平成18年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


県議会の活動

平成十八年九月 和歌山県議会定例会会議録 第五号
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議事日程 第五号
 平成十八年九月二十五日(月曜日)午前十時開議
  第一 議案第百四十三号から議案第百六十一号まで、並びに報第八号(質疑)
  第二 一般質問
  第三 議案等の付託
会議に付した事件
  第一 議案第百四十三号から議案第百六十一号まで、並びに報第八号(質疑)
  第二 一般質問
  第三 議案等の付託
  第四 休会決定の件
出席議員(四十四人)
     一  番       須   川   倍   行
     二  番       尾   崎   太   郎
     三  番       新   島       雄
     四  番       山   下   直   也
     五  番       小   川       武
     六  番       吉   井   和   視
     七  番       門       三 佐 博
     八  番       町   田       亘
     九  番       藤   山   将   材
     十  番       浅   井   修 一 郎
     十一 番       山   田   正   彦
     十二 番       坂   本       登
     十三 番       向   井   嘉 久 藏
     十四 番       大   沢   広 太 郎
     十五 番       平   越   孝   哉
     十六 番       下   川   俊   樹
     十七 番       花   田   健   吉
     十八 番       前   岡   正   男
     十九 番       小   原       泰
     二十 番       前   芝   雅   嗣
     二十一番       飯   田   敬   文
     二十二番       谷       洋   一
     二十三番       井   出   益   弘
     二十五番       東       幸   司
     二十六番       藤   本   眞 利 子
     二十八番       原       日 出 夫
     二十九番       冨   安   民   浩
     三十 番       野 見 山       海
     三十一番       尾   崎   要   二
     三十二番       中   村   裕   一
     三十三番       浦   口   高   典
     三十四番       角   田   秀   樹
     三十五番       玉   置   公   良
     三十六番       江   上   柳   助
     三十七番       森       正   樹
     三十八番       長   坂   隆   司
     三十九番       阪   部   菊   雄
     四十 番       新   田   和   弘
     四十一番       松   坂   英   樹
     四十二番       雑   賀   光   夫
     四十三番       藤   井   健 太 郎
     四十四番       村   岡   キ ミ 子
     四十五番       松   本   貞   次
     四十六番       和   田   正   人
欠席議員(なし)
 〔備考〕
     二十四番欠員
     二十七番欠員
説明のため出席した者
     知事         木   村   良   樹
     副知事        小 佐 田   昌   計
     出納長        水   谷   聡   明
     知事公室長      野   添       勝
     危機管理監      石   橋   秀   彦
     総務部長       原       邦   彰
     企画部長       高   嶋   洋   子
     環境生活部長     楠   本       隆
     福祉保健部長     小   濱   孝   夫
     商工労働部長     下           宏
     農林水産部長     西   岡   俊   雄
     県土整備部長     宮   地   淳   夫
     教育委員会委員長   樫   畑   直   尚
     教育長        小   関   洋   治
     公安委員会委員長   大   岡   淳   人
     警察本部長      辻       義   之
     人事委員会委員長   西   浦   昭   人
     代表監査委員     垣   平   高   男
     選挙管理委員会委員長 山   本   恒   男
職務のため出席した事務局職員
     事務局長       山   本   庄   作
     次長         植   野   博   文
     議事課長       下   出   喜 久 雄
     議事課副課長     薮   上   育   男
     議事班長       土   井   敏   弘
     議事課主査      石   垣   悦   二
     議事課主査      湯   葉       努
     総務課長       島       光   正
     調査課長       辻       和   良
 (速記担当者)
     議事課主査      中   尾   祐   一
     議事課主査      保   田   良   春
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  午前十時三分開議
○議長(向井嘉久藏君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、議案第百四十三号から議案第百六十一号まで、並びに知事専決処分報告報第八号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 四十三番藤井健太郎君。
  〔藤井健太郎君、登壇〕(拍手)
○藤井健太郎君 おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。
 まず最初に、新年度予算編成についてお尋ねをいたします。
 新年度予算の編成時期を迎えました。県民の暮らしを擁護し、安心して暮らせる和歌山県政であってほしい、そういう思いから質問をいたします。
 ことしの五月、神戸市で八十五歳の要介護の妻を二人暮らしで看病していた八十九歳の夫が殺害、みずからも自殺を図るという介護疲れからの無理心中、また、連れ合いを殺害する事件、介護疲れと困窮から親を殺害する事件、生活保護申請を求めたが適切な相談や対応がされず死に追いやった事件、高齢者の将来不安からくるうつの広がりや経済生活問題が原因の自殺など、これでいいのかと思う事件が毎月のように日本各地で起こっています。精神的、経済的に追い詰められての社会的な孤立死とも言うべき状況が広がりつつあるように思います。
 「家族介護から社会的な介護へ」というかけ声で始まった介護保険、国民の最低限度の生活を保障すべき生活保護制度、果たして国民の命を守るセーフティーネットとして生き生きと有効に機能してるのかどうか、社会保障のあり方に疑問を感じるとともに、いま一度見詰め直してみることが求められているのではないかと思えます。
 この間、税制改革、介護保険法改正、障害者自立支援法など、一連の税と社会保障制度の改革で国民負担が随分とふやされてまいりました。新年度は住民税が一律一〇%となり、定率減税は全廃、高齢者非課税枠の廃止など、住民税の負担がさらにふえることとなります。特に高齢者の負担がふえてまいります。
 和歌山市の場合で試算をいたしますと、単身で年金収入百八十万円の高齢者の場合、〇四年度、所得税、住民税、国保料、介護保険料の合計が五万七千百三十円の負担だったものが、〇七年度、新年度には十五万六百円に、〇八年度、再来年には十六万六千百七十円にもなります。年金収入額は変わらなくとも、税と社会保障負担が約三倍にもなってしまいます。負担軽減のための経過措置が住民税、国保料、介護保険料とそれぞれにされていても、これだけの負担増となってくるのです。安心できる生活を保障するのが社会保障の役割のはずです。しかし今、それが逆に生活を脅かすことになっています。
 国の経済財政諮問会議、骨太の方針二〇〇六では、今後五年間に社会保障関係費の伸びを一兆一千億円圧縮する、新年度の概算要求基準では、社会保障費の伸びを自然増に対して二千二百億円圧縮するとしています。それだけ国民負担がふやされるということです。
 そこで、新年度の予算編成時期を迎えるに当たって、予算編成に臨む基本的な方針や、その中で本県の社会保障関係予算の考え方について、知事並びに関係部長にお尋ねをいたします。
 まず、知事に三点お尋ねをいたします。
 新年度予算編成方針と社会保障予算ですが、新年度予算編成に向けての基本方針をどのように考えておられるのか。その中で社会保障関係の予算についてはどのように考えておられるのでしょうか。
 二点目に、包括予算制度についてです。
 今年度は、各部局長の責任と権限で事業の見直しや新規事業の創出を行う包括予算制度を実施しました。部局の中での財政調整が行われ、新規事業をするためには、従来の事業の廃止・縮小をせざるを得なくなっています。社会保障、福祉関係予算は県民のセーフティーネットとしての重要な役割を持っています。柔軟に対応できるようにすべきではないでしょうか。
 三点目に、税負担の県民への還元についてです。
 新年度、老年者控除の廃止、公的年金控除の引き下げなどによる高齢者の税負担の増、個人県民税所得割税率を、二%、三%だったものが一律に四%に引き上げられます。税率引き上げによる負担増分はどのぐらいになるのか。県の立場から見ると、県の税収がふえても普通交付税が減らされるなど、一般財源総額としてはさして変わらない、また住民税も所得税も相殺されるなど、個人の負担としては変わらないということになるかもしれませんが、県民から見ると、県に納める個人県民税の負担がふえることには違いありません。その分、県政運営がどうなるのか、負担増となる分がどのように使われるのか。県民の目に見える形で高齢者、県民に還元するための施策が求められてくるのではないでしょうか。知事の所見をお尋ねいたします。
 四番目に、県民の暮らしへの気配りです。
 高齢者福祉、障害者福祉、生活保護制度を実際に運営するのは行政の職員です。県民の暮らしを擁護する目配りや気配りをどのように確立していくのかということも同時に問われています。ひとり暮らし高齢者、老老介護への支援、生活保護申請の窓口対応、急迫事態への機敏な対応など、行政への期待が高まっています。
 行政が親身になって、さまざまな制度を活用して生活が成り立っていくような支援や相談に乗ることが今ほど求められているときはありません。先ほども国内各地で起こっている不幸な事件について述べましたが、行政があと一歩手を差し伸べていたらと思えるものも多くあります。
 ことしの七月、京都地裁で認知症の母親を介護疲れと生活の困窮から合意の上で殺害した承諾殺人の罪を裁く判決の中で、裁判官が「日本の介護制度と生活保護行政が問われていると言っても過言ではない」と、行政の不備を指摘する踏み込んだ発言をしております。認知症の母親の介護をするために退職し、身の周りの世話をすべて引き受け、収入が途絶えたことから食事もままならず、福祉事務所を訪れたものの生活保護は受けられないと思い込んで事件に発展したということです。行政がそのとき、おせっかいと思っても、もう一声かけていたらと思うと残念でなりません。
 本県では起こらないという保証はあるのでしょうか。本県でも起こり得る問題でもあり、高齢者福祉、障害者福祉、生活保護行政などの分野でどのような気配り、方策を立てていこうとされているのか。これは福祉保健部長から答弁を願います。
 次に、医療制度をめぐる諸問題についてお尋ねをいたします。
 一番目に医療制度改革と県民生活、五点についてお尋ねいたします。
 本格的な医療制度改革がことしの十月から実施に移されます。県民から見た主な気になる点として、七十歳以上、二人以上世帯で年収五百二十万円以上は窓口三割負担に──既にことしの八月から、老人控除の廃止、年金控除の縮小で一割負担の人が二割負担となっています。十月からは、その人は三割負担になります。
 療養病床に入院すると、七十歳以上の高齢者の食費、居住費が自己負担となり、平均三万円前後の負担増となります。さらに、高額療養費の自己負担限度額も引き上げられ、再来年四月からは、七十歳から七十四歳までの人で一割負担の人は二割負担となります。総じて医療費に対する患者負担の割合が大きくふえることが特徴となっています。
 また、県が医療費適正化計画を立て、入院日数の短縮、生活習慣病患者と予備軍の減少率など数値目標を盛り込むことなど、県の医療費へのかかわりも強められることになってまいります。
 そこで、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
 窓口負担増による受診抑制が起こらないかという問題です。
 医療制度改革によって高齢者の窓口負担が倍増します。低所得者への負担限度額は維持されることにはなっていますが、高齢者の受診機会は多く、高血圧や心臓病、腰痛、歯の治療、眼科に耳鼻科など、一人が同時期に診療科目の異なる複数の医療機関を受診している人が多く、負担限度額は医療機関ごととなっています。窓口負担増大についての認識はどうお持ちでしょうか。受診抑制を招くようなことにはならないのでしょうか。受診抑制をもたらすとしたら、その対応が必要ではないでしょうか。
 今、各医療機関から、窓口での医療費の未払いがふえているという話をよく聞きます。県立医大で、十七年度未収金合計が一億五千八百万円にもなっているということです。未収金がふえているということは、治療の中断も起こっているということです。必要とする医療を受けていないことにつながり、特に本県では、がん、心疾患、脳血管疾患など生活習慣病での死亡率が他府県と比べ高くなっています。早期発見、早期治療を進めるためにも、受診抑制につながるようなことがあってはならないと思います。
 二点目に、医療費適正化計画について。
 県が医療費適正化に向けての計画を策定することを義務づけられました。医療費適正化計画の目的とその内容はどのようなものになるのでしょうか。適正な医療費とはどういうことを指すのでしょうか。お尋ねをいたします。
 かつて、医療費の膨張が国を滅ぼすという議論が盛んに行われたことがありました。しかし、医療は国民の生存権を実質的に保障するという重要な役割を担っています。いつでもどこでもだれでもが必要とする医療を受けられる体制こそが求められているわけで、県内の医療機関や医師、看護師など療養施設、設備、マンパワーの地域的偏在の解消こそが、今、最優先されるべき問題となっています。
 市町村単位や都道府県ごとの単純な医療費比較がされるとなると、人口の高齢化率や医療機関の集中度など医療費の要素を構成する地域間格差がある中で意味を持たないと思えます。また、受診抑制につながるような計画であっても問題があると思えますが、県の計画づくりに当たっての考え方についてお尋ねをいたします。
 三点目に、後期高齢者医療制度への取り組みについてお尋ねをいたします。
 七十五歳以上の高齢者が加入する後期高齢者医療制度が創設をされ、再来年四月から実施に移されます。すべての加入者から保険料を徴収し、保険料滞納者には被保険者証にかわって保険治療が受けられない資格証明書が交付されます。
 後期高齢者医療は全市町村が強制的に加盟する広域連合によって運営され、市町村の財政負担への懸念や制度の運営に対する住民の意見の反映がどこまでされるのか、高齢者が安心してかかれる医療制度となるのか、県民生活に及ぼす影響を考えると議論されねばならない課題が多くあるのではないでしょうか。
