平成18年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(前岡正男議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 十八番前岡正男君。
  〔前岡正男君、登壇〕(拍手)
○前岡正男君 去る七月三十日に当選して以来、初めての質問に立たせていただきます。議席番号は十八番というエース番号をいただいておりますけれども、何分新人でございますので失礼もあるかと思いますが、御寛恕をあらかじめお願いして質問に入りたいと思います。
 さて、私は、今回の県会議員補欠選挙で「安心できる平和な地域づくり」ということを第一に訴えて当選させていただきました。そこで得た県民の皆様の御支持を背に受け、まずそれに関連したことから質問をさせていただきます。
 第一に、雇用についてでございます。
 安心できる地域の要件の第一に、最低限の文化的生活を送っていけるという保障があると思います。そこで重要なのは雇用であります。幾ら社会保障制度が整っていても、また治安や災害への備えが整っていても、そこに働く場がなければ人間は生活していけませんし、またコミュニティーの持続もあり得ません。そういう意味で、雇用が安定的に存在するということは安心できる地域の第一条件だと思うわけであります。
 ところが、本県では相変わらず有効求人倍率等が低い水準にとどまっており、人口の社会的減少が続いておるのも、働く場がないということが第一の理由であろうかと推察いたします。
 知事も雇用対策に力を注いでこられ、二〇〇四年に「雇用創出プログラム~わかやまジョブ・クリエイション~」を発表し、その成果を発表されております。それによりますと、二〇〇七年度までの目標一万五千人に対して、二〇〇三年度までの雇用創出は九千五百五十人、進捗率は六三・七%ということであります。一見順調なようでありますが、しかし、この雇用創出の成果表から抜けているのは、同じ時期に本県から失われた雇用はいかほどであったかということです。もしも雇用の喪失・流出がつくり出すものよりも大きいとしたら、別途、その喪失・流出という出血をとめる施策も講じる必要があると思うのです。そして、こういうことを考え合わせた上で、ジョブ・クリエイションへの評価と、今後県内の雇用情勢を改善する上でどのような対策が打たれねばならないとお考えなのか、知事からお聞かせ願いたいと思います。
 また、商工労働部長にお伺いをします。
 近年、和歌山県の雇用状況はどのように推移しているでしょうか。また、それは全国、近畿他府県に比較してどうでしょうか。もし企業のリストラや流出による雇用喪失がどれだけで、中小企業や個人商店の廃業によってどれだけの雇用が失われたのか、統計か推計する資料があれば伺いたいと思います。そして、雇用の流出・消失への歯どめとしてどのような具体策を講じられているか、お伺いをしたいと思います。
 次に、経済格差について質問させていただきます。
 富める者と貧しい者の経済格差が広がっているという指摘があります。和歌山県でも、当然そのような傾向は出ているだろうと推察いたします。
 例えば、総務省の就業構造基本調査によりますと、本県では年収二百万円未満の低所得世帯の全世帯に占める割合が、九二年の調査では八・〇%、九七年の調査では二一・一%、そして直近の二〇〇二年の調査では二三・九%とふえてきております。不況による失業者や高齢者の増加による無業者の増加が主因かと思われますが、低所得者層がふえていることは間違いないと思われます。
 もう一つの経済格差の広がりの原因として、非正規の労働者・社員の増加が挙げられます。パートやアルバイト、派遣労働者など企業で働く非正規労働者は、正規労働者に比べて賃金は低く、保険や年金などの面でも待遇に大きな差があります。
 和歌山県の非正規の労働者は全被用者の中で何%でしょうか。これは全国と比較してどうでしょうか。また、非正規雇用の増加によって医療保険や年金、経済活動や少子化などの面で本県が受ける影響はどのようなものでしょうか。
 私は、格差は確かに広がっており、そして安心できる地域をつくるという意味から、それを看過できない問題であると考えております。非正規雇用の増加による経済格差の拡大に歯どめをかけるために、県としてはどういう対策を講じられますか。知事の基本的考え方、そして商工労働部長から具体的なデータと対策をお聞かせいただきたいと思います。
