平成18年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(江上柳助議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十六番江上柳助君。
  〔江上柳助君、登壇〕(拍手)
○江上柳助君 おはようございます。
 ただいま議長のお許しをいただきました。通告に従いまして一般質問さしていただきます。
 最初に、県有施設の耐震診断とその改修についてお尋ねいたします。
 県は、県有施設の耐震化の状況を発表いたしました。四百五十一施設のうち三百六十九施設の耐震診断は終わり、そのうち九十八施設は大半が学校関連施設であります。そして、改修が必要であるにもかかわらず、いまだ着工されておりません。診断していない八十二施設は平成十九年度までに実施し、全県有施設の耐震改修は平成二十六年度までの完了を目指すとしております。
 東南海・南海地震に備えて、県では、災害対策拠点となります県庁本庁舎、警察本部庁舎、総合庁舎、避難場所となります県立学校施設など、防災対策上重要な施設の耐震化を優先して進め、その他の施設についても、平成十七年二月に策定をいたしました耐震診断実施方針に基づきまして、平成十九年度までに耐震診断を予定しております。耐震改修は、優先施設を平成二十二年度まで──四年後ですね──に、その他の施設を平成二十六年度までに完了する計画となっております。
 しかしながら、対象建築物の中に「県営住宅、未使用施設及び県民の利用を見込めない施設等は除く」となっております。私は、早急に県営住宅の耐震診断と改修を実施すべきであると考えます。なぜならば、県営住宅の入居者は自分で耐震診断とか改修はできないわけであります。入居者は県である管理者に家賃を払っており、県には管理責任があるわけでございます。
 県有施設の耐震診断及び改修の課題とその対応について、危機管理監にお尋ねいたします。
 また、県営住宅の耐震診断について県土整備部長にお尋ねいたします。
 次に、県有施設の耐震診断及び改修に関連いたしまして、心臓突然死を防ぐAED(自動体外式除細動器)の学校などへの配置についてお尋ねいたします。
 今回の県有施設の耐震診断及び改修の対象建築物は、防災拠点や救護施設、避難所や多数の人が利用する施設であります。小・中・高等学校は災害時の避難場所にも指定されております。
 病院外での心疾患による突然死者数は、年間約三万人と言われております。病院外の心疾患による突然死者のほとんどが、AEDによる蘇生を二分ないし三分で行えば助かる命だと言われております。
 田辺市では、本年五月、県立高校の生徒がクラブ活動後に心肺停止となり亡くなりました。その事故を受けて、田辺市では全小学校・中学校にAED設置の予算案が九月定例会に提出されております。県教育委員会は全県立学校にAEDを設置したと伺っております。
 最近、児童の胸にボールが当たったり、胸をたたかれて震盪を起こし、心停止に至る報告がされております。ぜひ、公共施設とあわせ、災害時の避難場所に指定されております小学校、中学校にはAEDの設置を強力に推進すべきだと考えます。教育長の御所見を承りたいと思います。
 次に、PFI事業の推進についてお尋ねいたします。
 皆様御承知のように、PFI事業とは民間資金主導型の公共施設整備手法であり、従来公共部門が提供していた公共サービスを民間主導で実施することにより、設計、建設、維持管理、運営に民間の資金とノウハウを活用し、効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図る仕組みであります。またPFIは、民間の技術、経営ノウハウを活用し、市場原理により事業の効率化やVE(バリュー・エンジニアリング)手法の採用等によりコストダウンを実現させ、利用者に最良のサービスを提供することを目的としています。
 すなわち、PFI事業は、低廉かつ良質な公共サービスの提供、公共サービスの提供における行政のかかわり方の改革、民間の事業機会を創出することを通じた経済の活性化を実現することができるわけであります。
 本県においては、いまだPFI事業は実施されておりません。それは、従来からの補助金や地方債を充当した公共事業が実施されているからであります。
 現在、地域振興に資するような地方債に対して交付税措置がなされております。この交付税措置は、交付税総額の約二割と言われております。しかしながら、経済財政諮問会議の地方財政改革の「地方財政制度の問題点と対応」によりますと、交付税の二割を地方債の元利償還として地方の借金の返済を国が支弁している、また国に依存しているとして、分権改革の中でこのような交付税措置の廃止が議論をされております。
 また、団塊の世代を含めた県職員の退職手当債は、今後、平成十八年度、本年度並みに推移するとすれば、十年間で四百億円必要になってまいります。今後、この退職手当債は財政悪化の大きな要因ともなってまいります。地方の財政事情は、三位一体改革などで近年変化しつつあります。財政事情が厳しい中、公共事業への資金調達については今まで以上に知恵を出さなければならない時代に入ったと思うわけであります。