 そこで、何点かお尋ねをいたします。
 県の果たす役割は何か。県民生活や健康の維持増進への影響をどのように考えているのか。国保の運営協議会のような、住民が運営に参加できる仕組みをどうしていくのか。
 四点目に、高額療養費について。
 老人医療、一般被保険者医療について、高額療養費の支給の簡素化が必要と思われます。今回の医療制度改革で高額療養費の限度額が引き上げられましたが、計算の仕方がまことに複雑で、県民にとっては自分や家族の高額療養費が請求できるのかどうかよくわからない状況となっています。高額療養費の請求について、請求できる人に通知する方式が親切でかつ有効な方法となっています。県内での実施状況はどうなっているでしょうか。今後の対応はどのようにされるのでしょうか。
 五点目に、健康診断についてです。
 健康診断が市町村から医療保険者の義務となりました。健診の財源と実施体制はどのようになるのでしょうか。保険料の引き上げにつながるようなことはないのでしょうか。また、住民の健康維持増進、公衆衛生の向上は、本来行政が担うべき仕事ではないのでしょうか。
 二番目に、国民健康保険事業について四点お尋ねいたします。
 加入者数では国内で最大の公的医療保険制度となっています。会社や事業所の健康保険、自治体職員・学校などの共済組合、船員・日雇保険、医師会・建設業などの国保組合、生活保護法の適用を受けている人など、特定の人を除いてすべて加入することになっています。社会保険などの資格を失った日の翌日から、申請をしていなくても国民健康保険に自動的に加入していることになっています。
 本県では、十六年度末で二十三万八千四百六十七世帯、四十七万七千五百二十五人で、人口の四五%が加入しています。年齢別で見ると、六十歳から六十九歳までの人口の七〇から八〇%が加入をしており、七十歳以上では人口の八〇%が国保に加入しているという、そういう状況になっています。所得三十三万円までの加入者が四五%、所得百万円までで見ると、実に七〇%の加入者があるわけです。
 加入者の年齢が高く所得が低いという構造的な問題を抱えているわけですが、その国保料──国保税と国保料に分かれていますが、今回、「保険料」という言葉を使わせていただきますが、その保険料が所得と比較して非常に高い、他の医療保険と比べても高いという特徴があります。
 例えば、まことに恐縮ですが、知事の共済医療分の掛金、これ、十八年度で四十八万円という見込みだということです。知事の年収所得では、国保に加入していたら、これはもう限度額の五十三万円となるわけですが、国保加入者の保険料は応益割、応能割で構成されておりまして、和歌山市の場合で見ると、四人家族で所得三百八十万円あれば限度額の五十三万円になってしまいます。いかにこの国保の保険料が所得に比較して、他の医療保険と比べて高くなっているかおわかりになっていただけると思います。
 保険料を滞納すると被保険者証の返還、保険給付の差しどめ、財産差し押さえなどの滞納処分を受けることになります。
 国民皆保険制度を実質的に担っているのが国民健康保険ですが、今日、保険料滞納世帯がふえ、資格証明書、短期被保険者証の発行や市町村一般会計の繰り出しがふえていくなど、多くの問題を抱えております。制度そのものの見直しも求められていると思いますが、そこで知事並びに福祉保健部長にお尋ねをいたします。
 まず、知事にお尋ねをいたします。
 国民健康保険事業についての認識、どのようにお持ちになっているのか。
 国民健康保険法では、第一条にその目的として「社会保障及び国民保健の向上に寄与すること」と定め、第四条には「国及び都道府県の義務」として、国は国保事業の運営が健全に行われるように努め、県は必要な指導をするとなっています。本来、国が財政面での責任を負うべきものですが、国庫負担率が低減し、県に負担を負わせるように今はなってきています。国に対して国庫負担の引き上げを求めるべきではないでしょうか。
 また、県に求められている役割として具体的にはどのように考えておられるのか。加入者が必要とする医療サービスを受けられる体制を維持していくことが求められているわけですが、国保の財政基盤の強化のために県がどのような役割を発揮していくのか、知事の所見をお尋ねいたします。
 以下の問題については、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
 保険料未納問題についてです。
 保険料未納者の問題をどのように考えておられるのか。県としての対応はどうするのか。県内で納期内までに払えていない加入者はどのぐらいあるのでしょうか。和歌山市では、加入者世帯の二二%が納期限内に納められない、こういう状況になっています。高過ぎる保険料が問題だと思うわけですが、保険料を引き下げていく方向での努力が求められているのではないでしょうか。
 二点目に、資格証明書の発行、保険証未交付について。
 特別な事情がないにもかかわらず保険料を滞納している加入者に対して、被保険者証の返還を求め、資格証明書の交付や保険給付の差しどめが介護保険の実施と同時に義務化されました。しかし、老人保健法での医療や厚生労働省令が定める障害者自立支援法による自立支援医療、特定疾患治療研究事業、後天性免疫不全症候群など二十二の公費負担医療については除外されるとなっています。つまり、資格証明書や保険給付の差しどめはできないこととなっているわけですが、それがきちんと守られているのでしょうか。
 ある保険者は、老人保健医療のみ除外して一律に資格証明書を発行しているということです。そして、窓口に相談に来たときに初めて正規の被保険者証を渡すという話です。省令での公費負担医療の対象でありながら保険給付が受けられない、こういう状況になっているわけですが、どういう所見をお持ちでしょうか。
 また、県の公費負担医療である福祉医療受給者、乳幼児や重度心身障害児者などについても資格証明書の発行はやめるべきではないでしょうか。資格証明書では、実質医療の保険給付が受けられません。
 ことしの五月現在、県内での資格証明書や被保険者証が未交付になっている世帯が六千八百世帯になっています。被保険者証は、ほとんど一年更新で行われています。この十月が更新の時期になっているところが多くなっておりますが、資格証明書の適切な扱いについてどのように指導されているのか、お尋ねをいたします。
 四点目に、県の市町村国保への支出金についてです。
 県が実施をしている福祉医療の現物給付分──窓口で自己負担が要らない、こういう現物給付の福祉医療分に対して、国から国保に保険給付費の負担金がカットされているわけです。そのカット分に対して県費での補助が市町村国保に対して行われていますが、老人医療と重度心身医療のみ行われていると聞いております。乳幼児や母子医療についても、既に窓口で自己負担金の支払いを要しない現物給付となっているわけですが、その分についても、きちんと県で市町村への支出金として計上すべきではないでしょうか。市町村からも強く望まれているところでもあります。また、国に対しても、ペナルティー扱いされている国庫負担金のカットを中止するよう強く働きかけるべきではないでしょうか。
 三番目に、妊婦健診への助成、妊婦への医療費助成についてお尋ねをいたします。
 乳幼児の健やかな成長を図るとともに、少子化対策の一環として乳幼児医療制度があります。新生児集中治療管理室・NICUの拡大とあわせて、医療費助成制度が乳幼児死亡率の低下に果たした役割は大きなものがあると思われます。乳幼児医療は、出生した日からの助成が行われています。しかし、子供は母体に受胎したときから成長が始まっているわけで、そういう点からも母体の健康の維持管理は欠かせない問題でもあります。
 母体の健康管理としては、母子保健法により、妊婦一般健康診査が妊娠の前期、後期と各一回公費により実施をされていますが、厚生労働省通知では、妊娠二十三週までは四週間に一回、三十五週までは二週間に一回、以後分娩まで一週間に一回、入院期間中は別にして出産後四週前後に一回と、合わせて十数回の健康診査を受けることが望ましいとされています。
 健康診査の費用は実費となり、一回受診すると、所得にかかわりなく四千円から六千円ぐらいの費用がかかります。収入が少ない若年世代や所得の低い世帯にとっては、出産にかかる費用は経済的負担にもなっています。胎児と母体の健康管理のためにも健診を受けることが求められているわけですが、受診状況はどうでしょうか。自費での健診も含め、どのように把握されているのでしょうか。また、少子化対策の一環として、妊婦健診にかかる費用への助成をぜひ実現してもらいたいと思います。新年度予算への反映を望むものですが、福祉保健部長の見解をお尋ねいたします。
 健診の結果、医療が必要となれば医療保険での治療が始まりますが、一般内科と違って胎児への投薬による影響も考えねばならず、どうしても治療の期間や入院日数も長引いてきます。
 また、近年、高齢出産や胎児のトラブルが事前に把握された場合、帝王切開が行われ、実施率が高くなってきています。自然分娩で予測される母子の生命の危険を回避する手段として定着しつつあると産婦人科医からも聞いておりますが、手術をすると母体へのダメージから産後の回復は遅くなり、入院日数も伸びることとなります。
 昨年の十二月、県立医大に母体胎児集中治療管理室六床、新生児集中治療管理室九床、ドクターカーの運行とあわせて総合周産期母子医療センターとして運営が始まっています。産婦人科からの紹介で、母子の救命医療に二十四時間対応の体制をとっており、ことし三月末までに二十一人が利用し、母子ともに回復したということです。そのことは大変喜ばしいことでありますが、一方では医療費の自己負担の平均負担額は五十四万円、最高では十四日間センターに入所して九十七万円になった人もいるということです。妊婦の医療費負担も大きく、母子の健康保持と経済的負担の軽減のために妊婦への医療費助成もぜひ検討してもらいたいと思いますが、福祉保健部長の見解をお伺いいたします。
 最後に、大阪地検の県庁捜索について知事にお尋ねをいたします。
 九月二十日の朝日新聞朝刊に、「和歌山県庁を捜索 県関与解明へ トンネル談合容疑」との見出しで、大阪地検特捜部が和歌山県発注のトンネル工事をめぐって談合していた疑いで、和歌山県庁と、県と談合業者を仲介したと見られるゴルフ場経営者の会社を家宅捜索する方針を固めたとの報道がされ、実際に二十日、県庁の捜索が行われました。捜索は、知事室、出納長室、総務部長室、秘書課なども対象となったようで、単なる談合事件とは思えないような知事周辺への捜索になっています。
 新聞各社は「談合の仕切り役、知事とも親密」という見出しを掲げるなど、知事と談合仕切り役と見られる業者との関係や、談合仕切り役が入札情報を県が入札の公告をする以前に入手していたというような報道など、県の談合事件への関与をうかがわせるような論調にもなっています。知事は、この問題についての対応として、初日の中村議員の質問に対して、捜査の進展を待ちたいと答えました。
 知事は、これまでに談合を排除するための入札制度の改革を積極的に進められ、業者との関係についても距離を置くという立場をたびたび表明されてきております。それだけに、それだけに、今回のこの問題についてもきちんと県民に説明をする義務がある、そういうふうに私は思うわけですが、知事のこの事件へのかかわり──たまたま談合の仕切り役と疑われている業者と知事が旧知の間柄であったとしても、誤解を招くようなことはなかったのか、知事が一部の者の奉仕者ではなく全体の奉仕者としての対応を貫くことができていたのかどうか、このことが問われているのではないかと思います。知事から県民へのきちんとした説明をお願いしたいと思います。
 また、この談合疑惑が持たれているトンネル工事に対して、入札事務の適正な執行が行われていたのか。県から事前に情報が漏れていたようなことはないのかどうか。
 捜査当局は、犯罪の立証に向けての仕事をするというのが捜査当局ですが、行政は行政の立場として、この問題について不適正な対応があればそれを改善し、正していかねばなりません。この問題の解明への取り組みが必要ではないでしょうか。行政としての取り組みが必要ではないかということです。今後どうされていこうとするのか改めてお尋ねをいたしまして、私の第一問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの藤井健太郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、新年度の予算編成方針についてですが、現在検討を進めているところで、歳入面では県税収入や地方交付税といった一般財源の動向が不透明であり、また歳出面では介護保険などの社会保障関係経費の増嵩が見込まれるなど、本県を取り巻く財政環境は依然として厳しいものがございます。
 このような中で、新年度予算の編成に当たっては、事業の見直しなどで捻出した財源を活用して新規事業や重点施策に効率的に配分することが必要であるというふうに考えており、社会保障関係の予算についても、このような観点から、県民が安心して暮らせるものとなるよう十分配慮をしてまいりたいと考えております。
 次に、平成十八年度の予算編成におきましては、包括予算制度のもと、各部局の創意工夫で住民ニーズにより的確に対応したものとなるなど、一定の成果が得られているというふうに考えております。
 一方で、御指摘にもありましたように、社会保障や福祉関係予算は県民のセーフティーネットとしての重要な役割を持っておりますので、こうした観点から、少子高齢化など本県が抱える課題に取り組む新規事業や医療費、介護保険などの義務的経費については包括予算とは別に所要額を計上するとともに、乳幼児医療の対象年齢の拡大など、社会保障予算の確保を図ったところでございます。
 平成十九年度、来年度においても、創意や工夫を凝らすことによって、引き続き必要な社会保障予算の充実、確保ができるよう柔軟に対応してまいりたいと、このように考えております。
 次に、税負担の県民への還元についての御質問でございます。
 まず、平成十六年度以降の税制改正に伴い、急速に高齢化を迎える社会において、高齢者を含めすべての国民の共助により支え合う社会の確立の観点から行われた老年者控除の廃止、公的年金控除の見直しなどによる税収が約五億円見込まれております。また、三位一体改革の一環として行われた所得税から個人住民税への税源移譲による税収が約百三十五億円と見込んでおります。この税源移譲により、個々の納税者における所得税と個人住民税を合わせた税負担というものは、当然のことながら増加をいたしておりません。
 私は、かねてから社会保障関係予算の重要性については十分認識しているところであり、このような税制改正による税収の有無にかかわらず、県民福祉向上のため、引き続きこの問題について積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、国民健康保険事業についての御質問でございます。
 御指摘のとおり、国保はだれもが安心して医療を受けられる国民皆保険制度を支える中核ということになっているわけでございます。
 国保事業における県の役割としては、広域的な地方公共団体として住民の福祉を推進する立場から、保険者の運営が健全に行われるよう指導を行うとともに、必要に応じ財政援助を行うものであるというふうに理解をいたしております。
 国庫負担金の引き上げにつきましては、県としては、これまでも全国知事会等を通じ国に対し国庫負担金を含む財政措置を要望してきたところであり、引き続き国保財政基盤の安定強化に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
 最後に、地検の県庁捜索についてでございますが、和歌山県ではこれまで、公共事業の品質確保を図るとともに、より透明性、競争性が高い入札制度改革に全国に先駆けて取り組んできたところでございます。
 とりわけ談合の排除ということに関しては、御案内のように、予定価格、そして調査基準価格の事前公表を行うとともに、指名行為というものをなくして、入札参加者が事前にわからない一般競争入札の拡大等を積極的に進めてまいりました。このように、本県の入札制度は透明性が高く、私を含め、県庁がかかわっていく余地など一切あるものではございません。