 さらに、安心できる地域にという意味で、県民にとって重大な関心事が福祉と医療の問題です。近年の国や地方の財政難を理由とした福祉と医療のサービスの切り下げ、負担の引き上げは、まさに安心できる地域づくりに逆行する大変な問題であり、県民の憤激に似た怒りの声を私は今回の選挙においてもたくさん聞きました。しかし、医療制度改革その他の国の制度変更の問題に関連しては、ほかの議員さんたちが既に議会において具体的に質問しておられますので、今回は省きます。
 ただ、県民負担の引き上げについては、県民の生活の実情に応じて県ができるだけのカバーをしていただきたいということ、また、サービスの質の向上、法令の遵守、またサービスを受ける弱い立場の方々の人権の尊重については、県民の声を真摯に聞き、監視を怠らないということを当局に要望しておきたいと思います。
 私は、今回、一つだけ疑問をぶつけたいと思います。
 医療の現場では看護師の不足が問題となっておりますが、定数の要件を満たして「付き添いは不要」とうたっている病院でも、実際は家族などによる入院患者の付き添いが常態化しています。夜間の看護師の配置は、大きな病院でさえ、私の見聞からいって十分とは言えない状況ではないでしょうか。入院患者の家族は、安心して患者を病院に預けておけないからこそ付き添いをするのではないでしょうか。
 しかし、これは患者家族にとっては大変な負担であります。「付き添いは不要」という看板に偽りはないでしょうか。県として、夜間の看護体制と付き添いの実態を調査し、問題があれば対処すべきであると思いますが、いかがでしょうか。福祉保健部長にお願いをいたします。
 次に環境問題、なかんずく地球温暖化対策について質問をさせていただきます。
 和歌山県では、本年三月、地球温暖化対策地域推進計画を策定しました。日本全体が二〇一〇年までの温暖化ガス削減目標値として六%を掲げておりますが、和歌山県としては一〇・六%削減を目標とするということです。数字的には大変意欲的な計画に見えますが、正直なところ、私にはもう少し先進的な計画が欲しかった。企業任せ、経済情勢任せという印象をぬぐえません。
 産業部門での削減と森林吸収の組み合わせで数字的には国の目標数値以上の削減をクリアしていますが、全体的には大企業の稼働状況、省エネ技術の進歩の予測に依存しているようです。
 この計画の報告書によりますと、和歌山県では、基準年度の一九九〇年度に二酸化炭素全排出量の六九%を製造業が排出しております。ところが、その製造業からの排出量は、直近の二〇〇三年度には六・七%既に減少しております。つまり、製造業部門としては既に現時点で京都議定書のマイナス六%を達成しているわけです。そして、目標年度の二〇一〇年までは、この二〇〇三年のレベルから五・六%逆にふえるという計画になっております。これは、九〇年以降、景気がどんどん冷えていって、製造業も稼働が底を打った時点が二〇〇三年ごろということで、そこから以降は景気回復で鉄鋼業を初めとして増産が行われてきたし、また今後も拡大が続くだろうという読みでこういうことになったのだろうと思います。実現可能な計画をということでこういう数値になったのだと思いますが、何か肩透かしを食ったような、そういう印象です。
 民生部門での排出については、やはり二〇〇三年度で一九九〇年度に比べて八・八%既に減少していますから、二〇一〇年度まではそこから三・五%増加してもよろしいという計算になっております。これも、今からふやしてもオーケーと言われているようで、何かおなかに力が入らない。割合として、大きな産業部門でオーケーだから、民生部門、そんなに頑張らなくていいですよというふうに私には読めてしまうのです。それは邪推だと担当した方からはしかられそうですが、なぜそういう印象を持ってしまうかというと、民生部門での削減の具体策というものが羅列にすぎなくて、そこに優先順位も行政としてどうコミットしていくかも明らかになっていないからです。一応目標値は掲げられているものの、それに到達するために県民がどういう行動をとればよいかという道筋が具体的には見えません。
 市民レベルでの意識は年々高まっていると思います。県民こぞっての省エネ、省資源という機運を今こそ高めなければならないと思います。それにしては、この計画は民生部門にかかわる記述が少な過ぎるように思います。
 また、単に京都議定書の削減目標を和歌山もクリアしていこうという以上の、本当に地球の温暖化を食いとめる──本当はある程度の温暖化は既にとめようがないようですが──和歌山として資源循環型の持続可能な社会システムをつくっていこうという方向への志が見えないように私は感じます。