 聡明で財政事情にも詳しい改革派の木村知事は、早くからPFI事業の導入についてお考えでありました。今からちょうど六年前、平成十二年九月定例県議会で知事の説明がございました。このときは知事は初当選されたばかりで、知事の就任のあいさつを兼ねたものでありました。知事は、「公共施設等の整備について、民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行う、いわゆるPFI──プライベート・ファイナンス・イニシアチブでございますが──の事業手法の検討も積極的に行ってまいりたいと思います」、このように述べられております。
 PFIなどの事業手法の検討をどのように今日まで行ってきたのでありましょうか。検討の結果はどうだったんでしょうか。知事にお尋ねいたします。
 私は、PFI事業を実施するに当たっては、県として、地元中小企業の育成による地域の活性化の観点に加え、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律のとおり、中小企業者の事業機会の創出を図らなければならないと考えます。
 また、選定事業者を決定するための審査基準については、地元の活性化につながること、県の税収の増加に寄与すること、地域の実情、住民のニーズを把握していることなどは県のメリットとなるため、地元中小事業者の審査基準の加点要素──点数を加える要素──になるよう配慮することが必要であると考えます。さらに、申し上げるまでもなく、選定過程の透明性、公平性を確保しなければなりません。
 一方、県は、市町村に対して助言をする立場にあります。市町村からのPFI事業への問い合わせ等について的確に答えなければならないと思うわけであります。
 したがいまして、公共事業のPFI実施に向けて、PFI事業推進検討委員会を設置し、和歌山PFI事業導入方針を早急に策定すべきであると考えます。知事の見解を承りたいと思います。
 次に、県民文化会館などの県有施設改築へのPFI事業の導入についてお尋ねいたします。
 先ほど耐震診断で改修が必要と診断され、未着工の九十八施設は大半が学校関連施設であります。学校以外では和歌山県民文化会館、県経済センターなどがありますが、改修が必要であるにもかかわらず、いまだ耐震改修されておりません。県民文化会館については、今年度、平成十八年度中にリニューアルプランを策定の予定であります。
 ここで、かつて東洋の殿堂とも言われた東京の杉並公会堂のPFI事業について御紹介をさしていただきます。
 昭和三十二年の開館以来、長年にわたり多くの人々に親しまれ利用されてきました東京の杉並公会堂が老朽化したため、これを改築して杉並の文化拠点にふさわしいホール、練習室等を整備し、すぐれた文化・芸術に区民が触れ合う場を提供するとともに、区民の多様な文化活動や創造的な芸術活動に必要な場を提供することを目的とする事業をPFI事業で実施し、本年七月、開館されております。ちなみに、杉並公会堂のPFI事業は三十年契約で総事業費約三百億円となっております。
 日本政策投資銀行は、この事業が始まった平成十四年八月、杉並区が実施するPFI事業に対して、杉並公会堂改築並びに維持管理及び運営事業に対し、LOI(レター・オブ・インテント、関心表明書)を発出いたしております。
 この杉並公会堂改築並びに維持管理及び運営事業は、平成十一年九月に施行されたPFI推進法──民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律──に基づき杉並区が実施するPFI事業で、東京都内で実施されるPFI事業としては最大規模でありました。新しい杉並公会堂は杉並区の地域文化創造を目的に設置されるもので、杉並の文化拠点にふさわしい施設として、千二百席程度のクラシックコンサートホール、二百席程度の演劇ホール、六つの練習室等で構成されております。杉並公会堂改築並びに維持管理及び運営事業は、施設の設計、建設、維持管理だけではなく、ホールの運営についても民間事業者にゆだねている点がPFI事業としての特色の一つとなっております。
 日本政策投資銀行は、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用した効率的かつ効果的な公共施設の整備、維持管理、運営等の事業を推進するため、無利子、そして低利子融資制度として民間資金活用型社会資本整備融資を行っているほか、政策遂行機関としてPFIの推進、普及啓蒙に努めているところであります。
 こうしたことから、日本政策投資銀行は、入札検討中であった事業者からこのPFI事業者に対する見方を問われることが多くありまして、PFIを推進する立場の政策金融機関として、そのスタンスを幅広く各入札予定者に知っていただくことを目的に関心表明書を発出しております。