 特に、今回の国道三百七十一号(仮称・平瀬トンネル)特殊改良一種工事に係る入札執行事務については、平成十三年度から本格導入をした公募型指名競争入札により実施をいたしたものでございます。
 この公募型指名競争入札というのは、特定建設工事共同企業体を組み──これ、JVですかね──入札に参加しようとする有資格者を公募により募集をし、資格審査により有資格者を決定の上、指名するものでございます。
 なお、予定価格、調査基準価格は公募時に公表をしており、設計に係る仕様書、図面と指名業者名は指名通知時に公表をいたしております。
 本件工事についても、入札執行事務は適正に実施されております。
 この問題の今後については、捜査の状況を見守り、適切に対応してまいりたいと、このように考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 福祉保健部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○福祉保健部長(小濱孝夫君) 新年度予算編成についてのうち県民の暮らしへの気配りについてでございますが、老老介護の疲れによる痛ましい事件や生活保護窓口での不適切な対応などが発生していることは、報道等で承知しております。
 県といたしましては、このようなことが県内で発生しないよう、機会あるごとに関係機関に対し、個人の生活状況に応じた適切な助言や対応を行うよう指導しているところでございます。
 また、高齢者につきましては、各市町村が設置する地域包括支援センターにおいて総合相談支援機能が十分発揮できるよう職員の資質向上に努めており、さらにひとり暮らし高齢者に対しては、民生委員活動による地域見守り活動やふれあいサロンの設置など、地域福祉の推進に取り組んでおります。
 今後も県民の多様なニーズに対応するとともに、弱い立場の人に配慮し、必要な人に必要な施策が行き届くように県として努めてまいります。
 医療保険制度改革と県民生活の御質問のうち、窓口負担増による受診抑制への対応についてですが、医療制度改革は、急激な高齢化に伴い医療費が増大する中、国民皆保険を堅持し、医療制度を将来にわたり持続可能なものにしていくため行われるものであると理解しております。
 議員の御指摘のとおり、一部負担金の増額など高齢者にとって負担増となる部分もありますが、低所得者には自己負担限度額の据え置きなど細かい配慮もなされております。
 県といたしましては、必要な受診を妨げることのないよう、適切な制度運営について、市町村や後期高齢者医療広域連合に必要な助言や指導を行ってまいります。
 次に医療費適正化計画についてですが、医療費適正化は今回の医療制度改革の中心に位置づけられ、中長期的な対策としては平成二十年度を初年度とする医療費適正化計画の導入が柱となっており、国の基本方針に基づき、県の医療費適正化計画を策定することになっております。この医療費適正化計画には、医療費の増大の要因となっている生活習慣病患者・予備群の減少や平均在院日数の短縮などの目標、目標達成のための取り組み方策、医療費の見通しなどについて盛り込むことになっております。
 医療費の適正化は、医療費の過大、不必要な伸びを招かないよう、国民の負担可能な範囲で経済財政運営とも均衡がとれるようにするものであり、県といたしましても、医療費適正化計画の策定・実施を通じ、生活習慣病の予防等の健康づくりや住民の視点に立った医療・介護提供体制の構築を図ってまいります。
 次に、後期高齢者医療制度への取り組みについてですが、県といたしましては、これまで設立準備委員会事務局へ職員を派遣するなど広域連合の円滑な設立に向けて支援を行っているところであり、今後とも新制度が円滑に実施されるよう取り組んでまいります。
 また、後期高齢者に対する保健事業の実施につきましては、現在、国において保健事業の実施に係る指針がつくられているところであり、県といたしましても、県民生活や健康の維持増進への影響がないよう、広域連合の適正な運営を支援してまいります。
 なお、広域連合におきましては、住民の意思を反映するため、広域連合議会の議員や長は選挙で選出されるとともに、住民の直接請求制度が適用されることになっております。
 次に、老人医療における高額療養費の支給につきましては、受給者の過重な負担にならないよう、申請時に領収書の添付は求めない、代理人による申請を認めるなどの配慮や、申請回数につきましても、各市町村において、初回時のみ、または年一回で足りるよう簡素化が図られているところです。
 高額療養費が発生した医療受給者に対しては、その旨を通知するとともに、申請書を同封するなどの申請勧奨が行われております。また、国民健康保険においては、一部の保険者を除き申請勧奨が行われており、未実施の保険者に対してはその実施を働きかけてまいります。
 なお、入院時の高額療養費につきましては、七十歳以上の方は現行でも現物給付となっておりますけれども、平成十九年四月からはすべての方について現物給付となり、医療機関の窓口での支払いは自己負担限度額にとどめられることになっております。
 次に健康診断についてですが、議員御指摘のとおり、国保の保険者は平成二十年度から糖尿病等の生活習慣病に着目した健診を行うことが義務づけられ、その財源は国、県、保険者が三分の一ずつを負担することになっております。
 健診費用の負担につきましては、公費で負担するのか、保険料を充てるのかは各保険が判断することになりますが、県といたしましては、保険者の運営が適正に行われるように助言してまいります。
 また、今回の改正により住民の健診等については医療保険者としての国保部門が担うことになりますが、広く住民に対して生活習慣病予防等を啓発していく衛生部門との連携が必要であり、保健師等の配置も含め、効果的な保健事業を実施できる体制づくりにつきまして市町村を指導してまいります。
 次に、国民健康保険事業についての御質問のうち、保険料未納問題についてですが、国民健康保険は被保険者全体の相互扶助で成り立っている医療保険制度であることから、保険料の収納確保は制度を維持していく上で欠くことのできないものと認識しております。テレビやラジオ等を利用して保険料納付の啓発を行うとともに、保険者に対しては、きめ細かい収納対策に取り組むよう指導しているところです。
 県内市町村において、年度内に保険料を納められていない世帯は、平成十七年度で一四%となっております。県といたしましては、国への財政措置の要望を行うとともに、医療費の適正化計画などを通じ、保険料が過大にならないよう努力してまいります。
 次に資格証明書の発行についてですが、議員御指摘のとおり、老人保健医療及び厚生労働省令に定める公費負担医療の受給者につきましては資格証明書の発行はできないこととなっております。
 各市町村においては、公費負担医療受給者のリスト作成や本人への事前確認などにより公費負担対象者への資格証明書の交付の防止に努めているところであり、今後ともその徹底を図ってまいります。
 次に、福祉医療受給者への資格証明書の発行の取りやめについてですが、国民健康保険法では、資格証明書の発行につきましては、同法に除外規定のある公費負担医療受給者等を除き、市町村に発行の義務が定められており、福祉医療受給者を一律に資格証明書の交付対象から除外することは適当でないと考えております。
 県といたしましては、必要な人が医療を受けられないということがないよう、市町村に対し、被保険者と十分話し合いを持ち、滞納者の状況を適正に把握しながら納付相談を行うよう指導を行っているところでございます。
 次に、県の市町村国保への支出金についてですが、老人医療と重度心身障害者医療については現物給付が原則であるという観点に立って国庫負担減額分の補てんを行っているものであり、これを拡大することは現在の厳しい財政状況では困難であると考えます。
 県といたしましては、これまでも国に対して福祉医療の必要性を訴え、国庫負担減額措置の廃止を要望してきたところであります。引き続き国に働きかけてまいります。
 次に、妊婦健診への助成、妊婦への医療費助成についてでございます。
 まず妊婦健診への助成についてですが、議員御指摘のように、安全な分娩と出生のためには妊婦一般健康診査は大切であり、出産に至るまでは十回余りの健診の受診が望ましいとされております。
 現在、各市町村において、すべての妊婦に対し、前期、後期各一回、公費にて健診を実施しておりますが、公費分の受診率は、それぞれ九五・二%と八九・八%となっております。
 御提案の健診費用への助成につきましては、今後、他府県の状況等も勘案しつつ検討課題としてまいります。
 次に妊婦への医療費助成についてですが、妊娠中の母体の健康は生まれてくる子の健康にも大きな影響を及ぼすことから、その保持増進のため、母親教室や家庭訪問など、必要な施策を実施しているところでございます。
 議員御提案の妊婦の一般疾病にかかる医療費の助成につきましては、現医療制度において保険診療が適用されており、さらに新たな助成制度を創設することは困難でありますので、御理解をいただきたいと思います。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十三番藤井健太郎君。
○藤井健太郎君 知事に再質問さしていただきます。
 私、第一問の中でも、今回の地検の捜索というのは、知事周辺への捜索というのが行われているというのが普通の談合事件と違って特徴的だなと思うわけですが、一問の中でも言わせてもらいましたが、新聞報道によりますと、知事とその談合仕切り役という業者の方が非常に親密な関係であると。だから県の関与も疑われているというようなことになってるわけで、私は、たとえ旧知の間柄で親しい間柄であったとしても、誤解を招くようなことはなかったのか。知事として、きちんと全体の奉仕者として、そういう対応が貫けたのかどうか。常々、知事が業者との距離を置く──入札の問題についても、このときはたしかまだ公募式だったわけですよね。
 そういうこともあって、これは捜査当局の進展を待たなければわからないという面もありますが、この場で議会として、やっぱり私は議員として、知事のこれまでの言動から照らしてみて、きちんとそういう倫理観というのが確立して、この言われてる業者との間においてもそういうことはないんだと、そこが私は一番どうなのかということを問題にしたいんです。
 今までも、副知事名とか総務部長名で綱紀粛正に対する通知というのが年に二回ほど出されておりますよね。その中でも、特に「利害関係者」という言葉は使われておりますが、ともにゴルフをしないとか会食をしないとか、県民に誤解を招くような行為は行わないということが職員に対して依命通知されてるわけですよ。だから、職員のトップである知事が、今回の事件、まだわかりませんけどもね、報道を見る限りでは、非常に県民がそういう点で不信感や不安感というのもあるんだと、そこに対して知事がきちんと説明をしていただきたいということを私申し上げたんです。
 その点を、先ほど、入札の経過であるとか入札事務の執行の仕方とか、そういうことをるる述べられましたが、そういうことじゃなくて、知事の姿勢そのものがどうだったのかということについて再度答弁をいただきたいと思うんです。
 あと意見、要望にいたしますが、医療制度改革で高齢者の負担というのがかなりのものになってくると。仮に限度額が定めてあったとしても、幾つもの医療機関にかかりますから、そのごとに今まで一割だったやつが二割払わなくてはいけないと、こうなってくるわけですよね。そこで受診抑制とか治療の中断が起こって、今でもがん、心臓病の死亡率が高いのが、きちんとした治療が受けられないということになっては、これは本末転倒だと。何のための皆保険制度かと。保険証一枚あれば、いつでもどこでもだれでもが必要な医療を受けれるというのが皆保険制度のそもそもの出発であって、これを維持していくために国なり県なりがどう支援をしていくのかということが問われてるわけですよ。
 そういう点で、今後受診抑制につながるようなことにならないのかどうか、きちんと県としてもその点の見きわめをしていってもらいたいし、国保に対する県からの支出金、これは市町村との信頼関係の問題です。県が福祉医療の補助制度をつくって、市町村が実施をして、それに対して補助をしましょうと。しかし、現物給付をすれば国が国保に対する負担金のペナルティーを科すと。それを、県も一緒にその市町村と財政応援してやると。たとえ財政が厳しくても、市町村の一般会計繰り入れも大変ですから、社会保障関係予算の拡充ということを私、第一問でもお願いしましたが、その点も十分に考えていただきたいと。
 それから、妊婦健診、妊婦医療への補助ですが、乳幼児医療は拡充をされてきていただいております。これはありがたいことですが。ただ、その母体である妊婦そのものの健康管理、治療がきちんと受けられる、そして救命医療でもかなりの負担金になってくるわけですから、そういう心配が要らないようにしてほしいということを、これ、ぜひまた新年度予算でも検討していただきたいと思います。
 以上、知事への質問一点、答弁お願いします。
○議長(向井嘉久藏君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまの再質問ですが、私自身は知事に就任して以来、公共事業の透明性ということをいかにして確保するかということを県政の最大重要課題の一つとして対応してまいりました。
 いろいろ報道はされておりますけれども、個人的に人から誤解を受けるようなことは何もしておりません。ただ、基本的に今捜査中でございますので、それ以上のコメントはこの件については控えさせていただきます。
 さらに、入札制度、いろいろあるわけですが、これからもっともっと透明性が高まるように取り組んでいきたいと思いますし、今後この件について談合の事実でも明らかになれば、関係業者に対し、指名停止措置、損害賠償請求など厳正に対処してまいりたいと、このように思っております。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 四十三番藤井健太郎君。
○藤井健太郎君 今、知事から、透明性の確保に最大限努めてきたと、私は潔白だというような答弁があったと思うんですが、それはそれで、知事の立場として受けとめました。
 やはり今回のこういうような、県庁そのものが捜索をされるということ自身が、やっぱり県民にとっては一つ不名誉なことにもなってまいりますし、今後この問題の全容解明を、その捜査当局だけに任すんじゃなくて、県としても、行政としても、これに、どこがこういうような家宅捜索をするような、招くようなことになったのかとか、今までの行政、入札事務とか、あと設計委託とかも含めてきちんと、そういう県の入札情報が外に出るというようなことがないように、その点、目配りをして、今後ともこの事件の解明に当たっていただきたい。これは行政として当たっていただきたいということを私からの意見として申し上げて、私の質問、終わります。
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で藤井健太郎君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 十八番前岡正男君。
  〔前岡正男君、登壇〕(拍手)
○前岡正男君 去る七月三十日に当選して以来、初めての質問に立たせていただきます。議席番号は十八番というエース番号をいただいておりますけれども、何分新人でございますので失礼もあるかと思いますが、御寛恕をあらかじめお願いして質問に入りたいと思います。
 さて、私は、今回の県会議員補欠選挙で「安心できる平和な地域づくり」ということを第一に訴えて当選させていただきました。そこで得た県民の皆様の御支持を背に受け、まずそれに関連したことから質問をさせていただきます。
 第一に、雇用についてでございます。
 安心できる地域の要件の第一に、最低限の文化的生活を送っていけるという保障があると思います。そこで重要なのは雇用であります。幾ら社会保障制度が整っていても、また治安や災害への備えが整っていても、そこに働く場がなければ人間は生活していけませんし、またコミュニティーの持続もあり得ません。そういう意味で、雇用が安定的に存在するということは安心できる地域の第一条件だと思うわけであります。