 そこで、知事に伺います。
 今回策定された計画に関して、私は今述べたような感想を持っておりますが、これについてはいかがお考えですか。また、削減目標達成への決意のほどを伺いたいと思います。
 また、二〇一〇年以降の取り組みについて、これは国においてはいまだに白紙に近い状態ですが、和歌山県としてはどういう方向をとろうと考えておられますか。
 続いて、環境生活部長にお伺いします。
 第一に、家庭で県民一人一人の生活の中で省エネ、省資源を推進するためには、単に省エネというお題目を唱えるだけでは始まらないと思います。いかなる具体策をお持ちでしょうか。
 第二に、和歌山県内の市町村、もちろん地域によって温暖化防止に対する意識が違うと思いますし、とるべき対策も違ってくると思いますが、現実に人々の生活に影響を及ぼすという意味では市町村の役割が非常に重要であると思います。県は、市町村と地域、今後どう連携していくつもりであるか、お伺いしたいと思います。
 第三に、民間部門での温暖化ガスということになりますと、やはり自動車の問題が大きなウエートを持つと思います。特に和歌山では、公共交通が都市に比べて未発達のところが多い。いえ、未発達というよりも、どんどん公共交通の役割が縮小するような動きがあると思います。しかし、自動車の使用をどんどんふやすようなことでは、温暖化対策もすぐに限界に突き当たってしまうと思います。
 なかなか一朝一夕にはいかないことは承知しておりますが、自動車使用を抑制する方向で、県が権限を有する都市計画、道路行政、公共交通政策について、方向性を定め、市民の理解を得るべきであると思いますが、いかがでしょうか。
 次に、行政改革に関連して質問させていただきます。
 過日、事業仕分けの民間評価委員会を傍聴いたしました。御努力を評価いたしますが、若干疑問に感じたことをただしたいと思います。
 「これこれの事業は県職員でなくてもできる。民間委託、非常勤職員、NPOの活用等を考えるべきである」という当局側──といっても事業担当部局ではなく、事業仕分けを進める行政経営改革室の担当者ですけれども、そういう表現が耳につきました。民間活力の活用、民間への事業の移譲を効率化、経費削減の観点からのみ考える傾向が出てはいまいかと、いささか危惧するところです。
 民間に委託する、アウトソーシングするということで、当たり前のように経費削減になるのはなぜでしょうか。もちろん、民間には市場での競争原理が働き、仕事が効率化されるということはあるでしょう。しかし、同じ事業をする上で生じる官民のコストの格差には、官民の賃金の格差が反映されているということが言えると思います。そして、民間の低賃金、これはまさにきょう先ほど私が質問した問題、非正規雇用の問題と関連するわけです。定型的業務を安く請け負わせるということであれば、やはり非正規雇用を活用した民間企業が価格競争力で勝つでしょう。そうすると、県の行革は、官民の賃金格差、民間の正規と非正規の従業員の間の賃金格差に乗っかったものになる、そして、ひいてはそのような格差を助長することになりはしないかと危惧するものです。
 やはり県としては、公務にかかわる業務を委託する際には、委託された会社が安定的な雇用を行えるような配慮が必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
 あるいはNPOの場合では使命感に燃えた頑張りで安い委託料でも受けるかもしれませんが、民間の力を活用し、伸ばしていくという観点から事業の移譲を検討していただきたい。したがって、委託する場合は、その民間、それは企業にしろNPOにしろ、なるべくノウハウがその企業、NPOに蓄積し、常勤職員の雇用あるいは労働に見合った正当な待遇ができ、安定的な経営が図れるように配慮すべきであると思います。このようなことについて、知事に対して、基本的考え方と、あればですが対応策、お願いいたしたいと思います。
 これと関連することですが、職員制度の改革についてであります。
 県職員でなくてもできる業務をどんどんアウトソーシングしていくとして、県職員には何が残るでしょうか。公的な意思決定であり、企画だと思います。それが本当にプロフェッショナルとしてできるようになるためには、現在のような職員制度でいいのか、疑問があります。二、三年で異動していくような制度、ほとんどの職員が新卒で入ってそのまま定年までいるような職場でよいのでしょうか。
