平成18年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 十三番向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 議長のお許しをいただきましたので、最後の一般質問でございます。お聞きいただきたいと思います。
 私は、きょうは、団塊の世代について、またその後の世界遺産について、また釣り客にターゲットを絞った観光行政についてお伺いしたいと思います。
 一般質問に入る前に、団塊世代のことでございますが、町田会長を長といたしまして、私ども自民党議員団の中で福祉議員連盟というのを結成しておりますが、去る六月一日に北海道は伊達市に研修に行ってまいりました。大きな規模でやっている特養──ここは初め特養でスタートしたのですが、既に病院を二カ所も経営しているという、すごい福祉事業を展開しているとこでございまして、もう一カ所は伊達市でございました。伊達市の地域支援センターを研修さしていただきました。そこで私は、私なりのちょっと誤解があったなあというふうに思ったのは、お年寄りや体の御不自由な方を受け入れる政策はお金ばかりかかって市の出費が非常に高くつくという誤解がありました。それが払拭された思いで研修をさしていただきました。
 といいますのは、後から述べますが、本和歌山県もわかやま田舎暮らしということで調査した結果が出ておりますが、決して決してそうじゃなくって、やはり大勢の方々がそれぞれのところへ住んでいただくことによってその町が活性するということを研修さしていただいた次第であります。
 既に二〇〇五年から伊達市は団塊の世代の移住の受け入れに対応しておりますし、また四百人もの障害を持った方々がそれぞれ自立して町の中のマンションとかアパートとか、また民家を借り上げて生活をしている。たった二万五千人の町でありますが、その中で四百人もの障害の方が自立して暮らしている。こういう研修をさしていただいて、最近にない本当に価値のあった研修だったなあという思いで帰ってきて、この団塊の世代について質問さしていただこうと、こういうふうに思った次第でございます。
 したがって、団塊の世代とはいかなる世代なのかということを、ちょっとくどいようですが、御説明を入れながら質問に入らしていただきたいと思います。
 いわゆる団塊の世代があと二年で定年を迎えます。このことは、日本にとって、また和歌山県にとってどんな意味を持っているのかを考えてみました。
 まず、団塊の世代というと、一九四七年(昭和二十二年)から四九年の三年間に生まれた八百六万人を指すようでありますが、シニアマーケティング的に解釈いたしますと、この三年間の人々と学校生活並びに家庭生活をともに過ごした人々が同一であるというふうに解釈するのが妥当のようでございまして、後の二年を加えまして五年間の人、すなわち一千万人がそのシニア時代の対象者というようになるようでございまして、この一千万人という人々の大きな固まりが、いろいろ生まれたときから日本のあらゆるものに関係してくるということでございます。
 今後いろいろな施策を考えていく上で、この一千万人は避けて通れない数であります。いわゆる団塊の世代への対応であります。生まれたときは「ベビーブーム」という言葉がつけられました。以来、この皆さん方はスポットを浴び続けるわけであります。日本の経済発展に少なからず影響を与え続けているのが、この団塊世代であります。
 団塊の世代とは本当はどのような世代なのかについては、多くはあいまいなイメージでしかとらえられていません。現在の日本の人口が約一億三千万人ですから、一九四七年から五年間で一千万人、全人口の約八%弱を占める最大のボリュームであります。その直前の昭和二十一年と比較いたしますと、急激に人口が増加いたしました。前年に比べて五九・六%が急増しているわけでございます。これが五年間続くわけでございます。これが団塊の世代が注目される最も大きな要因であります。つまり、それ以前を対象とした社会的インフラ、キャパシティーでは対応できなくなっているのであります。あるいは、人口を前提として行われてきた社会生活などの運営ルールが変更を余儀なくされてしまう現象が発生しております。
 例えば、彼らが学齢に達すると──学校へ行く年ですね──学校数、教室数、教師など、すべてが不足してしまう現象を引き起こしました。これが学校の新設開校を呼びました。一方では、名門校と呼ばれる学校への入試倍率が急に高くなりました。結果的に「受験戦争」なる言葉が生まれ、社会の価値観そのものが変わっていくのであります。