 ところが、本県では相変わらず有効求人倍率等が低い水準にとどまっており、人口の社会的減少が続いておるのも、働く場がないということが第一の理由であろうかと推察いたします。
 知事も雇用対策に力を注いでこられ、二〇〇四年に「雇用創出プログラム~わかやまジョブ・クリエイション~」を発表し、その成果を発表されております。それによりますと、二〇〇七年度までの目標一万五千人に対して、二〇〇三年度までの雇用創出は九千五百五十人、進捗率は六三・七%ということであります。一見順調なようでありますが、しかし、この雇用創出の成果表から抜けているのは、同じ時期に本県から失われた雇用はいかほどであったかということです。もしも雇用の喪失・流出がつくり出すものよりも大きいとしたら、別途、その喪失・流出という出血をとめる施策も講じる必要があると思うのです。そして、こういうことを考え合わせた上で、ジョブ・クリエイションへの評価と、今後県内の雇用情勢を改善する上でどのような対策が打たれねばならないとお考えなのか、知事からお聞かせ願いたいと思います。
 また、商工労働部長にお伺いをします。
 近年、和歌山県の雇用状況はどのように推移しているでしょうか。また、それは全国、近畿他府県に比較してどうでしょうか。もし企業のリストラや流出による雇用喪失がどれだけで、中小企業や個人商店の廃業によってどれだけの雇用が失われたのか、統計か推計する資料があれば伺いたいと思います。そして、雇用の流出・消失への歯どめとしてどのような具体策を講じられているか、お伺いをしたいと思います。
 次に、経済格差について質問させていただきます。
 富める者と貧しい者の経済格差が広がっているという指摘があります。和歌山県でも、当然そのような傾向は出ているだろうと推察いたします。
 例えば、総務省の就業構造基本調査によりますと、本県では年収二百万円未満の低所得世帯の全世帯に占める割合が、九二年の調査では八・〇%、九七年の調査では二一・一%、そして直近の二〇〇二年の調査では二三・九%とふえてきております。不況による失業者や高齢者の増加による無業者の増加が主因かと思われますが、低所得者層がふえていることは間違いないと思われます。
 もう一つの経済格差の広がりの原因として、非正規の労働者・社員の増加が挙げられます。パートやアルバイト、派遣労働者など企業で働く非正規労働者は、正規労働者に比べて賃金は低く、保険や年金などの面でも待遇に大きな差があります。
 和歌山県の非正規の労働者は全被用者の中で何%でしょうか。これは全国と比較してどうでしょうか。また、非正規雇用の増加によって医療保険や年金、経済活動や少子化などの面で本県が受ける影響はどのようなものでしょうか。
 私は、格差は確かに広がっており、そして安心できる地域をつくるという意味から、それを看過できない問題であると考えております。非正規雇用の増加による経済格差の拡大に歯どめをかけるために、県としてはどういう対策を講じられますか。知事の基本的考え方、そして商工労働部長から具体的なデータと対策をお聞かせいただきたいと思います。
 さらに、安心できる地域にという意味で、県民にとって重大な関心事が福祉と医療の問題です。近年の国や地方の財政難を理由とした福祉と医療のサービスの切り下げ、負担の引き上げは、まさに安心できる地域づくりに逆行する大変な問題であり、県民の憤激に似た怒りの声を私は今回の選挙においてもたくさん聞きました。しかし、医療制度改革その他の国の制度変更の問題に関連しては、ほかの議員さんたちが既に議会において具体的に質問しておられますので、今回は省きます。
 ただ、県民負担の引き上げについては、県民の生活の実情に応じて県ができるだけのカバーをしていただきたいということ、また、サービスの質の向上、法令の遵守、またサービスを受ける弱い立場の方々の人権の尊重については、県民の声を真摯に聞き、監視を怠らないということを当局に要望しておきたいと思います。
 私は、今回、一つだけ疑問をぶつけたいと思います。
 医療の現場では看護師の不足が問題となっておりますが、定数の要件を満たして「付き添いは不要」とうたっている病院でも、実際は家族などによる入院患者の付き添いが常態化しています。夜間の看護師の配置は、大きな病院でさえ、私の見聞からいって十分とは言えない状況ではないでしょうか。入院患者の家族は、安心して患者を病院に預けておけないからこそ付き添いをするのではないでしょうか。
 しかし、これは患者家族にとっては大変な負担であります。「付き添いは不要」という看板に偽りはないでしょうか。県として、夜間の看護体制と付き添いの実態を調査し、問題があれば対処すべきであると思いますが、いかがでしょうか。福祉保健部長にお願いをいたします。
 次に環境問題、なかんずく地球温暖化対策について質問をさせていただきます。
 和歌山県では、本年三月、地球温暖化対策地域推進計画を策定しました。日本全体が二〇一〇年までの温暖化ガス削減目標値として六%を掲げておりますが、和歌山県としては一〇・六%削減を目標とするということです。数字的には大変意欲的な計画に見えますが、正直なところ、私にはもう少し先進的な計画が欲しかった。企業任せ、経済情勢任せという印象をぬぐえません。
 産業部門での削減と森林吸収の組み合わせで数字的には国の目標数値以上の削減をクリアしていますが、全体的には大企業の稼働状況、省エネ技術の進歩の予測に依存しているようです。
 この計画の報告書によりますと、和歌山県では、基準年度の一九九〇年度に二酸化炭素全排出量の六九%を製造業が排出しております。ところが、その製造業からの排出量は、直近の二〇〇三年度には六・七%既に減少しております。つまり、製造業部門としては既に現時点で京都議定書のマイナス六%を達成しているわけです。そして、目標年度の二〇一〇年までは、この二〇〇三年のレベルから五・六%逆にふえるという計画になっております。これは、九〇年以降、景気がどんどん冷えていって、製造業も稼働が底を打った時点が二〇〇三年ごろということで、そこから以降は景気回復で鉄鋼業を初めとして増産が行われてきたし、また今後も拡大が続くだろうという読みでこういうことになったのだろうと思います。実現可能な計画をということでこういう数値になったのだと思いますが、何か肩透かしを食ったような、そういう印象です。
 民生部門での排出については、やはり二〇〇三年度で一九九〇年度に比べて八・八%既に減少していますから、二〇一〇年度まではそこから三・五%増加してもよろしいという計算になっております。これも、今からふやしてもオーケーと言われているようで、何かおなかに力が入らない。割合として、大きな産業部門でオーケーだから、民生部門、そんなに頑張らなくていいですよというふうに私には読めてしまうのです。それは邪推だと担当した方からはしかられそうですが、なぜそういう印象を持ってしまうかというと、民生部門での削減の具体策というものが羅列にすぎなくて、そこに優先順位も行政としてどうコミットしていくかも明らかになっていないからです。一応目標値は掲げられているものの、それに到達するために県民がどういう行動をとればよいかという道筋が具体的には見えません。
 市民レベルでの意識は年々高まっていると思います。県民こぞっての省エネ、省資源という機運を今こそ高めなければならないと思います。それにしては、この計画は民生部門にかかわる記述が少な過ぎるように思います。
 また、単に京都議定書の削減目標を和歌山もクリアしていこうという以上の、本当に地球の温暖化を食いとめる──本当はある程度の温暖化は既にとめようがないようですが──和歌山として資源循環型の持続可能な社会システムをつくっていこうという方向への志が見えないように私は感じます。
 そこで、知事に伺います。
 今回策定された計画に関して、私は今述べたような感想を持っておりますが、これについてはいかがお考えですか。また、削減目標達成への決意のほどを伺いたいと思います。
 また、二〇一〇年以降の取り組みについて、これは国においてはいまだに白紙に近い状態ですが、和歌山県としてはどういう方向をとろうと考えておられますか。
 続いて、環境生活部長にお伺いします。
 第一に、家庭で県民一人一人の生活の中で省エネ、省資源を推進するためには、単に省エネというお題目を唱えるだけでは始まらないと思います。いかなる具体策をお持ちでしょうか。
 第二に、和歌山県内の市町村、もちろん地域によって温暖化防止に対する意識が違うと思いますし、とるべき対策も違ってくると思いますが、現実に人々の生活に影響を及ぼすという意味では市町村の役割が非常に重要であると思います。県は、市町村と地域、今後どう連携していくつもりであるか、お伺いしたいと思います。
 第三に、民間部門での温暖化ガスということになりますと、やはり自動車の問題が大きなウエートを持つと思います。特に和歌山では、公共交通が都市に比べて未発達のところが多い。いえ、未発達というよりも、どんどん公共交通の役割が縮小するような動きがあると思います。しかし、自動車の使用をどんどんふやすようなことでは、温暖化対策もすぐに限界に突き当たってしまうと思います。
 なかなか一朝一夕にはいかないことは承知しておりますが、自動車使用を抑制する方向で、県が権限を有する都市計画、道路行政、公共交通政策について、方向性を定め、市民の理解を得るべきであると思いますが、いかがでしょうか。
 次に、行政改革に関連して質問させていただきます。
 過日、事業仕分けの民間評価委員会を傍聴いたしました。御努力を評価いたしますが、若干疑問に感じたことをただしたいと思います。
 「これこれの事業は県職員でなくてもできる。民間委託、非常勤職員、NPOの活用等を考えるべきである」という当局側──といっても事業担当部局ではなく、事業仕分けを進める行政経営改革室の担当者ですけれども、そういう表現が耳につきました。民間活力の活用、民間への事業の移譲を効率化、経費削減の観点からのみ考える傾向が出てはいまいかと、いささか危惧するところです。
 民間に委託する、アウトソーシングするということで、当たり前のように経費削減になるのはなぜでしょうか。もちろん、民間には市場での競争原理が働き、仕事が効率化されるということはあるでしょう。しかし、同じ事業をする上で生じる官民のコストの格差には、官民の賃金の格差が反映されているということが言えると思います。そして、民間の低賃金、これはまさにきょう先ほど私が質問した問題、非正規雇用の問題と関連するわけです。定型的業務を安く請け負わせるということであれば、やはり非正規雇用を活用した民間企業が価格競争力で勝つでしょう。そうすると、県の行革は、官民の賃金格差、民間の正規と非正規の従業員の間の賃金格差に乗っかったものになる、そして、ひいてはそのような格差を助長することになりはしないかと危惧するものです。
 やはり県としては、公務にかかわる業務を委託する際には、委託された会社が安定的な雇用を行えるような配慮が必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
 あるいはNPOの場合では使命感に燃えた頑張りで安い委託料でも受けるかもしれませんが、民間の力を活用し、伸ばしていくという観点から事業の移譲を検討していただきたい。したがって、委託する場合は、その民間、それは企業にしろNPOにしろ、なるべくノウハウがその企業、NPOに蓄積し、常勤職員の雇用あるいは労働に見合った正当な待遇ができ、安定的な経営が図れるように配慮すべきであると思います。このようなことについて、知事に対して、基本的考え方と、あればですが対応策、お願いいたしたいと思います。
 これと関連することですが、職員制度の改革についてであります。
 県職員でなくてもできる業務をどんどんアウトソーシングしていくとして、県職員には何が残るでしょうか。公的な意思決定であり、企画だと思います。それが本当にプロフェッショナルとしてできるようになるためには、現在のような職員制度でいいのか、疑問があります。二、三年で異動していくような制度、ほとんどの職員が新卒で入ってそのまま定年までいるような職場でよいのでしょうか。
 知事は、全国に先駆けて分限免職や査定昇給制を人事政策に取り入れました。このことは大いに評価するものですが、本当にこれから県政を県民の立場に立った効率的なものにするんだという決意で、もう一歩踏み込んだ改革をしていただきたい。
 それには、県の人事制度として、極力分野ごとのプロフェッショナルを養成するような人事配置を行うこと、また、官民交流というような生ぬるいことではなく、プロフェッショナルとして力をつけた職員が民間企業へ転職する、それだけの力をつけさせる、反対に民間のプロを管理職や現場にどんどん採用する、そういうことをこれも和歌山県モデルとして進めていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 また、給与の制度も、民間企業の模範となるような、本当に職務の難度やキャリアに見合ったフェアな給与制度に徐々にでも改めていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 さきのアウトソーシングの質問と関連しますが、職員がやるより民間に委託した方が経費が例えば半分で済むというようなことが現実にあるわけです。それは、賃金の官民格差が反映しているわけです。県民からすれば、県庁職員はあの程度の仕事であんなに高給をとっている人がいるという不公平感が出ても不思議ではないと思います。現実には大変な激務をこなしておられる職員がたくさんいることを承知で申し上げているのですが、一方でそういう現実もあるのです。
 法律の縛りもありますし、職員の年齢構成などの構造的な問題があると思いますが、将来の方向性として知事にお考えを伺いたい。そしてまた総務部長には、もしあれば具体策を伺いたいと思います。
 最後に、今回の談合疑惑について質問いたします。
 去る九月二十日、和歌山県庁が県の公共工事に係る談合容疑で家宅捜索を受けました。単なる業者間の談合ではなく、県側の関与が疑われるということで、知事室まで捜索を受けるという大変ゆゆしき事態であります。同僚議員から知事への質問に対して、知事は遺憾の意を表して捜査の進展を見守るということだけですので、私は県土整備部長にお尋ねをいたします。
 一番、まず今回問題となっている工事について経過を御説明いただきたい。
 二番、新聞各紙の報道によりますと、この工事を請け負ったJVの中心となるハザマが大阪府のゴルフ場経営会社大和開発観光の役員──今回県が捜索を受けたのと同じ日に捜索を受けました──に対して、工事受注工作の謝礼として五千九百万円を支払った形跡がある、そして、この役員はこの工事の設計を委託された会社から設計図面をハザマが入手できるように働きかけ、ハザマはその設計図面の入手によってチャンピオンに選ばれ、工事が受注できるように談合が成立したということであります。また、この会社役員は、県情報交流センターBig・Uの建設工事についても談合に関与していた疑いがあるとして、大阪府警から任意で聴取を受けていたことがあるということ、そして、この会社役員は知事や一部の県職員と親交があるということであります。
 これら報道されている事柄について、県土整備部長が把握している事実は何か、伺いたいと思います。
 三番、談合が疑われる事件があれば、常に県当局の入札制度の厳格性、透明性が問われるわけですが、この工事の入札時点で入札制度にどのようなすきといいますか、改善すべき点があったと考えられるか、また、現在に至るまでそれがどのように改善されてきたか、そして、今回の事件を受けて考えられる対策はいかなるものか、伺いたいと思います。
 四番、今回談合の疑惑がかかっているハザマとそのJVの参加企業については、これ以降の県発注工事について指名停止等何らかの対応がなされるのでしょうか。それとも、現段階では普通に入札に応じることができるのでしょうか。
 以上、答弁をお願いいたします。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの前岡正男君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 雇用状況と対策について、そしてまた経済格差についての御質問でございます。