 知事は、全国に先駆けて分限免職や査定昇給制を人事政策に取り入れました。このことは大いに評価するものですが、本当にこれから県政を県民の立場に立った効率的なものにするんだという決意で、もう一歩踏み込んだ改革をしていただきたい。
 それには、県の人事制度として、極力分野ごとのプロフェッショナルを養成するような人事配置を行うこと、また、官民交流というような生ぬるいことではなく、プロフェッショナルとして力をつけた職員が民間企業へ転職する、それだけの力をつけさせる、反対に民間のプロを管理職や現場にどんどん採用する、そういうことをこれも和歌山県モデルとして進めていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 また、給与の制度も、民間企業の模範となるような、本当に職務の難度やキャリアに見合ったフェアな給与制度に徐々にでも改めていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 さきのアウトソーシングの質問と関連しますが、職員がやるより民間に委託した方が経費が例えば半分で済むというようなことが現実にあるわけです。それは、賃金の官民格差が反映しているわけです。県民からすれば、県庁職員はあの程度の仕事であんなに高給をとっている人がいるという不公平感が出ても不思議ではないと思います。現実には大変な激務をこなしておられる職員がたくさんいることを承知で申し上げているのですが、一方でそういう現実もあるのです。
 法律の縛りもありますし、職員の年齢構成などの構造的な問題があると思いますが、将来の方向性として知事にお考えを伺いたい。そしてまた総務部長には、もしあれば具体策を伺いたいと思います。
 最後に、今回の談合疑惑について質問いたします。
 去る九月二十日、和歌山県庁が県の公共工事に係る談合容疑で家宅捜索を受けました。単なる業者間の談合ではなく、県側の関与が疑われるということで、知事室まで捜索を受けるという大変ゆゆしき事態であります。同僚議員から知事への質問に対して、知事は遺憾の意を表して捜査の進展を見守るということだけですので、私は県土整備部長にお尋ねをいたします。
 一番、まず今回問題となっている工事について経過を御説明いただきたい。
 二番、新聞各紙の報道によりますと、この工事を請け負ったJVの中心となるハザマが大阪府のゴルフ場経営会社大和開発観光の役員──今回県が捜索を受けたのと同じ日に捜索を受けました──に対して、工事受注工作の謝礼として五千九百万円を支払った形跡がある、そして、この役員はこの工事の設計を委託された会社から設計図面をハザマが入手できるように働きかけ、ハザマはその設計図面の入手によってチャンピオンに選ばれ、工事が受注できるように談合が成立したということであります。また、この会社役員は、県情報交流センターBig・Uの建設工事についても談合に関与していた疑いがあるとして、大阪府警から任意で聴取を受けていたことがあるということ、そして、この会社役員は知事や一部の県職員と親交があるということであります。
 これら報道されている事柄について、県土整備部長が把握している事実は何か、伺いたいと思います。
 三番、談合が疑われる事件があれば、常に県当局の入札制度の厳格性、透明性が問われるわけですが、この工事の入札時点で入札制度にどのようなすきといいますか、改善すべき点があったと考えられるか、また、現在に至るまでそれがどのように改善されてきたか、そして、今回の事件を受けて考えられる対策はいかなるものか、伺いたいと思います。
 四番、今回談合の疑惑がかかっているハザマとそのJVの参加企業については、これ以降の県発注工事について指名停止等何らかの対応がなされるのでしょうか。それとも、現段階では普通に入札に応じることができるのでしょうか。
 以上、答弁をお願いいたします。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの前岡正男君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 雇用状況と対策について、そしてまた経済格差についての御質問でございます。
 バブルの崩壊後、経済停滞もようやく回復基調となり、持ち直してまいりましたが、地方においては、一部明るさが見られるものの、依然として厳しい状況が続いていると、このように認識をいたしております。