 今、団塊の世代が注目されているのは、彼らがライフステージ上の大きな変化期に突入したことであります。定年退職後の社会生活あるいは子供が独立した後の新たなるライフステージでいや応なく対処せざるを得ない時期にもかかわらず、インフラも運営ルールもスムーズに対応できるような十分な準備がなされていないという社会状況であります。社会問題が生じることが予想されるところであります。今後、国を初めとする地方自治体は、この五年間のシニア世代への取り組み方を従来とは大きく変化させていかなければなりません。
 団塊の世代の特徴は、彼らが初めて戦争の体験を持たない世代であり、戦後の社会的ムーブメントや社会環境変化をすべて体験してきている特異な世代と言えます。戦争の体験を持たないということは、それ以前の私のように戦前の教育や価値観の影響を受けずに育ってきたということであると思います。
 この年代上の対立構造を理解した上で、それぞれの年齢のときに呼ばれた名称を挙げてまいりますと、何に対して興味を持ち、どのような共通体験を過ごしてきたかがわかるのでございます。彼らが十代中盤の折には「グループサウンズ世代」、十代後半では「全共闘世代」、また二十代前半では「フォーク世代」、二十代中盤では「ニューファミリー世代」、こういう名称がつけられております。また、これらの代表的な呼称以外にも、女性の場合の「アンノン族」「クロワッサン世代」、また男性の場合は「企業戦士」などがございます。
 私見ではありますが、団塊の世代の特徴的な傾向として、おのおのの人間として個性的でありたいという強い望みを持ちながらも集団としての呼称を与えられてしまったという点であります。
 彼らは常に以前と異なる新しいことを始めることになるのですが、これが後に続くロールモデル──役割モデルでございますが──となる傾向が強いとも考えられ、常にトップランナーでいるとの意識が強いようであります。
 一方、特徴的な共通事項としては、意外なようでございますが、その多くが地方出身者で、都会生活を営みながら幼少時代の思い出を多くの人が保有している、ただ一つ、唯一の世代でもあります。
 このような世代体験の影響ですか、老後や余暇は自然と触れ合いたいと願っている人が多いようでございます。事実、「定年帰農」──定年後は出身地に戻って農業を営むという定年帰農でありますが──と呼ばれる現象や、アウトドア志向、田舎暮らしなどの自然回帰に対してより強烈な関心を寄せているようであります。
 ここで、「日経ビジネス」アンケート調査の結果がおもしろい推論を展開しておりますので紹介いたしますと、退職後の移住について、「国内外にあなたは移住したいですか」と、こういうアンケートを実施しておりますが、「移住したい」という人が四九・五%。今の都会では住まないという人が半分近くいる。その内訳は、「国内で過ごしたい」というのが三分の二、「海外で過ごしたい」という方が三分の一であります。「思わない」という方が三七・八%、「わからない」という人が一二・七%。こういうふうになっております。
 以上の結果を踏まえまして団塊世代の国内移住者数を見積もると、三百三十万人となります。この人たちはあくまでも国内移住に関心を持っている方々の数であり、非常に高い確率でロングステイや下見ツアーや一カ月から三カ月ぐらいの体験ステイを実行したいと、このように考えておる。これはあくまでも受け入れ体制が整っての話であります。
 この世代はどのくらいのお金を持ってるんかなと、こういうことをちょっと調べましたら、専門の調査機関の試算では、平均的金融資産は二千万円、またこれらの方々に支払われる五年間の退職金の総額は百七十兆円と試算されている富裕層であります。このことから、彼らの移住を和歌山県にと決めていただくためにも積極的な取り組みを望みたいのであります。この方々が決断するのは、これから五年の間であります。早急な受け入れ体制を、積極的な取り組みをお願いしたいと思うのでございます。
 ちなみに、本年から和歌山県もわかやま田舎暮らし事業を実施するということで発表しております。その中で、団塊世代の和歌山移住に係る経済波及効果として、財団法人和歌山社会経済研究所が団塊世代が県内移住した場合の経済波及効果を試算した結果、多大な生産と雇用の誘発が期待されると推計しております。また、懸念しておりました市町村の医療費等の公的負担の増大についても、それを上回る税収が確保されると推計されております。