 この関心表明書は、融資を決定するものではありませんが、PFI推進のための政策金融機関からのメッセージであり、一つ、公共サービスとしての妥当性、二つ、選定過程の透明性、公平性、三つ、リスク分担方針のフェアネスと合理性、四点目、環境変化に耐え得る柔軟性の四項目が一定水準に達していると認められる案件に対し融資を検討する意向がある旨を伝えるため、発出しているものであります。
 本県においても、多数の人が利用される施設で耐震性に問題があり耐震改修が必要な県民文化会館や県経済センターなどは、これから耐震化に向けての改修費用がかさむわけであります。この機会に県民文化会館や県経済センター、県営住宅などの県有施設を民間の資金、経営能力を活用したPFI事業で改築したらどうかと考えます。知事の御見解を承りたいと思います。
 次に、少子化対策としての若者の出会い応援事業と妊婦健診の負担軽減についてお尋ねいたします。
 平成十七年国勢調査結果の速報集計によりますと、本県の人口は、皆様御承知のとおり、三万三千八百五十一人減少いたしまして百三万六千六十一人でございます。人口減少率全国ワースト二位であります。
 平成十八年度「一〇〇の指標から見た和歌山」によりますと──これは二年前の二〇〇四年のデータであります──合計特殊出生率の全国平均は一・二九でありましたが、本県は一・二八、全国平均とほぼ同一、同じような状況でございます。ところが、出生児数は人口千人当たり、全国平均は八・八人でありますが、本県は七・八人と一ポイント少ないわけでございます。ちなみに、秋田県が六・九人、高知県は七・六人に次ぐワースト三位、全国第四十五位でございます。若者が結婚しなければ子供は生まれません。少子化に歯どめをかけることができないわけであります。
 結婚できない理由は、若者の出会いの場が少ないからだと言われております。
 山口県では、実は人口百五十万あった山口県がいきなり百五十万を割ったために、急に何か新たな施策をぼんぼん打ち出してまいりまして、拝見いたしますと、この平成十八年度の事業といたしまして、少子化に歯どめをかけるため、若者が自然な形で出会える機会を創出して結婚に向けた動機づけを図るため、独身男女の出会いを演出するイベントや活動に助成する若者の出会い応援事業を実施しております。内容は、標準事業費五十万円、十企画をNPOや、また青年団体、子育て支援団体からの提案型公募であります。いわゆる会場費であるとか、またコーヒー代、ケーキ代、さらには講師の方の講演料であるとか、そういったことに充当されるようでございます。
 この種の事業は、奈良県でも、そしてまた兵庫県でも実施されていると伺っております。したがいまして、NPO、青年団体、子育て支援団体などの民間主導で若者の出会い応援事業を実施することについて、福祉保健部長の御見解を承りたいと思います。
 あわせて、子供を安心して産み育てられる社会環境を整備するための妊婦健診の負担軽減について、福祉保健部長にお尋ねいたします。
 次に、和歌山市の中心市街地活性化の起爆剤とも言われる旧丸正百貨店ビル再生事業についてお尋ねいたします。
 和歌山市内ぶらくり丁にあります旧丸正ビルは、地下一階、地上七階を和島興産が買収し、食料品店やニット博物館、カルチャーセンター、飲食店などが入る商業複合施設として再生を計画しております。和歌山市は、階段や各フロアの通路など同ビルの共用部分の整備を補助の対象として、全体事業費を九億円と算定をし、うち六億円が補助対象としまして、和歌山市が二億円、国が三億円、県が一億円を交付することになっております。この県の一億円は、九月定例議会、本議会に補正予算案として中心市街地再生のモデル事業として計上されているわけであります。
 今後、和歌山市の中心市街地の活性化のためにどのような支援を行っていくお考えか。また、他の市町村に対する支援策はどうか。商工労働部長にお尋ねいたします。
 最後になりました。青少年の健全育成に関連いたしまして、万引き防止についてお尋ねいたします。
 福岡県では、全国に先駆けて万引き本などの転売を防止するための販売証明シール制度が本年七月一日より福岡県内の書店で一斉にスタートしました。これは、万引きをより悪質な少年犯罪の入り口と位置づけまして、万引きをさせない社会環境づくり、換金目的の万引き防止のため、業者と県警が抑止に向けてスクラムを組んで取り組んだものであります。シールには、万引き防止で、魚のマンボウをあらわしております。私もこういうチラシをちょっと手に入れまして見たんですけど(資料を示す)、何でマンボウかなというたら、よう考えたら、万引き防止の「万防」かなと思いながら。万引きは犯罪だという、こういうチラシですね。この宣伝に、なぜこういうふうに至ったかと言いますと、福岡県が日本一、万引き犯罪が多いということで何とかしなければいけない、一つの書店で二百十一万円も万引きに遭ったりしてる、そういう状況で、県と県警が協力しまして、それでこの啓発費に九百九十万円も予算を組んで、こういうチラシをつくったりとかしながら、今取り組みが行われているところでございます。