 本県でも地場産業や下請業者に回復のおくれが見られ、労働者の非正規雇用がふえているなど、格差が広がっているということを懸念しているところでございます。
 私は、県内産業のイノベーションの促進や全国一の優遇策による企業誘致の推進、また首都圏等での観光振興やわかやまブランドの育成など、さまざまな地域経済活性化策を講ずることで雇用の創出・確保が図れるよう、懸命に取り組んでおります。特に、雇用創出プログラムに関しては総合的、計画的に雇用の場を創出していくこととしており、これまで産業振興策による雇用の創出と就業支援による雇用のミスマッチの解消に成果があり、おおむね順調であるというふうに評価しているところでございます。
 一方で雇用の場が失われることについては、まことに残念なことではありますが、県内企業にも構造改革などの事例があり、総合的な産業振興策を積極的に推進していくことが大事であると考えております。
 今後とも、さまざまな格差是正に向け、活力ある和歌山の産業を創出し、自立した地域の発展を目指してまいりたいと考えております。
 次に、和歌山県の地球温暖化対策推進計画についての御質問でございます。
 まず、今回の計画に対する思いと目標達成についてでございますが、二十一世紀は環境の世紀というふうに言われておりまして、特に地球温暖化問題がその影響の大きさ、深刻さから見て、人類の生存基盤にかかわる最も重要な問題の一つであり、社会システムを改善していく必要があると、このように考えており、また今回の計画というものがその重要な一歩であると考えております。
 この計画は三月に策定したところでありますが、計画を着実に実施し、さらなる地球温暖化対策の推進を図ることが必要であると考えており、今般、和歌山県地球温暖化対策条例案検討委員会を設置し、温室効果ガスの多量排出事業所への排出抑制対策や世界遺産登録地域にふさわしい環境保全対策など、条例化に向けた検討を始めたところでございます。
 また、森林の多い和歌山県の特色にかんがみ、和歌山県版の森林による二酸化炭素吸収量認証制度認証・評価委員会──長いですけども──これを設置し、養老孟司委員など環境問題に造詣の深い方々を委員に迎えて、現在、鋭意対処方針を考えているところでございます。
 今後とも、計画の目標達成に向け、県民の皆様とともによりよい環境づくりについて努めてまいりたいというふうに思います。
 次に、二〇一〇年以降の取り組みについてですが、京都議定書の目標達成は脱温暖化社会の構築に向けた第一歩ということで、破滅的な温暖化というものを回避するためには一層のガス削減を進めなければなりません。
 二〇一三年以降の京都議定書第二約束期間においても、森林など豊かな自然環境を擁する県の特色を最大限に生かしながら、責任を持って引き続き積極的に対策の推進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、アウトソーシングについての考え方ですが、地方自治体を取り巻く状況が大きく変化し、本県においても厳しい財政状況が続く中で、限られた人員や財源を有効に活用しながら、サービスの受け手である県民に低廉で質の高いサービスを提供するためには行政改革の推進はますます重要であると考えており、その手法の一つであるアウトソーシングも非常に有用なものであろうと考えております。
 アウトソーシングを進めるに当たっては、お説のように、経費削減の観点からだけ進めるのではなくて、例えば指定管理者の選定に当たっては、サービスの質も含めた総合的な評価を実施しているところでございます。また、県の業務を単に外注するというふうな考え方ではなくて、民間も含めたさまざまな主体を公共サービスの担い手としてとらえ、行政と民間が協力し合いながら地域社会を形成していくという考え方に基づき、地域のNPOを育てるというふうな観点も踏まえながら進めてまいりたいと、このように考えております。
 最後に、職員制度の改革についてでございますが、大幅な人員及び人件費の削減に取り組む中で、高度化、多様化する県民ニーズに対応するためには、職員一人一人が能力を最大限発揮できる、いわば「出るくいを伸ばす」式の能力・実績主義制度を定着させることが大事であろうというふうに思っております。
 また、給与についても、本年度は地域の民間給与をより反映させ、職務、職責に応じた給与体系への見直しを行うとともに、能力、実績に応じた査定昇給制度を導入したところでございます。
