響、今後の防止策及び捜査当局の捜査に対する協力について、議員提出議案では、税負担の意義、県民への周知及び合意について、既に議決された条例の重みについて、森林環境保全の必要性についてただされました。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願いいたします。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 福祉環境委員会委員長角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会委員長(角田秀樹君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、知事専決処分報告一件であります。
 委員会は、十二月七日、第二委員会室において開催し、福祉保健部、環境生活部の順に当局から現況について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、知事専決処分報告報第十号については原案のとおり承認すべきものと決しました。
 次に、所管に係る事項について、各委員から活発な質問がなされました。各委員の主な質問項目を申し上げますと、福祉保健部関係では、医師確保対策について、インフルエンザワクチンの安定供給対策について、介護予防施策の充実について、障害者自立支援法施行後の状況の把握と見直しの動きについて、環境生活部関係では、廃棄物対策に係る関係機関との連携について、男女共同参画の推進と具体策について、和歌山県地球温暖化対策条例案についてただされました。
 以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 経済警察委員会委員長須川倍行君。
  〔須川倍行君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(須川倍行君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 委員会は、十二月七日、第三委員会室において開催し、商工労働部・労働委員会、公安委員会の順に当局から現況について説明を聴取した後、所管に係る事項について各委員から活発な質問がなされました。
 各委員の主な質問項目を申し上げますと、商工労働部関係では、若年者に対する就労支援について、雇用対策について、企業立地における奨励金制度について、南紀白浜空港の利用促進等について、観光振興について、和歌山市の中心市街地の活性化について、公安委員会関係では、児童虐待事件の現状と対策について、県内における外国人犯罪の現状についてただされました。
 以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 農林水産委員会委員長浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(浅井修一郎君) 農林水産委員会における審査の経過並び結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案一件であります。
 委員会は、十二月七日、第四委員会室において開催し、農林水産部から現況について説明を聴取した後、所管に係る事項について各委員から活発な質問がなされ、議員提出議案第五号について慎重に審査いたしました結果、賛成少数をもって否決すべきものと決しました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、燃油高騰に対する農業分野での支援策について、漁協合併の進捗状況と県の指導について、農作物の鳥獣害防止対策について、農林水産部の十九年度予算の考え方について、緑の雇用担い手住宅について、日豪FTA交渉問題への県の対応について、地域団体商標に関する県の指導について、温州ミカンの首都圏での販売状況について、加工原料用ミカン対策について、紀の国森づくり税の使途についてただされました。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 決算特別委員会委員長平越孝哉君。
  〔平越孝哉君、登壇〕(拍手)
○決算特別委員会委員長(平越孝哉君) 決算特別委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会は、九月定例会最終日の九月二十九日に設置され、同定例会に提出された議案第百六十号平成十七年度和歌山県歳入歳出決算の認定について及び議案第百六十一号平成十七年度和歌山県公営企業決算の認定についてを閉会中の継続審査として付託されたものであります。
 委員会は、同定例会の閉会直後、議長により招集され、正副委員長の互選が行われ、委員長に私が、副委員長に飯田敬文議員がそれぞれ選出されました。
