平成18年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(全文)


県議会の活動

平成十八年九月 和歌山県議会定例会会議録 第二号
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議事日程 第二号
 平成十八年九月二十日(水曜日)午前十時開議
  第一 議案第百四十三号から議案第百六十一号まで、並びに報第八号(質疑)
  第二 一般質問
会議に付した事件
   一 議案第百四十三号から議案第百六十一号まで、並びに報第八号(質疑)
   二 一般質問
出席議員(四十四人)
     一  番       須   川   倍   行
     二  番       尾   崎   太   郎
     三  番       新   島       雄
     四  番       山   下   直   也
     五  番       小   川       武
     六  番       吉   井   和   視
     七  番       門       三 佐 博
     八  番       町   田       亘
     九  番       藤   山   将   材
     十  番       浅   井   修 一 郎
     十一 番       山   田   正   彦
     十二 番       坂   本       登
     十三 番       向   井   嘉 久 藏
     十四 番       大   沢   広 太 郎
     十五 番       平   越   孝   哉
     十六 番       下   川   俊   樹
     十七 番       花   田   健   吉
     十八 番       前   岡   正   男
     十九 番       小   原       泰
     二十 番       前   芝   雅   嗣
     二十一番       飯   田   敬   文
     二十二番       谷       洋   一
     二十三番       井   出   益   弘
     二十五番       東       幸   司
     二十六番       藤   本   眞 利 子
     二十八番       原       日 出 夫
     二十九番       冨   安   民   浩
     三十 番       野 見 山       海
     三十一番       尾   崎   要   二
     三十二番       中   村   裕   一
     三十三番       浦   口   高   典
     三十四番       角   田   秀   樹
     三十五番       玉   置   公   良
     三十六番       江   上   柳   助
     三十七番       森       正   樹
     三十八番       長   坂   隆   司
     三十九番       阪   部   菊   雄
     四十 番       新   田   和   弘
     四十一番       松   坂   英   樹
     四十二番       雑   賀   光   夫
     四十三番       藤   井   健 太 郎
     四十四番       村   岡   キ ミ 子
     四十五番       松   本   貞   次
     四十六番       和   田   正   人
欠席議員(なし)
 〔備考〕
     二十四番欠員
     二十七番欠員
説明のため出席した者
     知事         木   村   良   樹
     副知事        小 佐 田   昌   計
     出納長        水   谷   聡   明
     知事公室長      野   添       勝
     危機管理監      石   橋   秀   彦
     総務部長       原       邦   彰
     企画部長       高   嶋   洋   子
     環境生活部長     楠   本       隆
     福祉保健部長     小   濱   孝   夫
     商工労働部長     下           宏
     農林水産部長     西   岡   俊   雄
     県土整備部長     宮   地   淳   夫
     教育委員会委員長   樫   畑   直   尚
     教育長        小   関   洋   治
     公安委員会委員長   大   岡   淳   人
     警察本部長      辻       義   之
     人事委員会委員長   西   浦   昭   人
     代表監査委員     垣   平   高   男
     選挙管理委員会委員長 山   本   恒   男
職務のため出席した事務局職員
     事務局長       山   本   庄   作
     次長         植   野   博   文
     議事課長       下   出   喜 久 雄
     議事課副課長     薮   上   育   男
     議事班長       土   井   敏   弘
     議事課主査      石   垣   悦   二
     議事課主査      湯   葉       努
     総務課長       島       光   正
     調査課長       辻       和   良
 (速記担当者)
     議事課主査      中   尾   祐   一
     議事課主査      保   田   良   春
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  午前十時三分開議
○議長(向井嘉久藏君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、報告いたします。
 九月十二日の悠仁親王殿下御命名の儀に対し、県議会として賀詞を奉呈いたしました。また、お印が高野槇ということで、本県にとっては非常に光栄なことでございます。
 日程第一、議案第百四十三号から議案第百六十一号まで、並びに知事専決処分報告報第八号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 三十二番中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕(拍手)
○中村裕一君 九月定例県議会におきまして、冒頭、質問をさせていただきます。
 まず、このたびの秋篠宮悠仁親王殿下の御誕生を県民の皆様とともにお喜びを申し上げたいと思います。和歌山県ゆかりの親王様が、お名前のとおり、ゆったりと長く人生を歩まれますよう、健やかな御成長をお祈り申し上げます。
 さて、予定にはありませんでしたが、本日、朝日新聞朝刊一面に、県が二〇〇四年に発注しました国道三百七十一号(仮称・平瀬トンネル)におきまして中堅ゼネコンのハザマなど三社のJVが談合・受注したとして、和歌山県庁に捜索が入ることが報道されています。まことに残念なことでありますが、真実はいかがか。知事にこの状況について御説明をいただきたいというふうに思います。
 それでは、通告に従い、一般質問を行ってまいります。
 さて、自由民主党総裁選挙は、本日午後、議員による投票の後、党員票とともに開票され、新しい総理、次期総裁が選出されます。私も党員として、新しい総理総裁には、日本国の輝かしい未来建設のため、大いに活躍を期待いたしております。勇退される小泉総理が推し進めてきた構造改革は大きな成果を上げ、国民の高い評価を受けたことから、どなたが当選しても次期政権にその精神が引き継がれることは確実であります。
 そこで、木村知事は、就任以来、真の分権型国家実現のため積極的な活動をされてきましたが、新しい政権に対し、地方分権推進の立場から何を期待し、どのような働きかけをされるのか、お考えをお聞かせ願います。
 次に、健康対策について伺います。
 今回、改めて本県の医療費を調べましたところ、平成十四年の推計で三千百億円を超えていることがわかり、大変驚きました。これをゼロにするわけにはいきませんが、少しでも減らしていくことが本県医療政策の一番の目標ではないかと思います。この視点に立って、以下、質問を行ってまいります。
 厚生労働省は、九月八日、平成十七年人口動態統計(確定数)を発表いたしました。それによりますと、出生数と死亡数の差である人口の自然増加数はマイナス二万一千二百六十六人となり、明治三十二年の統計開始以来、初めて日本の人口が自然減少に転じたことが確定しました。平成十七年の出生数は百六万二千五百三十人で、前年比四万八千百九十一人の減少となり、五年連続して減少しています。一方、死亡数は百八万三千七百九十六人と、前年比五万五千百九十四人増加しました。死因の一位はがんの三十二万五千九百四十一人で、死亡総数の三〇・一%を占めました。改めてがんの恐ろしさを感じるとともに、人口減少社会がいよいよ現実のものとなり、これまでの人口増加を前提としたあらゆる社会の仕組みを見直す時期に来ていることを認識しました。
 人口減少問題につきましては、現在、県において取り組み中と聞いておりますので、次回に譲り、今回は死因について考えてみたいと思います。
 同時発表の県版によりますと、死亡者数は一万一千二百五十一人で、死因順位は、やはり一位はがんで三千二百六十四人となり、死亡総数の二九%となっています。以下十位まで、心疾患、脳血管疾患、肺炎、不慮の事故、老衰、自殺、腎不全、肝疾患、慢性閉塞性肺疾患と続き、上位三位までのいわゆる三大疾病では五七・二%を占め、これを克服することがやはり県民医療の優先課題であります。とりわけ、がん対策は待ったなしの状況にあります。
 国においては、昭和五十九年以来、三次にわたって十カ年戦略をもって取り組んできましたが、さきの通常国会ではがん対策基本法が成立し、さらに強化していくことになりました。都道府県の対応は国が策定する指針によりますが、部位によっては、死亡率の高い本県では独自にも力を入れる必要があります。今後、がん対策として何をするのか、福祉保健部長にお尋ねします。
 次に、がん治療の生存率は病院によってかなり差があると報告されています。本県においても、がん専門病院をつくる必要はないのでしょうか。また、平成十三年十二月定例会一般質問において必要性を申し上げました回復期のリハビリも、依然として県内では充実していないことから、県立医科大学紀北分院には、橋本医療圏の役割を担わせるよりも、県下全体に奉仕するがんや回復期のリハビリを担当させるべきであると思いますが、どのようにお考えでしょうか。福祉保健部長に伺います。
 医療費三千百億円はむだ遣いとは言えませんが、県民総生産三兆三千億円、県民所得二兆六千億円、県一般会計五千億円などと比べると、もう少し何とかならないものかと思います。そのためには、前向きな対策、すなわち健康増進に力を入れるべきであります。介護予防が盛んに言われているのに比べ、なぜか健康増進は余り言われません。
 私自身の経験で恐縮ですが、前回の統一選挙時、必勝を期してたばこをやめました。ところが、三カ月で七キロも太ってしまい、とうとう年末には胃がむかむかするようになりました。ひょっとして食道がんかもしれないと思って病院に行きました。幸い、太り過ぎが原因の逆流性食道炎という診断でした。医師からは薬を飲めばすぐ治ると説明され、一安心しましたが、同時に糖尿病と脂肪肝であることも告げられました。そして、食事療法、運動療法を勧められました。
 以来三年近く、野菜を食べ、運動することがみずからの治療と信じて続けてまいりました。初めはつらいと思った運動も、続けているうちに、いつの間にか楽しみになってきました。今通っているスポーツクラブは、竣工式に来賓として出席していたのに、当時まだ若い自分には、わざわざお金まで出してハツカネズミのように道具に乗って走る必要がないと思いました。そのときに入会しておけばよかったと今にして思います。
 おかげさまで、スポーツをすることで糖尿病と脂肪肝は半年で完治し、基礎代謝が上がり、少しずつ体重も減ってきました。風邪も引かなくなりました。何事にも積極的になったような気がします。スポーツをすることは、お金がかかっても、時間を費やしてでも、心身ともに健康になり、むだな医療費を払わずに済むすばらしい生きがいだということに、今さらながら気がつきました。
 小中学生のころは、体育は遊びで、保健科や家庭科は栄養不足の子供たちにどんな栄養素があるのか教える授業のように思っていました。現在、保健教育は学校医が担当するなど大きく前進しているようですが、依然としてスポーツは遊びや娯楽といった雰囲気が県民の間にあります。この際、健康増進のためにはスポーツを大いに振興すべきでありますが、どのようにお考えでしょうか。
 また、県では、九年後に開かれる国体に立候補し、近畿での共同開催を呼びかけると聞いております。直接医療費を回すわけにはいきませんが、毎年三千百億円も医療費を払っているわけですから、施設整備に多額の費用がかかる種目は、初めからあきらめるのではなく、健康増進の視点を持って、今から少しずつ取り組んでいくべきであると思います。「すそ野が広ければ山高し」と言われますが、逆に山が高いからすそ野も広くなることだってあると思います。あわせて教育長のお考えを伺います。
 次に、医師不足対策として、県立医科大学において医師供給体制を整備するため、今議会の一般会計補正予算に地域医療支援事業が計上されています。その内容とねらいを福祉保健部長に伺います。
 関連して、医師不足対策でもう一問。
 厚生労働、文部科学、総務、財務の四省は、八月三十一日、医師不足が深刻な地方の十県について、平成二十年度から暫定的に大学医学部の入学定員をふやすことを正式に決めました。これまで国は、医師がふえると医療費が増加するため医学部の定員を抑制してきましたが、医師の都市部への流出・偏在が深刻なことから、二十四年ぶりの方針転換となりました。