 ちょっと数字的に申し上げますと、五百家族千人が和歌山県に移住してきていただいた場合という設定で調査しておりますが、三十年間の生産誘発額総額というのが七百三十億と。すごい額ですね。それから、三十年の間に医療費等の公的負担が十一億、三十年間の市町村税の誘発額が二十五億円、こうあります。この五百家族千人の方々が出費する費用を換算すると観光客五万人から七万人に匹敵する、こういうふうにこのわかやま田舎暮らしの調査で発表されております。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 労働力としての受け入れについて、また富裕購買層としての受け入れについて、また三つ目には庁内横断的な新組織として団塊世代対策課室の設置についてということでお伺いしたいと思います。
 次に、その後の世界遺産について御質問いたします。
 その質問に入る前に、せんだって、六月の十五日、十七日あたりの新聞にとんでもない記事が載っておりました。というのは、世界遺産に登録されているかつらぎ町の天野の丹生都比売の神社です。そこで、そこの神木とされている百年以上たった木に穴をあけて除草剤を入れて、その木を枯らそうということですね。既に木の葉っぱが茶色くなっていると。穴あけたとこは、その木の皮でふたしてあったから長いこと気つかなんだと。ここの神社の宮司さんが何か変なので調べてみたら、そういうことをしてあったということで警察に届けたと。こういうとんでもない人がおるということですね。これはその新聞の紹介でありましたが、世界遺産について御質問さしていただきます。
 平成十六年七月一日、和歌山県にとっては記念すべき日となりました。高野・熊野が世界遺産に登録されるということが中国で開かれたユネスコの会議で決定されたわけですね。あれから二年、華やいだ騒ぎが一段落した今、いよいよこれからが正念場であります。
 私は、平成十五年十二月議会で、高野・熊野が世界遺産に登録されればと、大いなる期待と不安を感じながら質問をいたしました。登録されれば、その周辺の我が橋本市、伊都はどのようにお客様を迎えれるように協力したらいいのか、また、私としては個人としてはどのように対応したらええのかなと、こういうふうに質問いたしました。その中で考えたのが、お客様に喜んでいただけるのは、花を植えよう、それじゃ木を植えよう、桜一万本を植えよう、「桜一万本の会」を立ち上げようということで、NPO法人を立ち上げました。立ち上げて、ことしの冬にちょうど二千本の桜を植栽いたしました。まだまだ一万本にはほど遠いですが、これからも頑張っていきたいということでございます。
 この一般質問の中で、交通渋滞について御質問申し上げました。また、排ガスによる環境不安についても御質問さしていただきましたが、その後どのように取り組んでおられるのかもあわせて御答弁いただければありがたいと思います。
 高野山に絞って質問さしていただきます。
 過日、高野山に行ってまいりました。当日は汗ばむ陽気で、奥の院の駐車場には十数台の大型観光バスが駐車しておりました。エンジンは切られておりませんで、むんむんとする排ガスが周辺に漂っておりました。このようなことが続いたら、早晩、高野山の杉木立は立ち枯れするん違うかなと、非常に心配でございます。
 紀伊山地の自然がなければ成立しなかった霊場と参詣道、及びそれらを取り巻く文化的景観が主役で世界遺産に登録された。そういうことを考えれば、我々はこれを忘れてはならないし、努力を怠ってはならない、このように思うわけでございます。CO2の削減の見地からも、早急に抜本的な対策を講じる必要がございます。
 高野山へ車で参詣された方々はお気づきと思いますが、あの国宝の大門から奥の院までの高野のメーンストリートとも言うべきこの道路の両わきに立ち並ぶ家々、高野山の雰囲気に似つかわしくない建築物も点在しております。最近、外国人の高野山への参拝も、訪れる姿も多く見られるようになりました。彼らの目にはこの景観がどのように映っているのかな、日本人の私には感じられない何かを感じておられるんと違うかなと、こういうふうに思った次第でございます。
 そこで、私は企画部長にお尋ねしたいと思うんです。
 環境汚染対策についてお伺いします。