 審査は、当初、十月十六日から十八日の三日間、十九日を予備日としていましたが、急遽十六日に全員協議会が開催され、結果、予備日を審査日として組み込み、十月十七日から十九日までの三日間にわたって第四・第五委員会室において開催し、当局から説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第百六十号及び議案第百六十一号は、いずれも賛成多数をもって認定すべきものと決しました。
 次に、各委員の主な質疑項目を申し上げますと、選挙管理委員会関係では、選挙啓発費について、在外選挙人名簿登録事務委託費について、選挙管理委員会委員の報酬について、不在者投票における立会人について、人事委員会関係では、委託料、使用料及び賃借料について、出納室関係では、公金送金通知書発行一年経過後の歳入の取り扱いについて、企画部関係では、移動通信用鉄塔設備整備事業の執行残について、加太菜園の操業・雇用状況及び二期工事の着工めどについて、大滝ダム負担金について、関西国際空港について、行政監査指摘事項の対応について、統計調査の有効活用、費用対効果について、環境生活部関係では、広川町の硫酸ピッチ不法投棄について、不法投棄監視のパトロールの取り組み状況について、環境衛生研究センターの早期耐震工事の必要性について、福祉保健部では、基本健康診査受診率の数値目標について、受診率向上のための財政的支援について、国民健康保険証の発行問題について、国民健康保険料滞納者の福祉医療制度適用について、県土整備部関係では、西脇山口線の進捗率について、直轄河川事業における負担金について、紀の川大堰事業計画変更に伴う浸水対策について、繰越額について、ニューかわなが団地の入居状況について、公安委員会関係では、地域警察活動拠点整備事業におけるミニ広報紙について、信号機の設置について、留置管理センターについて、警察署の管轄区域について、警察職員の名札着用について、教育委員会関係では、岩出市の旧県議会議事堂保存整備事業について、養護学校への看護師派遣事業について、北方領土返還県民運動について、知事公室関係では、広報誌配布手数料について、広報誌「連」について、紀の国ふれあいバスについて、地域政策推進事業について、農林水産部関係では、沿岸漁業改善資金について、漁協の合併の進捗状況について、漁師への道プログラム推進事業について、住宅街における畜産農家について、林業公社への貸付金について、商工労働部・労働委員会関係では、中小企業振興資金の不納欠損について、ジョブカフェ・わかやまについて、中小企業高度化資金貸付金について、総務部関係では、不納欠損について、医科大学関係では、収支について、医師・看護師国家試験の合格率について、収入未済額について、周産期医療について、ドクターヘリ及び救急救命センターの運営について、旧企業局関係では、土地造成事業について、こころの医療センター関係では、入院患者数の減少について、県立病院としての使命、役割についてただされました。
 以上をもちまして、決算特別委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 以上で、常任委員会委員長及び決算特別委員会委員長の報告が終わりました。
 これより委員長の報告に対する質疑に入ります。
 質疑はありませんか。──質疑なしと認めます。
 次に、討論に入ります。
 まず、村岡キミ子君から反対討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 四十四番村岡キミ子君。
  〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 議長のお許しをいただきましたので、討論に入ります。
 議案第百六十号平成十七年度和歌山県歳入歳出決算の認定について、議案第百六十一号和歌山県公営企業決算の認定について、いずれも認定に反対の立場から討論を行うものです。
 今回の談合事件で、県発注の公共工事において木村前知事やゴルフ場の元経営者・井山被告らが談合に関与し、入札に参加したゼネコンなどが予定価格に近い高値落札を行っておりました。そして、ゼネコンから二億円近いお金を受け取った井山被告から木村前知事に一千万円以上のお金が渡っていたことも明らかにされたところです。
 決算審査の対象となりました十七年度における入札でも、高値落札が相次いでいます。農林水産部の五千万円以上の工事では、十六件の入札のうち最低の落札率でも九三・八%、最高では九八・九%でした。県土整備部の五千万円以上の工事入札では、百九十七件のうち落札率が九〇%以上という高値落札が百六十件、全体の八一%を占めています。
 昨年末までの入札とことしに入ってからの入札を分けて見てみますと、昨年末までの入札では九〇%以上が八七%、ことしの一月から三月までの入札では五六%と、大幅に減っているところです。日本土木工業協会は、昨年末に談合決別宣言を行ったところです。今年度の落札率がこれまでに比べて大幅に落ちていることがはっきりしていますが、昨年末までの異常な高値落札において談合が行われていたのではないかとの疑念を抱くのは当然であり、このことにメスを入れないでは県民の理解を得られないというふうに考えます。