 定員増が認められたのは、平成十六年に人口十万人当たり医師数が二百人未満で、面積百平方キロ当たりの医師数が六十人未満だった青森、岩手、秋田、山形、福島、新潟、山梨、長野、岐阜、三重の各県と自治医科大学であります。残念ながら本県は認められませんでしたが、そもそも今回の基準設定には大いに疑問を持つのであります。
 まず、今世間で言われている医師不足というのは、小児科、産婦人科、麻酔科の専門医や病院勤務医のことを言うので、開業医も含めた医師全体数の比較では意味がありません。また、本県を例にとれば、医師は和歌山市に集中しており、他の圏域では医師不足が深刻であるのに、平均すれば多いように見える偏在の問題を全く考慮していません。さらに、国は、政策的に医学部を都道府県に必ず一校は置き、医師の供給を行っていますが、今回初めて知りましたが、入学定員は和歌山県が断トツの最下位で少ないのです。県立医科大学の入学定員は六十名ですが、本県より人口の少ない人口最下位の鳥取県では八十人、山梨、福井に至っては百人であります。全国最下位の定員の医学部で医師が足りないと騒ぎながら、変な指標で順番抜かしをされては合点がいきません。今からでも強く要望すべきでありますが、総務部長はどのようにお考えでしょうか。
 さて、死因のうち多くは、本人が気づいても、努力しても救えないことがあるものですが、自殺だけは本人次第で何とかなるものだと思います。かつて交通戦争といった時代の交通事故者数をはるかに上回る三万人を超え、国もさきの通常国会で自殺対策基本法を成立させました。この際、県としても独自にできることはないのでしょうか。福祉保健部長の御所見を伺いたいと思います。
 この問題の最後に、看護師不足について伺います。
 私が県会議員になったころ、やはり看護師不足と言われ、県では新宮に看護学校をつくり、医科大学に看護学部を設置しました。にもかかわらず、現在も相変わらず看護師不足と言われています。一体原因は何か。それを踏まえて看護師不足解消のために何か準備されているのでしょうか。これも福祉保健部長に伺います。
 三番目は、地震対策について伺います。
 本年五月三十日、知事は定例記者会見で、二年間かけて見直してきた県地震被害想定調査の結果を公表されました。この調査結果では、南海道地震は東南海、東海が同時に発生し、規模はマグニチュード八・六と想定され、最大五千人の死者、八千人余の負傷者が出て、十万棟以上の建物が全壊・焼失すると言います。また、中央構造線の地震でも南海道以上の被害が出ることがわかりました。
 特に注目すべき点は、南海道地震の死者五千人のうち、建物被害で亡くなる人は三千七百人と、津波の二千百人を上回ることであります。これまで南海道地震と言えば津波と言ってもいいほど津波のことばかり言われてきましたが、これで実は建物倒壊も怖いということが判明しました。国民の生命や財産を守ることが政治や行政の最大の仕事とするなら、国民が一日のうち六割の時間を過ごす住宅の耐震化こそ、今、最優先で取り組まなければならない喫緊の課題であると思います。
 そこで、知事は、今回の調査結果を受け、今後どのような防災対策を講じられるのか、お伺いします。
 次に、地震共済について取り組みを要望します。
 兵庫県では、震災の経験から、昨年、住宅再建共済制度を発足させました。この九月で一年が経過しましたが、もう地震は来ないなどの理由で普及してないことが報道されています。あれだけ大きな震災が既に風化しつつあることに驚くばかりですが、そもそも被害が広域、多額に及ぶ地震に対して、兵庫県単独で共済制度は成り立ちにくいと思います。しかも、年間五千円の負担で最大六百万円の補償というものですから、これは、共済というより、むしろ五千円払った人だけがもらえる給付金のようなものであります。
 多少無理のある制度ではありますが、恐らくこの共済制度は、個人給付が憲法違反と言われる中、復興のため避けて通れない住宅再建を支援する苦肉の策であったと思います。とうとい犠牲をあがなって気づいたすばらしい制度であります。
 しかし、今後この制度が本当の救済制度として機能するためには、少なくとも二つの条件が要ります。一つは、全国の自治体が加入し、政府が保障するということ、もう一つは、耐震補強した人だけが入れるという仕組みにすることであります。
 財務省などは民間の地震保険等を勧めていますが、地震保険は火災保険とのセットで保険料も高く、所得の低い人が加入することは困難です。そういう意味で、兵庫県が貴重な経験から編み出した制度が立ち往生するのを傍観するのではなく、全国制度となるよう本県も協力して取り組んでいくことを要望しておきます。
 四番目に、排出権取引所の誘致について伺います。
 ことし三月、県地球温暖化対策地域推進計画が策定され、本県におきましても、事業者、県民、県センター、行政が協働し、一九九〇年を基準年度にして二〇一〇年の目標年度には温室効果ガス排出量を三・九%削減し、森林整備による吸収源を六・七%確保し、合わせて一〇・六%の削減を目指すことになりました。今後の取り組みに大いに期待するものであります。
 さて、京都議定書では、まず、本県の計画のように先進各国に温暖化ガスの削減義務を課し、排出量を定めました。その上で、義務達成が難しい国が達成できる国から余剰な枠を排出権として購入し、義務量に組み込むことを認めました。国際的な排出権取引は京都議定書の義務が発生する二〇〇八年からスタートしますが、既に企業やブローカーによる取引が始まっており、アメリカでは、京都議定書に批准してないのに、世界初の二酸化炭素取引所をシカゴに開設されました。このクライメート取引所では、ことしになって取引が急増しているそうです。
 一足早く圏域内取引が始まったヨーロッパでは取引が既に本格化していますが、最大の買い手が日本で、最大の売り手が中国だと言われています。日本では、環境省が主導する二酸化炭素排出権取引市場では三十二社が四月から取引を始め、参加企業が七十社までふえましたが、まだ道半ばにあります。
 そこで、今ならまだ本県が取引所の誘致に手を挙げても間に合うのではないかと思うのです。株式市場でも取引はネット上で行われているように、取引市場は何も大都市に立地する必要がありません。むしろ、関西空港を通じて世界にアクセスできる上に、世界遺産や自然環境に恵まれた本県こそ適地であると思います。不足している企画、資本、マンパワーは、孫正義氏がやったように外資の力をかりて、例えばクライメート取引所などと協調すれば誘致の可能性はあります。
 将来、世界で百兆円になると言われる排出権取引市場ですから、仮に和歌山らしい森林の吸収源取引や自然原理由来の取引に特化しても十分やっていけるのではないかと思います。雲をつかむような話で恐縮ですが、知事の御所見を伺います。
 五番目に、車内放置について伺います。
 数年前、子供を連れてアメリカへ行きました。所用のため子供たちを残して自動車から離れようとしたところ、友人が「法律違反になるからだめだ」と言うのです。初めての経験でしたが、アメリカは厳しいというより、何と大げさなことだと感じました。
 その後、日本では、パチンコ店の駐車場に放置された車内で乳幼児が熱中症で亡くなる事件や連れ去り事件が相次ぎ、大きな社会問題になりました。そのとき、日本でもアメリカのような法律が必要だと思いました。しかし、時が過ぎ、いつの間にかだれも言わなくなってしまいました。
 ところが、ことし七月二十七日、産経新聞県版に、「ストップ車内放置」と題して、幼い命を車内放置事故から守るための意見広告が掲載され、残念ながらまだ車内放置が後を絶たないことを知りました。ことしも長野県と愛知県で、車内放置のため乳児が熱中症で亡くなりました。パチンコ店の業界団体の調査では、巡回中の店員が見つけ事故を未然に防いだケースが、ことし四月から八月の間に全国六道県で十七件あったことが報告されています。また、宮城県内では四月に十五件、八月に二十件も乳幼児が車に閉じ込められるというトラブルが発生し、JAF東北本部が注意を呼びかけたそうです。
 このような状況の中、日本でも子供の車内放置は児童虐待であるとされていますが、果たしてどのような対応ができるのか、福祉保健部長にお答えいただきたいと思います。
 六番目に、市場化テストについて伺います。
 市場化テストとは、民間にできることは民間にとの観点から、透明・中立・公正な競争条件のもと、公共サービスについて官と民間が競争入札を実施し、価格と質の両面でよりすぐれた主体が落札し、当該サービスを提供していく制度であります。官の世界に競争原理を初めて導入し、これまでの官における行政サービスの提供のあり方を改革するものとされています。
 国では、七月にいわゆる公共サービス改革法が施行され、今月五日には基本方針が閣議決定され、市場化テストの第一弾として、社会保険庁の国民年金保険料の滞納者に納付を促す事業や、ハローワーク関連事業として管理職などを対象とした無料職業紹介事業等々、五分野、九事業が決まりました。
 一方、県においても、全国に先駆けて、新築中の南別館の管理運営業務を市場化テストに付すことを既に表明しており、八月には識者による評価委員会を立ち上げ、さらに今月十二日には実施要項を発表するなど、着々と準備を進めていると聞きます。市場化テストは今後新たな行財政改革の切り札として大きな流れになっていくことを予想しますが、公務は非効率と言われる反面、耐震偽装事件のことを考えれば、民間にできても役所がやることもあり、その都度難しい判断が要求されます。
 そこで、全国で初めて市場化テストを実施するに当たり、知事の御所見を伺います。
 七番目は、議案第百四十三号平成十八年度一般会計補正予算に関連して、以下二点お伺いします。
 まず、土地開発公社に貸し付ける予算十七億円が計上されていますが、今回の決断に至った経緯、背景等について知事の御所見を伺います。また、企画部長から、今回の支出で具体的にどのような効果が期待できるのか、また債権は保全できるのかという点についてお答えいただきたいと思います。
 次に、中心市街地活性化について。
 御坊市では、大型店の郊外立地が進み、かつて多くの人通りでにぎわっていた商店街にいつの間にか空き店舗が目立つようになり、夜になると人通りも絶え、大変寂しい状況にあります。これまで勉強会の開催や県の補助をもらって活性化事業にも取り組んできましたが、一定の効果はあったものの、全体としては衰退に歯どめがかかっていません。こういった状況は御坊市だけではなく、今や全国の商店街共通の現象になっています。
 そこで、国では、さきの通常国会でまちづくり三法を見直し、中心市街地の再生を図っていくことになりました。商店街対策に切り札なしと言われる中、今回の見直しには大いに期待しておりますが、中心市街地活性化に対する県の考えをお示しいただきたいと思います。
 また、見直しに当たっていち早く取り組んだのが和歌山市であると聞いていますが、長らく課題だった旧丸正ビルが民間事業者によって再生することになり、県も支援するべく今議会に予算一億円が計上されています。どのような効果を期待し、支援を行うのでしょうか。商工労働部長にお答えいただきます。
 最後に、私の地元、御坊市を流れる下川について、早期の改修をお願い申し上げたいと思います。
 去る七月五日午前九時ごろ、中紀地方を襲った集中豪雨は時間当たり七十七ミリものどしゃ降りで、床上浸水八戸、床下浸水二百七十六戸、道路、河川等公共施設、農水施設被害十四億円、農産物被害千数百万円などの大きな被害が出ました。その記憶がさめやらぬ今月六日、夕刻から降り始めた雷雨は翌朝未明まで続き、年配の人でも経験したことがない、まさに異常気象でした。御坊市での雨量は、ピーク時、時間当たり七十一ミリ、総雨量二百七十四ミリを記録し、日高地方では床上浸水十三戸、床下浸水二百四十五戸、停電三万世帯、農業関係約二億円の被害を出しました。二級河川下川は両日ともはんらんし、七月五日には一戸の床上浸水と九十八戸の床下浸水、九月六日には二十六戸の床下浸水の被害が出ました。
 私は、いずれも現場に出て、水防活動を行う消防団員を励まし、土のうの支給を役所に要請し、住民の苦情を聞きながら、つぶさに被害状況を見てまいりました。毎年のようにはんらんする下川を早く改修してほしい、もう一刻も待てないという強い願いを受けてまいりました。県においては一昨年度から調査をしていただいておりますが、どうか、来年度とは言わず、直ちに改修に着手していただきますよう、他の災害復旧ともども知事並びに県土整備部長にお願いをいたします。
 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの中村裕一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 平成十六年十一月十日に実施いたしました国道三百七十一号(仮称・平瀬トンネル)特殊改良一種工事の入札について談合の疑いがあるとのことで、本日、大阪地方検察庁の捜索を受けております。県としては、捜索を受けましたことはまことに遺憾でありますが、今後の捜査の進展を待ちたいと考えております。
 次に、新政権に対し地方分権推進の立場から何を期待し、どのように働きかけるかということでございますが、私は従来から、地方分権を推進することは、地方自治の充実のみならず、国の役割を国が本来果たすべきものに純化し、国自体の機能の強化を図る上で不可欠であると主張をしてまいりました。こういった観点から、去る九月十五日には、地方六団体が、総理の強力なリーダーシップのもと分権改革の推進のため新法を速やかに制定すべく要請したところでございます。
 さらに、私としては、国と地方のあり方を同時・一体的に改革する新たな地方制度として道州制を導入する必要があると考えておりますので、新政権において早急に検討に着手されることを期待していると、こういうことでございます。
 次に、住宅の耐震化は地震防災の最優先課題ということでございますが、東南海・南海地震については、今後三十年以内の発生確率が五、六〇%とされており、いつ発生しても不思議ではないという認識のもとに対策を進める必要があります。