 それと、具体的にやっぱり何かこうやらないと、アイドリングストップというのは無理ですね。大型観光バスが入ってきて、エンジンをかけてだれがその中でおるかと言ったら、お客様のために冷房をしているということもあるでしょう。しかし、お客様は奥の院へ参拝に行って大体二時間から二時間半は帰ってこない。しかし、お客様をおろした後でも、エンジンを切らないでそのままバスが駐車しております。だれのため。バスの乗務員が二人、その中で涼んでおるわけです。外へ出たら暑い。そのためにバスが数十台並んで排ガスを排出しているわけです。幾ら言うてもやめてくれません。
 そしたらどうしたらいいんかということで、私は、アイドリングストップのためのバス乗務員の休憩室をつくらないと、これは何ぼ言うてもやめてくれない。ちょっとお金かけるだけでアイドリングストップがとまるんであれば、CO2の削減の見地から立って大したお金の節約になるんやないかな、このように思って企画部長に質問いたします。
 続いて、教育長に質問いたします。環境、景観の整備についてということでお願いいたします。
 三番目の観光行政についてでございます。
 せんだって、日本ヘラブナ選手権決勝大会というのが橋本市清水の隠れ谷池というところで開催されました。この決勝大会には百名の参加がありました。全国で四カ所、関東、東海、近畿、九州で予選がありました。それを勝ち抜いた百名──韓国の方も五名参加しておりますが、この大会がありました。
 橋本市は、御存知のように、へらざお生産日本一でございまして、九五%のシェアを持っております。そういうことでヘラブナ選手権大会が六月四日に開かれて大変なにぎわいでありましたし、反響も非常に強うございました。
 そういうことで、きょうは釣りについて──私、釣りはしないんですが、観光客としてのとらまえ方でひとつ御質問したいなというふうに思います。
 たかが魚釣りと言うことなかれ、魚釣りを楽しむ人を観光客ととらまえて、家族ごと誘客活動し、大勢の釣り客に来ていただくことは県経済の浮揚の一助になると思います。いかがでしょうか。
 和歌山県には釣り堀公園というのが四つございます。和歌山北港にある公園、それから和歌山港にある公園、それから下津にある公園、マリーナシティにある公園、それと釣り宿にお泊まりになって釣りに行かれる方々、この方々のトータルを集計すると年間百万人という数字を教えられまして、私、びっくりしました。これ、百万人はちょうど高野山に参詣する方々と同じ数字であります。ですから、この釣り客を観光客ととらまえてもっともっとアピールすれば、もっともっと多くの方々がこの和歌山の地に訪れていただけるんじゃないかということで質問さしていただくわけでございます。
 和歌山の海は非常にきれいでございます。また、海岸線も美しゅうございます。その上、魚影も多い。半島の三方を海に囲まれて、海岸線が六百キロ。まさに、これは和歌山県の宝でございます。その上、高速道路が南進──整備が進みまして、京阪神、特に大阪からの釣り場としての絶好の場所になりました。このことから、大阪の釣り客に対し積極的にアタックすることが大切じゃないか、こういうふうに思うんです。
 釣り客の受け入れについて。これは、体制の整備、釣り場にトイレを備えつけるとか簡易な売店をつくるとか、こういうことをすることによってなお一層釣り客としての観光客が来ていただけるんではないか、こういうことで釣り客の受け入れ体制について。
 また、パンフレット。パンフレットはいろいろつくっていただいておりますが、和歌山県の釣りだけのパンフレットというのはないんです。それで、これをつくりまして大阪の市内の観光案内所へ配布することによってより安価で大勢の観光客を受け入れられるんじゃないか、このように思ってパンフレット。
 また、ホームページ。これも立派なホームページつくっていただいておりますが、もうちょっと見やすいというんか読みやすい──この釣り場、目の下一尺余りの鯛を釣り上げた人の談話ですとか、そんなん載せてもうてもっと楽しく読めるホームページをつくっていただければこのホームページへのアクセスも進むんじゃないか、このように思っております。
 ホームページの充実を含む情報の提供について商工労働部長にお伺いいたしまして、一般質問を終わります。ありがとうございます。
○副議長(大沢広太郎君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 団塊の世代問題についての御質問でございます。