 次に、県単の老人医療費補助金の推移を見ますと、所得制限を極端にまで厳しくした結果、平成十三年度の受給者数は三万千二百二十二人でした。十七年度は千百三十六人にまで減少してしまいました。十三年度の補助額は十一億二千二百万円でしたが、昨年度は六千五百万円にまで削減され、何と十億五千五百万円も削減されたことになります。一方では公共事業発注による入札談合で多額の税金が不法にゼネコンなどに流されていながら、県民の命にかかわる補助金をばっさりと切り捨てることは、許されるものではありません。
 特別会計では、同和対策事業として行われてきました中小企業高度化資金において、協業組合大幸などへの融資四億九千万円が不納欠損処理されてしまいました。この高度化資金の債権回収については、これまでも何度も取り上げてまいりましたが、この高度化資金制度での融資先は全体で五十法人、そのうち三十五法人が延滞法人であり、未償還額は百七億円にも上ります。融資した七割が延滞法人となっていることは、経営環境の悪化だけでは説明できない問題をはらんでいると考えるものです。
 また、同和対策事業として無利子融資された百二十三億円のうち、未償還となっている金額は九十二億円にも上ります。十七年度において返済された金額は、わずかに七千万円にしかすぎません。また、そのうち六つの破綻法人の未償還額だけで二十九億三千万円にも上っていますが、協業組合大幸に対する四億九千万円もの債権はこの中には含まれていません。
 また、不納欠損処理に至る経過で、督促状を送っていたことが時効停止にはならないということを相手側から指摘されるまで知らなかったとされていますが、真剣に県民の税金を回収する気持ちがあったのか、疑わしいと考えざるを得ません。県行政として許されないミスを行って県民の税金を浪費した事態への真摯な反省を求めるものであります。
 加太コスモパーク用地にオリックス、カゴメが出資して昨年から稼働しているトマト生産、加太菜園の二期事業は、トマト販売の不振から延期されていることが委員会審議の中で報告をされました。県が土地開発公社に払う賃借料は八十六・五ヘクタールで四億八千九百八十六万円、加太菜園には三十七ヘクタール造成して、賃貸料は十・七ヘクタール分で約一千百万円で、多額の県費が費やされて優遇されています。二期事業の着工延期という事態を迎えて、ますます県民の税金をつぎ込むようなことを続けていいものでしょうか。鑑定価格を割った破格に安い賃貸料の見直しを企業に求める姿勢が必要ではないかと思います。
 土地造成事業については、保有している土地を完売しても多額の赤字が残ると予測され、赤字額は将来、県民にまた負担を求めることになります。将来の見通しを県民の前に示し、そうした事態を招いた責任を明確にしなければなりません。
 以上申し上げて、反対討論を終わります。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 次に、吉井和視君から反対討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 六番吉井和視君。
  〔吉井和視君、登壇〕(拍手)
○吉井和視君 それでは、議員提出議案第五号に反対の立場から、志を同じくする者の代表として反対の討論をさせていただきます。
 私が議長在任中に二本の議員提出議案が可決しました。一つは、我々議員の定数条例であります。これも全国で和歌山県だけという、その定数減をしなかったわけでありますけれども、これについても、和歌山県の県民の利益、そういうものを考えての決断であります。共産党さんにも御理解をいただいて、そういう共同でやったわけであります。
 もう一つは、今この提案の反対討論さしていただく森林条例、紀の国森づくり税でありますけれども、これも全国で初めて税について議員提案をしたという、そういう条例であります。これは、県民に対して議員みずからが税について語りかけた、地方自治法あるいはまたこの議員の社会、あるいはまた議会について地方分権時代の新しい議会の姿を我々和歌山県議会が全国に発信した、本当に画期的な議員条例であったという自負を私はいたしておるところであります。
 そういう中で、この森林については、私は前にもこの本会議の中で、この条例について──いや、条例というより森林整備の必要性について述べたわけでありますけれども、あの脊髄損傷で有名なホーキングという物理学者がおるわけなんですけども、その学者が、宇宙の中でどうして宇宙人同士が遭遇しないのかと、そういう話の中で、地球みたいに文化が、あるいはまた文明が発達すると、地球というのは一瞬に消滅するという話を聞いたことがあるわけなんですけども、それだけいわゆる地球というのは有限の物体であると。そういう意味で、世界じゅう至るところで今、地球環境の問題を論議されておるわけであります。
 そういう中で、特に地球環境と言えば森林、この森林の伐採というのは、もう毎年和歌山県の面積の倍ぐらいの森林が伐採されているということを聞いております。そういう中で、もはや森林所有者や関係者だけの努力では森林を守れない、森林整備できない、そしてまた公的資金にも限界があるということで、森林を守るための国民運動、あるいはまた県民運動ということで、この森林税ということを我々は考えたわけであります。