 バブルの崩壊後、経済停滞もようやく回復基調となり、持ち直してまいりましたが、地方においては、一部明るさが見られるものの、依然として厳しい状況が続いていると、このように認識をいたしております。
 本県でも地場産業や下請業者に回復のおくれが見られ、労働者の非正規雇用がふえているなど、格差が広がっているということを懸念しているところでございます。
 私は、県内産業のイノベーションの促進や全国一の優遇策による企業誘致の推進、また首都圏等での観光振興やわかやまブランドの育成など、さまざまな地域経済活性化策を講ずることで雇用の創出・確保が図れるよう、懸命に取り組んでおります。特に、雇用創出プログラムに関しては総合的、計画的に雇用の場を創出していくこととしており、これまで産業振興策による雇用の創出と就業支援による雇用のミスマッチの解消に成果があり、おおむね順調であるというふうに評価しているところでございます。
 一方で雇用の場が失われることについては、まことに残念なことではありますが、県内企業にも構造改革などの事例があり、総合的な産業振興策を積極的に推進していくことが大事であると考えております。
 今後とも、さまざまな格差是正に向け、活力ある和歌山の産業を創出し、自立した地域の発展を目指してまいりたいと考えております。
 次に、和歌山県の地球温暖化対策推進計画についての御質問でございます。
 まず、今回の計画に対する思いと目標達成についてでございますが、二十一世紀は環境の世紀というふうに言われておりまして、特に地球温暖化問題がその影響の大きさ、深刻さから見て、人類の生存基盤にかかわる最も重要な問題の一つであり、社会システムを改善していく必要があると、このように考えており、また今回の計画というものがその重要な一歩であると考えております。
 この計画は三月に策定したところでありますが、計画を着実に実施し、さらなる地球温暖化対策の推進を図ることが必要であると考えており、今般、和歌山県地球温暖化対策条例案検討委員会を設置し、温室効果ガスの多量排出事業所への排出抑制対策や世界遺産登録地域にふさわしい環境保全対策など、条例化に向けた検討を始めたところでございます。
 また、森林の多い和歌山県の特色にかんがみ、和歌山県版の森林による二酸化炭素吸収量認証制度認証・評価委員会──長いですけども──これを設置し、養老孟司委員など環境問題に造詣の深い方々を委員に迎えて、現在、鋭意対処方針を考えているところでございます。
 今後とも、計画の目標達成に向け、県民の皆様とともによりよい環境づくりについて努めてまいりたいというふうに思います。
 次に、二〇一〇年以降の取り組みについてですが、京都議定書の目標達成は脱温暖化社会の構築に向けた第一歩ということで、破滅的な温暖化というものを回避するためには一層のガス削減を進めなければなりません。
 二〇一三年以降の京都議定書第二約束期間においても、森林など豊かな自然環境を擁する県の特色を最大限に生かしながら、責任を持って引き続き積極的に対策の推進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、アウトソーシングについての考え方ですが、地方自治体を取り巻く状況が大きく変化し、本県においても厳しい財政状況が続く中で、限られた人員や財源を有効に活用しながら、サービスの受け手である県民に低廉で質の高いサービスを提供するためには行政改革の推進はますます重要であると考えており、その手法の一つであるアウトソーシングも非常に有用なものであろうと考えております。
 アウトソーシングを進めるに当たっては、お説のように、経費削減の観点からだけ進めるのではなくて、例えば指定管理者の選定に当たっては、サービスの質も含めた総合的な評価を実施しているところでございます。また、県の業務を単に外注するというふうな考え方ではなくて、民間も含めたさまざまな主体を公共サービスの担い手としてとらえ、行政と民間が協力し合いながら地域社会を形成していくという考え方に基づき、地域のNPOを育てるというふうな観点も踏まえながら進めてまいりたいと、このように考えております。
 最後に、職員制度の改革についてでございますが、大幅な人員及び人件費の削減に取り組む中で、高度化、多様化する県民ニーズに対応するためには、職員一人一人が能力を最大限発揮できる、いわば「出るくいを伸ばす」式の能力・実績主義制度を定着させることが大事であろうというふうに思っております。
 また、給与についても、本年度は地域の民間給与をより反映させ、職務、職責に応じた給与体系への見直しを行うとともに、能力、実績に応じた査定昇給制度を導入したところでございます。
 今後とも、職員の意欲や能力の向上につながる給与制度に努めてまいりたいと、このように考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 商工労働部長下  宏君。
  〔下  宏君、登壇〕
○商工労働部長(下  宏君) 雇用状況と対策について、経済格差についての二点の御質問に一括してお答えをします。
 本県の雇用状況の推移ですが、有効求人倍率につきましては、近年最も厳しかった平成十三年度と直近の本年七月を比較しますと、本県は〇・四四倍から〇・八三倍へ〇・三九ポイントの上昇、一方、全国は〇・五六倍から一・〇九倍へ〇・五三ポイントの上昇となっており、全国と比べて改善がおくれております。
 また、来春高等学校卒業予定者に対する県内求人数は、七月末現在約千人となっており、前年同期に比べ二割以上の増加といったデータもございます。
 次に、雇用の減少に関してですが、総務省の平成十六年事業所・企業統計調査によりますと、平成十三年から平成十六年までの間に廃業事業所は約八千事業所で、その従業員数は約三万七千人の減少となっています。一方、新設事業所は約五千事業所、従業員数は約三万三千人の増加となっております。
 二点目の御質問の非正規社員の状況についてですが、総務省の平成十四年就業構造基本調査によりますと、本県の雇用者に占める正規従業員の割合は六五・〇%で、全国の六三・一%と比べ、正規社員の割合が若干高い状況となっております。
 この非正規社員の増加による影響につきましては、賃金格差を初め公的年金未加入や非婚化、少子化といった問題もあり、議員御指摘のとおり、県経済に与える影響も懸念をされるところです。
 こうした雇用情勢と格差の現状を踏まえまして、本県では雇用の場の創出のため、経営革新や技術開発による新事業の創出などを進めるわかやま産業イノベーション構想の推進や百億円の奨励金制度など戦略的な企業誘致の推進、また高野・熊野の世界遺産を生かした観光振興や地域資源を活用したブランドづくりなどの産業振興策を進めております。また、就職フェアの開催やジョブカフェ・わかやまの運営、技能向上を図る職業訓練など、若年者の雇用対策を図っております。
 今後とも、和歌山労働局や経済団体などの関係機関と連携しながら、実効性のある就職支援を図ってまいりたいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 福祉保健部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○福祉保健部長(小濱孝夫君) 安心できる地域づくりについてのうち、病院の看護体制と付き添いについてですが、診療報酬では、一般病棟における夜勤を行う看護職員数は二人以上と定められております。また、病棟ごとの一日に勤務する看護職員数や時間帯ごとの配置などについては、掲示が義務づけられております。
 看護の実施状況につきましては、毎年実施している医療機関の立入検査の中で、看護師等の勤務状況や家族の付き添い等の状況について調査を行っております。これまでの調査の中では、家族の付き添いを行っていたのは、家族から申し出のあった小児やがん末期患者など、いずれも付き添いの必要性が認められるものでした。
 県といたしましては、夜間の看護体制の充実を図るため、今後とも医療機関に働きかけを行うとともに、家族の付き添いについて問題のある事例があれば適切に対処してまいります。
○議長(向井嘉久藏君) 環境生活部長楠本 隆君。
  〔楠本 隆君、登壇〕
○環境生活部長(楠本 隆君) 地球温暖化防止の具体策についてお答えを申し上げます。
 地球温暖化防止の推進のためには、県など行政機関はもとより、県民の皆様や民間団体、事業者がそれぞれ協力し合い、すべての構成員が参画することが大変重要なことであると考えております。
 このため、家庭でのCO2排出削減を推進するためには、まず温暖化問題についての関心を高め、幅広い取り組みを促していくことが重要であり、そのための広報啓発活動を着実に推進していくべきものと考えております。
 さらに、家庭での温室効果ガスの削減には、省エネルギーを基本としたライフスタイルの着実な実施とともに、太陽光など自然エネルギーへの転換や電化製品の買いかえ時に省エネルギーの機器に交換することが有効であることから、省エネラベルの普及あるいは環境マイスターの普及などを推進しているところでございますが、今後、家庭での温暖化防止の取り組みをさらに進めるためには何らかのインセンティブを与える施策を行っていくことも必要であると考えております。
 また、本県では昨年九月、和歌山県地球温暖化防止活動推進センターにNPOわかやま環境ネットワークを指定するとともに、地球温暖化防止活動推進員八十五名を委嘱し、県内各地域での地球温暖化防止の取り組みを推進しているところでございますが、県といたしましては、市町村に対し温暖化防止推進のための地方公共団体実行計画の策定を促すなど、市町村での取り組みの強化を図り、県全体の温暖化防止を推進してまいりたいと考えております。
 加えて、都市計画、公共交通政策等と連動した環境施策につきましても、推進計画では、都市地域での自動車交通への過度な依存からの脱却など、人、町、環境に優しい交通の実現を目指し、和歌山県における社会資本の整備状況等、地域の特性に合わせた環境行政を推進することとしておりますが、議員御指摘の環境に配慮した町づくりは今後ますます重要になると思われますので、温暖化防止の視点を踏まえた施策の展開を十分考慮するよう、関係部局にも要請してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 総務部長原 邦彰君。
  〔原 邦彰君、登壇〕
○総務部長(原 邦彰君) 職員制度改革の具体例に関するお尋ねがございました。
 まず人事配置についてでありますが、県では、採用後一定期間は幅広い能力習得のためジョブローテーションを行い、その後に能力、実績、適性を見きわめながら、専門的知識が必要な分野への庁内公募制の活用などにより専門的能力のある職員の育成に努めております。
 また、官民交流についてでありますが、特定分野の専門家育成という観点から、大学院や金融機関等に県職員を研修派遣するとともに、逆に民間の能力を活用するため、即戦力となる民間のプロを管理職等に任期つきで採用いたしてございます。
 次に、職員の給与水準についてですが、従来から人事委員会の勧告により民間給与水準を反映しているところでありますが、本年度の国の人事院勧告では比較対象となる民間企業の規模が百人以上から五十人以上に引き下げられており、県の人事委員会の勧告においても、より一層の地域の民間給与の反映が図られることを期待いたしております。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 今回の談合疑惑について四点のお尋ねがありました。
 まず、当該工事の経緯についてお答えをいたします。
 国道三百七十一号(仮称・平瀬トンネル)特殊改良一種工事につきましては、平成十三年六月十三日に工事に先立つ調査設計業務の指名競争入札を十五者で行い、川崎地質株式会社和歌山事務所が落札をいたし、同年六月から十二月にかけて調査設計業務を実施いたしました。
 次に、同工事を公募型指名競争入札で実施すべく平成十六年七月二日に入札公告を行いましたが、新潟市の談合事件の影響を受けて八月五日に入札を取りやめました。その後、設計を修正の上、同年十月一日に再度公募型指名競争入札での入札公告を行い、七つの特定建設工事共同企業体が応募し、すべての共同企業体が資格要件を満たしていたため七者を指名し、十一月十日に入札を行い、ハザマ・地崎・三友特定建設工事共同企業体が最低価格で落札をしたもので、落札率は九八・九%でした。現在、平成十九年三月の完成に向けて取り組んでおります。
 次に、報道されている事柄についての事実確認ですが、県土整備部といたしましては、現時点で御指摘のような談合報道の内容について把握しておりません。現在、大阪地方検察庁による捜査中であり、今後の進展を見守ってまいりたいと考えております。
 次に、入札制度の改善についてお答えをいたします。
 県では、従来から談合や不良・不適格業者を排除し、品質を確保するとともに、適切な競争を促すため、予定価格、最低制限価格などの事前公表や入札監視委員会の設置などの入札制度改革に取り組んできたところです。さらに本年六月からは、より透明性、競争性のある入札制度を目指し、主として三点の制度改革を行いました。
 一点目として、予定価格一億円以上の工事で試みに行っておりました条件つき一般競争入札を、予定価格五千万以上のすべての工事に本格導入いたしました。
 二点目として、予定価格五億円以上の工事は自動的にJV適用工事としていたものを見直すとともに、JV適用工事を県内業者への技術移転が必要な工事などに限定をいたしました。
 三点目として、指名業者数を原則十五者から二十者に拡大いたしました。
 今回の工事につきましては平成十六年十月実施の公募型指名競争入札であり、この制度では、公募の後、指名業者を公表しておりましたが、現行の制度では条件つき一般競争入札に移行しており、この制度では事前には応札業者がわからない仕組みになっています。
 今後も、必要に応じ、より透明性、競争性の高い入札制度の見直しを行ってまいります。
 最後に、今回報道されました企業への対応につきましては、現時点では事実が解明されておらず、入札参加を排除することは困難でありますが、今後、捜査の進展を見守り、書類送検等が行われた場合には指名停止の措置を講じるなど適切に対応をしてまいります。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 十八番前岡正男君。
○前岡正男君 まず雇用についてでありますけれども、廃業事業者の従業員と新設事業者の従業員の差から考えると本県から三年間で失われた雇用は約四千というお答えでした。緩やかながらも本県では景気回復の波が及んできているようですが、この職を失った方々たちの再雇用というのはなかなか厳しいのではないでしょうか。
 県においては、企業誘致や先進的企業の発掘、育成ということだけではなくて、中小の地場企業に対する支援にも力を入れていただきたいと思います。
 経済格差と非正規雇用の問題につきましては、非正規雇用の労働条件が不当、不利なものにならないように、国の労働局と力を合わせて企業への指導を徹底していただくとともに、そして学校教育や青少年対策、男女共同参画の施策、それと産業政策、雇用政策との連携した取り組みを今後お願いいたしたいと思います。
 看護体制につきましては、ひとつ患者及び家族の側からの調査ということをお願いしたいと思います。
 地球温暖化対策につきましては、答弁されたような方向でぜひ推進していっていただきたいと思います。
 行政改革については、少し議論がかみ合わなかったように思います。私は、効率化という観点からのみのアウトソーシングではなく、民間企業やNPOを育て、その中で安定した雇用が実現するための配慮を求めたのですが、その方向性が具体的に示されなかったことは残念に思います。今後の検討を期待したいと思います。
 また、職員制度改革については、これからどんどん新しい行政経営方式を導入する、そしてまた県の役割は道州制論議が進む中で変わってくると思います。これまでとは違う能力が県の職員には求められると思います。しかし、職員制度の改革の効果というのはなかなかすぐにはあらわれません。それだからこそ、常に改革に前向きになって長期的な視野に立った改革を行わなければならないと思います。法律や制度の縛りを一たん取り払って考えてみてはいかがだろうかというつもりで質問いたしました。今後とも、この問題については議論していきたいと考えております。