 レジで店員が書籍に直径一・五センチのマンボウをあしらった「まんぼうシール」を張って、正規購入のお墨つきを与える仕組みであります。一個一円というふうに言われておりますが。そして、古本屋さんで、このシールのない書籍を持ち込まれたら万引きの可能性があるとして買い取りを拒むことができる仕組みになっております。正規購入本から万引きへのシールの張りかえ使用を防ぐため、一度張ったらシールの塗料が本側、書籍側に付着してはがれるような仕組みになっております。なかなかとれないと。
 確かに、福岡県以外ではこの制度の導入がなされておりません。長崎県、隣の佐賀県であるとか大分県とかなされておりませんので、シールのない本が直ちに万引き本とは言いにくいわけでありますけれども、古本屋さんなどで買い取り拒否はしづらいわけでありますけれども、この制度導入による心理的な抑止効果、これをねらっていると。これが大きな期待ができると、抑止効果が大いに期待ができると考えるものでございます。
 そこで、万引き本などの転売を防止するための販売証明シール制度に対する警察本部長の御見解とあわせ、本県における万引き防止への取り組みについて承りまして、私の第一回目の質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの江上柳助君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) PFIの推進についての御質問でございます。
 これまでも、県政全般にわたって「民間でできることは民間で」という考えに立って、指定管理者制度の導入や自治体として初めて採用した市場化テスト、事業の仕分けなど、行政の業務範囲の見直しに積極的に取り組んでまいりました。
 公共施設等の整備に当たっては、運営管理も含めたトータルコストを節減しながら、よりすぐれた施設の整備とサービスの提供がなされるよう、幅広く民間のノウハウを活用することが必要であると考えております。
 本県では、PFIについて研究を進めてきたものの、これまでのところ明確な優位性が見出せず活用には至らなかったところでございますが、昨年、PFI法の一部改正や国による支援措置の拡充など、PFI活用に向けての周辺環境が非常に整いつつあるということでございます。
 今後、整備・更新を行う施設に関しては、PFIの導入の可否について、個々の施設の規模、特性に応じ検討を十分に前向きに進めていくとともに、県民の方へもPFIの周知や市町村への情報提供もあわせて進めていきたいと、このように考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 危機管理監石橋秀彦君。
  〔石橋秀彦君、登壇〕
○危機管理監(石橋秀彦君) 県有施設の課題とその対応についてお答え申し上げます。
 議員お話しのように、県有施設の耐震化については、現行の建築基準法の耐震基準に満たない施設等を公表したところであります。この中で、既に改築工事に着手しているものや完了しているものもありますが、残る施設についても平成二十六年度末を目標に耐震化を完了することとしてございます。
 このため、所管する各部局においては、現在、耐震改修の方法等を検討しているところでありますが、効率的に耐震化を進めるとともに、必要な予算を確保していくことが重要であると考えています。
 今後の方針としましては、防災対策上の重要度や耐震性能のほか、施設の規模、利用者数、耐用年数などの特性を総合的に勘案し、緊急度の高い施設から耐震化を進めるため、今議会の補正予算案に三施設の改修に係る実施設計等に要する経費を計上しているところでございます。
○議長(向井嘉久藏君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 県営住宅の耐震診断についてお答えをいたします。
 県営住宅につきましては、中高層建物を対象とし、公共住宅建設事業者等連絡協議会が策定した公共住宅耐震診断・改修マニュアルにより平成八年に予備診断を実施したところ、支障なしとの診断結果が出ております。
 その後、平成十七年に新たな耐震診断法として、財団法人日本建築防災協会が中高層建物を対象とした既存壁式鉄筋コンクリートづくりの簡易耐震診断を策定し、また、社団法人プレハブ建築協会が低層プレハブ建物を対象とした工業化住宅の耐震診断を策定しましたので、今後、新診断方式による計画的な診断の実施を検討してまいりたいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 福祉保健部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○福祉保健部長(小濱孝夫君) 若者の出会い応援事業と妊婦健診の負担軽減についてですが、若者の出会い応援事業につきましては、若者の未婚・晩婚の一つに結婚相手になかなかめぐり会えないことが言われております。
 結婚には男女それぞれの多様な価値観もあり、行政がどこまでかかわるべきかということもございますが、このように少子化が進展している中、議員御提案の若者の出会いを応援する事業につきましては、他県の状況をも参考にし、取り組んでまいります。