 国の中央防災会議では、被害を半減させることを目標に家屋の倒壊防止を最優先で進めていくべき課題としており、県としても最も重要な防災対策の一つと認識しております。このため、民間住宅の耐震改修を進めるための補助制度を設け、さらには促進対策として本年度から小規模改修も対象にする条件緩和を実施しているところであり、今後、全庁的な取り組みを強化するとともに、県民の方に対し、防災研修等あらゆる機会を通じて耐震改修の重要性、必要性を啓発してまいりたいと思っております。
 次に、排出権取引所の誘致を目指してはどうかということでございますが、我が国では、EUのような対象施設指定型の国内排出量取引制度を導入するかどうかについては、国民経済への影響などさまざまな視点から総合的に判断すべきということで、環境省では平成十七年度から自主参加型の国内排出量取引制度を開始し、知見、経験の蓄積のため、模擬的な取引を行っている段階でございます。
 企業間の国内排出量取引制度の導入は、時代の趨勢であり、温室効果ガスの効果的な削減のための一つの選択肢であると考えております。さらに、森林が県土面積の七七%を占める本県の豊かな自然を生かし、企業の森のように企業による環境林整備を一層進めていくには、企業に森林の吸収量に見合う排出権を与えることも有用な方策であると考えております。
 今後、国内における排出量取引制度の導入については、他の政策手法との比較を行いながら、京都議定書の削減約束を達成する上での必要性、実効性について国において適切に判断されるというふうに考えますが、時代の潮流におくれることのないよう、本県での排出量取引所の誘致については、その方法なども含め研究をしてまいりたいと、このように考えております。
 次に、市場化テストの導入についての御質問でございます。
 国、地方を通じた厳しい財政状況の中で不断に行政改革に取り組んでいく必要があり、このための有効な手段の一つとして、全国で初めて市場化テストを実施したいと考えております。市場化テストを実施することによって、公共サービスのコストの削減、質の向上を目指すとともに、民間のビジネスチャンスの拡大にもつながると、このように考えております。
 さらに、ともすればコスト意識やサービス感覚が薄れがちな公務員が民間との競争にさらされることによって行政経営のあり方を考える契機となり、職員の意識改革がなされるものではないかと期待をいたしております。あわせて、御指摘のとおり、安全や安心といった分野への拡大については十分配慮しつつ対応してまいりたいと思っております。
 次に平成十八年度一般会計補正予算について、土地開発公社債務の一部繰り上げのための貸し付けについての見解ということでございますが、コスモパーク加太に関する県土地開発公社への貸付金については、平成十五年十一月に和歌山地方裁判所から調停に代わる決定を出していただき、県議会の理解も得て県としてこれを受け入れることとし、現在、公社が着実に償還に努めているところでございます。
 このような中で、今年度に入って債権者のうちの一者から、債務の一部を一括償還することを条件に残債務のすべてを免除するというふうな申し出がございました。この申し出について、法律的な問題の有無、そして債務の軽減度合い、貸し付けの安全性などを詳細に検討いたしました結果、現在の弁済計画を継続するよりも現時点で将来の県民負担リスクを軽減しておくことの方が明らかに有利かつ重要であるという結論に達し、十七億円の補正予算案を計上させていただいたところでございます。
 県としては、今後ともコスモパーク加太の土地の有効な利活用を図り、その付加価値を高めることにより、将来、債務保証を実行するような事態が生じないようにするために鋭意努めてまいりたいと、このように考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 福祉保健部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○福祉保健部長(小濱孝夫君) 医療費三千億円時代の健康対策についてのうち、まず、がん対策として何をするかについてお答えいたします。
 がんは県民の死亡順位の第一位を占め、死亡率も、平成十六年で、肝がん全国ワースト二位、肺がんワースト三位など全体的に高い状況が続いており、この状況を打破するためには、原因の究明を含め、総合的な対策を計画的に進めていく必要があると考えております。
 県といたしましては、県立医科大学や関係機関と連携して、県民に対する啓発活動や禁煙、生活習慣の改善を重点的に進めるとともに、がん検診未受診者に対する個別指導など、きめ細かな予防対策を講じてまいります。
 また、県内のがん医療体制の構築とがん医療水準の向上を図る必要があることから、がん診療や研究・研修の拠点となる施設の確保を図るとともに、県内のどこに住んでいても質の高いがん診療が受けられるよう、県立医科大学や地域がん診療連携拠点病院を中核とするがん診療体制の整備や、県内で不足しているがん化学療法や放射線療法、緩和ケアなどの専門家の養成などに積極的に取り組んでまいります。
 次に、がんやリハビリの専門病院として紀北分院を活用すべきとの御意見に関してお答えいたします。
 医師不足や医療構造改革など医療をめぐる環境が大きく変化する中で、効果的、効率的な医療提供体制の構築が必要となっております。県といたしましては、来年度中に策定する次期医療計画に向けて、がん診療や救急医療などを含め、各二次医療圏における医療機関の機能分担や連携について検討することといたしております。
 議員御提案の紀北分院にがん・リハビリテーション診療機能ということにつきましても、こうした観点から、県内の医療機関の状況や県民ニーズを踏まえながら県立医科大学や関係者と協議してまいりたいと考えております。
 次に、県立医科大学に整備する医師供給体制の内容とねらいについてお答えいたします。
 全国的に医師不足が大きな問題となっており、本県においても医師の地域偏在や診療科偏在が著しい状況にあります。県といたしましては、さまざまな医師確保対策に取り組んでいるところでございますが、県内の医師不足が一層深刻化し、早急な対策が必要なことから、新たに地域医療支援事業の創設について今議会に補正予算をお願いしているところでございます。
 本事業は、県立医大に専任教員十名を確保し、医療体制の維持が困難となった中核的医療機関への医師供給を初め、後方支援や地域医療を担う医師の養成など、総合的に地域医療を支援する仕組みづくりを県立医科大学に委託するものでございます。
 今後とも、県民が安心して医療を受けられるよう、あらゆる施策を講じて医師確保対策に取り組んでまいります。
 次に、自殺対策についての御質問にお答えいたします。
 県では、保健所や精神保健福祉センター等による心の保健相談や訪問指導等の機会を通じて、自殺と関連性が高いと言われるうつ病の早期発見、早期治療の促進に努めるとともに、知識の普及啓発を進めてまいりました。
 今後は、自殺予防のため具体的な方向性を協議する専門家や関係機関から成る自殺予防対策推進会議を設置するとともに、県民に対し、自殺の要因となる心の健康問題についての情報や自殺に関する正しい知識の理解・普及に努めます。また、自殺についてさまざまな悩みに対応する相談窓口を整備し、自殺防止のための体制づくりを推進してまいります。
 次に、看護師不足についてお答えいたします。
 本県における看護就職者数は、平成十七年末現在で一万二千四百九十一人で、六百八十一人不足の状況です。第六次看護職員需給見通しによると、今後も引き続き看護師の不足の状態が続き、平成二十二年には七百十一人の不足と予想されます。
 看護師不足の要因としては、第一に高い離職率が挙げられることから、今年度から離職防止を最重要施策として、看護職員の不安やストレスの軽減を図るためのナース相談窓口を開設するとともに病院看護職員の離職実態を把握し、効果的な離職防止対策を検討することとしております。
 県といたしましては、養成力確保、就業促進、離職防止、資質向上を四本の柱として、今後とも量、質の両面にわたり看護師確保対策に取り組んでまいります。
 次に、子供の車内放置は児童虐待とされるが、どのような対応ができるのかについてお答えいたします。
 議員が御指摘のように、子供を車内に放置したままにしておくことは、児童虐待の防止等に関する法律の第二条第三号に規定されている「保護者としての監護を著しく怠る」行為、ネグレクトとして虐待に当たるとされております。虐待として児童相談所に通報があった場合には、警察、市町村等と連携を図りながら、児童自身の安全を確保した上で保護者の特定を行い、保護者に対し面接等の指導を行うこととしております。
 なお、児童虐待の防止等に関する法律は、児童虐待の早期発見、児童の保護及び虐待を行った保護者に対する指導を主な目的とした法律でありまして、虐待を行う保護者を罰したり取り締まることを目的とした法律でないことから、罰則規定が設けられてはおりません。しかしながら、このような憂うべき事案が発生しないように関係機関と連携し虐待防止の啓発を行い、虐待発生の未然防止に努めたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 総務部長原 邦彰君。
  〔原 邦彰君、登壇〕
○総務部長(原 邦彰君) 県立医科大学の入学枠を拡大してはどうかという御質問がございました。
 先般、十県で医学部の入学枠の上乗せの申請を認める方針が示されましたが、議員御指摘のとおり、国が示した上乗せの容認基準は人口十万人当たりの医師数が二百人未満となっておりまして、本県の場合は二百四十七人と上回っておりますため、入学枠の上乗せは容認されがたい状況ではございます。
 しかし、医師不足対応のためには、御指摘のとおり入学枠を拡大するということも対策の一つとは考えられますので、財政負担の問題、あるいは卒業後に県内への定着率が高い県内生を多く確保する手段としての地域枠の活用ともあわせて、県立医科大学とも相談し、今後の研究課題としてまいります。
 いずれにいたしましても、総合的な幅広い観点から医師確保対策を講じていく必要があり、関係部局と連携して対応してまいりたいと考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 企画部長高嶋洋子君。
  〔高嶋洋子君、登壇〕
○企画部長(高嶋洋子君) コスモパーク加太に関する県土地開発公社への貸付金についての御質問でございます。
 まず、十七億円の一括繰り上げ償還を行うことのメリットについて御説明を申し上げます。
 現在約五十六億円の債権を有しているオリックス債権回収株式会社に対し十七億円を一括償還することにより、元金約三十九億円及び利息の支払い義務が免除されるため、公社の財務状況が大きく改善されます。
 なお、この元金債務免除額は、特定調停時の債務額約五十七億円との比率で申し上げますと、約七割に近い極めて有利な条件でございます。
 この債務消滅の結果といたしまして、県が行っている二百六十五億円を限度とする債務保証額のうち約三十四億円分が消滅し、約二百三十一億円に縮減されることになりまして、これにより将来の県民負担リスクを軽減させることができます。県にとりましては、これが最も大きなメリットであると考えております。
 次に、公社への貸付債権の保全についてでございますが、十七億円のうち約十億円につきましては、県がコスモパーク加太の公社保有地に抵当権を設定いたします。残る約七億円につきましては、公社の県に対する賃料債権に対し県がみずから質権を設定した上、従前のオリックス債権回収に対する弁済額と同額の償還を受けます。これによりまして、新たに貸し付ける十七億円の償還については、利息も含め、確実に保全されるものと考えております。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 商工労働部長下  宏君。
  〔下  宏君、登壇〕
○商工労働部長(下  宏君) 中心市街地の活性化に対する県の考え及び旧丸正ビル再生事業の効果についてでございますが、中心市街地の空洞化は、コミュニティーや商業機能の低下などをもたらし、住民生活に支障を来すとともに、経済や文化面などの活力を失わせるものであり、一地域の課題にとどまらず、県全体の課題と認識してございます。そのため、活性化への取り組みは当該市町村が中心となって進めるものと考えますが、県といたしましても、市町村とともに中心市街地の活性化に積極的に取り組むこととしております。
 旧丸正ビルは、和歌山市のみならず、本県中心市街地の盛衰のシンボルであります。再生事業により雇用の創出やぶらくり丁ににぎわいが戻るきっかけになるとともに、この事業の成功が、和歌山市だけでなく県内各地の中心市街地の活性化への取り組みに大きな弾みをつけるものと考えており、国土交通省の補助事業である暮らし・にぎわい再生事業を活用したエレベーターなどの共用設備の改修に対して補助を行うこととしております。
○議長(向井嘉久藏君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 健康増進としてのスポーツの振興についてお答えいたします。
 生涯にわたり主体的にスポーツに親しむためには、子供のころから健康や体力の維持増進に係る基本的な態度や能力及び生活習慣を身につけていくことが大変重要であると認識しております。
 教育委員会では、子供から高齢者まで日常的にスポーツを行う場として、総合型地域スポーツクラブの育成・支援を重点施策として推進し、現在、十二の市町村で二十三のクラブが活動を行っております。
 身近な地域においてこのようなクラブづくりを積極的に展開することにより、体力の向上や健康増進はもとより、高齢者の生きがいづくり、青少年の健全育成、世代間の交流などの効果をもたらすだけでなく、結果として、議員御指摘の医療費の削減につながるものと考えております。
 また、二巡目国体の開催については、県民一人一人が健康の保持増進の意識を高め、運動やスポーツに一層親しむための大きな起爆剤となるよう取り組んでまいります。
 次にスポーツ施設の整備については、簡素で効率的な運営を目指し、近畿ブロックでの広域開催の準備を進めていることから、基本的に本県並びに近畿各府県の既存の施設を有効に活用することとしております。