 今後とも、職員の意欲や能力の向上につながる給与制度に努めてまいりたいと、このように考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 商工労働部長下  宏君。
  〔下  宏君、登壇〕
○商工労働部長(下  宏君) 雇用状況と対策について、経済格差についての二点の御質問に一括してお答えをします。
 本県の雇用状況の推移ですが、有効求人倍率につきましては、近年最も厳しかった平成十三年度と直近の本年七月を比較しますと、本県は〇・四四倍から〇・八三倍へ〇・三九ポイントの上昇、一方、全国は〇・五六倍から一・〇九倍へ〇・五三ポイントの上昇となっており、全国と比べて改善がおくれております。
 また、来春高等学校卒業予定者に対する県内求人数は、七月末現在約千人となっており、前年同期に比べ二割以上の増加といったデータもございます。
 次に、雇用の減少に関してですが、総務省の平成十六年事業所・企業統計調査によりますと、平成十三年から平成十六年までの間に廃業事業所は約八千事業所で、その従業員数は約三万七千人の減少となっています。一方、新設事業所は約五千事業所、従業員数は約三万三千人の増加となっております。
 二点目の御質問の非正規社員の状況についてですが、総務省の平成十四年就業構造基本調査によりますと、本県の雇用者に占める正規従業員の割合は六五・〇%で、全国の六三・一%と比べ、正規社員の割合が若干高い状況となっております。
 この非正規社員の増加による影響につきましては、賃金格差を初め公的年金未加入や非婚化、少子化といった問題もあり、議員御指摘のとおり、県経済に与える影響も懸念をされるところです。
 こうした雇用情勢と格差の現状を踏まえまして、本県では雇用の場の創出のため、経営革新や技術開発による新事業の創出などを進めるわかやま産業イノベーション構想の推進や百億円の奨励金制度など戦略的な企業誘致の推進、また高野・熊野の世界遺産を生かした観光振興や地域資源を活用したブランドづくりなどの産業振興策を進めております。また、就職フェアの開催やジョブカフェ・わかやまの運営、技能向上を図る職業訓練など、若年者の雇用対策を図っております。
 今後とも、和歌山労働局や経済団体などの関係機関と連携しながら、実効性のある就職支援を図ってまいりたいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 福祉保健部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○福祉保健部長(小濱孝夫君) 安心できる地域づくりについてのうち、病院の看護体制と付き添いについてですが、診療報酬では、一般病棟における夜勤を行う看護職員数は二人以上と定められております。また、病棟ごとの一日に勤務する看護職員数や時間帯ごとの配置などについては、掲示が義務づけられております。
 看護の実施状況につきましては、毎年実施している医療機関の立入検査の中で、看護師等の勤務状況や家族の付き添い等の状況について調査を行っております。これまでの調査の中では、家族の付き添いを行っていたのは、家族から申し出のあった小児やがん末期患者など、いずれも付き添いの必要性が認められるものでした。
 県といたしましては、夜間の看護体制の充実を図るため、今後とも医療機関に働きかけを行うとともに、家族の付き添いについて問題のある事例があれば適切に対処してまいります。
○議長(向井嘉久藏君) 環境生活部長楠本 隆君。
  〔楠本 隆君、登壇〕
○環境生活部長(楠本 隆君) 地球温暖化防止の具体策についてお答えを申し上げます。
 地球温暖化防止の推進のためには、県など行政機関はもとより、県民の皆様や民間団体、事業者がそれぞれ協力し合い、すべての構成員が参画することが大変重要なことであると考えております。
 このため、家庭でのCO2排出削減を推進するためには、まず温暖化問題についての関心を高め、幅広い取り組みを促していくことが重要であり、そのための広報啓発活動を着実に推進していくべきものと考えております。
 さらに、家庭での温室効果ガスの削減には、省エネルギーを基本としたライフスタイルの着実な実施とともに、太陽光など自然エネルギーへの転換や電化製品の買いかえ時に省エネルギーの機器に交換することが有効であることから、省エネラベルの普及あるいは環境マイスターの普及などを推進しているところでございますが、今後、家庭での温暖化防止の取り組みをさらに進めるためには何らかのインセンティブを与える施策を行っていくことも必要であると考えております。