 以上は要望でありますので、お答えはいただかなくて結構であります。
 さて、談合問題でありますが、事実関係については何も述べられないということは一定理解いたします。
 また、入札制度の改革については、今回の事件──といっても談合が事実であればということでありますが、その反省の上に立って加速度的な取り組みを進めていっていただきたいと思います。これも要望でございます。
 ただ一点だけ、県土整備部長に簡潔にお答えをいただきたいと思います。
 今後、入札においては、容疑の事実が明らかにならないことには指名停止というような措置ができないということでありましたが、ハザマ、それから設計会社の川崎地質株式会社に対して、今回の件で県として事情聴取を既にされましたか、あるいはまた今後する予定がありますか。それ一点、お伺いをしたいと思います。
 再質問を終わります。
○議長(向井嘉久藏君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 今回の捜索を受けて、関係業者に対する事情聴取を行ったことはございません。
 それから、今後の県側からの事情聴取につきましては、今、地検特捜部による捜査が行われている段階でございますので、その結果を待って、必要であれば実施をしたいというふうに考えてございます。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 以上で、前岡正男君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時四十八分休憩
────────────────────
  午後一時三分再開
○副議長(谷 洋一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十六番藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕(拍手)
○藤本眞利子君 皆さん、こんにちは。少しずつですけれども、秋めいてまいりました。昨日も晴天のもとに各市内の小学校では運動会が行われて、子供たちの元気な演技を見ることができました。
 きょうは、一般質問もラスト二人ということで、大変お疲れのこととは思いますが、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので一般質問を行います。
 まず、児童虐待問題についてお伺いをします。
 近ごろ、虐待の問題が前ほども報道されなくなっているようにお感じになられる方がいらっしゃると思います。しかし、問題が解決の方向にあるのかと言えば全く逆で、件数が多過ぎて、よほどの死亡事故でもない限り事件として報道されないという状況になってきております。
 インターネットで虐待の記事を検索したところ、八月には茨城県で二人の幼い命が虐待によって失われていますし、暴行による逮捕も相次いでいます。和歌山県においても、十七年度には三件の検挙事件が報告されています。また、先ごろの新聞報道によると、児童虐待の件数は全国的に三万件を超えるとのことであります。
 和歌山県においても、平成十五年度から平成十七年度までの県内の児童相談所が受け付けた虐待についての相談処理件数は百九十一件、二百四十九件、二百九十三件と、増加の一途をたどっています。
 日本では、六年前の二〇〇〇年に児童虐待防止法が成立し、その後二〇〇四年には、児童福祉法の改正で、各自治体は市町村要保護児童対策地域協議会を置くことができるようになりました。しかし、残念ながら虐待から子供たちの命を守るシステムが迅速に機能しているとは言いがたい状況が続いています。
 少し古い話ですけれども、私は、二〇〇一年に、児童虐待防止の地域システムにいち早く取り組んでいるイギリスの方に研修に行かせていただきました。イギリスでは、一九八九年に虐待防止法が成立して以来、子供たちを守るためのシステムが研究され、構築をされていました。
 大きな特徴は、医療、保健、教育、福祉、法律、警察などの第一線で働いている方々を中心に二十名から五十名のメンバーで成る地域子供保護委員会が設置されており、権限を持って児童虐待に対処できるといった点でした。地域子供保護委員会の活動は多岐にわたり、幾つかの小委員会では、地域のガイドラインの作成や改正、その施策の配布の担当委員会、関連機関合同のトレーニングや機関ごとの職員に対するトレーニングを提供する委員会、死亡例や重症例の再検討やシステムに関する監視を行う委員会などがあり、日常業務を通じて頻繁に開催をされていました。
 例えば、児童虐待が通報されると、警察とソーシャルワーカーが動き、通告事例が虐待かそうでないか初期評価が行われます。イギリス警察の子供に対する対応は、本来の触法行為に関する警察とは異なり、子供に関するすべてを担当するため独立した行政組織で仕事をしており、警察の権限は保持しているのですが、常にソーシャルワーカーと連絡をとりながら行動され、服装も制服ではありませんでした。
 虐待が通告されると、まずソーシャルワーカーと警察が即座に動き、その家庭を訪問します。そこで虐待の状況があると判断された場合、ソーシャルワーカーがすぐさま児童に関するすべての情報を調査できるよう裁判所に申請し、指示を受けます。その調査内容は詳細にわたり、出産状況から家庭、学校の様子まで、すべて調査する権限が与えられています。
 また、子供が危険であると判断されたときは、地域子供委員会が子供に関しての会議を二十四時間以内に開かなければなりません。そこでは、警察を含め、医療、保健、福祉、法律など、すべての関係機関が子供のために話し合いを持ちます。虐待の事実が認められた場合、子供委員会は八日以内に関係機関の人々を集め、会議をしなければなりません。
 日本の虐待の対応との違いは、日本では、それぞれの関係機関が協議会やネットワークといった方法をとり緊密に連携をしながら取り組もうとしているのに比べ、イギリスでは、すべての関係機関の関係者が一つの委員会に結集し対処しているところが大きく違うところだと思います。
 日本では、虐待が起こった場合、各市町村、また県の子ども・障害者センターが対処することになっていますが、対応の現状は、残念ながら十分ではありません。平成十七年度に児童福祉法施行令が改定になり、児童福祉司の配置基準が五万人から八万人に一人ということで引き下げられましたが、さまざまな相談の件数が五千件もある中では、到底対応できるものではありません。また、虐待をとめるためにも親への支援がとりわけ重要になってくるにもかかわらず、十分対応できていません。
 イギリスの場合は、子供委員会の権限が大きいため、虐待の事実やなぜ委員会が調査をしているのか親に通告し、解決に向けた協議、処遇を説明し、説得します。親の了解を得られない場合でも、裁判所の判断で緊急に一時保護を行います。
 親への支援として、子供が虐待に遭ったとしても親の保護のもとで生活することが一番と考えられ、親に対しても家族を立て直すためのプログラムが用意されており、保健師や医師の指導のもと実施をされています。しかも、これは法律で義務づけされています。
 そう思うと、日本の状況はどうでしょうか。通告しても、センターの職員が足りない。なかなか調査をしてもらえない。親への話がうまくいかないために保護できていない。保護した後も親への教育とケアができていない。子供は施設に行きっ放しであります。児童虐待防止法ができたものの、本当に子供の命を救う仕組みになっていないのではないでしょうか。何人の子供が命を落とせば、この国は真剣に対処をするのでしょうか。
 そこで、福祉保健部長にお伺いします。
 和歌山県においては虐待の現状はどうなっているのでしょうか。また、虐待防止のためにどのような対策をされていますか。
 また、二〇〇四年に要保護児童対策地域協議会を置くことができることとなり、現在、幾つかの市町村で設置をされていますが、情報交換やケース検討になっており、緊急対応や子供の保護、家族へのケアができていないように思います。今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをします。
 また、全国に先駆け、和歌山県独自に虐待から子供の命を守るための条例が必要だと思いますが、知事のお考えをお伺いします。
 次に、教育委員会にお伺いをします。
 平成十九年度の高等学校入学者選抜実施要項が発表されました。受検者本人はもちろんですが、保護者や関係者は気が気ではなかっただろうと思います。
 さて、今回、二段階方式、前期試験と後期試験に分けて選抜をするということですので、その趣旨をお伺いしたところ、「すべての子供に受検のチャンスを」というお答えでした。今までは、中学校の方で高校の推薦枠が設けられていたため、推薦を受けたくても受けられない生徒がいたという状況でしたので、今回、中学校で選抜をするのではなく、受けたい生徒が自分で選択し受検ができるという方法だということで、当初は大変いいことだと思いました。
 しかし、前期選抜では高校の三〇%から一〇〇%の枠を設けて選抜するということになっています。前期では三〇から五〇の枠で選抜を行うのは一定理解するところですが、一〇〇%の枠を設けている学校があることについては、私は納得がいきません。前期で一〇〇%の生徒を合格させた場合、後期の選抜はないということになります。
 しかも、一〇〇%の選抜を行う高校は、和歌山北の体育、向陽の文化科学、桐蔭の数理、総合人文、星林の国際交流、和歌山商業の会計、南紀の看護ということになっています。教育委員会の皆さんはどうお感じになるかはわかりませんが、一般県民の意識からすると、学力的に高いとされる高校の学科が前期だけの選抜を実施するという受けとめ方をされると思います。学力的に高いとされる生徒の青田刈りという印象を受けます。教育委員会は「すべての子供に受検のチャンスを」ということですが、私は整合性がないように思います。その点についてお伺いをします。
 また、高等学校入学者選抜実施要項の中に選考基準が示されています。各学校の求める生徒像という項目があり、それぞれの学校が求めている生徒の姿が書かれています。
 私は、おかしなことを書くものだなあと思い、拝見をしました。というのは、各学校の特色を出し、うちの高校はこんな特色があり、こういった勉強をしますということを明記し、生徒が選択する際の情報を提供するということなら理解ができます。しかし、この書き方からすると、反対ではないでしょうか。「すべての子供に受検の機会を」とおっしゃる教育委員会ですが、求める生徒を取捨選択し、この条件に当てはまらない生徒は要りませんと言っているように思います。
 そこで、高校受験に対して、今回の改正の経過と目的、お考えについてお聞きします。
 九月十四日付の毎日新聞に、県立の中途退学者は全日制で四百九十八名、在籍生徒に対する割合が一・九%、ここ数年の割合が大体二%で推移していると掲載をされていました。この数字を教育委員会はどのようにとらえられているかわかりませんが、私は大変大きな数字だと感じています。
 どの親でもそうだと思いますが、せめて高校ぐらいは卒業させたいと思っています。しかし、この数字を見ると、毎年五百名近い生徒が中学校卒業という経歴で社会に出て働かざるを得ないということです。しかも、この学歴社会の中、何か資格を取るのでさえ高校卒業程度の経歴は必要です。こういった中途退学の生徒がやり直すことのできる制度が必要だと思います。
 そこで、お伺いをします。教育委員会は、このようにドロップアウトしてしまった生徒の実態を把握していますか。また、その対策についてお伺いをします。
 次に、学力テスト結果についてお伺いをします。
 和歌山県では、全県で小学校四年生から中学校三年生に毎年学力テストを実施して、四年目に入っていると認識をしています。また、この小学校五年生と中学校二年生については、統一テストを四県合同で行っているとお聞きをしています。継続して学力テストを実施した結果、県としての傾向と課題がつかめているかと思いますので、県教育委員会として、他の県との比較もあわせ、学力問題についての傾向と課題、今後の対策についてお伺いをしたいと思います。
 次に、中高一貫教育についてお伺いをします。
 向陽中学校が設立され、三年が経過をしました。来年度は桐蔭高校で新たな中高一貫教育校が設置され、県の教育委員会としてはさらに増設される予定とお聞きをしています。向陽中学校の競争倍率も高く、人気のほどをうかがわせますが、私としては、義務教育段階の公立中学校の受験、また受験校をふやすという方向性の意図がどうもわかりかねているところです。また今後、競争熱がさらに過熱するのではと懸念をしています。
 私立と公立の中高一貫中学校への進学者を合わせますと、全生徒のほぼ一二%の生徒が進学するという状況になります。もちろん、学習への意欲が高いとされる生徒が抜けるということで、地元の中学校への影響は大変大きいと思われます。
 教育委員会の皆さんも御存じかと思いますが、学習への意欲が高い生徒の一割が抜けると授業そのものが成立しにくくなります。また一般的に、学力を引き上げようとすると、一部の学力の高い者を引き上げるといった方法をとると、学力格差がさらに広がり、平均値がより低いところに寄るといった現象が起こってきます。学力曲線がなだらかな山型ではなく、その山の頂点が低い点数の方に推移するという状況が起こります。県内の九〇%近い生徒の通う公立中学校において、このような現象が今まさに起きようとしています。
 国際学力調査PISAの学力テストでここ数年世界一位のフィンランドの様子を調べますと、和歌山県と正反対の施策をされています。一学級の生徒数を少人数にする、低学力の生徒をほうっておかない、授業での生徒同士の教え合いを尊重するといったことを積み重ねた結果、世界一の実績をつくり上げたと言っても過言ではありません。低学力の生徒への手厚い働きかけが全体の学力の底上げを支えたと言えます。
 そこで、お伺いをします。公立中高一貫教育を進めようとされていますが、目指す方向と、どのような生徒を育てようとしているのか、お伺いをします。
 また、県教育委員会として、大多数の生徒の通う公立中学校の学力面での課題や学級運営での問題点を把握されているのか。今後どういった対策をされていくのか。
 以上、教育長にお伺いをします。
 最後に、耕作放棄地について、農林水産部長にお伺いをします。
 私の知人で、他の仕事についていたのですが、心機一転、農業で生計を立てたいということで、葉野菜を栽培されている知り合いに指導をお願いしたそうです。その方は、一年じゅう収穫可能なホウレンソウ、チンゲンサイ、コマツナなどの野菜をつくっています。「農地があればすぐ収益を上げることができる。教えてやろう」ということで、どこか農地がないかと探したそうです。県の方が御好意で探してくれたのですが、なかなかいい場所がなく、見つけてくれたものの、道がない、水がないというような、ちょっと使い道のないようなところばかりで途方に暮れてしまったと言われていました。「とりあえず余った土地を貸してやるから一緒に栽培しよう」と指導してくれたその知人が誘ってくれたので、何とか始められました。始めて三カ月余りですが、今では野菜を市場に納められるようになり、生活のめどが立ってきたと喜んでいます。
 県の耕作放棄地、いわゆる空き農地の割合を調べると、全国の平均より高い数字になっています。梅やミカンといった収益性の高い農業を実施している市町村は高い耕作率を示しているけれども、それ以外は高い放棄地率になっているようです。そういった耕作放棄地の解消、発生予防ということで県としても支援対策を行っているところですが、今の例のように空き農地の状況がわからない状況です。
 そこで、耕作放棄地の現状と対策について農林水産部長に御答弁を願います。
 また、新規就農者も生活をしなければなりません。本気で農業者をふやそうとお考えならば、採算性の確保もある程度考えるべきではないでしょうか。福井県や岡山県では、農業研修者に対しては月々の生活保障を行っているところもあります。和歌山県でも、農業をしようという人材を育てるためにはそういった手だても必要だと思います。
 そこで、知事にお伺いをします。
 私は、和歌山県を農業立県として将来的に採算のとれる農業構想が必要だと思います。農業がこれから先、大変重要な産業だと認識しているのですが、耕作放棄地の解消や新規農業者の受け入れも念頭に置きながら、農業のハローワーク的機能を持ったものを立ち上げてはどうでしょう。