 中心開催地である和歌山県として、実施競技に使用する施設整備については、国体後にこれらが十分活用できるよう配慮しながら計画的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(向井嘉久藏君) 以上で、中村裕一君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十八番原 日出夫君。
  〔原 日出夫君、登壇〕(拍手)
○原 日出夫君 議長のお許しを得ましたので、早速、質問に入っていきたいと思います。
 私は、最初に「梅産業の厳しい現状をどう切り開いていくのか」というテーマで、一つは、昨年からことしにかけての梅を取り巻く現状について、まず知事に御理解をいただいておきたいと思いますし、それによって梅生産農家を初め地域経済にどんな影響を与えているのだろうか、また、そのことによって今我々が、梅はつくれば売れるという時代から、やはり紀州の梅のブランドを強化して内外に打って出る時代に来たなという立場から質問させていただきます。
 ことしの青梅の市況の現状ですけど、もう皆さんも御存じのように、最初はどうしても高く、市場が求めていますから六百円から七百円という値をつけたんですが、その後、今まで梅干しのたるが余っていた現状の中から青梅を一気に出す生産地が多くてずっと出された関係上、後半にはキロ六十円という事態になり、山村部では、とりわけ地域によっては、南部川の奥とか田辺の奥とか、龍神とか中辺路とか、そういう山村地域は青梅は全部ストップされて、もう畑へほってしまったという状況が生まれました。
 そういう状況を見たときに、私たちはこの現状をこのまま見過ごすわけにいかないということで、市場のこの価格の低迷は、どうしても一つには気候的に、市場や量販店の対応が、全体のその年の気候に関係なく毎年五月の初めに出しなさいというスケジュールに乗っかって、生産現場の実態とはマッチングしない状況で市場または量販店が求めておると。
 こういう中で非常に──そこで何が問題かと言いますと、一つは、紀州の産地の出るときより九州や四国の出る時期の方が気候的に早い場合、そこがまず優先されて、だあっと市場へ出て回りますから、そういう非常に厳しい産地間競争に陥ってると、そういうことの状況であります。そういう意味で、とりわけまたことしは気候変化に伴う非常に厳しい中で品質が非常に低下したということの話題もあります。
 また、漬け梅の価格の低迷も、昨年から在庫もあって、消費動向と業者の関係ですけど、漬け梅価格が非常に──今まではブランドとしてA級品が売れてたんですけど、ことしはCとか外とか、そのつぶし梅が、いわゆる低品質の梅が市場に出回ってしまったという、これは我々としては非常に厳しいという一面、また、その紀州梅に対する信頼度が薄らいでいくんではないかという心配をしております。
 そこで、私は、他産地間との競争・競合や中国産加工梅との競合をどう切り開いていくかということもありますが、そういう意味で、私たちは九州産、四国産との競合が今後ますますされていくだろう、そして、中国の梅が、少なくとも消費量の半分が中国から来てるというこの問題と真っ正面から向き合いながら紀州の梅をどう振興さしていくかということについての課題が今求められてると思います。
 そういう中で、昨年からことしにかけての現状の中での生産農家、地域経済への影響でありますが、生産農家は、まず梅の将来への不安が非常に高まってきています。今まではつくれば売れた時代から、これから農家はどう展望して行動すればよいか、全く不安だらけで見通しができない状況にあると言われております。生産農家の人たちは、異口同音、「今、私たちはそれでいいけども、後継者初め、既に梅農家を継いでくれている若い世代の人たちはどうするのでしょうか。このまま続けてよいのか。家族ではそのことが今一番悩みである」と語られています。
 ちなみに、十八年度の就農状況を日高と西牟婁の梅産地だけ見ましても、新しく十八年度に就農している方が七十五名。日高・西牟婁で、梅産地には過去五年間でもう三百人もの若者が定着してきてると、こういうデータでありますから、大変な梅産地に就農する若い世帯が、地域では非常にかけがえのない、産地としての力を発揮していると思います。
 したがって、梅は県内で生産、加工、流通、販売と一貫したシステムがあって、それにかかわる幾つかの関連産業が地域経済を複合した産業として──私、いつもこの場で言わしてもらっている七百億円産業として県内の経済の基幹産業であること、そして、各関連産業への影響が非常に大きいことであります。
 そこで、消費経済も、もう田辺市内とか市街地を一つ見てみましても、昨年からの梅のこの傾向に対して、商店街、サービス業、飲食業にも、もう既に非常に影響を与えていますし、そのことは、生産農家は、ことしの紀南農協の管内だけですけども、最低四十億円は下らないと言われるぐらい今度減収になるというふうに言われています。これは農協の調査の結果であります。
 そういう意味で、この厳しい梅を取り巻く状況を我々はどう打開していくかという方策について、私なりに提言して知事の御見解をお聞きしたいと思っています。
 一つは、今まで非常に少なかった情報──梅が全国、国内外にどの程度出回っているか、紀州梅の需要調査がやっぱりやられていない。これはやる必要があるんではないかと。紀州梅の流通販売状況を調査して、県内の梅干し、梅酒などの梅商品が全国にどのように流通しているのかマーケット調査をすることが必要だと思いますし、同時に、他産地や中国梅の実態把握を行い、その競合関係を分析する必要があるんではないかというふうに思います。
 もう一つは販路拡大でありますが、消費者ニーズや企業ニーズ等マーケットの実態把握を踏まえて、販売戦略を考えながら販路開拓を進めていく必要があるというふうに私は思います。これについても、私なりに調査しますと、一部分の販路市場に乗っかっておればもう十分売れたということで、それに我々全体が非常に甘えていたように思います。
 ずっと調べますと、本来もっと攻めなければいけないところを攻めていなかったという反省の上に立って、販路拡大は、我々産地でも行っていますけども、新たな販路の開拓について、やっぱり県が産地とその市町村やJAと協力し合いながらコーディネーターの役割をぜひとも果たしてほしいというのが私のお願いであります。
 また、もう一つは新たな商品開発ですが、新たな需要が創出できるような新たな商品開発についてやっぱり考えて──いたんですけれども、加工業者、いろんな人に聞きますと、梅干しの方が十分利益を上げられるので、新たな商品開発に対して投資をして薄い利益を求めるよりも利益の高いものにどうしても走ってきてるという状況を言われておりましたけれども、それだけではもう済まされない時期に来ているということで、私たちは、生産者、加工、JAという産業、それから県や市町村という官、そして大学や工業技術センターである学がお互いに協力をし合って、一つのテーマを設けて新しい商品開発に取り組む時期に来ているというふうに思います。そういう意味では、県の支援が非常に大切な時期に来ていると思っております。それは、今そういう条件にあると思います。
 僕、ちょっと資料忘れたんですけど、株式市況を見てちょっと特異な──今、要するに健康食品の部分が、もちろんサプリメントもそうですけど──株価がずっと持続して上がってきてる。そういう健康食品の飲料水やそういうものがどんどんはやってきてる。
 そういう意味では、子供や若い人たちに好みの商品、梅商品を開発するとか、例えば外国では肥満対策に対して和食が非常にブームを起こしてる中で梅の消費はどうするか、その人たちに見合った商品開発をどうしていくかということも、販路開拓ではまだ手をつけられてない分野ですので、我々は考えていく必要があるんではないかというふうに思います。
 こういった意味で、私は、そういう体制の中で、今、何をほんならしていくのかということであります。そこで一つは、各産地では今これではいかんということで、例えば紀南農協管内では、生産農家が一たる運動でそれを加工業者に買っていただいて──これは積算しますと一年で一億円の販売、PR活動への予算が集まるというふうに言われています。これを来年度からやりたいという方向。だから、まず農家がこの厳しい状況を切り開くために一たる運動をして、一億円を拠出して、そしてJAと行政と加工業者が協力し合って全国展開、内外に展開していくということが今考えられています。
 そういう意味では、私は、じゃ、そういうふうに産地が頑張ろうとしてるときに県の果たす役割は何だということで、県として私が求めたいのは、そういった産地を組織化して、みずから生産農家もお金を出してやるという時期に、県はやはり──今の果樹園芸課というのは、桃、柿、それからミカン、梅と、こういうふうな全体的な管轄でやられていますが、私はこれは、桃と柿が一部類、ミカン二部類、梅を三部類にして専門的に、梅なら梅に対して産地と協力し合いながら、いわゆる生産、加工、販売、PRまでの協力体制を県の組織として人的配置をして、そういう組織体制にぜひしていただきたいと。そうすれば、県と市町村と、そして産地のJA、農家とが一体になって汗をかきながらこの難関を切り開けるという意味では、県の組織的な指導、人的な体制、そういうものを皆期待してると思いますので、知事の御見解をお聞きしたいと思います。これが第一点であります。
 そして──これは要望やから委員会でやりましょうか。ちょっと済みません。──ちょっとまあ聞いてもろとこかな。
 この前、国会の梅議員連盟というのがあって、そこの資料の中に、梅の原産地表示の中で、中国梅と国内梅、紀州梅との違い、それから九州ブロック、近畿・中国・四国ブロック、関東・東海ブロックというふうに三地域で出てきた梅が紀州梅と違うということの判別をすることができたというふうに書かれていたんですけど、実際にそれができるのであれば大変──識別調査で可能であれば立ち入りチェックをして、いわば私から言えば、中国梅がずっと出回るとか、紀州梅と中国梅をまぜて出回ってるとか、それから産地が違う、いわゆる九州や中国・四国・近畿ブロックのやつとか、東海ブロックのやつがまざっている場合でもチェックが可能だと、こう思うんです。
 そういうことを、可能であればぜひやってほしいんですが、たまたま私の調査では、農林水産省から委託を受けた農水省の外郭団体である独立行政法人農林水産消費技術センターがそこを受けてやっているということなんですけど、県のうめ研究センターもそこにかかわりながら、その識別調査が可能な状況にできるだけ早く──今の段階では一〇〇%できていないという状況なので、できるだけ早い機会にこの識別技術を完成させていただいてやっていただきたいということを要望しておきます。
 次に、梅の立ち枯れの原因究明について。
 「久々にやるんやの」と言われたけど、そういうことで、要はこの表を見ていただいたらわかるんですけど、(資料を示す)平成十二年から十六年までは、いわば一〇%、五%を下る御坊火力発電所の稼働率で、これ、見てもらったらわかるんですが、その状況によって、十五年からもうずうっと新規に立ち枯れの発症することが非常に少なくなってきました。そういう意味で、我々は安心をしていたんです。
 ところが、最近、私、農家を回ってみますと、「ハウスにすすが黒くつくように最近なってきてよ」、また「最近、関西電力、よけたき出したん違うんか」という質問をされた。それで、それを聞かれて、私は平成三年か四年のときにちょうど農業をしていたんですけど、その当時はハウスなんかは真っ黒で、それから車のボンネットは手ですれるぐらいすすがかかっていたという状況でした。現在はそこまでいってませんけど、すすが既にもうハウスにかかり出した。
 じゃ、稼働率を調べてみました。ここで、見ていただいたように、下の欄に平成十七年の十二月から十八年の六月までの稼働率を書いてますが、二三・八から四〇、五〇近いパーセントで稼働率がずうっと上がってきております。これは、私がこの議会で言わしてもらったのは──こういう稼働率がどんどん上がってきたことと、前に新規発症した、昭和五十九年から稼働した火力発電所が何年かして平成三年からずうっと立ち枯れの発症が起こってきたというその相関関係では、今度この十七年から十八年にたかれている状況を見ますと、非常に不安を感じているというふうに言われております。
 したがって、こういう意味では、きょうの議会で言わしてもらうのは、私はその不安を、この時系列の計数を見て、稼働率の状況を見て、これは二年後ぐらいにまた発症が起こるおそれがありますよということで、私は議会できちっと言うときたい。そして二年後、もしこの発症が起こったときには、いわゆる御坊火電の稼働率と梅の立ち枯れとの相関関係が立証されていくんではないか。科学的ではないですよ。現象面で実証されていくんではないかということで言わしてもらっています。
 そこで、私は、質問といいますかお聞きしたいんですが、一つは、月の稼働率はやっぱり一〇%程度に押さえてほしいと。一号機、二号機、三号機も。そして、それを関西電力にぜひ要望してほしい。それができなければ、いわゆる一〇%を超える場合、脱硫装置を設置している三号機でもって稼働するよう強く申し入れていただきたいということであります。
 我々、三号機につけたというのは、御坊第二火電の建設に伴うこともあったんですが、三号機だけを見ると、SOXの濃度は九九%低下してる。ほとんどもうSOXの濃度がなくなるぐらい脱硫装置の効果は働いているんです。
 そういう意味では、関西電力に三号機を稼働さしてほしいと言うことは何ら問題はないと思うんですが、実際、現実を見ますと、一号機、二号機、三号機は、例えば今月、一号機が三〇%たくとしたら、次は二号機がまた三〇%、次、三号機がそれに続いて、全体として循環させながら稼働しているという実態であります。
 そういう意味からいくと、我々何のために脱硫装置をつけたのかという意味がわからないわけであります。これは、関西電力に言わせれば、絶えず機械を稼働さしてないと問題だということでありますけれども、それだけの企業の理由でなくて、三号機に脱硫装置をつけたんですから、それを稼働するように県が強く申し入れていくことが、この今稼働率の上がっている段階の中でそのおそれをなくしていくんではないかと、こう思いますので、ぜひとも関西電力に強く申し入れてほしいというのが私の考えであります。企画部長にお尋ねしたいと思います。
