平成18年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(須川倍行議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 一番須川倍行君。
  〔須川倍行君、登壇〕(拍手)
○須川倍行君 一般質問を行います。
 最初に、第二次市町村合併についてであります。
 平成十三年一月の和歌山県市町村合併推進要綱により市町村合併のパターンが県により示されて以来、県下各地でさまざまな組み合わせ議論、町づくり協議が行われ、結果的に三十二の市町村が合併して、十二の新しい市町が誕生しました。また、さまざまな議論の結果、合併に至らなかった市町村においては、単独での生き残りのための特色ある町づくり、行政のスリム化の取り組み、新たな合併を目指す取り組みが進められているところであります。
 そして、今、より強力な行財政基盤を構築するため、より大規模の政令市や中核市を目指す取り組みや地域の資源を結集して地域の魅力をアピールする取り組みなど、ねらいとするところはさまざまでありますが、全国各地で新合併特例法による二次合併の取り組みが進められています。本県においても、全国に先駆けて市町村合併推進審議会の答申を得て市町村合併推進構想が策定され、六組の合併の組み合わせが示されたところで、県内十三市町村体制を目指す取り組みが始まりました。
 官から民へ、国から地方へという構造改革が進む中で、少子高齢化の進展、人口減少時代への突入など、社会経済の変革への行政対応のあり方という面では、とりわけ住民に最も近い基礎的自治体として市町村が担う役割は極めて大きいものがあります。市町村合併の持つ意味は何か、市町村合併により何を目指すか、それぞれ地域により、また立場により答えはさまざまにあろうと思いますが、一般的には住民に身近な存在である市町村が地域住民の福祉、地域活力の維持、向上のための行政サービスを継続していけるだけの行財政基盤の強化であろうと思います。
 未合併の十八市町村の中には、和歌山市や市制施行したばかりの岩出市を初め、人口五百人の北山村から人口三万弱の御坊市までいろいろありますが、それぞれに地域の活性化に向けて懸命の努力を傾注してきた市町村であり、きらりと光る地域力、磨けば光る潜在的要素は豊富にあります。しかし、国の合併指針で示されている人口一万人以下の小規模団体が十一も残されているのが現状であります。また、合併したといっても、人口規模が一万人そこそこの町もあります。景気の回復によって財政状況が好転の兆しを見せているといっても、こうした小規模町村に日が当たるまでの状況ではありません。財政逼迫のおそれのある自治体もあるのではないですか。
 現在の三十市町村がそれぞれに一生懸命の努力を重ねてまいったとして、全三十市町村が現状のまま行政サービスを継続していくためにはさらなる行政のスリム化、行財政基盤の強化が必要であり、市町村合併はその有効な手段であります。しかるに、いまだ住民間ではこうした取り組みに対する関心は低い状況であります。本県市町村、特に小規模で財政が苦しい自治体の住民にとっては、将来に不安が募っているのではないでしょうか。
 そこでお尋ねいたしますが、和歌山県が策定した第二次合併構想に対して、現時点で合併協議会設立への動きが見られる市町村はあるのか。また、全く合併協議会設立への方向性が見出せない市町村に対してどのように対応していくのか。また、将来的に今より財政が厳しくなって万一赤字再建団体となってはどうなるのでしょうか。以上三点、総務部長にお尋ねいたします。
 続いて、本年四月より施行された障害者自立支援法についてお尋ねいたします。
 この法律は、障害者を施設で援護する施策を改め、自宅などで自立した生活を送れるように支援するのが目的で、国と都道府県に福祉に必要な費用の負担を義務づける一方、利用者にも原則一割の自己負担を求めるものであります。
 支援費制度では自治体ごとにサービスの格差ができるなどの問題点がありましたが、全国どこでも公平にサービスが受けられるよう共通のサービス支給決定基準を導入し、就労支援も強化するなど、これまでサービスを受けられなかった人も制度上は支援が行き渡ることになりますが、その一方で障害者の約六割が年収百五十万円未満という実態が調査で明らかになっており、減免や上限が決められているとはいえ、生活が圧迫される障害者は少なくありません。また、サービスを提供する事業所の業態変更に対する対応など、当面の課題であると思われます。