 例えば、地域の農業従事者に指導者として登録をしていただき、農業をしたい人が本格的に農業のできる仕組みをつくり、これから退職を迎える団塊の世代にも一役買っていただけるような制度を考えていただきたい。
 知事は緑の雇用ということで一躍有名になられましたが、和歌山県の特徴を最大限に生かしていただき、農業のハローワーク的機能を持ったものをぜひとも実現していただきたい。
 知事の御所見をお伺いしまして、一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(谷 洋一君) ただいまの藤本眞利子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、子供虐待防止条例の制定についてでございますが、御指摘の、県独自で子供の虐待を中心とした子供の命を守るための条例を制定してはどうかということです。
 児童虐待は子供の人権を著しく侵害する行為であることは言うまでもなく、また非常に大きな問題であるというふうに考えておりまして、次の世代を担うすべての子供が健やかに育つ社会の実現に向けて、幾つかの県で例があるようですけども、条例を制定することは大変意義のあることだというふうに思っております。
 条例の制定に当たっては、他府県の状況も踏まえながら、子供の人権救済につながる実効性のあるものとなるよう内容を検討し、前向きに取り組んでいきたいと、このように思っております。
 次に、農業のハローワーク的機能についてでございますが、この問題については、今、県は、団塊の世代の人とかが農業に従事するときに、いろんな形で農地情報とか住宅情報とか提供して、いろんな形で農業従事者がふえるような形で努力はしてるんですけども、御質問にありましたハローワークというのは、非常にネーミングもおもしろいし、そして取り上げ方の切り口も非常にユニークなものだと思いますので、これについても前向き、積極的に対応していきたい、このように思います。
○副議長(谷 洋一君) 福祉保健部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○福祉保健部長(小濱孝夫君) 児童虐待の現状についてでございますが、十七年度の総処理件数を種類別に見ると、身体的虐待とネグレクトがそれぞれ約四割で、加害者別では、実母が七割強を占めております。また、市町村の相談受け付け件数は二百二十九件でありました。
 次に、児童虐待防止対策についてですが、まず予防対策として、乳幼児の健診時等に虐待リスクのある家庭を把握するとともに、必要に応じて家庭訪問等を行っております。
 また、市町村域ごとに、警察、教育、医療等関係機関並びに民生・児童委員などで構成する要保護児童対策地域協議会の設立を推進し、児童虐待の防止を図っているところでございます。これまで十八市町で設置済みであり、平成二十年までに全市町村に設置することを目標としております。
 この協議会では、重大な事態に陥るおそれのある事案等の早期発見や緊急時に迅速かつ適切な対応ができるよう、速やかな情報共有ができる体制の構築を図っているところです。
 県といたしましては、今後、協議会が中心となって、児童相談所との緊密な連携のもとに、ネットワークの強化や緊急対策マニュアルの作成等を通じて、地域における支援体制の充実について指導、助言してまいります。
○副議長(谷 洋一君) 農林水産部長西岡俊雄君。
  〔西岡俊雄君、登壇〕
○農林水産部長(西岡俊雄君) 耕作放棄地の現状と対策についてでございますが、耕作放棄地につきましては、二〇〇五年の農林業センサスによりますと県内三千六百三十六ヘクタールとなってございまして、経営耕地面積に占める割合は一二・一%となってございまして、年々増加の傾向にございます。
 こうした中、各市町村におきましては、昨年の農業経営基盤強化促進法の改正を受けまして、遊休農地対策に関する事項といったことを盛り込んだ基本構想の見直しを行ってございまして、これによりまして農地の集積や農業経営の合理化の促進に努めることとしてございます。
 また、中山間地域等直接支払制度による集落協定活動でありますとか農地・水・環境保全向上対策、こういった施策の推進などによりまして農村資源の持つ機能の保全に努めているところでございます。
 県におきましては、遊休農地の利用や保全を図る農業者に対しまして奨励金を交付する遊休農地解消総合対策促進事業を実施するとともに、今年度から新たな取り組みといたしまして、就農支援センターなどでの研修を受け就農を目指す方々に対しまして農地を無償で貸し付けする、こういった事業を県農業公社において実施をしているところでございます。
 さらに、今年度、新規就農希望者の受け入れを進める鄙の里づくり事業のモデル地区、こういうものを五カ所指定いたしてございまして、これらのモデル地区におきましては、先ほどの就農支援センターとの連携のもと、農地情報の提供や農業のアドバイスなど、円滑に就農できるようサポートをしているところでございます。
 今後とも、市町村、農業委員会及び関係団体と連携を密にいたしまして、JA等による農作業受託組織の育成支援、また新規就農希望者への農地のあっせん、滞在型市民農園の開設による地域づくりへの支援、また企業の農業参入など、さまざまな取り組みを展開いたしまして農地の有効活用に努め、地域の活性化に資してまいりたい、このように考えてございます。
○副議長(谷 洋一君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 教育に関する四点についてお答えいたします。少々長くなりますので御了承ください。
 まず、高校入試につきましては、平成十九年度から、これまでの推薦入試を前期選抜に、一般入試を後期選抜に変えて、新たな制度で実施いたします。
 推薦入試は、昭和五十四年度に導入して以来、志願する生徒の増加や学校の個性化の進展に合わせて、順次その枠を拡大してまいりました。今回の改善は、これまでのこうした流れを受けて、希望するすべての生徒に複数の受検機会を保障し、生徒の主体的な進路選択を促すという観点に立って行ったものであります。
 前期選抜の募集につきましては、専門性の高い学科の特性を考慮するとともに、過去の推薦入試においても八〇から一〇〇%の募集定員枠を大幅に超える出願があった状況も勘案して、御紹介のありました六校七学科に一〇〇%枠を実施したものであります。
 次に、平成十七年度の県立高校における中途退学者数は、前年度と比較して、全日制で〇・一ポイント、定時制で二・二ポイント減少したものの、依然として課題であるととらえております。
 各学校では、目的意識を持たせるための進路指導や基礎学力の向上など、地道できめ細かな指導を行っているところです。また、今年度はハイスクールサポートカウンセラー等の配置校を二十三校から三十四校に拡充し、個々の生徒が抱える悩みや学習のつまづきへの支援を行っております。
 中退した生徒の実態把握については難しい面もありますが、今後とも中退後の進路の選択に対する相談や援助などをより一層充実するよう努めてまいります。
 次に、学力診断テストの結果及びその傾向、対策については、教育委員会として詳細な分析を行うとともに、具体的な指導事例を示しております。各学校ではこれらを活用して授業改善に取り組み、従来に比べ、基礎的な知識や技能の定着状況が向上してきております。
 岩手、宮城、福岡の各県と合同で実施している統一学力テストの結果では、小学校の算数、中学校の数学、英語において本県の正答率が高くなっております。しかし、文章を読む力や書く力といった国語力に課題が見られたことから、今後とも中学校の国語科担当教員による小学校での指導を初め、授業力向上のリーダーとなる教員の育成や読書活動の推進など、国語力向上推進プロジェクトの取り組みをより一層充実させてまいります。
 最後に、中高一貫教育は、現行の中学校、高等学校に加え、新たな選択肢を提供することを目的に導入し、連携型三校に続いて併設型三校の合計六校では、生徒、保護者のニーズにこたえるすぐれた実践を行っており、高い評価と大きな期待をいただいているところです。
 来年度新たに設置する桐蔭中学校を含めこれらの学校では、それぞれ特色ある教育課程を編成し、学力面だけでなく、中学生と高校生の交流などのさまざまな体験活動を通して、社会性や豊かな人間性をはぐくむ教育を積極的に進めることとしております。
 公立中学校につきましては、市町村教育委員会と連携し、地域や保護者の願いにこたえ、学力向上や生徒指導上の課題を解決するため、小中一貫教育の推進や三十五人学級編制の実施、少人数指導の充実、非常勤講師及びスクールカウンセラーの配置など、各学校の実情に応じた施策を充実させているところです。
 今後とも、中高一貫教育校と公立中学校とが互いに切磋琢磨することにより、本県中等教育全体の向上に資するよう努めてまいります。
○副議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十六番藤本眞利子君。
○藤本眞利子君 御答弁をいただきました。ありがとうございます。
 御答弁いただきましたので、何点か要望させていただきます。
 まず、児童虐待問題です。
 先ほど御答弁では、子供の人権救済につながるような内容を検討して取り組んでまいりますとの御答弁でした。県としてもお取り組みをいただいてるところですけれども、虐待がなくなるどころか、もう本当に増加の一途をたどっているというふうな現状で、私は、虐待から子供たちを守るためにも一刻も早く条例を設置していただきたい。
 他府県の状況も調査していただくということはもちろんですけれども、実際に現場で対応されている方とか、そういった関係者の皆さんの意見をしっかりと聞いていただいて、本当に、さっき知事からも答弁いただきましたけれども、実効性のある、そういった条例にしていただきたいというふうに強く要望いたします。
 次に、高校入試についてもちょっと要望いたします。
 教育委員会の皆さん、また県民の皆さんも承知されていると思いますけれども、高校受験というのは、古い言い方で言いますと本当に「十五の春」というふうなことで、中学生にとっても、また親にとっても、本当に一生一度の大きな問題だと思っています。
 今議会においても、各中学校のPTAの皆さんから要望をいただきました。その中では、こういうふうに書かれています。「大幅な改定により、学校や生徒、保護者ともに入試への対策が大変困難を来しています。今後、入試要項の大幅な改定や学科の新設、改廃、統合等の計画がある場合は、計画段階で広く教育現場の意見等を聞き、制度に反映させるべく相互理解の場を設定いただくとともに、入試要項も含め、できるだけ早く公表していただきたい」というふうに強い要望を私は受けております。
 今回の改正についても、大変皆さん不安に感じておられると思いますので、こういうふうに今回のような大きな改定をされる場合は、市町村ももちろんですけれども、各学校に対しても説明会の回数をふやすなどして対応していただきたい。関係者の皆さんの不安をやはり払拭していただくように強く要望をいたします。
 また、前期試験の募集のパーセントも、来年度の入試状況を見ていただいて、改善するところがあれば改善していくといった柔軟な姿勢で臨んでいただきたいんですね。前期で一〇〇%の募集を行うという学科については、受検のチャンスをふやす方向で研究をしていただきたいと思っておりますので、これも要望といたします。
 最後に、中高一貫の公立中学校の問題については、幅広い教育内容の選択ということで一定の理解をするところですけれども、私としては、教育格差の拡大であったりとか中学校の序列化というふうなことになりはしないかということで大きな危惧を抱いているところです。
 教育委員会としては、そういったことにならないように、教育、学校現場の実情をしっかりと把握されて適切な対応をしていただくようにお願いをします。
 以上で、要望させていただき、質問を終わります。
○副議長(谷 洋一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で藤本眞利子君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 十九番小原 泰君。
  〔小原 泰君、登壇〕(拍手)
○小原 泰君 九月議会のトリとなりました。通告に従いまして質問をさせていただきます。
 まず最初は、古座高校の存続問題であります。
 古座高校、大成高校などの今後の問題につきましては二月議会においても活発な質疑がなされ、加えて地元の要望もあり、結果としては、平成十八年度、十九年度の入学希望者の様子を見て判断するという経過をたどりました。
 古座高校の十八年度の入学者の状況を見ますと、定員百二十名に対し、入学者は七十一名にとどまっています。大幅な定員割れであり、十九年度の結果はまだ出ていないものの、方針の決定が急がれます。
 県教育委員会は九月七日に地元関係者との話し合いを持ったと聞いています。その後、地元から聞いた話では、この席では教育委員会、地元双方とも明確な方針の主張はなく、何となく終わったとの印象でありました。このことによるしわ寄せといいますか、直接被害をこうむる立場にいる者は、進学を目前に控えた受験生自身であり、その親御さんであり、さらには進路指導に当たる中学校の先生方であります。古座高校はどうなるのだろうか、本当に進学して、あるいは進学させて大丈夫なのか、不安に思うのは当たり前であります。
 学校関係者のみならず、地元に住む多くの人々が、平成十六年八月の県教育委員会による古座高校と串本高校の統合の突然の発表に戸惑い、不安なままに今に至っています。この問題については、できるだけ早く方針を決定することが教育行政をつかさどる県教育委員会の責務ではないかと考えます。
 こうした背景を踏まえ、二つの提案をし、当局の考え方を問うものであります。
 提案の第一は、串本、古座両校の合併案であります。古座高校は、既に申し上げましたように学生の絶対数が不足しています。厳しい財政状況や教育環境としての学生の規模などを考えれば、何らかの対策が必要と考えられます。
 一方、串本高校はどうでしょうか。串本高校が立地する地理的条件、地形を思い浮かべてください。串本の市街地と潮岬をつなぐ両方を海に挟まれた、文字どおりのネックというべき場所に立地しています。大ヒット中の「日本沈没」のワンシーンに函館が津波に洗われるシーンが出てまいりますが、まさに串本高校が立地する地理的環境はあの函館に似ています。
 いつ起こるかわからない大地震、それに伴う津波の発生。今、県や地元が最も憂慮している事態です。さきのスマトラ沖大地震の教訓から、私たちは、五メートル、六メートル、七メートルの津波の恐怖に加え、ひざ下五十センチの津波がもたらすエネルギーを目の当たりにしました。
 市街地から串本高校に至る地域は、東西からの津波の危険にさらされている危険な場所にあります。大切な次代を担う高校生です。後顧の憂いなく勉学に励む教育環境を整えてやるのが私たち大人の、もっと言えば今の時代、政治にかかわる私たちの責務ではないかと思います。
 古座高校、串本高校双方には、こうした根本的、構造的な課題があります。私は、この二つの高校を一つにして、通学に支障のないJRの駅に近い、津波のおそれのないやや高台の地域に新しい高校を再開発することを提案するものであります。財政厳しい時代ではありますが、将来に向けての投資の一つであると思います。
 両校の年間の運営管理費を見てみますと、串本高校約二千万、古座高校一千七百万となり、人件費は串本高校約三億五千万、古座高校約三億四千万を要しています。両校でざっと七億三千万の経費がかかっています。
 今、一学年四十名、三クラス、学生数三百六十名程度の新設高校の建設に要する経費はどれぐらいか。純粋に建設費のみを計算しますと、約二十億から二十五億であると思います。先ほどの経費、二校分を一校にするとして、経費の約半分三億六千万円で建設費を割りますと、おおむね六年から七年分の経費で安全で効率のよい新設高校が整備できるのであります。
 提案の第一は、新設高校の整備でありました。
 二点目は、古座高校はどうしても存続する、その前提に立った提案であります。