 そういう認識のもとに、自由民主党県議団において、平成十六年十月、森林環境税研究会メンバーというものを発足して研究会を重ねた後、平成十七年四月に森林環境税懇話会を発足し、各方面の皆さんに議論を深めていただきました。そして、八月十九日に中間報告を、十一月の九日には最終報告をいただきました。その内容としては、森林の現況を把握し、森林の持つ多面的な機能の理解や県民参加による森林環境の整備のあり方について検討を重ねた結果、県民の皆様から紀の国森づくり税として新たな負担をいただくことにより、本県の豊かな森林が県民共有の環境、文化、資源として認識され、将来へ守り継がれていく必要があるという結論に至ったわけであります。
 また、並行して、議会各派の皆様とともに五回にわたり森林環境勉強会を通じ、議論を重ねてまいりました。多くの県民の皆様にお集まりいただいて、みんなの森づくり税シンポジウムも開催いたしました。
 このような経過で、税収自体を第一の目的とするものではなく、広く薄い負担で県民の皆様の関与や参加をお願いする意味で紀の国森づくり税の導入を提案したものであります。そして、使い道については、最大限効果を発揮するため、「県民が知ること」「県民が理解すること」「県民が参加すること」を基本理念として、公益性を重視し、和歌山らしい特色のある新規事業などに使ってもらうことを期待しました。
 あわせて、当局に対して、現行の政策予算の配分をさらに森林整備に重点化すること、二つ目として、企業の森事業を無償貸与から一歩進めて所有してもらうようにすること、三番目として、わかやま森林と緑の公社の経営改善の推進に努力すること、四番目に、木づかい社会の実現にさらに力を入れることも要請いたしました。
 また、税条例成立を早期に要望する県下の議会もありましたが、より広く理解をしてもらうため、実施を一年間延期いたしました。附帯決議として、税徴収を担う市町村の事務を軽減するよう配慮も求めました。このように、提案者としてとり得る最大の努力をして条例を成立させたのであります。
 さらに、条例制定後は、県当局において、「県民の友」などによるPRのほか、八月二十一日から九月四日の間、県内九カ所において、その後十一月十七日から三十日の間、七カ所において税の趣旨や使い道について説明会を実施しており、引き続き努力することを表明しております。
 自民党としても、議員各自が税の意義を県民に説明し、具体的な使い道について、花粉症治療の権威である竹中大阪医科大学教授の協力を仰ぎ、ハイリスク児の看護などを検討してまいりましたが、広く県下に効果が及ぶ方法を取りまとめ、近く提案する予定であります。
 趣旨は理解すると言いながら、いたずらに反対を唱える考えにはくみしません。むしろ、着実に施行し、実際に効果的な活用が行われる方が、県民の理解が進むものと確信いたします。
 以上のことから、来春より実施すべきものと考え、本案に対して反対するものであります。
 以上です。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) 次に、浦口高典君から賛成討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 三十三番浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕(拍手)
○浦口高典君 議長のお許しをいただきましたので、新生わかやま県議団、日本共産党県議団、民主党県議団、環境平和の会、公明党県議団の五会派十六名を代表して、議員提出議案第五号紀の国森づくり税条例及び紀の国森づくり基金条例の一部改正する条例案、つまり施行を一年間猶予した後、再考する条例案に賛成討論をさせていただきます。
 紀の国森づくり税は、御存じのとおり、平成十七年十二月議会で和歌山県議会初の議員政策提案条例案として上程・採決され、賛成三十名、反対十四名をもって可決された、全国で初めて県議会が県民に課税する条例であります。
 しかし、今回の一部を改正する理由にもありましたとおり、同条例は到底県民の理解と協力を得られていないことと、今回の県発注工事の競売入札妨害、いわゆる和歌山談合において県民に多大な損害を与えていることが明らかになりつつある中でとても新税を徴収する状況ではないとの二点の理由から、一部を改正する条例案に賛成するものであります。
 本来なら日本共産党県議団、民主党県議団も賛成討論をしていただく予定でしたが、協議の結果、私から代弁をさせていただきます。
 まず、日本共産党県議団の意見として、県主催の説明会の参加状況から見ても、また共産党県議団が実施したアンケートでも税について知らないという意見が半数を占め、税についての理解が深まり協力を得られていると言えるものではなく、また、県内人口の約半数を抱える和歌山市を初めとする地方自治体や議会からの導入反対の意見から見ても到底実施できる状況ではない、また、県発注工事の談合、贈収賄汚職事件で県民の大切な税金を横取りされたことに県民の怒りが頂点に達している状況の中で新税を県民の皆さんに押しつけることは県政への県民の信頼を失うと訴えられております。