 そこで、障害者の低所得対策、就労対策、自立に向けた環境整備など、和歌山県としてどのように考えられているのか、また、サービス事業者も、支援費制度からこの障害者自立支援法に制度が変わったことから現場の業態変更やサービス拡充による混乱が心配されますが、この点についてはどのように対応されているのか、福祉保健部長にお尋ねします。
 続いて、スポーツコンベンションの充実に向けてです。
 平成十一年に開催された南紀熊野体験博を大きな契機に、高野、熊野を世界遺産にという機運が盛り上がり、平成十六年七月に紀伊山地の霊場と参詣道がユネスコの世界遺産に登録されました。
 私たちは、これを地域浮上の絶好のチャンスととらえ、知恵と汗を出し、大型観光キャンペーンや古道ウオーキング、語り部育成、川下りの復活などを中心に、観光客の誘致と雇用の確保に向けたさまざまな取り組みを行ってきました。その結果、県全体で平成十六年は過去最高の入り込み客数を記録し、新宮・東牟婁地方でも、厳しい時代にあって一定の増加を見ております。しかし、登録から二年を経過した今、世界遺産を前面に打ち出したPRはやはり新鮮味に欠けるというか、大きな誘客効果は期待できなくなっているのが現状だと思います。
 そこで、世界遺産「高野・熊野」という訴求はベーシックな誘客方法として核にしながらも、従来にない誘客方法を用いてはどうでしょうか。
 その一つとして私が提案したいのは、本格的なコンベンションビューローの立ち上げをにらんだ取り組みであります。コンベンションには、大会や学会等の誘致、受け入れを主として行う観光コンベンションと、スポーツの大会や合宿、キャンプ等の誘致を行うスポーツコンベンションの二つがあります。観光コンベンションについては、県や和歌山市を中心にそれぞれの市町村が従来より誘致活動や開催実績もあり、今後、支援サービスの充実やネットワーク化を図ることや、情報の交換や共有化をするなど、工夫すれば誘致は可能だと思っております。私は、スポーツコンベンションの取り組みを強化しながら、コンベンションをもう一つの観光振興の大きな柱としていただきたいと考えています。
 先月末、二〇一六年のオリンピックに東京都が立候補することに正式決定し、財政力や安全面等の総合力で開催決定の可能性はあると思います。また、二巡目の和歌山国体も、二〇一五年に開催すべく準備を進めていると聞いております。まさにスポーツは健康ブームと相まってますます盛んになってきていますし、九年後の国体開催に向けたハード整備も期待できます。今からスポーツコンベンションを目指して動き出すのは絶好のタイミングだと思っています。
 和歌山県のスポーツ関係施設は、他府県と比較すると充実しているとは言いがたい状況にありますが、県下各地には優良施設が幾つかあって、プロのキャンプや社会人、学生の合宿も行われているようです。サッカーワールドカップ日韓大会のときにはデンマーク代表が紀三井寺サッカー場でキャンプを張り、その後、アルゼンチン代表やJリーグの名古屋グランパスエイトがキャンプを張りました。古くは、昭和四十六年の和歌山国体時に、釜本さんがいたサッカー日本代表の合宿が新宮市で行われたこともあります。
 スポーツの大会は、全国レベル、地方レベルが競技別、男女別、年齢別で行われています。和歌山県が誘致できる大会は少ないかもわかりませんが、まず情報収集してターゲットと開催年度を絞り、誘致方法を考えれば不可能ではないと考えます。ハードは負けてもソフトは負けないといった特徴ある受け入れ態勢や協力をすることによって一周おくれのトップランナーになることだってあり得ると思います。
 一つの例ですが、ねんりんピックという全国大会があります。これは、第一回の兵庫大会から各都道府県持ち回りで開催しているようで、ことしは静岡県で開催され、五十万人もの参加者を見込んでいるビッグイベントであります。既に平成二十四年度までの開催地が決まっていますが、それ以降の誘致はできないか、ぜひとも検討していただきたいと思います。
 スポーツ大会誘致は全国が競争相手になりますが、県が主になって市町村との連携、競技団体との連携を強め、あらゆるネットワークを生かしながら情報収集と誘致活動することによって可能になると思います。ここでそのメリットについて長々と申し上げませんが、競技者や関係者の宿泊やマスコミを通じての発信、北は北海道から南は沖縄までの人々が和歌山に集うといった和歌山の魅力発信の大きなチャンスになりますが、この提言に対しての知事の所見をお伺いしたいと思います。
 次に、中高一貫教育についてであります。
 社会構造や国際社会の状況が大きく変化し、社会が混迷の様相を深めている今、時代を切り開き、未来を託す人材育成を進めるためには教育制度そのものの抜本的改革が必要であると、各方面で活発な議論が進められています。まさに教育改革は政治改革の柱と位置づけられており、中央政界においても政権構想の最重要項目として取り上げられています。