 また、本県では昨年九月、和歌山県地球温暖化防止活動推進センターにNPOわかやま環境ネットワークを指定するとともに、地球温暖化防止活動推進員八十五名を委嘱し、県内各地域での地球温暖化防止の取り組みを推進しているところでございますが、県といたしましては、市町村に対し温暖化防止推進のための地方公共団体実行計画の策定を促すなど、市町村での取り組みの強化を図り、県全体の温暖化防止を推進してまいりたいと考えております。
 加えて、都市計画、公共交通政策等と連動した環境施策につきましても、推進計画では、都市地域での自動車交通への過度な依存からの脱却など、人、町、環境に優しい交通の実現を目指し、和歌山県における社会資本の整備状況等、地域の特性に合わせた環境行政を推進することとしておりますが、議員御指摘の環境に配慮した町づくりは今後ますます重要になると思われますので、温暖化防止の視点を踏まえた施策の展開を十分考慮するよう、関係部局にも要請してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 総務部長原 邦彰君。
  〔原 邦彰君、登壇〕
○総務部長(原 邦彰君) 職員制度改革の具体例に関するお尋ねがございました。
 まず人事配置についてでありますが、県では、採用後一定期間は幅広い能力習得のためジョブローテーションを行い、その後に能力、実績、適性を見きわめながら、専門的知識が必要な分野への庁内公募制の活用などにより専門的能力のある職員の育成に努めております。
 また、官民交流についてでありますが、特定分野の専門家育成という観点から、大学院や金融機関等に県職員を研修派遣するとともに、逆に民間の能力を活用するため、即戦力となる民間のプロを管理職等に任期つきで採用いたしてございます。
 次に、職員の給与水準についてですが、従来から人事委員会の勧告により民間給与水準を反映しているところでありますが、本年度の国の人事院勧告では比較対象となる民間企業の規模が百人以上から五十人以上に引き下げられており、県の人事委員会の勧告においても、より一層の地域の民間給与の反映が図られることを期待いたしております。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 今回の談合疑惑について四点のお尋ねがありました。
 まず、当該工事の経緯についてお答えをいたします。
 国道三百七十一号(仮称・平瀬トンネル)特殊改良一種工事につきましては、平成十三年六月十三日に工事に先立つ調査設計業務の指名競争入札を十五者で行い、川崎地質株式会社和歌山事務所が落札をいたし、同年六月から十二月にかけて調査設計業務を実施いたしました。
 次に、同工事を公募型指名競争入札で実施すべく平成十六年七月二日に入札公告を行いましたが、新潟市の談合事件の影響を受けて八月五日に入札を取りやめました。その後、設計を修正の上、同年十月一日に再度公募型指名競争入札での入札公告を行い、七つの特定建設工事共同企業体が応募し、すべての共同企業体が資格要件を満たしていたため七者を指名し、十一月十日に入札を行い、ハザマ・地崎・三友特定建設工事共同企業体が最低価格で落札をしたもので、落札率は九八・九%でした。現在、平成十九年三月の完成に向けて取り組んでおります。
 次に、報道されている事柄についての事実確認ですが、県土整備部といたしましては、現時点で御指摘のような談合報道の内容について把握しておりません。現在、大阪地方検察庁による捜査中であり、今後の進展を見守ってまいりたいと考えております。
 次に、入札制度の改善についてお答えをいたします。
 県では、従来から談合や不良・不適格業者を排除し、品質を確保するとともに、適切な競争を促すため、予定価格、最低制限価格などの事前公表や入札監視委員会の設置などの入札制度改革に取り組んできたところです。さらに本年六月からは、より透明性、競争性のある入札制度を目指し、主として三点の制度改革を行いました。
 一点目として、予定価格一億円以上の工事で試みに行っておりました条件つき一般競争入札を、予定価格五千万以上のすべての工事に本格導入いたしました。
 二点目として、予定価格五億円以上の工事は自動的にJV適用工事としていたものを見直すとともに、JV適用工事を県内業者への技術移転が必要な工事などに限定をいたしました。
 三点目として、指名業者数を原則十五者から二十者に拡大いたしました。