 長年そこにあるのが当たり前だと思っていた高校がなくなる──それは地元の人々や卒業生にとって相当ショッキングな話であると思います。しかしながら、古座高校を取り巻く状況は、さきに述べましたように大変厳しいものがあります。また、この現象を一時的なものと見ることもできません。少子化の影響は何も古座高校周辺だけの問題ではありませんが、状況からして、古座高校の今後の入学生に大幅な増加を期待することは難しいものと思います。
 二点目の提案は、アウトドアスクールへの再生であります。
 古座高校周辺の資源をざっと思い浮かべましても、世界遺産の山があり、川があり、ラムサール条約に登録されたサンゴ、海があります。具体的なメニューとしても、カヌー、スキューバダイビング、フィッシング、マグロの養殖、森林インストラクター、熊野古道の語り部等、この地域には自然を生かした教育資源には事欠きません。こうした自然をフィールドとして学び、習得するアウトドアスクールへの抜本的改革を提案いたします。
 ちょうど和歌山大学に、全国でも珍しい先駆的な取り組みとして観光学科、観光学部が新設されようとしています。古座高校がアウトドアスクールに再生されれば、高校・大学の連携のモデルともなり得るのではないでしょうか。
 生徒募集の対象は全国であります。現在を生きる若者を取り巻く環境は本当に不透明です。生きる目的、生きがい、自然や社会との接し方、何も学校では教えてくれません。自分がわからなくなって非行に走る子供のいかに多いことか。毎日のテレビや新聞で、私たちはこの国の将来に憂慮せざるを得ません。
 しかしながら、このことは、反面、多様な価値観を持つ若者の存在を意味します。団塊の世代では考えられなかったさまざまな人生の目標、生き方、ライフスタイル、悩みながらも必死で存在価値や存在場所を探る若者のエネルギーもまた、この国の将来であります。(「いい発想や」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
 少し話は変わりますが、ことしの夏の高校野球、和歌山代表智辯学園を初めとして、例年以上にすばらしい試合が続きました。九回に、あの追い込まれた場面で大逆転、連投に次ぐ連投で何百球も投げていく体力と精神力、そのエネルギーはどこにあるのか。毎日毎日の努力の積み重ねであり、若さであると思います。若かりしころ甲子園を目指した一人として、大きな感動をいただきました。
 また、我が県議会にも、七十歳を前にして、高校球児に負けないよう、二日で三試合も投げるというスーパーおじいちゃんがおられますが、本当に頭の下がる思いであります。──ただいま、ちょっと休憩中でありますが。
 このようなエネルギーを潜在的に有する若者に多様な選択肢を提供することも、教育の役目ではないでしょうか。古座高校にこうした新しい高校像をつくり上げることができればすばらしいと思います。
 キーワードは「全国募集」「全寮制」「資格取得」であります。既に先例があります。熊本県立八代農業高校泉分校であります。美しい山々と清流に囲まれ、平家の落人の里で知られる泉村の自然がキャンパスです。「森で学ぶ、森に学ぶ。」、それが泉分校が誇る日本初のグリーンライフ科であります。インターネットに誇らしげに紹介されています。
 自然環境、環境緑化、木材加工、ヤマメの養殖、間伐材の活用、測量技術などに加え、料理、介護などの科目が準備されています。定員は四十名、県内から三十八名、県外から二名といった構成であります。県外からの学生が少ないのでありますが、これは県外五%という設定をしているからとのことでありました。
 学生がいかに生き生きと目を輝かして三年間を過ごしているかは、彼らのホームページで詳しく見ることができます。私は、古座高校のモデルを見る思いで、この資料にくぎづけとなりました。
 三クラス百二十人、全国募集、全員三年間の寮生活、卒業時にはそれぞれ自分が得意なライセンスを取得する、新しい古座高校のイメージであります。
 和歌山県から新しい価値観を持った若者が巣立っていく、古座に、和歌山県にすばらしい思い出を持った若者が全国に巣立っていく、地元にはこれまでと違った若者の声が聞こえる、私はそんな夢を描きながら、二つ目のアウトドアスクールの設立を提案するものであります。
 以上、古座高校の存続という視点から二つの提案をさせていただきました。どちらがいいのか、課題は何か、私も判断に苦しむ点もございますが、今後、高等学校の再編に対する取り組みに際し、こうした視点も視野に入れていただきたいと思い、質問いたしました。
知事の感想を伺うとともに、教育長に感想と高等学校再編に対する現在の方針を問うものであります。
 次は、三十年以内に発生する確率が五〇から六〇%とされる東南海・南海地震に係る救援対策についてお伺いいたします。
 県では、本年三月に和歌山県地震被害想定調査を公表しておりますが、それによりますと、東海・東南海・南海道の地震が同時に発生した場合の被害想定がなされております。
 地震による揺れは強く、旧田辺市、白浜町、みなべ町、串本町などで最も強い震度七の揺れが予測されております。地震により発生する津波につきましても、地震後十分以内に第一波が到達し、各所で四メートルを超える高さに達するとされています。
 二〇〇四年に発生した新潟県中越地震でも、地震により山崩れなどが発生し、幹線道が断絶し、とうとい人命に被害が発生するとともに、人や物の行き来に支障が発生し、特に旧山古志村では、そこに至る道路が断絶したため、村民が自衛隊により救出され、避難を余儀なくされたことは記憶に新しいところであります。東南海・南海地震が発生すれば同様の状況が本県でも多くの地域で十分に起こり得るものであります。
 さらに、地震では、山崩れだけでなく、海岸を走る国道四十二号線は各地で津波の影響を受けると考えられ、道路が寸断されるおそれがあります。同調査では、同時に鉄道や湾岸施設も津波や液状化の影響を受け、利用が困難になると予測されています。流通の発達した現在、道路交通網が寸断されれば、たちまち食料を初めとした生活物資に支障が生じます。それを補完するための鉄道、船舶も利用が制限されると予測されるのであります。
 その対策としてどのような準備をしているのか。迅速な対応を要求される災害時こそ、空輸の重要性が増し、それについて今の間に十分な準備をしておく必要があろうかと思います。
 過去の災害史をひもといてみますと、和歌山県に未曾有の被害を与えた昭和二十八年の水害において、駐留軍の上空からの救援物資が被災者の生活の助けになったと県の災害史に記録されております。平成七年の阪神大震災においては、ヘリコプターによる活動は、救援物資の搬送のみならず、搬送を要する急病人の移送など幅広く活用されたと聞いております。
 また、阪神・淡路大震災を機に広く知られるようになったクラッシュ症候群という病気があります。これは、家屋の倒壊などにより手足や腹部の筋肉が長時間圧迫されることにより筋肉細胞が障害や壊死を起こし、筋肉内のカリウムが流出して高カリウム血症になったり急性腎不全を起こすものであります。クラッシュ症候群の場合は、治療を始めるまでの時間が患者の命を大きく左右し、重症の場合は腎不全に対し人工透析が必要となります。
 阪神・淡路大震災後、テレビで神戸市内の病院からクラッシュ症候群の患者を人工透析の可能な大阪市内の病院などにヘリコプターで輸送した特集番組が制作され、放送されておりました。地震直後、被災地域の医療機関は、地震による人的被害、医療器具の被害が予測され、十分でない状態で数多くの重症患者の治療をしなければならなくなります。
 クラッシュ症候群のみならず、重篤な被災者については、震度六から七の強烈な揺れに遭った被災地域の医療機関では対応困難となり、早急に被災地以外への搬送が必要となるものと予測され、その手段としてはヘリコプターが重要な役割を果たします。阪神大震災の平成七年四月に名古屋で開催された日本医学会総会で、地震の際に治療に当たった医師から、ヘリコプターによる患者の搬送が十分できず、もっとヘリコプターが活用されていたらもっと多くの人命が救えたのではないかとの声が報告されています。
 このように、災害時に活用の期待される防災用のヘリコプターでありますが、いざ地震が発生した場合のヘリコプターの活用による救援物資の搬送、人命救助の活用についてお尋ねいたします。
 新潟県中越地震では、山崩れなどで村に至る道路が断絶した旧山古志村から村民が自衛隊のヘリコプターにより救出され、ヘリコプターの有効性を再認識したところであります。
 県の地域防災計画では、災害時におけるヘリコプター発着予定地として県内では二百七十二カ所が指定され、登録されてあります。これらの箇所について、災害発生時に支障なく活用できるかの検証を行っているのか。阪神・淡路大震災では、神戸市内の公園が避難住民であふれ、自衛隊が利用できるようになったのが二日後であったとの報道がありました。自衛隊からも、避難場所とは別のヘリコプターの離発着場があれば容易に多くのヘリコプターを投入できるとの話がありました。
 本県の災害時におけるヘリコプター発着予定地等について、それを利用する防災ヘリコプターの関係者、自衛隊、応援協定を結んでいる近隣府県との情報の共有ができているのか、また、災害時に避難場所として併用しない場所なのか、もし併用しているのならばどのような対策をとられているのか、答弁を願います。
 県内には、飛行場外離発着場のほかに、非公共へリポートが四カ所あります。その場所を見てみますと、和歌山市内に三カ所、新宮市に一カ所となっています。地震の震源地に近い県南部では、このほかに空港施設としての白浜空港はありますが、串本周辺には公共へリポート、非公共へリポートともになく、現状では前述の飛行場外離発着場に頼らざるを得ません。
 県民の安心・安全の確保のため、串本周辺に非公共へリポート設置を県が主導できないのかをお尋ねいたします。
 災害発生時のヘリコプターの要請に関連してお尋ねいたします。
 阪神・淡路大震災では、病院からのヘリコプター要請がスムーズにいかず、救える命が救えなかったのではないかとの反省がありました。県の被害想定でも、人的被害は、死亡者が四千七百人から五千人、負傷者は八千五百人から一万人と想定されています。適切な治療を受ければ助かる人は数多くあります。阪神・淡路大震災でヘリコプターが十分に活用されなかった理由として、医療機関からの要請の方法が確立、周知されていなかったことが考えられます。
 本県において、東南海・南海地震発生の場合、医療機関からヘリコプターを要請し、被災地外の病院に患者を搬送するための要請ルートは確立されているのか、また医療機関がいざというときに問題なく対応できるよう訓練されているのか。
 以上三点について、危機管理監に答弁をお願いします。
 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(谷 洋一君) ただいまの小原泰君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 古座高校の今後のあり方に関する御提言、一案、二案とも非常に興味深い内容、特に二案の方については、どういうふうな先生を集めてくるかとかいろいろ難しい問題はあるかもしれませんけども、非常に傾聴に値する御提言だというふうに思いました。
 いずれにせよ、これ、いろいろ経緯がありますので、地元との関係等もあると思いますけれども、そういうふうな感想も持ちましたので、またちょっと熊本の例とか、いろいろ勉強してみたいなというふうに思っております。
○副議長(谷 洋一君) 危機管理監石橋秀彦君。
  〔石橋秀彦君、登壇〕
○危機管理監(石橋秀彦君) 災害時の輸送手段の確保についての三点についてお答えいたします。
 まず、災害時におけるヘリポートの迅速な活用につきましては、議員御指摘のとおり、大規模災害発生時には機動力のあるヘリコプターの活用が大変重要であり、迅速な対応を図る必要があります。
 このため、平時より本県地域防災計画を自衛隊や近隣府県等関係機関に提供し、情報の共有化を推進するとともに、防災訓練等を通じ、相互の連携を図っているところです。
 また、災害時の発着予定地には避難所と併用されている地域もございますが、離着陸時の安全を確保するため、各地域において訓練等を実施するなど、市町村との連携を進めているところです。
 次に、非公共へリポートの設置であります。
 災害時等緊急活動の際、ヘリコプターは一定面積の平地があれば離着陸することができますが、あらかじめ離着陸場所を確保しておくことは有効なことであると考えます。
 お話のヘリポート整備については、市町村からの要望に基づき、地域防災対策支援総合補助金制度を活用し、対応してまいりたいと考えてございます。
 最後に、災害時のヘリコプターの出動要請についてでございますが、本県では救急専用ヘリコプターであるドクターヘリを平成十五年一月から導入しており、病院間の搬送については要請システムが確立されています。
 ただ、大規模災害発生時には要救護者が多数発生することが想定されるため、ドクターヘリだけでは十分対応できず、他の応援機関のヘリコプターの活用も必要となることから、病院からの要請システムの確立や訓練については、今後、関係機関と連携しながら地域防災計画の見直しなどの過程で検討を進めてまいります。
 以上でございます。
○副議長(谷 洋一君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 古座高校の件についてお答えいたします。
 昨年五月に策定いたしました高等学校再編整備計画の第一期実施プログラムに基づいて、現在、例えば新宮商業高校への総合学科の設置、和歌山工業高校の改編整備、さらに先ほどもお話出ました桐蔭高校への併設中学校の設置など、さまざまなプログラムが現在進行中でございます。
 このうち、古座高校と串本高校の件につきましては、保護者や地域の方々との話し合いを引き続き重ねているところであり、今後、入学者の動向や学校の置かれた状況等を踏まえ、総合的に検討してまいりたいと考えております。
 先ほど御質問でお話がありました御提案につきましては、私も古座高校を思う方々の思いがこもっているというふうに受けとめております。
 特に第二番目の提案に関しましては、例えば全国募集、それから自然を相手にした学習、資格取得などの点では、例えば本県内でも南部高校龍神分校がよく似た取り組みを行っております。「ネイチャースタディ」というタイトルで、さまざまな野外活動を含んだ地域文化の学習等々、幅広い学習を行っております。それらも参考にしながら、さらに四国の高知県、九州の長崎県などでも、過疎化に苦しむ学校の今後のあり方という点での実践例があるのを知っております。
 古座高校、串本高校が最終的にどういう形態になるかは別としましても、新たな学校の存立の中で、先ほど申し上げた総合的な検討ということの中に含めて考えていく事柄ではないかというふうに思っております。
○副議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(谷 洋一君) 以上で、小原泰君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問は、これをもって終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
 次に日程第三、議案等の付託について申し上げます。
 ただいま議題となっております全案件のうち、議案第百六十号平成十七年度和歌山県歳入歳出決算の認定について及び議案第百六十一号平成十七年度和歌山県公営企業決算の認定についてを除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 なお、常任委員会の会場はお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 お諮りいたします。九月二十六日及び二十七日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、九月二十六日及び二十七日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、九月二十八日定刻より再開いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時十三分散会

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