 教育は人づくりであり、あらゆる社会システムの基盤を形成する場であります。その教育が営まれている学校システムの変革こそが改革を進める上で重要な意味を持つことになります。その中にあって、六年間の一貫したゆとりある教育課程や学習環境のもとで学ぶ機会を選択できるようにする中高一貫教育は、その先導的な役割を担っているかもしれません。が、しかし、過疎化が進む地域での実施は果たしていかがなものでしょうか。
 岡山県では、中高一貫教育は岡山市、倉敷など都市部のみでの当面の間の実施と決定しています。なぜならば、過疎地での実施は生徒数の減少でその影響が出るのは必至で、地元公立学校とのあらゆる意味での格差が激しく出るのは当然で、地元公立学校へのサポートも十分検討・対応していくプランが必要不可欠だと思います。
 特に新宮・東牟婁地方では、新宮市の光洋中学校と三輪崎小学校が小中一貫教育のモデル校としてことしからやっと実施し始めたばかりであり、当地域での中高一貫教育はもう少しその推移を見守っていただきたい、そのように思います。
 本県における中高一貫教育は、とりあえず十九年度開設予定の桐蔭高校で一たん打ち切っていただき、その他の地方においては、田辺、橋本の推移を三年間は見守っていただき、その上ですばらしい結果が残せると検証されれば、地元の意見もよく聞き、実施の検討に入るというのはいかがでしょうか。教育長の見解をお尋ねします。
 続きまして、紀南の地域医療の崩壊の危機、深刻な救急医療の現状をどう克服するか、また、地域経済を支える医療産業としてどう支えていくかという視点で質問します。
 現在、新宮市立医療センターは医師の不足が深刻であり、「救急や重症患者への対応のため外来診療を制限させていただきます」というような市民へのお知らせが盛んに目につくようになりました。
 例えば内科では、かつて九人いた医師が現在は五人に減り、四月からは週一回内科の初診がなくなりました。しかし、患者はふえる一方であり、「六月からは症状の落ちついた慢性的な患者を医療センターから開業医に逆紹介し、患者を減らすという方法をとります」という広報がされました。それでも対応できないということで、七月の地方新聞には「この九月からは内科の初診は紹介状持参を原則とします」というお知らせが載り、患者数の抑制を図ろうと懸命です。その広告の横には、「外科も水曜日休診します」というお知らせが載っております。日々を重ねるごとに深刻な状況が伝わってくる状況であります。
 また、産婦人科は、二人で二十四時間、一年三百六十五日の対応です。小児科も同じ二名で、一年三百六十五日待ったなしの対応をしております。ほかの科も厳しい現状であります。さらには、救急患者は年々急増し、平成十三年の医療センターの開院時は救急患者は五千六百人でしたが、毎年約千人ずつ増加し、現在では年間約九千七百人と、非常な勢いでふえています。そのうち三分の一は内科系の患者であります。
 しかし、医師は減っていくという過酷な現状の前に一医療機関としての努力の限界を超えていると思われますが、今や全国的な問題で、地域の医療行政を所管する当局はもちろんそのことを把握されていると思いますが、速効性のある抜本的な解決策がないのも現状でありましょう。
 和歌山県は、その地形上、紀北、紀中、紀南と区分されますが、紀南の最も南において、新宮医療広域圏で医療、特に救急医療の中核を担っているのは市立医療センターであります。和歌山市には県立医科大学、日赤病院ほか合計二十九の医療機関が救急告示をされ、体制は充実しています。田辺市においても、公立の紀南病院と国立南和歌山医療センターがあり、また民間の救急指定病院が複数存在します。片や新宮地域医療圏は、救急体制において、県の施策から最も手薄な状態に置かれているのが現状であります。
 毎年、新宮周辺広域圏の要望として県立救命救急センター設置の要望が出されていますが、今日ほどこれが深刻な要望として意味を持つときはありません。このままでは、本当にある日突然、新宮市立医療センターから医師不足のため救急医療の告示病院を辞退するということが起こりかねない状況にあると私は見ていますが、当局はどのように把握していますか。今後の紀南の地域医療に対する方針を含めて、まず第一点目として福祉保健部長にお尋ねいたします。
 続いて、第二点目です。