 御質問にもありましたように、団塊の世代というのはこの戦後の社会の中で非常に大きな役割を果たしてきて、会社等で今までいろいろ個性を生かしながら自己実現をしてきた世代であるわけですけども、これからは一般社会においてその自己実現を続けていく世代というふうなことになって大きな影響が見込まれるということが一般に言われているわけです。
 そういうふうな中で、和歌山県なんかの場合、人口が減ってきているので、何とかこの団塊の世代の人たちのエネルギーというものをこの和歌山へもう一遍引き戻すことができないかというふうなことで、これはもう和歌山県、かなり先進県だと思いますけども、まだ団塊の人たちはやめてないんですけど、やめる前から準備をしていろいろなことを進めています。
 一つには、和歌山出身の人で都会でずっと働いてきたと、だけど、やはりひととしとったんでふるさとへ帰ってみたいなと思うような人にいろいろな情報を提供して和歌山県へ帰ってきてもらうような方策。それからまた、アウトドア派という話がありましたけども、そういうふうな自然とか歴史にあこがれているような人に、和歌山はいいとこだからずっと住んでもいいし、そしてまた一生住むような形でなくてもいいけれども和歌山を第二のふるさとにしてもらえませんかというふうな運動、こういうふうなことをどんどん進めていこうと思っています。
 リタイアするわけですから労働力としてというわけにはいかないと思うんですけども、だけど、農業でも生産を目指す農業じゃなくて、やっぱり自分たちが地域とかかわりながらいろんなことをやっていくというふうな形での農業、そういうふうな第一次産業への参画ということもこの団塊の世代の人には僕は可能だろうと思います。
 そしてまた、御質問にもありましたように、この方々、まあみんながみんなじゃないんですけども、かなりお金も持っていて、またそういうことを自分のために使っていこうというふうな気持ちも強い人たちなので、そういうことについていろいろなメニューを和歌山県が提供することができれば、これは当然来てくれるというふうなことになるわけです。
 これも、今、非常に地域間競争の時代になっているので、和歌山県、近畿の中にあるという、ある意味での優位性というものを失うことなく対応していきたい。そして、そういうことを思い切りやっていこうということで、ことしの四月から総合帰住支援の窓口を農林水産部に置いているわけですけども、こういう施策もどんどん進んでいって、農林水産業関係だけじゃなくてもっともっといろんなほかの分野でもいろいろ考えられるということになってくれば、今も各部連携をとり合ってるんですけども、さらに新たなそういうふうな対応の組織をつくっていくということも十分考えられると思いますが、とりあえず今、四月にできた窓口を中心に、ほかの各部とも連携をとりながらどんどんこの団塊の世代対策を進めていきたいと、このように思っています。
○副議長(大沢広太郎君) 企画部長高嶋洋子君。
  〔高嶋洋子君、登壇〕
○企画部長(高嶋洋子君) 環境汚染対策等についてお答えをいたします。
 まず、平成十五年十二月議会におけます議員の御質問に対する経過を御報告いたします。
 高野山における交通渋滞、排ガスによる環境不安への対応につきましては、平成十六年度に県、近畿運輸局、そして地方自治体、交通事業者等で構成する高野山パーク&ライド実行委員会を立ち上げまして、平成十六年十月下旬から十一月中旬にかけての日曜、祝日、計五日間にわたって実証実験を実施いたしました。その結果、渋滞対策、環境保全、公共交通の利用促進に対しまして一定の成果が得られたものの、山上までの時間がかかり過ぎること、そして県外へのPR方法について工夫が必要であるといった課題があることから、高野町初め地元関係者と協議をしながら検討を進めているところでございます。
 また、議員御指摘のとおり、本県の世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」は、単に寺社や古道だけではなく、周辺の自然と一体化した文化的景観が高く評価された、世界でも類を見ない資産であります。
 世界遺産高野が将来にわたり世界じゅうから訪れる方々にいやしと安らぎを与える地として良好な環境を維持していくことは極めて重要な課題であり、現在、県世界遺産センターを中心に、文化的景観に関する理解と認識を深めるためのセミナー等、啓発活動を初め、保全活用推進のリーダーとなる人材育成にも取り組んでいるところでございます。