 また、民主党県議団の意見としては、当時の和歌山市議会は、提出された森づくり税の提案理由に「県民の理解と協力のもと」という文言が入っているが、和歌山県民はもとより、その三分の一以上を負担する和歌山市民にいかなる説明をしたのか、現時点において和歌山市民のコンセンサスを得られたものとは認められないものとして、昨年十二月五日付で反対の決議を県議会に提出されております。また、同議会の十二月十四日には、基金の使途も不明であるとの理由で、改めて反対の表明と撤回を求める決議案が提出されております。このように、紀の国森づくり税に対する同議会において反対に続き撤回という二段階の異例の決議となっているのに、県議会はそれを無視して県民から新税を取るのは到底納得できないと、民主党県議団は訴えられております。
 さて、紀の国森づくり税とは、まさに紀州木の国・和歌山の森を大切に、環境を大切にという、本来は名称どおりのすばらしい税金であるはずなのに、何とむなしい響きしか感じないのは私一人でしょうか。少なくとも共同提案会派の五会派、さらに同改正案に賛成してくださるであろう県会議員の皆さん、そして、提出理由の中にあった同条例を全会一致で廃止決議までされた和歌山市議会、御坊市議会、また同条例に再考を促した由良町議会の皆さんも含め、私と同じように感じられているのではないでしょうか。
 昨年十二月の同条例案の議論の中で、広く県民に理解を得るため施行を一年猶予させ、延期させ、平成十九年四月からということで可決されましたが、果たしてこのような努力がなされてきたかどうかは甚だ疑問であります。
 以下に、私が見聞きした同条例に対する県民の思いを述べさせていただきます。
 和歌山市では二回、同条例の説明会があり、一回目は九月一日に午後七時から県民文化会館で、約三十名の出席のもと、県税務課と林業振興課による同条例の説明会に私も参加させていただきましたが、出席者からは、「だれがこんな条例をつくったんや」「何に使うかはっきりしてないのにおかしいん違うか」「和歌山の経済の状況をわかってるんか」と罵声にも似た質問の連続で、私から見ていても、それに対応する県職員の皆さんがお気の毒でなりませんでした。
 また、二回目の十一月二十九日には、同じく県民文化会館の別の会場で、約二十名の出席者のもと、当局も一回目のやりとりに懲りたのか、平日の午後四時から行われましたが、さすがに時間帯が時間帯であっただけに、前回のような激しい質問はございませんでした。ちなみに、出席者のほとんどは、ふだん私が県庁でよくお会いする方ばかりでした。
 また、これら二回の説明会にも、この森づくり税を強力に推し進めた自民党県議団の皆さんのお姿を拝見することはできませんでした。
 さて、来年は統一地方選の年であります。議員の同僚・先輩の皆さんもそれぞれの選挙区での活動を活発に行われていることと思います。私も、大きな支援団体がないだけに五人、十人のミニ集会を連日行っておりますが、やはり一般の方の関心は談合問題であります。
 そこで、こちらから「談合事件の被害者はだれですか」と質問しますと、すぐに、「我々県民だ」「納税者である我々だ」「私たちだ」という答えが返ってきます。浅野前宮城県知事の言葉でありますが、「談合は犯罪であり、被害者は住民である」というような明確な言葉を用いるまでもなく、そのような思いが県民の皆さんには定着をしております。当たり前と言えば当たり前なんですが、今まで国や他府県の汚職や談合事件のときは何か他人事であったのが、身近にこのようなことが起こり、前知事と前出納長が逮捕されるという異常事態と、その被害額が余りにも莫大であることが連日マスコミ等で報じられると、幾らおおらかな性格な和歌山県民も、このことに大変敏感になっていることは間違いありません。
 そして次に、この紀の国森づくり税について知っているかどうか皆さんに質問しますと、十人中十人と言っていいほど「知らない」という答えが返ってきます。そこで、私の方から「これは議員提案による条例で、県民の皆さんに森の大切さを知ってもらうためにつくった条例ですよ。一年間にわずか五百円ですから」と説明すると、急に怒りが爆発して、「何や、それは。自分ら県会議員は一人も減らさんと、我々の知らん間に県民に税金かよ。県会議員は何を考えてるんだ」という言葉が返ってきたこともありました。また、ほかに、「税金を取られる県民の立場から言うと寝耳に水や」とか、「森林環境の大切さはわかるけれど、こんなに簡単に税金かけられたら怖い」とか、「森林の次は河川や海、それに農地の保全にも、環境という名目で県議会は税金をかけるのか」と聞かれます。また、「こんな談合の被害で暗い気持ちになっているときに税金を取るなんて、泣きっ面にハチや」とも言われました。
 そのようなわけで、昨年十二月議会で一年間猶予して、延期して県民の皆さんに周知徹底させると言われたのは一体何だったんでしょうか。しかも、当時、自民党側から答弁に立たれた議員の地元である和歌山市議会と御坊市議会が全会一致で廃止決議まで出しているにもかかわらず、この条例を来年四月から施行される意味は、私には全くわかりません。