 私は、県立医大の本義は県民の医療を確保することに当然あると考えます。今、全国自治体病院協議会は、文部科学省に対し、国立大学における地域枠の確保を真剣に考えるよう要望していますが、今日のように医師が不足しますと、県立大学こそ卒業生が地域に残るように募集の段階で地域枠を確保することが最も現実的で有効な施策だと思いますが、いかがでしょうか。県立医大こそ、この制度を早急に導入すべきであると私は考えます。
 和医大の募集定員の五割を和歌山県内の受験生枠とし、さらに地域枠の中での地域枠として、紀北、紀中、紀南枠をそれぞれ分配し、地域医療に貢献したいという志を持った人間性豊かで学力優秀な受験生を優先的に確保するという制度を導入すべきであると思います。
 また、看護師の慢性的不足を解消するためにも、看護学校にも地域枠を設けることを提言いたします。例えば、なぎ看護学校には、新宮周辺の高校生の中から地域医療に貢献したいという志のある生徒を優先的に確保するという地域枠を二割から三割設け、卒業後は地域に残り地域医療に貢献するというシステムを構築すべきであります。この提言に対する福祉保健部長の見解をお尋ねいたします。
 第三点目の質問です。
 地域医療は、また地域産業でもあります。医師一人の確保は、本義的には地域住民の切実な医療確保にこたえるとともに、副次的には地域経済の観点から一億数千万の収入をもたらし、看護師、医療技術者、薬剤、給食従事者、医療事務関係者など多くの雇用を生み出し、地域経済に多大な貢献をする極めて社会的貢献度の高い事業であり、今や紀南地方では福祉は第一次産業であると言ってもいいくらいであります。
 医療という一観点だけにとどまらず、地域経済の活性化の観点からも、住民の本当に望む医師を確保することで健康と命が守られ、雇用も確保され、地域経済も活性化するなら、これに勝る企業誘致はありません。地方自治体の最も重要な責務である医療対策を通じて、住民に感謝されて、なおかつ地域の経済が活性化する、この視点の重要性を声を大にして私は訴えたいと思います。
 県の立場、県の持っている力、本来なすべき役割を再度見据えていただき、この深刻な地域医療崩壊の危機の時代を乗り切っていくために紀南医療確保プロジェクトを立ち上げて具体的な支援策を早急に立案し、実施していただくようお願いし、福祉保健部長の答弁を求めます。
 最後の項目に入ります。
 私は、中国貴州省政府からのお招きを受け、木村知事や谷副議長、浅井議員、花田議員、そして中村那智勝浦町長を初めとする那智勝浦町の皆様方と、那智の滝と黄果樹大瀑布との友好の滝提携調印式典に出席するため、去る八月二十八日から中国の貴州省を訪問してまいりましたので、その報告と若干の質問をさせていただきます。
 八月二十八日、関西空港を出発、広州空港で乗りかえ、貴州省の省都貴陽市にあります貴陽空港に到着しました。貴陽空港では、遅い時間にもかかわらず、貴州省政府の方々に丁重なお出迎えをいただきました。
 貴州省は、総面積約十七万六千平方キロメートル、九〇%以上を山地と丘陵地帯が占める自然豊かなところであります。また、人口については、約三千九百万人が暮らし、その三分の一がミャオ族などの十七の少数民族が占めております。工芸品として銀製品やろうけつ染めが有名で、世界三大銘酒の一つであり中国の国酒と言われる茅台酒の産地でもあります。観光資源が多く、省域の大部分を山地が占めるという点は、本県とよく似ているという感想を持った次第です。
 貴州省の省都貴陽市は人口三百三十万人の大都市でありますが、「太陽を貴ぶ」という都市の名前が示すとおり、通常は晴れる日が非常に少ないところですが、私たちが訪問した期間中、まるで来訪を祝福するかのように晴れた日が続きました。
 翌二十九日、警察車両が先導してくれる中、貴陽市から安順市に向かい、黄果樹大瀑布を視察いたしました。この滝に最も近い観覧ポイントへは、駐車場からエスカレーターに乗り、さらに徒歩で約十五分のところにありますが、そのポイントが近づくにつれ、水が滝つぼへ落ちる音が聞こえてまいります。間近で滝を見ますと、あたりに響き渡る轟音、すさまじい水量、もうもうと立ち上る水煙など、さすがに中国一と言われる滝だけあり、その迫力は見る者を圧倒します。幅八十一メートル、高さ七十四メートルの威風堂々としたこの滝は、同様に勇壮で荘厳な我が那智の滝と友好提携を結ぶのにふさわしい名瀑であると感じた次第でございます。
 その後、滝近くの唯一のホテルである黄果樹賓館に場所を移し、夕刻から那智の滝と黄果樹大瀑布との友好の滝提携調印式典が挙行されました。中村詔二郎那智勝浦町長と申暁慶安順市常務副市長の署名の後、今回の特別立会人である木村知事並びに蒙啓良貴州省副省長の署名により無事調印がなされ、ここに日本一の那智の滝と中国一の黄果樹大瀑布の友好の滝提携が成立いたしました。