 今後も、環境との調和を目指し、関係部局や市町村と連携しながら、議員御提案のアイドリングストップに関するバス乗務員の休憩室の設置も含め、有効な保全活用方策を検討してまいります。
○副議長(大沢広太郎君) 商工労働部長下  宏君。
  〔下  宏君、登壇〕
○商工労働部長(下  宏君) 釣り客を観光客ととらえるという議員の御指摘は、まさにそのとおりだというふうに考えます。そうした観点から御質問にお答えしたいと思います。
 まず、釣り客の受け入れについてでございますが、御指摘にございました釣り場のトイレ等施設の整備につきましては、地域の意向を踏まえながら、関係部局と調整を図り、個別に検討を進めていく必要があるというふうに考えます。
 次に、釣り客に向けての情報発信についてでございますが、現状では、県の観光ホームページで、家族で楽しめる釣り場を中心に、主要四十カ所の概要、それから魚の種類、交通アクセスなどを紹介してございます。また、観光情報誌やパンフレットに各種の釣り情報を随時掲載をしているところでございます。
 今後とも、釣り情報の内容をより一層充実させるとともに、関係する事業者の皆さんとも連携をしながら、和歌山の海の魅力を積極的にPRしてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(大沢広太郎君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 世界遺産に係る環境、景観の整備についてお答えいたします。
 紀伊山地の霊場と参詣道の世界遺産登録に際しては、新しく文化的景観という考え方が重視されたことを踏まえ、高野町においては平成十四年に高野町の歴史と文化を活かした街並景観及び自然景観に関する条例を制定し、建物の高さや色彩等の外観について一定の規制を設けて景観の保全に努めております。
 これまで建物等の改修については八十四件の申請があり、条例に照らして許可されております。また、電線を地下に埋設するなどの改善も見られます。しかしながら、議員御指摘のように、文化的景観にふさわしくない建物も少なからず残されておるのは事実であります。
 県教育委員会としましては、高野町の条例の精神を生かした景観づくりに向けて、特に先導的役割を果たす公共施設の整備を初めとして、良好な町並み景観が形成されるよう、町と連携を図りながら取り組んでまいります。
 なお、お話のありました丹生都比売神社の杉の損傷につきましては、国内の世界遺産関連では初めてとなる文化財保護法違反容疑で告発をいたしたところでございます。
○副議長(大沢広太郎君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(大沢広太郎君) 以上で、向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問は、これをもって終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(大沢広太郎君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
 次に日程第三、議案等の付託について申し上げます。
 ただいま議題となっております全案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 次に日程第四、請願付託の件について報告いたします。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 なお、常任委員会の会場はお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 お諮りいたします。六月二十六日及び二十七日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(大沢広太郎君) 御異議なしと認めます。よって、六月二十六日及び二十七日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、六月二十八日定刻より再開いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時二十七分散会

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