 次に、ばいじん暴露による大気と梅、桜の影響調査をすることはずっと言い続けてきたんですが、その知見が国内的にもまだ確立はされておりません。私たちは、なぜこのばいじん暴露の調査を県当局に申し込むか、そして県当局はそれをなぜやらないのかということについて非常に疑問を感じてるわけでありますが、御坊火電と梅の立ち枯れの因果関係は、科学的に実証するまでもなく、火電の稼働率とその相関関係があるというふうに今述べさせていただきました。
 そこで、県は栽培管理、水分ストレスに矮小化しないで、私は、ばいじんによる暴露試験を加えてこそ梅の立ち枯れの原因究明ができるということを一貫して言うてきましたが、いまだに実現しておりません。
 人間と大気、この御坊火電のばいじんと、それから植物とばいじんの関係する新しい知見が確立するために、今、田辺市のうめ対策協議会では独自に、広島大学大学院生物圏科学研究科の中根教授グループによるテーマ、二年間のばいじん暴露がヤマザクラの成長に及ぼす影響調査報告書が、この七月、発表されました。私はそれを熟読しながら、これは大変なまとめ方をしているし、我々が研究テーマとしてぜひやってほしいということの意味がなされております。
 その中の分析を少し紹介しながら述べたいと思うんですが。「田辺市とその周辺のヤマザクラの年輪成長と二〇キロメートル北西に位置する御坊市に立地する火力発電所の稼働率との間には有意な負の相関があることを報告している。すなわち、火力発電所から排出する煤塵またはそれに含まれる汚染物質がウメの生育障害やヤマザクラの衰退の原因である可能性を示唆している。 しかし、以上のウメ生育障害やヤマザクラの衰退に関する研究においても、煤塵そのものによる具体的な影響について、また影響があるとすればどのようなメカニズムで衰退を起こすかについて、明らかにする調査・研究は依然としてなされていない」、したがって、「煤塵の影響については、ウメやヤマザクラに限らず、暴露実験を通して」成長量や光合成に与える影響についてやっぱり十分調査検討することが必要だということでやられております。だから、「煤塵によるヤマザクラの衰退過程への関与、メカニズムが明らかにされ」といったことで、本当にその地域での衰退現象がどうあるべきかという梅の生育障害の原因究明ということでの大切さがこの研究で述べられております。
 また、このばいじん調査は、実は中国の火力発電所のばいじんで調査しています。というのは、関西電力からもらえませんでしたので、やりました。このことで、「煤塵暴露にしても、煤塵の成分はその燃料によって大きく異なると思われる。それ故に、幾つかの煤塵について暴露実験を行うことが、煤塵の影響の一般化には不可欠である。少なくとも、御坊発電所での使用原油の煤塵による暴露が不可欠であろう」というふうに締めくくられております。
 したがって、私たちは、こういう研究を一大学グループではなかなか検証しにくいということで、東京農工大に改めてこの実験結果を提出しまして東京農工大の意見を仰ぐことにしているわけでありますが、そういったことに対して、和歌山県も、うめ研究センターにおいて新しい知見を確立するため、これら研究グループとも共同して原因究明に取り組むべきと考えますが、いかがなもんでしょうか。そのことをお尋ねしたいと思います。
 次に、農薬のポジティブリスト制度による中山間地域の現場の悩みについてお尋ねします。
 食品衛生法の改正に伴い、本年五月二十九日から導入されております残留農薬基準のポジティブリスト制度は、輸入野菜等の残留農薬の規制と消費者からの食品の安全・安心を求める声に対応するために制度化されたと言われております。このような画一的な制度の導入により一律基準として〇・〇一ppmという厳しい値が設定されたため、生産現場では隣接作物への農薬の飛散が懸念されるなど農薬散布には細心の注意が必要となっており、生産農家の間では戸惑いと不安が広がっており、全国から制度の改正を求める機運が高まっています。
 この制度の導入により、生産現場においては農薬の飛散による基準超過への農家の不安が高まっています。例えば、どれぐらいの飛散によって〇・〇一ppmに達するのかといった、生産する視点からわかりやすい目安などがないことで数字だけがひとり歩きをしてる嫌いもあり、不安を助長しています。
 具体的には、今回のポジティブリスト制は、梅の収穫時期に隣のミカン園で農薬散布をする場合に梅へ農薬が飛散して基準値を超えないかや、果樹類を混植しているところでは、かなり気を使った栽培管理が必要になる。県はこのような生産現場からの声をどの程度把握してるのでしょうか、お尋ねしたい。
 そこで、このようなポジティブリスト制度によって生じている問題について、生産現場の声を聞き、農薬の飛散防止を防ぐために具体的にどのような対応をしていくのか、お伺いしたい。
 また、農薬の飛散防止を解決するためには、県と農協、それから県の普及所、試験場、そして農協、生産者が協力し合って一つの問題点を挙げて解決法を探っていくべき時期に来てる。そのためには、現地での実証試験、例えば、今言いました関係機関等がドリフト防止マニュアルを充実させるなり、農家のさまざまな問題をするために実証園をつくって研究していくということが今求められています。
 さらに、隣接する作物に対して農薬散布する際に必要以上に気を使わなくてもよいように、できるだけ多くの作物に使用が可能な農薬の登録拡大を推進していくことも、今、大変重要なことだと考えております。この要望も非常に強いわけでありますから、その点のお考えをお伺いしたいと思います。農林水産部長にお願いします。
 次に、防災と社会生活を守る立場からの提案で──これ、ちょっと時間ないんで、いっぱい書いていますが、簡単にまとめれば、私は、和歌山県は山林地域を多く抱える中で、将来的に県行政が市町村行政と協力し合って災害から県民の生命と財産を守り、地域ごとの社会生活、つまり人間関係、福祉、医療等の公平なサービスを受けられる環境づくりをどうしていくのかが大きな課題だと考えております。
 私はこのことについてはたびたび議会でも言ってきたんですが、県はこのほど八月一日に、わかやま土砂災害マップを公開されました。非常に見やすく、箇所、箇所が的確に把握できて、役に立っています。ありがとうございます。
 県内に一万八千四百八十七カ所の土砂災害危険箇所があります。このマップによって、そこに住む人たちが、危険箇所であることの認識や、いつでも避難できる準備をしておくことはもちろん大切です。しかし、この危険箇所の多くは過疎・山村地域で、高齢化率は非常に高いところです。
 そこで、私は、将来的に見て大胆な政策を提示することも一つの考えではないかと思います。土砂災害危険箇所一万八千四百八十七カ所をハード面での対策として予算措置をするとしたら、それは考えられない規模の数字になると思います。
 そこで、私は、土砂災害危険箇所への予算を見てみますと、過去十年の時系列で見ますと、平成十年の百二十億円をピークに毎年下がり続け、平成十八年には四十五億円となり、ピーク時の三分の一になっているのが現状であります。県としては、非常に危険度の高いところから対策してると思いますが、この予算についても考えなければならない一つの要素かと思います。
 また、私は、一万八千四百八十七カ所全部に対策するという発想の転換をして、危険箇所の住民の移転を考えることも県の主要施策の一つとしていくことが必要ではないかというふうに考えているわけであります。もちろん、これは住民の理解と市町村の協力が必要ですが、県が大胆に提案することで関係する住民の中で議論され、よい方向が選択されていくのではないかと考えます。
 特に、高齢化している過疎地域での土砂災害危険地においては、災害から守ること、それとまた高齢化により人間関係が薄くなっていること、福祉・医療サービスが公平に受けられないこともありますから、そういった移転ということが将来的に見て大きなテーブルに着くんではないかということで、県の施策として取り上げてほしい。
 国の施策では、がけ地近接等危険住宅移転事業や防災集団移転促進事業、過疎地域集落再編整備事業などがありますが、この過疎地域集落再編事業についても、国は二分の一、市町村が二分の一で、県として責任ある明確な補助体制ができてません。今はゼロです。そういう意味では、県の施策として考えていくことが市町村をも誘発させながら住民合意が得られていくんではないかということで私は考えてるわけですが、知事の御見解をお聞きしたいと思います。
 最後になりますが、中村議員が見解をただした県土地開発公社のコスモパーク加太開発事業に係る今回の補正予算についてであります。
 私は、十五年六月議会において、この件に関して、開発公社の金融機関からの借入金に対して、県は債務保証していない立場からその責任をすべて負わされることはないと指摘しました。しかし、平成十五年十二月議会において、特定調停による決定によって、開発公社借入金四百三十八億一千五百三十万円のうち二百六十五億円の債務保証をすることで合意し、議会でも承認されてきました。開発公社は、銀行借入金四百三十八億一千五百三十万円と県から既に百五億円の借り入れで、五百四十三億一千五百三十万円の借金をしています。
 さらに、県が開発公社へコスモ加太用地の借地料を平米当たり五百六十円支払っていながら、カゴメへは平米当たり百円と五分の一以下で貸し付けている。県内のトマト産地を脅かす企業を企業誘致として評価することは私は疑問を感じているところですし、これらの疑問と矛盾を感じながら、今回の県土地開発公社への金融機関債務に係る繰り上げ償還十七億円の補正予算について、私としては一つの考え方を述べたいと思います。
 繰り上げ償還については県の政治的判断として理解はしますが、私は、企業的センスで対応することがよいのかどうか。企業は、借入金等を繰り上げ償還しながら新たな借り入れを起こしたり企業経営する上での対応をしていますが、県行政は、繰り上げ償還しても、別にそれによって新たな何かが生まれてくるのでしょうか。開発公社の債務額三十八億五千七百万円が消滅するだけで、開発公社が新たなスタートになるのではなく、残債借金を抱えて右往左往してるだけではないでしょうか。県が十七億円を貸し付けることで債務額が減るが、県はそこまでする必要があるのでしょうか。むしろ平成四十五年三月三十一日まで開発公社にそこの責任をゆだね、県は土地の売却や土地の貸し付けに力を注ぐことも一案ではないのでしょうか。
 今回、住友信託銀行三億三千六百万円、UFJ銀行が五十三億五千万円をオリックスに債権回収を渡しています。これは、特に住友信託銀行なんかは、十五年にして翌年にすぐ丸投げをしています。また、UFJは十八年という形ですが、そういう形で、実際に国の金融庁が各メガバンクに対して何をやったかと言うたら、早く不良債権を処理しなさいと、そして、公的資金は投入しますからびしびし貸しはがしをして、あかん金はきちっと不良債権で整理せえという、早くしなさいという指導をしたわけですね。
 そういう意味では、このことの対案がここに出てると思いますね。UFJや住友信託が、実際はどうですか、金額五十五億五千七百万、こういう金を実際には十七億でもうオリックスに丸投げして、あとの残りの額は不良債権として、もう銀行、メガバンクは処理してしまうんです。
 そういう形でどんどんやられている中で、慌てて十七億円を開発公社に貸し付けてやらいでも、四十五年までほっとけば、だんだん時代も変わり状況が変わりしてくるん違うかと。今やられてることは、金融庁のメガバンクに対する施策に対しての裏づけとして──これで、十七億円でオリックスは三%の手数料取ったらどうですか。十二億ぐらいですよ、これ。五億ぐらい、オリックスはこれで金もうけしてるんですよ。これが今の日本の経済の──実際にオリックスだけでなくて、実質は外資やあの村上とかいろいろするファンドが、そういったものを皆集めて金もうけをしてるんですよ、その際。そういう状況から見たら、私は非常に慌てて──県が二百六十五億円の債務保証やってるけども、慌ててその処理をしなきゃならんのだろうかと思います。まあ、私の考えですけど。政治的判断は否定するわけではありませんが、知事の御見解をお聞きしたいと思います。
 以上で、一回目の質問を終わります。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの原日出夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 梅産業の厳しい現状をどのように切り開いていくのかということでございますが、紀南地方の中核をなす梅産業を取り巻く環境は、中国産や他産地との競合が厳しくなる中で、本年産青梅については、天候等の影響による出荷おくれなどもあり、近年にない市場価格の低迷を招いたところでございます。また、食品衛生法の改正に伴う残留農薬の問題もあり、農家は大変厳しい状況に置かれていると認識しています。
 県では、これまで県産物のブランド強化と販路拡大を図るため、大手スーパーと連携したソフトアンテナショップの展開や香港など海外輸出による市場開拓等を行ってきたところでございます。
 こうした中で、梅の振興については、地域に密着した試験研究機関としてうめ研究所を平成十六年に設置し、生育不良対策を初め、新品種の育成など、産地対策の強化を図ってまいりました。
 また、梅は、他産地とは異なり、県内において生産から流通、加工販売が一体的に行われていることから、消費動向を踏まえる中で、これまで以上に食品産業と連携し、機能性に着目した新商品の開発や新たな需要開拓などトータルとしての振興策が重要であり、県としても梅産業のコーディネーターとしての役割を果たしてまいりたいと、このように考えております。
 なお、県では県政の重点施策や新しい行政需要等に的確に対応できる組織づくりに取り組んでいるところであり、御提言の趣旨も踏まえ、より効率的な組織体制の実現に努めてまいりたいと、このように考えております。
 次に、防災と社会生活を守る立場からの御提案でございます。