 協定書には、「風光明媚な自然に囲まれた歴史的、文化的な財産である両名瀑の保全はもとより、互いの相手国における認知度の高揚に努め、より一層の観光振興と脈々と受け継がれる伝統・文化の継承に尽力することを誓う」と記され、また中村町長からは、そのごあいさつの中で、世界じゅうの有名な滝同士による世界滝連盟の発足などが提案されました。
 その後、貴陽市に戻り、貴州省の王正福常務副省長を訪問し、今後のさまざまな交流についての意見交換を行いました。
 以上が、貴州省訪問の状況でございます。
 今回の中国への訪問では、貴州省並びに安順市の政府要人を初め多くの方々とお会いし、友好を深めてまいりましたが、総じて皆様は大変和歌山に興味を持っていると感じました。私は、このたび日本一の那智の滝が中国一の黄果樹大瀑布と友好の滝提携を結ぶことにより、中国からの観光客の受け入れなど、観光開発に意義があるものと考えます。
 そこで、知事に、今後県としてこうした貴州省との交流をどのようにお考えか、お伺いいたします。
 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(谷 洋一君) ただいまの須川倍行君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) スポーツコンベンションの充実に向けての御質問でございます。
 コンベンション誘致による誘客活動は、交流人口をふやして観光振興を図っていくための効果的な取り組みの一つであると考えております。このため、本年度も当初予算で各種大会等の誘致活動に必要な予算措置を行ったところでございます。
 現在、各種大会等の開催に対する助成制度に加えて、事前視察の受け入れやアフターコンベンションなどの具体的な誘致活動において、市町村と一体となって取り組むための本県独自の制度設計も完了し、今後の各種大会等の誘致活動に向けた情報の収集やツールの製作に着手しているところでございます。
 御提案のスポーツ大会でございますが、その他の大会や会議と同様、非常に魅力的な対象と認識しております。今後は、本年度に体制を強化した東京の喜集館の機動力を生かした首都圏での誘致活動を中心に、スポーツ大会を含む各種大会・会議などの誘致に向けて、市町村や観光関係者等と十分連携を図りながら積極的に展開をしていきたいと思っております。
 次に貴州省との交流でございますが、今回、貴州省において締結いたしました日本一の那智の滝と中国一の黄果樹大瀑布との友好の滝の提携は、中国における那智の滝の知名度の向上、ひいては中国から本県への観光客増加につながるものと期待をいたしております。
 今後は、さらに多方面に働きかけを強め、本県の観光の発展に努めてまいりたいと、このように考えております。
○副議長(谷 洋一君) 総務部長原 邦彰君。
  〔原 邦彰君、登壇〕
○総務部長(原 邦彰君) 市町村合併と市町村財政についてのお尋ねがございました。
 現在、県内におきましては合併協議会の設置はございませんが、県としては、まず各地域で県も参加した形の研究会等を設置して、地域の将来像、市町村のあり方、財政の見通し、地域における課題などについて議論を進めてまいります。
 先日、田辺市におきまして一次合併の総括と二次合併検討のスタートとする市町村合併フォーラムを開催いたしましたところであり、今後は、各地域におけるシンポジウムの開催などを通じ、地域住民の方々も交えた活発な議論が展開されるよう、県も一緒になって取り組んでまいります。
 次に、財政再建団体についてであります。
 県内市町村の財政状況が厳しい状況であることは御指摘のとおりでありますが、先般、全国的に北海道の夕張市で行われましたような一時借入金に関する調査を行ったところ、現在、県内において夕張市のような危機的な状況というような団体はございません。
 各市町村においては、集中改革プラン等に基づき行財政改革に取り組んでいるところであり、県も適切な財政運営に関する助言、支援を行ってまいります。
 いずれにいたしましても、市町村合併は地域の将来像を描き、市町村の行財政基盤の強化を図る有効な手段と考えておりますので、県もしっかりと役割を果たしていきたいと考えております。
○副議長(谷 洋一君) 福祉保健部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○福祉保健部長(小濱孝夫君) 障害者自立支援法についての御質問にお答えいたします。