 今回の工事につきましては平成十六年十月実施の公募型指名競争入札であり、この制度では、公募の後、指名業者を公表しておりましたが、現行の制度では条件つき一般競争入札に移行しており、この制度では事前には応札業者がわからない仕組みになっています。
 今後も、必要に応じ、より透明性、競争性の高い入札制度の見直しを行ってまいります。
 最後に、今回報道されました企業への対応につきましては、現時点では事実が解明されておらず、入札参加を排除することは困難でありますが、今後、捜査の進展を見守り、書類送検等が行われた場合には指名停止の措置を講じるなど適切に対応をしてまいります。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 十八番前岡正男君。
○前岡正男君 まず雇用についてでありますけれども、廃業事業者の従業員と新設事業者の従業員の差から考えると本県から三年間で失われた雇用は約四千というお答えでした。緩やかながらも本県では景気回復の波が及んできているようですが、この職を失った方々たちの再雇用というのはなかなか厳しいのではないでしょうか。
 県においては、企業誘致や先進的企業の発掘、育成ということだけではなくて、中小の地場企業に対する支援にも力を入れていただきたいと思います。
 経済格差と非正規雇用の問題につきましては、非正規雇用の労働条件が不当、不利なものにならないように、国の労働局と力を合わせて企業への指導を徹底していただくとともに、そして学校教育や青少年対策、男女共同参画の施策、それと産業政策、雇用政策との連携した取り組みを今後お願いいたしたいと思います。
 看護体制につきましては、ひとつ患者及び家族の側からの調査ということをお願いしたいと思います。
 地球温暖化対策につきましては、答弁されたような方向でぜひ推進していっていただきたいと思います。
 行政改革については、少し議論がかみ合わなかったように思います。私は、効率化という観点からのみのアウトソーシングではなく、民間企業やNPOを育て、その中で安定した雇用が実現するための配慮を求めたのですが、その方向性が具体的に示されなかったことは残念に思います。今後の検討を期待したいと思います。
 また、職員制度改革については、これからどんどん新しい行政経営方式を導入する、そしてまた県の役割は道州制論議が進む中で変わってくると思います。これまでとは違う能力が県の職員には求められると思います。しかし、職員制度の改革の効果というのはなかなかすぐにはあらわれません。それだからこそ、常に改革に前向きになって長期的な視野に立った改革を行わなければならないと思います。法律や制度の縛りを一たん取り払って考えてみてはいかがだろうかというつもりで質問いたしました。今後とも、この問題については議論していきたいと考えております。
 以上は要望でありますので、お答えはいただかなくて結構であります。
 さて、談合問題でありますが、事実関係については何も述べられないということは一定理解いたします。
 また、入札制度の改革については、今回の事件──といっても談合が事実であればということでありますが、その反省の上に立って加速度的な取り組みを進めていっていただきたいと思います。これも要望でございます。
 ただ一点だけ、県土整備部長に簡潔にお答えをいただきたいと思います。
 今後、入札においては、容疑の事実が明らかにならないことには指名停止というような措置ができないということでありましたが、ハザマ、それから設計会社の川崎地質株式会社に対して、今回の件で県として事情聴取を既にされましたか、あるいはまた今後する予定がありますか。それ一点、お伺いをしたいと思います。
 再質問を終わります。
○議長(向井嘉久藏君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 今回の捜索を受けて、関係業者に対する事情聴取を行ったことはございません。
 それから、今後の県側からの事情聴取につきましては、今、地検特捜部による捜査が行われている段階でございますので、その結果を待って、必要であれば実施をしたいというふうに考えてございます。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 以上で、前岡正男君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時四十八分休憩
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