 県では、御案内のように、東海・東南海・南海地震同時発生等、三つの地震を想定した被害想定調査等について実施し、人的被害や土砂災害危険箇所等について公表をしております。
 御指摘の中山間地域の防災対策については、減災のための優先順位などの見直しを、東南海・南海地震に備えた具体的な施策をまとめた和歌山県地震防災対策アクションプログラムの中で行ってまいりたいと思っております。限られた予算の中で効率的に防災対策を実施するには、国の集団移転などの手法も検討してまいります。
 また、防災と関連して、過疎・高齢化が進む中山間地域において集落再編を進めることは、身近に医療、福祉などの行政サービスを受けるためには有効な手段の一つであると考えております。しかしながら、既存の集落の共同体としての機能が維持、存続できるような方策を講じることも、これまた重要と考えております。
 いずれにしても、集落移転に当たっては、住民の意向が第一であり、関係市町村と連携を密にし、地域全体あるいは集落ごとの話し合いを通じて、移転機運が高まれば県としても支援をしてまいりたい、このように考えております。
 最後に、コスモパーク加太事業に関する今回の補正予算についてでございますが、御指摘のとおり、将来、計画どおりに土地を売却することができた場合は県の債務保証を実行する必要は生じないわけで、まずそのための努力を今後とも継続していくことは当然のことでございます。
 しかしながら、景気が上昇傾向に転じたとはいうものの、将来の経済情勢が不透明な中で今回の繰り上げ償還の内容を詳細に検討いたしましたところ、現在の弁済計画をこのままの形で継続するよりも現時点で将来の債務保証の実行という県民負担リスクを確実に軽減しておくことの方が明らかに有利かつ重要であり、今回のオリックス債権回収からの申し出は公社及び県にとって大きなチャンスであるというふうに判断をいたしました。このようなことから今回の処理を進めることにしたところでございます。
○議長(向井嘉久藏君) 企画部長高嶋洋子君。
  〔高嶋洋子君、登壇〕
○企画部長(高嶋洋子君) 御坊火電の稼働率に関連した質問についてでございます。
 関西電力御坊発電所の稼働率は最近上昇傾向にあることは承知しておりますが、周辺地域の大気汚染濃度は環境基準値を大幅に下回る濃度で推移をしているところでございます。
 また、一号機から三号機までの各発電機には排煙脱硝装置や電気集じん装置が設置されており、加えて、三号機については排煙脱硫装置が設置されております。
 議員の御質問にありました三号機の集中運転につきましては、技術的に可能かどうかも含め、事業者に確認をしてまいります。
 また、脱硫装置の三号機以外への増設につきましては、三号機への設置当時には設置スペースの関係から物理的に困難であったと聞いておりますけれども、これにつきましても再度事業者に確認をしてまいります。
 いずれにいたしましても、御坊発電所の稼働状況につきましては、関西電力株式会社から随時情報提供を受け、その推移を見守ってまいります。
○議長(向井嘉久藏君) 農林水産部長西岡俊雄君。
  〔西岡俊雄君、登壇〕
○農林水産部長(西岡俊雄君) まず、梅の立ち枯れの原因究明についてお答えをいたします。
 生育不良の原因究明につきましては、うめ研究所での生理生態特性の解明を初め、生育不良の再現実証、またオゾン濃度の継続測定を行うとともに、現地での発生本数調査、また実証園での調査、こういったことにさまざまに取り組んでいるところでございます。
 これまでのこうした調査研究におきまして水分ストレスが樹体に及ぼす影響といったデータなどを蓄積してございまして、こうした地元農家に役立つ情報の提供を行い、実践につなげているところでございまして、今後とも産地と一体となって粘り強く取り組んでまいりたい、このように考えてございます。
 なお、ばいじんによる直接暴露試験につきましては、これまでもお答えをしてまいりましたが、科学的に評価できる研究手法が現段階では難しい、こういう状況でございますが、新たに研究手法の御提案があった場合には、多くの専門家の意見等をお聞きしながら検討してまいりたい、このように考えてございます。
 次に、農薬のポジティブリスト制度による現場の悩みについてでございますが、議員お話しのとおり、生産現場では、ポジティブリスト制度の導入によりまして、収穫期を迎えた梅園に隣接したミカン園での農薬散布、あるいは野菜園に隣接する稲の防除、こういったことで農薬の飛散、いわゆるドリフトによる基準値を超える残留農薬への懸念がございまして、生産農家は農薬散布に当たり大変気を使われている、こういうふうに承知をしてございます。
 県ではこれまで、ポジティブリスト制度に対応した農薬の適正使用を推進するため、生産者、指導者を対象にした研修会の開催、また、啓発パンフレットの配布を初め、ソルゴーといった遮へい作物を利用した展示圃を設置するなど、市町村またJAと連携をしながら課題解決に向けた取り組みを進め、農家の不安を払拭できるよう努めてまいっているところでございます。
 今後とも、農薬の飛散量の調査や生産現場での実証圃の設置など、産地に即した調査を引き続き実施するとともに、梅、ミカン、柿といった主要作物を対象としたドリフト対策マニュアル、またドリフトに対応した防除暦の作成、こういったことに努めてまいります。
 また、各作目に広く使えるよう農薬の登録拡大、このことにつきましても国に対して要望しているところでございます。
 今後とも、生産農家の意見を聞きながら農薬の一層の適正使用に努め、安全・安心な県産農産物の生産振興、こういったものに努めてまいりたい、このように考えてございます。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十八番原 日出夫君。
○原 日出夫君 答弁ありがとうございます。
 今やっぱり、先ほど知事の御答弁いただいたんですけど、組織的に今の現状、いずれにしても梅だけでなくて、柿、桃、ミカン──大体、今我々、産地間競争でちょっと立ちおくれるというのは、ミカンにしても、愛媛は愛媛で県ぐるみで打って出てきてる。最近は、鹿児島なんかは薩摩梅という形でぼんと県ぐるみで打ち出してきてるという。そういう意味では、我々は、それの産地間競争も大変厳しいと言いながら、じゃ我々はそのために、打ち勝つための体制でばんと打って出てるかというと、非常に反省すべき点があるんじゃないかなと。
 そういう意味では、県が組織的に産地が──もちろん原点は産地なりそこの市町村が頑張ることですから、それを支援しながら協働して、それで、それについても梅の専門職員がきちっと複数でおって一体となって打って出ると。行動する職員、行動する係、課という形でやっていかんといかんのではないかと。そうなれば、全国的発信なり国際的発信なりいろいろできる可能性はいっぱい秘めてると思うんで、それに手をつけていない、手をつけようではないかということで、きょう訴えさしていただきました。
 それと、梅の立ち枯れで企画部長がお答えしてくれました。ただ、一号機、二号機、三号機──一号、二号をとめて稼働可能なのかって。稼働可能なんです。これ、全部資料もろうてますから。一号、二号、三号の月別稼働率というのを持ってますから。一号、二号全然せんと三号機、一号、三号機全然稼働せんと二号機という形で十分可能なんですね。この実績から言ってですよ。
 だから、そういう意味では、どうして三号機に集中して脱硫装置──しかも、九九%この物質を削減できるというすばらしい機械があるんですから、そこに集中さした指導は十分可能だと思いますんで、そのことは要望しておきたいと思います。そういう指導を要望してください。
 それから、最後になりますけど、コスモパーク加太事業に対する十七億円のあれですけど、政治的判断だからどうやこうやと私は執行部に対して言える立場ではありませんけれども、私自身は執行部が判断してもらえればそれでいいんですけども、実際、四十五年という──まあ三十年でやったんですから、私たちは、その中の経済情勢、そして国が進めてきた不良債権処理の中で生まれてきて、そしてオリックスが数%の差額を抜いてもうけようとする、このシステムに乗っかる必要はないやないかと。別に乗っかる必要はないやないかと。
 だから、開発公社が非常に苦しみながらもそこで頑張ってもらうと。しかも、県はその土地をいろんな企業誘致や貸し付けながら有効に活用して、その土地代金をもらっていく、また借地金もらうと、そういう部分でやっていけばいいんじゃないかなと。今、慌てて十七億円というのは、私は、非常にこの財政厳しいときに十七億円を県民のためにもっと有効活用していく方が県民的支持を得られるんではないかということを思いましたんで、そのことを訴えて終わりたいと思います。
 終わります。
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの発言は要望でございましたので、以上で原日出夫君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時四十一分休憩
────────────────────
  午後一時三分再開
○議長(向井嘉久藏君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十一番松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕(拍手)
○松坂英樹君 通告に基づきまして、早速、一般質問に入らせていただきます。
 私は、まず初めに鳥獣被害への対策についてお伺いをいたします。
 実りの秋を迎えましたが、農家の皆さんは年々一層深刻となってきているイノシシ、シカ、猿などによる鳥獣被害に悲鳴を上げておられます。「あした収穫しようと思っていた作物を皆やられてしもた」、「芋でも、こんな細いのまで全部食べられてしもた」など、中山間地で苦労して農業経営を頑張っておられる農地でも、またわずかな年金を頼りに暮らしているお年寄りの家庭菜園まで、もう何もここではつくれない、こういう状況になっているところも珍しくありません。まさに、被害総額幾らという表面立った金額には出てこない大きなダメージを地域は受けています。
 先日、有田川町吉原地区の中山間事業のグループの方にお話を伺う機会がありました。山の斜面を開発したパイロット園が広がる農地で、六十二軒の農家でつくっているグループです。続発するイノシシ被害に自分たちの手でも取り組もうと、イノシシの捕獲おりを五つ購入して設置をしたそうです。夏前に設置して以来、既に十一頭のイノシシを捕獲したそうで、おかげで被害はかなり減ってきたというお話でした。
 ところが、同時に費用の面などで大変苦労しているという悩みをお聞かせいただきました。「夏場だったので、その捕獲したイノシシの肉がおいしくないというので引き取り手ができず、結局、火葬場に持っていって火葬してもらった」と言うんですね。「イノシシ二匹、大きかったので百キロ近くあったので、一キロ三百円の火葬料金で二万四千円もかかってしまった。大変だった」と言うんですね。私、イノシシを火葬場に持っていったというのは初めて聞きました。もったいない話です。
 それに加えてですが、「おりを設置する際には地元区内の狩猟免許を持った方に指導してもらってやってきたが、その方も高齢であるし、自分たちもこれから勉強して免許も持って自分らでやれるようになろらということで、役員三人で狩猟免許を取りに行った。そしたら、免状を取るのに一人二万円近くかかった。それに加えて、狩猟登録をするのにこれから毎年二万円ずつ要るという。こんなに次から次へと費用が要ってはたまらない。何とかならないか」こう言うんですね。
 私は、火葬場である有田聖苑事務組合へも出向いて調査したところ、イノシシのほかにも捕獲された猿やアライグマなど持ち込まれているということが明らかになりました。
 これまで有害鳥獣の捕獲という点では、猟友会の皆さん、ハンターの皆さんに御協力を願ってきたわけですが、狩猟免許者の減少や高齢化、夏の猛暑の時期の有害対策の困難さにより、今後はこのような農家自身が農地を守る取り組みが広がっていくと思います。そうなると、今回の例は特殊な例ではなくなってくるし、それに向けた対応を今後考えなければならないというふうに思うんです。
 こういった点を踏まえてお尋ねをするのですが、県はイノシシ保護管理検討会においてイノシシを特定鳥獣にして対策を検討しようとしていますが、これによってどう対策が強化されるのでしょうか。また、鳥獣被害対策では、農家や住民自身の取り組みへの指導や支援が一層求められてくるんではないでしょうか。
 次に、猿の被害という点では、有田川町の岩野河地区を中心に、この前後の有田川中流域に被害が続出をしています。ある岩野河の住民の方は、「一つの大木にたかっている猿を数えたら百十匹まで勘定できた。きっと百五十匹はある」、そんなふうにおっしゃっています。ここの猿被害の深刻な点は、特にタイワンザルとの混血の問題です。しっぽの長いもの、中ぐらいのもの、こういったものが群れの中にまじっているとの報告も数多く出されています。和歌山市から海南市へのタイワンザル対策が一定の効果を上げた今日、生態系への影響の点からも、この地域への調査と対策が急務となっていると考えます。
 以上、イノシシの特定鳥獣指定について、鳥獣被害対策への支援強化について、有田川中流部の猿被害対策についての鳥獣被害対策三点について、環境生活部長より御答弁をお願いいたします。
 次に、農薬ポジティブリスト制への対応についてお伺いをいたします。
 この制度は、食の安全を確保するという点で一歩前進と言えるものです。しかし、農家からは、農薬登録や使用基準の不合理などによる混乱や不安が根強く出されています。有田地方でも、夏場の数少ないかんきつ類として栽培されていたバレンシアオレンジが、一般的な栽培方法ではこの規制をクリアしにくいということで、大部分が伐採をされてしまいました。
 さきの六月議会、また午前中の各議員の質問でも、このポジティブリスト制への対応について質問がありました。その中で、農薬の登録拡大の必要性や農薬使用や栽培方法などの農家への指導徹底、農作物への改植への補助がある点などが答弁されてきましたが、新たな設備投資などへの具体的な支援メニューまでは示されてきませんでした。サンショウがあり梅がありといったような中山間地では、地形的条件からの困難さがあるとの声があります。また、このポジティブリスト制に前向きに対応してみずからの農産物の安全性やこだわりを押し出したいという積極的な農家もいます。こういったやる気のある農家から、ドリフト防止ネットなど農薬の飛散を防止する、こういったものを設置するなりの支援が強く要望されています。