 県では、知的障害者に対するホームヘルパー養成研修の実施や授産施設が関係する企業への一定期間の受け入れ事業などを通しまして、働く意欲のある方に対し、就労へ向けての支援を行ってまいります。また、授産施設に経営コンサルタント等の専門家を派遣し、利用者の工賃アップを図ることで、利用しやすい魅力的な施設づくりを支援してまいります。
 本年十月からは、障害者施設の新事業体系への移行が始まります。そういった中で、各施設が円滑に移行できるよう、施設改修や居住の場の確保として、グループホームの整備・改修費への補助や県単独整備のグループホームの支援を行っております。
 また、施行に伴い現場での混乱が生じないよう、市町村を初め施設関係者、事業所に対しまして積極的に事業説明会等を開催するとともに、新事業体系の移行に向けての相談や指導を行ってきているところでございます。
 今後とも、利用者が安心して必要な障害福祉サービスを受けられるよう引き続き注視し、その上で必要があれば国に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に紀南の地域医療について、紀南の地域医療の現状と今後の方向についてですが、議員御指摘のとおり、新宮保健医療圏は紀南地方の中でも最も南に位置し、医療資源も乏しいことから、救急医療体制の整備は従来からの課題でありました。そのため、県といたしましては、平成十五年一月にドクターヘリを導入するとともに、ことし四月には南和歌山医療センターに新型救命救急センターを開設するなど、紀南地方の救急医療体制の整備を図ってきたところです。
 しかしながら、新宮保健医療圏の救急医療体制につきましては、さらなる充実を図る必要があることから、医療機関や地元自治体などで構成する検討会を設置し、協議しているところであり、新宮市立医療センターにおける救急医療体制を含め、具体的な検討を進めてまいります。
 次に、県立医科大学及び看護学校における地域枠についてでございますが、県立医科大学におきましては、平成十四年度から定員の一割程度が県内高校出身者を対象とする推薦枠として確保されており、平成十八年度の推薦入学者は十名となっております。また、県立なぎ看護学校につきましては、紀南地方の看護師確保を図るため、平成七年四月に新宮市に開校し、一学年定員四十人のうち約半数に当たる二十人程度の推薦枠を設けております。
 議員御提言の地域枠の拡大や細分化などにつきましても、県立医科大学と連携し研究し、県内の地域医療に貢献できる医師及び看護師確保に努めてまいります。
 紀南地方の医療確保についてお答えいたします。
 全国的に医師不足が大きな問題となる中、本県でも一部の医療機関において診療体制の維持が困難な状況になるなど、地域偏在、診療科偏在等による医師不足が深刻化しております。そのため、県といたしましては、わかやまドクターバンク制度や医師確保修学資金制度などの施策を講じるとともに、新たに地域医療支援事業を創設することといたしております。
 当事業は、県内の地域医療を支援するための新たな仕組みづくりを和歌山県立医科大学に委託するもので、専任教員十名を増員し、診療体制の維持が困難となった中核的医療機関への医師供給等を行うことといたしております。
 議員御指摘のとおり、地域における医療の確保は住民の健康と命を守るために大変重要であり、地域経済の活性化にもつながることから、今後とも医師確保を初め医療提供体制の整備・充実に努めてまいります。
 以上です。
○副議長(谷 洋一君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 中高一貫教育についてお答えします。
 本県では、中学校、高等学校の教育を多様化し、特色ある教育づくりを全県的に展開するため、連携型中高一貫教育を三地域で実施するとともに、併設型中高一貫校の設置を進めてきております。来年四月には四校目となる県立中学校を桐蔭高等学校に開設することとしており、市町村立中学校と切磋琢磨しながら地域の教育力の向上を目指してまいります。
 現在、平成十七年五月に策定した県立高等学校再編整備計画第一期実施プログラムに基づき、関係者からの意見聴取や協議を進めているところであり、今後とも慎重に検討してまいります。
○副議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。――再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(谷 洋一君) これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時三十六分散会

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