 また、妊婦健診の負担軽減についてでございますが、妊婦一般健康診査につきましては、現在、各市町村において、すべての妊婦に対し、妊娠の前期・後期に各一回、また三十五歳以上の妊婦については超音波検査もあわせて公費により健診を実施しております。しかしながら、出産に至るまでは十回余りの健診の受診が望ましく、経済的負担も大きいものと認識しております。
 安全な分娩と出生のためには妊婦一般健康診査は大切であり、御提案の健診費用の負担軽減につきましては、今後、他府県の状況等も勘案しつつ検討課題としてまいります。
○議長(向井嘉久藏君) 商工労働部長下  宏君。
  〔下  宏君、登壇〕
○商工労働部長(下  宏君) 中心市街地の活性化事業に対する今後の支援と他の市町村に対する支援策についてでございます。
 和歌山市の中心市街地活性化に対しましては、まちづくりセミナーの開催、中心市街地活性化協議会への参画や国との連絡調整などの支援を行ってまいりました。また、今議会において御審議をお願いしておりますが、国土交通省の暮らし・にぎわい再生事業を活用した旧丸正ビル再生事業に対して補助を行うこととしております。
 今後は、現在、和歌山市が作成中の中心市街地活性化基本計画が内閣総理大臣の認定を受けられるよう、国との協議に積極的に関与するとともに、国の補助制度の活用など、計画を確実に実現するための有効な支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、他の市町村に対する支援策についてでございますが、改正法の中心市街地活性化基本計画は、数値目標の設定など、具体性と実現性が求められております。県内では和歌山市のほかでも計画作成の準備が進められていると聞いておりますが、県といたしましては、計画作成とその実現に向けて支援を行ってまいります。
 また、計画作成までには至らないものの、中心市街地・商店街の活性化に積極的に取り組む市町村につきましても、商店街活性化総合支援事業などにより引き続き支援を行ってまいりたいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 学校等へのAEDの設置についてお答えいたします。
 AEDは児童生徒の生命を守る上で大変有効な機器であると認識しており、県立学校につきましては、七月中にすべて設置を完了したところであります。県教育委員会所管の公共施設についても、昨年度から今年度にかけて順次設置を進めております。
 また、小中学校に関しましては、八月に各市町村教育委員会に対して速やかにこれを設置するよう要請いたしました。九月一日現在で小中学校二十三校にAEDが設置されておりますが、まだまだ十分だとは言えませんので、引き続き強く働きかけてまいります。
 国に対しても、近畿学校保健連絡協議会を通じ、AED設置促進のための財政措置を要望しているところでございます。
○議長(向井嘉久藏君) 警察本部長辻 義之君。
  〔辻 義之君、登壇〕
○警察本部長(辻 義之君) 万引き防止についてお答えいたします。
 最近三年間の本県での万引き事犯、これは書店のみならずスーパーマーケット等で敢行されたものも含めてですけれども、その検挙人員は九百人前後で推移いたしておりまして、うち少年の検挙人員は二百五十人前後、割合にしますと二七%前後となっております。
 平成十四、五年ごろには、書店やレコード店で万引きした商品を古書等買い取り業者に売却するといった事案が発生するなど、社会問題となった経緯がございます。
 こうしたことから、警察といたしましては、小中学生対象の万引きなどをテーマとした非行防止教室を開催するなど、少年の規範意識を高める対策を講じるとともに、平成十六年七月には教育委員会などの関係機関と書店・レコード商業組合、さらには古書等買い取り業者と協議を重ねまして、和歌山県書店商業組合・和歌山県レコード商組合万引防止連絡会を発足させ、相互に緊密な連携を図りながら、店舗内外の防犯カメラの設置、陳列方法の改善、買い取り時の身分確認の実施等、その防止に取り組んできたところでございます。
 議員御指摘の、福岡県が導入している換金目的の万引き防止のための販売証明シール制度は、こうした万引きの機会をなくし、盗みの決意にハードルを設けるといった点で効果的であろうと思っておりますが、本年七月にスタートして間がなく、今後その効果等の推移を検証し、本県での対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三十六番江上柳助君。
○江上柳助君 御答弁、ありがとうございました。
 すべての質問にわたりまして積極的かつ前向きの御答弁をいただきましたので、二問目の質問はございません。ありがとうございました。
○議長(向井嘉久藏君) 以上で、江上柳助君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時二十五分休憩
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