 この点では、来年度予算編成に向けて、高品質で安心・安全な農産物生産という点からも、支援策をぜひ検討すべきではないでしょうか。農林水産部長の答弁をお願いいたします。
 三つ目の質問に入らせていただきます。乳幼児医療費助成制度についてであります。
 県は、今年度からこの乳幼児医療費助成制度の対象年齢を拡大し、通院についても小学校入学前までを助成対象とすることにしました。所得制限が新たについたものの、これは長年の県民要求にこたえたものであり、大変積極的なものだと評価をしてまいりました。
 この助成制度は、実施主体が市町村であり、十月一日からのスタートに向けて、それぞれの実施要綱が出そろってきたというふうに思います。今回、県が導入した所得制限を設けずに計画をした市町村もかなりあると聞いています。また、和歌山市では、対象年齢を入院については小学校卒業前までに拡大をしたといううれしい知らせも聞いています。
 私は、子育て支援という意味で、財政が厳しい中でも、こういった計画を持った自治体を積極的に評価をすべきだというふうに思います。県もこの後押しを受けて、今後、所得制限の廃止や対象年齢の引き上げなど、一層の改善策を検討すべきではないでしょうか。福祉保健部長より、県内の実施状況とあわせて御答弁を願います。
 四つ目の柱である郵便局再編の問題に移らせていただきます。
 このたび、郵政民営化への準備として、郵政公社は全国的な事業再編に乗り出しました。その一環として、県内でも十七の集配局が廃止をされ、近隣の局にその機能が統合されることになっています。この再編計画で住民へのサービスがどう変わるのかという心配の声が県内各地から上がっています。
 私が住む有田地方でも、有田川町の旧金屋町にある金屋郵便局と旧清水町にある押手郵便局が集配局でなくなり、それぞれ湯浅局、それから清水局に業務が統合されます。私は、これによってどう影響が出るのか、お話を伺いに二つの郵便局を訪ねてまいりました。両局の局長さんは「サービスの低下はありません。不在郵便物も、局で預からずに毎日配達に持って出るようになります」、丁寧に説明をしていただきましたが、その地域や配達実態を聞けば聞くほど大変さが実感できました。
 例えば、金屋局では外勤職員が九名いらっしゃいます。一日平均三千八百通の郵便物と、それから三百部程度の新聞の朝刊郵送も預かっているそうです。外勤職員の方は、朝九時に局を出てから夕方四時半ごろまでかかって、お昼も局に戻らずに配達や貯金、保険の業務に一軒一軒回るということです。
 旧金屋町というのは、谷が手のひらのように放射線状に伸びていて、地形的には大変山間僻地を抱える局です。この外務員さんが、分社化ということで郵便業務と貯金・保険業務が分けられることによって別々の職員になって、それぞれの人が湯浅にある湯浅局の統括センターからバイクで別々に回る、こういうことになるそうです。広範な山間部に点在するその御家庭を回るのに、郵便、貯金、保険の三つの業務を一まとめにして回っていたからこそ効率的だったものが、別々に回ることによってかえって一人一人の職員の受け持ちエリアも広くなって、これまでのようなサービスが維持できるかどうかは甚だ疑問です。
 旧清水町の過疎地にある押手郵便局では、三名の外勤職員が地域を回っておられました。ここでは、ひまわりサービスの話が出ました。ひとり暮らしのお宅には、ポストに郵便物を入れるだけではなくて、「おばちゃん、郵便やで。調子どうな」、こう言って一声かけて安否確認をするひまわりサービスというのが旧清水町と協定を結んで行われてきました。これが遠い局から広い地域を担当して回るということになれば、こういったきめ細やかなサービスが続けられるのかも不安になります。
 また、この局長室には簡易保険の成績優秀という賞状が所狭しと並んでいたんですけれども、これは職員さんの頑張りとともに、こういう僻地では、民間の保険業者は経費の関係で余り入ってこない、そんな中で、地域からはやはり頼りになる相談相手なんだなという感じを受けました。
 今回の再編を民営化、分社化に伴うやむを得ない措置なのだと郵政公社は説明をしますけれども、集配局から外れることにより、地域に働く場がなくなることは事実です。当該局としては集配業務がなくなって仕事が減るわけですから、窓口業務だけでこういった僻地の郵便局の経営がこれから成り立っていくのかどうかは非常に困難であり、民営化後に赤字局の統廃合などということにされるのは目に見えています。国鉄民営化でも同じような道をたどったんではないでしょうか。
 今回の集配局再編計画では、県内の対象局は十七局ですが、再編計画の今回の基本というのは、郵便番号仕分け機というような施設を置く統括センターと言われる局、この大きな局への二段階的な集約ということにあるわけで、配達センターを残すというのはその過渡的な措置にすぎないわけです。ですから、先々統括局に統合をされていくことになります。
 近畿圏内の各府県のこの統廃合の計画数というのを調べてみますと、大阪は今ある集配局七十七局が統括センター六十八局に集約ということで、九〇%が残るんですね。これに対して、京都は七十四局が二十七局に減って三六%に、兵庫は百四十二局が四十六局で三二%、奈良県は五十九局が十五局で二五%、滋賀は五十三局が十二局で二三%。そして、これらを上回って和歌山県では六十七局が十二局になってしまい、何と一八%にまで減ってしまいます。削減率、近畿でナンバーワンということになります。こういった意味でも、郵政民営化とこの郵便局の再編で和歌山県は近畿で最も大きな影響を受ける県だと言うことができると思うんです。
 このまま二段階的統廃合が進めば、郵政民営化法案の審議の中で、特定集配局は地域の中のネットワークの中心であり価値は高い、こういったこととか、過疎地の郵便局は維持される、郵政民営化でサービスはよくなると、こういうふうに平気で答えた竹中大臣や小泉首相の答弁を根底から崩すものとなっています。
 私たちは、地元自治体などの反対を押し切って統廃合を強行するなと主張してまいりましたが、県として、この集配局廃止統合と、それから郵政民営化による影響というのをどう見るのか。また、サービス低下や過疎地、地方切り捨てということにならないよう郵政公社や国に対して働きかけるべきではないか、この二点については木村知事より御答弁を願います。
 五つ目の水環境条例の問題に移らせていただきます。
 私は、これまでの質問で、河川の水質向上、水源の保全、濁水対策などからも水環境条例というのも制定をして、これを契機に和歌山県の豊かな自然環境を守り、はぐくんでいく、そういう取り組みが必要だと訴えてまいりました。
 このほど、私ども共産党県議団では、近年、同様の水環境とかかわる条例を整備した岩手県と宮城県に出向いて調査をしてまいりました。この地はリアス式海岸の良好な漁場を持つ地域であり、「山は海の恋人」と、こういうスローガンのもと、漁師が山へ登って植林運動に取り組み、全国に広がっているその運動の発祥の地でもあります。
 北海道と秋田、岩手、青森の東北三県は、知事会議の合意事項ということで、知事が相談をして、一道三県が同様の水循環を大切にする、そういう条例を整備しようということになって、岩手県では、ふるさとの森と川と海の保全及び創造に関する条例、こういう名前の条例をつくっています。また、宮城県では、ふるさと宮城の水循環保全条例、こういう名前で、こちらの方は、当局提案でなくて議員提案でできた条例であって、約二年間の議論の上に条例を制定していました。それぞれこの条例に基づいて河川流域ごとの地域の水環境保全計画、これを地方事務所、振興局単位に立てて事業に取り組みを始めていました。
 私たちは、県当局からお話を伺うとともに、漁民が声を上げたその現場にも出かけました。その「森は海の恋人」等の多くの著書で有名な畠山重篤さん、この方に、気仙沼のカキの養殖場で直接お会いしてお話を伺う機会を得ました。畠山さんの著書は学校の教科書にも掲載をされていますし、ことしの三月にも、和歌山市で開かれた紀の川流域十二市町村による吉野川・紀の川流域協議会、この水環境に関する講演会にも招かれているので、話をお聞きになった方もいらっしゃるかもしれません。
 私は初めて畠山さんのお話を聞かせていただいたんですが、大変感動いたしました。リアス式海岸の「リアス」という言葉は、スペイン語の「川」という語源があって、「川が削った湾」という意味で、川と海は切っても切れない関係だということから始まって、この気仙沼など海の漁業資源が豊かなのは、川の上流の山が鉄分やカルシウムなどを初め豊かな栄養分を運んできてくれているからなんだと。山があり、川があってこそ、プランクトンが育ち、海藻類や魚介類が育つのだということ。
 このわかりやすい例として、ほぼ同じ大きさである鹿児島湾と東京湾、これはどちらが漁獲高が大きいかという話になって、鹿児島湾は火山活動によってできた湾だから流れ込む大きな川がなくて真珠の養殖もできないということに対して、東京湾は、水質はよくなくても流れ込む多くの河川からもたらされる山からの豊かな栄養分によって何と三十倍もの多くの魚がとれる、そういう話を聞いて私もびっくりいたしました。
 また、三陸と和歌山の不思議なつながりについても教えていただきました。畠山さんたちの気仙沼の漁師が植樹をしている山は室根山という名前の山なんですが、この「ムロ」という名前は和歌山の熊野大社からいただいた名前で、東牟婁、西牟婁の「ムロ」と語源が同じだということや、カツオ漁で漁師同士の交流などもあるというようなことも紹介されました。
 また、カキの養殖の勉強で訪れたヨーロッパの話にも飛んで、「世界遺産で和歌山の先輩であるガリシア地方は、スペイン無敵艦隊のあの木造船をつくる材木、これを供給した『湿ったスペイン』と言われる木材王国で、高野・熊野の和歌山と共通点がありますね」と、「自然科学だけでなく、歴史や文化も重ね合わせるとおもしろいですよ」と話をされました。
 お話を伺って、山は山、川は川、海は海というふうに自然環境の問題を個々ばらばらにとらえるんじゃなくて、地域や縦割り行政の壁を超えて、森林から河川、そして沿岸へと流域単位で物事を考えないといけない時代だということを改めて痛感をいたしました。
 ここで、県内の河川に注目をいたしますと、紀の川や熊野川などの一級河川、国管理の河川では、国が流域委員会を住民参加で設けるなどの試みを始めました。また古座川では、古座川流域委員会が幅広い行政と住民、研究者によって活動をスタートしています。
 考えてみると、私どもの有田川など県内の河川は、いずれも流域面積が五百平方キロメートル前後のコンパクトなものであって、地域住民にとっても、その流域全体をイメージしやすい、そしてまた、頑張って取り組んだらその効果も目に見えてあらわれやすい、こういう地理的条件を備えていると思うんです。この和歌山でこそ、山、川、海の豊かな自然環境を統一的に生かしていく施策が必要であるし、そのことがかけがえのない和歌山の自然環境を磨き上げる原動力になると考えます。
 私は、環境問題に熱心な県として行政と住民が力を合わせて流域単位で取り組んでいく必要があると考えていますが、現在、県内では、流域単位での環境保全、向上の取り組みはどの程度取り組まれているのか、その状況をお示しいただきたいと思います。環境生活部長より御答弁をお願いいたします。
 さて、最後に紀の国森づくり税についてお伺いをいたします。
 私は、去る二月議会でもこの森づくり税への県の対応を質問し、この税は、早期導入を求める声もある一方で各界から批判意見が相次いだというこの経過を踏まえ、県民に対する説明会や意見交換会を持って十分に対話と説明を尽くすべきではないかと申し上げてきました。
 県としては、この間、各振興局単位に、南から順番に九回の説明会を開いてきました。私も有田振興局の会議室で開かれた説明会に参加し、説明会の様子を聞かせていただきました。しかし、参加者はわずか二十九名でした。資料を取り寄せてみますと、九回の説明会の平均参加者数はわずか二十五名です。和歌山市では、説明会が川南と川北と二カ所持たれましたが、県民文化会館が三十人、紀北家畜保健衛生所では十二人だったそうです。これは結果として大変お粗末だし、これをもって県民に説明をしましたと言われては困ると思うんです。
 また内容も、税の仕組みにかかわる、どちらかというと実務的な説明が大部分で、森林の現況とか税の使い道についてはほんのわずかな説明だけでした。有田での会場から出された意見というのは、「使い道もはっきりしないものを県民に押しつけるのは納得できない」と、こういう批判的な意見ばかりでした。
 一方、税の使い道について検討している紀の国森づくり基金活用検討会においても、アンケートや説明会の規模、県の取り組みの姿勢について不満の声も数多く出されたと聞いています。私は、これらの状況から、到底来年度から森づくり税の導入ができるような状態ではないと考えています。
 そこで、総務部長にお尋ねをいたします。
 県内各地の説明会で出された意見の特徴はどうであったか、また説明会を通じて県民合意は進んだと言えるのか、この二点についてお答えをいただきたいというふうに思います。
 以上をもって、私の第一回目の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの松坂英樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 郵便局の再編問題についての御質問でございます。
 郵政民営化に伴う郵便局の再編は国民の利便性をしっかり守って行われることとなっておりますが、中山間地域においては郵便局は地域唯一の金融機関として国民生活と密着をしておりますので、特に窓口業務のみを行うこととなる郵便局が所在する地域において住民の利便性が損なわれることがないよう再編後の状況を県としても十分注視していきたいと、このように思っております。
○議長(向井嘉久藏君) 環境生活部長楠本 隆君。
  〔楠本 隆君、登壇〕