 この紀の国森づくり税条例及び紀の国森づくり基金条例の一部改正する条例案の採決に臨んで議員各位の良識ある御判断をお願い申し上げまして、私の賛成討論とさしていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) これをもって、討論を終結いたします。
 これより採決に入ります。
 まず、議案第百六十六号から議案第百七十六号までを一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(向井嘉久藏君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、知事専決処分報告報第九号から報第十一号までを一括して採決いたします。
 本件に対する委員長の報告は、いずれも承認であります。
 本件を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(向井嘉久藏君) 起立全員であります。よって、本件はいずれもこれを承認することに決定いたしました。
 次に、議員提出議案第五号を採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(向井嘉久藏君) 起立少数であります。よって、本案は否決されました。
 次に、請願三件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。本請願をいずれも委員長の報告のとおり決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、本請願はいずれも委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、継続審査中の議案第百六十号平成十七年度和歌山県歳入歳出決算の認定について及び議案第百六十一号平成十七年度和歌山県公営企業決算の認定についてを一括して採決いたします。
 本決算に対する委員長の報告は、いずれも認定であります。
 本決算を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(向井嘉久藏君) 起立多数であります。よって、本決算はいずれもこれを認定することに決定いたしました。
 次に日程第二、常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件を議題といたします。
 お諮りいたします。お手元に配付しております「継続審査を要する所管事務調査件名表」及び「継続審査を要する担任事務調査件名表」のとおり、それぞれ閉会中の継続審査として付議することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に日程第三、特別委員会閉会中継続審査の件を議題といたします。
 お諮りいたします。人権問題等対策、関西国際空港対策、防災等対策、半島振興過疎対策及び予算の各特別委員会に付議されたそれぞれの問題について、さらに閉会中の継続審査とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に日程第四、議員提出議案第六号和歌山県議会会議規則の一部を改正する規則案及び議員提出議案第七号和歌山県議会委員会条例の一部を改正する条例案を一括して議題といたします。
 議案は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、いずれも提出者の説明等を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 議員提出議案第六号及び議員提出議案第七号を一括して採決いたします。
 本案はいずれも原案のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(向井嘉久藏君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、日程第五に入ります。
 和議第五十九号「地方の課題解消に不可欠な道路特定財源制度の堅持を求める意見書(案)」を議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、提出者の説明等を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 和議第五十九号を採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(向井嘉久藏君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
 以上で、今期定例会に付議された諸案件の審議はすべて終了いたしました。
 年末多端の折、各位の御精励を深く感謝申し上げます。
 どうか健康に留意され、新しい年を迎えて、ますます県勢発展のため御活躍されんことを心から御祈念申し上げます。
 これをもって、平成十八年十二月定例会を閉会いたします。
  午後一時五十五分閉会

このページの先頭へ