○環境生活部長(楠本 隆君) 鳥獣被害対策に関する三点の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、イノシシの特定鳥獣の指定についてでございますが、中山間地域におけるイノシシによる農作物被害の問題につきましては、これまでも県議会におきましてさまざまな御議論を賜っておりましたが、これらを踏まえまして、今年度、イノシシ保護管理計画検討会を立ち上げ、イノシシに係る特定鳥獣保護管理計画を策定し、捕獲を一層促進するため、狩猟期間を延長するなど対策の検討を始めたところでございます。今後は、この検討会の検討結果を踏まえ、特定鳥獣保護管理計画の策定作業を迅速に進めてまいりたいと考えております。
 次に、鳥獣被害対策への支援強化についてでございますが、農作物に被害を与える有害鳥獣の捕獲は、市町村が積極的に取り組んでいる重要な被害対策の一つでございます。県といたしましても、その重要性にかんがみまして、捕獲に要する経費や捕獲用おりの購入に要する経費に対し、有害鳥獣捕獲事業等補助金を交付して市町村への支援を行っているところでございます。
 また、これとは別に、平成十七年度から、有害捕獲許可を受ける従事者に必要な狩猟経験年数の条件を緩和するとともに、イノシシの捕獲許可日数や一人当たりの捕獲数を拡充するなど、許可基準の見直しを行い、効果的な捕獲の推進に努めているところでございます。最近の鳥獣被害の拡大を踏まえまして、市町村が取り組む有害捕獲に対しまして、今後とも引き続き積極的に支援をしてまいりたいと考えております。
 次に、有田川中流部の猿対策についてでございます。
 タイワンザルは、もともと日本に生息していたものではなく、人間により持ち込まれた種であるため、タイワンザルの増加によりニホンザルが減少することは本来の生態系に被害を及ぼすという問題が生じております。タイワンザルは一般的にはニホンザルと比較して尾っぽが長いと言われておりますが、それだけでは十分な確認が難しく、タイワンザルとニホンザルを正確に区別するためには適切な調査とそれに基づく分析が必要であり、またそれらに伴う経費と時間も必要になってまいります。
 御指摘の有田川中流部の猿につきましては、有田川町を通じまして地元の住民の方々の目撃情報等を収集、分析いたしまして、今後の対応を検討してまいりたいと考えております。
 次に、流域単位での環境保全の取り組みについての御質問でございます。
 本県は、多くの自然豊かな河川に恵まれております。そして、そのすべての河川においてその清流を守っていくことが県民すべての思いでございます。本県では、恵み豊かな自然環境を守り育て、そして次世代へ引き継ぐことを目指して、環境基本条例に基づき環境基本計画を策定しております。
 この中で、環境林整備面積や間伐実施面積、汚水処理人口普及率などに目標値を設定するとともに、例えば企業の森や漁民の森に係る育成支援、特定流域への水質上乗せ基準の適用、下水道等の生活排水処理施設整備、藻場、干潟の保全など、健全な水環境の確保に寄与するために山、川、海に関する環境関連諸施策を関係部局と連携しながら総合的に進めているところでございます。
 議員の御指摘にもありましたように、各流域にはそれぞれの地域特性があり、これらを踏まえた取り組みが重要であるものと認識をしておりますので、今後、流域単位での検証につきましても研究を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(向井嘉久藏君) 農林水産部長西岡俊雄君。
  〔西岡俊雄君、登壇〕
○農林水産部長(西岡俊雄君) ポジティブリスト制への対応につきまして、議員お尋ねのドリフト防止ネット等への支援につきましては、現在、該当する助成制度はございません。しかしながら、防止ネットにつきましては、防除暦でありますとか、あるいは低減ノズルの使用などとともに周辺農作物への農薬の飛散に配慮するというドリフト対策の一つでございますので、産地の特性など、引き続き生産農家の意見も聞きながら技術面また経費等経営の両面からも検討をしてまいりたい、このように考えてございます。
○議長(向井嘉久藏君) 福祉保健部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○福祉保健部長(小濱孝夫君) 乳幼児医療費助成制度について、県内自治体の実施計画状況はどうか、今後、所得制限廃止や対象年齢引き上げなどの改善を検討すべきではないかということについてお答えいたします。
 乳幼児医療費助成制度につきましては、乳幼児の疾病の早期発見と治療の促進及び子育て家庭の経済的負担の軽減を図るため、通院医療費の助成対象年齢を三歳未満から義務教育就学前の児童まで拡大し、各市町村において本年十月から実施いたします。
 所得制限を設けるのは十四市町村、設けないのは十六市町村で、和歌山市では入院の対象年齢を拡大しているところでございます。
 議員御提案の所得制限廃止や対象年齢引き上げにつきましては、本制度は他府県の状況等を踏まえ必要性や効用等を十分勘案したものであり、この十月からスタートするものでありますので、御理解いただきたいと存じます。
○議長(向井嘉久藏君) 総務部長原 邦彰君。
  〔原 邦彰君、登壇〕
○総務部長(原 邦彰君) 紀の国森づくり税についてのお尋ねがありました。
 この税については、「県民の友」などによりPRするとともに、八月二十一日から九月四日の間、県内計九カ所において、税の趣旨の理解を得ることと使い道の御意見をいただくことを目的として説明会を開催したところであります。
 その説明会で出された主な意見としては、使い道が明確になっていない、あるいは既存予算で実施すべきといった意見もありましたが、一方では、森林の本来機能を回復させるためには税額をもっと高くすべき、郷土の自然を保護していく観点から親しみやすい税である、里山整備や学校教育などの身近な事業を行ってほしいという前向きな意見もございました。この説明会によるアンケート調査では、出席者の七割近くの方から、この税について理解ができたと回答をなされております。
 いずれにしても、今後とも県民の一層の御理解と御協力を得るため、引き続き説明会の随時開催を行ったり、さらには、御指摘にもありました税の使い道の概要が定まった以降、啓発用パンフレットの作成・配布など、周知啓発活動に取り組んでまいります。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十一番松坂英樹君。
○松坂英樹君 知事並びに関係部長から御答弁をいただきました。二つ要望を申し上げて、一つ再質問をさせていただきたいと思います。
 一つ目は、乳幼児の医療費助成制度についてであります。
 部長からは、県内三十市町村のうち十六の、半数以上の市町村でこの所得制限なしの制度が、要綱がつくられたという答弁があったと思います。これは大変積極的なことで、歓迎すべきだと思います。
 今後のことについて聞いたわけですが、今、制度がスタートしたところなのでという答弁、次をせかすようでなんですが、これ、大事なとこだと思うんですね。有田振興局の管内でも、所得制限を設けなかった自治体が二つ、設けた自治体が二つというふうに半々に分かれました。対象年齢が拡大されたということは本当にどこへ行っても今喜ばれておりまして、胸を張っていい施策だというふうに思うんですが、住民にとっては、所得制限があったりなかったりという点では戸惑いがあるし、市町村としては胸を痛めているとこだと思うんですね。
 今回のこの半数を超す自治体が所得制限なしで制度をつくったということや、さらに対象年齢を拡大した和歌山市などを積極的に評価して、今後のさらなる改善に向かっていただくように、重ねてこれは要望をしておきたいというふうに思います。
 それから、郵政民営化の関係で要望です。
 今回、この問題で私、質問を準備して、担当課から状況を聞こうと思ったら、何と、県の組織にこの問題を担当する組織・課が存在しないということがわかりまして、だれが答弁するのかと大変だったようでありますが、県民、特に過疎地の住民や自治体が心配しているときに、県としてこの問題に心を痛めている部署や職員がいないということに、私ははっとさせられたんですね。
 私が指摘をしたかった今回最大の問題は、郵便局再編というのが来年十月の民営化を挟んで段階的に二段階で連続的に行われる予定なんだということで、それは、三月の三十一日付の郵政公社の文書であるとか、昨年十一月の公社の文書なんかでも、そのねらいというか、先行きが明らかにされているわけなんですね。その影響は、過疎地を切り捨てたり地域のネットワークを低下させるという事態を招く。これは本当に大変なことなわけで、県民、市町村とともに、この過疎地や地域のネットワークづくりに心を砕き、そして物申すべきはきちんと申していただくよう、重ねてお願いをしておきたいというふうに思います。
 それから最後に、総務部長に森づくり税のことで再質問をさせていただきたいと思います。
 答弁の中で、説明会のアンケートによると七割の方が理解できたと回答されているというお話もありました。意見も、こういう意見もあればこういう意見もあるというふうに、並列的に御答弁をされてて、聞いてたら、あれあれというふうに私は思ったんですが、何かこう県民理解が大きく進んでいるかのように聞こえるような答弁であったかと僕は思うんです。これは違うと思うんですね。
 部長、どっかの説明会に出席されたのか、アンケートを書いたのを見たのかどうか、私、知らないんですが、私は説明会に参加もさせていただいて、アンケートも書かせてもらいました。それで、このアンケートなんですね。(資料を示す)設問はこんなんなんです。性別や年齢、職業を書く欄があって、その次の第一問に、「本日御説明させていただいた内容について御理解いただけましたか」、「理解できた」、「余り理解できなかった」と。これにすぐ丸をしなさいということで、何か授業を受けた後のテストみたいな、そういう設問なんですね。
 税の使途や税負担のあり方などいろんな角度から参加者の意見や思いを聞いた後で、最後に、今回の森づくり税の趣旨に御理解をいただけるでしょうか、御協力いただけるでしょうかと、こういう聞き方なら私もわかるんですけども、今回のアンケートは、この職員の税の仕組みの説明がわかったかわからなかったかみたいな聞き方で、非常にお粗末なものだと私は思っています。
 また、説明会で出された意見も、並列的に報告されていましたけども、会場の意見としては導入に批判的な意見が圧倒的に多かったというふうに私は聞いています。
 私、再質問で言いたいのは、そのアンケート自身はお粗末なんだけども、アンケートが不十分だということを問題にするんじゃなくて、今回の説明会の参加状況や今回のアンケート結果でもって理解が進んだなんて思われては困る、そんなふうにとれる答弁をされては困るというふうに思っているんです。
 税の使途について県民の疑問が多い中で、こういったものにこのぐらいの予算で使う予定にしてるんですというような例示もできない中での説明というのは、やはりおのずと限界があります。説明会での質問に対する職員の受け答えにも、その面での苦労が、私、にじみ出ていたというふうに思うんですね。
 今回、九回持ったこの一連の説明会というのは、まず県民への説明の第一歩という位置づけじゃなかったんでしょうか。使い道や導入に向けてのプロセスなども含めて、もっともっと県民の理解と納得を得てこそ県民運動になるというふうに思うんです。
 説明会も、それなりに宣伝もしたと。アンケートの感触もよかったと。あとはこの調子でパンフレットとかつくっていけば説明責任は果たせるというような感覚なんでしょうか。もしそうだとすれば、県のとらえ方は甘過ぎると言わざるを得ません。今回の説明会、一体県はどんなふうにとらえていらっしゃるのか、私の質問にもう一度お答え願いたいと思います。
○議長(向井嘉久藏君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 総務部長原 邦彰君。
  〔原 邦彰君、登壇〕
○総務部長(原 邦彰君) 県民の理解についてのお尋ねでございましたけれども、御答弁申し上げましたとおり、これで十分ということではなくて、引き続き説明会の随時開催ですとか、それから、特に税の使い道について明らかになってないというような御批判もあったようでございますので、特にその点についての検討も進めて、ある程度その概要が明らかになった段階で引き続き周知啓発活動に努めてまいりたいと思っております。
○議長(向井嘉久藏君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 四十一番松坂英樹君。
○松坂英樹君 答弁いただきました。今後、本当にその検討会なんかの答申も受けて、使い道とかいうことについて県民とキャッチボールしていくことになるんだと思うんですが、先ほど水環境で調査に行った岩手でも、使い道をどうするかというのは随分議論をされて、いわゆる啓発のソフトに半分、ハードに半分といったような使い方をしている高知の例とか、いろいろあったんだけども、岩手はもうほぼ全額を森林整備に使って、目に見える効果のある使い道をしなければ県民の理解が得られないというような議論をずうっと重ねる中で事業をしているというようなことも聞かせていただいたんですね。ですから、この県民とのキャッチボールが僕は大事だと思ってるんですね。
 だから、この税の成立過程、これ見ましても、県民の理解と納得を得て進めようとしてこなかったし、到底この森づくり税を来年から強行できる状態じゃないということは、私は重ねて申し上げるんですけども、そういった点で、ぜひ県はきちっと真摯な姿勢で説明責任を果たすように、重ねてこれは要望しておいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 以上です。
○議長(向井嘉久藏君) ただいまの発言は要望でございましたので、以上で松坂英樹君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後一時四十九分散会

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